JP6689755B2 - 光反射フィルム及びこれを有する積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、ヘーズ値が低く、反射帯域幅が広いコレステリック液晶を有する光反射フィルム及びこれを有する積層体に関する。この光反射フィルムは、主に建材や車載用などの遮熱フィルム、輝度向上フィルムやカラーフィルターなどの光学部材、アイウェア(サングラスやゴーグル、ヘルメット用バイザーなど)に利用される光学フィルムに適用される。
円偏光分離機能を有するコレステリック液晶は、液晶の螺旋の回転方向と円偏光方向とが一致し、波長が液晶の螺旋ピッチであるような円偏光の光だけを反射する選択反射特性を有する。この選択反射特性により、コレステリック液晶は、例えば輝度向上フィルムやカラーフィルターなどの光学部材に利用されている。
しかしながら、コレステリック液晶の選択反射特性は特定の波長帯域のみに限定され、より広い波長帯域で選択反射特性を示す光学部材の開発が望まれている。
コレステリック液晶の選択反射波長領域巾△λは、
△λ=2λ・(ne−no)/(ne+no)
no:コレステリック液晶分子の正常光に対する屈折率
ne:コレステリック液晶分子の異常光に対する屈折率
λ:選択反射の中心波長
で表され、コレステリック液晶そのものの分子構造に依存する。
上記式より、ne−noを大きくすれば選択反射波長領域巾△λは広げられるが、ne−noは通常0.3以下である。この値を大きくすると液晶としての他の機能(配向特性、液晶温度など)が不十分となり実用が困難となる。したがって、現実には、選択反射波長領域巾△λは最も大きくても150nm程度となる。コレステリック液晶として実用可能なものの多くは、現状、30〜80nm程度である。
また、選択反射中心波長λは、
λ=(ne+no)P/2
P:コレステリック液晶一回転ねじれに要する螺旋ピッチ長
で表され、ピッチ一定であれば液晶分子の平均屈折率とピッチ長に依存する。
そこで、反射帯域を広帯域化するために、特殊な条件下で紫外線重合を行うことによってピッチ長を厚み方向で連続変化させて選択反射中心波長そのものの存在分布を形成する方法(特許文献1、2)が提案されている。
特許文献1、2に記載してある特殊な条件下で紫外線重合することによってピッチ長を厚み方向で連続変化させて選択反射中心波長そのものの存在分布を形成する方法は、コレステリック液晶組成物を紫外線露光で硬化させる際に、コレステリック液晶組成物の、露光面側部分と出射面側部分の露光強度に差を付け、重合速度に差を付けることで、反応速度の異なる液晶組成物の組成比変化を厚み方向で設けるというものである。しかしながら、この方法では、長時間の紫外線照射を必要としたり、半硬化の状態で広帯域化した後に高強度の紫外線照射を行う本硬化工程を必要としたり、紫外線照射による硬化時における加熱をさらに必要とするなど、製造工程が複雑化するという問題が生じる。また、紫外線照射により、得られるフィルムに黄変が起こり、外観が悪くなるという問題が生じる。
さらに、上記の方法では入射光に対して40%以上の反射性能を広帯域にわたって発揮するには、コレステリック液晶を用いた光反射層の厚さを10μm程度と厚くする必要がある。しかしながら、光反射層の厚さを厚くし過ぎると、コレステリック液晶の配向不良が生じてしまい、これにより、得られる光反射フィルムのヘーズ値の上昇を引き起こすといった問題がある。よって、このような光反射フィルムは、低ヘーズ値が求められる光学部材への使用には適していない。また、螺旋の回転方向が右回りと左回りのいずれか一方の螺旋構造のコレステリック液晶層だけでは、理論上入射光に対して50%を上回る反射性能を示す光反射フィルムを得ることは不可能であり、それ故、このような光反射フィルムは、低いヘーズ値に加え、入射光に対して50%を上回る反射性能を求められる光学部材への使用に適していない。
特許第4133839号公報 特開2013−64890号公報
本発明の目的は、ヘーズ値が低く、さらには50%を上回る反射率を比較的広い波長帯域で示す光反射フィルム及びこれを有する積層体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)右円偏光反射能を有する右巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された少なくとも1層の光反射層RPRLと、左円偏光反射能を有する左巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された少なくとも1層の光反射層LPRLを含み、
前記光反射層RPRLと前記光反射層LPRLを合計で3層以上積層し、積層した前記RPRL及び前記光反射層LPRLは、互いに隣接する2つの光反射層間でいずれも10nm以上160nm以下の間隔だけずれた選択反射の中心波長を有することを特徴とする光反射フィルム。
(2)入射光に対して50%超え95%以下の光を反射する領域を有することを特徴とする、(1)に記載の光反射フィルム。
(3)ヘーズ値(Hz)が1.0%以下であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の光反射フィルム。
(4)各光反射層の厚みが0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする、(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の光反射フィルム。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の光反射フィルムと基材を有することを特徴とする積層体。
なお、本発明におけるPRLは、Polarized light Reflection Layerの略記であって、光反射層を意味するアルファベット表記であり、光反射層RPRLは、右巻き螺旋構造のコレステリック液晶層を有する光反射層を表し、光反射層LPRLは、左巻き螺旋構造のコレステリック液晶層を有する光反射層を表す。
本発明により、ヘーズ値が低く、さらには50%を上回る反射率を比較的広い波長帯域で示す光反射フィルム及びこれを有する積層体を提供することができる。
本発明に従う光反射フィルムの一実施形態を示す概略断面図である。 本発明に従う積層体の一実施形態を示す概略断面図である。
以下、本発明に従う代表的な光反射フィルム及び積層体について、図面を参照しながら以下に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明を具体的に説明するために用いた代表的な実施形態を例示したにすぎず、本発明の範囲において、種々の実施形態をとり得る。
また、以下において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、コレステリック液晶は、一方向に揃って配向した分子が層を成し、隣り合う分子層ごとに、分子の配列方向が螺旋軸に沿って少しずつねじれた螺旋構造を形成している。このような螺旋構造を形成してなる複数の分子層の積層状態にあるコレステリック液晶相を固定した層を、以下においてコレステリック液晶層と呼び、当該コレステリック液晶層は本発明の光反射層に相当する。コレステリック液晶相が固定化された光反射層の屈折率異方性Δnは、選択反射特性を示す波長(具体的には、波長500nm近傍)でのΔnを意味する。この屈折率異方性Δnを算出するため、具体的には、まず、サンプルとして、光反射層を、配向処理した若しくは配向膜を付与した基板(ガラス、フィルム)上に形成する。当該光反射層の選択反射を測定し、そのピーク幅Hwを求める。また、サンプルの螺旋ピッチpを別途測定する。螺旋ピッチpは、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することによって測定可能である。これらの値を以下の式に代入することで、サンプルの屈折率異方性Δnを求めることができる。
Δn=Hw/p
図1に示す光反射フィルム1は、コレステリック液晶相が固定化された光反射層2、3、4及びこれらの光反射層2、3、4の間に形成された接着剤若しくは粘着剤からなる接着層5、6を有する場合の構成例である。なお、光反射層2、3、4を粘着剤又は接着剤を使用しなくても積層できる場合には、光反射フィルム1は、光反射層2、3、4を、接着層5、6を介することなく直接積層して構成することができる。
本発明の1つの実施態様において、光反射層3には、反射帯域を広くするために、光反射層2のコレステリック液晶層と比べて、選択反射の中心波長が長波長側にあり、且つ螺旋の回転方向が反対であるコレステリック液晶層が使用される。同様に、光反射層4には、光反射層3のコレステリック液晶層と比べて、選択反射の中心波長が長波長側にあり、且つ螺旋の回転方向が反対であるコレステリック液晶層が使用される。例えば、光反射層2として、右巻きの螺旋構造のコレステリック液晶層(RCLC−2)を用いた場合、光反射層3には、コレステリック液晶層(RCLC−2)と比べ中心波長が長波長側にあり、且つ左巻きの螺旋構造のコレステリック液晶層(LCLC−3)が用いられ、光反射層4には、コレステリック液晶層(LCLC−3)と比べ中心波長が長波長側にあり、且つ右巻き螺旋構造のコレステリック液晶層(RCLC−4)が用いられる。そのため、このような光反射層2、3及び4を用いた図1に示される光反射フィルム1の層構成は、RPRL−2/接着層5/LPRL−3/接着層6/RPRL−4となる。また、上記の層構成に関して、対応する各光反射層の代わりに、螺旋の回転方向が反対方向の光反射層を用いた場合すなわち、光反射フィルム1の層構成が、LPRL−2/接着層5/RPRL−3/接着層6/LPRL−4とした場合であってもよい。なお、上記のRCLC(LCLC)は、Right(Left) Cholesteric Liquid Crystalの略記であって、右巻き螺旋構造又は左巻き螺旋構造のコレステリック液晶層を意味するアルファベット表記であり、また、上記のRCLC(LCLC)又はRPRL(LPRL)に続く数字は、図1の光反射層2、3、4として付した数字を意味する。以下、同様に表す。
また、本発明の他の実施態様として、光反射層3には、光反射層2のコレステリック液晶層と比べて、選択反射の中心波長が短波長側にあり、且つ螺旋の回転方向が反対であるコレステリック液晶層が使用され、一方で、光反射層4には、光反射層2で使用されるコレステリック液晶層と比べて、選択反射の中心波長が長波長側にあり、且つ螺旋の回転方向が同じであるコレステリック液晶層が使用されていてもよい。この場合、例えば、光反射層2として、右巻きの螺旋構造のコレステリック液晶層(RCLC−2)を用いた場合、光反射層3には、コレステリック液晶層(RCLC−2)と比べ中心波長が短波長側にあり、且つ左巻きの螺旋構造のコレステリック液晶層(LCLC−3)が用いられ、光反射層4には、コレステリック液晶層(RCLC−2)と比べ中心波長が長波長側にあり、且つ右巻き螺旋構造のコレステリック液晶層(RCLC−4)が用いられる。また、上記の層構成に関して、対応する各光反射層の代わりに、螺旋の回転方向が反対方向の光反射層を用いた層構成であっても、光の反射特性として同様の作用を示す光反射フィルムを得ることができる。
さらに、本発明の他の実施態様として、光反射層3には、光反射層2で使用されるコレステリック液晶層と比べて、選択反射の中心波長が長波長側にあり、且つ螺旋の回転方向が反対であるコレステリック液晶層が使用され、一方で、光反射層4には、光反射層2で使用されるコレステリック液晶層と比べて、選択反射の中心波長が短波長側にあり、且つ螺旋の回転方向が同じであるコレステリック液晶層が使用されていてもよい。この場合、例えば、光反射層2として、右巻きの螺旋構造のコレステリック液晶層(RCLC−2)を用いた場合、光反射層3には、コレステリック液晶層(RCLC−2)と比べ中心波長が長波長側にあり、且つ左巻きの螺旋構造のコレステリック液晶層(LCLC−3)が用いられ、光反射層4には、コレステリック液晶層(RCLC−2)と比べ中心波長が短波長側にあり、且つ右巻き螺旋構造のコレステリック液晶層(RCLC−4)が用いられる。また、上記の層構成に関して、対応する各光反射層の代わりに、螺旋の回転方向が反対方向の光反射層を用いた層構成であっても、光の反射特性として同様の作用を示す光反射フィルムを得ることができる。
すなわち、本発明の光反射フィルムを構成する各光反射層2、3、4の積層順は、選択反射の中心波長の長い側又は短い順に積層された層構成に限定されず、必要に応じて層構成を設計することができる。
本発明の光反射フィルムにおいて、右巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された光反射層RPRLと、左巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された光反射層LPRLとが積層される順番は、少なくとも1層の光反射層RPRLと少なくとも1層の光反射層LPRLとが合計で3層以上積層されていれば特に限定されるものではない。例えば、図1において、光反射層2としてRPRL−2、光反射層3としてLPRL−3、光反射層4としてRPRL−4が積層されていてもよく、一方、光反射層2としてLPRL−2、光反射層3としてLPRL−3、光反射層4としてRPRL−4が積層されていてもよく、また、光反射層2としてRPRL−2、光反射層3としてRPRL−3、光反射層4としてLPRL−4が積層されていてもよい。
本発明において、各光反射層の選択反射の中心波長は、特に限定されるものではないが、各光反射層の反射帯域がそれぞれ重なる反射帯域を有することにより、可視光領域又は近赤外光領域で広い波長帯域にわたって選択反射特性を示す光反射フィルムを得ることができる。したがって、可視光領域での各光反射層の選択反射の中心波長は、400〜700nmであることが好ましく、450〜650nmであることがより好ましく、一方、近赤外光領域での各光反射層の選択反射の中心波長は、800〜1500nmであることが好ましく、850〜1250nmであることがより好ましい。
本発明の光反射フィルムに積層される光反射層RPRLと光反射層LPRLは、互いに10nm〜160nmの間隔だけずれた選択反射の中心波長を有し、好ましくは20nm〜120nmの間隔だけずれた選択反射の中心波長を有している。この間隔が10nmよりも小さいと、積層された光反射層同士の反射帯域の重なりが非常に大きくなり、その結果、広帯域な反射能をもつ光反射フィルムを得ることが出来なくなる。一方、この間隔が160nmよりも大きいと、積層された光反射層同士の反射帯域の重なりが無くなり、同様に広帯域な反射性能をもつ光反射フィルムを得ることが出来なくなる。また、合計で3層以上積層された光反射層RPRLと光反射層LPRLのうちから選択される2層の光反射層の選択反射の中心波長同士のずれの間隔は、いずれも同じであっても、あるいは異なっていてもよい。また、中心波長同士のずれの間隔は小さいほど最大反射率は高くなるが、一方で反射率が50%を上回る反射帯域が狭くなる。反対に、中心波長同士のずれの間隔が大きいほど反射率が50%を上回る反射帯域は広くなるが、一方で最大反射率は低くなる。そのため、所望とする最大反射率と反射帯域は目的とする用途に合わせて選択することができる。
このような光反射層RPRLと光反射層LPRLを合計で3層以上積層させた本発明の光反射フィルムは、当該光反射フィルムを高い反射性能が求められる光学部材に適用させる観点から、入射光に対する最大反射率は50%超えであることが好ましく、より好ましくは75%以上である。但し、この最大反射率の上限は、使用する部材が少し光を吸収することから、95%程度である。また、入射光に対して50%を上回る光を反射する反射帯域の幅は、可視光領域においては80nm以上であることが好ましく、100nm以上あることがより好ましく、一方、近赤外光領域においては、150nm以上であることが好ましく、170nm以上あることがより好ましい。入射光に対して50%を上回る光を反射する反射帯域の幅が、可視光領域の場合には80nm未満、近赤外光領域の場合には150nm未満であると、選択反射の中心波長と螺旋ピッチが互いに同じである光反射層RPRLと光反射層LPRLを、単に2層積層させた場合と大差なく、同等の反射帯域の幅(可視光領域においては約76nm、近赤外光領域においては約147nm)となるため、本発明における光反射層を3層以上積層させた効果、すなわち、50%を上回る反射率を比較的広い波長帯域で示す光反射フィルムを得ることが出来ない。
各光反射層の厚さは、0.5μm〜5μmであることが好ましく、より好ましくは1μm〜4μmである。各光反射層の厚さが0.5μm未満の場合、得られる光反射フィルムの反射率が低下するおそれがあり、一方、光反射層の厚さが5μm以上の場合には、コレステリック液晶の配向不良が生じ、これにより得られる光反射フィルムのヘーズ値が上昇するおそれがある。
光反射層を3層以上積層させた光反射フィルムのヘーズ値は1.0%以下が好ましく、0.8%以下がより好ましい。ヘーズ値が1.0%より大きいと、光反射フィルムの不透明性が大きく、透明性が重要である光学部材への使用に適さない。
上記光反射層は、種々の方法で形成することができる。一例は、後述する塗布により形成する方法であり、より具体的には、光反射層は、コレステリック液晶層を形成し得る硬化性液晶組成物を、基板、配向層等の表面に塗布し、当該組成物をコレステリック液晶相とした後、硬化反応(例えば、重合反応や架橋反応等)を進行させることでコレステリック液晶相を固定させて、形成することができる。
図2に示される積層体8は、基材である基板7上に、本発明の光反射フィルム1が設けられた本発明の構成例である。基板7の材料は、例えば、ポリマーフィルムであり、その光学特性については特に制限はない。
本発明の積層体8は、種々の方法で形成することができる。一例は、後述する光反射層と基材とを貼り合せることによって形成する方法であり、より具体的には、接着剤または粘着剤を、基板または光反射層の表面に塗布し、表面から別の光反射層を貼り合せた後、硬化反応(例えば、重合反応や架橋反応等)を進行させることで硬化させて、この工程を複数回繰り返すことにより形成することができる。
本発明の光反射フィルム1及び積層体8の態様は、図1、図2に示す態様に限定されるものではない。光反射フィルムには、光反射層が3層以上積層されていればよく、光反射層が4層以上積層されている構成であってもよい。また、各光反射層2、3、4、・・・が形成される順番は、図1、2では、光反射層2、光反射層3、光反射層4、・・・の順で積層された構成であるが、この積層順には限定さない。
コレステリック液晶相を固定して形成される光反射層は、紫外光照射によって、劣化する傾向があり、特に、380nm以下の波長の紫外光に対する劣化が顕著であることがわかっている。よって、本発明では、例えば、当該波長域の光を吸収する材料(紫外線吸収剤)を、基板若しくは少なくとも一つの光反射層に添加することによって、または当該材料を含有する層、例えば光吸収層を別途積層することによって、光反射層の劣化を顕著に抑制することができる。
次に、本発明の光反射フィルム及び積層体の作製に用いられる材料及びこの材料の作製方法の例について詳細に説明する。
1.光反射層形成用材料
本発明の光反射層では、各光反射層の形成に、硬化性の液晶組成物を用いるのが好ましい。例えば、前記液晶組成物は、棒状液晶化合物、光学活性化合物(キラル化合物)、及び重合開始剤の各成分を少なくとも含有しており、各成分は2種以上含まれていてもよい。例えば、重合性の液晶化合物と非重合性の液晶化合物との併用が可能である。また、低分子液晶化合物と高分子液晶化合物との併用も可能である。更に、配向の均一性や塗布適性、膜強度を向上させるために、水平配向性、ムラ防止剤、ハジキ防止剤、及び重合性モノマー等の種々の添加剤から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。また、前記液晶組成物中には、必要に応じて、さらに重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、色材、金属酸化物微粒子等を、光学性能を低下させない範囲で添加することができる。
(1)棒状液晶化合物
本発明に使用可能な棒状液晶化合物の例は、棒状ネマチック液晶化合物である。前記棒状ネマチック液晶化合物の例には、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。低分子液晶化合物だけではなく、高分子液晶化合物も用いることができる。
本発明に利用する棒状液晶化合物は、重合性であっても非重合性であってもよい。重合性基を有しない棒状液晶化合物については、様々な文献(例えば、Y.Goto et.al., Mol.Cryst. Liq. Cryst. 1995, Vol. 260, pp.23−28)に記載がある。重合性棒状液晶化合物は、重合性基を棒状液晶化合物に導入することで得られる。重合性基の例には、不飽和重合性基、エポキシ基、及びアジリジニル基が含まれ、不飽和重合性基が好ましく、エチレン性不飽和重合性基が特に好ましい。重合性基は種々の方法で、棒状液晶化合物の分子中に導入できる。重合性棒状液晶化合物が有する重合性基の個数は、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個である。重合性棒状液晶化合物の例は、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許第4683327号明細書、米国特許第5622648号明細書、米国特許第5770107号明細書、国際公開第95/22586号、国際公開第95/24455号、国際公開第97/00600号、国際公開第98/23580号、国際公開第98/52905号、特開平1−272551号公報、特開平6−16616号公報、特開平7−110469号公報、特開平11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が含まれる。棒状液晶化合物として、2種類以上の重合性棒状液晶化合物が併用されていてもよい。2種類以上の重合性棒状液晶化合物を併用すると、配向温度を低下させることができる。
(2)光学活性化合物(キラル剤)
前記液晶組成物は、コレステリック液晶相を示すものであり、そのためには、光学活性化合物を含有しているのが好ましい。ただし、上記棒状液晶化合物が不斉炭素原子を有する分子である場合には、光学活性化合物を添加しなくても、コレステリック液晶相を安定的に形成することが可能な場合もある。前記光学活性化合物は、公知の種々のキラル剤(例えば、液晶デバイスハンドブック、第3章4−3項、TN、STN用カイラル剤、199頁、日本学術振興会第142委員会編、1989に記載)から選択することができる。光学活性化合物は、一般に不斉炭素原子を含むが、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物あるいは面性不斉化合物もカイラル剤として用いることができる。軸性不斉化合物または面性不斉化合物の例には、ビナフチル、ヘリセン、パラシクロファン及びこれらの誘導体が含まれる。光学活性化合物(キラル剤)は、重合性基を有していてもよい。光学活性化合物が重合性基を有するとともに、併用する棒状液晶化合物も重合性基を有する場合は、重合性光学活性化合物と重合性棒状液晶化合物との重合反応により、棒状液晶化合物から誘導される繰り返し単位と、光学活性化合物から誘導される繰り返し単位とを有するポリマーを形成することができる。この態様では、重合性光学活性化合物が有する重合性基は、重合性棒状液晶化合物が有する重合性基と、同種の基であることが好ましい。したがって、光学活性化合物の重合性基も、不飽和重合性基、エポキシ基又はアジリジニル基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが特に好ましい。また、光学活性化合物は、液晶化合物であってもよい。
前記液晶組成物中の光学活性化合物は、併用される液晶化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上20重量部以下、より好ましくは1重量部以上10重量部以下である。光学活性化合物の使用量は、より少なくしたほうが液晶性に影響を及ぼさないことが多いため好ましい。したがって、キラル剤として用いられる光学活性化合物は、少量でも所望の螺旋ピッチの捻れ配向を達成可能なように、強い捩り力のある化合物が好ましい。この様な、強い捻れ力を示すキラル剤としては、例えば、特開2003−287623号公報に記載のキラル剤が挙げられ、好ましくは、本発明において用いることができる。
(3)重合開始剤
前記光反射層の形成に用いる液晶組成物は、重合性液晶組成物であるのが好ましく、そのためには、重合開始剤を含有しているのが好ましい。本発明では、紫外線照射により硬化反応を進行させるので、使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。上記光重合開始剤は特に限定されず、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン( チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー907」)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン( チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー184」)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン( チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー2959」)、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュアー953」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュアー1116」)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン( チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー1173」)、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガキュアー651」)等のベンゾイン化合物、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4 ’−メチルジフェニルサルファイド、3,3 ’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン(日本化薬社製「カヤキュアーMBP 」)等のベンゾフェノン化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアーCTX」)、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアーRTX」)、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロオチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアーCTX」)、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアーDETX」)、2,4−ジイソプロピルチオキサントン(日本化薬社製「カヤキュアーDITX 」)等のチオキサントン化合物等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
組成物中の上記光重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記重合性液晶化合物100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以上10重量部以下であり、より好ましくは2重量部以上8重量部以下である。
上記光重合開始剤として、上記ベンゾフェノン化合物や上記チオキサントン化合物を用いる場合には、光重合反応を促進させるために、反応助剤を併用することが好ましい。上記反応助剤としては特に限定されず、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタアクリレート、ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等のアミン化合物が挙げられる。
上記重合性液晶組成物中の上記反応助剤の含有量は特に限定されないが、上記重合性液晶組成物の液晶性に影響を与えない範囲で使用することが好ましく、上記重合性液晶化合物と紫外線硬化型の重合性化合物の合計100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以上10重量部以下であり、より好ましくは重量部以上8重量部以下である。また、上記反応助剤の含有量は、上記光重合開始剤の含有量に対して、0.5〜2倍量であることが好ましい。
(4)溶剤
前記液晶組成物には、さらに溶剤が含まれる。このような溶剤は、使用する液晶化合物やキラル剤等を溶解できれば、特に限定されるものではなく、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、アセトン、アニソールなどが挙げられ、好ましくは、溶解性がよいシクロペンタノンが挙げられる。また、これらの溶剤は任意の割合で加えることができ、1種類のみを加えてもよいし、複数の溶剤を併用してもよい。これら溶剤は、オーブンやフィルムコーターラインの乾燥ゾーンにて乾燥除去される。
(5)添加剤
更に、上記液晶組成物には必要に応じてレベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、重合禁止剤架橋剤、可塑剤、無機微粒子、フィラー等の添加剤を任意の割合で添加し、上記液晶組成物にそれぞれの添加剤が有する機能を付与させることも可能である。レベリング剤としてはフッ素系化合物、シリコーン系化合物、アクリル系化合物等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられ、光安定化剤としてはヒンダードアミン系化合物、ベンゾエート系化合物等が挙げられ、酸化防止剤としてはフェノール系化合物等が挙げられる。重合禁止剤としては、メトキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン等が挙げられ、架橋剤としては、前記ポリイソシアネート類、メラミン化合物等が挙げられる。可塑剤としてはジメチルフタレートやジエチルフタレートのようなフタル酸エステル、トリス(2−エチルヘキシル)トリメリテートのようなトリメリト酸エステル、ジメチルアジペートやジブチルアジペートのような脂肪族二塩基酸エステル、トリブチルホスフェートやトリフェニルホスフェートのような正燐酸エステル、グリセルトリアセテートや2−エチルヘキシルアセテートのような酢酸エステルが挙げられる。
2.接着層形成用材料
本発明の光反射フィルムにおいて、必要に応じて、各光反射層を、接着層を介して積層することができる。本発明の光反射フィルムの光学部材への用途を考慮すると、このような接着層を形成するための材料は、透明であることが好ましい。接着層形成用材料に使用可能な透明樹脂の例として、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂が挙げられる。
(1)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂は、アクリル系モノマー又はオリゴマーを主成分とし、アニオン重合やラジカル重合、レドックス重合によって硬化するものである。このようなアクリル系樹脂としては、例えば、2−シアノアクリル酸エステルを主成分とするアニオン重合型の瞬間接着剤や、メタクリル酸エステルを主成分とするレドックス重合型のアクリル系接着剤、多官能アクリル酸エステルや多官能メタクリル酸エステルを主成分とする紫外線照射によるラジカル重合型の紫外線硬化型接着剤等が挙げられる。紫外線硬化型接着剤は(メタ)アクリレート系モノマー、光重合開始剤及び添加剤からなる。
アクリル系樹脂として用いられる例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応生成物、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタアクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールトリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(メタアクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応性生物、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、ブチルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
(2)エポキシ系樹脂
エポキシ系樹脂は、エポキシ樹脂と硬化剤、好ましくはアミン系化合物や酸無水物と金属触媒を成分とするものである。エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基をもつものであれば特に制限はなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、含プロムエポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロピレングリコールグリシジルエーテルやペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどの脂肪族系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂等が挙げられ、これらエポキシ樹脂は2種以上混合して用いてもよい。また、必要に応じて、粘度低下のためにブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、脂肪族アルコールのグリシジルエーテルなどのようなモノエポキシ化合物を配合してもよい。
また、本発明は粘着剤を利用することもできる。粘着剤としてはゴム系、アクリル系、シリコーン系などを用いることができるが、特にアクリル系粘着剤が望ましい。
(3)粘着剤
アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや他の(メタ)アクリル系モノマー成分を共重合した(メタ)アクリル系ポリマーを用いた粘着剤が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどが挙げられる。
他の(メタ)アクリル系モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどの窒素含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有モノマーなどが挙げられる。
本発明に用いる接着剤または粘着剤の塗工液には、粘度調整や塗工性改善のために溶剤を加えてもよい。溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチルのような酢酸エステル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコールのようなアルコール類、2−ブタノン、アセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンのようなケトン類、ベンジルアミン、トリエチルアミン、ピリジンのような塩基系溶媒、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アニソール、ヘキサン、ヘプタンのような非極性溶媒が挙げられる。これらの溶剤は任意の割合で加えることができ、1種類のみ加えてもよいし、複数成分を配合してもよい。これら溶剤は、オーブンやフィルムコーターラインの乾燥ゾーンにて乾燥除去される。
3.基板
本発明の積層体は、光反射フィルムの一方または双方の最外層として、基板を有している。基板は自己支持性があるものであれば、材料及び光学的特性についてなんら限定はない。用途によっては紫外光に対する高い透明性が要求される。また、必要に応じて、本発明の光反射フィルムと基板を、接着剤を用いて積層してもよい。基板の形状は、フィルム状でも曲面状などの立体構造物でもよく、当該基板は、所定の光学特性を満足するように、基板の生産工程を管理して製造される。
本発明の積層体に用いられる基板には、可視光に対する透過性が高いポリマーフィルムの使用が好ましく、液晶表示装置等の表示装置の部材として用いられる種々の光学フィルム用のポリマーフィルムが挙げられる。このような基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、等のポリエステルフィルム;ポリカーボネート(PC)フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、などが挙げられる。その中でも、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネートが好ましい。また、ポリマーフィルム以外の基板として、ガラス基板などが挙げられる。
コレステリック液晶相中の液晶化合物の配向方向をより精密に規定するために、基板の表面を配向させてもよい。基板の表面を配向するためには基板の表面をラビング処理して配向面を形成するのが好ましく、また、以下に挙げるように基板の表面に配向層を設けてもよい。
4.配向層
本発明の積層体は、光反射フィルム中に積層されているコレステリック液晶相の光反射層と基板との間に配向層を有していてもよい。配向層は、コレステリック液晶相中の液晶化合物の配向方向をより精密に規定する機能を有する。配向層は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成等の手段で設けることができる。さらには、電場の付与、磁場の付与、あるいは光照射により配向機能が生じる配向層も知られている。配向層は、ポリマーの膜の表面に、ラビング処理により形成するのが好ましい。
配向層は、隣接する、光反射層及び基板のいずれに対しても、ある程度の密着力を有することが好ましい。例えば、コレステリック液晶層が固定化された光反射層を3層有する積層体に配向層を介挿する場合、まず光反射層と基板との間に配向層を有する2つの積層体を用意し、積層体[1](光反射層[1]/配向層[1]/基板[1])と、積層体[2](光反射層[2]/配向層[2]/基板[2])を接着剤を用いて貼り合わせ、基板[1]/配向層[1]/光反射層[1]/接着剤/光反射層[2]/配向層[2]/基板[2]の層構成をなす積層体[A]を作製する。次いで、片方の配向層[2]/基板[2](積層体[2]側)を剥離し、さらに、同様に、予め用意した光反射層と基板との間に配向層を有する積層体[3](光反射層[3]/配向層[3]/基板[3])と上記のように作製した積層体[A]を接着剤を用いて積層させ、基板[1]/配向層[1]/光反射層[1]/接着剤/光反射層[2]/接着剤/光反射層[3]/配向層[3]/基板[3]の積層体を作製する。そのため、配向層は、コレステリック液晶相が固定化された光反射層と配向層との界面又は基板と配向層との界面のいずれかの界面にて、剥離ができる程度の弱い剥離力で介挿されていることが望ましい。なお、配向層を剥離する界面は、特に限定されるものではないが、後工程で積層体[3]を作製することを考慮すると、光反射層と配向層との界面で剥離することが好ましい。
配向層として用いられる材料としては、有機化合物のポリマーが好ましく、それ自体が架橋可能なポリマーか、あるいは架橋剤により架橋されるポリマーがよく用いられる。当然、双方の機能を有するポリマーも用いられる。ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマー及びシランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。好ましいポリマーの例としては、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーであり、さらにゼラチン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールを挙げることができる。前記配向層の厚みは、0.1〜2.0μmが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
塗布液(液晶組成物)の調製
下記表1及び表2に示す組成の塗布液(R)及び(L)をそれぞれ調製した。
Figure 0006689755
Figure 0006689755
Figure 0006689755
接着剤の調製
下記表3に示す組成の接着剤を調製した。
Figure 0006689755
光反射層の作製
調製した12種類の塗布液(R1〜R10)、(L1〜L4)を用い、下記の手順にてそれぞれコレステリック液晶の塗膜(光反射層)を作成し、選択反射の中心波長を評価した。基板としては、ラビング処理が施された下塗り層がない東洋紡績社製PETフィルム(商品名 A4100、厚さ50μm)を使用した。
(1)各塗布液を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが3μmになるように、PETフィルム上に室温にて塗布した。
(2)150℃にて5分間加熱して溶剤の除去とともにコレステリック液晶相とした。次いで、高圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング社製:HX4000L)を120W出力、5〜10秒間UV照射し、コレステリック液晶相を固定して、コレステリック液晶塗膜(光反射層)を作成した。
(3)島津製作所社製の分光光度計MPC−3100を用いて、作製したコレステリック液晶塗膜(R1〜R10、L1〜L4)の反射スペクトルを測定し、選択反射の中心波長を求めた。得られた結果を下記表4、5に記載した。
Figure 0006689755
Figure 0006689755
光反射フィルムの作製
[実施例1]
調整した接着剤(S1)を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが10μmになるように上記(1)〜(2)にて作製したR1のコレステリック液晶塗膜面に塗布した。40℃にて1分間加熱して溶剤の除去の後、L2のコレステリック液晶塗膜面とハンドローラーを用いて合わせ、高圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング社製HX4000L)を120W出力、5〜10秒間UV照射して硬化させて、R1のコレステリック液晶層からなる光反射層(R1)と、L2のコレステリック液晶層からなる光反射層(L2)の2層を積層した。その後、光反射層(L2)側のPETフィルムを剥離し、当該PETフィルムを剥離した側のL2のコレステリック液晶塗膜面に接着剤(S1)を、ワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜の厚みが10μmになるように塗布し、2つの光反射層を積層した手順と同様にR5のコレステリック液晶塗膜を積層し、次いで、光反射層(R1)側のPETフィルムと光反射層(R5)側のPETフィルムをそれぞれ剥離し、R1のコレステリック液晶層からなる光反射層(R1)と、L2のコレステリック液晶層からなる光反射層(L2)と、R5のコレステリック液晶層からなる光反射層(R5)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(R1)/光反射層(L2)/光反射層(R5))を作製した。
[実施例2]
塗布する液晶塗布液(R2)、(L2)、(R4)を用いた以外は実施例1と同様の手順により、R2のコレステリック液晶層からなる光反射層(R2)と、L2のコレステリック液晶層からなる光反射層(L2)と、R4のコレステリック液晶層からなる光反射層(R4)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(R2)/光反射層(L2)/光反射層(R4))を作製した。
[実施例3]
塗布する液晶塗布液(L2)、(R2)、(R4)を用いて、光反射層(L2)と光反射層(R2)の積層構成を逆にする以外は実施例2と同様の手順により、L2のコレステリック液晶層からなる光反射層(L2)と、R2のコレステリック液晶層からなる光反射層(R2)と、R4のコレステリック液晶層からなる光反射層(R4)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(L2)/光反射層(R2)/光反射層(R4))を作製した。
[実施例4]
塗布する液晶塗布液(L1)、(R3)、(L3)を用いた以外は実施例1と同様の手順により、L1のコレステリック液晶層からなる光反射層(L1)と、R3のコレステリック液晶層からなる光反射層(R3)と、L3のコレステリック液晶層からなる光反射層(L3)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(L1)/光反射層(R3)/光反射層(L3))を作製した。
[実施例5]
塗布する液晶塗布液(R2)、(L2)、(R5)を用いた以外は実施例1と同様の手順により、R2のコレステリック液晶層からなる光反射層(R2)と、L2のコレステリック液晶層からなる光反射層(L2)と、R5のコレステリック液晶層からなる光反射層(R5)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(R2)/光反射層(L2)/光反射層(R5))を作製した。
[実施例6]
塗布する液晶塗布液(R6)、(L4)、(R10)を用いた以外は実施例1と同様の手順により、R6のコレステリック液晶層からなる光反射層(R6)と、L4のコレステリック液晶層からなる光反射層(L4)と、R10のコレステリック液晶層からなる光反射層(R10)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(R6)/光反射層(L4)/光反射層(R10))を作製した。
[実施例7]
塗布する液晶塗布液(R7)、(L4)、(R9)を用いた以外は実施例1と同様の手順により、R7のコレステリック液晶層からなる光反射層(R7)と、L4のコレステリック液晶層からなる光反射層(L4)と、R9のコレステリック液晶層からなる光反射層(R9)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(R7)/光反射層(L4)/光反射層(R9))を作製した。
[比較例1]
塗布する液晶塗布液(R3)、(L2)、(R3)を用いた以外は実施例1と同様の手順により、R3のコレステリック液晶層からなる光反射層(R3)と、L2のコレステリック液晶層からなる光反射層(L2)と、R3のコレステリック液晶層からなる光反射層(R3)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(R3)/光反射層(L2)/光反射層(R3))を作製した。
[比較例2]
塗布する液晶塗布液(R1)、(R3)、(R5)を用いた以外は実施例1と同様の手順により、R1のコレステリック液晶層からなる光反射層(R1)と、R3のコレステリック液晶層からなる光反射層(R3)と、R5のコレステリック液晶層からなる光反射層(R5)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(R1)/光反射層(R3)/光反射層(R5))を作製した。
[比較例3]
塗布する液晶塗布液(R1)、(R3)、(R5)を用い、光反射層1層あたりの厚みを10μmにした以外は実施例1と同様の手順により、R1のコレステリック液晶層からなる光反射層と(R1)、R3のコレステリック液晶層からなる光反射層(R3)と、R5のコレステリック液晶層からなる光反射層(R5)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(R1)/光反射層(R3)/光反射層(R5))を作製した。
[比較例4]
塗布する液晶塗布液(R8)、(L4)、(R8)を用いた以外は実施例1と同様の手順により、R8のコレステリック液晶層からなる光反射層(R8)と、L4のコレステリック液晶層からなる光反射層(L4)と、R8のコレステリック液晶層からなる光反射層(R8)の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(R8)/光反射層(L4)/光反射層(R8))を作製した。
[比較例5]
塗布する液晶塗布液(R6)、(R8)、(R10)を用いた以外は実施例1と同様の手順により、R6のコレステリック液晶層からなる光反射層(R6)と、R8のコレステリック液晶層からなる光反射層(R8)と、R10のコレステリック液晶層(R10)からなる光反射層の3層が積層された光反射フィルム(光反射層(R6)/光反射層(R8)/光反射層(R10))を作製した。
[分光性能評価]
島津製作所社製の分光光度計MPC−3100を用いて、実施例1、2、3、4、5、6、7および比較例1、2、3、4、5にて作製した光反射フィルムの反射スペクトルを測定し、選択反射の中心波長、最大反射率および50%を上回る反射率を有する反射帯域の幅を求めた。得られた結果を下記表6に記載した。
[ヘーズ(Hz)評価]
また、実施例1、2、3、4、5、6、7および比較例1、2、3、4、5にて作製した光反射フィルムを日本電色社製のヘーズメーターを用いて、ヘーズの評価を行った。得られた結果を下記表6に記載した。
Figure 0006689755
上記表6に示す通り、右巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された光反射層、左巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された光反射層、右巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された光反射層の順で各光反射層を積層し、可視光領域で隣接する2つの光反射層における選択反射の中心波長をそれぞれ70nmの間隔だけずらした実施例1の光反射フィルムは、反射率が50%を上回る反射帯域は183nmであり、隣接する2つの光反射層における選択反射の中心波長をそれぞれ30nmの間隔だけずらした実施例2の光反射フィルムは、反射率が50%を上回る反射帯域は110nmであるのに対し、選択反射の中心波長が全て同じである光反射層を積層した比較例1の光反射フィルムは、反射率が50%を上回る反射帯域は76nmであり、これは、可視光領域において、選択反射の中心波長と螺旋ピッチが互いに同じである光反射層RPRLと光反射層LPRLを、単に2層積層させた場合と同等の反射帯域の幅(約76nm)である。したがって、実施例1の光反射フィルムと実施例2の光反射フィルムは、可視光領域において、反射率が50%を上回る反射帯域が80nm以上であり、50%を上回る反射率を広い波長帯域で示していることから、実施例1の光反射フィルムと実施例2の光反射フィルムは、比較例1の光反射フィルムと比べて、高い反射性能を示した。
また、全て右巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された光反射層のみで積層した比較例2の光反射フィルムでは、最大反射率は48.8%と50%以下であるのに対し、実施例1の光反射フィルムは、65.8%の最大反射率、実施例2の光反射フィルムは91.8%の最大反射率を示し、いずれも50%を上回る最大反射率であることから、実施例1の光反射フィルムと実施例2の光反射フィルムは、いずれも比較例2の光反射フィルムと比べて、高い反射性能を示した。一方、全て右巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された光反射層のみで積層し、且つ光反射層1層当たりの厚みを10μmにした比較例3の光反射フィルムでは、最大反射率は46.7%と50%以下であり、その上、光反射層を厚くしたことによるコレステリック液晶の配向不良が生じ、その結果、ヘーズ値が16.6%と著しく大きく、比較例3の光反射フィルムは、光学部材に用いるのには適していなかった。さらに、比較例2の光反射フィルムと比較例3の光反射フィルムは、いずれも反射率が50%を上回る反射帯域が0nmであり、実用性に乏しかった。
実施例2の光反射フィルムと積層構成のみが異なる実施例3の光反射フィルムは、実施例2の光反射フィルムと同様の高い反射性能を示しており、また、実施例2の光反射フィルムと対応する各光反射層におけるコレステリック液晶相の螺旋構造のみが異なる実施例4も、実施例2と同様の高い反射性能を示した。したがって、本発明の条件を満たしていれば、各光反射層の積層構成や各光反射層のコレステリック液晶相の螺旋構造が異なっていても、同様の反射性能を示す光反射フィルムを得ることができる。また、隣接する2つの光反射層における選択反射の中心波長をそれぞれ30nmの間隔と70nmの間隔だけずらした実施例5の光反射フィルムは、反射率が50%を上回る反射帯域は153nmであり、且つ最大反射率が84.6%を示すことから、実施例5の光反射フィルムも、実施例1〜4の光反射フィルムと同様、高い反射性能を示した。
また、実施例1〜実施例5の各光反射フィルムは、ヘーズ値が0.8%と1.0%以下の低い数値を示していることから、本発明における実施例1〜5の各光反射フィルムは、光学部材に用いるのに適している。特に、実施例1の光反射フィルムは、反射率が50%を上回る反射帯域がより広いことが要求される光学部材に適している。また、実施例2〜4の各光反射フィルムは、実施例1の光反射フィルム、実施例5の光反射フィルムと比較して、反射率が50%を上回る反射帯域は狭いものの、最大反射率が90%以上と非常に高いため、実施例2〜4の各光反射フィルムは、特に、より高い反射率が求められる光学部材に用いるのに適している。
近赤外光領域で隣接する2つの光反射層における選択反射の中心波長をそれぞれ120nmの間隔だけずらした実施例6の光反射フィルムは、反射率が50%を上回る反射帯域が289nmであり、隣接する2つの光反射層における選択反射の中心波長をそれぞれ40nmの間隔だけずらした実施例7の光反射フィルムは、反射率が50%を上回る反射帯域が189nmであるのに対し、選択反射の中心波長が全て同じである光反射層を積層した比較例4の光反射フィルムは、反射率が50%を上回る反射帯域は147nmであり、これは、近赤外光領域において、選択反射の中心波長と螺旋ピッチが互いに同じである光反射層RPRLと光反射層LPRLを、単に2層積層させた場合と同等の反射帯域の幅(約147nm)である。したがって、実施例6の光反射フィルムと実施例7の光反射フィルムは、近赤外光領域において、反射率が50%を上回る反射帯域が150nm以上であり、50%を上回る反射率を広い波長帯域で示していることから、実施例6の光反射フィルムと実施例7の光反射フィルムは、比較例4の光反射フィルムと比べて、高い反射性能を示した。また、全て右巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された光反射層のみで積層した比較例5の光反射フィルムは、最大反射率は46.5%と50%以下であり、その上、反射率が50%を上回る反射帯域は0nmであり、実用性に乏しかった。
本発明の光反射フィルムは、高い反射性能、さらには低いヘーズ値を示しているため、主に建材や車載用などの遮熱フィルム、輝度向上フィルムやカラーフィルターなどの光学部材、アイウェア(サングラスやゴーグル、ヘルメット用バイザーなど)の適用に好適である。
1 光反射フィルム
2 光反射層2
3 光反射層3
4 光反射層4
5 接着層
6 接着層
7 基板
8 積層体

Claims (4)

  1. 右円偏光反射能を有する右巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された少なくとも1層の光反射層RPRLと、左円偏光反射能を有する左巻き螺旋構造のコレステリック液晶相が固定化された少なくとも1層の光反射層LPRLを含み、
    前記光反射層RPRLと前記光反射層LPRLを合計で3層以上積層し、
    積層した光反射層すべてが、10nm以上160nm以下の間隔だけずれた選択反射の中心波長を有し、かつ
    入射光に対して50%を上回る光を反射する反射帯域の幅が、可視光領域において80nm以上、又は近赤外光領域において150nm以上であることを特徴とする光反射フィルム。
  2. ヘーズ値(Hz)が1.0%以下であることを特徴とする、請求項に記載の光反射フィルム。
  3. 各光反射層の厚みが0.5μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射フィルム。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の光反射フィルムと基材を有することを特徴とする積層体。
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