JP6689374B2 - ロータリソレノイドの駆動制御方法 - Google Patents

ロータリソレノイドの駆動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ロータリソレノイドを駆動制御する際に用いて好適なロータリソレノイドの駆動制御方法に関する。
一般に、往復回動性を有するロータリソレノイドは、紙幣を区分けする搬送路切替や光学機器の光路切替等の様々な二位置切換用途に利用されている。このような切替用途に利用されるロータリソレノイドは、動作の信頼性は勿論のこと、高速動作(高速処理)と小型化(薄型化)の相反する性能が要求される場合も少なくない。また、通常、この種のロータリソレノイドには駆動装置が接続され、所定の駆動電圧が設定された駆動パルスが供給されることにより二位置切換のための駆動制御が行われる。
従来、このようなロータリソレノイドを駆動制御するための駆動制御方法としては、既に本出願人が提案した特許文献1で開示されるロータリソレノイドに用いる駆動制御方法が知られている。この駆動制御方法は、シャフトに少なくとも一対の異極を有するマグネット部を設けたマグネットロータ部と、マグネット部の外周面に対向する位置に固定して配した少なくとも一対のヨークを有するステータ部と、コイルボビンに巻回したコイルによりヨークに磁極を発生させるコイルユニット部とを備えるとともに、マグネット部の一部を径方向に突出させて一対のヨーク間に位置させ、かつ各ヨークの周方向における端辺間を変位可能に構成するとともに、周方向における幅を回動範囲に対応させて形成した係合部と、端辺により又はこの端辺の近傍で係合部に当接して当該係合部の位置を規制する一対の規制部とを備えたロータリソレノイドを駆動制御するに際し、コイルに駆動電圧を印加した後、マグネットロータ部が、回動範囲に対応させて形成した係合部に衝突した後、バウンドが減衰し、挙動が安定したタイミングにより駆動電圧の印加を解除するようにしたものである。
特開2012−80705号公報
しかし、上述した特許文献1における駆動制御方法をはじめ、ロータリソレノイドを駆動制御する従来の駆動制御方法は、次のような解決すべき課題が存在した。
第一に、少なくとも回動範囲の全範囲にわたって電流を流す制御を行うとともに、係合部に到達した後も挙動が安定するまでの間は電流を流す制御を行うため、コイルの温度上昇による影響が無視できない。即ち、長時間使用を継続した場合、コイルの温度上昇に伴い、コイルの抵抗値が増加し、結果的に、出力トルクの低下や安定性の低下を招く。特に、出力トルクの低下は、応答性の低下及び切換速度に直接影響し、高速切換動作(高速処理)の阻害要因になるとともに、安定性の低下は、一定の出力トルクにより安定した切換処理を行う観点からのマイナス要因になる。
第二に、電力を使用するため、資源節減や地球環境保護などの観点から、消費電力の低減、更には省エネルギー性及び経済性を高めることが要求されるが、基本的な駆動制御は、いわば単純な駆動パルスの供給によるシンプルな制御により行うため、消費電力を低減するには、本来の動作を実現する上での必須要素となる印加電圧を低下させたり通電時間を短くする必要があるなど、改善要素は限られてしまう。したがって、消費電力を低減する観点からは必ずしも十分な考慮がなされているとは言えず、この観点からも更なる改善の余地があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したロータリソレノイドの駆動制御方法の提供を目的とするものである。
本発明に係るロータリソレノイドの駆動制御方法は、上述した課題を解決するため、前後に位置する一対の軸受部3f,3rを設けたケーシング2を有する固定体部Sc及び一対の軸受部3f,3rにより回動自在に支持される回動シャフト4を有する可動体部Smを備えるロータリソレノイド1を駆動制御するに際し、可動体部Smを、駆動コイル6の通電制御により第一位置Xaと第二位置Xb間における回動角範囲Zmで往復回動可能に構成し、かつ一対の規制ストッパ機構10a,10bによる規制及びマグネット8a,8af…,8b,8bf…の吸引による一対の自己保持機構11a,11bにより第一位置Xaと第二位置Xbに停止可能に構成するとともに、第二位置Xb(又は第一位置Xa)から第一位置Xa(又は第二位置Xb)への切換制御時に、駆動コイル6に対して、駆動パルスPsに基づく駆動電圧を印加した後、可動体部Smが回動角範囲Zmの10〜50〔%〕における予め設定した中途位置Xpに達したなら駆動電圧の印加を解除する制御を行うことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、固定体部Scは、磁性材よりなるケーシング2と、回動シャフト4の軸方向Fsに対して直交する面となるケーシング2の内面2f(又は2r)に固定した空芯コイルを用いた駆動コイル6とを備えて構成できるとともに、可動体部Smを、一端7s側を回動シャフト4に固定したロータヨーク7と、駆動コイル6に対向する面となるロータヨーク7の他端7t側に位置する対向面7pに固定し、かつ当該対向面7pの回動方向Frに沿って配した一対のマグネット8af,8bfを有するマグネット機構部8とを備えて構成できる。また、固定体部Scと可動体部Smは、相互に当接して当該可動体部Smを規制する規制ストッパ機構10a,10bを兼用することができるとともに、ケーシング2は、第一位置Xaと第二位置Xbにおける可動体部Smを吸引する自己保持機構11a,11bを兼用することができる。なお、この自己保持機構11a,11bには、ケーシング2の一部を突出形成した吸引片部11as,11bsを用いることが望ましい。
他方、可動体部Smは、可動ブロック部13eに保持された駆動コイル6と、可動ブロック部13eに固定され、かつ駆動コイル6の軸心に対して平行に並べて配した回動シャフト4と、可動ブロック部13eの所定位置に固定した磁性材により形成した被吸引子16とを備えて構成できるとともに、固定体部Scは、磁性材により形成したケーシング2と、このケーシング2の内面2f,2rに固定し、かつ駆動コイル6の軸方向Fs端部に対向して配するとともに、可動体部Smの第一位置Xaと第二位置Xbに対応して配した二組のマグネット部8a,8bを有するマグネット機構部8とを備えて構成できる。この際、マグネット部8a,8bは、駆動コイル6の軸方向Fs一端部に対向する、ケーシング2の片側の内面2fに配した単一のマグネット8af,8bfにより構成してもよいし、駆動コイル6の軸方向Fs両端部にそれぞれ対向する、ケーシング2の相対向する両側の内面2f,2rに配した一対のマグネット8af,8ar,8bf…により構成してもよい。なお、被吸引子16は、軸直角の断面積を、駆動コイル6の内側空間における軸直角の断面積に対して、0.1〜10〔%〕の範囲に選定することが望ましい。
このような手法に基づく本発明に係るロータリソレノイドの駆動制御方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 第二位置Xb(又は第一位置Xa)から第一位置Xa(又は第二位置Xb)への切換制御時に、駆動コイル6に対して、駆動パルスPsに基づく駆動電圧を印加した後、可動体部Smが回動角範囲Zmの10〜50〔%〕における予め設定した中途位置Xpに達したなら駆動電圧の印加を解除する制御を行うため、通電時間Tpの大幅な短縮と非通電時間の拡長を図ることができ、結果的に、駆動コイル6の温度上昇(抵抗値上昇)の抑制、更には出力トルク及び安定性の低下を回避できる。これにより、高い応答性を維持しつつ常に必要となる高速切換動作(高速処理)を確保できるとともに、切換動作の安定化を図ることができる。しかも、消費電力の大幅な削減にも寄与できる。
(2) 駆動パルスPsに基づく駆動電圧の印加を解除した後における可動体部Smの変位は等速運動による変位となるため、第一位置Xa(又は第二位置Xb)で衝突した際の可動体部Smのバウンドの数と大きさを大きく低減できる。この結果、ロータリソレノイド1自身の低衝撃化(低振動化)及び静音化に寄与できる。
(3) 好適な実施の態様により、固定体部Scを、磁性材よりなるケーシング2と、回動シャフト4の軸方向Fsに対して直交する面となるケーシング2の内面2f(又は2r)に固定した空芯コイルを用いた駆動コイル6とを備えて構成するとともに、可動体部Smを、一端7s側を回動シャフト4に固定したロータヨーク7と、駆動コイル6に対向する面となるロータヨーク7の他端7t側に位置する対向面7pに固定し、かつ当該対向面7pの回動方向Frに沿って配した一対のマグネット8af,8bfを有するマグネット機構部8とを備えて構成すれば大型部品となる鉄心を排除できるなど、部品点数の削減を図ることができる。しかも、駆動コイル6の軸心と回動シャフト4の軸心を平行に配することにより、小型化(薄型化)しやすいレイアウト構造にできるため、ロータリソレノイド1全体の小型化、特に、薄型化を容易に実現できるとともに、ロータリソレノイド1全体の軽量化及びコストダウンに寄与できる。加えて、空芯コイルを用いるため、空芯コイルの内側空間における透磁率に比例するインダクタンスを数mHの僅かな大きさにすることができる。この結果、駆動電圧を印加した際には、電流をほぼ瞬時に飽和電流まで立ち上げることができるなど、極めて高い応答性を実現できるため、高速動作、更にはロータリソレノイド1の使用対象機器における生産性や処理速度の向上に貢献できる。
(4) 好適な実施の態様により、固定体部Scと可動体部Smに、相互に当接して当該可動体部Smを規制する規制ストッパ機構10a,10bを兼用させれば、規制ストッパ機構10a,10bを構成する追加部品が不要になるため、部品点数の削減及び組立工数の削減、更には、小型化及びコストダウンを図ることができる。
(5) 好適な実施の態様により、ケーシング2に、第一位置Xaと第二位置Xbにおける可動体部Smを吸引する自己保持機構11a,11bを兼用させれば、自己保持機構11a,11bを構成する追加部品が不要になるため、部品点数の削減及び組立工数の削減、更には小型化及び低コスト化を図ることができる。
(6) 好適な実施の態様により、自己保持機構11a,11bに、ケーシング2の一部を突出形成した吸引片部11as,11bsを用いれば、例えば、ケーシング2の製作時に、プレス成形等により一緒に成形できるため、容易に製作できるとともに、自己保持機構11a,11bの保持性能に係わる最適化も容易かつ柔軟に行うことができる。
(7) 好適な態様により、可動体部Smを、可動ブロック部13eに保持された駆動コイル6と、可動ブロック部13eに固定され、かつ駆動コイル6の軸心に対して平行に並べて配した回動シャフト4と、可動ブロック部13eの所定位置に固定した磁性材により形成した被吸引子16とを備えて構成するとともに、固定体部Scは、磁性材により形成したケーシング2と、このケーシング2の内面2f,2rに固定し、かつ駆動コイル6の軸方向Fs端部に対向して配するとともに、可動体部Smの第一位置Xaと第二位置Xbに対応して配した二組のマグネット部8a,8bを有するマグネット機構部8とを備えて構成すれば、重量の大きいマグネット部8a,8bを固定側となるケーシング2の内面2f,2rに固定し、可動側となる回動シャフト4に比較的軽量の駆動コイル6を支持するため、可動体部Smの全体重量を飛躍的に軽量化でき、高い応答性と出力トルクを確保できる。しかも、回動シャフト4に支持される駆動コイル6の軸方向Fs端部に対向するケーシング2の内面にマグネット部8a,8bを構成するマグネットを配するため、ケーシング2の内面2f,2rの配設スペースが許す限り、当該マグネットのサイズを大きくすることができ、結果的に、必要な性能を確保しつつロータリソレノイド1全体の小型化を実現できる。
(8) 好適な態様により、マグネット部8a,8bを、駆動コイル6の軸方向Fs一端部に対向する、ケーシング2の片側の内面2f(又は2r)に配した単一のマグネット8af,8bfにより構成すれば、必要最少限の部品点数で足りるため、ロータリソレノイド1の小型化及び低コスト化を図る観点から最も有利な形態として実施できる。
(9) 好適な態様により、マグネット部8a,8bを、駆動コイル6の軸方向Fs両端部にそれぞれ対向する、ケーシング2の相対向する両側の内面2f,2rに配した一対のマグネット8af,8ar,8bf…により構成すれば、ケーシング2の片側の内面2fにのみマグネット8afと8bfを配する場合に比べ、マグネット数量は2倍になるも、ロータリソレノイド1の応答性と出力トルク及び磁気バランスと安定性を確保する観点から最も有利な形態として実施できる。
(10) 好適な態様により、被吸引子16を、軸直角の断面積を、駆動コイル6の内側空間における軸直角の断面積に対して、0.1〜10〔%〕の範囲に選定すれば、停止時の自己保持力を得る必要な吸引力(保持トルク)を確保し、かつ無用な吸引力を排除する観点から安定した自己保持作用を確実に実現できるとともに、その最適化も容易に行うことができる。
本発明の第一実施形態に係るロータリソレノイドの駆動制御方法を説明するためのフローチャート、 同ロータリソレノイドの駆動制御方法を実施できる駆動装置を駆動制御する制御信号の信号波形図、 同ロータリソレノイドの駆動制御方法を実施できる駆動装置の一例を示す電気系回路図、 同ロータリソレノイドを同駆動装置により駆動した際の比較例を含む時間対駆動電流特性図、 同ロータリソレノイドを同駆動装置により駆動した際の比較例を含む時間対可動体部の回動角特性図、 同時間対可動体部の回動角特性の原理説明図、 同ロータリソレノイドを同駆動装置により駆動した際の比較例を含む可動体部の回動角対出力トルク特性図、 同ロータリソレノイドの図2中C−C線位置の断面背面図、 同ロータリソレノイドの断面側面図、 同ロータリソレノイドのケーシングを構成するカバー側の内面を示す固定体部の内部構造図、 同ロータリソレノイドの可動体部を抽出して示す一部断面正面図、 同ロータリソレノイドの分解斜視図、 同ロータリソレノイドの一部抽出拡大図を含む断面平面図、 同ロータリソレノイドの停止時における磁力線分布図、 同ロータリソレノイドの変更例を示す断面側面図、 本発明の第二実施形態に係るロータリソレノイドの図17中D−D線位置の断面背面図、 同ロータリソレノイドの断面側面図、 本発明の第一実施形態及び第二実施形態に係るロータリソレノイドの使用例を示す正面方向からの設置概要図、 同ロータリソレノイドの使用例を示す側面方向からの設置概要図、
1:ロータリソレノイド,2:ケーシング,2f:ケーシングの内面,2r:ケーシングの内面,3f:軸受部,3r:軸受部,4:回動シャフト,6:駆動コイル,7:ロータヨーク,7s:ロータヨークの一端,7t:ロータヨークの他端,7f:対向面,8:マグネット機構部,8a:マグネット部,8b:マグネット部,8af:マグネット,8bf:マグネット,8ar:マグネット,10a:規制ストッパ機構,10b:規制ストッパ機構,11a:自己保持機構,11b:自己保持機構,11as:吸引片部,11bs:吸引片部,13e:可動ブロック部,16:被吸引子,Sc:固定体部,Sm:可動体部,Xa:第一位置,Xb:第二位置,Xp:中途位置,Zm:回動角範囲,Ps:駆動パルス,Fs:軸方向,Fr:回動方向
次に、本発明に係る最良実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本発明に係る駆動制御方法を用いて好適な第一実施形態及び第二実施形態に係るロータリソレノイド1について、図8〜図19を参照して説明する。
第一実施形態
最初に、第一実施形態に係るロータリソレノイド1について、図8〜図15を参照して説明する。このロータリソレノイド1は、大別して、前後に位置する一対の軸受部3f,3rを設けたケーシング2を有する固定体部Scと、一対の軸受部3f,3rにより回動自在に支持される回動シャフト4を有する可動体部Smとを備える。
固定体部Scは、図8及び図9に示すケーシング2を備え、このケーシング2は、前面が開放面となる筺体部2mと、この筺体部2mの開放面を覆う蓋部2cにより構成する。この場合、蓋部2cの内面が、ケーシング2の前側の内面2fとなり、この内面2fに対向(対面)する筺体部2mの内面が、ケーシング2の後側の内面2rとなる。なお、図8に例示するケーシング2の高さ寸法は16〔mm〕である。
筺体部2mは、冷間圧延鋼板等の軟磁性(磁性材)の鋼板素材を使用し、前面に開放面を設けたボックス状に形成する。この際、飽和磁束密度の高い純鉄やケイ素鋼板を用いれば、板厚をより薄くすることができる。一方、鋼板の厚みを、後述するマグネット8af(8bf)の厚みの半分程度(0.5〜2.0〔mm〕)、即ち、比較的厚めに選定すれば、ヨークとしての磁気回路の飽和を防止できるとともに、飽和による磁束の漏れを低減できる。しかも、可動体部Smが衝突した際の振動(振幅)を抑制できるため、衝突音の低減にも寄与できる利点がある。
また、筺体部2mの内面2r内における上部位置には軸受装着孔を形成し、この軸受装着孔に、リング状に形成した後側の軸受部3rを装着する。この場合、可動体部Smは、前方(蓋部2c側)に吸引されるため、後側の軸受部3rには、相対的に大きな応力が付加されないため、軸受部3rに対する大きな機械的強度は問われない。したがって、例えば、形成素材として合成樹脂素材を使用できるとともに、軸方向Fsの厚みも薄くすることができる。
一方、蓋部2cも、一枚のプレート状に形成する点を除き、筺体部2mと同様の素材により形成できる。また、蓋部2cの内面2f内における上部位置には装着円孔を形成し、この装着円孔に、リング状をなす前側の軸受部3fを装着する。上述したように、可動体部Smは、磁気回路により前方(蓋部2c側)に吸引されるため、軸受部3fの機械的強度は、この応力に対抗するための十分な大きさを確保する。したがって、軸受部3fは、金属素材を使用して一体形成し、軸方向Fsの厚みも大きくする。そして、蓋部2cに対しては溶接又はカシメ等により強固に固定する。
これにより、筺体部2mに蓋部2cを組付ける際には、筺体部2mの開口縁に突出形成した複数(例示は四つ)のカシメ片部2mp…を折り曲げ(図11参照)、蓋部2cに形成した凹部2cp…の位置を押さえ付ければよい。このように、ケーシング2は、筺体部2mと蓋部2cにより容易に組立てることができ、このケーシング2は、後述するマグネット8af,8bfからの磁力線が通る磁気回路(磁路)の一部を構成する。
他方、蓋部2cは、実質的な固定体部Scとして機能させるため、蓋部2cの内面2f内における下部位置には、絶縁素材(非磁性材)である合成樹脂素材により一体成形した矩形状の固定ブロック部12を固定する。この場合、図12に示すように、固定ブロック部12の取付面には複数のピン形の凸部12p…を形成し、この凸部12p…を、蓋部2cに形成した凹部2fc…に挿入する。これにより、蓋部2cに対する固定ブロック部12の位置決めを行うとともに、挿入した凸部12p…の先端を熱変形させるなどにより固定する。なお、固定ブロック部12の使用は必須となるものではない。例えば、蓋部2cに、電気亜鉛メッキ鋼板等の鋼板を使用し、この鋼板の表面にポリイミド等の絶縁層を設けるとともに、この絶縁層に銅箔パターンを形成した鉄基板を用いれば、後述する駆動コイル6やリード線との電気的接続、或いは温度ヒューズ等の回路部品Pcの実装が、蓋部2cの内面2f上で可能になり、組立工数の削減に寄与できる。
また、固定ブロック部12の中央位置には、空芯コイルを用いた駆動コイル6の内側空間に挿入し、当該駆動コイル6を位置決めして固定するコイル支持凸部12sを一体に突出形成するとともに、固定ブロック部12における駆動コイル6が位置しない部位には、図10に示すように、駆動コイル6に接続する一又は二以上の回路部品Pcを保持する部品保持部14を一体に形成する。部品保持部14は、チャンネル形に形成することができる。
このように、固定体部Scに、駆動コイル6を保持する非磁性材よりなる固定ブロック部12を設ければ、駆動コイル6を、固定ブロック部12により正確な位置決めを行いつつケーシング2に対して容易に組付けることができる利点がある。さらに、この固定ブロック部12に部品保持部14を一体に形成すれば、駆動コイル6に隣接する固定ブロック部12の所定位置に回路部品Pcを保持(固定)できるため、駆動コイル6から導出されるリード線を含む通電回路上における断線等のトラブルを回避できるとともに、信頼性向上にも寄与できる。
一方、駆動コイル6を用意する。この駆動コイル6は、マグネットワイヤ(軟銅線)を巻回した単一の空芯コイルである。第一実施形態では、図10に示すように、円形コイルをやや矩形状(台形状)に歪めた形状に構成した。この場合、駆動コイル6は、マグネットワイヤ間の密着強度を確保するため、巻線時に数百〔℃〕の熱風下に晒し、熱融着させることが望ましい。なお、熱融着した駆動コイル6を、厚み方向にプレス成形すれば、導体の占積率、即ち、アンペアターンを大きくすることができる。したがって、ロータリソレノイド1全体の薄型化に寄与できるとともに、さらに、マグネットワイヤとして平角線を使用すれば、アンペアターンをより大きくすることができる。
そして、駆動コイル6は固定ブロック部12に装着し、接着剤等により固定するとともに、部品保持部14に回路部品Pcを収容し、接着剤等により固定する。そして、駆動コイル6と回路部品Pcを接続するとともに、導出用のリード線との接続を行えば、蓋部2c側のアッセンブリを得ることができる。なお、例示の回路部品Pcは、駆動コイル6に直列接続した温度ヒューズである。また、回路部品Pcにはリード線(駆動コイル6の引出線)なども含まれる。
他方、可動体部Smは、ケーシング2に取付けた一対の軸受部3f,3rにより回動自在に支持される回動シャフト4を備える。回動シャフト4は、ステンレス素材等の剛性の高い金属素材により形成する。なお、形成素材は、磁性材であるか非磁性材であるかは問わない。磁性材を使用すれば、ロータリソレノイド1における磁気回路の一部として利用できる。
また、回動シャフト4上には、絶縁素材(非磁性材)である合成樹脂素材により一体成形した可動ブロック部13の一端側を固定する。なお、可動ブロック部13は、慣性モーメントをできるだけ小さくする観点から合成樹脂素材を用いることが望ましいが、アルミニウムやマグネシウム等の比重の小さい金属素材を用いてもよい。特に、合成樹脂素材として、ナイロン素材等のPA樹脂素材を用いれば、振動吸収効果を得れるとともに、金属素材として、合成樹脂素材と同等の重量を有するマグネシウムを用いれば、高い強度を確保しつつ振動吸収効果も得ることができる。
可動ブロック部13は、上部に位置する筒形状のブロック上部13uと、このブロック上部13uの軸方向Fs中央位置から下方に延設した平盤形状のブロック下部13dからなり、このブロック上部13uに、回動シャフト4の中間位置を貫通させた状態で固定する。この場合、圧入又は溶接等により固定できる。なお、ブロック上部13uを固定する回動シャフト4の周面には、ローレット等を形成することにより、固定強度をより高めることが望ましい。
そして、可動ブロック部13の後面には、この可動ブロック部13よりもやや小さい相似形状のロータヨーク7を配設する。これにより、ロータヨーク7の一端(上端)7s側が、回動シャフト4に固定される。ロータヨーク7には、冷間圧延鋼板等の軟磁性(磁性材)の鋼板素材を使用し、厚みLpが、後述するマグネット8af,8bfの軸方向Fsにおける厚みLm…の半分程度となる2〔mm〕程度に選定した一枚のプレートにより形成できる。この場合、ロータヨーク7の厚みLpとしては、近接するケーシング2と組合わせた磁気回路を考慮し、一対のマグネット8af,8bf間の磁束が最も集中する部分では、飽和させても使用できるように薄肉形成することが望ましい。これにより、磁気回路の効率化を図れるとともに、小型化及び薄肉化にも寄与できる。
さらに、ブロック下部13dに位置するロータヨーク7の他端7t側であって、図9に示すように、駆動コイル6に対向する対向面7pには、一対のマグネット8af,8bfからなるマグネット機構部8を固定する。この場合、各マグネット8af,8bfは、厚みをLm…に選定した偏平な直方体形状に形成し、対向面7pの回動方向Fr、即ち、旋回方向に沿わせることにより、所定間隔をおいて並べて配する。各マグネット8af,8bfは、図9に示すように、可動ブロック部13を貫通し、可動ブロック部13の前面に露出する。露出する各マグネット8af,8bfの一方のマグネット面はN極、他方のマグネット面はS極となる。
マグネット8af,8bfには、フェライトマグネットや希土類マグネット等を用いることができ、特に、限定されるものではない。一例として、[Nd−Fe−B]マグネットを用いれば、高い空隙磁束密度が得られるため、出力トルクを大きくできるとともに、厚み方向に配向(着磁)すれば、磁気特性を最大限利用することにより、空隙での磁束密度をより高めることができる。また、マグネット8af,8bfの厚みLmを2〜4〔mm〕程度に選定するとともに、空隙をほぼ2倍となる4〜8〔mm〕程度に選定すれば、0.5以上のパーミアンス係数を得れるとともに、空隙の磁束密度を0.5〔T〕以上にすることができる。なお、一対のマグネット8af,8bfには、単一のマグネットを使用することができ、特に、単一のマグネットの面方向に二極の分割着磁を行う場合も一対のマグネット8af,8bfに含まれる。
このように、可動体部Smには、回動シャフト4,可動ブロック部13,ロータヨーク7及びマグネット8af,8bfを含むため、これらを組立てることにより可動体部Smを得てもよいし、可動ブロック部13を成形する際に、回動シャフト4,ロータヨーク7及びマグネット8af,8bfを一緒にインサート成形してもよい。このような可動ブロック部13を設ければ、合成樹脂素材等を利用できる可動ブロック部13をベースにして、回動シャフト4,ロータヨーク7及びマグネット機構部8を一体化できるため、インサート成形法等により可動体部Smの製作を容易に行うことができるとともに、回動シャフト4,ロータヨーク7及びマグネット機構部8間の固定強度(剛性)の向上及び位置決め精度の向上を図れる利点がある。
他方、ケーシング2の内部には、可動体部Smの回動角範囲Zmを規制する一対の規制ストッパ機構10a,10bを設ける。この場合、上述した固定体部Scと可動体部Smに、一対の規制ストッパ機構10a,10bを兼用させている。具体的には、図8に示すように、可動体部Smを構成する可動ブロック部13の回動方向Frにおける一方の側面を規制面部13aとして形成するとともに、他方の側面を規制面部13bとして形成する。これにより、可動体部Smが一方(第一位置Xa側)へ回動変位した際には、規制面部13aがケーシング2の一方の内面2aに当接することにより回動変位が規制されるとともに、可動体部Smが他方(第二位置Xb側)へ回動変位した際には、規制面部13bがケーシング2の他方の内面2bに当接することにより回動変位が規制される。したがって、可動体部Sm側の一方の規制面部13aと固定体部Sc側の一方の内面2aが一方の規制ストッパ機構10aを構成し、かつ可動体部Sm側の他方の規制面部13bと固定体部Sc側の他方の内面2bが他方の規制ストッパ機構10bを構成する。
このように、固定体部Scと可動体部Smに、相互に当接して当該可動体部Smの回動角範囲Zmを規制する一対の規制ストッパ機構10a,10bを兼用させれば、規制ストッパ機構10a,10bを構成する追加部品が不要になるため、部品点数の削減及び組立工数の削減、更には、小型化及びコストダウンを図れる利点がある。特に、可動ブロック部13に、ケーシング2の内面2a,2bに当接して規制ストッパ機構10a,10bを構成する一対の規制面部13a,13bを設ければ、合成樹脂素材等を利用できる可動ブロック部13の一部を規制面部13a,13bとして利用できるため、規制ストッパ機構10a,10bを容易に構築できるとともに、可動ブロック部13の回動角範囲Zmの設定も容易に行うことができる。図11に、規制ストッパ機構10a,10bにより規制された位置の可動体部Smを仮想線で示す。したがって、可動体部Smの回動角範囲Zmは、一対の規制ストッパ機構10a,10bにより規制される範囲となり、一対の規制ストッパ機構10a,10bにより規制される位置が回動角範囲Zmの両端における第一位置Xaと第二位置Xbになる。
また、ケーシング2の内部には、第一位置Xaと第二位置Xbにおける可動体部Smを吸引して可動体部Smの位置を保持する自己保持機構11a,11bを設ける。例示の場合、ケーシング2に、自己保持機構11a,11bを兼用させている。具体的には、図10及び図13に示すように、ケーシング2を構成する蓋部2cの端辺に一対の切込部21,22を形成し、この切込部21と22間に形成される短冊状の片部分を内部側へ90〔°〕折曲させることにより、一方の吸引片部11asを形成する。これにより、可動体部Smが第一位置Xa側へ回動変位すれば、一方のマグネット8afが吸引片部11asに接近し、マグネット8afと吸引片部11asの吸引作用により、可動体部Smが第一位置Xaに保持される一方の自己保持機構11aが構成される。他方の自己保持機構11bも、左右対称となる点を除いて一方の自己保持機構11aと同様に構成する。11bsが他方の自己保持機構11bにおける吸引片部を示す。
したがって、可動体部Smにはマグネット8af,8bfを備えるため、ケーシング2側に形成した吸引片部11as,11bsが一対の自己保持機構11a,11bを構成し、ケーシング2が一対の自己保持機構11a,11bを兼用する。このように、ケーシング2に、一対の自己保持機構11a,11bを兼用させれば、自己保持機構11a,11bを構成する追加部品が不要になるため、部品点数の削減及び組立工数の削減、更には小型化及び低コスト化を図れる利点がある。特に、自己保持機構11a,11bを、ケーシング2の一部を突出形成した吸引片部11as,11bsにより構成すれば、例えば、ケーシング2の製作時に、プレス成形等により一緒に成形できるため、容易に製作できるとともに、自己保持機構11a,11bの保持性能に係わる最適化も容易かつ柔軟に行うことができる。
ところで、第一実施形態によるロータリソレノイド1は、空芯コイル(駆動コイル6)を使用するなど、比較的シンプルな構成となるため、細部のディメンションが重要な要素として機能する。以下に、各部のディメンションに係わる特に重要な要素について、図13を参照して説明する。
まず、マグネット8afと吸引片部11as間の軸方向Fsにおける最短距離Ls、具体的には、第一位置Xaにおける可動体部Smのマグネット8afと吸引片部11as間の最短距離Lsを、軸方向Fsにおけるマグネット8afの厚みLmよりも小さく選定するとともに、マグネット8bfと吸引片部11bs間の軸方向Fsにおける最短距離Ls、具体的には、第二位置Xbにおける可動体部Smのマグネット8bfと吸引片部11bs間の最短距離Lsを、軸方向Fsにおけるマグネット8bfの厚みLmよりも小さく選定する。このような条件を選定すれば、この選定条件下において、自己保持機構11a,11bを構成する際の十分な自己保持機能を確保できるとともに、その最適化も容易に行える利点がある。
また、マグネット8afと吸引片部11asを、軸方向Fsにおいて相互にオーバーラップしない位置関係に配するとともに、マグネット8bfと吸引片部11bsを、軸方向Fsにおいて相互にオーバーラップしない位置関係に配する。具体的には、軸方向Fsにおける、マグネット8afと吸引片部11as間に、隙間Lg(Lg>0)が生じるように選定するとともに、マグネット8bfと吸引片部11bs間に、隙間Lgが生じるように選定する。このような位置条件を選定すれば、この位置関係において、マグネット8af,8bfと吸引片部11as,11bsの吸引力のベクトルバランスを最適化できるため、自己保持機構11a,11bによる良好な自己保持機能を確保できる利点がある。
さらに、第一位置Xaにおけるロータヨーク7の回動方向Frの端部とケーシング2の内面2a間の最短距離Ly,及び第一位置Xaにおけるマグネット8afの回動方向Frの端部とケーシング2の内面2a間の最短距離Liを、軸方向Fsにおけるマグネット8afの厚みLmよりも小さく選定するとともに、第二位置Xbにおけるロータヨーク7の回動方向Frの端部とケーシング2の内面2b間の最短距離Ly,及び第二位置Xbにおけるマグネット8bfの回動方向Frの端部とケーシング2の内面2b間の最短距離Liを、軸方向Fsにおけるマグネット8bfの厚みLmよりも小さく選定する。このような条件を選定すれば、本発明に係るロータリソレノイド1の磁気回路を構築する観点から最適な形態として実施できるため、かかる選定条件下のディメンションにより良好な磁気特性を確保できる利点がある。
加えて、ロータヨーク7とこのロータヨーク7に対面するケーシング2の内面2r間の距離Laは、この内面2rにおける当該ケーシング2の厚みLcよりも小さく選定する。このように選定すれば、ロータヨーク7とケーシング2を補完し合う一体の磁路として機能させることができるため、磁気漏れなどを可及的に抑制できる良好な磁気回路を構築できる利点がある。
次に、第一実施形態によるロータリソレノイド1の製造方法について、図12を参照して説明する。
図12は、第一実施形態によるロータリソレノイド1の分解斜視図を示す。図12から明らかなように、各部品類は、軸方向Fsに沿った組付けが可能である。
まず、蓋体2cのアッセンブリは、蓋体2cの上部位置に形成した装着円孔に、外面側から、軸方向Fsに沿って軸受部3fを嵌め込み、溶接又はカシメ等により固定(装着)する。また、蓋体2cの内面2fに、固定ブロック部12を軸方向Fsに沿って組付け、複数の凸部12p…を凹部2fc…に挿入した後、凸部12p…の先端を熱変形させるなどにより固定する。さらに、固定ブロック部12のコイル支持凸部12sに、駆動コイル6の内側空間を軸方向Fsから組み込むとともに、部品保持部14に、回路部品Pcを軸方向Fsから組み込む。これにより、蓋体2cのアッセンブリを得ることができる。
一方、可動体部Smのアッセンブリは、前述したように、インサート成形法により一体成形してもよいし、通常の組付方式により製作してもよい。組付方式の場合には、樹脂成形品となる可動ブロック部13の裏面に、軸方向Fsからロータヨーク7の組付けを行うとともに、この後、可動ブロック部13の表面側からマグネット8af及び8bfをそれぞれ軸方向Fsに沿って組付けることができる。また、可動ブロック部13には、軸方向Fsから回動シャフト4を挿入して固定する。これにより、可動体部Smのアッセンブリを得ることができる。
他方、筺体部2mの上部位置に形成した装着円孔には、内面側から、軸方向Fsに沿って軸受部3rを装着する。この後、軸受部3rに、軸方向Fsから、可動体部Smの回動シャフト4を、後端側から挿入するとともに、回動シャフト4の前端側を、蓋部2cに固定した軸受部3fに、内面側から軸方向Fsに沿って挿入する。そして、筺体部2mに突出形成した四つのカシメ片部2mp…を折り曲げ(カシメ)、蓋部2cの凹部2cp…を押さえ付けて固定すれば、図8及び図9に示す第一実施形態によるロータリソレノイド1を得ることができる。
このように、ロータリソレノイド1の組立(製造)を行う場合、各部品類を軸方向Fsに沿って組付けが可能になるため、製造工程の完全自動化もきわめて容易に行うことができるなど、製造コストの低減に寄与できる。
よって、このような第一実施形態によるロータリソレノイド1によれば、固定体部Scに駆動コイル6を備えるとともに、可動体部Smに、一端7s側を回動シャフト4に固定したロータヨーク7と、駆動コイル6に対向する面となるロータヨーク7の他端7t側に位置する対向面7pに固定し、かつ対向面7pの回動方向Frに沿って配した一対のマグネット8af,8bfを有するマグネット機構部8とを備える基本構成により構築するため、大型部品となる鉄心を排除できるなど、部品点数の削減を図れるとともに、駆動コイル6の軸心と回動シャフト4の軸心を平行に配することにより、小型化(薄型化)しやすいレイアウト構造にできるため、ロータリソレノイド1全体の小型化、特に、薄型化を容易に実現できるとともに、ロータリソレノイド1全体の軽量化及びコストダウンに寄与できる。
また、駆動コイル6を用いるため、駆動コイル6の内側空間における透磁率に比例するインダクタンスを数mHの僅かな大きさにすることができる。この結果、駆動電圧を印加した際には、電流をほぼ瞬時に飽和電流まで立ち上げることができるなど、極めて高い応答性を実現できるため、高速動作、更にはロータリソレノイド1の使用対象機器における生産性や処理速度の向上に貢献できる。
他方、図15には、第一実施形態に係るロータリソレノイド1の変更例を示す。図15に示す変更例は、図9に示したロータリソレノイド1に対して、軸方向Fsにおける部品配列の前後を反転させたものである。
即ち、図9に示した実施形態は、前方となる蓋部2cの内面2fに駆動コイル6を固定し、この後方に、マグネット8af,8bfを有する可動体部Smを配したものである。したがって、可動体部Smは、前方に吸引され、前方の軸受部3fに、吸引による応力が作用することになる。このため、軸受部3fの機械的強度を高める必要があるとともに、反面、後側の軸受部3rの機械的強度は、低く抑えることができる。
これに対して、図15に示す変更例は、後方となる筺体部2mの内面2rに駆動コイル6を固定し、この前方に、マグネット8af,8bfを有する可動体部Smを配したものである。したがって、この場合、可動体部Smは、後方に吸引され、後方の軸受部3rに吸引による応力が作用することになる。このため、後側の軸受部3rの機械的強度を高くする必要があり、変更例では、後側の軸受部3rにも、前側の軸受部3fと同じものを組付けたものである。なお、前側の軸受部3fには、内部側の応力は付加されないが、作用端としての外部側の負荷が付与される。このため、変更例であっても軸受部3fを簡略化することはできないが、反面、応力の分布が前後に平均的に分散できる利点がある。その他、図15における細部の構造は、図9に示した実施形態と同じである。このため、図15に示した変更例において、図9と同一部分には同一符号を付し、その構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
第二実施形態
次に、第二実施形態に係るロータリソレノイド1について、図16及び図17を参照して説明する。
第二実施形態に係るロータリソレノイド1は、図9に示したロータリソレノイド1に対して、マグネット機構部8をケーシング2側に取付けることにより固定体部Scを構成し、駆動コイル6を回動シャフト4側に取付けることにより可動体部Smを構成したものである。
具体的には、可動体部Smを、可動ブロック部13eに保持された駆動コイル6と、可動ブロック部13eに固定され、かつ駆動コイル6の軸心に対して平行に並べて配した回動シャフト4と、可動ブロック部13eの所定位置に固定した磁性材により形成した被吸引子16とを備えて構成するとともに、他方、固定体部Scを、磁性材により形成したケーシング2と、このケーシング2の内面2f,2rに固定し、かつ駆動コイル6の軸方向Fs端部に対向して配するとともに、可動体部Smの第一位置Xaと第二位置Xbに対応して配した二組のマグネット部8a,8bを有するマグネット機構部8とを備えて構成したものである。
このように構成すれば、重量の大きいマグネット部8a,8bを固定側となるケーシング2の内面2f,2rに固定し、可動側となる回動シャフト4に比較的軽量の駆動コイル6を支持するため、可動体部Smの全体重量を飛躍的に軽量化でき、高い応答性と出力トルクを確保できる。しかも、回動シャフト4に支持される駆動コイル6の軸方向Fs端部に対向するケーシング2の内面にマグネット部8a,8bを構成するマグネットを配するため、ケーシング2の内面2f,2rの配設スペースが許す限り、当該マグネットのサイズを大きくすることができ、結果的に、必要な性能を確保しつつロータリソレノイド1全体の小型化を実現できる。
また、図16及び図17に例示するマグネット機構部8は、マグネット部8a…を構成するに際し、駆動コイル6の軸方向Fs両端部にそれぞれ対向する、ケーシング2の相対向する両側の内面2f,2rに配した一対のマグネット8afと8bf…により構成したものである。即ち、一方のマグネット部8aを、相対向する一対のマグネット8af,8arにより構成するとともに、他方のマグネット部8bを、相対向する一対のマグネット8bf,8brにより構成したものである。なお、マグネット8brは、ケーシング2の内面2rに固定し、かつケーシング2の内面2fに固定したマグネット8afに対向して配するため、図面には現れていない。
このように構成すれば、ケーシング2の片側の内面2fにのみマグネット8afと8bfを配する場合に比べ、マグネット数量は2倍になるも、ロータリソレノイド1の応答性と出力トルク及び磁気バランスと安定性を確保する観点から最も有利な形態として実施できる利点がある。
他方、マグネット機構部8を構成するに際し、図示を省略したが、図9に示した第一実施形態と同様に、駆動コイル6の軸方向Fs一端部に対向する、ケーシング2の片側の内面2f(又は2r)に配した単一のマグネット8af,8bfのみにより構成することも可能である。この場合には、必要最少限の部品点数で足りるため、ロータリソレノイド1の小型化及び低コスト化を図る観点から最も有利な形態として実施できる利点がある。
一方、被吸引子16とマグネット機構部8(マグネット部8a,8b)は、マグネット機構部8の吸引による一対の自己保持機構11a,11bを構成する。この場合、被吸引子16は、軸直角の断面積を、駆動コイル6の内側空間における軸直角の断面積に対して、0.1〜10〔%〕の範囲に選定することが望ましい。このように選定することにより、停止時の自己保持力を得る必要な吸引力(保持トルク)を確保し、かつ無用な吸引力を排除する観点から安定した自己保持作用を確実に実現できるとともに、その最適化も容易に行うことができる。
なお、図16及び図17中、13eaは、規制ストッパ機構10aを構成する可動ブロック部13eに一体形成した規制面部を示すとともに、13ebは、規制ストッパ機構10bを構成する可動ブロック部13eに一体形成した規制面部を示す。また、62s,62tは、駆動コイル6からの一対の導出リード線を示すとともに、61s,61tは、この導出リード線62s,62tを保持する可動ブロック部13eに形成した保持スリット部を示す。その他、基本的な構成は第一実施形態で示したロータリソレノイド1と同様に構成できるため、図16及び図17において、図8及び図9と同一部分(同一機能部分)には同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
基本動作及び使用方法
次に、第一実施形態及び第二実施形態に係るロータリソレノイド1の基本動作及び使用方法について、図1〜図7(図14)を参照して説明する。なお、例示する図1〜図7(図14)は、第一実施形態によるロータリソレノイド1に適用した場合を示す。
図3は、ロータリソレノイド1に用いて好適な駆動装置30の一例を示す。図3中、符号6は駆動コイルであり、この場合には回路部品(温度ヒューズ等)Pcも含まれる。また、ロータリソレノイド1には、駆動コイル6からの二本のリード線が導出するため、各リード線を駆動装置30に接続する。この駆動装置30は、二本のリード線に接続する駆動回路31、この駆動回路31に直流電力(DC/24〔V〕)を供給する直流電源32、この駆動回路31に第一切換パルスPa及び第二切換パルスPbを付与する切換パルス生成部33、この切換パルス生成部33に接続して第一切換パルスPa及び第二切換パルスPbのOFF時間(終了時間)を調整する調整部34を備える。
駆動回路31は、二個のPNPトランジスタQ1,Q2、四個のNPNトランジスタQ3,Q4,Q5,Q6、四個のダイオードD1,D2,D3,D4、八個の抵抗素子R1,R2,R3,R4…R8を備え、図3に示す結線により電気系回路を構成する。これにより、切換パルス生成部33に、制御信号(制御指令)Ccが付与されれば、これに基づき、NPNトランジスタQ3のベースには、図2(a)に示す第一切換パルスPaが付与されるとともに、NPNトランジスタQ5のベースには図2(b)に示す第二切換パルスPbが付与される。この結果、駆動コイル6の両端には、図2(c)に示す駆動パルスPsが印加される。この駆動パルスPsは、第一切換パルスPaと、正負極性を反転させた第二切換パルスPbを加えたパルス波形に対して、大きさを除いて一致する波形となる。
これにより、第一切換パルスPaがONになれば、駆動コイル6に正方向電流Ii〔A〕が流れる。この結果、駆動コイル6は正方向に励磁され、フレミングの左手の法則によりローレンツ力による通電トルクTfdが発生するため、可動体部Smは、第二位置Xaおけるマグネット8bと吸引片部11bs間による保持トルクTfcに打ち勝ち、第一位置Xa側へ回動を開始する。この後、通電トルクTfdは増加し、中央位置で最大トルクとなる。さらに、通電を継続すれば、通電トルクTfdにより加速が行われ、ほぼ最高速の状態で第一位置Xaに到達する。即ち、第一位置Xaに切換わる。なお、第一位置Xaでは、磁気回路の影響により磁束密度が小さくなるため、通電トルクTfdの大きさも小さくなる。
他方、第二切換パルスPbがONになれば、駆動コイル6に逆方向電流−Ii〔A〕が流れる。この結果、駆動コイル6が逆方向に励磁され、フレミングの左手の法則によるローレンツ力が発生し、上述した第一位置Xa側へ回動変位する場合と同様の作用により、可動体部Smは、第二位置Xb側に変位し、第二位置Xbに切換わる。
図14は、正方向電流Iiが解除され、自己保持機構11aの自己保持機能により、可動体部Smが第一位置Xaに停止しているときの磁気回路における磁力線Ff…を点線矢印で示している。
この場合、マグネット8aのN極からの磁力線Ff…は、ケーシング2内の空間及び蓋部2cを通して他方のマグネット8bのS極に到達する。なお、蓋部2cはこの蓋部2cに一体形成した吸引片部11asが含まれる。また、蓋部2c内を通った磁力線Ff…は、筺体部2mを通るとともに、筺体部2mとロータヨーク7間の空隙を通った後、ロータヨーク7を通してマグネット8aのS極に到達する。一方、マグネット8bのN極からの磁力線Ff…は、ロータヨーク7を通してマグネット8aのS極に到達するとともに、ロータヨーク7と筺体部2m間の空隙を通った後、筺体部2mを通り、さらに、筺体部2mから、筺体部2mとロータヨーク7間の空隙を通った後、ロータヨーク7を通してマグネット8aのS極に到達する。また、筺体部2mを通った磁力線Ff…は、蓋部2cを通り、ケーシング2内の空間を通った後、マグネット8bのS極に到達する。
このように、駆動コイル6が励磁されていない状態であっても、マグネット8aの回動方向Frにおける先端部と吸引片部11asは、最短距離Ls(図13参照)により近接し、磁性材で形成された吸引片部11asとマグネット8aは吸引される。また、図8及び図11に示すように、規制ストッパ機構10aによる規制、即ち、可動体部Smにおける可動ブロック部13の規制面部13aがケーシング2の内面2aに当接して位置が規制される。この結果、可動体部Smは、規制ストッパ機構10a及び自己保持機構11aにより、第一位置Xaに保持される。同様に、可動体部Smが、第二位置Xbに変位した際も同様の作用により、第二位置Xbに保持される。
以上、駆動装置30を用いた第一実施形態に係るロータリソレノイド1の基本動作について説明したが、例示の駆動装置30は、第二実施形態に係るロータリソレノイド1にも同様に用いることができる。
特に、第二実施形態の場合には、軸方向Fsにおける磁気吸引力を大幅に小さくできるため、軸受部3f,3rと可動体部Sm側との摩擦を大幅に低減することが可能になり、駆動パルスPsが解除された後、速やかに(滑らかに)第一位置Xa(又は第二位置Xb)に到達させることができる。また、第二実施形態の場合、駆動コイル6の内側空間に磁性材を挿入することになるが、被吸引子16の軸直角の断面積を、駆動コイル6の内側空間における軸直角の断面積に対して、0.1〜10〔%〕の範囲に選定すれば、最大でも、インダクタンスの上昇は50〔%〕程度となるため、この条件を満たす場合には、後述するように、実質的に空芯コイルとみなすことができる。
他方、第一実施形態及び第二実施形態に係るロータリソレノイド1は、使用方法の一例として図16及び図17に示す二位置の切換装置として利用できる。
図16及び図17は、搬送路51を搬送される紙幣Moを、第一通路52又は第二通路53に振り分ける紙幣振分装置50の概要を示す。この紙幣振分装置50は、搬送路51,第一進入路52及び第二進入路53の三路の分岐部に、ロータリソレノイド1を設置するとともに、このロータリソレノイド1の回動シャフト4に、フラッパユニット41を取付けたものである。なお、フラッパユニット41は、プラスチック素材等により、できるだけ軽量に形成することが望ましい。また、フラッパユニット41は、回動シャフト4の先端に同軸的に取付けた基部41mと、この基部41mの軸方向に離間して設けた一対のフラッパ部41f,41fを備える。
これにより、図16中、フラッパ部41f,41fを、反時計方向へ回動変位させた実線で示す位置(第一位置Xa)に切換えれば、搬送路51と第一進入路52が接続されるため、搬送路51を搬送される紙幣Moは、矢印Fc方向となる第一進入路52に進入させることができる。また、フラッパ部41f,41fを、時計方向へ回動変位させた仮想線で示す位置(第二位置Xb)に切換えれば、搬送路51と第二進入路53が接続されるため、搬送路51を搬送される紙幣Moは、矢印Fce方向となる第二進入路53に進入させることができる。
ところで、ロータリソレノイド1を、このような紙幣振分装置50のフラッパユニット41の切換用途に使用する場合、ロータリソレノイド1には、ある程度の出力トルクに基づく安定かつ確実な切換を行う信頼性の確保が求められる。また、これに加えて、限られた設置スペースに配設する必要があるため、できるだけ小型コンパクト化を図るとともに、処理数量をできるだけ高める必要があることから高速処理(高速切換動作)も要求される。しかも、電力を使用するため、基本的には、消費電力の低減、更には省エネルギー性及び経済性の改善も求められる。
したがって、第一実施形態及び第二実施形態に係るロータリソレノイド1は、機械的構造からのアプローチにより、かかる要求に応えることができるとともに、さらに、次に述べる制御的手法、即ち、本発明に係る駆動制御方法からのアプローチによってもかかる要求に応えることができる。
駆動制御方法
次に、第一実施形態及び第二実施形態によるロータリソレノイド1に用いて好適な本発明に係る駆動制御方法について、図1〜図7を参照して説明する。なお、例示する図1〜図7は、第一実施形態によるロータリソレノイド1に適用する場合を示している。
最初に、本発明に係る駆動制御方法の理解を容易にするため、従来からの一般的な駆動制御方法について説明する。
図4は、図2(a)に示す第一切換パルスPaにより、駆動コイル6に、図2(c)に示す駆動パルスPsの正側パルスPpが付与されたときの時間〔ms〕に対する正方向電流Ii〔A〕の変化特性を示している。第一実施形態に係るロータリソレノイド1は、駆動コイル6を用いて固定体部Scを構成するため、前述したように、駆動コイル6のインダクタンスは、当該駆動コイル6の内側空間の透磁率に比例する、数mH程度の僅かな大きさに設定することができる。
したがって、正側パルスPpに基づく駆動電圧が印加された場合、図4に示す正方向電流Iiのように、ほぼ瞬時に飽和電流(例示は1.0〔A〕)まで立ち上げることができるなど、極めて高い応答性を実現できる。
図4には、駆動コイル6の背面に鉄板を重ねたときの電流の特性曲線をIipで示す。
また、駆動コイル6の空芯部分の約半分に鉄心を挿入したときの電流の特性曲線をIssで示す。さらに、駆動コイル6の内側に、内側空間を満たす鉄心を挿入したときの電流の特性曲線をIsmで示す。図4から明らかなように、特に、特性曲線Iipは、高速応答を満たす観点からは、特性曲線Iiと同等の特性を得ることができる。したがって、空芯コイルを用いた駆動コイル6とは、空芯コイルに対して、磁性材を全く付加しない場合のみならず、空芯コイルの背面に鉄板を重ねて使用する場合も含む概念である。
なお、第二実施形態に係る図16及び図17に示したロータリソレノイド1の場合、駆動コイル6の内側空間に被吸引子16(鉄心)を挿入することになるが、内側空間の面積の10〔%〕以下を占める面積の小型鉄心コアを挿入した場合のインダクタンスは、空芯コイルの背面に鉄板を重ねた場合とほぼ同等或いはそれ以下となり、この場合の電流の特性曲線はIipとほぼ同じになる。したがって、この場合もかかる条件を満たす限りにおいて空芯コイルを用いた駆動コイル6と見做すことができる。
一方、正側パルスPpの通電時間Tpは、次のようになる。図2(c)に仮想線で示した通電時間Trは、公知の一般的な通電時間であり、第二位置Xbから第一位置Xaまでの回動角範囲Zmの全範囲で通電する場合を示している。したがって、この場合、正側パルスPpを印加し、第二位置Xbの可動体部Smが回動変位により第一位置Xaに到達した後、安定したタイミングで正側パルスPpの印加を解除する、いわば全通電制御による駆動制御方法となる。
これに対して、本実施形態に基づく駆動制御方法は、中途までの経過時間により制御する、いわば初期通電制御に基づく駆動制御方法となる。図2に実線で示した正側パルスPpの通電時間Tpが、本発明に基づく駆動制御方法による制御となる。この場合、通電時間Tpは、正側パルスPpを印加し、第二位置Xbの可動体部Smの回動位置が中途位置、具体的には、第二位置Xbから第一位置Xaまでの回動角範囲Zmを100〔%〕とした場合、可動体部Smが第二位置Xbから当該回動角範囲Zmの10〜50〔%〕回動変位した中途位置Xm(中途タイミング)で正側パルスPpをOFFにするものである。
以下、本実施形態に係る具体的な駆動制御方法について、図2〜図7を参照しつつ図1に示すフローチャートに従って説明する。
図5は、本実施形態に係るロータリソレノイド1を、駆動装置30により駆動した際の比較例を含む時間〔ms〕に対する可動体部Smの回動角〔°〕の変化特性図、図6は、時間〔ms〕に対する可動体部Smの回動角〔°〕の変化特性の原理説明図、図7は、可動体部Smが回動変位した際の回動角〔°〕に対する出力トルク〔N・m〕の変化特性図をそれぞれ示す。
まず、図示を省略した電源スイッチをONにする(ステップS1)。なお、ロータリソレノイド1における可動体部Smは第二位置Xbに停止、即ち、第二位置Xbで自己保持状態にあるものとする。また、切換パルス生成部33には、図3に示す制御信号(制御指令)Ccが付与されるものとする(ステップS2)。
制御信号Ccが付与されることにより、まず、図2(a)に示す第一切換パルスPaがNPNトランジスタQ3のベースに付与される(ステップS3)。これにより、図2(c)に示す駆動パルスPs(正側パルスPp)に基づく駆動電圧が駆動コイル6に印加される。この結果、駆動コイル6に正方向電流Ii〔A〕が流れ、駆動コイル6は正方向に励磁される(ステップS5,S6)。駆動コイル6の正方向励磁により、フレミングの左手の法則によりローレンツ力による通電トルクTfdが発生するため、可動体部Smは、第二位置Xaおけるマグネット8bと吸引片部11bs間による保持トルクTfcに打ち勝ち、第一位置Xa側へ回動を開始する(ステップS7)。
これにより、図5に実線で示す変化特性Xiのように、第二位置Xbから第一位置Xaまでの中途位置、即ち、予め設定した中途位置Pxに到達したなら正側パルスPpをOFFにする(ステップS8,S9)。例示する中途位置Pxにおける回動角は、概ね4.3〔°〕程度であり、回動角範囲Zmの概ね22〔%〕である。この中途位置Pxは、時間的に概ね4〔ms〕となり、通電時間Tpに対応する。そして、この中途位置Pxで駆動コイル6の励磁を解除しても、可動体部Smは、慣性力(慣性モーメント)により、そのまま回動変位を継続する(ステップS10)。また、第一位置Xaに近付けば、マグネット8aと吸引片部11asとの吸引作用により、第一位置Xaまで変位する(ステップS11)。これにより、可動体部Smが第一位置Xaに到達すれば、規制ストッパ機構10aにより回動変位が規制されるとともに、自己保持機構11aにより吸引され、目的の第一位置Xaで停止する(ステップS12,S13)。なお、中途位置Pxの検出は、スイッチ類を含むセンサにより直接的に検出してもよいし、経過時間等により間接的に検出してもよい。
この際、可動体部Smの回動変位は、図5に示す変化特性Xiのように、中途位置Pxからは直線的変位、即ち、等速運動となる。したがって、第一位置Xaにおいて若干のバウンドを生じるとしても、バウンドの数と大きさは低減され、図5に示すように、概ね13〔ms〕程度で第一位置Xaに保持される。なお、通電時間Tpは、電流Iiの応答時定数(例示は、0.5〔ms〕)の四倍以上を確保することが望ましい。これにより、飽和電流の98〔%〕以上の電流を確保できるため、最大トルクに近いところまで加速することができる。
なお、図5に仮想線で示す変化特性Xrは従来からの一般的な駆動制御を行う場合の駆動パルスを示す。この場合、ロータリソレノイド1の駆動コイル6を、上述した全通電制御(図2(c)の通電時間Tr)により励磁するため、可動体部Smは、第二位置Xbにおけるマグネット8bと吸引片部11bsの吸引作用に基づく保持トルクTfcを超えたトルク分により加速され、図5に仮想線で示す変化特性Xrのように、概ね8〔ms〕の時間をかけて第二位置Xbから第一位置Xaに到達するとともに、バウンドを二回ほど繰り返し、概ね12〔ms〕後に自己保持される。この場合、可動体部Smが回動変位する範囲は、回動角範囲Zmとなり、例示は20〔°〕である。また、第一位置Xaに到達後は、駆動コイル6の焼損を回避するため、概ね20〔ms〕の経過後に励磁を解除するとともに、この後は、概ね80〔ms〕以上の期間にわたって非通電を維持する。この全通電制御に用いる第一切換パルスが図2(a)に示す仮想線Parとなる。
この際、可動体部Smの回動変位は、図5に示す変化特性Xrのように、二次関数による加速度的変位となる。このため、第一位置Xaに到達し、規制面部13aがケーシング2の内面2aに衝突した際には大きなバウンドを生じることから、このバウンドがある程度収まった時点で保持状態に移行する。したがって、保持状態後、一定時間をおいて正側パルスPpをOFFにする制御を行っている。なお、第一位置Xaに到達する際には、電圧抑制制御やブレーキパルス制御等によりバウンドをできるだけ抑制しているが、ある程度のバウンドは避けられない。
そして、設置した機器等による処理が継続する場合には、図2(c)に示す駆動パルスPs(負側パルスPn)が印加され、正側パルスPpと同様の作用により、可動体部Smは、第一位置Xaから第二位置Xbへ回動変位し、第二位置Xb側に切換えられるとともに、以上の処理が繰り返し実行される(ステップS14,S2,S3,S4,S5…)。
そして、目的の処理が全て終了すれば、電源スイッチをOFFにする(ステップS14,S15)。
このように、本実施形態に係る制御方法を行っても、可動体部Smの回動変位にかかる時間は、通常の全通電制御を行う場合とほとんど変わらないが、通電時間Tpは、概ね1/5まで短縮できるとともに、消費電力も1/5にすることができる。
また、例示の場合、電流の応答時定数は0.5〔ms〕となるため、消費電力が1/5になれば、駆動コイル6の温度上昇も1/5になる。したがって、通電時間Trが20〔ms〕(ディーティ比20%)となる全通電制御時における駆動コイル6の温度上昇が100〔℃〕の場合、通電時間Tpが4〔ms〕(ディーティ比4%)となる初期通電制御時における駆動コイル6の温度上昇は、概ね20〔℃〕に抑えられる。
駆動コイル6の温度上昇を20〔℃〕に抑えることができれば、抵抗値の上昇は約8〔%〕に留まるため、焼損等のトラブルが生じる虞れがないのみならず、出力トルクの低下は無視できる程度の微小レベルになり、しかも、構成もシンプル化することができる。なお、出力トルクの低下については、定電圧回路により駆動し、駆動コイル6の温度上昇が100〔℃〕の場合、出力トルクは、抵抗値に反比例するため、抵抗値は40〔%〕上昇し、かつ出力トルクは70〔%〕程度となる。
さらに、第一切換パルスPaをOFF(解除)するタイミングの範囲としては、図6に示すように、第二位置Xbからの回動角が、回動角範囲Zmの10〜50〔%〕に達したタイミングが望ましい。図5〜図7において、選定できる解除範囲Ze、即ち、10〜50〔%〕の範囲をハッチングにより示している。
この場合、10〔%〕未満では、開始位置となる第二位置Xbにおける自己保持力の影響が大きく作用するとともに、負荷変動に対する余裕が無くなる。また、50〔%〕以上では、第一位置Xaにおける駆動コイル6の励磁が行われないため、第一位置Xaでの自己保持力が小さいなり、バウンドがより大きくなる。したがって、50〔%〕以上では全通電制御に近くなり、結果的に、通電時間が長くなる。以上の理由により、第二位置Xbからの回動角を10〜50〔%〕の範囲から選定することが望ましく、これにより、応答時間の低下を回避しつつ、低消費電力化,低衝撃化及び静音化を実現できる。
図6に示すPdは、比較的早い段階となる解除位置を示しており、この解除位置Pdは、回動角範囲Zmの概ね5〔%〕となる。この解除位置Pdで正側パルスPpをOFFにした場合、以降における可動体部Smは、解除位置Pdにおける変化特性Xrの接線となる変化特性Kdに沿って回動変位する。したがって、この変化特性Kdを延長させた第一位置Xaにおける到達時刻tdは、概ね18〔ms〕となる。この場合、図5に示した全通電制御時の到達時刻te(12〔ms〕)よりもかなり時間が経過するため、応答性の低下により高速化の要請に応えることはできない。しかも、本来の通電トルクTfdが発生する手前でOFFすることになる。
一方、Puは、比較的遅い段階となる解除位置を示しており、この解除位置Puは、回動角範囲Zmの概ね50〔%〕となる。この解除位置Puで正側パルスPpをOFFにした場合、全通電制御時(変化特性Xr)とほとんど変わらなくなる。即ち、以降における可動体部Smは、解除位置Puにおける変化特性Xrの接線となる変化特性Kuに沿って回動変位する。したがって、この変化特性Kuを延長させた第一位置Xaにおける到達時刻tuは、概ね8〔ms〕となる。この場合、全通電制御時と類似するが、第一位置Xaでは、通電されていない状態での衝突となるため、より不安定化することが想定される。なお、Pmは、解除位置PdとPuの中間に位置する解除位置を示すとともに、Kmは、解除位置Pmにおける接線となる変化特性を示す。
他方、第一位置Xaにおけるマグネット8aと吸引片部11as間の吸引作用で発生する保持トルクTfcは、用途等に応じて任意に設定し得るが、実施形態に係る制御方法を用いる場合、駆動コイル6の通電時に発生する通電トルクTfdの10〜50〔%〕に設定することが望ましい。第一位置Xaにおける通電トルクTfdを、最大トルク(通電トルクTfd)が生じる中央位置の50〜80〔%〕にするには、確実に起動させる必要があり、このためには、保持トルクTfcを中央位置における最大時の通電トルクTfdに対して50〔%〕以下にすることが望ましい。また、振動などの影響を回避し、非通電時における確実な自己保持力を確保するためには、通電トルクTfdの10〔%〕以上にすることが望ましい。
図7には、保持トルクTfcを10〔%〕と50〔%〕に設定した場合の変化特性を示している。図7中、Tiは、保持トルクTfcを通電トルクTfdの50〔%〕に設定し、かつ10〜50〔%〕の設定範囲Zeの中でOFFにしたときの出力トルク(通電トルク+保持トルク)の変化特性を示す。なお、図7には、比較例として、図5の特性曲線Xrに対応した一般的な駆動パルスを全区間にわたって付与した場合であって、保持片部11asに基づく保持トルクが無い場合の変化特性Tr,保持トルクを駆動コイル6の通電時に発生するトルクの10〔%〕に設定した場合の当該保持トルクの変化特性Ths,保持トルクを駆動コイル6の通電時に発生するトルクの50〔%〕に設定した場合の当該保持トルクの変化特性Thm,変化特性Trと変化特性Thsを加えた特性Trs,変化特性Trと変化特性Thmを加えた特性Trm,をそれぞれ示す。
正側パルスPpによる動作を中心に説明したが、図2(c)に示す負側パルスPnを印加し、第一位置Xaの可動体部Smを第二位置Xbに切換える場合も、基本的な動作は、正側パルスPpの場合と同じになる。
以上、最良実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,細部の手法等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、本発明に係る駆動制御方法を適用できるロータリソレノイド1として、第一実施形態(変更例を含む)及び第二実施形態を例示したが、これらの実施形態に限定されるものではなく、様々な形態のロータリソレノイド、特に、基本形態として、前後に位置する一対の軸受部3f,3rを設けたケーシング2を有する固定体部Sc及び一対の軸受部3f,3rにより回動自在に支持される回動シャフト4を有する可動体部Smを備えるとともに、可動体部Smを、駆動コイル6の通電制御により第一位置X1と第二位置X2間における回動角範囲Zmで往復回動可能に構成し、かつ一対の規制ストッパ機構10a,10bによる規制及びマグネット8a,8bの吸引による一対の自己保持機構11a,11bにより第一位置Xaと第二位置Xbに停止可能に構成した各種ロータリソレノイド1に適用可能である。また、設定する中途位置Xpは、具体的な位置により直接設定してもよいし、位置に対応する時間により間接的に設定してもよい。また、可動体部Smが停止位置に接近した際に、必要により、電圧抑制制御やブレーキパルス制御等の公知の停止制御を組合わせることも可能である。一方、固定体部Scと可動体部Smには、相互に当接して当該可動体部Smの回動角範囲Zmを規制する一対の規制ストッパ機構10a,10bを兼用させた場合を示したが、規制ストッパ部10a,10bを別途設ける場合を排除するものではないし、ケーシング2の外部に突出した回動シャフト4に設ける場合を排除するものではない。また、可動体部Smに、回動シャフト4に固定することによりロータヨーク7及びマグネット部8を保持する非磁性材よりなる可動ブロック部13を設けた場合を示したが、この可動ブロック部13を使用しない場合を排除するものではない。さらに、固定ブロック部12に、駆動コイル6に接続する一又は二以上の回路部品Pcを保持する部品保持部14を設けた場合を例示したが、設けるか否かは任意である。一方、ケーシング2に、回動角範囲Zmの両端位置Xa,Xbにおいて可動体部Smに対する吸引作用により当該可動体部Smの位置を保持する自己保持機構11a,11bを兼用させた場合を示したが、別途の部品を取り付ける場合を排除するものではない。
本発明に係る駆動制御方法は、貨幣や紙幣等の区分け機能、郵便物等の仕分け機能、印刷物の搬送路切替機能、光路切替機能等の各種切換機能を備える各種機器類における二位置の切換用アクチュエータの駆動制御をはじめ、各種ロータリソレノイドを駆動制御する際に利用できる。

Claims (9)

  1. 前後に位置する一対の軸受部を設けたケーシングを有する固定体部及び前記一対の軸受部により回動自在に支持される回動シャフトを有する可動体部を備えるロータリソレノイドを駆動制御するロータリソレノイドの駆動制御方法において、前記可動体部を、駆動コイルの通電制御により第一位置と第二位置間における回動角範囲で往復回動可能に構成し、かつ一対の規制ストッパ機構による規制及びマグネットの吸引による一対の自己保持機構により前記第一位置と前記第二位置に停止可能に構成するとともに、前記第二位置(又は前記第一位置)から前記第一位置(又は前記第二位置)への切換制御時に、前記駆動コイルに対して、駆動パルスに基づく駆動電圧を印加した後、前記可動体部が前記回動角範囲の10〜50〔%〕における予め設定した中途位置に達したなら前記駆動電圧の印加を解除する制御を行うことを特徴とするロータリソレノイドの駆動制御方法。
  2. 前記固定体部は、磁性材よりなるケーシングと、前記回動シャフトの軸方向に対して直交する面となる前記ケーシングの内面に固定した空芯コイルを用いた駆動コイルとを備えて構成するとともに、前記可動体部を、一端側を前記回動シャフトに固定したロータヨークと、前記駆動コイルに対向する面となる前記ロータヨークの他端側に位置する対向面に固定し、かつ当該対向面の回動方向に沿って配した一対のマグネットを有するマグネット機構部とを備えて構成することを特徴とする請求項1記載のロータリソレノイド。
  3. 前記固定体部と前記可動体部は、相互に当接して当該可動体部を規制する前記規制ストッパ機構を兼用することを特徴とする請求項1記載のロータリソレノイド。
  4. 前記ケーシングは、前記第一位置と前記第二位置における前記可動体部を吸引する前記自己保持機構を兼用することを特徴とする請求項1記載のロータリソレノイド。
  5. 前記自己保持機構は、前記ケーシングの一部を突出形成した吸引片部を備えることを特徴とする請求項1又は4記載のロータリソレノイド。
  6. 前記可動体部は、可動ブロック部に保持された駆動コイルと、前記可動ブロック部に固定され、かつ前記駆動コイルの軸心に対して平行に並べて配した前記回動シャフトと、前記可動ブロック部の所定位置に固定した磁性材により形成した被吸引子とを備えて構成するとともに、前記固定体部は、磁性材により形成したケーシングと、このケーシングの内面に固定し、かつ前記駆動コイルの軸方向端部に対向して配するとともに、前記可動体部の前記第一位置と前記第二位置に対応して配した二組のマグネット部を有するマグネット機構部とを備えて構成することを特徴とする請求項1記載のロータリソレノイド。
  7. 前記マグネット部は、前記駆動コイルの軸方向一端部に対向する、前記ケーシングの片側の内面に配した単一のマグネットにより構成することを特徴とする請求項6記載のロータリソレノイド。
  8. 前記マグネット部は、前記駆動コイルの軸方向両端部にそれぞれ対向する、前記ケーシングの相対向する両側の内面に配した一対のマグネットにより構成することを特徴とする請求項6記載のロータリソレノイド。
  9. 前記被吸引子は、軸直角の断面積を、前記駆動コイルの内側空間における軸直角の断面積に対して、0.1〜10〔%〕の範囲に選定することを特徴とする請求項6記載のロータリソレノイド。
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