JP6688531B2 - 調節ボルト封印装置 - Google Patents

調節ボルト封印装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6688531B2
JP6688531B2 JP2016256299A JP2016256299A JP6688531B2 JP 6688531 B2 JP6688531 B2 JP 6688531B2 JP 2016256299 A JP2016256299 A JP 2016256299A JP 2016256299 A JP2016256299 A JP 2016256299A JP 6688531 B2 JP6688531 B2 JP 6688531B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover
lock nut
bolt
inner peripheral
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016256299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018109366A (ja
Inventor
崇弘 梶原
崇弘 梶原
喜一郎 山田
喜一郎 山田
稔 川原
稔 川原
進剛 泉
進剛 泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2016256299A priority Critical patent/JP6688531B2/ja
Publication of JP2018109366A publication Critical patent/JP2018109366A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6688531B2 publication Critical patent/JP6688531B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Snaps, Bayonet Connections, Set Pins, And Snap Rings (AREA)

Description

本発明は、調節ボルト封印装置に係り、詳しくは、エンジンの燃料制限装置などの機器には、調節ボルトの調節位置の改竄を防止するカバーが設けられており、そのカバーの抜き取りを阻止させるための調節ボルト封印装置に関するものである。
従来、雌ねじ孔が形成されたボルト取付壁と、メネジ孔にネジ嵌合され、ボルト取付壁に取り付けられた調節ボルトと、調節ボルトにネジ嵌合されたロックナットと、ロックナットに回転可能に外嵌されたカバーと、カバーを抜け止めする抜け止め部を備えた、調節ボルト付き機器がある(例えば、特許文献1参照)。
この種の機器では、調節ボルトでエンジンの最大出力時の燃料噴射量等を調節した後は、調節ボルトの調節位置の改竄を防止することができるように、ロックナットをカバーで覆う調節ボルト封印装置が装備されている。
特許文献1の発明による封印装置では、カバーの抜け止め部は、カバーの周壁の開口端部で構成されるカシメ部と、カシメ部を係止するロックナットの係止部を備え、カバーの周壁には、カシメ部の変形を容易にする変形用スリットが設けられている。
特開平7−71345号公報(特に、図1〜図5参照)
特許文献1の発明では、調節ボルトの調節位置を改竄するため、変形用スリットにマイナスドライバー等の工具が差し込まれ、カバーの周壁の変形や破壊により、カバーが不正に抜き取られるおそれがあった。つまり、従来技術の問題点としては、カバーが不正に抜き取られるおそれがある、ということである。
このような実状に鑑みて、本発明の目的は、調節ボルトの調節位置の改竄を防止するカバーが装備されている機器に用いられる調節ボルト封印装置を、カバーの不正な抜き取りを防止することができるように、さらに改善されたものとして提供する点にある。
請求項1に係る発明は、調節ボルト封印装置において、
機器のボルト取付壁2の雌ねじ孔1に螺合可能な調節ボルト3と、
前記調節ボルト3に螺合されているロックナット4と、
前記調節ボルト3及び前記ロックナット4を囲繞する筒状部5Aを有して前記ロックナット4に嵌装されているカバー5と、
前記カバー5を前記ロックナット4に対して抜止め状態とする抜止め部6とを備え、
前記抜止め部6は、止め輪10と、前記止め輪10を抜止め状態で内装可能に前記カバー5に形成されている装着内周部11と、前記止め輪10を外装可能に前記ロックナット4に形成されている外周溝7とを有して構成されるとともに、
前記ロックナット4と前記カバー5との間に介装されるOリング41,42が装備され、
前記Oリング41,42は、前記装着内周部11のボルト軸方向での両側それぞれに設けられていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の調節ボルト封印装置において、
前記ロックナット4は、前記ボルト取付壁2に作用する第1ロックナット4Aと、前記第1ロックナット4Aに作用する第2ロックナット4Bと、によるダブルナット構造に構成され、
前記装着内周部11のボルト軸方向で一方の側の前記Oリング41が、前記第1ロックナット4Aと前記第2ロックナット4Bとの境界部kに嵌装されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の調節ボルト封印装置において、
前記装着内周部11のボルト軸方向で一方の側の前記Oリング41は、前記カバー5における前記カバー5の一端と前記装着内周部11との間の第1カバー部51と、前記カバー5の他端と前記装着内周部11との間の第2カバー部52とのうちの、ボルト軸方向の長さの長い方のカバー部に配置されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の調節ボルト封印装置において、
前記第2ロックナット4Bは、前記調節ボルト3のボルト頭部3Bを覆う袋ナットに形成されるとともに、前記カバー5のボルト頭部3B側端に覗き孔27が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ボルト取付壁から離れる向きにロックナットから抜き取られようとするカバーは、止め輪を介してロックナットに係止されているから、カバーの周壁に変形用スリットのような工具差し込み口が形成されないことに加え、強烈な力を必要とする止め輪のせん断破壊を行わない限りカバーを抜き取ることができず、従って、カバーの不正な抜き取りが防止されるようになる。
加えて、止め輪とは別にOリングがカバーとロックナットの間に介装されているので、機器の運転振動などによるカバーのロックナットに対する振動が大きく減衰され、振動に起因したガタつきによる止め輪装着部の磨耗による不測の止め輪脱落のおそれも防止されるようになる。
その結果、振動に起因するカバー外れが生じないようにできながら、調節ボルトの調節位置の改竄を防止するカバーを有する機器に用いられる調節ボルト封印装置を、カバーの不正な抜き取りが防止されるように、さらに改善されたものとして提供することができる。
燃料噴射量の調節ボルトの構造を示す一部切欠きの正面図 図1の調節ボルトを備えるディーゼルエンジンの要部の縦断断面図 (a)自由状態でのロックナット外周溝と止め輪との位置関係を示す要部断面図、(b)カバー下降操作開始時における止め輪の縮径変形を示す要部断面図 (a)カバー下降による止め輪のカバー内周溝への拡径変形を示す要部断面図、(b)カバー持上げによる止め輪の連れ上り状況を示す要部断面図 (a)カバー持上げによる止め輪の規制溝への移行及びロック状態を示す要部断面図、(b)縮径変形した止め輪によるロック状態を示す要部断面図
以下に、本発明による調節ボルト封印装置の実施の形態を、立形で直列多気筒(4気筒など)の燃料調節ボルト付きディーゼルエンジンに適用された場合について、図面を参照しながら説明する。
図2に示されるように、立形直列4気筒ディーゼルエンジンは、燃料噴射装置30を備えている。燃料噴射装置30は、ポンプ収容ケース31と、燃料噴射ポンプ32と、メカニカルガバナ29とを備えている。
ポンプ収容ケース31は、クランクケース(図示省略)の幅方向を横方向として、クランクケースの横側にクランクケースと一体鋳造で形成され、上壁33にポンプ差込み口34を備え、ポンプ差込み口34の開口周縁部にポンプ取付け座35が設けられている。
燃料噴射ポンプ32は、例えばボッシュ型のプランジャ式列形ポンプで、ポンプ収容ケース31内にはポンプ差込み口34から燃料噴射ポンプ32のプランジャ部36が差し込まれている。燃料噴射ポンプ32は、そのフランジ部37が六角穴付ボルトなどによってポンプ取付け座35に取り付けられ、プランジャ部36がポンプ収容ケース31内に収容されている。
図2に示されるように、メカニカルガバナ29は、ポンプ収容ケース31内に収容され、燃料噴射ポンプ32を調量制御し、負荷変動に拘わらず、エンジン回転数を調速レバー28で設定された目標回転数に維持する。メカニカルガバナ29は、ガバナスプリング(図示省略)のバネ力とフライウェイト(図示省略)のガバナ力との不釣合い力で揺動するガバナレバー38を備え、ガバナレバー38の揺動を介して燃料噴射ポンプ32の燃料調量ラック39が調量される。
図2に示されるように、ポンプ収容ケース31の上壁33には、燃料調節装置40が設けられている。この燃料調節装置40は、エンジンの定格回転数での最大燃料噴射量が調節され、エンジンの最大出力が調節される。つまり、上壁33はボルト取付壁2に構成されている。
図1に示されるように、燃料調節装置40は、ボルト取付壁2(ポンプ取付け座35)に螺着されている調節ボルト3と、ロックナット4とを備えて構成されている。調節ボルト3は、径を細めたボルト先端部3aと、回し調節溝3bを備えたボルト頭部3Bとを有する軸ボルト状のものに構成されている。つまり、工具係合部である回し調節溝3bを用いてマイナスドライバーなどで調節ボルト3を回して調節し、その後にロックナット4を操作して調節ボルト3を位置決め固定させることができる。なお、12は銅製で平ワッシャ状の第1ガスケットである。
燃料調節装置40の要の部品である調節ボルト3は、ボルト取付壁2に形成されている雌ねじ孔1に螺合されてボルト取付壁2に貫通装着されており、そのボルト先端部3aはポンプ収容ケース31内に突出している。ボルト先端部3aは、ガバナレバー38の燃料増量揺動側に位置されており、ガバナレバー38を受け止めて、ガバナレバー38の燃料増量側の揺動位置を決めている。従って、調節ボルト3の締め込み量の調節により、最大燃料噴射量が調節可能に構成されている。
〔実施形態1〕
図1、図2に示されるように、調節ボルト3の回し操作を不可として、燃料調節装置40の調節機能が行えないように阻止する調節ボルト封印装置(以下、「封印装置」と略称する)Sが装備されている。
封印装置Sの機能は、図1に示されるように、調節ボルト3でエンジンの最大出力の燃料噴射量を調節した後は、ロックナット4をカバー5で覆って封印し、調節ボルト3の調節位置の改竄を防止する、というものである。カバー5は、一旦ロックナット4に装着されると、破壊させない限り取り出すことができないように構成されている。
封印装置Sは、図1、図2に示されるように、燃料噴射装置(機器の一例)30のボルト取付壁2の雌ねじ孔1に螺合可能な調節ボルト3と、調節ボルト3に螺合されているロックナット4と、調節ボルト3及びロックナット4を囲繞する筒状部5Aを有してロックナット4に嵌装されているカバー5と、カバー5をロックナット4に対して抜止め状態とする抜止め部6と、第1及び第2Oリング41,42とを備えて構成されている。
図1において、ボルト取付壁2の螺装された状態の調節ボルト3には、ボルト取付壁2側から順に、第1ガスケット12、第1ロックナット4A、銅製で平ワッシャ状の第2ガスケット13、袋ナット状の第2ロックナット4Bが螺合されている。ロックナット4は、ボルト取付壁に作用する第1ロックナット4Aと、第1ロックナット4Aにガスケット13を介して作用する第2ロックナット4Bと、によるダブルナットに構成されている。
第1ロックナット4Aは、第1六角ナット部17と、円形の外周を有する筒ナット部17aとを有して構成されている。調節ボルト3への組付け時には、筒ナット部17aがボルト取付壁2側に向く状態で調節ボルト3に螺合されている。
第2ロックナット4Bは、円形の外周を有する長さの短い筒ナット部15と、袋状胴部14とが第2六角ナット部16の両脇に振り分けられて構成され、組付け時は筒ナット部15がボルト取付壁2側に向く状態で調節ボルト3に螺合されている。外周が円形を呈する袋状胴部14は、そのボルト軸方向21の中間に外周溝7が形成され、反ボルト取付壁2側となる端部にはC面取りされた傾斜角周部14aが形成されている。袋状胴部14は内部が空洞であり、調節ボルト3のボルト頭部3Bを隠すように覆っている。
外周溝7は、図1、図3〜図5に示されるように、内周溝11に内嵌装着、即ち内装されている止め輪10の縮径による内周溝11からの外れを規制する溝底8aを備えた第1溝部8と、内周溝11に内装されている止め輪10の内周溝11からの縮径による外れを許容する溝底9aを備えて第1溝部8のボルト取付壁側に連続形成されている第2溝部9とを有して構成されている。
カバー5は、図1、図2に示されるように、円筒断面を有する筒状部5Aと、中心に円形の覗き孔27を備える蓋部5Bとを有し、外径が一定で無底有蓋状の筒部材に構成されている。
筒状部5Aの内周部は、最も径が大きく均一径を備えてボルト取付壁2側(先端側)に形成されている開口内周面18と、開口内周面18よりも小径で反ボルト取付壁2側(基端側)に形成されている細径内周面19と、ボルト軸方向21で径を徐変させて開口内周面18と細径内周面19とを繋ぐ径が徐変される傾斜内周面20とにより構成されている。
カバー5の内周部には、自由状態の止め輪10の外径より大径の開口内周面18を備えて奥窄まりとなる傾斜内周面20が、内周溝11のボルト取付壁2側に形成されている。内周溝11は、細径内周面19における傾斜内周面20との境目に形成されている。
第1Oリング41は、図1に示されるように、第1六角ナット部17と第2六角ナット部16との間で挟まれた状態で、第2ロックナット4Bの筒ナット部15と第2ガスケット13とに跨って外嵌されている。つまり、第1ロックナット4Aと第2ロックナット4Bとによって外周溝状に形成されている境界部kに装着されている。
第2Oリング42は、図1に示されるように、カバー5の細径内周面19の最奥の隅角、即ち、筒状部5Aと蓋部5Bとでなる隅角と、第2ロックナット4Bの傾斜角周部14aとの間に介装されている。後述するが、第2Oリング42は、第2ロックナット4Bに対してカバー5を常に上方(反ボルト取付壁2側の方向)に押し上げる弾性付勢機能を有している。
抜止め部6は、C形リングなどの鋼製の止め輪10と、止め輪10を抜止め状態で内装可能にカバー5に形成されている装着内周部11と、止め輪10を外装可能に第2ロックナット4Bの袋状胴部14に形成されている外周溝7とを有して構成されている。ここで、装着内周部11の一例として、内周溝11が採用されている。
図3(b)に示されるように、カバー5において止め輪10を強制縮径させて通過させる最も小さい径を持つ細径内周面19、詳しくは、傾斜内周面20と内周溝11との間の短い細径内周面(通過制限内周面)19の径(直径)をD、止め輪10の径方向幅をw、第1溝部8の溝底8aの径(直径)をd1、第2溝部9の溝底9aの径(直径)をd2と定義する。この場合、次の式(1)と(2)が成り立つように構成されている。なお、内周溝11のボルト取付壁2側の細径内周面19のボルト軸方向21の長さが0又は限りなく0に近い短い長さのもの、即ちピン角となる構成でも良い。
(1)…d1>D−2w
(2)…d2<D−2w
つまり、式(1)は、「装着内周部11に内装されている止め輪10の縮径による装着内周部11からの外れを規制する溝底8a」を表した構成であり、式(2)は、「装着内周部11に内装されている止め輪10の装着内周部11からの縮径による外れを許容する溝底9a」を表した構成である。但し、内周溝11の径(直径)をΦとすると、図5(a)に示す状態を可能とするために、
(3)…d1<Φ−2w
となるように、即ち、第1溝部8の溝底8aに関しては、「Φ−2w>d1>D−2w」が成り立つように構成されている。
なお、上記式(3)は、内周溝11に嵌っているときの止め輪10の外径が内周溝11の径Φに一致している場合、即ち、内周溝11の径Φが止め輪10の自由状態の外径と同じ又は小さい場合に成り立つ。内周溝11の径Φが止め輪10の自由状態の外径より少し大きい場合に、上記式(3)を成り立たせるには、内周溝11の径に代えて止め輪10の自由状態の外径をΦとすれば良い。
次に、封印装置Sにおけるカバー5のロックナット4への装着手順と作用について説明する。まず、図6に示す止め輪10を、調節ボルト3に螺着固定されている第2ロックナット4Bの外周溝7、詳しくは第2溝部9に嵌め入れる。
次いで、図3(a)に示されるように、カバー5を開口内周面18が下となる姿勢で、ロックナット4が装備された状態の調節ボルト3に上方から被せるように下降させる。このとき、開口内周面18は自由状態の止め輪10の外径より大きいので、止め輪10は、外周溝7の下方側周面23に載っている状態が維持されている。
カバー5の下降を続けると、図3(b)に示されるように、傾斜内周面(円錐内周面)20が止め輪10に外接し、その傾斜内周面20のボルト軸方向21に対する緩い傾斜角度によって径内側方向への強い力が生じ、止め輪10は下方側周面23に接した状態のまま強制的に縮径変形される。
なおも、カバー5の下降により、図4(a)に示されるように、相対的に止め輪10は細径内周面19の端部を乗越えて内周溝11に位置した途端、弾性復元力によって瞬間的に拡径変形して内周溝11に嵌り込み、内嵌装着される。そして、カバー5は、内周溝11の反ボルト取付壁2側(上側)となる上側周面24が、止め輪10の上面10aに当接する位置まで下降して止まる装着状態となる。止め輪10の拡径弾性力が強い場合は、下端位置までカバー5が降りないこともありうる。
図4(a)に示す装着状態は、止め輪10が下方側周面23に載っている状態のものであり、第2Oリング42(図1参照)が装備されない場合を示している。実施形態1による封印装置Sは、第2Oリング42の弾性力により、第2ロックナット4Bに対してカバー5が図4(a)の状態から若干持上げられて、止め輪10が第1溝部8に位置した状態、即ち、図1に示される状態が装着状態となっている。
従って、図3(b)に示される状態から、図4(a)に示される状態には、一時的に第2Oリング42をボルト軸方向21にかなり圧縮変形させるように、カバー5を強く押し下げる操作を行うことによって遂行される。
さて、図1などに示すように、第2ロックナット4Bに組付けられている装着状態のカバー5を外そうとして、上方に引っ張った場合について説明する。なお、説明の便宜上、止め輪10が下方側周面23に載っている状態(第2Oリング42が無いとした場合の状態)から順に説明するものとする。
図4(a)に仮想線又は実線で示される装着状態にあるカバー5を引っ張り上げると、図4(b)に示されるように、内周溝11のボルト取付壁2側(下側)となる下側周面25が、外周溝7の下方側周面23に載っている止め輪10に当接して連れ上り移動させる。 なおもカバー5を引き上げると、図5(a)に示されるように、連れ上り移動する止め輪10の上面10aが外周溝7の上方側周面26に当接し、それ以上のカバー5の引き上げがストップされる。
このとき、図5(b)に示されるように、止め輪10が撓んで捩れるとか、加工寸法誤差(例:角の面取りが大きい)などにより止め輪10が縮径したとしても、連れ上がった止め輪10は第1溝部8に位置していてその溝底8aにより縮径変形が殆どできないように規制されている。図1に示される装着状態における止め輪10付近の構成は、これら図5(a)又は図5(b)に示される構成となっている。
従って、第1溝部8において止め輪10が縮径しても、内周溝11の下側周面25は止め輪10の下面10bに依然として当接しており、やはりカバー5の引き上げ移動はできないように牽制阻止されている。
以上述べたとおり、止め輪10を有するロックナット4が螺装された調節ボルト3に、カバー5を、その内周溝11に止め輪10が内装されるまで下降移動させて組付けると、その後は、カバー5を引き上げて取り外すことは不可能となる封印装置Sが構成されている。故に、カバー5のロックナット4への(調節ボルト3への)装着により、調節ボルト3の回し操作ができないように、封印装置Sにより調節ロックされる。
カバー5を無理やり外すには、止め輪10をせん断破壊させる必要があり、例えば、カバーをロックナットなどに圧入させる手段や、或いはカバーの下端を部分的に径内側に切り折り曲げてロックナットに引っ掛ける手段に比べて、カバー5の引き上げ耐力が格段に向上(例:耐荷重が1〜2トン)する利点がある。
本発明による封印装置Sにおいては、図1に示されるように、第1Oリング41は、カバー5におけるカバー5の下端(ボルト取付壁2側端であり、「一端」の一例)と装着内周部11との間の第1カバー部51と、カバー5の上端(反ボルト取付壁2側端であり、「他端」の一例)と装着内周部11との間の第2カバー部52とのうちの、ボルト軸方向21の長さの長い方のカバー部である第1カバー部51に配置されている。
止め輪10によるロックナット4との係合部である装着内周部11から遠い側の第1カバー部51に第1Oリング41が設けられているので、第2カバー部52に比べて振れ動き易い第1カバー部51の振れ動きが第1Oリング41によって解消又は大きく軽減され、カバー5の安定支持、ならびに騒音防止に寄与している。
第1Oリング41は、第1ロックナット4Aと第2ロックナット4Bとの第2ガスケット13を介しての境界部kに嵌装されているので、専用のOリング装着部材を別途に用いることなくOリングの装着に好適な外周溝形状が形成することができる。従って、ロックナット4の分割構造を利用してのコスト的に有利な手段としながら、第1Oリング41をロックナット4に安定装着させることができる利点がある。
第2Oリング42が、第1カバー部51よりもボルト軸方向21の長さの短い第2カバー部52にも設けられており、これら第1及び第2Oリング41,42は、装着内周部11のボルト軸方向21での両側それぞれに設けられている。この構造により、エンジン振動などの機器の駆動振動によるカバー5の振れ動きがより一層防振され、カバー5の安定支持に役立利点がある。
また、第2Oリング42の内径と同程度の比較的大きな孔として蓋部5Bに覗き孔27が形成されているので、封印装置Sの組付け後において、第2Oリング42が装着されているかどうかを覗き孔27から視認することができる利点もある。そして、第2Oリング42の存在により、前述のように、止め輪10が外周溝7における上側の第1溝部8に位置する状態で維持されるように、カバー5をロックナット4に対して上昇付勢させる機能も得られ、多機能化が図れている点も望ましい。
例えば、いずれのOリング41,42も装備されてない封印装置Sでは、振動によりカバー5が振れ動くと、ロックナット4の角がカバー5の内周面と当接して磨り減り、カバー5のガタつきが大きくなり易い。さらに磨耗が進むと、止め輪10が外周溝7や内周溝11の内部で傾き、上下面の局所的な面圧上昇が繰り返されることで外周溝7や内周溝11が磨耗して拡大する。
その結果、止め輪10を保持できなくなり、それによってカバー5が外れ易くなるおそれが考えられる。
また、振動により止め輪10や各溝7,11の表面が擦れると、メッキ等の表面処理が剥がれ、そこに水分が付着すると錆が発生し、止め輪10や各溝7,11の磨耗が促進され、保持力の低下や破損、並びにそれらの不都合によるカバー5の脱落を早期に招くおそれもある。
それに対して、封印装置Sを有する本発明では、次の(1)〜(2)の利点が得られる。
(1)ロックナット4の下部に第1Oリング41を設けたので、カバー5の下端部(第1カバー部51)の振れが抑制され、ロックナット4の角などの磨耗が防止される。
(2)ロックナット4の上端に第2Oリング42を設けたので、カバー5及び止め輪10を第2Oリング42の弾力でロックナット4に対して上昇付勢させることができる。従って、ロックナット4の第1溝部8の上方側周面26と、カバー5の内周溝11の下側周面25とで止め輪10を挟んで保持されるので、止め輪10の内外周溝11,7内での傾きを解消又は抑制でき、傾きに起因した磨耗を防止することができる。
(3)上下のOリング42,41の存在により、カバー5の内部を外部からの異物、ゴミ、水分などが入らないようにシールすることができ、ロックナット4や内外周溝11,7など内部に錆が生じない(生じ難い)ようにして、止め輪10と内外周溝11,7の磨耗が防止又は抑制されるようになる。
(4)覗き孔27の存在により、第2ロックナット4Bの上端とカバー5の蓋部5Bとの間を視認することができるから、第2Oリング42の装着忘れを確認して未然に防止することが可能になる。
〔別実施例〕
Oリング41,42の材質は、ゴムのほか、合成樹脂、フッ素樹脂など可撓性を有するものなら種々の変更設定が可能である。
1 雌ねじ孔
2 ボルト取付壁
3 調節ボルト
3B ボルト頭部
4 ロックナット
4A 第1ロックナット
4B 第2ロックナット
5 カバー
5A 筒状部
6 抜止め部
7 外周溝
10 止め輪
11 装着内周部
27 覗き孔
41 Oリング
42 Oリング
51 第1カバー部
52 第2カバー部
k 境界部

Claims (4)

  1. 機器のボルト取付壁の雌ねじ孔に螺合可能な調節ボルトと、
    前記調節ボルトに螺合されているロックナットと、
    前記調節ボルト及び前記ロックナットを囲繞する筒状部を有して前記ロックナットに嵌装されているカバーと、
    前記カバーを前記ロックナットに対して抜止め状態とする抜止め部とを備え、
    前記抜止め部は、止め輪と、前記止め輪を抜止め状態で内装可能に前記カバーに形成されている装着内周部と、前記止め輪を外装可能に前記ロックナットに形成されている外周溝とを有して構成されるとともに、
    前記ロックナットと前記カバーとの間に介装されるOリングが装備され、
    前記Oリングは、前記装着内周部のボルト軸方向での両側それぞれに設けられている調節ボルト封印装置。
  2. 前記ロックナットは、前記ボルト取付壁に作用する第1ロックナットと、前記第1ロックナットに作用する第2ロックナットと、によるダブルナット構造に構成され、
    前記装着内周部のボルト軸方向で一方の側の前記Oリングが、前記第1ロックナットと前記第2ロックナットとの境界部に嵌装されている請求項1に記載の調節ボルト封印装置。
  3. 前記装着内周部のボルト軸方向で一方の側の前記Oリングは、前記カバーにおける前記カバーの一端と前記装着内周部との間の第1カバー部と、前記カバーの他端と前記装着内周部との間の第2カバー部とのうちの、ボルト軸方向の長さの長い方のカバー部に配置されている請求項1に記載の調節ボルト封印装置。
  4. 前記第2ロックナットは、前記調節ボルトのボルト頭部を覆う袋ナットに形成されるとともに、前記カバーのボルト頭部側端に覗き孔が設けられている請求項1〜3の何れか一項に記載の調節ボルト封印装置。
JP2016256299A 2016-12-28 2016-12-28 調節ボルト封印装置 Active JP6688531B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016256299A JP6688531B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 調節ボルト封印装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016256299A JP6688531B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 調節ボルト封印装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018109366A JP2018109366A (ja) 2018-07-12
JP6688531B2 true JP6688531B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=62844719

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016256299A Active JP6688531B2 (ja) 2016-12-28 2016-12-28 調節ボルト封印装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6688531B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112675441B (zh) * 2020-12-24 2022-09-27 台州市中心医院(台州学院附属医院) 一种可移动放疗用ct装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018109366A (ja) 2018-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107542746B (zh) 带调节螺栓的设备
CA2474994C (en) Wheel retention nut
US6769851B2 (en) Captive fastener
US8888430B2 (en) Antitheft locking device
EP2469106B1 (en) Antitheft locking device.
JP6605403B2 (ja) 調節ボルト付き機器
US6279600B1 (en) Method for securing a valve cap
JP6688531B2 (ja) 調節ボルト封印装置
US6745752B1 (en) Fuel injector clamp with retaining ring
JP2002266920A (ja) 圧縮性流体装置及びその製造方法
EP2228176A1 (en) Antitheft locking device and method for its production
JP4668169B2 (ja) 調整時に機器を設置するための調整脚
JP5878747B2 (ja) 防護柵
US10352458B2 (en) Device for and method of installation of component within and removal from a bore
JP3856776B2 (ja) 締結具の取外し防護装置
JP6605402B2 (ja) 調節ボルト付き機器
US9541119B2 (en) Fitting with dual serrated locking rings
JP2017227309A (ja) 調節ボルト付き機器
JP6466828B2 (ja) 調節ボルト付き機器
JP2000346035A (ja) 弛緩止め付きボルト
US20170305358A1 (en) Integrated fastener for plastic automotive components
JP6430362B2 (ja) 調節ボルト付き機器
JP6537449B2 (ja) 調節ボルト付き機器
JP2005016601A (ja) 雌ネジ具
JP3105700U (ja) 盗難防止機能付きバルブキャップ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200324

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200402

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6688531

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150