JP6688246B2 - 屋上設備の基礎構造とその構築方法 - Google Patents
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Description
この図において、立上り端部固定板6aは、例えば塩ビ鋼板であり、脚部2の上端近傍を囲んでコンクリートビス等で固定される。なおこの固定の際に、止水のため両面ブチルテープが脚部2と立上り端部固定板6aの間に挟持される。切付部固定板6bは、例えば塩ビ鋼板であり、脚部2の下端と屋上スラブ1の境界部分を囲み、断熱材8を介して屋上スラブ1にコンクリートビス等で固定される。防水シート7a,7b,7cは、立上り端部固定板6aから脚部2の下部まで、脚部2の中間部から屋上スラブ1の境界部分まで、及び屋上スラブ1の断熱材8の上面の順で互いに重複部分を設けて溶着される。
そのため、従来の基礎構造は、手間と時間がかかり、かつ製造コストが高かった。
前記中空円筒管の下端外縁に近接する内径を有し、前記スラブ上面に固定された平板状の中空板と、
内縁部が前記中空円筒管の上端部に固定され、外縁が前記中空円筒管より外側に位置する中空円板状の水切部材と、
前記中空円筒管の内部と前記水切部材の上部に一体的に構築された鉄筋コンクリートと、
前記中空円筒管の外周面と前記中空板の板上面を連続的に覆う外面防水シートと、
前記外面防水シートの下端外縁部に重複部分を設けて溶着され、前記スラブ上面を連続的に覆う屋上防水シートと、を備えた屋上設備の基礎構造が提供される。
(B)中空板に前記中空円筒管を通して、前記スラブ上面に固定する中空板固定ステップと、
(C)水切部材の内縁部を前記中空円筒管の上端部に固定する水切部材固定ステップと、
(D)前記中空円筒管の内部と前記水切部材の上部に鉄筋コンクリートを一体的に構築する鉄筋コンクリート構築ステップと、
(E)外面防水シートにより、前記中空円筒管の外周面と前記中空板の板上面を連続的に覆う上部防水ステップと、
(F)屋上防水シートを、前記外面防水シートの下端外縁部に重複部分を設けて溶着し、前記スラブ上面を連続的に覆う下部防水ステップと、を有する、屋上設備基礎構造の構築方法が提供される。
また、外面防水シートと屋上防水シートのみで、中空円筒管の外周面から屋上スラブのスラブ上面まで連続的に覆うので、従来の立上り端部固定板、切付部固定板及びパッチを省略できる。
従って、従来の基礎構造と比較して、型枠工事及びシート防水処理を短期間かつ容易に実施でき、省力化とコスト低減ができる。
図3と図4において、基礎構造10は、その上面に屋上設備(図示せず)を設置するために用いられる。屋上設備は、例えば、配管(横引き配管)や消防用水槽であるが、その他の機器、例えばテレビアンテナ、避雷針、太陽光パネルであってもよい。
また屋上スラブ1は、屋上においてスラブ上面1aに垂直な荷重を支えるコンクリート床である。屋上スラブ1は、住戸の一部として機能するルーフバルコニー等(住民が行き来する可能性がある場所)として用いるものであってもよい。
この例において、中空円筒管12は、ポリ塩化ビニルからなる塩ビ管である。塩ビ管は、この例では呼び300mmのVU管(外径約318mm、厚さ約9.2mm)であるが、それ以外のVU管又はVP管であってもよい。
中空円筒管12としてVU管(又はVP管)を用いることにより、同じポリ塩化ビニルからなる外面防水シート20をその外面に溶着することができる。
この例において、中空板14は、鋼板の片面をポリ塩化ビニルで挟んだ塩ビ鋼板である。中空板14として塩ビ鋼板を用いることにより、同じポリ塩化ビニルからなる外面防水シート20及び屋上防水シート22をその表面に溶着することができる。
水切部材16は、鉄筋コンクリート18の天板部18b(アゴ部18c)を形成する際に型枠の一部として機能する。
鉄筋コンクリート18の内部には、鉄筋19が配筋されている。鉄筋19は、この図に示すように、屋上スラブ1の内部から水切部材16の上部まで配筋することが好ましい。
この例において、外面防水シート20は、ポリ塩化ビニルからなる塩ビ製であり、中空円筒管12の外面と中空板14の板上面に溶着されている。
円筒シート部20aと中空板シート部20bは、例えば真空成型により、一体成形されている。
この例において、屋上防水シート22は、ポリ塩化ビニルからなる塩ビ製である。
この図において、基礎構造10の構築方法は、S1〜S6の各ステップ(工程)からなる。
中空円筒管12は、ポリ塩化ビニルからなる塩ビ管であるのがよい。
また中空板14は、鋼板の片面をポリ塩化ビニルで挟んだ塩ビ鋼板であるのがよい。
このステップS4では、鉄筋コンクリート18の内部に鉄筋19を予め配筋する。また、中空円筒管12の内部下端と屋上スラブ1のスラブ上面1aとの間にノロ止め発泡樹脂28を設置する。
さらに、水切部材16の上部に中空円筒管12より内径の大きい中空円筒型枠(図示せず)を固定する。中空円筒型枠は、紙管製であるのがよい。
次いで、中空円筒管12の内部と中空円筒型枠の内部にコンクリートを打設して鉄筋コンクリート18を一体的に構築する。
外面防水シート20は、ポリ塩化ビニルからなる塩ビ製であり、中空円筒管12の外面と中空板14の板上面に溶着するのがよい。
また外面防水シート20は、円筒シート部20aと中空板シート部20bからなり、例えば真空成型により一体成形するのがよい。
屋上防水シート22は、ポリ塩化ビニルからなる塩ビ製であるのがよい。
外面防水シート20と屋上防水シート22の重複部分は、逆でもよく、この場合は、ステップS6をステップS5の前に実施してもよい。
また、中空円筒管12と水切部材16は、型枠として用いた後、解体することなくそのまま基礎構造10の一部として用いる。
さらに中空円筒型枠に紙管製の型枠を使用できるので、従来の合板パネルの型枠工事を省略することができる。
中空円筒管12の外面に外面防水シート20を溶着できるので、従来の立上り端部固定板6aを省略できる。また、外面防水シート20に隙間がなく中空板14に溶着できるので、従来の切付部固定板6b及びパッチを省略できる。
従って、従来の基礎構造と比較して、型枠工事及びシート防水処理を短期間かつ容易に実施でき、省力化とコスト低減ができる。
5 傾斜面、6a 立上り端部固定板、6b 切付部固定板、
7a,7b,7c 防水シート、8 断熱材、10 基礎構造、
12 中空円筒管(塩ビ管)、12a 中心軸、14 中空板、
16 水切部材、16a 内縁部、16b 外縁、16c 凹溝、
18 鉄筋コンクリート、18a 脚部、18b 天板部、18c アゴ部、
19 鉄筋、20 外面防水シート、20a 円筒シート部、
20b 中空板シート部、22 屋上防水シート、24 塗膜、
26 コンクリートビス、27 塩ビ用ネジ、28 ノロ止めテープ
Claims (5)
- 屋上スラブのスラブ上面に対し中心軸が鉛直に位置する中空円筒管と、
前記中空円筒管の下端外縁に近接する内径を有し、前記スラブ上面に固定された平板状の中空板と、
内縁部が前記中空円筒管の上端部に固定され、外縁が前記中空円筒管より外側に位置する中空円板状の水切部材と、
前記中空円筒管の内部と前記水切部材の上部に一体的に構築された鉄筋コンクリートと、
前記中空円筒管の外周面と前記中空板の板上面を連続的に覆う外面防水シートと、
前記外面防水シートの下端外縁部に重複部分を設けて溶着され、前記スラブ上面を連続的に覆う屋上防水シートと、を備えた屋上設備の基礎構造。 - 前記中空円筒管は、ポリ塩化ビニルからなる塩ビ管であり、
前記外面防水シートは、ポリ塩化ビニルからなる塩ビ製であり、前記中空円筒管と前記中空板に溶着される、請求項1の屋上設備の基礎構造。 - 前記外面防水シートは、前記中空円筒管の外周面に接する円筒シート部と、前記板上面に接する中空板シート部とからなり、
前記円筒シート部と前記中空板シート部は、一体成形されている、請求項1の屋上設備の基礎構造。 - 前記鉄筋コンクリートは、前記中空円筒管の前記内部に位置する円筒形の脚部と、前記水切部材の前記上部に位置する円筒形の天板部とからなり、
前記天板部は、前記脚部の外縁から外方に張出したアゴ部を有し、前記天板部の外面には防水性の塗膜が塗布されている、請求項1の屋上設備の基礎構造。 - (A)中心軸が鉛直に位置する中空円筒管を、屋上スラブのスラブ上面に位置決めする位置決めステップと、
(B)中空板に前記中空円筒管を通して、前記スラブ上面に固定する中空板固定ステップと、
(C)水切部材の内縁部を前記中空円筒管の上端部に固定する水切部材固定ステップと、
(D)前記中空円筒管の内部と前記水切部材の上部に鉄筋コンクリートを一体的に構築する鉄筋コンクリート構築ステップと、
(E)外面防水シートにより、前記中空円筒管の外周面と前記中空板の板上面を連続的に覆う上部防水ステップと、
(F)屋上防水シートを、前記外面防水シートの下端外縁部に重複部分を設けて溶着し、前記スラブ上面を連続的に覆う下部防水ステップと、を有する、屋上設備基礎構造の構築方法。
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