JP6686754B2 - 分光器 - Google Patents

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Description

本発明は、入射スリットを通過した光を回折格子で回折させて分光する分光器に関するものである。
分光器の一例として、入射スリットから入射する光を回折格子で分光し、特定の波長の光のみを出射スリットから出射させるモノクロメータが知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この種の分光器では、例えばハウジング内に回折格子が設けられており、ハウジングの壁面に、入射スリットが形成された入射部(入射ポート)や、出射スリットが形成された出射部(出射ポート)が設けられている。
光源からの光は光学系を介して集光され、微小な開口からなる入射スリットを通ってハウジング内に入射する。ハウジング内に入射した光は、拡がりながら回折格子に到達し、当該回折格子の有効領域(格子面)で回折することにより、各波長の光に分光される。回折格子は回転可能に設けられており、その回転位置に応じた特定の波長の光が集光され、出射スリットを通ってハウジングの外部に出射される。
汎用性の高いモノクロメータでは、光源からの光を導く光学系の構成がユーザにより任意に選択される。上記光学系としては、例えば集光レンズを用いて光源からの光を集光させる構成や、1本又は複数本の光ファイバを用いて光源からの光を導く構成など、様々なバリエーションがある。
特開2008−185525号公報
光源からの光を導く光学系が、上記のような様々なバリエーションを有している場合には、入射光束の明るさが光学系の構成に応じて変化することとなる。すなわち、入射光束の角度範囲が大きいときには、明るさの指標であるF値が小さくなり、入射光束の明るさが増加する。一方、入射光束の角度範囲が小さいときには、F値が大きくなり、入射光束の明るさが減少する。
図8A及び図8Bは、入射光束の角度範囲θ2について説明するための概略断面図である。光源からの光は、入射スリット101を通ってハウジング102内に入射し、ハウジング102内に設けられた回折格子103の有効領域131で回折する。
図8Aのように、F値が小さく、入射光束の角度範囲θ2が大きいときには、回折格子103の有効領域131全体に光が入射する場合がある。一方、図8Bのように、F値が大きく、入射光束の角度範囲θ2が小さいときには、回折格子103の有効領域131の一部にのみ光が入射する場合がある。
F値が小さければ感度が向上する一方で、F値が大きければ分解能が向上する。そのため、ユーザは、所望する感度又は分解能に応じて、光源からの光を入射スリット101に導く光学系(集光レンズなど)を調整することにより、入射光束の角度範囲θ2を任意に設定することができる。
しかしながら、上記のような光学系の調整は容易ではなく、図8Aのように、回折格子103の有効領域131を超えて光が入射する場合がある。なお、図8Aでは、回折格子103の有効領域131内に入射しない光をハッチングで示している。この場合、有効領域131内に入射しない光が迷光源となり、測定結果に悪影響を及ぼすおそれがある。
また、光学系の構成を変更する度に入射光束の角度範囲θ2を設定する作業を行うことは煩雑であるため、ユーザによっては、そのような作業を行うことなくモノクロメータを使用する場合がある。このような場合にも、図8Aのように、回折格子103の有効領域131を超えて光が入射する場合がある。
このように、汎用性の高いモノクロメータでは、迷光が生じやすいという問題がある。このような問題を解消するために、例えばハウジングの内面を黒色に塗装したり、反射率の低い部材をハウジングの内面に貼り付けたりすることにより、迷光を低減するような対策が行われている。また、回折格子のエッジ部分に黒色のマスク部を設けることにより、当該エッジ部分での光の散乱を防止し、迷光を低減するような方法も知られている。
しかしながら、上記のような従来の迷光を低減させる方法は、回折格子103の有効領域131を超えた光がハウジング内に入射すること自体を防止するものではない。すなわち、迷光源を完全に遮断するものではなく、ハウジング内における迷光の発生を完全に防止することはできないため、より効果的に迷光を低減することができるような構成が望まれていた。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、より効果的に迷光を低減することができる分光器を提供することを目的とする。
本発明に係る分光器は、入射部と、回折格子と、マスク部と、光量調整機構とを備える。前記入射部には、光源からの光が通過する入射スリットが形成されている。前記回折格子は、前記入射スリットを通過した光を有効領域で回折させて分光する。前記マスク部は、前記入射部及び前記回折格子の間に設けられ、前記入射スリットから前記回折格子側に向かう光の少なくとも一部を通過させる開口部が形成されるとともに、前記開口部以外の部分では光を反射させて遮光する。前記光量調整機構は、前記開口部を通過して前記回折格子側に向かう光の通過量を変化させる。
このような構成によれば、入射スリットから回折格子に向かう光の一部を、マスク部における開口部以外の部分で反射させて遮光することができる。このとき、開口部を通過して回折格子側に向かう光の通過量を光量調整機構で変化させることにより、回折格子の有効領域内に入射しない光が回折格子側に向かうのを阻止することができる。この場合、回折格子の有効領域内に入射する光のみがマスク部の開口部を通過し、迷光源となる回折格子の有効領域内に入射しない光が遮光されるため、より効果的に迷光を低減することができる。
前記光量調整機構は、前記マスク部を回転又は移動させることにより、前記開口部を通過して前記回折格子側に向かう光の通過量を変化させてもよい。
このような構成によれば、マスク部を回転又は移動させるだけの簡単な構成で、開口部を通過して回折格子側に向かう光の通過量を変化させ、回折格子の有効領域内に入射しない光が回折格子側に向かうのを阻止することができる。
前記分光器は、前記回折格子を回転させる回転機構をさらに備えていてもよい。この場合、前記光量調整機構は、前記回折格子の回転に伴って、前記開口部を通過して前記回折格子側に向かう光の通過量を変化させてもよい。
このような構成によれば、回折格子の回転に伴って、開口部を通過して回折格子側に向かう光の通過量が自動的に変化するため、回折格子の回転角度に対して常に適切な通過量で回折格子側に向かう光が開口部を通過する。すなわち、回折格子の回転角度が変化すると、回折格子の有効領域に対する入射光束の角度範囲も変化するため、回折格子の回転に伴って開口部に対する光の通過量を変化させることにより、常に回折格子の有効領域内にのみ光を入射させることが可能になる。
前記分光器は、前記マスク部における前記開口部以外の部分で反射した光を減衰させるトラップ空間が形成されたトラップ部をさらに備えていてもよい。
このような構成によれば、回折格子の有効領域内に入射しない光をマスク部で反射させ、その反射した光をトラップ空間で減衰させることができる。これにより、マスク部において遮光された光は回折格子側には届かず、迷光源となることがないため、より効果的に迷光を低減することができる。
前記トラップ空間の内面には、光を減衰させながら反射させる低反射率部材が設けられていてもよい。
このような構成によれば、回折格子の有効領域内に入射しない光をマスク部で反射させ、その反射した光をトラップ空間の内面に設けられた低反射率部材により効果的に減衰させることができる。したがって、さらに効果的に迷光を低減することができる。
前記マスク部における前記開口部以外の部分には、光を減衰させながら反射させる低反射率部材が設けられていてもよい。
このような構成によれば、回折格子の有効領域内に入射しない光がマスク部で反射する際、マスク部に設けられた低反射率部材により減衰しながら反射される。したがって、さらに効果的に迷光を低減することができる。
本発明によれば、開口部を通過して回折格子側に向かう光の通過量を光量調整機構で変化させることにより、回折格子の有効領域内に入射しない光が回折格子側に向かうのを阻止することができるため、より効果的に迷光を低減することができる。
本発明の一実施形態に係る分光器の構成例を示した概略断面図である。 入射光制限部材の構成例を示した概略断面図である。 図2の状態から回折格子を回転させたときの入射光制限部材の構成例を示した概略断面図である。 入射光制限部材の変形例を示した概略断面図である。 別実施形態に係る分光器の構成例を示した概略断面図である。 さらに別の実施形態に係る分光器の構成例を示した概略断面図である。 図6の分光器における入射光制限部材の変形例を示した概略断面図である。 入射光束の角度範囲について説明するための概略断面図である。 入射光束の角度範囲について説明するための概略断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る分光器1の構成例を示した概略断面図である。この分光器1は、光源2からの光を分光するためのモノクロメータであり、光源2からの光は集光レンズ3により集光されて分光器1内に入射する。集光レンズ3は、光源2から分光器1に光を導くための光学系を構成しており、当該光学系の構成をユーザが任意に選択することができるようになっている。すなわち、本実施形態に係る分光器1は汎用性が高く、集光レンズ3の種類を変更したり、集光レンズ3以外の光学系を採用したりすることができる。
分光器1は、例えば入射光制限部材4、第1反射鏡5、回折格子6、第2反射鏡7及び出射光制限部材8などを備えている。分光器1の外形はハウジング9により区画されており、当該ハウジング9内に第1反射鏡5、回折格子6及び第2反射鏡7が設けられるとともに、当該ハウジング9の壁面に入射光制限部材4及び出射光制限部材8が取り付けられている。入射光制限部材4及び出射光制限部材8は、ハウジング9の壁面に対して着脱可能であることが好ましい。
入射光制限部材4には、例えば小孔からなる入射スリット41が設けられており、当該入射スリット41を通過した光のみがハウジング9側に向かう。これにより、分光器1に入射する光源2からの光を制限し、分光器1に入射した光のみを第1反射鏡5で反射させ、回折格子6へと導くことができる。
入射スリット41を通過した光は、拡がりながら回折格子6に到達する。ただし、第1反射鏡5が、例えばコリメート鏡で構成されることにより、入射スリット41を通過した光が第1反射鏡5で平行光とされてから回折格子6に導かれるような構成であってもよい。また、第1反射鏡5が省略され、入射スリット41を通過した光が回折格子6に直接導かれるような構成であってもよい。
回折格子6には、凹面からなる格子面が形成されており、当該格子面は、入射スリット41を通過した光が入射する有効領域61を構成している。入射スリット41を通過した光は、有効領域61内で回折することにより、各波長の光に分光される。そして、分光された特定の波長の光が、第2反射鏡7で反射し、出射光制限部材8を介してハウジング9の外部に出射する。第2反射鏡7は、例えばフォーカス鏡で構成されており、回折格子6からの光を集光させて出射光制限部材8に導く。
回折格子6は、回転軸62を中心に回転可能に保持されている。例えば図1に破線で示すように、回転軸62を中心に回折格子6を回転させることにより、その回転位置に応じた特定の波長の光を集光させ、出射光制限部材8を介してハウジング9の外部に出射させることができる。
出射光制限部材8には、例えば小孔からなる出射スリット81が設けられており、当該出射スリット81を通過した光のみがハウジング9の外部に出射する。これにより、分光器1内で生じた迷光の出射を制限し、回折格子6により分光された特定の波長の光のみを出射スリット81から出射させることができる。
図2は、入射光制限部材4の構成例を示した概略断面図である。図2では、説明を簡略化するために第1反射鏡5が省略されている。入射光制限部材4は、例えば本体42、入射板43及びマスク板44などを備えている。当該入射光制限部材4は、例えばハウジング9の壁面に対して外側から取り付けられている。
本体42は、例えば筒状の部材により構成されており、一端部に入口側開口421が形成されるとともに、他端部に出口側開口422が形成されている。光源2から集光レンズ3を介して入射光制限部材4に入射する光は、本体42の軸線Lに沿って入口側開口421から入射し、本体42内を通って出口側開口422から出射する。
出口側開口422は入口側開口421よりも大径であり、段差面423を介して互いに連通している。段差面423は、例えば光の入射方向(軸線L方向)に対して直交する面により構成されている。ただし、このような構成に限らず、例えば円錐面などのように、軸線L方向に対して交差する方向に延びる面により段差面423が構成されていてもよい。
入射板43は、上述の入射スリット41が形成された入射部を構成している。入射板43は、本体42の一端面に取り付けられることにより、入口側開口421の一部を覆っている。すなわち、入射板43は、入口側開口421の一部に対向する位置まで張り出しており、入射スリット41を通過した光が、入口側開口421を介して本体42内に入射される。
入射板43は、本体42に対して着脱可能となっている。このように、入射板43が本体42に対して着脱可能である場合には、例えば本体42に設けられたピンなどの位置決め部材(図示せず)により、入射板43を位置決めして取り付けることができるような構成であることが好ましい。ただし、入射板43は、本体42に対して着脱可能な構成に限らず、本体42に対して固定されていてもよい。
マスク板44は、開口部45が形成されたマスク部を構成している。開口部45は、入射スリット41よりも大きい面積を有している。マスク板44は、本体42内に取り付けられることにより、光源2から回折格子6に向かう光の光路上において、入射板43と回折格子6との間に設けられている。これにより、開口部45を通過した光のみが、出口側開口422からハウジング9内に入射するようになっている。
ハウジング9には、開口部45よりも大きい開口部91が形成されており、当該開口部91に開口部45が対向するように、入射光制限部材4がハウジング9に取り付けられている。入射光制限部材4は、ハウジング9に対して固定されていてもよいし、着脱可能であってもよい。入射光制限部材4がハウジング9に対して着脱可能である場合には、例えば入射光制限部材4又はハウジング9に設けられたピンなどの位置決め部材により、入射光制限部材4を位置決めして取り付けることができるような構成であることが好ましい。
入射スリット41から回折格子6側に向かう光は、開口部45の形状及び位置に応じて制限される。本実施形態では、開口部45の中心が、入射スリット41からの光の光軸上(軸線L上)に位置しており、開口部45に対する入射光束が開口部45の面積と同一又は開口部45よりも小さい断面積を有している場合には、入射スリット41からの光の全てが開口部45を通過する。一方、開口部45に対する入射光束が開口部45の面積よりも大きい断面積を有している場合には、入射スリット41からの光の一部(光軸に近い部分)のみが開口部45を通過する。
このように、入射スリット41から回折格子6側に向かう光は、その少なくとも一部が開口部45を通過し、開口部45以外の部分では光が反射されることにより遮光される。より具体的には、図2にハッチングで示すように、回折格子6の有効領域61内に入射する入射光束の角度範囲θ1を超える範囲の光が、マスク板44で遮光されるようになっている。マスク板44により遮光された光は、当該マスク板44において反射することにより、本体42内に残留することとなる。
図3は、図2の状態から回折格子6を回転させたときの入射光制限部材4の構成例を示した概略断面図である。図3に示すように、回折格子6が回転軸62を中心に回転すると、軸線Lに沿って見た有効領域61の面積が変化する。そのため、マスク板44が図2の状態のままでは、開口部45を通過した光の一部が有効領域61に入射せず、迷光の原因となってしまう。
そこで、本実施形態では、回折格子6の回転に伴ってマスク板44を回転させることにより、開口部45を通過して回折格子6側に向かう光の通過量を変化させることができるようになっている。すなわち、回折格子6の回転に伴ってマスク板44が回転することにより、軸線Lに沿って見た開口部45の面積が変化し、図3にハッチングで示すように、開口部45を通過する光束の角度範囲θ1が変化する。
より具体的には、マスク板44は、軸線L上に位置する回転軸40を中心に回転可能となっている。回折格子6の回転軸62は、マスク板44の回転軸40と同様に軸線L上に位置しており、各回転軸40,62は軸線Lに対して直交方向に延びている。マスク板44は、その回転角度が回折格子6の回転角度と一致するように同期して回転する。これにより、開口部45を通過する光が常に回折格子6の有効領域61内に入射し、有効領域61内に入射する入射光束の角度範囲θ1を超える範囲の光が、常にマスク板44で遮光されるようになっている。
図3に示すように、回折格子6は、回転機構100により回転される。回転機構100は、例えば回転軸62に動力を伝達して回折格子6を回転させるためのモータ及びギア(いずれも図示せず)などの動力伝達機構を備えている。また、マスク板44は、光量調整機構200によって動作される。この例では、光量調整機構200は、例えば回転軸40に動力を伝達してマスク板44を回転させるためのモータ及びギア(いずれも図示せず)などの動力伝達機構を備えている。ただし、回転機構100及び光量調整機構200が一体的に構成されることにより、回折格子6及びマスク板44を同期して回転させることができるようになっていてもよい。
このように、本実施形態では、入射スリット41から回折格子6に向かう光の一部を、マスク板44における開口部45以外の部分で反射させて遮光することができる。このとき、開口部45を通過して回折格子6側に向かう光の通過量を光量調整機構200で変化させることにより、図2及び図3においてハッチングで示すような回折格子6の有効領域61内に入射しない光が、回折格子6側に向かうのを阻止することができる。この場合、回折格子6の有効領域61内に入射する光のみがマスク板44の開口部45を通過し、迷光源となる回折格子6の有効領域61内に入射しない光が遮光されるため、より効果的に迷光を低減することができる。
また、本実施形態では、マスク板44を回転させるだけの簡単な構成で、開口部45を通過して回折格子6側に向かう光の通過量を変化させ、回折格子6の有効領域61内に入射しない光が回折格子6側に向かうのを阻止することができる。
特に、回折格子6の回転に伴って、開口部45を通過して回折格子6側に向かう光の通過量が自動的に変化するため、回折格子6の回転角度に対して常に適切な通過量で回折格子6側に向かう光が開口部45を通過する。すなわち、回折格子6の回転角度が変化すると、回折格子6の有効領域61に対する入射光束の角度範囲θ1も変化するため、回折格子6の回転に伴って開口部45に対する光の通過量を変化させることにより、常に回折格子6の有効領域61内にのみ光を入射させることが可能になる。
本体42内には、マスク板44で反射させた光を減衰させるトラップ空間424が形成されている。トラップ空間424は、例えば出口側開口422と段差面423との間の空間であり、マスク板44で反射した光は、当該トラップ空間424内(本体42の内面や段差面423など)で反射を繰り返すことにより減衰される。本体42は、トラップ空間424が形成されたトラップ部を構成している。
トラップ空間424の内面、すなわち本体42の内面及びマスク板44におけるトラップ空間424側の面などの反射面は、例えば黒色に塗装されることにより、光を減衰させることができるようになっている。ただし、光を減衰させるための構成としては、上記反射面が黒色に塗装された構成に限らず、他の色に塗装された構成であってもよいし、反射率の低い部材が反射面に貼り付けられた構成など、他の各種構成を採用することができる。
このように、本実施形態では、回折格子6の有効領域61内に入射しない光をマスク板44で反射させ、その反射した光をトラップ空間424で減衰させることができる。これにより、マスク板44において遮光された光は回折格子6側には届かず、迷光源となることがないため、より効果的に迷光を低減することができる。
ただし、マスク板44は、回折格子6の有効領域61内に入射する入射光束の角度範囲θ1を超える範囲の光のみを遮光するような構成に限られるものではない。すなわち、マスク板44は、上記角度範囲θ1よりも狭い範囲で入射スリット41からの光を遮光するような構成であってもよい。
上記実施形態では、入射光制限部材4がハウジング9の壁面に対して外側から取り付けられた構成について説明したが、このような構成に限らず、ハウジング9の壁面に対して内側から入射光制限部材4が取り付けられた構成であってもよい。また、本体42及び入射板43が分離して設けられていてもよい。
図4は、入射光制限部材4の変形例を示した概略断面図である。この例では、光量調整機構200が、マスク板44を回転させるのではなく、移動させるようになっている。この点を除けば、他の構成については上記実施形態と同様であるため、同様の構成については、図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
この例では、マスク板44が、図2に示す位置(図4に破線で示す位置)から、図4に実線で示す位置まで、軸線Lに沿って移動可能となっている。このように、光量調整機構200は、マスク板44の角度を保ったまま、軸線Lに沿ってマスク板44を平行移動させることにより、開口部45を通過して回折格子6側に向かう光の通過量を変化させることができるようになっている。
すなわち、回折格子6の回転に伴ってマスク板44が移動することにより、図2及び図4にハッチングで示すように、開口部45を通過する光束の角度範囲θ1が変化する。これにより、開口部45を通過する光が常に回折格子6の有効領域61内に入射し、有効領域61内に入射する入射光束の角度範囲θ1を超える範囲の光が、常にマスク板44で遮光されるようになっている。
このような構成であっても、マスク板44を移動させるだけの簡単な構成で、開口部45を通過して回折格子6側に向かう光の通過量を変化させ、回折格子6の有効領域61内に入射しない光が回折格子6側に向かうのを阻止することができる。
ただし、光量調整機構200は、マスク板44を軸線Lに沿って移動させるような構成にかぎらず、他の方向に沿って移動させるような構成であってもよい。また、光量調整機構200は、マスク板44を回転又は移動させるような構成に限らず、例えば開口部45の面積を変化させることができるような絞り機構を備えた構成など、他の各種構成を採用することができる。
また、光量調整機構200は、回折格子6の回転に伴って、自動で光の通過量を変化させるような構成に限られるものではない。すなわち、光量調整機構200が手動で操作されることにより、開口部45を通過して回折格子6側に向かう光の通過量が変化するような構成などであってもよい。
図5は、別実施形態に係る分光器1の構成例を示した概略断面図である。本実施形態では、光源2から分光器1に光を導くための光学系が、集光レンズ3ではなく光ファイバ10により構成されている。この点を除けば、他の構成については上記実施形態と同様であるため、同様の構成については図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
入射光制限部材4には、光ファイバ10の先端部を取り付けるためのファイバ取付部46が備えられている。ファイバ取付部46は、本体42の一端面に取り付けられることにより、入口側開口421の一部を覆っている。ファイバ取付部46には、本体42の軸線Lに沿って延びる凹部461が形成されており、当該凹部461内に光ファイバ10の先端部が挿入されて固定されている。
光ファイバ10は、その先端面が凹部461の底面に当接している。凹部461の底面には開口が形成されており、当該開口が入射スリット41を構成している。これにより、光ファイバ10の先端面からの光が、入射スリット41を通過し、入口側開口421を介して本体42内に入射されるようになっている。ただし、入射スリット41は、ファイバ取付部46に形成された構成に限らず、ファイバ取付部46とは別に設けられた部材(入射板など)に形成されていてもよい。
このように、光源2から分光器1に光を導くための光学系は、集光レンズ3に限らず、光ファイバ10などの他の各種部材を用いて構成することができる。なお、光ファイバ10は、1本に限らず、複数本設けられていてもよい。
図6は、さらに別の実施形態に係る分光器1の構成例を示した概略断面図である。本実施形態では、図2に示すマスク板44における開口部45以外の部分に、低反射率部材47が設けられている。この点を除けば、他の構成については図2の場合と同様であるため、同様の構成については図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
低反射率部材47は、マスク板44の入射スリット41側の面における開口部45以外の部分全体に設けられている。低反射率部材47における入射スリット41側の面は、低反射率で光を反射させる低反射率面471となっている。低反射率面471としては、例えば黒色などの反射率が低い色で塗装された構成、又は、起毛紙などの反射率が低い素材からなる部材が貼り付けられた構成など、各種構成を採用することができる。低反射率面471の反射率は、0.1〜2%であることが好ましく、0.1〜0.2%であればより好ましい。
本実施形態では、回折格子6の有効領域61内に入射しない光が、入射板43及び回折格子6の間に設けられたマスク板44で反射する際、マスク板44に設けられた低反射率部材47により減衰しながら反射され、さらに、反射した光はトラップ空間424で減衰される。したがって、さらに効果的に迷光を低減することができる。
図6の例では、マスク板44の入射スリット41側の面における開口部45以外の部分全体に、低反射率部材47が設けられているが、このような構成に限られるものではない。すなわち、マスク板44の入射スリット41側の面における開口部45以外の部分の一部分にのみ、低反射率部材47が設けられた構成であってもよい。この場合、少なくとも開口部45の周縁部に低反射率部材47が設けられていることが好ましい。
図7は、図6の分光器における入射光制限部材4の変形例を示した概略断面図である。この例では、低反射率部材47がトラップ空間424の内面に設けられている点のみが図6の例とは異なり、他の構成については図6の場合と同様であるため、同様の構成については図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
低反射率部材47は、例えば本体42内の段差面423に設けられている。これにより、マスク板44で1回反射した後の光がトラップ空間424の内面で反射する位置に、低反射率部材47が設けられる。低反射率部材47は、図7に示すように、入口側開口421の周縁部まで本体42の内面を覆っていることが好ましい。ただし、段差面423に限らず、トラップ空間424の内面における他の位置に低反射率部材47が設けられていてもよい。
低反射率部材47におけるトラップ空間424側(マスク板44側)の面は、低反射率で光を反射させる低反射率面471となっている。低反射率面471の構成としては、図6の場合と同様の構成を採用することができる。
この例では、回折格子6の有効領域61内に入射しない光を、入射板43及び回折格子6の間に設けられたマスク板44で反射させ、その反射した光をトラップ空間424の内面(段差面423)に設けられた低反射率部材47により効果的に減衰させることができる。したがって、さらに効果的に迷光を低減することができる。
以上の実施形態では、入射スリット41を有する入射部が、入射板43のような板状の部材、又は、ファイバ取付部46のような光ファイバ10を取り付けるための部材である場合について説明した。しかし、このような構成に限らず、他の任意の部材により入射部を構成することができる。同様に、マスク部についても、マスク板44のような板状の部材に限らず、他の任意の部材により構成することができる。
また、以上の実施形態では、トラップ空間424を有するトラップ部が、本体42により構成される場合について説明した。しかし、このような構成に限らず、トラップ部が本体42とは別に設けられた構成であってもよい。
さらに、以上の実施形態では、回折格子6の有効領域61が、凹面からなる格子面により構成される場合について説明した。しかし、このような構成に限らず、回折格子6の有効領域61は、平面などの他の形状からなる格子面により構成されていてもよい。また、回折格子6は、有効領域61で光を反射させる際に分光する反射型回折格子に限らず、有効領域61で光を透過させる際に分光する透過型回折格子であってもよい。
1 分光器
2 光源
3 集光レンズ
4 入射光制限部材
5 反射鏡
6 回折格子
7 反射鏡
8 出射光制限部材
9 ハウジング
10 光ファイバ
40 回転軸
41 入射スリット
42 本体
43 入射板
44 マスク板
45 開口部
46 ファイバ取付部
47 低反射率部材
61 有効領域
62 回転軸
81 出射スリット
91 開口部
100 回転機構
200 光量調整機構
421 入口側開口
422 出口側開口
423 段差面
424 トラップ空間
461 凹部
471 低反射率面

Claims (5)

  1. 光源からの光が通過する入射スリットが形成された入射部と、
    前記入射スリットを通過した光を有効領域で回折させて分光する回折格子と、
    前記入射部及び前記回折格子の間に設けられ、前記入射スリットから前記回折格子側に向かう光の少なくとも一部を通過させる開口部が形成されるとともに、前記開口部以外の部分では光を反射させて遮光するマスク部と、
    前記開口部を通過して前記回折格子側に向かう光の通過量を変化させる光量調整機構と
    前記回折格子を回転させる回転機構とを備え
    前記光量調整機構は、前記回折格子の回転に伴って、前記開口部を通過して前記回折格子側に向かう光の通過量を変化させることを特徴とする分光器。
  2. 前記光量調整機構は、前記マスク部を回転又は移動させることにより、前記開口部を通過して前記回折格子側に向かう光の通過量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の分光器。
  3. 前記マスク部における前記開口部以外の部分で反射した光を減衰させるトラップ空間が形成されたトラップ部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の分光器。
  4. 前記トラップ空間の内面には、光を減衰させながら反射させる低反射率部材が設けられていることを特徴とする請求項に記載の分光器。
  5. 前記マスク部における前記開口部以外の部分には、光を減衰させながら反射させる低反射率部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の分光器。
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