JP2004286512A - 多波長光源装置及び光学測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明では、各々所望の波長の光を含む光を発光する複数の光源部11、12と、複数の光源部11、12から射出される光を所望の波長に応じた特定方向に回折させると共に集光する光学系13、14と、光学系13、14からの光を選択的に透過させる出射スリット16とを備え、複数の光源部11、12は、各光源部11、12における所望の波長の光が光学系13、14によって回折する方向が出射スリット16の方向となるように、各々配置され、出射スリット16は、複数の光源部11、12が分布する角度内に配置される多波長光源装置1であって、複数の光源部11、12が配置される位置は、出射スリット16を透過した光の回折次数が複数の回折次数を含むように定められている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに異なる波長の光を射出することができる多波長光源装置に関し、特に、より小型化、軽量化又はコストダウンを図った多波長光源装置に関する。そして、このような多波長光源装置を組み込んだ光学測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
測定対象物の特性を光を用いて測定する光学測定装置では、測定対象物に互いに異なる波長の光を照射する必要上、互いに異なる波長の光を射出する多波長光源装置を組み込むことが必要とされる。
【0003】
例えば、分光光度計は、測定対象物を透過した透過光の光強度値と基準濃度の溶液を透過した透過光の光強度値とを特定波長の光についてそれぞれ測定し、それらの値を比較して吸光度を算出することにより、測定対象物の化学成分を分析している。この場合において、吸収される光の波長が測定対象物によって異なるため、複数の波長の光が必要とされる。
【0004】
また、例えば、血中アンモニア濃度、血中尿素窒素濃度及びグルコース濃度などを測定する臨床検査用測定装置は、血液によって呈色した試薬パッドの検出層における色濃度やその変化を測定することによってそれら濃度を測定している。この場合において、測定項目によって使用する光の波長が異なるために、複数の波長の光が必要とされる。
【0005】
このような光学測定装置に組み込まれる多波長光源装置は、例えば、光学分析用光源装置として特許文献1に開示されている。
【0006】
図9は、特許文献1の光学分析用光源装置の構成を示す図である。図9において、光学分析用光源装置200は、電力を供給する電源211と、互いに異なる波長の光を発光する複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略記する。)213(213−1〜213−5)と、LED213と電源211との間に介在され発光すべきLED213に選択的に電力を供給する切り換えスイッチ212と、凹面回折格子214と、出射スリット215とを備えて構成される。各LED213−1〜213−5は、凹面回折格子214を用いて分光器を構成した場合における波長分散位置220上の波長に応じた各位置に、LED213−1〜213−5のその発光波長に合わせてそれぞれ配置される。なお、分散波長位置220は、LED213−1から213−5に向かって長波長になる。そして、出射スリット215は、凹面回折格子214を用いて分光器を構成した場合に入射スリットが配置される位置に配置される。切り換えスイッチ212によって選択されたLED213からの光は、凹面回折格子214で分散され、出射スリット215の位置にはLED213の位置に対応した波長の光が集光される。特許文献1の光学分析用光源装置200は、LED213と出射スリット215とを上述のように配置することによってコンパクト化を図っている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−171299号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光学測定装置の更なる小型化、軽量化又はコストダウン等が要請される結果、光学測定装置に組み込まれる多波長光源装置も更なる小型化、軽量化又はコストダウンが要請されている。
【0009】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みて為された発明であり、従来技術とは別の構成によって小型化、軽量化又はコストダウンを図ることができる多波長光源装置を提供することを目的とする。そして、本発明は、このような多波長光源装置を組み込んだ光学測定装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る第1の手段では、それぞれ所望の波長の光を含む光を発光する複数の光源部と、前記複数の光源部から射出される光を前記所望の波長に応じた特定の方向に回折させると共に集光する光学系と、前記光学系からの光を選択的に透過させる出射スリットとを備え、前記複数の光源部は、各光源部における前記所望の波長の光が前記光学系によって回折する方向が前記出射スリットの方向となるように、それぞれ配置され、前記出射スリットは、前記複数の光源部が分布する角度内に配置される多波長光源装置であって、前記複数の光源部が配置される位置は、前記出射スリットを透過した光の回折次数が複数の回折次数を含むように定められていることで構成される。そして、第1の手段に係る多波長光源装置において、前記複数の回折次数は1次及び2次である。
【0011】
このような構成の多波長光源装置では、出射スリットが、複数の光源部が分布する角度内に配置されるので、複数の光源部及び出射スリットを一纏めに配置することができ、小型化することができる。その結果、軽量化又はコストダウンを図ることができる。そして、隣接する波長における波長間隔が狭いために当該波長を発光する光源部が配置し難い場合でも、複数の光源部が配置される位置は、出射スリットを透過した光の回折次数が複数の回折次数を含むように定められるので、複数の光源部及び出射スリットを一纏めに配置することができる。このため、このような場合でも、小型化、軽量化又はコストダウンを図ることができる。
【0012】
また、第1の手段に係る多波長光源装置であって複数の回折次数が1次及び2次である多波長光源装置において、前記出射スリットを透過する光の回折次数が2次となる光の光源部は、前記複数の光源部のうち短波長側の光を発光する光源部である。
【0013】
このような構成の多波長光源装置では、回折次数が2次となる光の光源部が、複数の光源部のうち短波長側の光を発光する光源部であるので、この回折次数が2次となる光の光源部は、1次の長波長側の光を発光する光源部の周辺に配置されることになる。このため、複数の光源部及び出射スリットを一纏めに配置することができ、小型化、軽量化又はコストダウンを図ることができる。
【0014】
さらに、第1の手段に係る多波長光源装置において、前記複数の光源部が射出する波長のうち少なくとも1つの波長の光は、第1及び第2の2個の光源部によって発光され、前記第1及び第2の光源部は、各光源部から発光されて前記出射スリットを透過する光の回折次数が互いに異なる位置にそれぞれ配置される。
【0015】
このような構成の多波長光源装置では、1つの波長に対して2個の光源部を用いることができるので、1個の光源部では仕様から要求される光強度を満たすことができない場合でも、仕様を満たすことが可能となる。
【0016】
そして、本発明では、互いに異なる複数の波長の光を選択的に射出可能な多波長光源部と、前記多波長光源部から射出され測定対象物で反射又は透過した光の明るさを測定する測定部と、前記測定部で測定された明るさに基づいて前記測定対象物における所定の測定項目の濃度を演算するデータ処理部とを備える光学測定装置は、前記多波長光源部は、請求光1乃至請求光4の何れか1項に記載の多波長光源装置である。
【0017】
このような光学測定装置では、小型化、軽量化又はコストダウンを図った多波長光源装置を多波長光源部として用いるので、小型化、軽量化又はコストダウンを図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における多波長光源装置の構成を示す平面図である。図2は、第1の実施形態における多波長光源装置の構成を示す側面図である。図3は、回折格子の原理を説明するための図である。図4は、入射光に1次光のみを使用する場合における多波長光源装置の構成を示す平面図である。
【0019】
図1及び図2において、多波長光源装置1は、複数の光源11(11−1〜11−4)、光源11に対応してそれぞれ設けられる複数の入射スリット12(12−1〜12−4)、レンズ13、回折格子14、光束絞り15−1、出射スリット16及び駆動制御回路17を備えて構成される。
【0020】
各光源11は、各入射スリット12に対応して回折格子14における分散方向の像面上に一列にそれぞれ配置され、各々測定に必要な波長帯を含む発光波長強度分布を有する光を発光する部品である。光源11は、例えば、ハロゲンランプ、LED及び半導体レーザ(以下、「LD」と略記する。)等や、これらから放射された光を導光する光ファイバや光路棒の一端部である。なお、第1の実施形態では、大きさ、発熱、寿命及びコストの点でより優れているLEDが使用される。光源11は、この多波長光源装置1の仕様(スペック)から要求される出射光の波長数に応じて発光波長強度分布及び個数が決定される。第1の実施形態では、4個の光源11−1〜11−4が用意され、光源11−1から出て出射スリット16から取り出される光の中心波長が400nmであり、光源11−2から出て出射スリット16から取り出される光の中心波長が450nmであり、光源11−3から出て出射スリット16から取り出される光の中心波長が600nmであり、そして、光源11−4から出て出射スリット16から取り出される光の中心波長が700nmである。各光源11−1〜11−4は、それぞれ400nm、450nm、600nm、700nmの光を含む発光強度分布を有していれば良く、必ずしもこれらの波長のみの光を発するものである必要はない。
【0021】
入射スリット12は、入射する光を選択的に透過する光学素子である。本実施形態では、入射スリット12は、光源11から放射される光に対し、特定方向の光の拡散を抑制すると共に所望の波長純度を得るための矩形(正方形を含む)の細隙である。この抑制する方向は、入射スリット12を透過した光が入射する回折格子14の溝方向に直角である。スリット幅は、入射スリット12を透過した光が所望の半値幅となるように波長に応じて決定される。
【0022】
なお、光源11から放射される光のスペクトル幅が狭く所望の半値幅以下である場合には、入射スリット12を省略することができる。即ち、上述では、光源11及び入射スリット12で請求項の発光部を構成したが、光源11のみで発光部を構成してもよい。例えば、レーザ光が放射される放射部の大きさが入射スリット12のスリット幅以下であるLDを光源11に使用する場合やコア径が入射スリット12のスリット幅以下である光ファイバを光源11に使用する場合である。
【0023】
レンズ13は、入射スリット12から射出された光を平行光にして回折格子14に導くと共に、回折格子14で回折反射した光(回折光)を集光する。
【0024】
回折格子14は、光学素材の表面に一方向に等間隔で平行な多数の溝を持つ分光素子である。光束絞り15−1は、回折格子14の溝に当たる光を制限する絞りであり、光束絞り15−1に入射したレンズ13からの平行光は、光束絞り15−1に開けられた略円形状の開口部15−2を介して回折格子14の回折面に入射する。光束絞り15−1は、迷光の防止、照射スポット光束を決めるものである。
【0025】
レンズ13及び回折格子14の代わりに、光を集光するレンズ機能と光を分光する回折格子機能とを兼ね備える凹面回折格子を用いてもよい。即ち、上述では、レンズ13及び回折格子14で請求項の光学系を構成したが、凹面回折格子で光学系を構成してもよい。
【0026】
出射スリット16は、入射スリット12と同様に、レンズ13によって集光された光に対し、特定方向の光の拡散を抑制すると共に所望の波長純度を得るための矩形の細隙である。
【0027】
出射スリット16の形状は、この多波長光源装置1の使用目的(測定対象物の照明形状等)によって適宜決定されるものであり、矩形以外に例えば円形などが採用され得る。また、入射スリット12の形状は、主として出射スリット16の形状に応じて定められ、例えば円形などが採用され得る。
【0028】
駆動制御回路17は、電源やスイッチ等を備えて構成され、発光させるべき光源11に電力を選択的に供給する。
【0029】
次に、入射スリット12及び出射スリット16の配置位置について詳述する。まず、配置方向について説明する。
【0030】
一般論として、回折格子における入射光と回折光との関係について説明する。図3において、1mm当たりn本の溝(即ち、溝本数n本/mm)を備える回折格子54に入射する入射光52と、回折格子54で回折され反射する回折光53との間には、回折次数をmh、入射光52及び回折光53の波長をλi、入射光52の入射角をαmh,λi、回折光光53の回折角をβmh,λiとすると、一般に式1が成り立つ。
sinαmh,λi+sinβmh,λi=n×mh×λi ・・・ (1)
なお、h、iは、1から始まる整数である。そして、入射角αmh,λi及び回折角βmh,λiは、それぞれ回折格子54の法線51方向を基準とする角度であり、添え字によって回折次数と波長とを示している。つまり、入射角αmh,λiは、回折次数mhで波長λiの入射光における入射角であり、回折角βmh,λiは、回折次数mhで波長λiの回折光における回折角である。
【0031】
回折角βmh,λiの異なる回折光を多波長光源装置1の出射光として使用すると、出射スリットが複数個必要となり、多波長光源装置1の小型化等を図り難くなる。そこで、本発明では、回折角βmh,λiを或る所定の角度β0に固定する。この場合において、式1は、式2−11〜式2−hiのようになる。
各入射スリット12の配置方向は、対応する波長λiについて式2−11〜式2−hiの何れか1つを選択し、選択した式における入射角αmh,λiの方向である。各入射スリット12は、各入射角αmh,λiのうち最大の大きさの入射角αmaxと最小の大きさの入射角αminとの間に配置されることになるが、この角度の範囲を入射スリット12の配置角度範囲と呼称することとする。つまり、略配置角度範囲以内に、入射スリット12及び光源11が分布することになる。
【0032】
一方、出射スリット16の配置方向(所定の角度β0)は、多波長光源装置1の小型化等を図るために、本発明では、この入射スリット12の配置角度範囲以内とする。即ち、αmin<β0<αmaxである。ここに本発明の一特徴がある。レンズ13の結像性能の劣化が小さくなるように、出射スリット16の配置方向は、入射スリット12の配置角度範囲の略中央に配置するのが好ましい。また、図1の状態で平面視したときに出射スリット16の配置方向がレンズ13の光軸と一致するように、配置される。
【0033】
そして、各入射スリット12及び出射スリット16の回折格子14からの配置距離は、レンズ13の焦点面又は焦点深度の範囲である。
【0034】
このように設定することによって、入射スリット12及び出射スリット16の回折格子14の法線に対する配置方向及び回折格子14からの配置距離が決定されるが、配置方向及び配置距離が決まっただけでは、線(円状の線)が決まっただけで、点として配置位置が一意に決まらない。
【0035】
多波長光源装置1を最もコンパクトにするためには、入射スリット12と出射スリット16とは、回折格子14に対し水平な平面P上(図2において一点鎖線で示す面)に全て配置することが好ましい。しかしながら、入射スリット12及び出射スリット16は、そのスリットに要求される仕様等に応じて一定の大きさを持っている。
【0036】
入射スリット12の大きさ及び出射スリット16の大きさに応じてレンズ13の焦点距離を長くすれば、入射スリット12と出射スリット16とは、平面P上に全て配置することが可能である。しかしながら、焦点距離を長くすると、その分だけ回折格子14と入射スリット12及び出射スリット16との距離が長くなると共に両端に位置する入射スリット12間の距離も長くなる。その結果、多波長光源装置1の大きさが大型化する。また、焦点距離を長くすると出射スリット16の大きさも大きくする必要が生じる。一方、焦点距離を短くすると、入射スリット12及び出射スリット16が上述のように一定の大きさを持っているため、入射スリット12同士又は入射スリット12と出射スリット16とが接触してしまう。さらに、製作における作業性も阻害することになる。このため、一定の焦点距離が必要である。又は、入射スリット12郡と出射スリット16を異なる平面に配置する必要がある。
【0037】
このように、入射スリット12及び出射スリット16の回折格子14に対する配置面は、入射スリット12の大きさ、出射スリット16の大きさ、レンズ13の焦点距離及び製作上の作業性に基づいて多波長光源装置1が最もコンパクトになるように決定される。本第1の実施形態では、各入射スリット12の光軸を含む平面Q(図2において破線で示す面)と出射スリット16の光軸を含む平面S(図2において破線で示す面)とがなす角が略5度になるように各入射スリット12と出射スリット16とは、配置される。なお、各入射スリット12は、平面Q上に全て配置される。
【0038】
以上から、各入射スリット12の配置位置は、配置方向及び配置距離から決まる線(円状の線)と平面Qとの交点として決まる。即ち、各入射スリット12は、平面Q上におけるレンズ13の焦点面又は焦点深度の範囲内の距離に配置され、そして、波長λiに対応する入射スリット12は、波長λiに対応する式2−11〜式2−hiの何れかによって与えられる角度αmh,λiの方向に配置される。
【0039】
例えば、多波長光源装置1が4波長の光を射出可能な装置である場合において、波長λ1に対応する入射スリット12−1の配置方向は、式2−11を用いて角度αm1,λ1の方向に配置され、波長λ2に対応する入射スリット12−2の配置方向は、式2−12を用いて角度αm1,λ2の方向に配置され、波長λ3に対応する入射スリット12−3の配置方向は、式2−13を用いて角度αm1,λ3の方向に配置され、そして、波長λ4に対応する入射スリット12−4の配置方向は、式2−14を用いて角度αm1,λ4の方向に配置される。このように、同一の回折次数によって配置方向を決定してもよい。
【0040】
また、例えば、多波長光源装置1が4波長の光を射出することができる装置の場合において、波長λ1に対応する入射スリット12−1の配置方向は、式2−21を用いて角度αm2,λ1の方向に配置され、波長λ2に対応する入射スリット12−2の配置方向は、式2−22を用いて角度αm2,λ2の方向に配置され、波長λ3に対応する入射スリット12−3の配置方向は、式2−13を用いて角度αm1,λ3の方向に配置され、そして、波長λ4に対応する入射スリット12−4の配置方向は、式2−14を用いて角度αm1,λ4の方向に配置される。このように、異なる回折次数によって配置方向を決定してもよい。
【0041】
ここで、各入射スリット12の配置方向を同一の回折次数を用いて配置する場合において、光学系をできるだけコンパクトになるように配置すると、或る波長λi1と或る波長λi2との波長間隔が接近している場合には、波長λi1に対応する入射スリット12と波長λi2に対応する入射スリット12とが接触してしまい配置することができなくなる場合がある。例えば、図4に示すように、λi1=λ1=400nm、λi2=λ2=450nmをλ3=600nm、λ4=700nmと共に配置しようとした場合には、50nmの僅かな波長間隔しかないために、波長λ1=400nmに対応する入射スリット12−1(図4で破線で示す)と波長λ2=450nmに対応する入射スリット12−2とが相互に接触してしまい配置することができない。
【0042】
また、各入射スリット12の配置方向を同一の回折次数を用いて配置する場合において、或る波長λi1とこれに隣接する波長λi1+1との波長間隔が大きく離れている場合には、波長λi1に対応する入射スリット12の配置位置と波長λi1+1に対応する入射スリット12の配置位置とが大きく離れてしまい小型化等を阻害する場合がある。例えば、λi1=λ1=400nm、λi1+1=λ2=700nmの場合である。
【0043】
即ち、波長間隔が狭く同じ回折次数では入射スリット12の配置が困難な場合でも片方の回折次数を変えることによって焦点距離を長くすることなくスリットを配置できる。また、波長間隔が大きく隔たっていて同じ回折次数では入射スリット12同士の間隔が大きくなってしまう場合でも片方の回折次数を変えることによって狭い範囲にスリットを並べて配置することができる。
【0044】
これらのような場合には、各入射スリット12の配置方向を異なる回折次数によって決定すると多波長光源装置1を小型化等することができる。ここに本発明の一特徴がある。特に、異なる回折次数による配置方向が、入射スリット12の配置角度範囲の近傍になる場合には、より小型化等することができる。
【0045】
本第1の実施形態では、図1に示すように、λ1=400nmに対応する入射スリット12−1は、2次の入射光の入射角α2,400の配置方向に配置され、λ2=450nmに対応する入射スリット12−2は、1次の入射光の入射角α1,450の配置方向に配置され、λ3=600nmに対応する入射スリット12−3は、1次の入射光の入射角α1,600の配置方向に配置され、そして、λ4=700nmに対応する入射スリット12−4は、1次の入射光の入射角α1,700の配置方向に配置される。即ち、λ1乃至λ4のうちの短波長側、本実施形態では最短波長のλ1の光を発光する光源11−1の配置方向は、回折次数が2次の場合である。このように各入射スリット12が配置されることにより、入射光の波長間隔が小さい場合でも、入射スリット12を配置することができ、入射スリット12の配置角度範囲を小さくすることができる。その結果、多波長光源装置1の小型化等を図ることができる。入射角α2,400の方向は、波長800nmの1次の入射光における入射角α1,800となるので、入射角α1,700の方向に隣接するから、より小型化される。
【0046】
また、後者の例においては、波長λi1に対応する入射スリット12とこれに隣接する波長λi1+1に対応する入射スリット12とがなす角γを、同一の回折次数を用いて配置する場合と異なる回折次数を用いて配置する場合とで比較し、なす角γが小さくなる方を採用すればよい。
【0047】
一方、出射スリット16の配置位置は、配置方向及び配置距離から決まる線(円状の線)と平面Sとの交点として決まる。即ち、出射スリット16は、平面S上におけるレンズ13の焦点面又は焦点深度の範囲内の距離に配置され、そして、角度β0の方向に配置される。本第1の実施形態では、角度β0は、回折格子14の法線を基準に略19.45度である。
【0048】
このような多波長光源装置1において、例えば、波長λ1=400nmの光を射出する場合には、駆動制御回路17は、光源11−1に電力を供給する。電力を供給された光源11−1は、波長λ1=400nmの光を含む光を発光し、発光した光は、入射スリット12−1を透過する。入射スリット12−1を透過した光は、レンズ13で平行光とされ、光束絞り15−1の開口部15−2を透過して回折格子14の回折面に入射される。入射した光は、回折格子14で回折され、再びレンズ13を透過することによって集光される。集光された光は、光源11−1の発光光のスペクトルで分散しているが、出射スリット16でスペクトル幅が制限され、波長λ1=400nmの光として多波長光源装置1から射出される。
【0049】
また、例えば、波長λ2=450nmの光を射出する場合には、駆動制御回路17は、光源11−2に電力を供給する。電力を供給された光源11−2は、波長λ2=450nmの光を含む光を発光し、発光した光は、入射スリット12−2を透過する。入射スリット12−2を透過した光は、レンズ13で平行光とされ、光束絞り15−1の開口部15−2を透過して回折格子14の回折面に入射される。入射した光は、回折格子14で回折され、再びレンズ13を透過することによって集光される。集光された光は、光源11−2の発光光のスペクトルで分散しているが、出射スリット16でスペクトル幅が制限され、波長λ2=450nmの光として多波長光源装置1から射出される。
【0050】
次に、第2の実施形態について説明する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態における多波長光源装置1は、隣接する入射スリット12にそれぞれ入射すべき光における波長の間隔が狭いためにこれら入射スリット12が配置し難いためや同一の回折次数によって入射スリット12の配置方向を決定すると配置角度範囲が広くなるために、異なる回折次数によって入射スリット12の配置方向を決定する実施形態であるが、第2の実施形態における多波長光源装置1’は、或る波長の光を放射する光源11が1個では仕様から要求される射出光の光強度が得られないために、1つの波長に対して異なる回折次数による複数の配置方向を用いることによって入射スリット12及び光源11を複数個配置する実施形態である。
【0051】
図5は、第2の実施形態における多波長光源装置の構成を示す平面図である。図5において、第2の実施形態における多波長光源装置1’は、光源11(11−11、11−12、11−2、11−3、11−4)、入射スリット12(12−11、12−12、12−2、12−3、12−4)、レンズ13、回折格子14、光束絞り15−1、射出スリット16及び駆動制御回路17’を備えて構成される。
【0052】
この多波長光源装置1’は、互いに波長の異なる4波長の光を射出することができる光源装置であって、第1の波長λ1の光を取り出すための光源11が1個では仕様から要求される射出光の光強度が得られないために、波長λ1用の光源11が2個の第1及び第2光源11−11、11−12によって構成されている。そして、これに対応して波長λ1に対応する入射スリット12も2個の第1及び第2入射スリット12−11、12−12によって構成されている。
【0053】
第1光源11−11の光が入射する第1入射スリット12−11の配置方向は、式2−11を用いて角度αm1,λ1の方向に配置され、第2光源11−12の光が入射する第2入射スリット12−12の配置方向は、式2−21を用いて角度αm2,λ1の方向に配置される。
【0054】
このように第1及び第2入射スリット12−11、12−12及び第1及び第2光源11−11、11−12を配置することによって波長λ1の射出光の光強度を仕様通りに得られるだけでなく、入射スリット12全体から決まる配置角度範囲も最小限の広がりにすることができる。そのため、光量の増加を図りつつ、多波長光源装置1’をコンパクトに構成することができる。
【0055】
本第2の実施形態では、第1の波長λ1=400nm、第2の波長λ2=500nm、第3の波長λ3=600nm及び第4の波長λ4=700nmであって、式2−11においてm1=1及び式2−21においてm2=2である。このような場合には、入射角α2,400の方向は、波長800nmの1次の入射光における入射角α1,800となるので、入射角α1,700の方向に隣接するから、多波長光源装置1’をコンパクトに構成することができる。
【0056】
駆動制御回路17’は、電源やスイッチ等を備えて構成され、発光させるべき光源11に電力を選択的に供給する。
【0057】
このような多波長光源装置1’において、例えば、波長λ1=400nmの光を射出する場合には、駆動制御回路17’は、光源11−11、11−12に電力を供給する。電力を供給された光源11−1、11−12は、波長λ1=400nmの光を含む光をそれぞれ発光し、発光した光は、入射スリット12−11、12−12をそれぞれ透過する。
【0058】
入射スリット12−11を透過した光は、レンズ13で平行光とされ、光束絞り15−1の開口部15−2を透過して回折格子14の回折面に入射される。入射した光は、回折格子14で回折され、再びレンズ13を透過することによって出射スリット16に集光される。そして、入射スリット12−12を透過した光は、レンズ13で平行光とされ、光束絞り15−1の開口部15−2を透過して回折格子14の回折面に入射される。入射した光は、回折格子14で回折され、再びレンズ13を透過することによって出射スリット16に集光される。
【0059】
これら集光された光は、合成され、出射スリット16を透過して、波長λ1=400nmの光として多波長光源装置1から射出される。
【0060】
また、例えば、波長λ2=500nmの光を射出する場合には、駆動制御回路17’は、光源11−2に電力を供給する。電力を供給された光源11−2は、波長λ2=500nmの光を含む光を発光し、発光した光は、入射スリット12−2を透過する。入射スリット12−2を透過した光は、レンズ13で平行光とされ、光束絞り15−1の開口部15−2を透過して回折格子14の回折面に入射される。入射した光は、回折格子14で回折され、再びレンズ13を透過することによって集光される。集光された光は、出射スリット16を透過して、波長λ2=500nmの光として多波長光源装置1’から射出される。
【0061】
なお、第1及び第2の実施形態において、各入射スリット12のスリット、レンズ13、回折格子14及び出射スリット16のスリット等の位置合わせを行うために、レンズ13及び回折格子14から成る光学系の分散波長位置と焦点位置とを調整する調整機構を多波長光源装置1、1’にさらに備えてもよい。
【0062】
図6は、調整機構をさらに備えた第1の多波長光源装置の構成を示す平面図である。図6において、調整機構をさらに備えた第1の多波長光源装置1”は、光源11(11−1〜11−4)、入射スリット12(12−1〜12−4)、レンズ13、回折格子14、光束絞り15−1、出射スリット16及び駆動制御回路17を備える。
【0063】
この多波長光源装置1”は、第1の実施形態の多波長光源装置1におけるレンズ13及び回折格子14に調整機構をさらに備えた装置である。
【0064】
ここで、この装置に生じる誤差と調整方法について説明する。第1に、回折格子14の溝本数誤差や取り付け角度誤差により、分散角度に誤差を生じる。この場合の誤差は、全ての波長において設計位置から同一方向にずれる。上記誤差を補正する手段として、回折格子14を回転方向に調整することで達成できる。また、入射スリット12を個別に又は一緒に分散方向に移動することでも達成される。第2に、回折格子14の溝本数誤差により分散の広がりにも誤差を生じる。この場合の誤差は、波長及び回折次数によってそれぞれ設計位置から異なる方向にずれる場合がある。上記誤差を補正する手段として、レンズ13を光軸方向に移動させることで達成できる。また、入射スリット12を個別に又は一緒に光軸方向に移動することでも達成される。
【0065】
即ち、レンズ13は、レンズ本体13−1、レンズ本体を保持する枠体13−2及び枠体13−2に固設された移動軸13−3を備え、回折格子14は、回折格子本体14−1及び回折格子本体14−1に設けられた回転軸14−2を備える。回転軸14−2は、レンズ13の光軸上に設けられる。
【0066】
レンズ13は、移動軸13−3が図6に示す直線AA’方向に動かされることによって、レンズ本体13−1の光軸に沿って移動する。この結果、各波長に対してレンズ13の焦点面又は焦点深度が各入射スリット12の各光軸にそってそれぞれ移動すると共に出射スリット16の光軸方向に沿って移動する。なお、入射スリット12の光軸は、スリットの開口面に対し法線方向であり、出射スリット16の光軸は、スリットの開口面に対し法線方向である。
【0067】
回折格子14は、回転軸14−2が図6に示す円弧BB’方向に動かされることによって、回折格子の溝方向と直交する面内で法線方向が変更され、回折格子本体14−1の回折面が回転することとなる。この結果、入射光の入射方向及び出射光の出射方向(回折方向)が調整される。
【0068】
各入射スリット12における各スリットの位置及び出射スリット16におけるスリットの位置は、レンズ13及び回折格子14を上述のように動かすことによって、各入射スリット12にそれぞれ対応する各入射角αmh,λi及び出射スリット16に対応する回折角β0にそれぞれ合わせられ得る。
【0069】
上述では、レンズ13及び回折格子14に調整機構を設けることによって、各入射スリット12のスリット、レンズ13、回折格子14及び出射スリット16のスリット等の位置合わせを行ったが、各入射スリット12を図7に示すように一体化してレンズ13及び一体化した入射スリット部材21によって位置合わせを行うように構成してもよい。さらに、容易に調整可能とするために、出射スリット16も入射スリット部材21に一体化してもよい。
【0070】
図7は、調整機構をさらに備えた第2の多波長光源装置の構成を示す平面図である。図7において、調整機構をさらに備えた第2の多波長光源装置1”’は、光源11(11−1〜11−4)、入射スリット部材21、レンズ13、回折格子14、光束絞り15−1、出射スリット16及び駆動制御回路17を備える。
【0071】
この多波長光源装置1”’は、第1の実施形態の多波長光源装置1におけるレンズ13に調整機構をさらに備え、各入射スリット12の代わりに入射スリット部材21を用いる。このため、入射スリット部材21のスリットは、入射スリット12の個数と同数の4個であり、スリットの位置は、各入射スリット12の配置方向に対応する位置である。レンズ13は、レンズ本体13−1、レンズ本体を保持する枠体13−2及び枠体13−2に固設された移動軸13−3を備える。
【0072】
レンズ13は、上述と同様に、移動軸13−3が図7に示す直線AA’方向に動かされることによって、レンズ本体13−1の光軸に沿って移動する。この結果、各波長に対してレンズ13の焦点面又は焦点深度が入射スリット部材21における各スリットの各光軸にそってそれぞれ移動すると共に出射スリット16の光軸方向に沿って移動する。なお、入射スリット12の光軸は、スリットの開口面に対し法線方向であり、出射スリット16の光軸は、スリットの開口面に対し法線方向である。
【0073】
入射スリット部材21は、図7に示す円弧CC’方向に動かされることによって、入射スリット部材21の円弧に沿って移動する。この結果、入射スリット部材21の各スリットの位置が波長分散位置上を移動し、入射光の入射方向が調整される。なお、出射スリット16も一体化した場合には、出射光の出射方向(回折方向)も調整される。
【0074】
入射スリット部材21における各スリットの位置は、レンズ13及び回折格子14を上述のように動かすことによって、それぞれ対応する各入射角αmh,λiにそれぞれ合わせられ得る。なお、出射スリット16も一体化した場合には、出射スリット16におけるスリットの位置も出射スリット16に対応する回折角β0に合わせられ得る。
【0075】
なお、入射スリット部材21を調整する量が小さい場合には、分散方向に直線的に移動させて調整しても良い。
【0076】
入射スリットを個別部品で構成した場合には、組み立て工数及び組み付け誤差が個々に生じ、また、個別に調整する必要があるが、一体化した場合には、組み立て工数及び組み付け誤差を減らすことができ、一度に調整することも可能である。
【0077】
なお、上述のレンズ13、回折格子14及び入射スリット21の調整は、例えば、製造段階や出荷段階等において製造企業がマニュアル操作によって行ってもよく、また例えば、アクチュエータをさらに備えて操作するようにしてもよい。
【0078】
本発明に係る多波長光源装置1、1’、1”、1”’は、測定対象物の測定項目に応じて光の波長を変更する必要がある光学測定装置に組み込む場合に好適な装置である。次に、適用の一例として、本発明に係る多波長光源装置1、1’、1”、1”’を臨床検査用の光学測定装置に組み込んだ場合について説明する。
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態における、多波長光源装置を組み込んだ光学測定装置の構成を示す図である。図8において、光学測定装置100は、多波長光源部101、光検出部102、データ処理部103、記憶部104、入力部105及び出力部106を備えて構成される。
【0079】
多波長光源部101は、上述した多波長光源装置1、1’、1”、1”’であり、その射出すべき光の波長は、データ処理部103によって制御される。光検出部102は、多波長光源部101から射出され測定対象物201によって反射した光を受光することによって、測定対象物201からの光の明るさを測定する装置であり、測定結果は、データ処理部103に出力される。
【0080】
入力部105は、光学測定装置100にコマンドやデータを入力する入力装置であり、入力内容は、データ処理部103に出力される。入力部105は、例えば、キーボードやマウス等である。出力部106は、入力部105から入力された入力内容やデータ処理部103の処理結果等を表示又は印字する出力装置であり、例えば、CRTディスプレイ、LCD及び有機ELディスプレイ等の表示装置やプリンタ等の記録装置である。
【0081】
記憶部104は、光学測定装置100の制御プログラム、測定項目と使用波長との対応関係を登録する使用波長テーブル、測定項目ごとに用意された、光の明るさと濃度との対応関係を登録する濃度テーブル、制御プログラムに必要なデータ及び制御プログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するメモリである。記憶部104は、例えば、RAMやROMである。
【0082】
データ処理部103は、例えば、マイクロプロセッサ等を備えて構成され、多波長光源部101、光検出部102、記憶部104、入力部105及び出力部106を制御すると共に、光検出部102の出力に基づいて記憶部104の各テーブルを参照することによって測定対象物201における所定の測定項目の濃度を演算する。
【0083】
ユーザは、測定項目に応じた試薬を検体に滴下する。ユーザは、呈色後に検体を測定対象物201として、多波長光源部101からの出射光が照射されると共に検体で反射した反射光が光検出部102に入射される測定位置に配置する。そして、ユーザは、測定項目を入力部105に入力する。
【0084】
データ処理部103は、入力部105に測定項目が入力されると、入力された測定項目を記憶部104に記憶する。次に、データ処理部103は、使用波長テーブルを参照し、入力された測定項目に使用される波長を検索する。次に、データ処理部103は、検索した波長の光を射出すべく制御信号を多波長光源部101に出力する。
【0085】
多波長光源部101の駆動制御回路17は、制御信号に応じた光源11に電力を供給する。電力を供給された光源11は、検索した波長に相当する波長の光を含む光を発光し、発光した光は、入射スリット12を透過する。入射スリット12を透過した光は、レンズ13で平行光とされ、光束絞り15−1の開口部15−2を透過して回折格子14の回折面に入射される。入射した光は、回折格子14で回折され、再びレンズ13を透過することによって集光される。集光された光は、出射スリット16を透過して、検索した波長に相当する波長の光として多波長光源部101から射出される。多波長光源部101から射出された光は、測定対象物に照射され、測定対象物で反射された反射光は、光検出部102に入射される。光検出部102は、入射された光の明るさを測定し、測定結果をデータ処理部103に出力する。
【0086】
データ処理部103は、記憶部104に記憶した測定項目に対応する濃度テーブルを参照し、入力された測定結果(明るさ)に対応する濃度を当該濃度テーブルから検索する。次に、データ処理部103は、検索した濃度を測定結果として出力部106に出力する。出力部106は、測定結果を表示又は印字する。
【0087】
光学測定装置100は、このように動作するのでユーザが入力した測定項目に応じた光を多波長光源部101から射出させ、測定項目の濃度を測定することができる。そして、光学測定装置100は、光源に多波長光源部101が組み込まれているので互いに異なる複数の波長の光を射出することができ、複数の測定項目を測定することができる。さらに、光学測定装置101は、多波長光源部101に本発明に係る多波長光源装置1、1’、1”、1”’を使用するので、従来より小型にすることができる。
【0088】
以上、本明細書に開示された主な発明を以下にまとめる。
(付記1) それぞれ所望の波長の光を含む光を発光する複数の光源部と、前記複数の光源部から射出される光を前記所望の波長に応じた特定の方向に回折させると共に集光する光学系と、前記光学系からの光を選択的に透過させる出射スリットとを備え、前記複数の光源部は、各光源部における前記所望の波長の光が前記光学系によって回折する方向が前記出射スリットの方向となるように、それぞれ配置され、前記出射スリットは、前記複数の光源部が分布する角度内に配置される多波長光源装置であって、前記複数の光源部が配置される位置は、前記出射スリットを透過した光の回折次数が複数の回折次数を含むように定められていることを特徴とする多波長光源装置。
(付記2) 前記複数の回折次数は、1次及び2次であることを特徴とする付記1に記載の多波長光源装置。
(付記3) 前記出射スリットを透過する光の回折次数が2次となる光の光源部は、前記複数の光源部のうち短波長側の光を発光する光源部であることを特徴とする付記2に記載の多波長光源装置。
(付記4) 前記出射スリットを透過する光の回折次数が2次となる光の光源部は、前記複数の光源部のうち最短波長の光を発光する光源部であることを特徴とする付記1に記載の多波長光源装置。
(付記5) 前記光学系は、回折格子と、前記複数の光源部からの光を平行光にして前記回折格子へ射出すると共に、前記回折格子からの光を集光して前記出射スリットへ射出するレンズとから成ることを特徴とする付記1に記載の多波長光源装置。
(付記6) 前記光学系は、凹面回折格子であることを特徴とする付記1に記載の多波長光源装置。
(付記7)前記複数の光源部のうち少なくとも1つは、光を発光する発光部と、該発光部からの光を選択的に透過する入射スリットとから成ることを特徴とする付記1に記載の多波長光源装置。
(付記8) 前記複数の光源部が射出する波長のうち少なくとも1つの波長の光は、第1及び第2の2個の光源部によって発光され、前記第1及び第2の光源部は、各光源部から発光されて出射スリットを透過する光の回折次数が互いに異なる位置にそれぞれ配置されることを特徴とする付記1に記載の多波長光源装置。
(付記9) 前記光学系の分散波長位置と焦点位置とを調整する調整機構をさらに備えたことを特徴とする付記1に記載の多波長光源装置。
(付記10) 前記調整機構は、前記回折格子の溝の方向と直交する面内で法線の方向を変更可能なように前記回折格子に設けられた軸と、光軸に沿って移動可能なように前記レンズに設けられた移動軸とであることを特徴とする付記9に記載の多波長光源装置。
(付記11) 前記複数の光源部のそれぞれは、光を発光する発光部と、該発光部からの光を選択的に透過する入射スリットとから成り、前記調整機構は、光軸に沿って移動可能なように前記レンズに設けられた移動軸と、前記光学系の分散波長位置上を移動可能なように前記入射スリットを一体化した入射スリット部材とであることを特徴とする付記9に記載の多波長光源装置。
(付記12) 前記出射スリットは、前記入射スリット部材に一体化されることを特徴とする付記11に記載の多波長光源装置。
(付記13) 互いに異なる複数の波長の光を選択的に射出可能な多波長光源部と、前記多波長光源部から射出され測定対象物で反射又は透過した光の明るさを測定する測定部と、前記測定部で測定された明るさに基づいて前記測定対象物における所定の測定項目の濃度を演算するデータ処理部とを備える光学測定装置において、前記多波長光源部は、付記1乃至付記12の何れか1項に記載の多波長光源装置であることを特徴とする光学測定装置。
【0089】
【発明の効果】
本発明に係る多波長光源装置では、出射スリットが、複数の光源部が分布する角度内に配置されるので、複数の光源部及び出射スリットを一纏めに配置することができ、小型化することができる。その結果、軽量化又はコストダウンを図ることができる。そして、隣接する波長における波長間隔が狭いために当該波長を発光する光源部が配置し難い場合でも、複数の光源部が配置される波長分散位置には少なくとも複数の回折次数による波長分散位置を含むので、複数の光源部及び出射スリットを一纏めに配置することができる。このため、このような場合でも、小型化、軽量化又はコストダウンを図ることができる。
【0090】
そして、本発明に係る光学測定装置では、このような多波長光源装置を多波長光源部に用いるので、小型化、軽量化又はコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態における多波長光源装置の構成を示す平面図である。
【図2】第1の実施形態における多波長光源装置の構成を示す側面図である。
【図3】回折格子の原理を説明するための図である。
【図4】入射光に1次光のみを使用する場合における多波長光源装置の構成を示す平面図である。
【図5】第2の実施形態における多波長光源装置の構成を示す平面図である。
【図6】調整機構をさらに備えた第1の多波長光源装置の構成を示す平面図である。
【図7】調整機構をさらに備えた第2の多波長光源装置の構成を示す平面図である。
【図8】第3の実施形態における、多波長光源装置を組み込んだ光学測定装置の構成を示す図である。
【図9】特許文献1の光学分析用光源装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1、1’、1”、1”’ 多波長光源装置
11 光源
12 入射スリット
13 レンズ
14 回折格子
15 光束絞り
16 出射スリット
17、17’ 駆動制御回路
100 光学測定装置
101 多波長光源部
102 色測定部
103 データ処理部
104 記憶部
Claims (5)
- それぞれ所望の波長の光を含む光を発光する複数の光源部と、前記複数の光源部から射出される光を前記所望の波長に応じた特定の方向に回折させると共に集光する光学系と、前記光学系からの光を選択的に透過させる出射スリットとを備え、前記複数の光源部は、各光源部における前記所望の波長の光が前記光学系によって回折する方向が前記出射スリットの方向となるように、それぞれ配置され、前記出射スリットは、前記複数の光源部が分布する角度内に配置される多波長光源装置であって、
前記複数の光源部が配置される位置は、前記出射スリットを透過した光の回折次数が複数の回折次数を含むように定められていること
を特徴とする多波長光源装置。 - 前記複数の回折次数は、1次及び2次であること
を特徴とする請求項1に記載の多波長光源装置。 - 前記出射スリットを透過する光の回折次数が2次となる光の光源部は、前記複数の光源部のうち短波長側の光を発光する光源部であること
を特徴とする請求項2に記載の多波長光源装置。 - 前記複数の光源部が射出する波長のうち少なくとも1つの波長の光は、第1及び第2の2個の光源部によって発光され、前記第1及び第2の光源部は、各光源部から発光されて前記出射スリットを透過する光の回折次数が互いに異なる位置にそれぞれ配置されること
を特徴とする請求項1に記載の多波長光源装置。 - 互いに異なる複数の波長の光を選択的に射出可能な多波長光源部と、前記多波長光源部から射出され測定対象物で反射又は透過した光の明るさを測定する測定部と、前記測定部で測定された明るさに基づいて前記測定対象物における所定の測定項目の濃度を演算するデータ処理部とを備える光学測定装置において、
前記多波長光源部は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の多波長光源装置であること
を特徴とする光学測定装置。
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