JP6686567B2 - 銅ナノ粒子インクとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷プロセスによって導電配線などを形成する際に使用される銅ナノ粒子インク及びその製造方法に関する。
従来、基材上に配線、アンテナ等の導電性パターンを形成する方法として、フォトリソグラフィー、エッチング等が主に利用されているが、プロセスの工程数、材料の使用効率等の点で問題があり、製造コストも高い。そこで、インクジェット印刷法等の印刷法を用いて導電性パターンを形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
前記インクジェット印刷法は、インクジェット法を用いて、基板上にインクを印刷した後、乾燥・焼成する方法である。インクとしては、一次粒径がナノメーター(nm)オーダーの金属粒子が分散媒中に分散しているナノメタルインクが知られている。
例えば、導電層を形成する方法として、基板の表面上に複数の銅ナノ粒子を含有する層を堆積させる段階と、該層の少なくとも一部を露光して、露光部分を導電性にする段階とを備えた方法(光焼成プロセス)が提案されている(特許文献2参照)。
ナノ粒子分散型のインクはナノ粒子、分散剤、溶媒などからなるが、分散剤は粒子への吸着平衡により粒子に付着しており、粒子の分散を実現するためには相当量の分散剤を加える必要がある。この時、特に高分子分散剤を使用する場合には、分散剤量が多くなるとインクの粘度が上昇するため、特にインクジェットのように適正なインク粘度が規定される場合にはナノ粒子の濃度を上げることができず、所定量の粒子を基材に付与するために多数回重ね塗りしなければならないといった課題がある。
本発明は、ナノ粒子自身に溶媒中での分散機能を付与することにより、直接ナノ粒子の分散安定に寄与しない分散剤を必要とせず、ナノ粒子を高濃度にしても粘度が上がりにくく、1回の塗布で塗れるナノ粒子量が多い銅ナノ粒子インクの提供を目的とする。
上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 少なくとも溶媒、及び該溶媒と親和性を有する高分子鎖が銅ナノ粒子の表面酸化層又は酸化銅ナノ粒子の表面に化学結合している複合粒子を含み、該化学結合がシランカップリングによるものであることを特徴とする銅ナノ粒子インク。
本発明によると、ナノ粒子自身に溶媒中での分散機能を付与することにより、直接ナノ粒子の分散安定に寄与しない分散剤を必要とせず、ナノ粒子を高濃度にしても粘度が上がりにくく、1回の塗布で塗れるナノ粒子量が多い銅ナノ粒子インクを提供できる。
本発明に係る複合粒子の合成スキームを示す図。[I]酸化銅ナノ粒子の表面に重合性官能基を付与する工程。[II]重合性官能基とモノマーを反応させてグラフト高分子鎖を形成する工程。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明1)の実施の形態には、次の2)〜8)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記高分子鎖がポリエチレングリコール構造を有することを特徴とする1)に記載の銅ナノ粒子インク。
3) 前記銅ナノ粒子又は酸化銅ナノ粒子と前記高分子鎖の重量比が99:1〜2:1であることを特徴とする1)又は2)に記載の銅ナノ粒子インク。
4) インクの体積平均粒径が10〜200nmであることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の銅ナノ粒子インク。
5) 少なくとも次の工程(1)〜(3)からなることを特徴とする銅ナノ粒子インクの製造方法。
(1)銅ナノ粒子の表面酸化層又は酸化銅ナノ粒子の表面に、重合性官能基を有するシランカップリング剤をカップリング反応で結合させる工程
(2)結合された重合性官能基とモノマーとを反応させてグラフト高分子鎖を形成し、複合粒子を得る工程
(3)得られた複合粒子を溶媒に分散する工程
6) 前記高分子鎖がポリエチレングリコール構造を有することを特徴とする5)に記載の銅ナノ粒子インクの製造方法。
7) 前記銅ナノ粒子又は酸化銅ナノ粒子と前記高分子鎖の重量比が99:1〜2:1であることを特徴とする5)又は6)に記載の銅ナノ粒子インクの製造方法。
8) インクの体積平均粒径が10〜200nmであることを特徴とする5)〜7)のいずれかに記載の銅ナノ粒子インクの製造方法。
本発明の銅ナノ粒子インクは、少なくとも溶媒、及び該溶媒と親和性を有する高分子鎖が銅ナノ粒子の表面酸化層又は酸化銅ナノ粒子の表面に化学結合している複合粒子を含み、該化学結合がシランカップリングによるものであることを特徴とする。
図1に本発明に係る複合粒子の合成スキームを示す。なお、この図は、酸化銅ナノ粒子を用いた場合の説明図であるが、表面酸化層を有する銅ナノ粒子の場合も同様である。
図1の[I]に示すように、まず、酸化銅ナノ粒子の表面に重合性官能基を付与する。付与手段としては、重合性官能基を持つシランカップリング剤と粒子表面とのカップリング反応を利用する。
前記重合性官能基は特に限定されないが、後続の高分子鎖の形成にラジカル重合を利用するのが簡便なためビニル基が好ましい。このようなビニル基を有するシランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(4−ビニルベンジル)−N′−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、などが挙げられる。
次に、図1の[II]に示すように、前記重合性官能基とモノマーを反応させてグラフト高分子鎖を形成する。モノマーは重合機構に合わせて選択すればよく、ラジカル重合の場合にはビニル基を有するものを選択する。
ビニル基を有するモノマーの具体例としては、メタクリル酸ポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、メタクリル酸トリエチレングリコールメチルエーテル、ポリ(エチレングリコール)エチルエーテルメタクリレート、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシオクチル、メタクリル酸ヒドロキシデシル、メタクリル酸ヒドロキドデシル等のメタクリレート系モノマー、エチレングリコールメチルエーテルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリレート、ジ(エチレングリコール)−2−エチルヘキシルエーテルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)−4−ノニルフェニルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)アクリレート、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシヘキシル等のアクリレート系モノマーが挙げられる。
得られた複合粒子は単独で溶媒中に分散させることができる。溶媒としては、複合粒子を分散させることが可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機溶媒などが挙げられる。有機溶媒の例としては、アルコール、アルキルエステル、モノアルキルグリコールエーテル、グリコールモノアルキルエーテルエステル、ジアルキルグリコールエーテルなどの極性有機溶媒が挙げられる。
前記モノアルキルグリコールエーテルとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル等のエチレングリコール系エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコール系エーテルなどが挙げられる。
前記グリコールモノアルキルエーテルエステルとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
前記ジアルキルグリコールエーテルとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。
複合粒子のインク中の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分散媒100重量部に対して、10〜50重量部が好ましい。
本発明では複合粒子の分散媒中での分散安定性を補助するため、粘度が上がり過ぎない範囲で最小限の分散剤を添加しても良い。分散剤としては公知のものを使用でき特に限定されない。インク中の分散剤の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分散媒100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましい。
複合粒子を分散媒中に分散させる際に用いる分散機には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターなどが挙げられる。
基材の上には必要に応じて表面エネルギーを変化させる層を設けてもよい。基材の表面エネルギーを変えることによりインクの濡れ広がりを制御することが可能になるので、描画パターンが崩れることがなくなる。その形成方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ディッピング、スロットダイコーティングなどが挙げられる。
基材上へのインクの塗布方法には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、インクジェット法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などが挙げられる。これらの中でも、簡便に直接パターニングできる点から、インクジェット法が好ましい。
一般に、インクジェット法では、基材上にインクを塗布した後、乾燥・焼成する。塗布されたインクを焼成すると、金属粒子同士が融合することにより金属粒子間の界面を消失させることができる。
前記焼成方法は、金属粒子同士を融合させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば熱焼成、プラズマ焼成、光焼成などが挙げられる。これらの中でも、基材のダメージを抑制できる点から、光焼成が好ましい。光焼成の温度は、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。光焼成に用いる光源としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、キセノンランプなどが挙げられる。なお、基材上に塗布されたインクを焼成する前に、加熱乾燥させることが好ましい。
本発明に係る複合粒子における高分子鎖はポリエチレングリコール構造を有することが好ましい。ポリエチレングリコール構造は溶媒として広く使用されるグリコール系溶媒との親和性が高く、複合粒子の分散安定性が極めて高くなる。
ポリエチレングリコール構造を導入するには、前述したビニル基を有するモノマーの中からポリエチレングリコール構造を有するものを選択して用いればよい。
本発明に係る複合粒子における銅ナノ粒子又は酸化銅ナノ粒子と高分子鎖の重量比は、99:1〜2:1であることが好ましい。銅ナノ粒子又は酸化銅ナノ粒子の重量比が99:1以下であれば、安定的に自己分散することができ、高分子鎖の重量比が2:1以下であれば、インクの粘度が上がってしまうことはない。
前記重量比は、複合粒子を空気中で500℃程度まで加熱した時の重量変化から求めることができる。即ち、前記温度では高分子鎖は熱分解し、銅ナノ粒子は酸化銅(II)に変化するので重量比が分かる。
本発明の銅ナノ粒子インクの体積平均粒径は10〜200nmであることが好ましい。10nm以上であれば、粒子界面が多すぎて焼成による導電性発現がしにくくなるようなことはなく、200nm以下であれば、沈降速度が大きくて自己分散による複合粒子の安定分散が困難となるようなことはない。なお、前記体積平均粒径は、例えば動的光散乱法を用いて測定することができる。
本発明の銅ナノ粒子インクは、少なくとも次の工程(1)〜(3)からなる方法により製造することができる。工程(1)(2)は前述した図1の合成スキーム[I][II]を実施する工程である。
(1)銅ナノ粒子の表面酸化層又は酸化銅ナノ粒子の表面に重合性官能基を有するシランカップリング剤をカップリング反応で結合させる工程
(2)結合された重合性官能基とモノマーとを反応させグラフト高分子鎖を形成して複合粒子を得る工程
(3)得られた複合粒子を溶媒に分散する工程
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」は「重量部」である。
(実施例1)
<複合粒子の作製>
ビニルトリメトキシシラン1部を水1000部に溶解させた後、銅ナノ粒子(QuantumSphere社製、QSI−Nano Copper Powder、体積平均粒径23nm)100部を加えた。1晩放置した後、エタノールで洗浄した。
撹拌機、温度計、及び還流冷却器を備えた反応容器に、エタノール300部、上記カップリング処理した銅ナノ粒子100部を入れた後、窒素パージの下、60℃に加熱した。次に、メタクリル酸ポリエチレングリコール(平均分子量:360、シグマアルドリッチ社製)100部と重合開始剤のアゾビスジメチルバレロニトリル1部からなる混合液を1時間かけて滴下した後、60℃で5時間撹拌した。更に、ろ過した固形分をエタノールで洗浄し乾燥させて複合粒子を得た。この複合粒子を空気中500℃で加熱したところ、重量は1.16倍となった。グラフト高分子鎖が熱分解し、銅ナノ粒子が酸化銅(II)に変化することを勘案すると、銅ナノ粒子と高分子鎖の重量比は12.8:1となる。

<銅ナノ粒子インクの調製>
上記複合粒子50部と、溶媒のジエチレングリコールモノエチルエーテル100部を、10分間超音波分散させた後、高速ミキサーのフィルミックス(プライミクス社製)を用いて10分間分散させた。次に、孔径が1μmのフィルターを用いて粗大粒子を除去し、25℃における粘度が10.1mPa・s、体積平均粒径が68nmの銅ナノ粒子インクを得た。

<配線パターン、膜厚>
上記インクを用いてインクジェット装置(ピーエムティー社製、IJ−DESK)により受容層付きPETフィルム(ピクトリコ社製、グラフィックアーツ透明フィルム)にパターン描画し、乾燥後のインク層の厚さを測定したところ、420nmであった。
(実施例2)
銅ナノ粒子として酸化銅(II)ナノ粒子(日清エンジニアリング社製、CuOナノ粒子、体積平均粒径60nm)、カップリング剤としてビニルトリエトキシシラン、溶媒としてジエチレングリコールモノメチルエーテルを用いた点以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し(酸化銅ナノ粒子と高分子鎖の重量比=26.4:1)、銅ナノ粒子インクを調製した。得られたインクの25℃における粘度は9.1mPa・s、体積平均粒径は95nmであった。
また、実施例1と同様にしてパターン描画し、乾燥後のインク層の厚さを測定したところ、400nmであった。
(実施例3)
銅ナノ粒子として酸化銅(I)ナノ粒子(日清エンジニアリング社製、CuOナノ粒子、体積平均粒径60nm)、溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを用いた点以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し(酸化銅ナノ粒子と高分子鎖の重量比=21.7:1)、銅ナノ粒子インクを調製した。得られたインクの25℃における粘度は8.7mPa・s、体積平均粒径は86nmであった。
また、実施例1と同様にしてパターン描画し、乾燥後のインク層の厚さを測定したところ、450nmであった。
(実施例4)
カップリング剤としてN−(4−ビニルベンジル)−N′−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、溶媒としてジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを用いた点以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し(銅ナノ粒子と高分子鎖の重量比=33.9:1)、銅ナノ粒子インクを調製した。得られたインクの25℃における粘度は10.6mPa・s、体積平均粒径は62nmであった。
また、実施例1と同様にしてパターン描画し、乾燥後のインク層の厚さを測定したところ、430nmであった。
(実施例5)
メタクリル酸ポリエチレングリコールに代えて、メタクリル酸ヒドロキシエチルを用いた点以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し(銅ナノ粒子と高分子鎖の重量比=18.7:1)、銅ナノ粒子インクを調製した。得られたインクの25℃における粘度は9.8mPa・s、体積平均粒径は71nmであった。
また、実施例1と同様にしてパターン描画し、乾燥後のインク層の厚さを測定したところ、390nmであった。
(実施例6)
メタクリル酸ポリエチレングリコールに代えて、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレートを用いた点以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し(銅ナノ粒子と高分子鎖の重量比=20.5:1)、銅ナノ粒子インクを調製した。得られたインクの25℃における粘度は11.3mPa・s、体積平均粒径は67nmであった。
また、実施例1と同様にしてパターン描画し、乾燥後のインク層の厚さを測定したところ、430nmであった。
(実施例7)
メタクリル酸ポリエチレングリコールに代えて、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレートを用いた点以外は、実施例1と同様にして複合粒子を作製し(銅ナノ粒子と高分子鎖の重量比=24.3:1)、銅ナノ粒子インクを調製した。得られたインクの25℃における粘度は10.1mPa・s、体積平均粒径は69nmであった。
また、実施例1と同様にしてパターン描画し、乾燥後のインク層の厚さを測定したところ、400nmであった。
(比較例1)
複合粒子に代えて、実施例1で使用したのと同じ銅ナノ粒子(QuantumSphere社製、QSI−Nano Copper Powder、体積平均粒径23nm)50部と、予め分散剤(BYK社製、DISPERBYK102)10部をジエチレングリコールモノエチルエーテル100部に溶解したものを、10分間超音波分散させた後、高速ミキサーのフィルミックス(プライミクス社製)を用いて10分間分散させた。次に、孔径が1μmのフィルターを用いて粗大粒子を除去し、25℃における粘度が21.1mPa・s、体積平均粒径が78nmの銅ナノ粒子インクを得た。
このインクを使用して実施例1と同様にしてパターン描画を試みたが、粘度が高すぎるため吐出できなかった。
(比較例2)
複合粒子に代えて、実施例2で使用したのと同じ酸化銅(II)ナノ粒子(日清エンジニアリング社製、CuOナノ粒子、体積平均粒径60nm)を使用し、溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテルを使用した点以外は、実施例1と同様にしてインクを調製したが、粒子が直ぐに凝集沈降してしまった。
(比較例3)
複合粒子に代えて、実施例3で使用したのと同じ酸化銅(I)ナノ粒子(日清エンジニアリング社製、CuOナノ粒子、体積平均粒径60nm)を使用し、溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを使用した点以外は、実施例1と同様にしてインクを調製したが、粒子が直ぐに凝集沈降してしまった。
特許第5167707号公報 特表2010−528428号公報

Claims (8)

  1. 少なくとも溶媒、及び該溶媒と親和性を有する高分子鎖が銅ナノ粒子の表面酸化層又は酸化銅ナノ粒子の表面に化学結合している複合粒子を含み、該化学結合がシランカップリングによるものであり、
    前記複合粒子の含有量が、前記溶媒100重量部に対して、10〜50重量部であることを特徴とする銅ナノ粒子インク。
  2. 前記高分子鎖がポリエチレングリコール構造を有することを特徴とする請求項1に記載の銅ナノ粒子インク。
  3. 前記銅ナノ粒子又は酸化銅ナノ粒子と前記高分子鎖の重量比が99:1〜2:1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の銅ナノ粒子インク。
  4. インクの体積平均粒径が10〜200nmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の銅ナノ粒子インク。
  5. 少なくとも次の工程(1)〜(3)からなることを特徴とする銅ナノ粒子インクの製造方法。
    (1)銅ナノ粒子の表面酸化層又は酸化銅ナノ粒子の表面に、重合性官能基を有するシランカップリング剤をカップリング反応で結合させる工程
    (2)結合された重合性官能基とモノマーとを反応させてグラフト高分子鎖を形成し、複合粒子を得る工程
    (3)得られた複合粒子を溶媒に分散する工程
  6. 前記高分子鎖がポリエチレングリコール構造を有することを特徴とする請求項5に記載の銅ナノ粒子インクの製造方法。
  7. 前記銅ナノ粒子又は酸化銅ナノ粒子と前記高分子鎖の重量比が99:1〜2:1であることを特徴とする請求項5又は6に記載の銅ナノ粒子インクの製造方法。
  8. インクの体積平均粒径が10〜200nmであることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の銅ナノ粒子インクの製造方法。
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