JP6686416B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、カムシャフトを回転自在に支持する支持部材がシリンダヘッドとは別設されたエンジンに関する。
エンジンの吸気弁及び排気弁を駆動するカムシャフトは、シリンダヘッドの動弁室において、シリンダヘッドに形成された複数の軸受部とカムキャップとによってジャーナル部が挟持されることでシリンダヘッドに軸支される。シリンダヘッドは、動弁室の底面を貫通する複数のボルト孔にヘッドボルトが締結されることでシリンダブロックに固定される。一般的に、複数のボルト孔は、気筒列方向と直交する側壁と気筒との間、及び、同方向において隣接する気筒間に設けられる。シリンダヘッドは、その全長(気筒列方向長さ)ができるだけ短くなるように、軸受部やボルト孔等の配置が設定される。例えば、フロント側の軸受部をシリンダヘッドとは別体で設け、上面視でヘッドボルトと重なるように軸受部をシリンダヘッドに取り付けることで、シリンダヘッドの全長を短縮する構成が提案されている(特許文献1参照)。
特開2001−304038号公報
しかしながら、単にカムシャフトの軸受部とヘッドボルトとが上面視で重なるように設けただけでは、軸受部を取り付けるためのボルト用の孔部とヘッドボルト用の孔部とがシリンダヘッドの一部分に集中して設けられることになり、シリンダヘッドの剛性の低下が課題となりうる。また、吸気弁及び排気弁の動作を制御する油圧式の可変動弁機構を備えたエンジンでは、オイルポンプで昇圧されたオイルがオイル制御弁(油圧制御弁,OCV,Oil Control Valve)で調圧された後に、カムシャフトを介して可変動弁機構へと導入される。このオイル制御弁をシリンダヘッドに内蔵する場合には、上記の軸受部やボルト孔等の配置に加えてオイル制御弁の配置も考慮しつつ、剛性の低下を回避したシリンダヘッドを設計する必要がある。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、シリンダヘッドの全長を短縮しながら、その剛性を確保したエンジンを提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するエンジンは、エンジンのカムシャフトが配置されるシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドと別設され、前記カムシャフトの最もフロント側のジャーナル部を回転自在に支持する支持部材と、を備える。前記シリンダヘッドは、上面が切り欠かれるとともに前記支持部材が載置される載置面が形成されたフロント側の側壁を有し、複数のヘッドボルトが前記側壁をその立設方向に貫通して締結されることでシリンダブロックに固定される。また、前記支持部材は、前記ヘッドボルトの上方において前記ジャーナル部を挟んで締結ボルトによって前記載置面に固定される。さらに、前記締結ボルトは、前記ヘッドボルトよりも内側に配置されている。
(2)前記支持部材は、前記締結ボルト用のボルト孔が形成された固定部と、前記ジャーナル部を軸支する軸受部と、を有することが好ましい。この場合、前記軸受部は、上面視で、前記ジャーナル部を挟んだ二つの前記固定部の前記ボルト孔中心同士を結んだ直線に対して外側にオフセットした位置に設けられていることが好ましい。
(3)前記側壁は、前記載置面よりも下方へ凹設されるとともに前記カムシャフトの軸方向に貫通して形成された凹部を有し、前記凹部の底面には、前記ヘッドボルトが締結されることが好ましい。
(4)前記支持部材は、前記ジャーナル部を軸支する軸受部に内蔵された転がり軸受を有することが好ましい。
(5)前記シリンダヘッドには、吸気カムシャフトと排気カムシャフトとが配置されることが好ましい。この場合、前記支持部材は、前記吸気カムシャフトの前記ジャーナル部を支持する吸気支持部と、前記排気カムシャフトの前記ジャーナル部を支持する排気支持部とが一体で設けられていることが好ましい。
(6)前記支持部材は、前記ジャーナル部を下方から支持するホールド部と、前記ジャーナル部を上方から支持するキャップ部とが別体で設けられていることが好ましい。
(7)あるいは、前記支持部材は、前記ジャーナル部を下方から支持するホールド部と、前記ジャーナル部を上方から支持するキャップ部とが一体で設けられていることが好ましい。
ヘッドボルトと締結ボルトとの締結位置をあえてずらすことで、応力集中を回避することができるため、シリンダヘッドの剛性を確保することができる。また、ヘッドボルトよりも締結ボルトを内側に配置することで、締結ボルトを避けながら、オイル制御弁をシリンダヘッドの側壁に内蔵させることができる。これにより、オイル制御弁を内蔵させるための余計な肉盛りが不要となり、シリンダヘッドの軽量化が図れるとともに、形状を簡素にすることができる。さらに、ヘッドボルトが側壁を貫通して締結されるため、シリンダヘッドの動弁室の底面においてヘッドボルトを締結する構造と比較して、シリンダヘッドの全長を短縮することができる。
実施形態に係るエンジンの分解斜視図である。 シリンダヘッドに支持部材が取り付けられた状態を示す上面図である。 シリンダヘッドのフロント側の側壁と支持部材とを分解して示す正面図である。 図2のA−A矢視断面図である。 図2のフロント側の側壁の拡大図である。
図面を参照して、実施形態としてのエンジンについて説明する。以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の各実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.全体構成]
本実施形態のエンジン1を図1に分解して示す。このエンジン1は、直列三気筒のダブルオーバーヘッドカム式(DOHC)ガソリンエンジンである。エンジン1のフロント側(図1中の左下方向)には、エンジン1の補機類や動力伝達用の伝達部材(クランクプーリ,タイミングプーリ,スプロケット等、図示略)が設けられる。シリンダヘッド2及びシリンダブロック3のフロント側にはチェーンカバー(図示略)が取り付けられる。伝達部材は、シリンダヘッド2及びシリンダブロック3とチェーンカバーとの間の空間に収納される。なお、エンジン1のリア側(図1中の右上方向)にはドライブプレート,フライホイールが設けられ、パワートレーンの下流側の各種装置(例えば、変速機,回転電機等)に接続される。
本実施形態のエンジン1は、排気マニホールドが一体化されたシリンダヘッド2を備える。このシリンダヘッド2の下方には、列設された中空円筒状のシリンダを内蔵するシリンダブロック3が設けられる。一方、シリンダヘッド2の上方には、シリンダヘッド2の上面2a全体を覆うヘッドカバー(図示略)が取付けられる。ヘッドカバーは、ガスケット(図示略)を介してシリンダヘッド2の上面2aに締結固定される。シリンダヘッド2の上面2aとヘッドカバーとで囲まれる空間は、エンジン1の吸排気弁を駆動するための動弁機構が内蔵される動弁室4となる。
以下の説明では、シリンダヘッド2に対してシリンダブロック3が固定される側を下方とし、その逆側を上方とする。また、シリンダヘッド2の側面のうち、吸気ポートの上流端開口が位置する側のことを「吸気側」と呼び、その反対側のことを「排気側」と呼ぶ。ただし、このエンジン1は、車両に対して傾斜した姿勢(水平でない姿勢)で据え付けられる場合があるため、ここでいう上下方向は必ずしも鉛直上下方向には対応しない。
動弁室4の内部には、シリンダの列設方向に沿って延在するカムシャフト5が配設される。図1には、吸気弁を駆動するための吸気カムシャフト5Aと、排気弁を駆動するための排気カムシャフト5Bとを示す。各々のカムシャフト5には、吸排気弁の開閉タイミングやバルブリフト量に応じたカム山形状を有する複数のカム50が取り付けられる。これらのカム50は、吸排気弁の上端に設けられるタペット(図示略)を押し下げて、吸排気弁を上下駆動するように機能する。本実施形態のカム50は、一対のカムローブ51が円筒状のカムジャーナル52を挟んで結合された結合カムとして設けられる。すなわち、本実施形態のシリンダヘッド2には、三つのカム50を有するカムシャフト5が二本平行に配置される。
エンジン1のフロント側におけるカムシャフト5の端部には、タイミングチェーンに巻き掛けられるカムスプロケット6と位相アクチュエータ7(可変動弁機構)とが設けられる。位相アクチュエータ7は、クランクシャフトの回転角に対するカムシャフト5の回転角の位相を変化させる油圧装置であり、例えばカムスプロケット6と一体に形成される。位相アクチュエータ7の内部には、カムスプロケット6に対してカムシャフト5の位相角を進角方向又は遅角方向に移動させる機構が内蔵され、図示しない電子制御装置からの制御信号に基づいてカムシャフト5の位相が自在に制御される。
各カムシャフト5は、三つのカムジャーナル52のそれぞれが、シリンダヘッド2のすべり軸受部分26とカムキャップ8のすべり軸受部分8aとの間で回転自在に支持される。カムキャップ8は、吸気カムシャフト5A,排気カムシャフト5Bの何れか一方のみを支持しうる小さいサイズに形成される。カムキャップ8は、エンジン1の上面視でシリンダ中央付近に配置されるカムシャフト5のカムジャーナル52のみを支持しうる半円凹状に形成される。
また、各カムシャフト5は、位相アクチュエータ7に隣接して配置されたジャーナル部53を有する。このジャーナル部53は、シリンダヘッド2とは別設された支持部材10により回転自在に支持される。支持部材10は、吸気カムシャフト5Aと排気カムシャフト5Bとをともに支持しうる大きさに形成される。つまり、本実施形態の支持部材10は、カムキャップ8の二個分の軸受機能を併せ持つ。支持部材10は、吸気カムシャフト5Aにおける位相アクチュエータ7の近傍から、排気カムシャフト5Bにおける位相アクチュエータ7の近傍までの範囲をカバーするサイズを有する。
図2に示すように、シリンダヘッド2は、シリンダヘッド2をシリンダブロック3に締結固定するためのヘッドボルト25が挿通される複数のヘッドボルト孔23を有する。ヘッドボルト孔23は、シリンダヘッド2の吸気側,排気側のそれぞれに、シリンダの列設方向に並んで設けられる。本実施形態のシリンダヘッド2は、動弁室4の底面をなす下面部20に穿設されたヘッドボルト孔23と、シリンダヘッド2のフロント側の側壁21(以下「フロント壁21」と呼ぶ)に穿設されたヘッドボルト孔23(図3参照)とを有する。以下、後者のヘッドボルト孔23を前者と区別する場合には、「フロントヘッドボルト孔23f」と呼ぶ。本実施形態のヘッドボルト孔23は、吸気カムシャフト5A,排気カムシャフト5Bのそれぞれと上下方向に重なる位置に配置される。なお、図2では、各カムシャフト5A,5Bの軸心5cを一点鎖線で示す。
図1に示すように、シリンダヘッド2には、位相アクチュエータ7に供給されるオイル(作動油)の圧力を制御するオイル制御弁9(OCV,Oil Control Valve)が内蔵される。オイル制御弁9は、吸気側,排気側の位相アクチュエータ7のそれぞれに対して一つずつ設けられる。オイル制御弁9は、カムシャフト5がシリンダヘッド2に固定された状態で、位相アクチュエータ7よりも下方に配置される。図4に示すように、シリンダヘッド2のフロント壁21には、オイル制御弁9が挿入される取付穴21hが吸気側,排気側のそれぞれに形成される。各オイル制御弁9は、これらの取付穴21hに挿入されて固定される。
[2.要部構成]
図1,図3及び図4に示すように、本実施形態のシリンダヘッド2は、上面2aのうちフロント壁21の上面2aが切り欠かれ、他の側壁と比べてその高さ寸法が小さくなるように形成される。このフロント壁21の切り欠かれた上面には、支持部材10が載置されてボルト締結される。また、シリンダヘッド2は、複数(本実施形態では二本)のヘッドボルト25がフロント壁21をその立設方向に貫通して締結されることで、シリンダブロック3に固定される。なお、図3及び図4では動弁室4内の構造を便宜上省略している。
フロント壁21には、支持部材10が載置される面(以下「載置面21a」と呼ぶ)が、二本のカムシャフト5A,5Bの中間と、これらのカムシャフト5A,5Bの外側とに設けられる。三つの載置面21aは、フロント壁21の上面2aを平面状に切り欠いて形成され、他の側壁の上面2aと平行に設けられる。本実施形態のシリンダヘッド2は、三つの載置面21aの高さ位置が全て同一ではなく、中間の載置面21aが左右の載置面21aよりも高くなるように形成されている。これらの載置面21aの高さ位置は、後述する支持部材10の固定部12の下面12dの位置に応じて決定される。フロント壁21には、各載置面21aから下方に穿孔された穴部21dが設けられる。各穴部21dには、支持部材10を固定するための締結ボルト15が螺合される。
フロント壁21は、載置面21aよりも下方へ凹設されるとともにカムシャフト5の軸方向(シリンダの列設方向)に貫通して形成された二つの凹部21bを有する。これらの凹部21bは、図3及び図4に示すように、吸気カムシャフト5A及び排気カムシャフト5Bのそれぞれの真下に形成され、支持部材10が載置された状態で後述する軸受部11との間に空間を形成する形状とされる。凹部21bは、その底面21cにヘッドボルト25が締結される。本実施形態の凹部21bは、ヘッドボルト25の頭部が当接する座面21eが底面21c上に突設されている。フロントヘッドボルト孔23fは、この座面21eからフロント壁21の下面まで、フロント壁21の立設方向に貫通して形成される。シリンダヘッド2は、ヘッドボルト25の軸心25cの延長線とカムシャフト5の各軸心5cとが交差するように設けられる。
本実施形態のフロント壁21には、その立設方向に延びる二種類のボルト孔が設けられる。すなわち、ヘッドボルト25を締結するためのフロントヘッドボルト孔23f、及び、締結ボルト15が螺合される穴部21dである。本実施形態のシリンダヘッド2は、図2及び図5に示すように、穴部21dがフロントヘッドボルト孔23fよりも内側(動弁室4側)に形成される。すなわち、穴部21dとフロントヘッドボルト孔23fとが上面視で一直線上には配置されず、前者が後者よりも動弁室4側に配置される。なお、フロント壁21は、他の側壁よりも肉厚に形成されており、ヘッドボルト25を締結しうる厚みを有する。さらに、フロント壁21における穴部21dの位置には、肉盛りがされている。
図1及び図3に示すように、本実施形態のシリンダヘッド2は、凹部21bがフロント壁21に貫設されることから、凹部21bを介して動弁室4が伝達部材を収納する空間に開放されている。このため、動弁室4に溜まったオイルが、シリンダヘッド2のフロント側において凹部21bから排出され、フロント壁21の外側(伝達部材の収納空間)を通ってシリンダブロック3の下方に結合されるオイルパン(図示略)へと落下する。つまり、凹部21bは、ヘッドボルト25が締結される部位としての機能に加え、図1中に白抜き矢印で示すようにフロント側のオイル通路としての機能を兼ね備えている。なお、オイル制御弁9は、凹部21bの底面21cに向かって外方から斜め下方に傾斜して挿入される。言い換えると、凹部21bの底面21cは、オイル制御弁9の先端に位置するように配置される。これにより、オイル制御弁9の先端から、オイル制御弁9内のオイルが底面21cにリークし、オイルパンへの循環が可能となる。
支持部材10は、ヘッドボルト25の上方において二つのジャーナル部53を挟んだ三箇所で締結ボルト15によってフロント壁21に固定される。本実施形態の支持部材10は、図3に示すように、吸気カムシャフト5Aのジャーナル部53を支持する吸気支持部10INと、排気カムシャフト5Bのジャーナル部53を支持する排気支持部10EXとが一体で設けられている。支持部材10は、二つのジャーナル部53をそれぞれ軸支する二つの軸受部11と、支持部材10をシリンダヘッド2に固定するための三つの固定部12とを有する。
本実施形態の支持部材10は、ジャーナル部53を下方から支持するホールド部10Hと、ジャーナル部53を上方から支持するキャップ部10Cとが別体で設けられ、これらがシリンダヘッド2への組み付けよりも前に、あるいは、組み付けと同時に組み立てられる。支持部材10は、二つのカムシャフト5の軸心5c同士を結んだ直線(図3の一点鎖線E)により、ホールド部10Hとキャップ部10Cとに分割される。なお、カムシャフト5の軸心5cは、シリンダヘッド2の上面2aと同じ高さ位置に設定される。
図3に示すように、支持部材10の全体形状は、エンジン1をフロント側から見たときに、略円筒状の二つの軸受部11の間とそれぞれの外側とに固定部12が設けられたメガネ形状に準えることができる。二つの軸受部11には、転がり軸受14が内蔵される。カムシャフト5は、タイミングチェーンに近いフロント側の端部に最も大きな荷重が作用するため、最もフロント側に位置するジャーナル部53を転がり軸受14によって軸支することで、フリクションが効果的に低減される。なお、支持部材10はホールド部10Hとキャップ部10Cとが別体で設けられることから、転がり軸受14はこれらの組み立て時に組み付けられる。
三つの固定部12は、上面12e及び下面12dが何れも平面状に形成されるとともに、上下方向に貫設されたボルト孔13を有する。各ボルト孔13は、締結ボルト15が挿通されるものであり、支持部材10がフロント壁21に載置された状態で穴部21dと重なる位置に設けられる。図2及び図5に示すように、支持部材10は、上面視で、軸受部11が三つの固定部12の各ボルト孔13の中心同士を結んだ直線(図2及び図5の一点鎖線L)に対して外側にオフセットした位置に設けられる。すなわち、支持部材10は、上面視でくねくねと曲がった非直線形状に形成される。軸受部11は、支持部材10がフロント壁21に載置された状態で、ヘッドボルト25と上下方向において重なる位置に設けられる。
また、本実施形態の支持部材10は、三つの固定部12の高さ寸法が全て同一ではなく、軸受部11の外側に位置する左右の固定部12の高さ寸法Ha,Hbが、軸受部11の間に位置する中間の固定部12の高さ寸法Hcがよりも大きく形成されている。ここでは、左右の固定部12の高さ寸法Ha,Hbは同一に形成される。また、本実施形態の支持部材10は、三つの固定部12の上面12eの高さ位置が同一に形成されている。したがって、支持部材10は、中間の固定部12の下面12dが左右の固定部12の下面12dよりも上方に位置するように形成されている。
[3.作用,効果]
(1)上述のエンジン1では、ヘッドボルト25と締結ボルト15との締結位置が一直線上ではなく、あえてずらして設けられる。これにより、応力集中を回避することができ、シリンダヘッド2の剛性を確保することができる。また、ヘッドボルト25よりも締結ボルト15を内側(動弁室4側)に配置することで、締結ボルト15を避けながら、オイル制御弁9をシリンダヘッド2のフロント壁21に内蔵させることができる。これにより、オイル制御弁9を配置,内蔵させるために、シリンダヘッド2に余計な肉盛りをする必要がなく、シリンダヘッド2の軽量化が図れるとともに形状を簡素にすることができる。さらに、ヘッドボルト25がフロント壁21を貫通して締結されるため、最もフロント側のヘッドボルト25を、他のヘッドボルト25と同様に動弁室4の底面(下面部20)で締結する構造と比較して、シリンダヘッド2の全長を短縮することができる。
(2)上述の支持部材10は、上面視で、ジャーナル部53を軸支する軸受部11が、固定部12のボルト孔13の中心同士を結んだ直線(図5の一点鎖線L)に対して外側にオフセットした位置に設けられる。つまり、支持部材10は、フロント壁21に載置された状態で、軸受部11がヘッドボルト25と上下方向において重なるような形状に形成される。これにより、軸受部11とカム50との距離を必要最小限に設定することができ、シリンダヘッド2をより一層コンパクトにすることができる。
例えば、支持部材10が上面視で直線形状に形成されていた場合、締結ボルト15とヘッドボルト25との位置関係を図2の状態とすると、軸受部11が吸気ポート及び排気ポートの一部と上下方向に重なってしまい、動弁系と軸受部11とが干渉してしまう。また、軸受部11を吸気ポート及び排気ポートと重ならないように配置するために、フロント壁21をフロント側にずらしたのでは、シリンダヘッド2の全長が大きくなってしまう。これに対し、本実施形態の支持部材10であれば、軸受部11が吸気ポート及び排気ポートと上下方向に重なることもなく、シリンダヘッド2の全長を短縮することもできる。
(3)上述のシリンダヘッド2は、フロント壁21に、ヘッドボルト25が締結される凹部21bが設けられる。この凹部21bは、フロント壁21をカムシャフト5の軸方向に貫通して形成されているため、動弁室4に溜まったオイルを排出するオイル通路として機能する。つまり、凹部21bが、ヘッドボルト25が締結される部位としての機能と、フロント側のオイル通路としての機能とを兼ね備えていることから、フロント壁21にオイル通路専用の孔や切り欠き等を形成する必要がなく、シリンダヘッド2の構成を簡素化することができる。また、動弁室4に溜まったオイルが凹部21bから排出され、伝達部材の収納空間を通ってオイルパンへと戻る構造となるため、オイルの潤滑が活発となり、オイル量の低減あるいはオーバーヒートのリスクを回避することができる。
(4)また、上述の支持部材10は、吸気支持部10INと排気支持部10EXとが一体で設けられることから、これらが別々で設けられる場合と比べて、支持部材10を固定するための締結ボルト15の本数を一つ減らすことができる。また、吸気,排気の支持部10IN,10EXが一体化された支持部材10であれば、二つの軸受部11の間に固定部12を一つ(中間の固定部12)を設ければよいので、支持部材10をコンパクトにすることができる。
(5)上述の支持部材10は、軸受部11に転がり軸受14が内蔵される。カムシャフト5は、タイミングチェーンに近いフロント側の端部に最も大きな荷重が作用するため、最もフロント側に位置するジャーナル部53に転がり軸受14を内蔵することによって、動弁機構のフリクションを効果的に低減することができる。
(6)上述の支持部材10は、ホールド部10Hとキャップ部10Cとが別体で設けられることから、製造が簡単であり、製造コストを低減することができる。また、転がり軸受14を内蔵する場合にも、簡単に組み立てることができる。
(7)ところで、吸排気弁からカム50が受ける力(いわゆるバルブ反力)は、カム50及びカムシャフト5を介して支持部材10に伝達されるが、このバルブ反力は二つのジャーナル部53の間よりも左右両側のほうが大きい。これに対し、本実施形態の支持部材10は、左右の固定部12の高さ寸法Ha,Hbが中間の固定部12の高さ寸法Hcよりも大きく形成されている。このため、支持部材10の支持剛性を二つのジャーナル部53のそれぞれの外側で高めることができ、バルブ反力が大きい外側においても適切に支持剛性を確保することができる。これにより、エンジン1の燃焼起振力によって発生しうる騒音や振動を抑制することができ、エンジン1の信頼性を高めることができる。
(8)また、本実施形態の支持部材10は、中間の固定部12の下面12dが左右の固定部12の下面12dよりも上方に位置するように形成されている。このため、支持部材10の据わりがよく、安定性を向上させることができる。また、中間の固定部12の下面12dの高さ位置を高くすることで、フロント壁21の三つの載置面21aのうち、中間の載置面21aの高さ位置が中間の固定部12に合わせて高くなる。すなわち、中間の固定部12が載置されるフロント壁21の高さ寸法が、左右の固定部12が載置される部分の高さ寸法よりも大きくなる。このため、フロント壁21の支持剛性をその中間部において高めることができる。
(9)さらに、本実施形態の支持部材10は、左右の固定部12の高さ寸法Ha,Hbが同一に形成されている。このため、支持部材10の支持剛性を左右で同等にすることができるとともに、支持部材10の据わりを一層よくすることができることから、支持部材10の安定性をより高めることができる。
(10)また、シリンダヘッド2は、ヘッドボルト25の軸心25cの延長線とカムシャフト5の各軸心5cとが交差するように設けられるため、バルブ反力によるモーメントがヘッドボルト25に作用せず、応力集中を回避することができる。
[4.変形例]
上述した支持部材10の形状は一例であって、上述したものに限られない。例えば、支持部材10は、ホールド部10Hとキャップ部10Cとが一体で設けられたものであってもよい。支持部材10が一体ものの場合、支持部材10の各軸受部11に吸気カムシャフト5A及び排気カムシャフト5Bを挿入し、これらをアッセンブリ化した状態でシリンダヘッド2に組み付ければよい。このような構成であれば、カムシャフト5A,5Bの芯出しが容易となり、カムシャフト5A,5Bの位置ずれを防止することができ、フリクションをより低減することができる。
また、一体ものの支持部材10では、転がり軸受14を圧入して内蔵させてもよい。あるいは、支持部材10が一体ものか別体ものかにかかわらず、転がり軸受14を省略し、すべり軸受として機能させてもよい。また、支持部材10の三つ固定部12の高さ寸法は任意であり、例えば全て同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。また、固定部12の下面12dの高さ位置及び上面12eの高さ位置も任意であり、高さ寸法に応じて設定可能である。なお、シリンダヘッド2の三つの載置面21aは、固定部12の下面12dの高さ位置に応じて設定すればよい。また、支持部材10が、吸気支持部10INと排気支持部10EXとで別体に設けられていてもよい。
上述したカムシャフト5の構成,形状は一例であって、上述したものに限られない。例えば、カム50が、各カムローブ51の先端に、回転自在に組み付けられたローラを有するローラ付きのカムであってもよい。この場合に支持部材10が一体ものであれば、上記の通り芯出しが容易となって位置精度が上がるため、ローラ付きのカムと組み合わせることで、より一層フリクションを低減させることができる。
エンジン1が、上述した直列三気筒のダブルオーバーヘッドカム式(DOHC)ガソリンエンジンでなくてもよい。例えば、三気筒以外の他気筒エンジンであってもよいし、単気筒エンジンであってもよい。また、シングルオーバーヘッドカム式(SOHC)のエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよい。
1 エンジン
2 シリンダヘッド
2a 上面
3 シリンダブロック
5 カムシャフト
5A 吸気カムシャフト
5B 排気カムシャフト
10 支持部材
10IN 吸気支持部
10EX 排気支持部
10C キャップ部
10H ホールド部
11 軸受部
12 固定部
12d 下面
12e 上面
13 ボルト孔
14 転がり軸受
15 締結ボルト
20 下面部
21 フロント壁(フロント側の側壁)
21a 載置面
21b 凹部
21c 底面
21d 穴部
21e 座面
21h 取付穴
23 ヘッドボルト孔
23f フロントヘッドボルト孔
25 ヘッドボルト
25c 軸心
26 すべり軸受部分
50 カム
53 ジャーナル部
E 軸心5c同士を結んだ直線
L ボルト孔13の中心同士を結んだ直線
Ha,Hb 左右の固定部12の高さ寸法
Hc 中間の固定部12の高さ寸法

Claims (7)

  1. エンジンのカムシャフトが配置されるシリンダヘッドと、
    前記シリンダヘッドと別設され、前記カムシャフトの最もフロント側のジャーナル部を回転自在に支持する支持部材と、を備え、
    前記シリンダヘッドは、上面が切り欠かれるとともに前記支持部材が載置される載置面が形成されたフロント側の側壁を有し、複数のヘッドボルトが前記側壁をその立設方向に貫通して締結されることでシリンダブロックに固定され、
    前記支持部材は、前記ヘッドボルトの上方において前記ジャーナル部を挟んで締結ボルトによって前記載置面に固定され、
    前記締結ボルトは、前記ヘッドボルトよりも内側に配置された
    ことを特徴とする、エンジン。
  2. 前記支持部材は、前記締結ボルト用のボルト孔が形成された固定部と、前記ジャーナル部を軸支する軸受部と、を有し、
    前記軸受部は、上面視で、前記ジャーナル部を挟んだ二つの前記固定部の前記ボルト孔中心同士を結んだ直線に対して外側にオフセットした位置に設けられた
    ことを特徴とする、請求項1記載のエンジン。
  3. 前記側壁は、前記載置面よりも下方へ凹設されるとともに前記カムシャフトの軸方向に貫通して形成された凹部を有し、
    前記凹部の底面には、前記ヘッドボルトが締結される
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジン。
  4. 前記支持部材は、前記ジャーナル部を軸支する軸受部に内蔵された転がり軸受を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジン。
  5. 前記シリンダヘッドには、吸気カムシャフトと排気カムシャフトとが配置され、
    前記支持部材は、前記吸気カムシャフトの前記ジャーナル部を支持する吸気支持部と、前記排気カムシャフトの前記ジャーナル部を支持する排気支持部とが一体で設けられた
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジン。
  6. 前記支持部材は、前記ジャーナル部を下方から支持するホールド部と、前記ジャーナル部を上方から支持するキャップ部とが別体で設けられた
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のエンジン。
  7. 前記支持部材は、前記ジャーナル部を下方から支持するホールド部と、前記ジャーナル部を上方から支持するキャップ部とが一体で設けられた
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のエンジン。
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