JP6686237B1 - 設定支援システム、携帯型情報端末、設定支援方法およびプログラム - Google Patents

設定支援システム、携帯型情報端末、設定支援方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

空調機ネットワークの設定を支援する設定支援システムが開示される。設定支援システムは、空調機の紐付け情報と冷媒系統識別情報とを対応付ける対応付け情報を取得する取得部を含む。設定支援システムは、また、紐付け情報に対応し、設定対象の空調機を指定する指定情報を検出する検出部を含む。設定支援システムは、さらに、対応付け情報および指定情報に基づいて冷媒系統識別情報に関連するアドレスを、設定対象の空調機に設定する設定制御部を含む。

Description

本開示は、設定支援システム、設定支援装置、設定支援方法、プログラムおよび空調機に関する。
ビルなどの建物においては、複数の空調機を接続してネットワークが構築されている。また、空調機を接続するネットワークとして、無極性2芯の渡り配線による低コストのシリアル通信を用いたものが知られている。この空調機ネットワークでは、接続するユニットの順序や配線の分岐数に制限がなく、複数の冷媒系統にまたがる自由度の高い配線形態が可能である。一方、空調機ネットワーク内に複数の冷媒系統が混在する場合は、同一系統に接続される空調機間で通信を行うため、各空調機に対し、冷媒系統といった冷媒系統識別情報を関連させた個別の通信アドレス(例えば、冷媒系統番号を含む通信アドレス)を設定することが求められる。
上述した通信アドレスの対応付けに関して、特許文献1が知られている。特許文献1は、自己識別情報を含む情報を受信するための第1情報受信手段と、自己識別情報を記憶するための複数の空調機と通信接続される集中管理機器において、空調機の設置位置に関する情報である設置位置情報と自己識別情報との対応付けの確立を支援するためのシステムを開示する。特許文献1に開示されたシステムは、無線情報端末、位置情報導出手段および情報対応付け保存手段を備える。無線情報端末には、情報送信手段を有する自己識別情報が記憶される。情報送信手段は、自己識別情報を第1情報受信手段に無線送信するためのものである。位置情報導出手段は、無線情報端末の位置情報を導出する。情報対応付け保存手段は、自己識別情報と位置情報導出手段において導出された無線情報端末の位置情報とを対応付ける。
しかしながら、特許文献1に開示される従来技術では、各空調機が接続される冷媒系統を判別する手段がないため、複数の冷媒系統が混在する場合に適切なアドレスを設定することができるものではなかった。
特開2007−10223号公報
本開示は、従来技術における上記点に鑑みてなされたものであり、本開示は、空調機ネットワークにおいて、空調機に対し、その冷媒系統識別情報に応じたアドレスを効率良く設定することを可能とする設定支援システムを提供することを目的とする。
本開示では、上記課題を解決するために、本発明による実施形態においては、下記特徴を有する設定支援システムが提供される。設定支援システムは、空調機の紐付け情報と冷媒系統識別情報とを対応付ける対応付け情報を取得する取得部と、紐付け情報に対応し、設定対象の空調機を指定する指定情報を検出する検出部とを含む。設定支援システムは、さらに、対応付け情報および指定情報に基づいて冷媒系統識別情報に関連するアドレスを、空調機に設定する設定制御部を含む。
その他、本願が開示する課題、およびその解決方法は、発明を実施するための形態の欄および図面により明らかにされる。
本開示によれば、空調機ネットワークにおいて、空調機に対し、その冷媒系統識別情報に応じたアドレスを効率よく設定することが可能となる。
図1は、本発明の1または複数の実施形態による空調システム1の全体構成例を示すブロック図である。 図2は、本発明の1または複数の実施形態による空調機2(遠隔操作機4および空調集中制御機6)の構成例を示すブロック図である。 図3は、本発明の1または複数の実施形態による携帯型情報端末7の構成例を示すブロック図である。 図4は、本発明の1または複数の実施形態による配置情報管理装置9の構成例を示すブロック図である。 図5は、本発明の第1実施形態による空調システム1におけるアドレス設定の処理の流れおよびその主要な構成を説明する図である。 図6は、本発明の特定の実施形態において用いられる(A)空調機配置情報941のデータ構造および(B)位置座標入力画面771を例示する図である。 図7は、本発明の第1実施形態による空調システム1において実行される各装置間のやり取りを示すシーケンス図である。 図8は、本発明の第1実施形態による携帯型情報端末7が実行する動作を示すフローチャートである。 図9は、本発明の第1実施形態による空調機2が実行する動作を示すフローチャートである。 図10は、本発明の第1実施形態による空調集中制御機6が実行する動作を示すフローチャートである。 図11は、本発明の第2実施形態による空調システム1におけるアドレス設定の処理の流れおよび主要な構成を説明する図である。 図12は、本発明の第2実施形態による空調システム1において実行される各装置間のやり取りを示すシーケンス図である。 図13は、本発明の第3実施形態による空調システム1におけるアドレス設定の処理の流れおよび主要な構成を説明する図である。 図14は、本発明の第3実施形態による空調システム1において実行される各装置間のやり取りを示すシーケンス図である。 図15は、本発明の第4実施形態による空調システム1において実行される各装置間のやり取りを示すシーケンス図である。 図16は、本発明の第4実施形態による携帯型情報端末7が実行する動作を示すフローチャートである。 図17は、本発明の実施形態において用いられる(A)アドレス管理情報のデータ構造および(B)アドレス設定情報のデータ構造を例示する図である。 図18(A)〜(C)は、本発明の複数の他の実施形態による配置場所名および系統内号機番号の入力方法を例示するブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明の実施形態は、以下に説明する、図示した具体的な実施形態に限定されるものではない。なお、以下、設定支援システムおよび設定支援装置の一例として、それぞれ、複数の空気調和機(以下、「空気調和」を「空調」と略して参照する。)機を含み構成される空調システム1および携帯型情報端末7を用いて説明する。なお、図面において、同一符号は、同一または相当部分を示すものとする。
[第1実施形態]
以下、図1〜図10を参照しながら、本発明の第1実施形態による空調システム10について説明する。
図1は、空調システム1の全体構成例を示す。なお、図1は、1または複数の実施形態において共通して用いることができる全体構成を例示する。図1を参照しながら、第1実施形態において全体構成を中心的に説明するが、特に断りがない場合は、後述する他の実施形態でも同様の構成を備え得る点に留意されたい。
図1に示す空調システム1は、設置対象の複数の空調機2と、遠隔操作機4と、空調集中制御機6とを含み構成されている。空調システム1においては、複数の空調機2および空調集中制御機6が、例えば無極性2芯の渡り配線などにより接続されており、空調機ネットワーク3を構成している。
空調機2は、それぞれ、室内空調機(2a〜2c)であってもよいし、室外空調機(2d,2e)であってもよい。なお、「空調機」には、遠隔操作機および空調集中制御機6も含まれるが、ここでいう空調機2は、冷凍サイクル制御に関与する室内空調機および室外空調機のいずれかをいうものとする。
遠隔操作機4は、「リモートコントローラ」または略して「リモコン」と一般的に呼称されるものであり、空調設定を行うためのパネルおよびボタンを備える。室内空調機2a〜2cと、遠隔操作機4a〜4cは、それぞれ、例えば接続線5a〜5cを介して接続される。なお、図1においては、室内空調機2および遠隔操作機4は、接続線5を介して一対一で接続されているように描かれているが、特に限定されるものではなく、これらは、渡り線を介して接続されて、1台の遠隔操作機4を用いて複数台の室内空調機2が操作されてもよいし、渡り線なしで空調機ネットワーク3を経由して接続されてもよい。
図1の例において、室内空調機2a,2bおよび室外空調機2dは、冷媒配管で連結されており、同一の冷媒系統Aに属する。一方、室内空調機2cおよび室外空調機2eも、別の冷媒配管で連結されており、別の冷媒系統Bに属する。したがって、図1に示す空調機ネットワーク3においては、複数の冷媒系統が混在する形態となっている。
空調機ネットワーク3においては、複数の空調機2または空調集中制御機6との間で通信を行うために、各空調機2または空調集中制御機6に個別の通信アドレスが設定される。特に同一冷媒系統に接続される室外空調機と室内空調機との通信を介した連携動作によって冷凍サイクル制御が行われる。このため、各空調機2がいずれの冷媒系統に接続されているのかを識別できるように、冷媒系統に関連する通信アドレス、典型的には、冷媒系統を識別する冷媒系統識別情報を含んだ通信アドレスが設定される。
本実施形態における空調システム1は、上述した空調機ネットワーク3における各空調機2へのアドレス設定を支援するために、携帯型情報端末7と、配置情報管理装置9とを含み構成される。
配置情報管理装置9は、各空調機の配置および各空調機が接続された冷媒系統を記述した空調機配置情報を管理する装置である。配置情報管理装置9としては、特に限定されるものではないが、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、サーバ・コンピュータなどの汎用的なコンピュータが用いられる。
携帯型情報端末7は、空調機ネットワーク3の設定を行う作業者が携帯する端末である。携帯型情報端末7としては、特に限定されるものではないが、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートグラス、専用端末装置などが用いられる。複数の作業者が設定作業を行う場合、複数の携帯型情報端末7があってもよい。
携帯型情報端末7とおよび配置情報管理装置9は、通信ネットワーク8を介して接続される。通信ネットワーク8は、有線または無線のローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、3G、LTE(Long Term Evolution)や5Gなどの移動体通信網、インターネットなどを含んで構成される。
空調機2や空調集中制御機6と携帯型情報端末7との間では、近距離無線通信12が行われる。近距離無線通信12は、例えば、NFC(Near-field communication)、Bluetooth(登録商標)、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などで定められる無線LANのものであってよい。作業者が作業対象の空調機を物理的に認識しやすいようにする観点からは、近距離無線通信12は、NFCなどの近接場型の無線通信であることが好ましい。また、NFCが、電波により誘導起電力が得られ、通電状態にない空調機2にも設定を行うことを可能であることから、この観点からも、近距離無線通信12にNFCが用いられることが好ましい。さらに、NFCを用いる場合は、赤外線や無線LANを利用する場合と比較してコストを削減することができるという利点がある。以下、近距離無線通信12が、NFCを用いたものであるとして説明を続ける。
図2は、空調機2の構成例を示すブロック図である。なお、図2も、1または複数の実施形態において共通して用いることができる構成例を示すものであり、上述したように、特に断りがない場合は、他の実施形態でも同様の構成を備え得る点に留意されたい。
図2において、空調機2は、主基板20、副基板21、冷媒を凝縮させる圧縮機や送風のためのファンなどのアクチュエータなどの負荷22および装置動作のための電源23を含み構成される。主基板20および副基板21は、それぞれ、第1電源ブロック200および第2電源ブロック210を含む。主基板20および副基板21は、ここでは別の基板として参照するが、第1電源ブロック200および第2電源ブロック210を含む単一の基板であってもよい。第2電源ブロック210は、電源23からの電源供給が無くても、近距離無線通信を備える外部装置からの電波による誘導起電力により動作可能なブロックであり、例えばNFCタグにより構成される。
第1電源ブロック200は、第1制御部201、主記憶部203、第1記憶部202、第2記憶部204および空調制御通信部205を含む。第1制御部201は、例えばマイコンであり、主記憶部203は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)であり、第1記憶部202は、例えばFLASH−ROMであり、また、第2記憶部204は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)である。空調制御通信部205は、空調機ネットワーク3を介して他の空調機2または空調集中制御機6との通信を行う。電源23から給電されると、第1制御部201は、第1記憶部202からファームウェアを読出し、主記憶部203に展開されたファームウェアに従い、空調機としての動作を行う。このとき、空調機2は、第2記憶部204に記憶された通信アドレスに基づいて動作する。
第2電源ブロック210は、第2制御部211、近距離無線通信部213および第3記憶部212を含む。近距離無線通信部213は、携帯型情報端末7などの外部装置との近距離無線通信を行う。第2制御部211は、携帯型情報端末7などの外部装置からの要求や第1電源ブロック200の第1制御部201からの要求に基づいて、第3記憶部212にデータを読み込みまたは書き込みをする。第1電源ブロック200の第1制御部201は、第2制御部211を介して第3記憶部212に通信アドレスを読書きすることができる。第3記憶部212には、空調機2に対して設定された通信アドレスが記憶される。通信アドレスは、第1制御部201により第3記憶部212から読み出されて、第2記憶部204にも同様に記憶されてもよい。第1制御部201は、起動したことに応答して、第3記憶部212に記憶される通信アドレス(同一のものが第2記憶部204に記憶され、以降そこから読み出されてもよい。)を読み出すことができる。
図2には、また、空調集中制御機6の構成例も示されており、点線24で区画された部分を除いたものが空調集中制御機6の構成例となる。空調集中制御機6は、負荷を除いて空調機2と同様の構成を有する。一方で、空調集中制御機6においては、第1記憶部602(ここで、空調集中制御機6上の空調機2のものに相当する部分を、符号の上位1桁を2から6に置き換えて参照する。)から読み出し、展開するファームウェアは、空調機としての動作を行うものではなく、空調機に対して集中制御を行うためのものである。また、第3記憶部612には、後述するアドレス管理情報が記憶される。アドレス管理情報は、第2記憶部604にも同様に記憶されてもよい。図17(A)は、アドレス管理情報のデータ構造の一例を示す。アドレス管理情報は、各空調機に設定されている通信アドレスおよび設置場所などの属性情報を含む。空調集中制御機6の第1制御部601は、アドレス管理情報を参照することにより、設置場所で識別される制御対象の空調機のアドレスを取得し、空調制御通信部605を介して制御を行う。
図2には、さらに、遠隔操作機4の構成例も示されており、空調集中制御機6と同様に、点線24で区画された部分を除いたものが遠隔操作機4の構成例となる。遠隔操作機4においては、第1記憶部402(遠隔操作機4上の空調機2の相当部分を、符号の上位1桁を2から4に置き換えて参照する。)から読み出し、展開するファームウェアは、遠隔操作を行うためのものである。また、第3記憶部412には、通信アドレスが記憶されてよい。通信アドレスは、第2記憶部404にも同様に記憶されてもよい。
図3は、携帯型情報端末7の構成例を示すブロック図である。図3も、図1および図2と同様に、1または複数の実施形態において共通して用いることができる構成例を示す。図3に示す携帯型情報端末7は、制御部71、主記憶部72、第1記憶部73、第2記憶部74、近距離無線通信部75およびネットワーク通信部76を含む。例えば、FLASH−ROMなどの第1記憶部73に記録したプログラム(オペレーティング・システムや設定支援アプリケーションを含む。)を、DRAMなどの主記憶部72に展開し、マイコンなどの制御部71は、展開したプログラムにもとづき動作する。
近距離無線通信部75は、空調機2または空調集中制御機6と近距離無線通信を行う。近距離無線としてNFCが用いられる場合は、携帯型情報端末7は、NFCのリーダ/ライタ機能を備えることとなる。
ネットワーク通信部76は、通信ネットワーク8を介して配置情報管理装置9と通信を行う。制御部71は、ネットワーク通信部76を介して、配置情報管理装置9から空調機配置情報を取得することができる。あるいは、ネットワーク通信部76で通信不可な環境においては、例えばSD(登録商標)カードなどの着脱可能な第2記憶部74へ事前に必要な空調機配置情報を記憶しておくこともできる。この空調機配置情報を用いて、携帯型情報端末7は、後述の空調機2または空調集中制御機6への通信アドレスの設定を行う。
図3に示す携帯型情報端末7は、さらに、入力部77および表示部78を含む。入力部77は、タッチパネルセンサーやボタン、キーボード、マウス、マイクロフォンなどの入力装置を含む。表示部78は、液晶パネルやOEL(Organic Electro-Luminescence)パネルなどの表示装置を含む。
図4は、配置情報管理装置9の構成例を示すブロック図である。図4も、図1〜図3と同様に、1または複数の実施形態において共通して用いることができる構成例を示す。図4に示す配置情報管理装置9は、制御部91、主記憶部92、ネットワーク通信部93、空調機配置情報記憶部94および第2記憶部95を含む。空調機配置情報記憶部94には、空調機配置情報941を記憶する。制御部91は、携帯型情報端末7からの要求に応答して、空調機配置情報記憶部94から空調機配置情報941を読み出し、ネットワーク通信部93を介して、空調機配置情報941を送信することができる。また、例えばSD(登録商標)カードなどの着脱可能な第2記憶部95へ事前に空調機配置情報941を複製しておくこともできる。この場合、携帯型情報端末7に第2記憶部95を装着することにより、携帯型情報端末7に空調機配置情報941を取得させることができる。なお、図4には、空調機配置情報記憶部94に、さらに、アドレス設定情報942が描かれているが、これは、第4の実施形態で参照されるものであり、後述する。
図5は、本発明の第1実施形態による空調システム1におけるアドレス設定の処理の流れおよびその主要な構成を説明する図である。空調機ネットワーク3のアドレス設定は、まず、(1)配置情報管理装置9に対する空調機配置情報の入力から始まる。空調機配置情報941は、設置する空調機の位置座標および接続する冷媒系統番号をデータ化したものである。空調機配置情報941は、例えば、設置対象物件のフロアマップ上の空調機の配置と接続情報などを定義した設計図面データなどに基づいて生成することができる。あるいは、空調機配置情報が手動で作業者により入力されてもよい。
図6(A)は、本発明の特定の実施形態において用いられる空調機配置情報941のデータ構造を例示する。図6(A)に示すように、空調機配置情報941は、空調機毎のレコードからなり、各レコードにおいては、例えば空調機の装置型式のフィールド941a、設置位置座標のフィールド941b、冷媒系統番号のフィールド941c、および、設置場所名のフィールド941dが含まれる。フィールド941bには、所定の設置位置座標を示す値、または、所定の設置位置座標の範囲を示す値が保持される。空調機配置情報941は、本実施形態において、空調機の設置位置座標などの紐付け情報と、冷媒系統番号などの冷媒系統識別情報と、設置場所名などの属性情報とを対応付ける対応付け情報を構成する。
なお、説明する実施形態では、設置位置座標を紐付け情報の一例として説明するが、紐付け情報は、空調機の設置位置を一意に指定できる限り、特に限定されるものではない。他の実施形態では、紐付け情報は、設置場所名であってもよいし、空調機や配管などの設備に識別情報(タグID)が付与されて位置を含めた管理がなされているような場合は、空調機識別情報や配管識別情報(タグID)であってもよい。すなわち、紐付け情報は、配置位置座標、配置場所名、空調機識別情報、配管識別情報の少なくとも1つを含むことができる。また、説明する実施形態では、設置場所名を属性情報の一例として説明するが、属性情報は、装置型式や他の情報を属性情報に含めてもよい。
アドレス設定においては、続いて、(2)携帯型情報端末7が空調機配置情報941を取得する。制御部71は、ネットワーク通信部76により、配置情報管理装置9から空調機配置情報941を受信する。あるいは、必要なデータが記憶された第2記憶部74が装着されたことに応答して、制御部71は、装着された第2記憶部74から空調機配置情報941を読み出す。この取得方法は、通信が整備されていない環境で作業を行う場合に有効である。ネットワーク通信部76または第2記憶部74は、本実施形態における取得部を構成する。
アドレス設定においては、続いて(3)携帯型情報端末7が作業位置を検出する。位置検出の方法は、特に限定されるものではないが、携帯型情報端末7の表示部78に表示した画面上でピンを設定したり、空調機のアイコンを選択したりするなどの座標指定により検出することができる。あるいは、携帯型情報端末7が3軸加速度センサや3軸角速度センサなどのモーションセンサを備える場合、作業前に位置を初期化し、これらのセンサ出力に基づいて自動推定により作業にかかる位置(初期位置からの変位)を検出することもできる。加速度センサや角速度センサの情報に加えて、GPS(Global Positioning System)やIPS(Indoor Positioning System)の情報を組み合わせてもよい。
図6(B)は、位置座標入力画面を例示する図である。作業者は、例えば図6(B)に示す位置座標入力画面771を表示部78に表示させて、その画面上で、ピン772を配置し、これから作業を行う位置の座標指定を行うことができる。ここで作業位置は、これから設定しようとする設定対象の空調機の位置を示す情報であるが、必ずしも、携帯型情報端末7の実際の位置と一致しなくともよい。入力された位置座標を検出する入力部77、または、センサ出力に基づいて作業位置を推定および検出する制御部71は、本実施形態における、作業位置座標を指定情報として検出する検出部を構成する。
なお、説明する実施形態では、作業位置座標を指定情報の一例として説明するが、指定情報は、設定対象の空調機一意に指定できる限り特に限定されるものではない。他の実施形態では、各空調機の設置場所に対して個別の名前が付けられているような場合は、指定情報は、設置場所名であってもよい。空調機や配管などの設備にタグIDが付与されて位置を含めた管理がなされているような場合は、指定情報は、空調機識別情報や配管識別情報(タグID)であってもよい。
アドレス設定においては、続いて(4)携帯型情報端末7がアドレス管理情報を生成する。アドレス管理情報は、図17(A)に示すテーブルの1レコード分のようなものであり、通信アドレスおよび設置場所名を含み構成される。通信アドレスは、典型的には、冷媒系統番号および系統内号機番号を組み合わせたものであり、冷媒系統の冷媒系統識別情報を含み構成される。制御部71は、取得した空調機配置情報941に基づいて、作業位置座標に対応付けされる冷媒系統を判別し、通信アドレスを生成するとともに、生成した通信アドレスに、対応付けられた配置場所名を付加して、アドレス管理情報を生成する。系統内号機番号は、適宜、系統内で採番することができる。制御部71は、本実施形態における判別部を構成する。
なお、説明する実施形態では、位置座標に基づいて冷媒系統を判別するものとして説明するが、紐付け情報や指定情報は、複数を組み合わせて利用することもできる。この場合、複数の情報に基づいて設定対象の空調機を判別することになるため、より確度の高い判別が可能となる。
アドレス設定においては、続いて(5)携帯型情報端末7が設定対象の空調機2に対しアドレスを書き込む。この際には、作業者は、空調機2の近距離無線通信部213のアンテナに対応する部位に、携帯型情報端末7の近距離無線通信部75のアンテナに対応する部位を接触させればよい。近距離無線通信部75は、設定対象の空調機2が備える第3記憶部212にアクセスするために、相手方空調機2の近距離無線通信部213との近距離無線通信を確立する。制御部71は、近距離無線通信部75を用いて、確立された近距離無線通信により、アドレス管理情報のうちの少なくとも通信アドレスを空調機2の第3記憶部212に書き込む。この書き込みアクセスに基づいて、設定対象の空調機2に対する通信アドレスの設定が行われる。近距離無線通信部75および制御部71は、それぞれ、本実施形態における通信部および書込制御部を構成する。また、制御部71は、本実施形態において、通信アドレスを空調機に設定するためのアドレス書き込み動作を実行する動作実行部を構成し得る。
なお、ここでは、設定対象の空調機に関連した記憶部として、設定対象の空調機2が備える第3記憶部212にアクセスすることとしているが、これに代えて、設定対象の空調機2に接続される遠隔操作機4の第3記憶部412にアクセスすることとしてもよい。この場合、空調機2が起動したタイミングで、遠隔操作機4の第3記憶部412に書き込まれた通信アドレスが、読み出されて、空調機2が備える第3記憶部212に書き込まれることとなる。なお、第3記憶部212または第3記憶部412は、近距離無線通信による誘導起電力に基づいて動作するため、アクセスの際に、空調機2や遠隔操作機4には、必ずしも電源が投入されていることを要さない。
作業者は、携帯型情報端末7を付帯し移動しながら、設置する空調機の数に応じて(3)〜(5)に対応する作業を繰り返し実行する。図5においては、空調機2−1から空調機2−n(ハイフンおよびそれに続く数字で異なる空調機を表している。)まで各空調機2に対し(3)作業位置検出、(4)アドレス管理情報の生成および(5)アドレス書き込みが繰り返される。
アドレス設定においては、続いて(6)携帯型情報端末7が、空調集中制御機6に対しアドレス管理情報を書き込む。近距離無線通信部75は、空調集中制御機6が備える第3記憶部612にアクセスするために、相手方の空調集中制御機6の近距離無線通信部613との近距離無線通信を別途確立する。制御部71は、近距離無線通信部75を用いて、別途確立された近距離無線通信により、これまで設定し、記憶していた空調機2のアドレス管理情報を一括して空調集中制御機6の第3記憶部612に書き込む。
アドレス設定においては、続いて(7)空調集中制御機6が、書き込まれたアドレス管理情報に基づきレイアウト設定を行う。空調集中制御機6は、書き込まれた通信アドレスおよび配置場所名を紐付けて管理する。
なお、上述した説明では、空調集中制御機6にアドレス管理情報を設定するものとして説明したが、遠隔操作機4に対しても、アドレスまたはアドレス管理情報を書き込み、管理させることもできる。
図7は、本発明の第1実施形態による空調システム1において実行される各装置間のやり取りを示すシーケンス図である。図7に示す処理は、ステップS101から開始され、携帯型情報端末7は、配置情報管理装置9に空調機配置情報941を問い合わせる。ステップS102では、配置情報管理装置9は、携帯型情報端末7に空調機配置情報941を応答する。
以下のステップS103〜S108は、設置する空調機2毎に繰り返し実施される。ステップS103では、携帯型情報端末7は空調機2の第2電源ブロック210に、近距離無線通信で接続する。ステップS104では、空調機2の第2電源ブロック210は、携帯型情報端末7からの誘導起電力により動作し、応答する。ステップS105では、携帯型情報端末7は、現在の作業位置を検出する。ステップS106では、携帯型情報端末7は、アドレス管理情報を生成する。ステップS107では、携帯型情報端末7は、確立された近距離無線通信を介して、決定した通信アドレスを空調機2の第3記憶部212に書き込む。ステップS108では、空調機2の第2電源ブロック210は、書込み済を応答する。
なお、図7に示すシーケンス図では、ステップS103およびステップS104で通信接続を行った後に、作業位置の検出(S105)、アドレス管理情報の生成(S106)およびアドレス書き込み(S107,S108)を行うものとして説明した。これは、作業位置を自動推定する場合に好適であるが、画面上での位置座標の指定を行う場合などは、ステップS103およびステップS104の通信接続をステップS105またはステップS106の後にしてもよい。
ステップS103〜S108が必要な空調機の分だけ繰り返し実施されると、ステップS109で、携帯型情報端末7は、空調集中制御機6の第2電源ブロック610に近距離無線通信で接続する。ステップS110では、空調集中制御機6の第2電源ブロック610は、携帯型情報端末7からの誘導起電力により動作し、応答する。ステップS111では、携帯型情報端末7は、確立された近距離無線通信を介して、ス生成したアドレス管理情報を空調集中制御機6の第3記憶部612に書き込む。ステップS112では、空調集中制御機6が書込み済を応答する。
以降は、各空調機2および空調集中制御機6の設置後の試運転などにおけるシーケンスである。
ステップS113では、空調機2は、通電され、第1電源ブロック200に給電される。ステップS114では、空調機2は、起動する。ステップS115では、空調機2の第1制御部201は、第2制御部211に通信アドレスを問い合わせる。ステップS116では、空調機2の第2制御部211は、第3記憶部212から読み出した通信アドレスを応答する。以降、空調機2は、応答された通信アドレスに基づいて動作する。必要に応じて、通信アドレスが、第2記憶部204に記憶される。
ステップS117では、空調集中制御機6は、通電され、第1電源ブロック600に給電される。ステップS118では、空調集中制御機6は、起動する。ステップS119では、空調集中制御機6の第1制御部601は、第2制御部611にアドレス管理情報を問い合わせる。ステップS120では、空調集中制御機6の第2制御部611は、第3記憶部612から読み出した1または複数の空調機のアドレス管理情報を応答する。以降、空調集中制御機6は、応答されたアドレス管理情報に基づいて制御を行う。
なお、上述した説明では、ステップS101およびステップS102で、携帯型情報端末7が空調機配置情報941を取得し、S105およびS106の処理は、携帯型情報端末7が実行するものとして説明した。携帯型情報端末7が行う方が、配置情報管理装置9と独立して作業を行える観点から有用である。しかしながら、他の実施形態では、ステップS105やS106の処理を、逐次、配置情報管理装置9と通信し、配置情報管理装置9で行うようにしてもよい。つまり、特定の実施形態では、配置情報管理装置9が設定支援装置を構成してもよい。この場合、配置情報管理装置9がアドレス管理情報を携帯型情報端末7に伝達する動作が、通信アドレスを空調機2に設定するための動作となる。
また、説明する実施形態では、携帯型情報端末7から近距離無線通信12を介して空調機2に通信アドレスを書き込むものとしているが、上述したように、空調機2の代わりに、空調機2に接続する遠隔操作機4の第3記憶部412に書き込むようにしてもよい。その場合、空調機2は、図7のステップS115で自身に接続された遠隔操作機4から通信アドレスを読み込む。
図8は、本発明の第1実施形態による携帯型情報端末7が実行する動作を示すフローチャートである。図8に示す処理は、例えば、作業者が、携帯型情報端末7の画面上で、空調機の設置作業を開始する操作を行ったことに応答して、ステップS200から開始される。ステップS201では、制御部71は、ネットワーク通信部76を用いて、配置情報管理装置9に空調機配置情報941を問い合わせ、取得する。ステップS202では、制御部71は、近距離無線通信部75を用いて、空調機2の第2電源ブロック210に通信接続する。ステップS203では、制御部71は、空調機2の応答が対象装置からのものか否かを、例えば装置型式の一致により確認する。ステップS203で、対象装置からの応答ではないと判断された場合(NO)は、制御部71は、ステップS204で、エラー通知を行い、ステップS202へ処理を戻し、対象の装置との通信接続を待ち受ける。
一方、ステップS203で対象装置からの応答であると判断した場合(YES)は、ステップS205へ処理が進められる。ステップS205では、制御部71は、現在の作業位置を検出する。ステップS206では、制御部71は、配置情報管理装置9から取得した空調機配置情報941を参照し、現在の作業位置に適合する設置位置座標を検索し、該当する空調機の冷媒系統番号を用いて、アドレスを決定し、アドレス管理情報を生成する。このとき、例えば、冷媒系統番号の中で系統内号機番号をインクリメントすることにより、一意のアドレスを生成することができる。例えば、図6(A)に示す例の空調機配置情報が与えられた場合において、現在作業位置(3,6)が検知されたとき、2番目の配置位置座標(3,6)に対応付けられた冷媒系統番号「0」が取得され、例えば通信アドレス「0−001」が決定される。そして、通信アドレスに配置場所名「A棟5階502」が付加される。
ステップS207では、制御部71は、確立された近距離無線通信により、生成した通信アドレスを空調機2の第3記憶部212に書き込む。この書き込み動作は、本実施形態において、通信アドレスを空調機2に設定するための動作となる。ステップS208では、制御部71は、通信アドレスが正常に書き込まれたか確認する。ステップS208で書き込みに失敗したと判断された場合(NO)、制御部71は、ステップS204で、エラー通知を行い、ステップS202へ処理を戻し、当該空調機について操作を最初からやり直す。
一方、ステップS208で書き込みが成功したと判断された場合(YES)、制御部71は、ステップS209へ処理を進め、設定すべき全空調機について通信アドレスを書き込まれたかを判断する。ステップS209で、設定すべき未設定の空調機が未だ有ると判断された場合(NO)は、ステップS202へループさせて、次の空調機との通信接続を待ち受ける。
一方、ステップS209で、設定すべき全空調機について通信アドレスが書き込まれたと判断された場合(YES)は、ステップS210へ処理が分岐される。この際に、例えば、携帯型情報端末7の画面上に、空調集中制御機6に書き込みを行うことを促す通知がなされてもよい。ステップS210では、制御部71は、近距離無線通信部75を用いて、空調集中制御機6の第2電源ブロック610に通信接続する。ステップS211では、制御部71は、空調集中制御機6の第2電源ブロック610の応答を確認する。ステップS211で応答を確認できなかった場合(NO)、制御部71は、ステップS214で、エラー通知を行い、ステップS210へ処理を戻し、空調集中制御機6との通信接続を待ち受ける。
一方、ステップS211で空調集中制御機6からの応答を確認できた場合(YES)は、ステップS212へ処理が進められる。ステップS212では、制御部71は、全空調機について生成したアドレス管理情報を空調集中制御機6の第3記憶部612に書き込む。ステップS213では、制御部71は、アドレス管理情報が正常に書き込まれたか確認する。ステップS213で、アドレス管理情報が正常に書き込まれなかったと判定された場合(NO)は、制御部71は、ステップS214でエラー通知を行い、ステップS210へ処理を戻し、空調集中制御機6との通信を最初からやり直す。ステップS213で、アドレス管理情報が正常に書き込まれたと判定された場合(YES)は、ステップS215で本処理が終了する。
なお、上述した図8のフローチャートでは、エラー通知後も作業を継続できる態様としているが、これに限定されるものではない。例えば、エラー通知後に、作業者が全作業を中止できるように構成することもできる。
図9は、本発明の第1実施形態による空調機2が実行する動作を示すフローチャートである。図9に示す処理は、例えば、空調機2に通電されたことに応答して、ステップS300から開始される。ステップS301では、空調機2は、通電され、初期起動を行う。ステップS302では、第1制御部201は、第2制御部211を介して、第3記憶部212より通信アドレスを読出す。ステップS303では、第1制御部201は、通信アドレスが設定されているかを確認する。ステップS303で、通信アドレスが設定済みであると判定された場合(YES)は、ステップS304で、第1制御部201は、読み出した通信アドレスにしたがって動作を開始し、ステップS306で本処理を終了させる。一方、正しい情報を読み出せない場合など通信アドレスが未設定であると判定された場合(NO)は、ステップS305で、第1制御部201は、エラー通知やログ記録を行い、ステップS306で本処理を終了する。
図10は、本発明の第1実施形態による空調集中制御機6が実行する動作を示すフローチャートである。図10に示す処理は、例えば、空調集中制御機6に通電されたことに応答して、ステップS400から開始される。ステップS401では、空調集中制御機6は、通電され、初期起動を行う。ステップS402では、第1制御部601は、第2制御部611を介して、第3記憶部612よりアドレス管理情報を読出す。ステップS403では、第1制御部601は、アドレス管理情報が設定されているかを確認する。ステップS403で、アドレス管理情報が設定済みであると判定された場合(YES)は、ステップS404で、第1制御部601は、読み出したアドレス管理情報に従って動作を開始し、ステップS406で本処理を終了させる。一方、正しい情報を読み出せない場合などアドレス管理情報が未設定であると判定された場合(NO)は、ステップS405で、第1制御部601は、エラー通知やログ記録を行い、ステップS406で本処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯型情報端末7が、作業位置を検出し、空調機配置情報941に基づいて、作業位置に対応付けられる冷媒系統番号を判別した上で通信アドレスを決定する。このため、空調機ネットワーク3内に複数の冷媒系統が混在する場合であっても、簡便かつ誤り無く、適切な通信アドレスを空調機2に設定することが可能となる。
また、空調機ネットワーク内における空調機間の通信のためアドレス設定は、従来、各空調機の基板に設けた、ディップスイッチやロータリスイッチなどの機構部品を用いて行われている場合がある。従来のスイッチなどによるアドレス設定は、煩雑で設定誤りが起き易く、実装コストもかかってしまう。また、ディップスイッチやロータリスイッチを用いる場合、電源が切断された情報で設定を行う必要がある。これに対し、上述した実施形態では、携帯型情報端末7から近距離無線通信12を介して空調機2のアドレス設定をすることができる。これにより、基板上のスイッチが不要となるため、基板実装コストを削減することが可能となる。また、上述した実施形態では、携帯型情報端末7が送信する電波を用いて空調機2の第2電源ブロック210が誘導起電力により動作する。このため、空調機設置前の空調機2の電源が切断されている状態でも、アドレス設定を実施することが可能となる。
さらに、上述した実施形態では、携帯型情報端末7から近距離無線通信12を介して空調集中制御機6や遠隔操作機4に対し、各空調機2の通信アドレスまたはアドレス管理情報を設定することができる。このため、空調集中制御機6は、各空調機2を集中制御することが可能となり、遠隔操作機4も接続された空調機を管理することが可能となる。
[第2実施形態]
以上説明した第1実施形態では、空調集中制御機6に対するアドレス管理情報の伝達は、携帯型情報端末7から近距離無線通信12を介して行っていた。ところで、各空調機2に対するアドレス設定が完了すれば、各空調機2と空調集中制御機6とは、空調機ネットワークにより通信が可能となる。このため、アドレス管理情報の伝達は、近距離無線通信12に代えて、空調機ネットワーク3を介して行ってもよい。以下、アドレス管理情報の伝達が、設定が完了した空調機2から空調機ネットワークを介して行われる、第2実施形態について説明する。
図11は、本発明の第2実施形態による空調システム1におけるアドレス設定の処理の流れおよびその主要な構成を説明する図である。処理(1)〜(4)は、図5を参照して説明した第1実施形態と同様であるので説明を割愛する。
アドレス設定においては、処理(1)〜(4)が完了すると、続いて、(5)携帯型情報端末7が設定対象の空調機2に対しアドレス管理情報を書き込む。制御部71は、近距離無線通信部75を用いて、確立された近距離無線通信により、対応する配置場所名を通信アドレスに付加して生成したアドレス管理情報を、空調機2の第3記憶部212に書き込む。空調機2側では、この書き込みアクセスに基づいて、第2電源ブロック210が動作し、第2制御部211が、要求された通信アドレスおよび配置場所名を第3記憶部212に記憶する。これにより、空調機2に対する通信アドレスの設定が行われるとともに、配置場所名などの属性情報も空調機2に保持される。近距離無線通信部75および制御部71は、それぞれ、本実施形態における通信部および書込制御部を構成する。
作業者は、携帯型情報端末7を付帯し移動しながら、設置する空調機の数に応じて(3)〜(5)に対応する作業を繰り返し実行し、その後、設置した空調機2を通電させる。
以降、(6)起動した空調機2は、空調機ネットワーク3を介してアドレス管理情報を送信する。第3記憶部212に記憶されたアドレス管理情報は、起動後、適宜、読み出されて、第1電源ブロック200の第2記憶部204に記憶される。第1制御部201は、空調集中制御機6からの問い合わせに応答して、空調制御通信部205を用いて、空調集中制御機6にアドレス管理情報を送信する。
そして、(7)空調集中制御機6は、収集した1または複数の空調機のアドレス管理情報に基づきレイアウト設定を行う。空調集中制御機6は、収集した通信アドレスおよび配置場所名を紐付けて管理する。
図12は、本発明の第2実施形態による空調システム1において実行される各装置間のやり取りを示すシーケンス図である。図12に示すステップS501〜S506の処理は、図7に示したステップS101〜S106の処理と同様であるため説明を割愛する。ステップS507では、携帯型情報端末7は、確立された近距離無線通信を介して、生成したアドレス管理情報を空調機2の第3記憶部212に書き込む。ステップS508では、空調機2の第2電源ブロック210は、書込み済を応答する。
以降は、各空調機2および空調集中制御機6の設置後の試運転などにおけるシーケンスである。
空調機2は、ステップS509で通電され、ステップS510で起動する。ステップS511では、空調機2の第1制御部201は、第2制御部211にアドレス管理情報を問い合わせる。ステップS512では、空調機2の第2制御部211は、第3記憶部212から読み出したアドレス管理情報を応答する。以降、空調機2は、応答されたアドレス管理情報内の通信アドレスに基づいて動作する。
空調集中制御機6は、ステップS513で通電され、ステップS514で、起動する。ステップS515では、空調集中制御機6の第1制御部601は、空調制御通信部205を用いて、空調機ネットワーク3を介して空調機2にアドレス管理情報を問い合わせる。ステップS516では、空調機2は、アドレス管理情報を応答する。なお、ステップS515の問い合わせは、空調機ネットワーク3内のすべての空調機2に対して個別に、またはブロードキャストで行われる。空調集中制御機6は、各空調機2からアドレス管理情報の応答を受け取り、第2記憶部604に記憶する。空調集中制御機6の第1制御部601は、ステップS517で、受け取った1または複数のアドレス管理情報を収集し、ステップS518で、1または複数のアドレス管理情報に基づいてレイアウト設定を行う。
なお、上述した説明では、空調集中制御機6にアドレス管理情報を設定するものとして説明したが、遠隔操作機4に対しても、アドレスまたはアドレス管理情報を書き込み、管理させることもできる。また、上述した実施形態では、空調集中制御機6のため、通信アドレスに関連付けて設置場所名を管理するものとして説明した。しかしながら、空調機ネットワーク3に空調集中制御機6を設けない比較的小規模な環境においては、設置場所名の管理は必須ではない。その場合、空調機配置情報941で設置場所名が対応づけられていなくともよいし、空調機2は、自身に設定されたアドレスを送信し、遠隔操作機4は、受信したアドレスを登録する。
なお、携帯型情報端末7が実行する動作は、図8に示すフローチャートにおいて、ステップS209の判定が肯定的であった場合(YES)に、直接ステップS215へ分岐させたものとなる。
[第3実施形態]
以上説明した第1および第2実施形態では、携帯型情報端末7と空調機2との近距離無線通信は、アドレスまたはアドレス管理情報を書き込むアクセスであった。ところで、NFCなどのタグでは、タグ固有の識別情報を保持しており、この固有の識別情報を読み出すことで、各空調機2に対するアドレス設定を行ってもよい。以下、読み込みアクセスに基づいて各空調機2に対するアドレス設定が行われる、第3実施形態について説明する。
図13は、本発明の第3実施形態による空調システム1におけるアドレス設定の処理の流れおよびその主要な構成を説明する図である。処理(1)〜(3)は、図5を参照して説明した第1実施形態と同様であるので説明を割愛する。
アドレス設定においては、処理(1)〜(3)が完了すると、続いて(4)携帯型情報端末7が設定対象の空調機2からタグIDを読み込む。制御部71は、近距離無線通信部75を用いて、確立された近距離無線通信により、空調機2の第3記憶部212からタグIDを読み込む。ここで、タグIDは、一般的には、書換不可の固有の識別情報であり、空調機2を固有に識別する。この読み込みアクセスに基づいて、後述するように、設定対象の空調機2に対する通信アドレスの設定が間接的に実現される。近距離無線通信部75および制御部71は、それぞれ、本実施形態における通信部および読込制御部を構成する。
アドレス設定においては、続いて(5)携帯型情報端末7が空調機設定情報を生成する。空調機設定情報は、読み込んだタグIDなどの固有の識別情報と、冷媒系統番号などの冷媒系統識別情報と、設置場所名などの属性情報とを含み構成される。ここでは、通信アドレスは、生成されてもよいが、生成されなくともよい。制御部71は、取得した空調機配置情報941に基づいて、作業位置座標に対応付けされる冷媒系統番号を判別し、対応する配置場所名を取得し、これらをタグIDに付加して、空調機設定情報を生成する。制御部71は、本実施形態における判別部を構成する。
作業者は、携帯型情報端末7を付帯し移動しながら、設置する空調機の数に応じて(3)〜(5)に対応する作業を繰り返し実行する。
アドレス設定においては、続いて(6)携帯型情報端末7が、空調集中制御機6に対し空調機設定情報を書き込む。近距離無線通信部75は、空調集中制御機6が備える第3記憶部612にアクセスするために、相手方の空調集中制御機6の近距離無線通信部613との近距離無線通信を別途確立する。制御部71は、近距離無線通信部75を用いて、別途確立された近距離無線通信により、これまで設定した空調機2の空調機設定情報を空調集中制御機6の第3記憶部612に書き込む。この空調機設定情報を空調集中制御機6に渡すための書き込み動作が、本実施形態において、通信アドレスを空調機2に設定させるための契機となる動作となり、制御部71は、本実施形態において、動作実行部を構成し得る。
アドレス設定においては、続いて(7)空調集中制御機6が、渡された空調機設定情報に基づきアドレス割当を行う。第1制御部601は、取得した空調機設定情報内の冷媒系統と、採番した系統内号機番号とを組み合わせて通信アドレスを生成するとともに、生成した通信アドレスに、取得した空調機設定情報内の設置場所名を紐付ける。
(8)空調集中制御機6は、生成した通信アドレスおよび設置場所名に基づいて、レイアウト設定を行う。空調集中制御機6は、生成した通信アドレスおよび配置場所名を紐付けて管理する。
アドレス設定においては、続いて(9)空調集中制御機6が、空調機ネットワーク3を介して各空調機2に通信アドレスを設定させる。第1制御部601は、空調制御通信部205を用いて、空調機ネットワーク3を介し、各空調機2にタグIDに基づいて通信アドレスを伝達し、第2記憶部204に通信アドレスを書き込ませる。第1制御部601は、本実施形態における設定制御部を構成する。第3実施形態においては、携帯型情報端末7ではなく空調集中制御機6が設定制御部を備えることになる。
図14は、本発明の第3実施形態による空調システム1において実行される各装置間のやり取りを示すシーケンス図である。図14に示す処理は、ステップS601から開始され、携帯型情報端末7は、配置情報管理装置9に空調機配置情報941を問い合わせ、ステップS602で、空調機配置情報941の応答を受ける。
以下のステップS603〜S608は、設置する空調機毎に繰り返し実施される。ステップS603では、携帯型情報端末7は、現在の作業位置を検出する。ステップS604では、携帯型情報端末7は空調機2の第2電源ブロック210に、近距離無線通信で接続する。ステップS605では、空調機2の第2電源ブロック210は、携帯型情報端末7からの誘導起電力により動作し、応答する。ステップS606では、携帯型情報端末7は、確立された近距離無線通信を介して、空調機の第3記憶部212からタグIDを読み込むために、IDの問い合わせを行う。ステップS607では、空調機2の第2電源ブロック210は、携帯型情報端末7に対し、タグIDを応答する。ステップS608では、携帯型情報端末7は、空調機設定情報を生成する。
ステップS603〜S608が必要な空調機の分だけ繰り返し実施されると、ステップS609で、携帯型情報端末7は、近距離無線通信を介して、各空調機2に対し生成した空調機設定情報を空調集中制御機6の第3記憶部612に書き込む。ステップS610では、空調集中制御機6が書込み済を応答する。
空調機2は、ステップS611で通電され、ステップS612で起動する。空調集中制御機6は、ステップS613で通電され、ステップS614で起動する。ステップS615では、空調集中制御機6の第1制御部601は、第2制御部611に空調機設定情報を問い合わせる。ステップS616では、空調集中制御機6の第2制御部611は空調機設定情報を応答する。ステップS617では、空調集中制御機6の第1制御部601は、アドレス割り当てを行う。ステップS618では、空調集中制御機6の第1制御部601は、空調制御通信部605を用いて空調機ネットワーク3を介して、例えばブロードキャストによって、各空調機2に対しタグIDを付加した通信アドレスを伝達する。ステップS619では、空調機2は、自身のタグIDが付加された通信アドレスを書き込み、書込み済を応答する。ステップS620では、空調集中制御機6の第1制御部601は、生成した空調機設定情報および通信アドレスに基づいてレイアウト設定を行う。
なお、携帯型情報端末7が実行する動作は、図8に示すフローチャートと、一部の構成を除き同様のものとなる。より具体的には、ステップS206およびS207の処理に代えて、タグIDの読み出しおよび空調機設定情報の生成が行われる。また、ステップS208では、書き込みの成功に代えて読み込みの成功が判定される。ステップS212では、アドレス管理情報に代えて、空調機設定情報の書き込みが行われる。
[第4実施形態]
複数の作業者によりそれぞれの携帯型情報端末7を用いて分担して空調機の設置作業を行う場合、異なる作業者が同じ空調機2にアドレス設定を行ってしまう蓋然性があり、設定済みの空調機2を識別し、アドレスの重複設定を予防することが好ましい。また、説明した第1〜第3実施形態では、通信アドレスを構成する一部の情報(系統内号機番号)が、システムにより自動で採番されたものであった。このため、複数の作業者が分担して空調機の設置作業を行う場合、設定済みの号機内番号との重複を検知し、アドレスの重複設定の蓋然性を軽減することが好ましい。以下、このようなアドレスの重複設定の蓋然性を軽減することができる第4実施形態について説明する。
ここで、再び図4を参照する。図4は、第4実施形態における配置情報管理装置9の構成例も示す。図4に示すように、空調機配置情報記憶部94は、さらに、アドレス設定情報942を格納する。
図17(B)は、アドレス設定情報942のデータ構造を例示する。図17(B)に示すように、アドレス設定情報942は、各空調機2の第3記憶部212に記憶されているIDのフィールド942aおよび通信アドレスのフィールド942bを含む。IDは、例えばNFCのタグIDであり、装置毎に一意で書換不可である。そして通信アドレスは、IDで識別される空調機に設定された通信アドレスである。
なお、説明する実施形態では、アドレス設定情報942が空調機2のIDおよび通信アドレスの両方を記憶するものとして説明する。しかしながら、同一空調機に対する重複設定を防止する観点からは、設定を行った各空調機2のIDが記録されていれば充分である。一方、同一アドレスの重複設定を防止するためであれば、各空調機2に設定されたアドレスが記録されていれば充分である。
制御部91は、外部装置からのIDを伴う問い合わせに応じて、アドレス設定情報942に該当するIDが既に登録されている場合は、アドレスの重複設定が発生したとし、該当IDが設定済みである旨を応答する。また、制御部91は、外部装置からのアドレスを伴う問い合わせに応じて、アドレス設定情報942内に該当アドレスが既に登録されている場合は、アドレスの重複設定が発生したとし、同一アドレス設定済みである旨を応答する。
第4実施形態においては、空調機配置情報記憶部94が、空調機2に設定した通信アドレスおよび空調機の識別情報の一方または両方を記録する記録部を構成する。そして、制御部91が記録された情報に基づいて、アドレスの重複設定を検知する重複検知部を構成する。
図15は、本発明の第4実施形態による空調システム1において実行される各装置間のやり取りを示すシーケンス図である。なお、図15に示すシーケンス図は、図7に示すシーケンス図と共通する部分が多いため、共通する部分は同一のステップ番号を用い、差分となるステップを中心に説明する。
図15は、図7と比較して、ステップS104と,S105の間に、ステップS701〜S704が挿入されている点で異なる。ステップS701では、携帯型情報端末7は、空調機2の第3記憶部212に記憶されているIDを問い合わせる。ステップS702では、空調機2は、IDを応答する。ステップS703では、携帯型情報端末7は取得したIDに対応するアドレス設定状態を配置情報管理装置9に問い合わせる。ステップS704では、配置情報管理装置9は、アドレス設定情報942を参照し、アドレス設定状態を応答する。アドレス設定状態としては、「該当ID未設定」または「該当ID設定済」のいずれか応答される。ここでは、アドレス設定状態「該当ID未設定」が応答されたものとして説明を続ける。
また、図15は、図7と比較して、ステップS108,S109の間に、ステップS705〜S706が挿入されている点で異なる。ステップS705では、携帯型情報端末7は、空調機2のアドレス書き込み成功後に、空調機2のIDと設定した通信アドレスを配置情報管理装置9に登録依頼する。S706では、配置情報管理装置9は、アドレス設定情報942に空調機2のIDと設定された通信アドレスを登録し、応答する。なお、この際に、同一アドレスが既に登録済みであった場合は、配置情報管理装置9は、否定的な応答を返し、携帯型情報端末7は、ステップS106からやり直せばよい。あるいは、他の実施形態では、ステップS106とステップS107の間にステップS705〜S706が行われてもよい。
図16は、本発明の第4実施形態による携帯型情報端末7が実行する動作を示すフローチャートである。なお、図16に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートと共通する部分が多いため、共通する部分は同一のステップ番号を用い、差分となるステップを中心に説明する。
図16は、図8と比較すると、ステップS203の判定で肯定的な結果となった場合(YES)に、ステップS801〜S803が挿入されて、ステップS802の判定で否定的な結果となった場合(NO)にステップS205へ分岐するよう構成されている点で異なる。ステップS801では、携帯型情報端末7は、空調機2の第2電源ブロック210にIDを問い合わせて、IDを取得する。ステップS802では、携帯型情報端末7は、取得したIDについて、アドレスが設定されているか否かを、配置情報管理装置9に問い合わせる。ステップS802でアドレス設定済であると判定された場合(YES)は、ステップS803で、携帯型情報端末7は、表示部78により表示画面にアドレス設定済通知を行う。ステップS802でアドレス未設定であると判定された場合(NO)は、ステップS205へ分岐させる。
図16は、図8と比較すると、さらに、ステップS208の判定で肯定的な結果となった場合(YES)に、ステップS804へ分岐し、その後にステップS209へ進めるよう構成されている点で異なる。ステップS804では、携帯型情報端末7は、空調機2のIDと設定した通信アドレスを配置情報管理装置9に登録依頼する。なお、図示しないが、この際に、同一アドレスが既に登録済みであった場合は、携帯型情報端末7は、ステップS206からやり直すように構成することができる。あるいは、他の実施形態では、ステップS206とステップS207の間で配置情報管理装置9に通信アドレスの事前登録依頼を行うこととしてもよい。
以上説明した第4実施形態によれば、配置情報管理装置9は、各空調機のアドレス設定情報942を記憶し、携帯型情報端末7は、アドレスの設定重複がない場合にだけアドレス設定を行うよう構成されている。このため、複数の携帯型情報端末7を用いて分担して空調機2にアドレスを設定する場合でも、アドレスの設定重複の蓋然性を好適に低減することができる。
[他の実施形態]
本発明の実施形態として、さらに種々の変形例が考えられる。上述した実施形態では、通信アドレスを構成する一部の情報(系統内号機番号)は、システムにより自動的に作番されるものとして説明した。しかしながら、他の実施形態では、系統内号機番号をユーザ入力に基づいて生成してもよい。また、上述した実施形態では、アドレスに関連付ける設置場所名も、事前に空調機配置情報941内で定義されるものとして説明した。しかしながら、作業位置の検知の際に併せて作業者に設置場所名を入力するよう求めることとしてもよい。その際の系統内号機番号や設置場所名の入力方法も特に限定されるものではない。例えば、表示画面に配置場所名や系統内号機番号の選択肢を例えばプルダウンメニューなどのGUI(Graphical User Interface)などを用いて表示し、選択肢の中から選択を受けることとしてもよい。あるいは、他の特定の実施形態では、表示画面でソフトウェア/ハードウェアキーボードを用いて配置場所名や系統内号機番号が直接入力されてもよい。さらに他の実施形態では、音声認識に基づいて配置場所名や系統内号機番号が入力されてもよい。
図18は、本発明の複数の実施形態による配置場所名および系統内号機番号の入力方法を例示するブロック図である。
図18(A)に示すアドレス設定メニュー画面781では、配置場所名の選択を受け付けるプルダウンメニュー781aと、所定の系統内号機番号を含むアドレス(ここでは異なる系統内号機番号のアドレスが選択できないようになっている。)の選択肢を受け付けるプルダウンメニュー781bとを含む。
図18(B)に示すアドレス設定入力画面782では、配置場所名の入力を受けるテキストボックス782aと、所定の系統内号機番号を含むアドレス(ここでは系統内号機番号の編集ができないようになっている。)の入力を受けるテキストボックス782bと、ソフトウェア・キーボード782cとを含む。
図18(C)に示すアドレス設定音声入力画面783では、配置場所名の入力を受けるテキストボックス782aと、所定の系統内号機番号を含むアドレス(ここでは系統内号機番号の編集ができないようになっている。)の入力を受けるテキストボックス782bと、音声入力を促すアイコン783cとを含む。
なお、ここでは、配置場所名を入力するための方法を説明したが、上述したように、指定情報としての空調機識別情報または配管識別情報も同様の入力方法で入力することができる。
以上説明したように、上述した実施形態によれば、空調機ネットワークにおいて、空調機に対し、その冷媒系統識別情報に応じたアドレスを効率良く設定することを可能とする設定支援システム、設定支援装置、設定支援方法、プログラムおよび空調機が提供される。
なお、本発明の実施形態は、上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれ得る。例えば、上記した実施形態は、分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
さらに、本開示においては、上述した目的の他、基板実装コストを減らすことおよび空調機の電源切断時にもアドレスを設定することを主たる目的として、さらなる他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。この目的においては、携帯型情報端末7は、必ずしも現在の作業位置を検出し、空調機配置情報941を参照し、冷媒系統番号を判別してアドレスを決定しなくてもよい。すなわち、携帯型情報端末7が、作業者の画面操作または音声操作を受けつけ、直接アドレスを決定するようにしても良い。例えば、図18(A)で示した設定メニュー画面において、作業者が画面上のプルダウンリストから空調機の設置場所名および冷媒系統も含むアドレスを選択するようにしてもよい。また、図18(B)に示すアドレス設定入力画面において、作業者が画面上のソフトキーボードから空調機の設置場所名および冷媒系統も含むアドレスを入力するようにしてもよい。また、図18(C)に示す音声入力画面から、作業者の音声に基づいて、空調機の設置場所名および冷媒系統も含むアドレスを認識するようにしてもよい。
また上記の各構成、機能、処理部、処理手段等の一部または全部は、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。さらに、上記の各構成、機能等の一部または全部は、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)などのレガシープログラミング言語やオブジェクト指向プログラミング言語などで記述された、プロセッサがそれぞれの機能を実現するコンピュータ実行可能なプログラムにより実現でき、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイルなどの情報は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)ROM、EEPROM、EPROM、フラッシュメモリなどの記憶装置、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、ブルーレイディスク、SD(登録商標)カード、MOなど装置可読な記録媒体に格納して、あるいは電気通信回線を通じて頒布することができる。
また、さらに、上記の各構成、機能等の一部または全部は、例えばフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのプログラマブル・デバイス(PD)上に実装することができ、上記機能部をPD上に実現するためにPDにダウンロードする回路構成データ(ビットストリームデータ)、回路構成データを生成するためのHDL(Hardware Description Language)、VHDL(Very High Speed Integrated Circuits Hardware Description Language)、Verilog−HDLなどにより記述されたデータとして記録媒体により配布することができる。また制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。また以上の説明で例示した各種のデータの形式は、例えば、CSV(Comma-Separated Values)、XML(eXtensible Markup Language)、バイナリ(binary)などにより構成することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
1:空調システム1
2:空調機(室内空調機,室外空調機)
3:空調機ネットワーク
4:遠隔操作機
5:接続線
6:空調集中制御機
7:携帯型情報端末
8:通信ネットワーク
9:配置情報管理装置
12:近距離無線通信
20:主基板
21:副基板
22:負荷
23:電源
200:第1電源ブロック
201:第1制御部
202:第1記憶部
203:主記憶部
204:第2記憶部
205:空調制御通信部
210:第2電源ブロック
211:第2制御部
212:第3記憶部
213:近距離無線通信部
71,91:制御部
72,92:主記憶部
73:第1記憶部
74,95:第2記憶部
75:近距離無線通信部
76,93:ネットワーク通信部
77:入力部
78:表示部
94:空調機配置情報記憶部

Claims (21)

  1. 携帯型情報端末を用いて空調機ネットワークの設定を支援する設定支援システムであって、
    空調機の紐付け情報と冷媒系統識別情報とを対応付ける対応付け情報を取得する取得部と、
    前記紐付け情報に対応し、前記携帯型情報端末の位置を示す指定情報を検出する検出部と、
    前記対応付け情報および前記携帯型情報端末の前記位置を示す前記指定情報に応じて決定されるアドレスであって、前記対応付け情報において検出された前記指定情報に適合する紐付け情報に対応付けられた冷媒系統識別情報に基づく前記アドレスを、前記携帯型情報端末を用いた近距離無線通信に基づいて、設定対象の空調機に設定する設定制御部と
    を含む、設定支援システム。
  2. 前記設定支援システムは、
    前記設定対象の空調機に関連した記憶部にアクセスするための近距離無線通信を確立する通信部
    を含み、前記アクセスに基づいて、前記設定対象の空調機に前記アドレスが設定される、請求項1に記載の設定支援システム。
  3. 前記設定対象の空調機に関連した前記記憶部は、近距離無線通信による誘導起電力に基づいて動作することを特徴とする、請求項2に記載の設定支援システム。
  4. 前記紐付け情報は、複数の情報を含み、前記設定支援システムは、前記紐付け情報が含む前記複数の情報に基づいて前記指定情報に対応する冷媒系統識別情報を判別する判別部を含む、請求項2または3に記載の設定支援システム。
  5. 前記アドレスを構成する一部の情報は、作番されるか、または、ユーザ入力に基づいて生成され、前記設定支援システムは、
    空調機に設定したアドレスおよび空調機の識別情報の一方または両方を記録する記録部と、
    前記記録部により記録された情報に基づいて、アドレスの重複設定を検知する重複検知部と
    を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の設定支援システム。
  6. 前記設定制御部は、前記設定対象の空調機に関連した前記記憶部に対し、確立された前記近距離無線通信により、前記アクセスとして前記アドレスの書き込みを行うことで前記設定対象の空調機に前記アドレスを設定する書込制御部であり、前記設定支援システムは、前記通信部および前記書込制御部を備える前記携帯型情報端末を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の設定支援システム。
  7. 前記設定支援システムは、1または複数の空調機と、空調集中制御機および遠隔操作機のいずれか一方または両方とを含み、前記アドレスが設定された空調機は、前記空調集中制御機または前記遠隔操作機に対し、前記空調機ネットワークを介して、自身に設定されたアドレスを送信し、前記空調集中制御機または前記遠隔操作機は、受信したアドレスを登録することを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の設定支援システム。
  8. 前記対応付け情報は、空調機の属性情報をさらに対応付けており、前記設定制御部は、対応する属性情報を前記アドレスに付加して前記設定対象の空調機に設定することを特徴とし、前記アドレスおよび前記属性情報が設定された空調機は、設定された属性情報を前記自身に設定されたアドレスに付加して送信し、前記空調集中制御機または前記遠隔操作機は、受信したアドレスおよび属性情報を紐付けて管理することを特徴とする、請求項7に記載の設定支援システム。
  9. 前記設定支援システムは、空調集中制御機および遠隔操作機のいずれか一方または両方を含み、前記対応付け情報は、空調機の属性情報をさらに対応付けており、前記設定制御部は、さらに、前記空調集中制御機または前記遠隔操作機が備える記憶部に対し、別途確立された近距離無線通信により、前記アドレスおよび前記属性情報を書き込み、前記空調集中制御機または前記遠隔操作機は、書き込まれたアドレスおよび属性情報を紐付けて管理することを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の設定支援システム。
  10. 前記設定支援システムは、空調集中制御機および遠隔操作機のいずれか一方または両方を含み、さらに、前記設定対象の空調機に関連した前記記憶部から、確立された前記近距離無線通信により、前記アクセスとして識別情報を読み込む読込制御部を含み、前記設定支援システムは、前記通信部および前記読込制御部を備える前記携帯型情報端末を含み、前記設定制御部は、前記識別情報に基づいて前記空調機ネットワークを介して前記設定対象の空調機に対し前記アドレスを伝達することで前記アドレスを設定するものであり、前記空調集中制御機または前記遠隔操作機が前記設定制御部を含む、請求項2〜5のいずれか1項に記載の設定支援システム。
  11. 前記対応付け情報は、空調機の属性情報をさらに対応付けており、前記携帯型情報端末は、前記空調集中制御機または前記遠隔操作機に対し、別途確立された近距離無線通信により、前記識別情報に関連付けて属性情報を書き込む書込制御部を含み、前記空調集中制御機または前記遠隔操作機は、書き込まれた属性情報を、前記識別情報に対応するアドレスに紐付けて管理することを特徴とする、請求項10に記載の設定支援システム。
  12. 前記紐付け情報は、配置位置座標、配置場所名、空調機識別情報、配管識別情報の少なくとも1つを含み、前記指定情報は、表示画面を介した位置座標入力、モーションセンサの出力に基づく位置座標推定、表示画面を介した配置場所名、空調機識別情報または配管識別情報の選択、および、音声認識に基づく配置場所名、空調機識別情報または配管識別情の入力からなる群から選択された少なくとも1つの入力を検出したものであり、前記アドレスは、前記冷媒系統識別情報を含んだアドレスである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の設定支援システム。
  13. 空調機ネットワークの設定を支援する携帯型情報端末であって、
    空調機の紐付け情報と冷媒系統識別情報とを対応付ける対応付け情報を取得する取得部と、
    前記紐付け情報に対応し、当該携帯型情報端末の位置を示す指定情報を検出する検出部と、
    前記対応付け情報において検出された前記指定情報に適合する紐付け情報に対応付けられた冷媒系統識別情報を判別する判別部と、
    前記対応付け情報および前記携帯型情報端末の前記位置を示す前記指定情報に応じて決定されるアドレスであって、判別された前記冷媒系統識別情報に基づく前記アドレスを、前記携帯型情報端末を用いた近距離無線通信に基づいて、設定対象の空調機に設定する動作を実行する動作実行部と
    を含む、携帯型情報端末
  14. 前記設定対象の空調機に関連した記憶部にアクセスするための近距離無線通信を確立する通信部
    を含み、前記アクセスに基づいて、前記設定対象の空調機に前記アドレスが設定される、請求項13に記載の携帯型情報端末
  15. 前記動作実行部は、前記動作として、前記設定対象の空調機に関連した前記記憶部に対し、確立された前記近距離無線通信により、前記アドレスの書き込みを行うことで前記アドレスを設定する、請求項14に記載の携帯型情報端末
  16. 前記携帯型情報端末は、前記設定対象の空調機に関連した前記記憶部から、確立された前記近距離無線通信により、前記アクセスとして識別情報を読み込む読込制御部を含み、前記動作実行部は、前記動作として、空調集中制御機または遠隔操作機に対し、前記冷媒系統識別情報および前記識別情報を渡して、前記空調機ネットワークを介した前記設定対象の空調機に対する前記アドレスの書き込みを行わせる、請求項14に記載の携帯型情報端末
  17. 携帯型情報端末を用いて空調機ネットワークの設定を支援する設定支援方法であって、前記携帯型情報端末が備えるコンピュータが、
    空調機の紐付け情報と冷媒系統識別情報とを対応付ける対応付け情報を取得するステップと、
    前記紐付け情報に対応し、前記携帯型情報端末の位置を示す指定情報を検出するステップと
    前記対応付け情報において検出された前記指定情報に適合する紐付け情報に対応付けられた冷媒系統識別情報を判別するステップと、
    前記対応付け情報および前記携帯型情報端末の前記位置を示す前記指定情報に応じて決定されるアドレスであって、判別された前記冷媒系統識別情報に基づく前記アドレスを、前記携帯型情報端末を用いた近距離無線通信に基づいて、設定対象の空調機に設定する動作を実行するステップと
    を実行する、設定支援方法。
  18. 前記設定支援方法は、コンピュータが、
    前記設定対象の空調機に関連した記憶部にアクセスするための近距離無線通信を確立するステップを含み、前記アクセスに基づいて、前記設定対象の空調機に前記アドレスが設定される、請求項17に記載の設定支援方法。
  19. 前記動作を実行するステップは、コンピュータが、
    前記動作として、前記設定対象の空調機に関連した前記記憶部に対し、確立された前記近距離無線通信により、前記アドレスの書き込みを行うことで前記アドレスを設定するステップを含む、請求項18に記載の設定支援方法。
  20. 前記設定支援方法は、コンピュータが、
    前記設定対象の空調機に関連した前記記憶部から、確立された前記近距離無線通信により、前記アクセスとして識別情報を読み込むステップを含み、前記動作を実行するステップは、コンピュータが、前記動作として、空調集中制御機または遠隔操作機に対し、前記冷媒系統識別情報および前記識別情報を渡すことにより、前記空調機ネットワークを介した前記設定対象の空調機に対する前記アドレスの書き込みを行わせるステップを含む、請求項18に記載の設定支援方法。
  21. 空調機ネットワークの設定を支援する携帯型情報端末を実現するためのプログラムであって、前記携帯型情報端末が備えるコンピュータを、
    空調機の紐付け情報と冷媒系統識別情報とを対応付ける対応付け情報を取得する取得部、
    前記紐付け情報に対応し、前記携帯型情報端末の位置を示す指定情報を検出する検出部、
    前記対応付け情報において検出された前記指定情報に適合する紐付け情報に対応付けられた冷媒系統識別情報を判別する判別部、および
    前記対応付け情報および前記携帯型情報端末の前記位置を示す前記指定情報に応じて決定されるアドレスであって、判別された前記冷媒系統識別情報に基づく前記アドレスを、前記携帯型情報端末を用いた近距離無線通信に基づいて、設定対象の空調機に設定する動作を実行する動作実行部
    として機能させるプログラム。
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