JP6685136B2 - 近接センサ - Google Patents

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本発明は、近接センサに関する。
図12は、近接センサを有する電子機器の第1従来例を示す縦断面図である。本従来例の電子機器Yは、検出対象Zの近接有無を検出するための手段として、光学式の近接センサY10を有する。近接センサY10は、発光部Y11から開口窓Y30を介して電子機器Yの外部に赤外光などを放射し、検出対象Zに反射されて戻ってくる光(図中の実線矢印Laを参照、以下では、検出光Laと呼ぶ)を受光部Y12で検出することにより、検出対象Zの近接有無(=検出対象Zによる反射の有無)を検出する。
なお、本発明に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
特開2011−210807号公報
ところで、光学式の近接センサY10については、その検出精度を高めるためにクロストーク対策が重要となる。近接センサY10で生じるクロストークの主な原因としては、開口窓Y30に反射されて戻ってくる光(図中の破線矢印Lbを参照、以下では、セット内干渉光Lbと呼ぶ)を挙げることができる。
セット内干渉光Lbに起因するクロストークについては、近接センサY10と開口窓Y30とのギャップdを小さくすることにより、その影響を低減することができる。ギャップdの調整手法としては、例えば、近接センサY10を搭載するセット基板Y20自体を開口窓Y30に近付ける手法(図13を参照)や、発光部Y11及び受光部Y12とセット基板Y20との間に適切な厚さのパッケージ基板Y13を設ける手法(図14を参照)が考えられる。しかしながら、このようなクロストーク対策では、電子機器Yの仕様(セット設計)毎にギャップdの最適化を逐一行わなければならないので、作業負担の増大やコストアップを招くという課題があった。
一方、発光部Y11の発光素子として、発光ダイオードよりも指向性の高い面発光レーザ素子を用いれば、ギャップ調整を要することなく、セット内干渉光Lbに起因するクロストークを低減することが可能である(図15を参照)。しかしながら、面発光レーザ素子は、発光ダイオードよりも高価なので、コストアップを招くという課題があった。
なお、特許文献1には、受光素子に向けて通過する光の入射角度を制限する角度制限フィルタを備えた指向性光センサが開示されている。しかしながら、特許文献1には、近接センサへの適用に関する言及が一切なく、これが抱える上記の課題についても何ら考慮されていなかった。
本明細書中に開示されている発明は、本願の発明者によって見出された上記の課題に鑑み、セット設計に依らず検出対象の近接有無を高精度に検出することのできる近接センサを提供することを目的とする。
本明細書中に開示された近接センサは、発光部と、前記発光部から放射された光が検出対象に反射されて戻ってきたか否かを検出する第1受光部とを有し、前記第1受光部は、受光面に対して垂直方向の指向性が高められている構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成る近接センサにおいて、前記第1受光部は、第1受光素子と、入射角が0°近傍の光を選択的に前記第1受光素子へ導く第1スリットと、を含む構成(第2の構成)にするとよい。
また、上記第2の構成から成る近接センサにおいて、前記第1スリットは、前記第1受光素子の受光面に対して垂直方向の導光路を形成するように積層された複数の遮光体を含む構成(第3の構成)にするとよい。
また、上記第1〜第3いずれかの構成から成る近接センサは、受光面に対して斜め方向の指向性が高められた第2受光部と、前記第1受光部の出力から前記第2受光部の出力を差し引く減算部と、をさらに有する構成(第4の構成)にするとよい。
また、上記第4の構成から成る近接センサにおいて、前記第2受光部は、第2受光素子と、入射角が±α°近傍(ただし0°<α<90°)の光を選択的に前記第2受光素子へ導く第2スリットと、を含む構成(第5の構成)にするとよい。
また、上記第5の構成から成る近接センサにおいて、前記第2スリットは、前記第2受光素子の受光面に対して斜め方向の導光路を形成するように積層された複数の遮光体を含む構成(第6の構成)にするとよい。
また、上記第4〜第6いずれかの構成から成る近接センサは、前記第1受光部の出力と前記第2受光部の出力の一方または両方を調整する出力調整部をさらに有する構成(第7の構成)にするとよい。
また、上記第4〜第7いずれかの構成から成る近接センサは、前記減算部の出力を増幅する増幅部をさらに有する構成(第8の構成)にするとよい。
また、上記第4〜第8いずれかの構成から成る近接センサにおいて、前記発光部、前記第1受光部、及び、前記第2受光部は、一直線上に配列されている構成(第9の構成)にするとよい。
また、上記第4〜第8いずれかの構成から成る近接センサにおいて、前記第1受光部と前記第2受光部の配列方向は、前記発光部と各受光部の配列方向に対して直交している構成(第10の構成)にするとよい。
また、上記第4〜第8いずれかの構成から成る近接センサにおいて、前記第1受光部と前記第2受光部は、複数組設けられている構成(第11の構成)にするとよい。
また、上記第1〜第11いずれかの構成から成る近接センサにおいて、前記発光部は、発光素子として発光ダイオードを含む構成(第12の構成)にするとよい。
また、本明細書中に開示されている電子機器は、上記第1〜第12いずれかの構成から成る近接センサと、前記近接センサに対向する開口窓と、を有する構成(第13の構成)とされている。
本明細書中に開示されている発明によれば、セット設計に依らず検出対象の近接有無を高精度に検出することのできる近接センサを提供することが可能となる。
近接センサを有する電子機器の第1実施形態を示す縦断面図 第1受光部の一構成例を示す模式図 第1受光部における入射角と受光量との相関図 スリット有無と受光成分との相関図 近接センサを有する電子機器の第2実施形態を示す縦断面図 第2受光部の一構成例を示す模式図 第2受光部における入射角と受光量との相関図 近接センサにおける信号処理の第1例を示すブロック図 近接センサにおける信号処理の第2例を示すブロック図 近接センサにおける信号処理の第3例を示すブロック図 各信号に含まれる信号成分の一例を示す模式図 配置レイアウトの第1例を示す平面図 配置レイアウトの第2例を示す平面図 配置レイアウトの第3例を示す平面図 スマートフォンの外観図 近接センサを有する電子機器の第1従来例を示す縦断面図 近接センサを有する電子機器の第2従来例を示す縦断面図 近接センサを有する電子機器の第3従来例を示す縦断面図 近接センサを有する電子機器の第4従来例を示す縦断面図
<第1実施形態>
図1は、近接センサを有する電子機器の第1実施形態を示す縦断面図である。本実施形態の電子機器1は、光学式の近接センサ100と、セット基板200と、開口窓300とを有する。セット基板200は、近接センサ100を担持する板状部材であり、近接センサ100と開口窓300がギャップdを隔てて対向するように、電子機器1の筐体(不図示)に固定されている。開口窓300は、電子機器1の筐体(不図示)を貫通する透光性部材であり、近接センサ100と対向する位置に設けられている。
近接センサ100は、発光部110と第1受光部120を含む。近接センサ100は、発光部110から開口窓300を介して電子機器1の外部に赤外光などを放射し、検出対象2に反射されて戻ってくる光(図中の実線矢印L1を参照、以下では、検出光L1と呼ぶ)を第1受光部120で検出することにより、検出対象2の近接有無(=検出対象2による反射の有無)を検出する。なお、発光部110と第1受光部120は、本図のようにセット基板200に直接搭載してもよいし、別途のパッケージ基板(不図示)に搭載してモジュール化しておいてもよい。
ところで、背景技術の項でも述べたように、光学式の近接センサ100については、その検出精度を高めるためにクロストーク対策が重要となる。近接センサ100で生じるクロストークの主な原因としては、開口窓300に反射されて戻ってくる光(図中の破線矢印L2を参照、以下では、セット内干渉光L2と呼ぶ)を挙げることができる。
ここで、本願の発明者は、鋭意研究の末、第1受光部120の受光成分(=第1受光部120で検出される光の成分内訳)については、入射角が小さい光(=受光面に対してより垂直方向から入射された光)ほど検出光L1の割合が大きくなり、逆に、入射角が大きい光(=受光面に対してより水平方向から入射された光)ほどセット内干渉光L2の割合が大きくなる、という知見を得た。
そこで、第1受光部120は、上記の知見に鑑み、受光面に対して垂直方向の指向性が高められている。このような構成とすることにより、第1受光部120の総受光量に占める検出光L1の割合を増やすことができるので、セット内干渉光L2の影響を低減することが可能となる。なお、本図中では、第1受光部120における検出光L1及びセット内干渉光L2それぞれの受光量を矢印の太さ(=太いほど受光量が大きい)で表している。
図2は、第1受光部120の一構成例を示す模式図である。本図の上段には第1受光部120の模式的な上面図が描写されており、本図の下段にはP1−P2縦断面図が描写されている。本図に示すように、本構成例の第1受光部120は、半導体基板121と、受光素子122と、スリット123と、を含む。なお、本図では、上段と下段の双方において、同一の部材に同一のハッチングを付している。
半導体基板121は、第1受光部120の基材であり、その表面近傍にはフォトダイオードやフォトトランジスタなどの受光素子122が形成されている。受光素子122は、発光部110から放射される光の波長(例えば赤外光の波長領域)に感度ピークを持つ光電変換素子であり、受光量に応じた電気信号を出力する。
スリット123は、入射角が0°近傍の光、すなわち、受光面に対して垂直方向から入射された光を選択的に受光素子122へ導く手段であり、複数の遮光体123a及び123bを含む。なお、遮光体123a及び123bは、受光素子122の受光面に対して垂直方向の導光路(下段の太い実線矢印を参照)を形成するように、半導体基板121上に図示のようなパターンで積層されている。
より具体的に述べると、スリット123の第1層(下層)には、発光部110と第1受光部120との配列方向(=紙面の左右方向)に沿って、複数の遮光体123aが所定の間隔で並べられている。また、スリット123の第2層(上層)においても、第1層(下層)と同一の方向に沿って、複数の遮光体123bが所定の間隔で並べられている。
なお、遮光体123a及び123bは、それぞれ、幅方向(=紙面の左右方向)の配設位置が一致するように形成されている。すなわち、第2層(上層)に属する遮光体123bは、第1層(下層)に属する遮光体123aの直上に形成されている。従って、各層の非遮光領域(=遮光体123a及び123bが形成されていない開口領域)も上下で重なるので、第1受光部120を上面視すると、遮光体123a及び123bのいずれによっても遮られることなく受光素子122を見通すことのできる井戸型の導光路が形成された状態となる。その結果、入射角が小さい光は受光素子122に到達しやすくなり、逆に、入射角が大きい光は受光素子122に到達しにくくなる。
なお、遮光体123a及び123bは、アルミニウムなどの遮光性素材で形成するとよい。一方、スリット123の層間部分及び導光路部分(半導体基板121上の非ハッチング部分)は、二酸化珪素などの透光性素材で形成するとよい。このような多層構造のスリット123は、多層配線プロセスを用いて比較的容易に形成することが可能である。
また、遮光体123aの幅w1及び間隔w2、遮光体123bの幅w3及び間隔w4、並びに、各層の膜厚t1〜t4については、上記した井戸型の導光路が形成される限り、任意に調整することが可能である。例えば、w1=w3、w2=w4(≠0)とすれば、上下方向(深さ方向)で開口面積が変わらない井戸型の導光路を形成することができる。
また、全ての遮光部123aについて、同一の幅w1ないし間隔w2を一律に適用する必要はなく、例えば、受光素子122の中央部分における幅w1ないし間隔w2と、受光素子122の外縁部分における幅w1ないし間隔w2との間に差を付けてもよい。遮光部123bの幅w3及び間隔w4についても同様である。
また、スリット123の層数は、2層に限定されるものではなく、必要に応じて3層以上としても構わない。
図3は、第1受光部120における入射角と受光量との相関図である。実線はスリット123ありの光学シミュレーション結果を示しており、破線はスリット123なしの光学シミュレーション結果を示している。なお、スリット123ありの光学シミュレーションは、遮光部123a及び123bをいずれもアルミニウム(反射率90%)とし、それぞれの表面状態が鏡面ないしは所定の散乱係数を持った散乱面(ランバート散乱面やガウス散乱面など)であるものとして実施した。
スリット123が設けられていない場合には、入射角が0°であるときの受光量をピークとしつつ、入射角の増大に伴って受光量がほぼ線形的に減少していく。一方、スリット123が設けられている場合には、入射角が0°であるときの受光量をピークとしつつ、入射角の増大に伴って受光量が急峻に減少していく。すなわち、第1受光部120は、スリット123を設けたことにより、受光面に対する垂直方向の指向性が高められている。
図4は、スリット有無と受光成分との相関図である。本図で示したように、スリット123が設けられている場合には、スリット123が設けられていない場合と比べて、第1受光部120の総受光量自体は減少するものの、総受光量に占める検出光L1の割合を増大することができる(例えば1/2→2/3)。
従って、煩雑なギャップ調整を要することなく、セット内干渉光L2に起因するクロストークの影響を低減することができるので、作業負担の軽減やコストダウンを図ることが可能となり、さらには、セット設計の自由度を高めることも可能となる。
また、発光部110の発光素子としては、比較的安価な発光ダイオードを用いることができるので、面発光レーザ素子を用いる構成と比べて、コストダウンを実現することができる。もちろん、第1受光部120にスリット123を設けた上で、面発光レーザ素子を用いることについても、技術的には何ら忌避されるものではない。
<第2実施形態>
図5は、近接センサを有する電子機器の第2実施形態を示す縦断面図である。本実施形態の電子機器1は、先出の第1実施形態をベースとしつつ、さらに、第2受光部130が設けられている点に特徴を有する。そこで、第1実施形態と同様の構成要素については、図1と同一の符号を付すことにより重複した説明を割愛し、以下では、第2実施形態の特徴部分について重点的な説明を行う。
第2受光部130は、セット基板200上において、第1受光部120に隣接する位置(本図の例では、第1受光部120よりも発光部110に近い側)に設けられている。なお、第2受光部130には、発光部110から放射された光、より具体的には、検出対象2に反射されて戻ってくる光(図中の一点鎖線矢印L3を参照、以下では、検出光L3と呼ぶ)と、開口窓300に反射されて戻ってくる光(図中の二点鎖線矢印L4を参照、以下では、セット内干渉光L2と呼ぶ)の双方が入射される。
ここで、第2受光部130は、第1受光部120と異なり、受光面に対して斜め方向の指向性が高められている。すなわち、第2受光部130の受光成分(=第2受光部130で検出される光の成分内訳)については、検出すべき検出光L3ではなく、除去すべきセット内干渉光L4の割合が増大されている。その技術的意義については、各受光部の後段で実施される信号処理の内容を理解することにより明らかとなる(詳細は後述)。なお、本図中では、第2受光部130における検出光L3及びセット内干渉光L4それぞれの受光量を矢印の太さ(=太いほど受光量が大きい)で表している。
図6は、第2受光部の一構成例を示す模式図である。本図の上段には第2受光部130の模式的な上面図が描写されており、本図の下段にはQ1−Q2縦断面図が描写されている。本図に示すように、本構成例の第2受光部130は、半導体基板131と、受光素子132と、スリット133と、を含む。なお、本図では、上段と下段の双方において、同一の部材に同一のハッチングを付している。
半導体基板131は、第2受光部130の基材であり、その表面近傍にはフォトダイオードやフォトトランジスタなどの受光素子132が形成されている。受光素子132は、発光部110から放射される光の波長(例えば赤外光の波長領域)に感度ピークを持つ光電変換素子であり、受光量に応じた電気信号を出力する。
スリット133は、入射角が±α°近傍(ただし、0°<α<90°であり、例えば、α=45°)の光、すなわち、受光面に対して斜め方向から入射された光を選択的に受光素子132へ導く手段であり、複数の遮光体133a及び133bを含む。なお、遮光体133a及び133bは、受光素子132の受光面に対して斜め方向の導光路(下段の太い実線矢印を参照)を形成するように、半導体基板131上に図示のようなパターンで積層されている。
より具体的に述べると、スリット133の第1層(下層)には、発光部110と第2受光部130との配列方向(=紙面の左右方向)に沿って、複数の遮光体133aが所定の間隔で並べられている。また、スリット133の第2層(上層)においても、第1層(下層)と同一の方向に沿って、複数の遮光体133bが所定の間隔で並べられている。
なお、第2受光部130の遮光体133a及び133bは、第1受光部120の遮光体123a及び123bと異なり、それぞれ、幅方向(=紙面の左右方向)の配設位置をずらすように形成されている。より具体的に述べると、第2層(上層)に属する遮光体133bは、第1層(下層)の非遮光領域(=遮光体133aが形成されていない開口領域)の直上に形成されており、第2層(上層)の非遮光領域(=遮光体133bが形成されていない開口領域)は、第1層(下層)に属する遮光体133aの直上に位置している。
従って、第2受光部130を上面視しても受光素子132を見通すことはできないが、第2受光部130を斜め上方±α°から見ると、遮光体133a及び133bのいずれによっても遮られることなく受光素子132を見通すことのできる斜傾型の導光路が形成された状態となる。その結果、入射角が小さい光は受光素子132に到達しにくくなり、逆に、入射角が大きい光は受光素子132に到達しやすくなる。
なお、遮光体133a及び133bは、アルミニウムなどの遮光性素材で形成するとよい。一方、スリット133の層間部分及び導光路部分(半導体基板131上の非ハッチング部分)は、二酸化珪素などの透光性素材で形成するとよい。このような多層構造のスリット133は、多層配線プロセスを用いて比較的容易に形成することが可能である。
また、遮光体133aの幅w5及び間隔w6、遮光体133bの幅w7及び間隔w8、並びに、各層の膜厚t5〜t8については、上記した斜傾型の導光路が形成される限り、任意に調整することが可能である。例えば、w5>w8(≠0)、w7>w6(≠0)とすれば、入射角0°の光をほぼ遮断することができるので、セット内干渉光L4をより選択的に抽出することが可能となる。
また、全ての遮光部133aについて、同一の幅w5ないし間隔w6を一律に適用する必要はなく、例えば、受光素子132の中央部分における幅w5ないし間隔w6と、受光素子132の外縁部分における幅w5ないし間隔w6との間に差を付けてもよい。遮光部133bの幅w7及び間隔w8についても同様である。
また、スリット133の層数は、2層に限定されるものではなく、必要に応じて3層以上としても構わない。
図7は、第2受光部130における入射角と受光量との相関図である。実線はスリット133ありの光学シミュレーション結果を示しており、破線はスリット133なしの光学シミュレーション結果を示している。なお、スリット133ありの光学シミュレーションは、遮光部133a及び133bをいずれもアルミニウム(反射率90%)とし、それぞれの表面状態が鏡面ないしは所定の散乱係数を持った散乱面(ランバート散乱面やガウス散乱面など)であるものとして実施した。
スリット133が設けられていない場合には、先出の図3でも示したように、入射角が0°であるときの受光量をピークとしつつ、入射角の増大に伴って受光量がほぼ線形的に減少していく。一方、スリット133が設けられている場合には、入射角が±α°であるときの受光量をピークとしつつ、当該入射角からの乖離に伴って受光量が急峻に減少していく。なお、入射角が0°であるときの受光量はほぼ0となっている。このように、第2受光部130は、スリット133を設けたことにより、受光面に対する斜め方向の指向性が高められている。
図8A〜図8Cは、それぞれ、第2実施形態の近接センサ100における信号処理の一例を示すブロック図である。各図で示すように、第2実施形態の近接センサ100は、第1受光部120及び第2受光部130よりも後段の信号処理手段として、出力調整部140と、減算部150と、増幅部160と、を有する。
出力調整部140は、第1受光部120及び第2受光部130からそれぞれ出力される受光信号S1及びS2の一方または両方の信号レベルを調整する。具体的に述べると、出力調整部140は、受光信号S1に含まれているクロストーク成分(=セット内干渉光L2に由来する信号成分)と、受光信号S2に含まれているクロストーク成分(=セット内干渉光L4に由来する信号成分)とを同一レベルとするように、受光信号S1及びS2の一方または両方の信号レベルを調整する。
例えば、出力調整部140は、受光信号S1をA倍(ただしA>1)に増幅して増幅受光信号S1Aを生成するアンプ141を含む構成(図8A)とすればよい。
或いは、出力調整部140は、受光信号S2をB倍(ただし0<B<1)に減衰して減衰受光信号S2Bを生成するアッテネータ142を含む構成(図8B)としてもよい。
若しくは、出力調整部140は、受光信号S1をC倍(ただしC>1)に増幅して増幅受光信号S1Cを生成するアンプ143と、受光信号S2をD倍(ただし0<D<1)に減衰して減衰受光信号S2Dを生成するアッテネータ142と、を含む構成(図8C)としてもよい。
減算部150は、受光信号S1(ないしはその増幅信号)から受光信号S2(ないしはその減衰信号)を差し引くことにより、差分信号S3を生成する。先にも述べたように、受光信号S1及びS2の双方に含まれるクロストーク成分は、減算処理前に同一レベルとされている。従って、減算部150での減算処理により、上記のクロストーク成分をキャンセルすることができる。
増幅部160は、差分信号S3を増幅して最終的な出力信号S4を生成する。このような構成とすることにより、出力信号S4(=検出光L1のみに由来する信号成分)の信号レベルを所望レベルまで高めることが可能となる。
図9は、図8Bの各信号(S1、S2、S2B、S3)に含まれる信号成分の一例を示す模式図である。スリットなしの受光部で生成される受光信号の信号レベルを100%と規定した場合、第1受光部120で生成される受光信号S1については、例えば、検出光L1に由来する信号成分の信号レベルが20%となり、セット内干渉光L2に由来する信号成分の信号レベルが10%となる。一方、第2受光部130で生成される受光信号S2については、例えば、検出光L3に由来する信号成分の信号レベルが10%となり、セット内干渉光L4に由来する信号成分の信号レベルが20%となる。
また、出力調整部140では、受光信号S2が0.5倍に減衰される。その結果、減衰受光信号S2Bについては、検出光L3に由来する信号成分の信号レベルが5%となり、セット内干渉光L4に由来する信号成分の信号レベルが10%となる。すなわち、減衰受光信号S2に含まれるクロストーク成分(=セット内干渉光L4に由来する信号成分)の信号レベル(10%)は、受光信号S1に含まれるクロストーク成分(=セット内干渉光L2に由来する信号成分)の信号レベル(10%)に合わせ込まれた状態となる。
従って、減算部150での減算処理により、上記のクロストーク成分がほぼキャンセルされるので、差分信号S3は、検出光L1に由来する信号成分のみを含むものとなる。なお、差分信号S3の信号レベルは、受光信号S1に含まれる非クロストーク成分(=検出光L1に由来する信号成分)の信号レベル(20%)から、減衰受光信号S2Bに含まれる非クロストーク成分(=検出光L3に由来する信号成分)の信号レベル(5%)を差し引いた大きさ(15%)となる。
このように、第2実施形態の近接センサ100によれば、先の第1実施形態と比べて、セット内干渉光L2に起因するクロストークの影響をさらに低減することができるので、より一層の高精度化を実現することが可能となる。
図10A〜図10Cは、それぞれ、発光部110、第1受光部120、及び、第2受光部130の配置レイアウトを示す平面図である。例えば、発光部110、第1受光部120、及び、第2受光部130は、これまでにも説明してきたように、同一の直線上に並べて配列することができる(図10Aを参照)。或いは、第1受光部120と第2受光部130の配列方向は、発光部110と各受光部20及び130の配列方向に対して直交させてもよい(図10Bを参照)。若しくは、第1受光部120と第2受光部130は、複数組設けてもよい(図10Cを参照)。また、いずれの配置レイアウトにおいても、第1受光部120と第2受光部130の位置を入れ替えることは任意である。
<スマートフォンへの適用>
図11は、スマートフォンの外観図である。スマートフォンXは、電子機器1の一具体例であり、外観的には、タッチパネル機能を備えた表示画面X1(液晶ディスプレイや有機EL[electro-luminescence]ディスプレイ)と、光学式の近接センサX2と、スピーカX3と、マイクX4と、を有する。
スマートフォンXでの音声通話時には、ユーザの耳と口がそれぞれスピーカX3とマイクX4に近付けられる。このとき、表示画面X1にはユーザの頬が近接するので、これを近接センサX2で検出して表示画面X1のタッチパネル機能をオフさせることにより、音声通話時における意図しないタッチ操作を未然に防止することができる。
なお、近接センサX2としては、これまでに説明してきた近接センサ100を好適に用いることが可能である。
<その他の変形例>
なお、本明細書中に開示されている種々の技術的特徴は、上記実施形態のほか、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本明細書中に開示されている発明は、例えば、スマートフォン用の近接センサに利用することが可能である。
1 電子機器
2 検出対象
100 近接センサ
110 発光部
120、130 第1受光部、第2受光部
121、131 半導体基板
122、132 受光素子
123、133 スリット
123a、123b、133a、133b 遮光部
140 出力調整部
141、143 アンプ
142、144 アッテネータ
150 減算部
160 増幅部
200 セット基板
300 開口窓
X スマートフォン
X1 表示画面
X2 近接センサ
X3 スピーカ
X4 マイク

Claims (12)

  1. 発光部と、
    前記発光部から放射された光が検出対象に反射されて戻ってきたか否かを検出する第1受光部と、
    を有し、
    前記第1受光部は、受光面に対して垂直方向の指向性が高められており、
    受光面に対して斜め方向の指向性が高められた第2受光部と、
    前記第1受光部の出力から前記第2受光部の出力を差し引く減算部と、
    をさらに有することを特徴とする近接センサ。
  2. 前記第1受光部は、第1受光素子と、入射角が0°近傍の光を選択的に前記第1受光素子へ導く第1スリットと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
  3. 前記第1スリットは、前記第1受光素子の受光面に対して垂直方向の導光路を形成するように積層された複数の遮光体を含むことを特徴とする請求項2に記載の近接センサ。
  4. 前記第2受光部は、第2受光素子と、入射角が±α°近傍(ただし0°<α<90°)の光を選択的に前記第2受光部へ導く第2スリットと、を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の近接センサ。
  5. 前記第2スリットは、前記第2受光素子の受光面に対して斜め方向の導光路を形成するように積層された複数の遮光体を含むことを特徴とする請求項に記載の近接センサ。
  6. 前記第1受光部の出力と前記第2受光部の出力の一方または両方を調整する出力調整部をさらに有することを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の近接センサ。
  7. 前記減算部の出力を増幅する増幅部をさらに有することを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の近接センサ。
  8. 前記発光部、前記第1受光部、及び、前記第2受光部は、一直線上に配列されていることを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の近接センサ。
  9. 前記第1受光部と前記第2受光部の配列方向は、前記発光部と各受光部の配列方向に対して直交していることを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の近接センサ。
  10. 前記第1受光部と前記第2受光部は、複数組設けられていることを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の近接センサ。
  11. 前記発光部は、発光素子として発光ダイオードを含むことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の近接センサ。
  12. 請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の近接センサと、
    前記近接センサに対向する開口窓と、
    を有することを特徴とする電子機器。
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