JP6685029B2 - 板状建材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、板状建材の製造方法に関する。
従来より、床材等を構成する板状材としては、省資源化を図る観点等から、合板等の基材に、突板や樹脂シート等の化粧シートを設けたものが知られている。また、合板としては、ラワン合板が多用されているが、調達安定性の観点から近年では、スギやカラマツ、トドマツ等の国産針葉樹や、ユーカリやポプラ、ファルカタ等の早生植林木から形成された合板が用いられる場合がある。このような樹種からなる合板は、比較的に木目が明瞭で節部も多いため、表面に凹凸が生じ易く、基材として用いた場合には、その凹凸が板状材の化粧面にも浮き出すように現れ易い(転写され易い)という問題があった。
例えば、下記特許文献1には、針葉樹単板からなる合板に、ホットメルト樹脂接着剤を介して木質繊維板を積層し、一体に接着する化粧板の製造方法が開示されている。
特開2009−143038号公報
上記のようにホットメルト樹脂接着剤を介して合板と木質繊維板とを接着する構成とすれば、製造時における合板への水分移行に起因する変形等の抑制は可能となる。しかしながら、施工後の環境変化、例えば、床暖房や直射日光等による乾燥に起因して節部や晩材部(秋材部)よりも収縮し易い早材部(春材部)が収縮し、これに追従するように表層材が変形することで表面に凹凸が生じ易くなることが考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、調達安定性の良好な合板を用いながらも、施工後に表面に凹凸が生じ難い板状建材を製造し得る板状建材の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る板状建材の製造方法は、厚さ方向に収縮し易い易収縮部位と収縮し難い難収縮部位とを有した単板を少なくとも最表層側となる一層目に設けた合板基材の表層側に、乾燥処理を施して前記易収縮部位を収縮させることで前記難収縮部位を突出させ、この突出部を除去するように前記合板基材の表面に平滑化処理を施し、次いで、この合板基材の表面に表面材を積層して接着することを特徴とする。
本発明に係る板状建材の製造方法は、上述のような構成としたことで、調達安定性の良好な合板を用いながらも、施工後に表面に凹凸が生じ難い板状建材を製造することができる。
(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る板状建材の製造方法の一例を模式的に示し、(a)、(b)、(d)は、一部破断概略縦断面図、(c)は、概略側面図である。 (a)、(b)は、同製造方法の一例を模式的に示す概略側面図、(c)は、同製造方法によって製造された板状建材の一例を模式的に示す一部破断概略縦断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
図1及び図2は、本実施形態に係る板状建材の製造方法の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る板状建材の製造方法は、厚さ方向に収縮し易い易収縮部位12と収縮し難い難収縮部位13とを有した単板11を少なくとも最表層側となる一層目に設けた合板基材10の表層側に、乾燥処理を施す構成とされている。同製造方法は、乾燥処理を施して易収縮部位12を収縮させることで難収縮部位13を突出させ、この突出部13aを除去するように合板基材10の表面に平滑化処理を施し、次いで、合板基材10の表面に表面材20を積層して接着する構成とされている。つまり、同製造方法は、表層側乾燥工程と、表面平滑化工程と、表面材積層工程と、を備えている。
本実施形態に係る板状建材の製造方法によって製造された板状建材1は、略方形平板状とされている。この板状建材1は、一方向に長尺状の略矩形平板状とされたものでもよい。この板状建材1の長さ寸法や幅寸法、厚さ寸法等は、施工箇所や用途等に応じて適宜の寸法としてもよい。例えば、この板状建材1を、床材として用いられるものとした場合には、一般的な床材の各寸法と概ね同寸法としてもよい。例えば、板状建材1を、長さ寸法が1500mm〜2000mm程度、幅寸法が150mm〜500mm程度、厚さ寸法が3mm〜30mm程度とされた長尺板状体としてもよい。なお、板状建材1は、床材として用いられるものに限られず、階段の踏板や、壁材、天井材、家具材等として用いられるものとしてもよい。また、このような用途等に応じて、板状建材1の四周端部に実部等を設けたりしてもよく、また、板状建材1の表面側の四周縁部に面取部を設けたり、表面に溝部を設けたりするようにしてもよい。
合板基材10は、図1(c)に示すように、複数枚の単板11,14,15,16,17を積層した構成とされている。また、合板基材10は、3枚以上の奇数枚の単板11,14,15,16,17を積層した構成とされている。本実施形態では、この合板基材10を、5枚の単板11,14,15,16,17を積層した5層のいわゆる5プライ合板としている。つまり、合板基材10は、最表層側となる一層目の単板としての第1単板11、第2単板14、第3単板15、第4単板16及び第5単板17を表面側からこの順に積層した構成とされている。また、これらのうちの奇数層の単板11,15,17が板状建材1の長手方向に繊維方向を沿わせた構成とされ、偶数層の単板14,16が板状建材1の幅方向に繊維方向を沿わせた構成とされたものでもよい。
この合板基材10の厚さは、板状建材1の厚さに応じて適宜の厚さとしてもよく、例えば、3.0mm〜30mm程度としてもよく、5.0mm〜15mm程度としてもよい。
また、各単板11,14,15,16,17の厚さは、合板基材10の厚さに応じて、また、各単板11,14,15,16,17の成形性等の観点や、合板基材10の強度上の観点等から適宜の厚さとされたものとしてもよい。例えば、長手方向に繊維方向を沿わせた単板11,15,17の厚さを足し合わせた寸法及び幅方向に繊維方向を沿わせた単板14,16の厚さを足し合わせた寸法のうちの一方が合板基材10の総厚さの40%〜60%の範囲内となるように適宜の厚さとしてもよい。
また、これら単板11,14,15,16,17は、全てが略同厚さとされたものとしてもよいが、少なくとも一枚が異なる厚さとされたものとしてもよい。好ましくは、合板基材10が厚さ方向中心線を対称軸として厚さ方向に線対称状となるような層構成としてもよい。つまり、第1単板11と第5単板17とを略同厚さとし、第2単板14と第4単板16とを略同厚さとしてもよい。図例では、奇数層の単板11,15,17の厚さを、それぞれ略同厚さとし、偶数層の単板14,16の厚さを、それぞれ略同厚さでかつ奇数層の単板11,15,17の厚さよりも大としている。
例えば、各単板11,14,15,16,17の厚さを、0.5mm〜5mm程度としてもよく、1.0mm〜3.0mm程度としてもよい。好ましくは、これらのうちの少なくとも第1単板11を、厚さが1.5mm以上とされたものとしてもよい。これによれば、後記するように乾燥処理が施されて収縮される易収縮部位12を難収縮部位13に対して効果的に収縮させることができ、易収縮部位12の収縮によって突出した難収縮部位13の突出部13aを効果的に除去することができる。この結果、施工後における乾燥等に起因する易収縮部位12の収縮に伴う難収縮部位13の突出をより効果的に抑制することができる。
また、少なくとも第1単板11を、易収縮部位12及び難収縮部位13を有した比較的に木目が明瞭で節部が多い樹種から形成されたものとしてもよい。つまり、少なくとも第1単板11を、比較的に均質なラワン材等と比べて、易収縮部位12となる早材部(春材部)と難収縮部位13となる晩材部(秋材部)とが明瞭で、難収縮部位13となる節部が多い不均質な樹種から形成されたものとしてもよい。このような樹種としては、スギやカラマツ、トドマツ等の国産針葉樹や、ユーカリやポプラ、ファルカタ等の早生植林木等が挙げられる。なお、第1単板11と第5単板17とを同樹種からなるものとしてもよく、全ての単板11,14,15,16,17を同樹種からなるものとしてもよい。
表面材20は、図2(c)に示すように、薄板状とされ、表面基材21の表面に化粧層22を設けた構成とされている。
表面基材21は、表面平滑性の良好な木質系材料(エンジニアドボード(エンジニアドウッド))から形成されたものとしてもよい。このような木質系材料としては、例えば、MDF(中密度繊維板)やHDF(高密度繊維板)等の木質繊維板や、パーティクルボードやOSB(配向性ストランドボード)等の木質ボード等が挙げられる。また、表面基材21は、合成樹脂系材料に木粉や無機フィラー、相溶化剤、着色剤などを所定の含有割合で含有させた木粉・プラスチック複合材(WPC)から形成されたものとしてもよい。また、この表面基材21の厚さは、板状建材1の厚さや、表面材20の薄型化を図りながらも表面平滑性を向上させる観点等から、適宜の厚さとしてもよい。例えば、この表面基材21の厚さを、1.0mm〜5.0mm程度としてもよく、好ましくは1.5mm〜3.0mm程度としてもよい。
化粧層22は、薄シート状(フィルム状)とされており、天然木材(銘木)から形成された突板等の単板(化粧単板)や、木目柄等の種々の柄(模様)が印刷された化粧印刷紙やオレフィン系等の合成樹脂系の樹脂シート(フィルム)等の化粧シートとしてもよい。化粧層22を化粧シートとした場合には、その厚さを、例えば、0.01mm〜1.0mm程度としてもよく、0.05mm〜0.5mm程度としてもよい。なお、化粧層22としては、このような化粧シートに限られず、印刷や適宜の塗料によって形成された薄膜状の塗膜層等としてもよい。
次に、本実施形態に係る板状建材の製造方法の具体的工程の一例について説明する。
まず、図1(a)に示すように、適宜の乾燥装置2を用い、合板基材10の表層側を乾燥させる表層側乾燥工程を実行する。この表層側乾燥工程においては、図1(b)に示すように、第1単板11の易収縮部位12が難収縮部位13よりも収縮して難収縮部位13の突出部13aが形成されるように、少なくとも第1単板11が比較的に低含水率(乾量基準含水率)となるように乾燥させる態様としてもよい。また、このように乾燥すれば、合板基材10は、適度に凹反り(厚さ方向に見た中央部が周囲よりも凹むような反り)した状態となる。
乾燥処理後の第1単板11の含水率を低くし過ぎれば、合板基材10の凹反りが大きくなり過ぎる傾向がある。一方、乾燥処理後の第1単板11の含水率を高くし過ぎれば、易収縮部位12の収縮が小さくなる傾向がある。このような観点から、第1単板11の含水率(目標含水率)が3%以上8%以下となるように表層側乾燥工程を実行する構成としてもよい。これによれば、乾燥処理後における合板基材10の凹反りが大きくなり過ぎるようなことがなく、また、易収縮部位12を難収縮部位13に対して効果的に収縮させることができる。また、好ましくは、第1単板11の含水率(目標含水率)が4%以上6%以下となるように表層側乾燥工程を実行する構成としてもよい。
また、表層側乾燥工程を実行する前の合板基材10の含水率は、20%〜25%程度のものでもよく、15%〜20%程度のものでもよい。また、この表層側乾燥工程においては、合板基材10の厚さ方向の全体に亘って上記のような含水率となるように乾燥させる必要はなく、表層側(少なくとも第1単板11)を乾燥させる態様とすればよい。
また、この表層側乾燥工程は、合板基材10の表層側の含水率を適宜の含水率計(表面含水率計(水分計))等によって測定し、上記のような目標含水率となれば、乾燥を終了させるような態様としてもよい。または、乾燥処理後の第1単板11が上記のような目標含水率となるように、実験的または経験的に定められた乾燥時間が経過するまで所定の乾燥態様で乾燥処理を実行する態様としてもよい。
また、この表層側乾燥工程に用いられる乾燥装置2としては、熱風ドライヤーや、赤外線ヒーター等の輻射式ヒーター、マイクロ波加熱器等の非接触式のものでもよく、熱プレスや熱ローラー等の接触式のものでもよい。熱プレスや熱ローラー等とした場合には、伝熱性を向上すべく、合板基材10の表面に弾性的に接触されるシリコンや耐熱性ゴム等の耐熱性弾性体を表面に設けた構成としてもよい。この場合は、合板基材10の表層部が過度に圧縮され難いように、比較的に低硬度の弾性体を採用するようにしてもよい。
また、乾燥装置2と合板基材10とを相対的に移動させながら乾燥する態様等としてもよい。また、複数種類の乾燥装置2を用いて乾燥処理を実行する態様としてもよい。
そして、図1(c)、(d)に示すように、適宜の平滑化装置3を用い、乾燥によって収縮した易収縮部位12に対して突出した難収縮部位13の突出部13aを除去して表面を平滑化する表面平滑化工程を実行する。この表面平滑化工程においては、図1(d)に示すように、上記表層側乾燥工程の実行によって凸凹状となった第1単板11の表面が平坦な平滑面となるように研磨や研削するようにしてもよい。また、この表面平滑化工程においては、第1単板11の大半が消失しないように、第1単板11の初期厚さの1/2以上、好ましくは2/3以上が残存するように研磨や研削するようにしてもよい。
また、この表面平滑化工程に用いられる平滑化装置3としては、適宜の研磨装置や研削装置でもよい。研磨装置としては、例えば、研磨布状体をベルト状にしたサンディングベルトを連続的に循環させて研磨するベルトサンダー等が挙げられる。また、研削装置としては、合板基材10の表面に対して平行状に移動される切削刃によって研削する平削盤や、合板基材10の表面に対して直交する軸回りに回転される切削刃によって研削するバーチカルプレーナー等が挙げられる。
次いで、図2(a)、(b)に示すように、合板基材10の表面に接着剤18を介して表面材20を積層して接着する表面材積層工程を実行する。
これら合板基材10と表面材20とを接着する接着剤としては、比較的に固形分の低い水系接着剤18としてもよい。この水系接着剤18に含まれる固形分を高くし過ぎれば、つまり、水分率を低くし過ぎれば、合板基材10の表層側への水分移行が少なくなる傾向がある。このような観点から、固形分が50%以下の水系接着剤18が好ましい。これによれば、上記のように乾燥処理によって凹反りした合板基材10の表層側に水系接着剤18に含まれる水分が適度に移行して合板基材10の凹反りを軽減することができる。また、乾燥処理によって収縮された易収縮部位12がこの水分の移行によって膨潤して突出し、難収縮部位13が相対的に僅かに陥没したような状態となる(図2(c)参照)。これにより、施工後における乾燥等に起因する易収縮部位12の収縮に伴う難収縮部位13の突出をより効果的に抑制することができる。また、水系接着剤18としては、上記のような観点や接合性の観点等から、固形分が35%以上45%以下のものがより好ましい。
なお、表面平滑化工程を実行した後に、合板基材10の表面が高温である場合には、常温程度に冷却(放置冷却を含む)した後に、水系接着剤18を塗布するようにしてもよい。
また、図例では、合板基材10の表面に水系接着剤18を塗布した例を示しているが、これに代えて、または加えて、表面材20の裏面に水系接着剤18を塗布する態様としてもよい。また、水系接着剤18としては、水性ビニルウレタン系接着剤や酢酸ビニル系接着剤、変性酢酸ビニル系接着剤等でもよく、その他、種々の水系接着剤でもよい。
また、この表面材積層工程は、水系接着剤18を介して積層された合板基材10と表面材20とを、上下の成形型4,5によって圧締して水系接着剤18を乾燥硬化させて積層一体化する構成としてもよい。このような上下の成形型4,5としては、水系接着剤18の種類にもよるが、ヒーターや熱媒体が流通される媒体流通路が設けられた熱プレス機(ホットプレス)としてもよい。つまり、水系接着剤18を介して積層された合板基材10と表面材20とを、上下の成形型4,5によって熱圧締(熱プレス)する態様としてもよい。
合板基材10と表面材20とを熱プレスする際のプレス圧を大きくし過ぎれば、易収縮部位12が圧縮され、易収縮部位12よりも圧縮強度が大きい難収縮部位13の箇所が表面材20の表面に浮き出すように転写される傾向がある。一方、上記プレス圧を小さくし過ぎれば、接着不良が生じ易くなる傾向がある。このような観点から、合板基材10と表面材20とを熱プレスする際のプレス圧を、30N/cm(0.3MPa)以上50N/cm(0.5MPa)以下とすることが好ましい。これによれば、比較的に低いプレス圧となり、易収縮部位12に比べて厚さ方向に対する圧縮強度が大きい難収縮部位13によって表面材20が加圧されるようなことを抑制することができる。これにより、難収縮部位13の箇所が表面材20の表面に浮き出すように現れるようなことを抑制することができる。
また、合板基材10と表面材20とを熱プレスする際のプレス温度を低くし過ぎれば、水系接着剤18の乾燥硬化が不十分になったり、乾燥硬化に長時間を要する傾向がある。一方、上記プレス温度を高くし過ぎれば、水系接着剤18が早期に乾燥硬化し、接着不良が生じ易くなる傾向がある。このような観点から、合板基材10と表面材20とを熱プレスする際のプレス温度を、100℃以上130℃以下とすることが好ましい。
また、合板基材10と表面材20とを熱プレスする際のプレス時間は、水系接着剤18の種類や、プレス温度等に応じて、適宜、設定するようにしてもよい。
上記のような工程を経て、板状建材1が製造される。なお、上記した本実施形態に係る板状建材の製造方法の各工程や順序等は一例に過ぎず、別順序でなされるものでもよく、種々の変形が可能である。
例えば、上記のように積層した積層体の四周側端部に実部を設けたり、表面に溝部を設けたり、表面側周縁部に面取部を設けたりしてもよい。また、上記のように積層した積層体の表面に、クリアー塗料等を塗装して透明または半透明のトップコート層(保護層)を設けるようにしてもよい。また、合板基材10の裏面側に、更に種々の機能シートを積層一体化するようにしてもよい。
本実施形態に係る板状建材の製造方法は、上述のような構成としたことで、調達安定性の良好な合板基材10を用いながらも、施工後に表面に凹凸が生じ難い板状建材1を製造することができる。
つまり、易収縮部位12と難収縮部位13とを有した単板(第1単板)11を少なくとも最表層側となる一層目に設けた合板基材10の表層側に、乾燥処理を施して易収縮部位12を収縮させることで難収縮部位13を突出させる構成としている。また、この突出部13aを除去するように合板基材10の表面に平滑化処理を施し、次いで、この合板基材10の表面に表面材20を積層して接着する構成としている。従って、比較的に均質なラワン材と比べて、木目が明瞭で節部が多く、易収縮部位12と難収縮部位13とを有した早生植林木や国産針葉樹等から形成された第1単板11を設けた調達安定性の良好な合板基材10を用いることができる。また、この合板基材10の表層側に、乾燥処理を施して易収縮部位12を収縮させることで突出させた難収縮部位13の突出部13aを除去して表面が平滑化される。これにより、施工後における乾燥等に起因する易収縮部位12の収縮に伴う難収縮部位13の突出が生じ難くなり、この合板基材10に積層された表面材20の表面に凹凸を生じ難くすることができる。
次に、本発明に係る板状建材の実施例の一例と比較例とを、表1を参照して説明する。
<実施例1>
合板基材を、第1単板の厚さが1.5mmで総厚さが9.0mmの5層のスギ合板とした。このスギ合板を、搬送しながら熱風を吹き付けて乾燥させるジェットドライヤー(設定温度110℃、株式会社荒川製作所製)を3回通過させて乾燥させた。乾燥後の第1単板表面の含水率を、水分計(キクカワエンタープライズ株式会社製)を用いて測定したところ、5%であった。次いで、このように表層側を乾燥させて難収縮部位を突出させたスギ合板の表面を、研磨布状体をベルト状にしたワイドベルトサンダー(キクカワエンタープライズ株式会社製)を用いて研磨し、平滑化した。この際、番手(粒度)が#80のもので研磨した後、番手(粒度)が#100のもので研磨した。そして、このスギ合板を、常温になるよう冷却し、その表面に、固形分47%の水性ビニルウレタン系接着剤(住友林業クレスト株式会社製)を50g/m塗布し、表面に特殊印刷紙を設けた厚さ2.7mmのMDFを積層して熱プレスした。この際のプレス条件は、プレス温度110℃、プレス圧30N/cm、プレス時間90秒とした。そして、この表面に、ウレタンアクリレートを塗装し、紫外線を照射して硬化させ、長さが1818mm、幅が303mmの実施例1に係る板状建材を得た。
<実施例2>
合板基材を、第1単板の厚さが2.0mmで総厚さが10.0mmの5層のカラマツ合板とした。このカラマツ合板を、ジェットドライヤー(設定温度110℃、株式会社荒川製作所製)を2回通過させて乾燥させた後、ゴム硬度60度のシリコンゴムが表面に装着された熱ロール(設定温度110℃)を1回通過させて乾燥させた。乾燥後の第1単板表面の含水率を、上記同様の水分計を用いて測定したところ、7%であった。次いで、このように表層側を乾燥させて難収縮部位を突出させたカラマツ合板の表面を、バーチカルプレーナー(アミテック株式会社製)を用いて研削し、平滑化した。そして、このカラマツ合板を、常温になるよう冷却し、その表面に、固形分45%の変性酢酸ビニル系接着剤(コニシ株式会社製)を53g/m塗布し、厚さ2.0mmのHDFを積層して熱プレスした。この際のプレス条件は、プレス温度120℃、プレス圧45N/cm、プレス時間80秒とした。そして、このHDFの表面に、変性酢酸ビニル系接着剤(コニシ株式会社製)を20g/m塗布し、厚さが0.2mmのオーク単板を積層して熱プレスした。この際のプレス条件は、プレス温度105℃、プレス圧40N/cm、プレス時間50秒とした。そして、この表面に、ウレタンアクリレートを塗装し、紫外線を照射して硬化させ、長さが1818mm、幅が303mmの実施例2に係る板状建材を得た。
<実施例3>
合板基材を、トドマツ合板としたこと以外は、実施例1と同様にして実施例3に係る板状建材を得た。
<実施例4>
合板基材の第1単板の厚さを1.0mmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例4に係る板状建材を得た。
<実施例5>
スギ合板とMDFとを熱プレスする際のプレス圧を90N/cmとしたこと以外は、実施例1と同様にして実施例5に係る板状建材を得た。
なお、実施例3,4,5の表層側乾燥工程後の合板基材の第1単板表面の含水率を、上記同様の水分計を用いて測定したところ、いずれも、5%であった。
<実施例6>
表層側乾燥工程において、ジェットドライヤーを用いた乾燥後に、熱ロールを2回通過させたこと以外は、実施例2と同様にして実施例6に係る板状建材を得た。これの合板基材の乾燥後の第1単板表面の含水率を、上記同様の水分計を用いて測定したところ、2%であった。
<比較例1>
表層側乾燥工程及び表面平滑化工程を実行しないこと以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る板状建材を得た。
<比較例2>
表層側乾燥工程及び表面平滑化工程を実行しないこと以外は、実施例2と同様にして比較例2に係る板状建材を得た。
なお、比較例1,2に用いた合板基材の第1単板表面の含水率を、上記同様の水分計を用いて測定したところ、いずれも、10%であった。
実施例1〜6及び比較例1,2の各板状建材を、床暖房システム試験(仕上げ材・下地材編「2.耐久性能 熱耐久性試験」ガス会社統一基準方式)に準拠し、温水床暖房マット上に配置して熱耐久性試験を行った後に、各板状建材に対して以下の評価試験を行った。
<反り評価試験>
この評価試験では、各実施例及び各比較例の板状建材の幅方向両端の二点を基点とし、幅方向中央部位を測定点として幅方向の反り量(矢高)を計測した。この幅方向の反りが、プラスマイナス0.5mm以内を○(良)とし、その範囲外を×(不良)と判断した。
また、各実施例及び各比較例の板状建材の長手方向両端の二点を基点とし、長手方向中央部位を測定点として長手方向の反り量(矢高)を計測した。この長手方向の反りが、マイナス15mm以上プラス20mm以下の範囲を○(良)とし、その範囲外を×(不良)と判断した。
<表面外観評価試験>
この評価試験では、各実施例及び各比較例の板状建材の表面に対して、斜光照明を照射した状態で、表面の凹凸の有無を目視観察して評価した。
Figure 0006685029
表1に示したように、実施例1〜6では、幅方向及び長手方向の反りが良好な結果となった。一方、比較例1,2では、幅方向及び長手方向の反りが大であった。また、実施例1〜3では、表面に目立つような凹凸がなく、良好な結果であった。一方、比較例1,2では、表面の凹凸が目立つ結果となった。また、実施例4〜6では、比較例1,2と比べて目立ち難いものの表面に凹凸が認められた。実施例4では、第1単板の厚さを他と比べて薄くしたことが原因と考えられる。実施例5では、複合時のプレス圧を他と比べて高くしたことが原因と考えられる。実施例6では、表層側乾燥工程後の第1単板表面の含水率が他と比べて低いことが原因と考えられる。以上の結果から、実施例1〜6の板状建材は、比較例1,2と比較して、反りや表面の凹凸が抑制されることが示された。
1 板状建材
10 合板基材
11 第1単板(一層目の単板)
12 易収縮部位
13 難収縮部位
13a 突出部
20 表面材

Claims (5)

  1. 厚さ方向に収縮し易い易収縮部位と収縮し難い難収縮部位とを有した単板を少なくとも最表層側となる一層目に設けた合板基材の表層側に、乾燥処理を施して前記易収縮部位を収縮させることで前記難収縮部位を突出させ、この突出部を除去するように前記合板基材の表面に平滑化処理を施し、次いで、この合板基材の表面に表面材を積層して接着することを特徴とする板状建材の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記合板基材の一層目の単板の厚さが1.5mm以上であることを特徴とする板状建材の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記合板基材の一層目の単板の含水率が3%以上8%以下となるように前記乾燥処理を施すことを特徴とする板状建材の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記合板基材と前記表面材とを、固形分が50%以下の水系接着剤によって接着することを特徴とする板状建材の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記合板基材と前記表面材とを、プレス圧が30N/cm以上50N/cm以下で熱プレスして接着することを特徴とする板状建材の製造方法。
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