JP2012251348A - 床用基材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】針葉樹、特にスギやカラマツといった国産針葉樹からなる低グレードの合板を用いる場合であっても床材表面の平滑性を十分に確保する。
【解決手段】本発明に係る床用基材1は、5プライの低グレードスギ合板として構成された合板2と中密度繊維板3とを貼り合わせてなる。合板2及び中密度繊維板3は、エポキシ樹脂系接着剤の硬化物4を介して相互に接着してあるが、かかる硬化物は、合板2及び中密度繊維板3の間にエポキシ樹脂系接着剤の未硬化物を介在させ、合板2における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形が、該合板の表面に形成された状態で、エポキシ樹脂系接着剤の未硬化物を硬化させてある。
【選択図】 図1
Description
本発明は、主として住宅の床材に用いられる床用基材及びその製造方法に関する。
住宅の床材は、芯材となる基材に表面材を貼り付けた構成が一般的であるが、かかる床用基材としては、耐キャスター性、耐衝撃性、耐摩耗性、遮音性といった機能上の特性に応じて多種多様なものが開発されており、例えば、合板にMDF(中密度繊維板)を貼り合わせたものがよく知られている。
床用基材に用いる合板は、ラワンが主流であったところ、地球環境への配慮からラワン使用が制限されており、最近では、ファルカタなどを用いた合板が用いられるようになってきた。
一方、アカマツ、カラマツ、スギといった針葉樹は、国内で入手が容易な植林木であって、柱や梁といった軸組構造部材には古くから用いられているが、最近になって構造用合板としての用途も拡大してきた。
このような状況下、床用基材の合板として針葉樹を用いることができないか検討が行われており(特許文献1,2)、一部の樹種については、フローリング材として既に市販されている。
しかしながら、針葉樹は広葉樹に比べて、死節、抜け節といった節が多く、枝打ちされていないものはそれが顕著であるとともに、早材と晩材の差が大きいために木目が明瞭である。
そのため、節や木目を外観に露出させて内装材として用いる場合や、外観に露出しない構造用合板の場合であればともかく、床用基材の合板に用いる場合には、針葉樹特有の節や木目が、製作された床材の表面に凹凸として顕れ、結果として床材の表面を平滑に仕上げることが困難であるという問題を生じていた。
例えば、耐キャスター性を高めるため、スギで製作された合板に中密度繊維板を貼り合わせると、加圧前には顕れていなかった合板内の節や木目が、加圧後には中密度繊維板の表面に凹凸として顕れる。そのため、針葉樹合板の場合には、合板表面の凹凸を目止めしたとしても、床材の表面平滑性を確保することは難しい。
また、床材として施工した後、床暖房等の熱で上述した凹凸がさらに顕著になるという問題も生じていた。
このような問題は、中密度繊維板として比重が0.4程度のものを採用し、該中密度繊維板自体の柔らかさで合板の凹凸を吸収するようにすればある程度解消するが、低比重の中密度繊維板では防水性に問題が残り、床用途に用いるのは望ましくない。
また、凹凸が本来的に生じにくいファルカタやトドマツといった樹種の合板や、節が少ない高グレードのスギ合板を用いるようにすれば、上述した問題はもちろん起こりにくくなるが、低グレードのスギ合板を有効利用できないのであれば、ラワン合板からの本格的な転換を望むこともまた難しくなる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、針葉樹、特にスギやカラマツといった国産針葉樹からなる低グレードの合板を用いる場合であっても床材表面の平滑性を十分に確保することが可能な床用基材及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る床用基材は請求項1に記載したように、合板と中密度繊維板との間に介在された無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させることで前記合板及び前記中密度繊維板を相互に貼り合わせた床用基材であって、
前記合板における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形が該合板の表面に形成された状態で前記無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させたものである。
前記合板における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形が該合板の表面に形成された状態で前記無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させたものである。
また、本発明に係る床用基材は、前記無溶剤系接着剤をエポキシ樹脂系接着剤又はウレタン樹脂系接着剤で構成したものである。
また、本発明に係る床用基材は、前記合板を針葉樹で形成したものである。
また、本発明に係る床用基材は、前記針葉樹をスギ、カラマツその他の国産針葉樹としたものである。
また、本発明に係る床用基材の製造方法は請求項5に記載したように、合板と中密度繊維板との間に無溶剤系接着剤の未硬化物を介在させ、次いで、前記中密度繊維板を前記合板に押圧しながら前記無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させる床用基材の製造方法であって、
前記無溶剤系接着剤の未硬化物を介した前記押圧力によって前記合板における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形を該合板の表面に生じさせ、しかる後、前記無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させるものである。
前記無溶剤系接着剤の未硬化物を介した前記押圧力によって前記合板における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形を該合板の表面に生じさせ、しかる後、前記無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させるものである。
また、本発明に係る床用基材の製造方法は、前記無溶剤系接着剤をエポキシ樹脂系接着剤又はウレタン樹脂系接着剤で構成したものである。
また、本発明に係る床用基材の製造方法は、前記合板を針葉樹で形成したものである。
また、本発明に係る床用基材の製造方法は、前記針葉樹をスギ、カラマツその他の国産針葉樹としたものである。
また、本発明に係る床用基材の製造方法は、前記エポキシ樹脂系接着剤の量を100〜600g/m2、前記押圧力を20N/cm2〜70N/cm2としたものである。
また、本発明に係る床用基材の製造方法は、前記エポキシ樹脂系接着剤の量を200〜500g/m2、前記押圧力を20N/cm2〜40N/cm2としたものである。
本出願人は、針葉樹合板を床用基材の合板に用いることで、国内での調達が容易なスギやカラマツといった国産針葉樹を有効利用することができないか研究を進めたが、床用基材の合板として用いるためには、構造用合板とは異なり、高い表面平滑性が確保されなければならない。
しかし、多数の製作試験を行った結果、針葉樹合板の表面に目止めを施すことで合板表面の凹凸を補修しても、合板内に存在していた節や木目が中密度繊維板の表面に顕れるため、最終的に床用基材の平滑性を確保できないことがわかった。
これは、針葉樹合板の場合、節や木目とそれ以外の部分とで押圧時の硬さ(剛性)の違いが大きいことから、硬い部分と柔らかい部分とで押圧方向の変形量がばらつき、加圧前は平滑であったにもかかわらず、加圧後には合板表面に凹凸が生じ、その凹凸が中密度繊維板の表面にも浮き上がってくるからであると思われる。
また、製作された床用基材に対し、床暖房を模した加熱試験を行ったところ、中密度繊維板表面の凹凸がさらに大きくなった。
これらの結果を受け、本出願人は、無溶剤系接着剤(反応系接着剤)の未硬化物を合板と中密度繊維板との間に介在させ、次いで、無溶剤系接着剤の未硬化物を介した中密度繊維板からの押圧力によって、合板における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形を該合板の表面に生じさせ、しかる後、無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させるようにすれば、床用基材製作時における上述の凹凸変形が無溶剤系接着剤の未硬化物に吸収されるとともに、施工後における床暖房等の熱による合板収縮についても、無溶剤系接着剤の硬化物が緩衝材として作用し、いずれの場合も、中密度繊維板の表面に凹凸が生じるのを未然に防止することができるというあらたな知見を得るに至ったものである。
無溶剤系接着剤(反応系接着剤)は、中密度繊維板を合板に押圧する前にそれらの隙間に介在させることができるものであって、合板表面に元から形成されていた凹凸はもちろん、上述した隙間がつぶれない程度の低圧の押圧力によってあらたに形成された合板表面の凹凸になじむように拡がることができるだけの充填性や流動性を有しつつ、隙間から漏出しない程度の粘性を保持し、なおかつ上述した凹凸になじんだ状態で硬化し得るものであれば、その種類は任意であり、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、PUR(ポリウレタン)系ホットメルト接着剤、アクリル樹脂系接着剤などが含まれる。
ここで、無溶剤系接着剤をエポキシ樹脂系接着剤又はウレタン樹脂系接着剤とした場合、接着剤を加熱溶解させる必要がないため、生産ラインの見直しが不要となり、従来の水性接着剤を用いた生産設備を転用することが可能となる。
表面硬さの不均質性とは、節や木目によって硬い部分と柔らかい部分とが入り混じって形成されている状態を意味する。
合板は、表面硬さの不均質性が存在する樹種であればすべて該当し、例えば広葉樹のポプラやユーカリも該当するが、本発明は、主として針葉樹で形成された合板、特に、スギ、カラマツその他の国産針葉樹で形成された合板を対象とする。
本発明は、無溶剤系接着剤の未硬化物を介した中密度繊維板からの押圧力により、合板における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形が該合板の表面に生じる点は許容する一方、この凹凸変形を無溶剤系接着剤の未硬化物で吸収し、その後で無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させる点に特徴があるため、無溶剤系接着剤の量や押圧力の大きさが重要となる。
すなわち、無溶剤系接着剤をエポキシ樹脂系接着剤とした場合、その量は、100〜600g/m2とするのが望ましく、200〜500g/m2とするのがさらに望ましい。
これは、200g/m2を下回ると、押圧力によって合板表面に生じた凹凸変形を十分に吸収できない懸念があり、100g/m2を下回ると、凹凸変形の吸収が不十分になる懸念があるからである。一方、500g/m2あるいは600g/m2を上回る量は必要がないからである。
また、無溶剤系接着剤をエポキシ樹脂系接着剤とした場合、該エポキシ樹脂系接着剤の未硬化物を介した中密度繊維板からの押圧力は、20N/cm2〜70N/cm2とするのが望ましく、20N/cm2〜40N/cm2とするのがさらに望ましい。
これは、40N/cm2を上回ると、合板と中密度繊維板との間から無溶剤系接着剤が抜け出し、上述した凹凸変形の吸収に十分な量が残らない懸念があるからであり、70N/cm2を上回ると、その傾向がさらに顕著となるからである。一方、20N/cm2を下回ると、接着が難しくなるからである。
以下、本発明に係る床用基材及びその製造方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る床用基材を示した断面図である。同図でわかるように、本実施形態に係る床用基材1は、9mm厚の合板2と、2.7mmの中密度繊維板3とを貼り合わせて全体厚が12mmとなるように構成してある。
中密度繊維板3は、吸水厚さ膨潤率を満たすため、比重0.8程度のものを用いる。
合板2は、スギ原木からロータリーレースで単板を剥ぎ、乾燥後、繊維方向が互いに直交するように3枚の単板6を積層するとともに、その両側にカラマツの表板5及び裏板5を重ねて接着することにより、5プライの低グレードスギ合板として構成してある。
合板2及び中密度繊維板3は、エポキシ樹脂系接着剤の硬化物4を介して相互に接着してあるが、かかる硬化物は、合板2及び中密度繊維板3の間にエポキシ樹脂系接着剤の未硬化物を介在させ、合板2における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形が、該合板の表面に形成された状態で、エポキシ樹脂系接着剤の未硬化物を硬化させてある。
本実施形態に係る床用基材1を製造するには、まず、合板2及び中密度繊維板3の接合対象面にエポキシ樹脂系接着剤の未硬化物を塗布する。なお、塗布すべき量は、後述するように従来の床用基材製作で知られているものより多いため、必要に応じて、合板2及び中密度繊維板3の各接合対象面にそれぞれ塗布する。
次に、合板2及び中密度繊維板3をそれらの接合対象面で重ね合わせることで、合板2及び中密度繊維板3の間にエポキシ樹脂系接着剤の未硬化物を介在させる。
次に、中密度繊維板3を合板2に押圧するとともに、該押圧力によって、合板2における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形を該合板の表面に生じさせる。
図2は、中密度繊維板3を合板2に接着する様子を示したものであり、同図(a)は従来の場合、同図(b)は本実施形態の場合である。同図の上段に示すように、合板2のうち、第1層のスギ材6に死節21が存在する場合、加圧前の状態では、いずれの場合も合板2の表面は平滑であり、死節21が欠陥として表面に顕れていない。
しかし、従来の場合、中密度繊維板3を合板2に押圧すると(同図(a)下段)、死節21が周辺よりも硬いため、押圧力によって死節21よりもその周囲が大きく変形し、その結果、合板2の表面には凹凸変形23が生じるとともに、中密度繊維板3の表面にも凹凸変形24が生じる。
一方、本実施形態の場合、中密度繊維板3を合板2に押圧すると(同図(b)下段)、従来と同様、押圧力によって合板2の表面に凹凸変形23が生じるが、かかる凹凸変形23は、エポキシ樹脂系接着剤の未硬化物4′に吸収され、中密度繊維板3の表面には凹凸として顕れない。
ここで、凹凸変形23をエポキシ樹脂系接着剤の未硬化物4′で確実に吸収することができるよう、エポキシ樹脂系接着剤の塗布量を、100〜600g/m2、望ましくは、200〜500g/m2とするとともに、エポキシ樹脂系接着剤の未硬化物4′を介した中密度繊維板3からの押圧力を、20N/cm2〜70N/cm2、望ましくは、20N/cm2〜40N/cm2とする。
これは、塗布量が200g/m2を下回ると、合板表面に生じた凹凸変形23を十分に吸収できない懸念があり、100g/m2を下回ると、凹凸変形23の吸収が不十分になる懸念があるからである。一方、500g/m2あるいは600g/m2を上回る量は、凹凸変形23の吸収には必要ないからである。
また、40N/cm2を上回ると、合板2と中密度繊維板3との間からエポキシ樹脂系接着剤の未硬化物4′が抜け出し、凹凸変形23の吸収に十分な量が残らない懸念があるからであり、70N/cm2を上回ると、その傾向がさらに顕著となるからである。一方、20N/cm2を下回ると、中密度繊維板3と合板2との接着が難しくなるからである。
凹凸変形23がエポキシ樹脂系接着剤の未硬化物4′で吸収されたならば、次に、かかる状態でエポキシ樹脂系接着剤の未硬化物4′を硬化させ、エポキシ樹脂系接着剤の硬化物4とする。
このようにして床用基材1を製作した後は、該床用基材を構成する中密度繊維板3の表面にオレフィンシートや化粧突板といった表面材を適宜接着し、床材として完成すればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る床用基材1及びその製造方法によれば、合板2において、該合板内に存在する針葉樹特有の節や木目が表面硬さの不均質性となり、中密度繊維板3を合板2に押圧したとき、その不均質性に起因した凹凸変形23が合板2の表面に生じるが、その凹凸変形23は、エポキシ樹脂系接着剤の未硬化物4′に吸収される。
したがって、この状態でエポキシ樹脂系接着剤の未硬化物4′を硬化させて硬化物4とすれば、中密度繊維板3の表面平滑性を確保した状態で、合板2に接着することができる。
そのため、低グレード合板であっても床用基材の合板として利用し、ひいてはスギの有効利用を図ることが可能となる。
また、本実施形態に係る床用基材1及びその製造方法によれば、エポキシ樹脂系接着剤の未硬化物4′は、合板2の表面に形成されている凹凸についてもこれを吸収することができるため、従来必要であった合板2の目止め作業を省略することも可能となる。
また、本実施形態に係る床用基材1及びその製造方法によれば、無溶剤系接着剤として、加熱溶解が不要なエポキシ樹脂系接着剤を用いるようにしたので、生産ラインの見直しが不要となり、従来の水性接着剤を用いた生産設備を転用することが可能となる。
また、本実施形態に係る床用基材1及びその製造方法によれば、エポキシ樹脂系接着剤の硬化物4は、床材として施工された後、床暖房等の熱で合板2が乾燥したときも、その引張応力や引張収縮を吸収する緩衝層として作用するため、中密度繊維板3の表面平滑性を維持することが可能となる。
[試験体]
スギ板を3層重ねて芯板としその両側にカラマツ材の表板及び裏板をそれぞれ積層した厚さ9mmの5プライ合板を製作し、その合板に市販の中密度繊維板を酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤で貼り付けたものを製作し、300mm角に調整して従来例の試験体とした。
スギ板を3層重ねて芯板としその両側にカラマツ材の表板及び裏板をそれぞれ積層した厚さ9mmの5プライ合板を製作し、その合板に市販の中密度繊維板を酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤で貼り付けたものを製作し、300mm角に調整して従来例の試験体とした。
また、上述と同様の5プライ合板及び中密度繊維板を、本実施形態で述べた手順に従ってエポキシ樹脂系接着剤で貼り付けたものを製作し、300mm角に調整して実施例の試験体とした。
なお、エポキシ樹脂系接着剤は、住友林業クレスト株式会社から「インスターボンドXTE−520」の名前で市販されている二液タイプのものを用い、コールドプレスにて接着を行った。
[加湿促進試験]
製作された床用基材に対し、国内の温湿度環境を模した加湿促進試験を行った。具体的には、これらの試験体に対し、一週間にわたり60゜Cで乾燥させた場合における重量変化と中密度繊維板表面の映出状況とを調べるとともに、同じく一週間にわたり、50゜C90%RH(湿熱)で吸湿させた場合の重量変化と中密度繊維板表面の映出状況とを調べた。結果を表1に示す。
製作された床用基材に対し、国内の温湿度環境を模した加湿促進試験を行った。具体的には、これらの試験体に対し、一週間にわたり60゜Cで乾燥させた場合における重量変化と中密度繊維板表面の映出状況とを調べるとともに、同じく一週間にわたり、50゜C90%RH(湿熱)で吸湿させた場合の重量変化と中密度繊維板表面の映出状況とを調べた。結果を表1に示す。
同表からわかるように、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤で接着した従来例の場合には、12ケース中、9ケースで「うっすら影が見える」ことを示す「3」か、又はそれ以上の映出状況となったのに対し、エポキシ樹脂系接着剤で接着した実施例の場合は、18ケースのすべてにおいて、「かすかに影が見える」ことを示す「2」か、又はそれ以下の映出状況にとどまっている。
[加熱促進試験]
製作された床用基材に対し、床暖房環境を模した加熱促進試験を行った。具体的には、これらの試験体に対し、5日間にわたり80゜Cの温水が通水されている床暖房パネルの上に設置した場合における重量変化と中密度繊維板表面の映出状況とを調べた。結果を表2に示す。
製作された床用基材に対し、床暖房環境を模した加熱促進試験を行った。具体的には、これらの試験体に対し、5日間にわたり80゜Cの温水が通水されている床暖房パネルの上に設置した場合における重量変化と中密度繊維板表面の映出状況とを調べた。結果を表2に示す。
同表からわかるように、エポキシ樹脂系接着剤で接着した実施例の場合、試験開始前に「見えない」ことを示す「1」という映出状況であったケースはすべて、試験終了後も変化はなかった。これは、実施例の場合、床暖房環境においても、節や木目に起因する凹凸が中密度繊維板の表面に顕れないことを示している。
ちなみに、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤で接着した従来例の場合には、試験開始前の「うっすら影が見える」ことを示す「3」という映出状況は、試験終了後も変わらなかった。
1 床用基材
2 合板
3 中密度繊維板
4 エポキシ樹脂系接着剤の硬化物(無溶剤系接着剤の硬化物)
4′ エポキシ樹脂系接着剤の未硬化物(無溶剤系接着剤の未硬化物)
2 合板
3 中密度繊維板
4 エポキシ樹脂系接着剤の硬化物(無溶剤系接着剤の硬化物)
4′ エポキシ樹脂系接着剤の未硬化物(無溶剤系接着剤の未硬化物)
Claims (10)
- 合板と中密度繊維板との間に介在された無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させることで前記合板及び前記中密度繊維板を相互に貼り合わせた床用基材であって、
前記合板における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形が該合板の表面に形成された状態で前記無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させたことを特徴とする床用基材。 - 前記無溶剤系接着剤をエポキシ樹脂系接着剤又はウレタン樹脂系接着剤で構成した請求項1記載の床用基材。
- 前記合板を針葉樹で形成した請求項1又は請求項2記載の床用基材。
- 前記針葉樹をスギ、カラマツその他の国産針葉樹とした請求項3記載の床用基材。
- 合板と中密度繊維板との間に無溶剤系接着剤の未硬化物を介在させ、次いで、前記中密度繊維板を前記合板に押圧しながら前記無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させる床用基材の製造方法であって、
前記無溶剤系接着剤の未硬化物を介した前記押圧力によって前記合板における表面硬さの不均質性に起因した凹凸変形を該合板の表面に生じさせ、しかる後、前記無溶剤系接着剤の未硬化物を硬化させることを特徴とする床用基材の製造方法。 - 前記無溶剤系接着剤をエポキシ樹脂系接着剤又はウレタン樹脂系接着剤で構成した請求項5記載の床用基材の製造方法。
- 前記合板を針葉樹で形成した請求項5又は請求項6記載の床用基材の製造方法。
- 前記針葉樹をスギ、カラマツその他の国産針葉樹とした請求項7記載の床用基材の製造方法。
- 前記エポキシ樹脂系接着剤の量を100〜600g/m2、前記押圧力を20N/cm2〜70N/cm2とした請求項6記載の床用基材の製造方法。
- 前記エポキシ樹脂系接着剤の量を200〜500g/m2、前記押圧力を20N/cm2〜40N/cm2とした請求項6記載の床用基材の製造方法。
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JP2011123895A JP2012251348A (ja) | 2011-06-02 | 2011-06-02 | 床用基材及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017061843A (ja) * | 2014-12-05 | 2017-03-30 | 大日本印刷株式会社 | コルクシートを用いた化粧材 |
JP2017226125A (ja) * | 2016-06-22 | 2017-12-28 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 板状建材の製造方法 |
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2011
- 2011-06-02 JP JP2011123895A patent/JP2012251348A/ja not_active Withdrawn
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