以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置は任意に設定でき、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されない。
図1は、ゲームシステムの一例であるゲーム機10を正面からみた状態を示している。このゲーム機10は、例えば、所定の対価を消費して所定のゲームをプレイすることができる。ただし、本実施形態のゲームシステムは、携帯電話、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、携帯ゲーム機、又は据置ゲーム機(例えば家庭用ゲーム機)であってもよい。さらに、ゲームシステムは、ゲーム端末とサーバとを含むシステム、及びアーケードゲーム機とサーバと端末装置(例えば、携帯型端末又は据置型端末)とを含むシステム等の複数の装置を含むシステムであってもよい。また、ゲーム機10が提供するゲームの種類は、プレイ時に楽曲が再生されるゲーム、例えば、シューティングゲーム、レースゲーム、ロールプレイングゲーム、及び格闘ゲーム等の各種ゲームであってよい。以下では、特に言及した場合を除いて、ゲームシステムがアーケードゲーム機であり、音楽ゲームを提供する場合について説明する。
ゲーム機10は、制御部30及びメモリ40(図3)が収納された筐体部11と、ゲーム画面を表示する表示部の一例であるモニタ12と、楽曲及び演出音等の音を再生するスピーカ13とを備えている。また、筐体部11の上面には、操作部14が配置されている。この操作部14は、スタートボタン15と、4つの操作ボタン16と、ベース音及びドラム音等の演出音を再生させるために操作される2つのエフェクトボタン17と、回転操作可能な2つの回転デバイス18とを備えている。スタートボタン15と、操作ボタン16と、エフェクトボタン17とはユーザが押し下げることによって操作される。そして、回転デバイス18は、ユーザが図1において左方向又は右方向に回転させることによって操作される。代替的に、モニタ12、スピーカ13、及び操作部14の少なくとも一つが、ゲーム機10とは別体であってもよい。
スタートボタン15は、ゲームの開始、楽曲の選択、ゲーム難易度の設定等を行う場合に使用される。ゲームを開始する場合、ユーザはモニタ12に表示されるスタート画面の指示に従って、スタートボタン15を操作する。例えば、ユーザは、プレイする楽曲、ゲームモード、及びゲームの難易度等の各種設定を選択する。また、ユーザは、ゲームモードの中から通常モードと、合成楽曲モードとを選択できる。通常モードが選択された場合、ユーザは、選択した一つ又は複数の楽曲をそれぞれ単独でプレイする。合成楽曲モードが選択された場合、ユーザは、複数の楽曲を選択し、選択された複数の楽曲に基づいてゲーム機10が作成した合成楽曲をプレイする。そして、ゲームが開始されると、ユーザは、ゲーム画面上を移動するオブジェクトによる操作手順の案内に従って、操作ボタン16と、エフェクトボタン17と、回転デバイス18とを操作する。
図2は、モニタ12に表示されるゲーム画面の一例である。このゲーム画面の下部には、ゲーム機10の操作部14を模した画像があり、2つの回転デバイス18を模した画像の間にはゲーム画面の左右方向に延びる操作ライン21がある。また、操作ライン21に交差する方向には、ゲーム画面の上下方向に6本のレーン22が延びている。これらのレーン22上には、一つのレーン22上にある通常オブジェクト23、二つのレーン上にある演出オブジェクト24、及び複数のレーン22を横切るラインオブジェクト25が表示される。これらのオブジェクトは、ユーザにゲームの操作手順を案内するために表示される。そして、各オブジェクトは、スピーカ13から再生される楽曲にタイミングを合わせて画面上部から操作ライン21に向かって移動する。ユーザは、これらのオブジェクトが操作ライン21に到達するタイミングで操作部14を操作する。そして、ユーザのゲーム操作のタイミングとオブジェクトの到達タイミングとが一致すると、ユーザのスコアが加算される。また、両タイミングが一致しない場合には、ユーザのスコアを減算してもよい。
通常オブジェクト23は、操作ボタン16に対応し、4つのレーン22上のいずれかに表示される。そして、ユーザは、通常オブジェクト23が操作ライン21に到達するタイミングに合わせて、対応する操作ボタン16を押し下げる。また、演出オブジェクト24は、エフェクトボタン17に対応し、2つのレーン22に跨って表示される、そして、ユーザは、演出オブジェクト24が操作ライン21に到達するタイミングに合わせて、対応するエフェクトボタン17を押し下げる。ユーザがエフェクトボタン17を押し下げるタイミングと、演出オブジェクト24の到達タイミングとが一致すると、スピーカ13から演出音が再生される。
ラインオブジェクト25は、ゲーム画面の左端及び右端のレーン22のうち一方の端のレーン22から他方の端のレーン22までの範囲で、各レーン22を横切るように表示される。ラインオブジェクト25は、右側の回転デバイス18と左側の回転デバイス18とにそれぞれ対応させるように、例えば色などで区別して表示される。また、各ラインオブジェクト25に対応するように、操作ライン21上を左右方向に移動する、例えば三角形状の操作標識(不図示)が表示される。この操作標識も左右の回転デバイス18にそれぞれ対応するように、例えば色などで区別して表示される。そして例えば、ユーザは、右端のレーン22にあるラインオブジェクト25が操作ライン21に到達するタイミングに合わせて、操作標識の操作ライン21上の左右方向の位置と、ラインオブジェクト25とが一致するように、右側の回転デバイス18を回転させる。ラインオブジェクト25が操作ライン21と交差する位置に応じて、右側の回転デバイス18を左方向または右方向に適宜回転させ、操作する。このような操作は左側の回転デバイス18についても同様であるので、説明を省略する。ユーザが回転デバイス18を回転させることで画面内を移動する操作標識の操作ライン21上の位置と、ラインオブジェクト25の操作ライン21との交差位置とが所定の関係にある(例えば所定の範囲内にある)と、スピーカ13から連続的な演出音が再生される。
複数のレーン22の右方には、ユーザが得たスコアを表示するスコア表示部26がある。このスコア表示部26の上部にはクリアゾーン27があり、ユーザが得たスコアを表示するゲージ28は、スコアが加算されるにつれてクリアゾーン27に近づく。そして、ゲージ28がクリアゾーン27に到達した状態でゲームが終了すると、ゲームクリアとなる。また、複数のレーン22の上方には、再生中の楽曲を特定する特定表示の一例として、アイコン29が表示されている。例えば、このアイコン29はユーザに楽曲を想起させる画像であり、アイコン29を見たユーザは再生中の楽曲を特定することができる。さらに、アイコン29によって、ゲーム画面を見たユーザ以外の閲覧者、例えばユーザの周囲で見ている観客に対しても、再生中の楽曲を特定させることができる。なお、特定表示は、ユーザに楽曲を想起させる表示であれば、楽曲のジャケット画像、曲名等の文字、色、及び図形等の各種の表示であってもよい。以下では、特定表示としてアイコン29が表示される場合について説明する。
ゲームが開始されると、ゲーム画面がモニタ12に表示され、スピーカ13からは楽曲が再生される。そして、ユーザは、モニタ12に表示された操作手順、すなわち通常オブジェクト23と演出オブジェクト24の動きに従って、操作ボタン16とエフェクトボタン17とを押し下げてゲームをプレイする。このとき、ユーザがエフェクトボタン17を押し下げると、スピーカ13からは演出音が再生される。さらに、ユーザは、モニタ12に表示された操作手順、すなわちラインオブジェクト25の動きに従って、回転デバイス18を回してゲームをプレイする。
図3は、筐体部11内の制御部30を示すブロック図である。この制御部30は、ゲームシステムのコンピュータとして機能し、一例として、不図示のCPU、SPU及びGPUを含んでいる。そして、制御部30は、メモリ40に記憶されたプログラムに基づいて、ゲーム機10の全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、メモリ40は、制御プログラム41及びゲームプログラム42を記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。一例として、メモリ40は、制御部30が動作するためのシステムワークメモリであるRAMと、制御プログラム41及びゲームプログラム42を格納するROM及び/又はハードディスクドライブとを有する。なお、制御部30は、CD(Compact Disc)、USBメモリ、又はインターネット上のサーバ等の外部のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶された制御プログラム41及びゲームプログラム42に従って制御してもよい。
制御部30は、ゲーム画面をモニタ12に表示させる表示制御部50と、楽曲をスピーカ13に再生させる再生制御部60とを有している。また、制御部30は、操作部14から入力されるユーザのゲーム操作を評価してスコアを算出する操作評価部70と、後述する合成楽曲を構成するセクションを選択する楽曲作成部80とを有している。各部は制御部30に各論理的装置として生成され、メモリ40に記憶されたゲームプログラム42に対応して制御部30が各種処理を実行することにより各種機能として論理的に実現される。ただし、説明の便宜上、一部の論理的装置の図示は省略されている。
メモリ40はゲームに使用するゲームデータ43として、例えば、アイコン29、各オブジェクト、及び背景等の画像データと、楽曲、効果音及び演出音等の楽曲データと、ゲームの操作手順を定義した譜面データとを記憶している。楽曲データは、それぞれが複数のセクションに分割された複数の楽曲に対応するデータを含む。そして、当該複数の楽曲に対応するデータは、それぞれ複数のセクションに分割された状態で記憶されている。また、譜面データは、例えばオブジェクトの種類、操作すべきタイミング及びゲーム画面における到達位置等のデータにより構成されている。この譜面データは、それぞれの楽曲毎に複数のセクションに分割された状態で記憶されており、オブジェクトの操作すべきタイミングは、例えばセクションの最初からの経過時間として記憶されている。なお、操作すべきタイミングは、楽曲の冒頭からの累積経過時間として記憶されていてもよいし、セクションの最初からの拍数あるいは楽曲の冒頭からの拍数として記憶されていてもよい。拍数として記憶すると、再生時のテンポが変更された際にも調整が容易となる。楽曲データは複数の楽曲のそれぞれのデータを含み、譜面データは一楽曲のデータに対して難易度に応じた複数組のデータを含んでいてもよい。表示制御部50は、画像データ及び譜面データに基づいて、所定のタイミングでモニタ12に画像を表示させる。また、再生制御部60は、楽曲データに基づいてスピーカ13に音を再生させる。さらに、再生制御部60は、操作部14から入力されたユーザのゲーム操作に応じて、スピーカ13に演出音を再生させる。なお、ゲームデータ43の少なくとも一部は、外部記憶装置に記憶されていてもよい。
図4に示すように、操作評価部70は、ゲームのユーザにゲームの操作手順を案内する案内手段として機能する案内部71を含んでいる。また、操作評価部70は、操作部14から入力されたユーザのゲーム操作に基づいて、ゲーム操作を評価する評価部72を含んでいる。具体的に、案内部71は、譜面データに基づいて、所定のタイミング及び速度で、各オブジェクトをレーン22上で移動させる。すなわち、案内部71は、所定の操作タイミングにオブジェクトが操作ライン21に到達するように、各オブジェクトを移動させる。このように、案内部71は、ユーザが操作すべき操作部14のボタン又はデバイスと、その操作タイミングとをユーザに案内する。
評価部72は、譜面データに基づいて、操作部14の中のいずれのボタン又はデバイスが操作される操作タイミングなのかを判断する。この操作タイミングは、所定の長さの操作時間の中央に設定されている。そして、評価部72は、操作時間内における、操作されるべきボタン又はデバイスに対するユーザのゲーム操作を検出する。さらに、評価部72は、検出されたゲーム操作と操作タイミングとのずれ量に基づいて、ユーザの操作を評価する。例えば、評価部72は、操作時間の中央のタイミングでゲーム操作を検出すると(ずれ量がゼロである)、ユーザの操作を高く評価して高いスコアを加算する。
また、評価部72は、操作時間の中央から少し早い又は少し遅いタイミングでゲーム操作を検出すると(ずれ量が少ない)、ユーザの操作を通常に評価して通常のスコアを加算する。さらに、評価部72は、操作時間の中央から大きく早い又は大きく遅いタイミングでゲーム操作を検出するか(ずれ量が多い)、又は操作時間内にゲーム操作を検出しないと、ユーザが操作に失敗したと判断して、スコアを減算するか又は加算しない。
そして、表示制御部50は、評価部72による評価結果を示す画像をゲーム画面に表示する。例えば、表示制御部50は、高いスコアを加算する場合には「CRITICAL」の文字を表示する。また、表示制御部50は、通常のスコアを加算する場合には「NEAR」の文字を表示する。さらに、表示制御部50は、スコアを減算する場合には「ERROR」の文字を表示する。なお、表示制御部50は、文字とともにスコアを数字で表示してもよく、ゲーム中に合計スコアをゲーム画面に表示してもよい。
代替的に評価部72は、ゲーム開始時のスコアの初期値を最大に設定し、ユーザが操作に失敗した場合にスコアを減算してもよい。この場合、評価部72は、ユーザが操作に成功した場合には、スコアを加算してもよい。例えば、ゲーム終了時(楽曲の再生終了時)に残ったスコアを示すゲージがクリアゾーン27を超えていれば、ゲームクリアとなる。
[合成楽曲の作成]
制御部30の楽曲作成部80は、複数の楽曲をそれぞれ複数に分割して得られる複数のセクションを含む楽曲データの中から、少なくとも二つの楽曲のセクションを選択し、これらのセクションが含まれるように合成楽曲を作成する。以下、合成楽曲の作成について図5及び図6を参照して説明する。
図5Aに示すように、後述する合成楽曲の基礎となるベース楽曲Aは、6つのセクションA1,A2,A3,A4,A5及びA6に分割されている。同様に、ベース楽曲Aに合成される楽曲であるサブ楽曲Bは、6つのセクションB1,B2,B3,B4,B5及びB6に分割されている。複数のセクションのそれぞれには、合成楽曲に含められるべき優先セクションを選択するために参照される参照情報が関連付けられている。例えば、この参照情報は、各セクションのデータのヘッダに置かれているか、又は各セクションと関連付けられたテーブルの形式で楽曲データに含まれている。そして、図4に示すように、楽曲作成部80は、楽曲データの中から合成楽曲に含められるべき少なくとも二つのセクションを選択する再生セクション選択手段として、再生セクション選択部81を備えている。さらに、楽曲作成部80は、参照情報に基づいて、優先セクション同士の間に位置すべき接続セクションを楽曲データの中から選択する接続セクション選択手段として、接続セクション選択部82を備える。
一例として、参照情報は、合成楽曲に含められるべき優先セクションであることを示す情報として、楽曲構成における位置付けを示す構成情報と、ユーザがプレイしたいと思う可能性が高いセクションであることを示す譜面情報とを含んでいる。さらに、参照情報は、他のセクションとの接続の相性度を求めるための相性度情報を含んでいる。この相性度情報は、さらにセクション全体のキーを示すキー情報と、セクション中のコード進行を示すコード情報と、合成楽曲を作成する際に参照される属性情報とを含んでいる。なお、楽曲作成部80は、合成楽曲を作成する際に、キー情報を参照して、連続するセクション同士のキーを揃えるように変更してもよい。さらに、楽曲作成部80は、合成楽曲を作成する際に、連続するセクション同士の音量及びテンポを揃えるように変更してもよい。これらの変更は、いずれかのセクションに合わせる変更、すなわち片方のみの変更でもよいし、両セクションを変更することでもよい。代替的に楽曲作成部80は、合成楽曲を作成する際に、楽曲同士のキー、音量及びテンポの少なくとも一つを揃えることとしてもよい。楽曲の途中でキー等が変化する楽曲が存在する場合、楽曲全体を一律に変更することで、楽曲中のキー等の変化も維持される。キー、音量及びテンポを揃える場合、いずれかの楽曲に合わせるように変更してもよいし、いずれでもないキー、音量及びテンポに揃えることとしてもよい。
構成情報は、例えば、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ1、間奏、サビ2、Cメロ、Dメロ、及びアウトロ等の各構成を示している。具体的に、図5AのセクションA1及びB1は、イントロの構成情報に関連付けられている。また、セクションA2及びB2はAメロの構成情報に、セクションA3及びB3はBメロの構成情報に、セクションA4及びB4はサビの構成情報に、セクションA5及びB5は間奏の構成情報に、セクションA6及びB6はアウトロの構成情報に関連付けられている。さらに、一つのセクションが複数の構成情報に関連付けられていてもよい。例えば、セクションA1及びB1を「スタート」(楽曲の開始セクション)を示す構成情報にさらに関連付けてもよい。また、セクションA6及びB6を「エンド」(楽曲の終了セクション)を示す構成情報にさらに関連付けてもよい。
優先セクションとは、ユーザがプレイしたいと思う可能性が高いセクション、例えば、サビ、イントロ、及びアウトロ等の楽曲としての山場に対応するセクション、歌唱が含まれるセクション、並びに難易度が高い部分等のゲームの山場に対応するセクションである。さらに、優先セクションは、ユーザが選択したセクションであってもよい。そして、譜面情報は、優先セクションに該当するか否かを示している。例えば、図5AのセクションA1,A4,A6,B1,B4及びB6の譜面情報は、いずれも優先セクションに該当することを示している。また、構成情報は、優先セクションとして、サビ、イントロ、及びアウトロ等に対応するセクションであることを示している。
キー情報は、セクション同士のキーを揃えるためにピッチを上げ下げする際に参照される。例えば、キー情報は、基準キーに対するキーの高さ又は低さを示しており、+1#,+2#,+3#,+4#,+5#,+6#,−1♭,+2♭,+3♭,+4♭,+5♭,及び+6♭を示す。また、コード情報は、コード進行を示す以外に、つながり易いコードを示してもよい。属性情報は、合成楽曲を作成する際のルールに関する情報を含んでいる。例えば、属性情報は、同時再生可能であること、連続再生(ループ再生)が可能であること、イントロとして使用できないこと、アウトロとして使用できないこと、低音をカットできること、高音をカットできること、後に演出音セクションを接続できること、前に演出音セクションを接続できること、最後の部分に演出音セクションを重ねられること、最初の部分に演出音セクションを重ねられること等の各種属性を示している。なお、演出音セクションとは、楽曲のセクションとは異なるセクションであって、ユーザの所定の操作に従って演出音が再生されるセクションである。
さらに、相性度情報に含まれる属性情報は、少なくとも一つの他のセクションとのつながり易さを示す相性度を示す情報を含んでいる。この相性度は、例えば、同じ楽曲のセクションとのつながり易さの程度を示す。具体的に、図5Bの例では、セクションA1の後ろには、セクションA2が最も高い100ポイントの相性度を示し、次にセクションA3が50ポイントの相性度を示している。また、セクションB4の前には、セクションB3が最も高い100ポイントの相性度を示し、次にセクションB2が75ポイントの相性度を、その次にセクションB5が50ポイントの相性度を示している。これらの相性度は、ポイントが高いほどつながり易いことを示している。さらに、相性度は、他の楽曲のセクションとのつながり易さの程度も示している。具体的に、図5Bの例では、セクションA2の後ろには、セクションB3が最も高い100ポイントの相性度を示し、次にセクションB2が75ポイントの相性度を示し、その次にセクションB5が50ポイントの相性度を示している。
すなわち、属性情報は、同じ又は異なる楽曲のセクションとのつながり易さ、前に接続されるセクションとのつながり易さ、又は後ろに接続されるセクションとのつながり易さ、の少なくとも一つを示す。また、属性情報は、つながり易いセクションを示す情報であってもよい。図5Bの例では、セクションA1の属性情報が、最もつながり易いセクションがセクションA2であり、次につながり易いセクションがセクションA3であることを示していてもよい。さらに、相性度は計算によって求めてもよく、例えば、キーが一致する場合は50ポイントを加算し、コード進行が類似する場合には50ポイントを加算して、相性度を100ポイントと計算することができる。
[優先セクションの選択]
ユーザが合成楽曲モードを選択した場合、楽曲作成部80は、選択された複数の楽曲、例えば二つのベース楽曲A及びサブ楽曲Bから合成楽曲を作成する。ただし、ユーザは三つ以上の楽曲を選択してもよく、この場合にも、同様に合成楽曲を作成することができる。以下では、ユーザが二つの楽曲を選択した場合について説明する。
図4に示すように、楽曲作成部80は、合成楽曲の基礎となるベース楽曲のセクションと、ベース楽曲に合成されるサブ楽曲のセクションとを判別するセクション判別手段として、セクション判別部83を備えている。このセクション判別部83は、例えば、ユーザが最初に選択した楽曲に含まれるセクションを、ベース楽曲のセクションとして判別する。代替的に、セクション判別部83は、ユーザが選択した楽曲又はランダムに選択された楽曲に含まれるセクションを、ベース楽曲のセクションとして判別してもよい。
また、セクション判別部83は、例えば、ユーザが二番目以降に選択した楽曲に含まれるセクションを、ベース楽曲に合成されるサブ楽曲のセクションとして判別する。代替的に、セクション判別部83は、ベース楽曲以外の楽曲の中からランダムに選択された楽曲に含まれるセクションを、サブ楽曲のセクションとして判別してもよい。そして、再生セクション選択部81は、参照情報として構成情報を参照して、合成楽曲において最初又は最後に再生されるセクションを、ベース楽曲のセクションの中から決定する。
図5Aの例では、再生セクション選択部81は、楽曲データの中から、最初に再生されるセクションとして、ベース楽曲Aの優先セクションであるセクションA1を決定する。このセクションA1の構成情報は、セクションA1がイントロであることを示している。すなわち、再生セクション選択部81は、ベース楽曲Aのうち、イントロとして使用されるセクションA1を選択する。代替的に、再生セクション選択部81は、ユーザが選択した全ての楽曲、又は選択していない楽曲の中からランダムで優先セクションを選択してもよい。また、再生セクション選択部81は、ユーザが選択したセクションを、優先セクションとして選択してもよい。
さらに、再生セクション選択部81は、ベース楽曲の優先セクションの中から、最後に再生されるセクションを決定してもよい。すなわち、再生セクション選択部81は、合成楽曲の最初と最後の両セクションを、ベース楽曲の優先セクションの中から選択してもよい。図5Aの例では、再生セクション選択部81は、楽曲データの中から、最後に再生されるセクションとして、ベース楽曲Aの優先セクションであるセクションA6を選択できる。このセクションA6の構成情報は、セクションA6がアウトロであることを示している。すなわち、再生セクション選択部81は、ベース楽曲Aのうち、アウトロとして使用されるセクションA6を選択できる。
そして、再生セクション選択部81は、参照情報として構成情報を参照して、ベース楽曲Aとは異なるサブ楽曲Bの中からランダムで優先セクションであるセクションB4を選択する。同様に、再生セクション選択部81は、優先セクションの選択を繰り返す。代替的に、再生セクション選択部81は、構成情報を参照して、楽曲の構成として、選択された優先セクション(例えばイントロ)の後に位置する優先セクションを選択してもよい。図5Aの例では、再生セクション選択部81は、サブ楽曲Bの中から楽曲の構成としてイントロの後に位置するセクションB4及びB6を抽出できる。そして、再生セクション選択部81は、抽出したセクションB4及びB6の中からイントロに近いセクションB4(サビ)を優先セクションとして選択できる。
さらに、再生セクション選択部81は、同じ楽曲の中から優先セクションを選択してもよい。図5Aの例では、再生セクション選択部81は、サビであるセクションB4の後に位置する優先セクションとして、アウトロであるセクションB6を選択してもよい。さらに、再生セクション選択部81は、楽曲の構成として、選択された優先セクションよりも前に位置する優先セクションを選択してもよく、または既に選択されたセクションを繰り返し選択してもよい。例えば、図5Aの例では、再生セクション選択部81は、サビであるセクションB4の後に位置する優先セクションとして、イントロであるセクションB1、又はサビであるセクションB4を選択してもよい。
[接続セクションの選択]
次に、接続セクション選択部82は、参照情報に基づいて、すなわち相性度情報として相性度を参照して、優先セクションとの相性がよい接続セクションを楽曲データの中から選択する。具体的に、接続セクション選択部82は、相性度に基づいて、優先セクションとしてすでに選択されているセクションB4に先行する先行セクション、および優先セクションとしてすでに選択されているセクションA4に後続する後続セクションの少なくとも一方を、楽曲データの中から選択する。すなわち、接続セクション選択部82は、接続セクションの少なくとも一部として、二つのセクションからなる接続セクションのうちの一つ又は二つ、若しくは三つ以上のセクションからなる接続セクションのうちの一つ又は二つを選択する。なお、接続セクションは、少なくともその一部が優先セクション同士の間に位置するように合成楽曲内に配置される。
まず、接続セクション選択部82は、すでに選択されている優先セクションと相性がよいセクションを、後続セクション又は先行セクションの候補セクションとして抽出する。図5Bの例では、接続セクション選択部82は、すでに選択されているセクションA1と相性がよいセクションA2及びA3を、後続セクションの候補セクションとして抽出する。また、接続セクション選択部82は、すでに選択されているセクションB4と相性がよいセクションB2,B3及びB5を、先行セクションの候補セクションとして抽出する。これらの候補セクションの中から接続セクションを構成するセクションを選択することによって、接続セクション選択部82は、優先セクションとの相性がよい接続セクションを選択できる。
次に、接続セクション選択部82は、相性度情報として相性度に基づいて、接続セクションとして選択されるべき候補セクションに先行するセクションと、当該候補セクションに後続するセクションとの少なくとも一方を、楽曲データの中から選択する。図5Bの例では、接続セクション選択部82は、セクションA2又はA3に後続するセクションとして、セクションB2,B3及びB5を候補セクションとして抽出する。もしくは、接続セクション選択部82は、セクションB2,B3又はB5に先行するセクションとして、セクションA2又はA3を抽出してもよい。すなわち、接続セクション選択部82は、接続セクションの候補セクションであるセクションA2又はA3、若しくは同じく候補セクションであるセクションB2,B3又はB5と相性がよいセクションを、候補セクションとしてさらに抽出する。
続いて、接続セクション選択部82は、優先セクション及び接続セクションの組み合わせパターンの中から、つながり易さのポイントが所定の閾値以上の組み合わせを抽出する。そして、接続セクション選択部82は、抽出した組み合わせパターンの中から、ランダムで一つの組み合わせを選択する。これにより、接続セクション選択部82は、接続セクションとして選択されるべきセクションに先行する又は後続する接続セクションを選択できる。図5Bの例では、セクションA1,A2,B3及びB4の組み合わせは、セクションA1及びA2間の相性度100ポイントと、セクションA2及びB3間の相性度100ポイントと、セクションB3及びB4間の相性度100ポイントとを加算した300ポイントの相性度となる。そして、閾値を250ポイントに設定した場合には、この組み合わせの他、セクションA1,A2,B2及びB4の組み合わせ(250ポイント)と、セクションA1,A3,B3及びB4の組み合わせ(250ポイント)とが抽出される。この中から、接続セクション選択部82は、ランダムで、例えば図5Cに示すセクションA1,A2,B3及びB4の組み合わせを選択する。
代替的に、接続セクション選択部82は、抽出した組み合わせパターンの中から、最も高いポイントを示す組み合わせを選択してもよい。図5Bの例では、セクションA1,A2,B3及びB4の組み合わせが最も高いポイントを示す。そのため、接続セクション選択部82は、当該組み合わせに含まれるセクションA2及びB3を、接続セクションとして選択してもよい。
さらに、接続セクション選択部82は、合成楽曲を作成するに際して、属性情報を参照してもよい。例えば、接続セクション選択部82は、合成楽曲の最初の優先セクションを選択する際に、イントロとして使用できないことを示す属性情報に関連付けられたセクションを除外してもよい。さらに、接続セクション選択部82は、相性度情報としてキー情報及びコード情報の少なくとも一方を参照してもよい。例えば、接続セクション選択部82は、優先セクションに対してキーが揃っているセクションを、優先セクションと相性がよい接続セクションとして選択できる。また、接続セクション選択部82は、優先セクションに対してコード進行が類似するセクションを、優先セクションと相性がよい接続セクションとして選択できる。
さらに、接続セクション選択部82は、キー情報及びコード情報の少なくとも一方を参照して、所定のポイントを相性度に加算又は減算してもよい。例えば、接続セクション選択部82は、キーが揃っているセクション及びコード進行が類似するセクションの少なくとも一方に対して、所定のポイントを加算してもよい。もしくは、接続セクション選択部82は、キーが揃っていないセクション及びコード進行が類似しないセクションの少なくとも一方に対して、所定のポイントを減算してもよい。
また、接続セクション選択部82は、ユーザが選択した楽曲を構成するセクション以外の他のセクションを接続セクションとして選択してもよい。例えば、接続セクション選択部82は、ユーザが選択していない楽曲のセクション、ユーザの操作に応じた演出音を再生する演出音セクション、ビート音等の効果音からなるセクション、楽曲の一部を繰り返すループセクション、接続セクション用に予め作成された汎用セクション、特定の楽曲の接続セクション用に予め作成された特定セクション等を接続セクションとして選択してもよい。
このようなゲーム機10のゲームプログラム42は、コンピュータとしての制御部30を、複数のセクションのそれぞれに関連付けられかつ合成楽曲に含められるべき優先セクションを選択するために参照される参照情報に基づいて、楽曲データの中から優先セクションを選択する再生セクション選択手段として機能させる。さらに、当該ゲームプログラム42は、制御部30を、参照情報に基づいて、優先セクション同士の間に位置すべき接続セクションを、楽曲データの中から選択する接続セクション選択手段として機能させる。
なお、二つのセクションを接続する場合、楽曲作成部80は、先行するセクションの最後の部分及び後続するセクションの最初の部分の少なくとも一方を変更してもよい。例えば、楽曲作成部80は、先行するセクションの音量を徐々に下げるフェードアウト、及び後続するセクションの音量を徐々に上げるフェードインの少なくとも一方を施してもよい。さらに、楽曲作成部80は、先行するセクション及び後続するセクションの少なくとも一方の低音域を削って高音域を強調するか、又は高音域を削って低音域を強調してもよい。さらに、楽曲作成部80は、先行するセクションの最後の部分及び後続するセクションの最初の部分の少なくとも一方に、効果音又は演出用の楽曲を挿入してもよい。また、楽曲作成部80は、セクションの一部、例えば、サブ楽曲のセクションの一部のみが再生されるようにセクションを変更してもよい。
[譜面データの作成]
図4に示すように、制御部30の楽曲作成部80は、合成楽曲の譜面データを作成する譜面データ作成部84を有している。例えば、譜面データ作成部84は、合成楽曲を構成するセクションに対応する譜面データをメモリ40から読み出して、セクションの順番に応じて並べることにより合成楽曲の譜面データを作成する。図5Cの例では、セクションA1,A2,B3及びB4に対応する譜面データが、この順に並べられている。
メモリ40は、楽曲の各セクションに対応する譜面データに加えて、例えば、演出音に対応する譜面データ、全ての楽曲に対応する汎用譜面データ、特定の楽曲に対応して作成された特定譜面データ等の他の譜面データを記憶している。譜面データ作成部84は、これらの譜面データの少なくとも一つを、セクションに対応する譜面データに代えて使用してもよい。なお、譜面データは、セクション毎に作成されているが、一つのセクションに対して難易度に応じた複数組の譜面データがあってもよい。
[演出音セクションの選択]
図4に示すように、制御部30の楽曲作成部80は、演出音セクション決定手段としての演出音セクション決定部85を有している。さらに、制御部30の再生制御部60は、演出音再生手段としての演出音再生部61を有している。以下、図6AからDを参照して、演出音セクション決定部85が、合成楽曲の二つのセクションを接続するセクションとして、演出音セクションを挿入する場合について説明する。
演出音とは、ユーザが演出音セクションに対応する譜面データ(以下、「演出譜面データ」という)に応じた操作手順に従って所定の演出操作をした場合に再生される音である。そして、演出音セクションは、この演出音を特定するために参照される参照情報と関連付けられている。また、演出音再生部61は、ユーザが所定の演出操作をした場合に、演出操作に応じた演出音を再生する。なお、演出音のみが再生される演出音セクションと、演出音に加えて楽曲、又はベース音等の効果音が再生される演出音セクションとがある。さらに、楽曲又は効果音が再生される演出音セクションの場合、演出音再生部61は、ユーザの演出操作に応じた演出音に加えて、楽曲又は効果音を再生する。また、演出譜面データは、一例として1小節(4拍)分での長さであり、一つ以上のオブジェクトが案内されるように構成される。なお、演出譜面データは、予め作成してあってもよく、楽曲作成部80が自動的に作成してもよい。
図6Aの例では、演出音セクション決定部85が、優先セクションとしてのセクションB4と、接続セクションとしてのセクションA2との間に演出音セクションを挿入している。また、演出音セクション決定部85は、楽曲のセクションの少なくとも一部と同時に演出音が再生されるように、演出音セクションを決定してもよい。このように演出音セクションを挿入する場合であっても、演出音によって曲調が変化するため、演出音セクションは、二つのセクションを接続するために用いられる。図6Bの例では、演出音セクション決定部85が、接続セクションとしてのセクションA2の最後の部分と同時に演出音が再生されるように、演出音セクションを決定している。また、図6Cの例では、演出音セクション決定部85が、優先セクションとしてのセクションB4の最初の部分と同時に演出音が再生されるように、演出音セクションを決定している。さらに、図6Dの例では、演出音セクション決定部85が、セクションB3に渡って演出音が再生されるように、演出音セクションを決定している。
具体的に、案内部71は、演出音セクションに対応する演出譜面データに応じて、演出操作の操作手順をユーザに案内する。例えば、案内部71は、図2の演出オブジェクト24又はラインオブジェクト25によって、演出操作の操作手順をユーザに案内する。ユーザは、案内された演出操作の操作手順に従って、操作部14のエフェクトボタン17又は回転デバイス18を操作する。そして、演出音再生部61は、ユーザの演出操作に応じて、スピーカ13から演出音を再生させる。このとき、ユーザが正しく操作すると、演出音再生部61は、演出音セクションに設定された通りの演出音を再生する。一方、ユーザが誤った操作をすると、演出音再生部61は、演出音を再生しないか又はユーザの操作に従った誤った演出音を再生する。
ここでユーザの演出操作は、スコアの加算対象としてもよく、加算対象としなくともよい。加算対象とすれば、ユーザが演出音を再生するための動機となり、また次のセクションに進むまでユーザに緊張感を維持させることができる。加算対象としなければ、ユーザに対して演出操作をしないという選択肢を与え、再生される楽曲をユーザがアレンジできる。
演出音セクション決定部85は、少なくとも二つのセクション、例えば優先セクション同士、優先セクションと接続セクション、又は接続セクション同士を接続するための演出音セクションを決定する。例えば、合成楽曲のセクション同士のつなぎとして、演出音セクションが自動的に決定される。一例として、演出音セクション決定部85は、接続セクション選択部82が接続セクションを選択するとき、又は接続セクションを選択した後に、ランダムで演出音セクションを挿入するか否かを決定する。そして、演出音セクションを挿入すると決定した場合、演出音セクション決定部85は、任意のセクション同士の間に演出音セクションを挿入する。また、演出音セクションは、セクション同士の間に代えて、セクションの最初の部分又はセクションの最後の部分に挿入してもよい。
演出音セクションは複数作成されており、演出音セクション決定部85は、例えばランダムで、又は挿入対象の楽曲を代表するキー、音量及びテンポ等を示す曲調情報に基づいて、演出音セクションを選択する。また、演出音セクション決定部85は、演出音セクションを挿入する前後のセクションとの相性がよい演出音セクションを、楽曲データの中から抽出して選択してもよい。代替的に、演出音セクション決定部85は、自動的に生成された演出音セクションを選択してもよい。例えば、自動的に生成される演出音セクションの演出譜面データは、ランダムにオブジェクトが案内されるデータでもよく、ベース楽曲又はサブ楽曲の曲調情報に基づいたパターンでオブジェクトが案内されるデータであってもよい。なお、曲調情報は、楽曲ごとに予め決定され、メモリ40等に記憶される。
また、全ての楽曲に対応する演出音セクションと、特定の楽曲に対応する演出音セクションとがある場合、演出音セクション決定部85は、対応している楽曲にのみ挿入されるように、演出音セクションを選択する。さらに、演出音セクション決定部85は、複数の演出音セクションが連続するように挿入してもよく、同一の演出音セクションが連続するように挿入してもよい。ただし、演出音セクション決定部85は、単独で挿入するというルールを示す参照情報に関連付けられている演出音セクションは、連続しないように挿入する。
代替的に、演出音セクション決定部85は、接続セクション選択部82が優先セクションとの相性がよい候補セクションを抽出できなかった場合に、接続セクションの代わりにセクション同士の間に演出音セクションを挿入する。また、演出音セクション決定部85は、参照情報としての属性情報を参照して、演出音セクションを決定してもよい。例えば、属性情報として、セクションの最後に演出音セクションを接続できることが示されている場合、演出音セクション決定部85は、当該セクションの最後に後続するように演出音セクションを挿入する。また、属性情報として、セクションの最初に演出音セクションを接続できることが示されている場合、演出音セクション決定部85は、当該セクションの最初に先行するように演出音セクションを挿入する。
演出音セクションを挿入する場合、譜面データ決定部は、演出音セクションに対応する演出譜面データをメモリ40から読み出して、他の譜面データと演出譜面データとをセクションの順番に応じて並べることにより合成楽曲の譜面データを作成する。図6Aの例では、譜面データ決定部は、セクションA2とセクションB4の間に演出譜面データを配置している。そのため、案内手段は、二つのセクションの間において、演出操作の操作手順を案内する。そして、ユーザが演出操作に従って正しくゲーム操作をすると、演出音再生部61は、演出音セクションに設定された演出音を再生することになる。
また、譜面データ決定部は、楽曲のセクションに対応する譜面データとともに演出譜面データを配置してもよい。すなわち、譜面データ決定部は、楽曲のセクションに重なるように、演出譜面データを配置してもよい。図6Bの例では、譜面データ決定部は、セクションA2に対応する譜面データの最後の部分と重なるように演出譜面データを配置している。また、図6Cの例では、譜面データ決定部は、セクションB4に対応する譜面データの最初の部分と重なるように演出譜面データを配置している。さらに、図6Dの例では、譜面データ決定部は、セクションB3に対応する譜面データの全体と重なるように演出譜面データを配置している。このように演出譜面データが配置されると、案内手段は、二つのセクションのうち先に再生されるセクションの最後の部分、又は二つのセクションのうち後に再生されるセクションの最初の部分において、演出操作の前記操作手順を案内する。
なお、接続セクション選択部82は、参照情報としての相性度情報に基づいて、演出音セクションを接続セクションとして選択することもできる。この場合、接続セクション選択部82が演出音セクション決定部85として機能する。
このようなゲーム機10のゲームプログラム42は、コンピュータとしての制御部30を、楽曲データの中から合成楽曲に含められるべき少なくとも二つのセクションを選択する再生セクション選択手段として機能させる。また、当該ゲームプログラム42は、制御部30を、少なくとも二つのセクションを接続するための演出音セクションを決定する演出音セクション決定手段として機能させる。さらに、当該ゲームプログラム42は、制御部30を、ゲームのユーザが所定の演出操作をした場合に、演出操作に応じた演出音を再生する演出音再生手段として機能させる。また、当該ゲームプログラム42は、制御部30を、ユーザにゲームの操作手順を案内する案内手段であって、演出音セクションに対応する譜面データに応じて、演出操作の操作手順を案内する案内手段として機能させる。
このようなゲーム機10により、合成楽曲を生成する際に、接続されるセクション同士の間に演出音セクションを挿入できる。これにより、接続されるセクション同士のキー、音量又はテンポが異なる場合であっても、合成楽曲の一体性を維持してユーザの違和感を解消できる。すなわち、接続されるセクション同士で、例えばキー、音量又はテンポが異なる場合、これらの少なくとも一部が突然変更されると、ユーザが困惑してしまう。そこで演出音セクションを挿入することによって、セクション同士を接続するときの違和感をなくすことができる。また、接続されるセクション同士のキー、音量又はテンポが類似する場合であっても、合成楽曲としての一体性を作ることが可能となる。
また、ユーザが演出操作をすることによって再生される演出音によって楽曲のセクション同士を接続することができる。そのため、自らが合成楽曲をアレンジしているような体験をユーザに与えることができる。さらに、接続するセクションと相性がよい演出音が再生されることにより、ユーザは、接続されるセクション同士がスムーズにつながっていると感じる。そのため、合成楽曲としての一体性が維持されるように、二つのセクションを接続できる。これにより、ユーザが違和感を覚えない合成楽曲を作成できる。
[セクションの同時再生]
図4に示すように、制御部30の再生制御部60は、二つのセクション、例えば二つの接続セクションの少なくとも一部を同時に再生する同時再生手段として、同時再生部62を有している。具体的に、同時再生部62は、接続セクションのうち少なくとも二つの接続セクションが所定の条件を満たす場合に、これらのセクションの少なくとも一部を同時に再生する。この所定の条件は、例えば、二つのセクションの相性度が所定の閾値を超えていることである。代替的に、両セクションのキーが一致すること、両セクションのコード進行が類似すること、両セクションのテンポが一致すること、及び両セクションの長さが一致すること等の少なくとも一つに該当することを、所定の条件としてもよい。以下、同時再生について図7AからCを参照して説明する。
同時再生部62は、所定の条件を満たすと判断した場合に、ランダムで二つの接続セクションを同時に再生する。例えば、接続セクションとしてセクションA2と、セクションB3とが選択された場合、同時再生部62は、セクションA2とセクションB3とが同時再生できるか否かを判断する。同時再生できると判断した場合、同時再生部62は、ランダムで同時再生するか否かを決定する。または、同時再生部62は、属性情報を参照して、同時再生可能であることを示している場合に、同時再生すると決定してもよい。そして、同時再生すると決定した場合、図7Aに示すように、同時再生部62は、セクションA2とセクションB3とを同時再生するようにセクションを配置する。なお、同時再生するか否かの決定は、接続セクションとして選択されるべき候補セクションに先行する又は後続するセクションを、接続セクション選択部82が抽出した後に行ってもよい。
さらに、同時再生部62は、二つのセクションの一部を同時再生してもよい。図7Bの例では、セクションA2の一部とセクションB3の一部とが同時再生される。また、同時再生部62は、二つのセクションを繰り返し同時再生してもよい。図7Cの例では、セクションA2とセクションB3とが繰り返し同時再生される。これにより、同時再生しても合成楽曲の長さが変わることを防止できる。なお、同時再生部62は、三つ以上のセクションの少なくとも一部を同時再生してもよい。
代替的に、同時再生部62は、優先セクション同士、又は優先セクションと接続セクションを同時再生してもよい。なお、楽曲データには、楽曲の楽曲データを分割して得られるセクション以外に、ユーザの操作に応じた演出音からなる演出音セクション、効果音からなるセクション、特定の楽曲に対応して作成されかつ所定の長さの音を繰り返しループするセクション、不特定の楽曲に対応して作成されかつ所定の長さの音を繰り返しループするセクション等の他のセクションが含まれる場合がある。この場合、同時再生部62は、優先セクション又は接続セクションと他のセクションとを同時再生してもよい。
同時再生する場合、譜面データ作成部84は、同時再生部分、つまり同時再生される二つの接続セクションに対して、二つの接続セクションの一方に対応する譜面データを割り当てる。図7Aの例では、譜面データ作成部84は、同時再生されるセクションA2及びB3のうち、セクションA2に対応する譜面データを割り当てている。また、譜面データ作成部84は、同時再生される二つの接続セクションにおいて、同時再生が終わるまで、すなわちセクションが切り替わるまでは、先に再生開始されたセクションに対応する譜面データを割り当ててもよい。図7Bの例では、譜面データ作成部84は、同時再生の間は、先に再生開始されたセクションA2の譜面データを割り当てている。そして、セクションA2がセクションB3に切り替わると、セクションB3に対応する譜面データのうち、同時再生部分を除いた残りの部分に対応する譜面データを割り当てている。
さらに、同時再生する場合、楽曲作成部80は、同時再生するセクションの少なくとも一方の低音域を削って高音域を強調するか、又は高音域を削って低音域を強調してもよい。例えば、楽曲作成部80は、サブ楽曲のセクションの高音域を削って低音域を強調する。これにより、同時再生されるセクションのうち、ベース楽曲をサブ楽曲よりも強調することができる。また、同時再生するセクションの少なくとも一方が、音質、音源、又は楽器種に基づいて変更されてもよい。例えば、一方のセクションが、歌唱のみ又はベース音のみから構成されるように変更してもよい。なお、同時再生するセクションの全てのセクションに変更を加えることもできる。また、先行するセクションの最後の部分と後続するセクションの最初の部分と同時再生する場合、楽曲作成部80は、当該最後の部分及び当該最初の部分の少なくとも一方に変化を加えてもよい。例えば、楽曲作成部80は、先行するセクションの音量を徐々に下げるフェードアウト、及び後続するセクションの音量を徐々に上げるフェードインの少なくとも一方を施してもよい。さらに、楽曲作成部80は、先行するセクションの最後の部分及び後続するセクションの最初の部分の少なくとも一方に、効果音又は演出用の楽曲を挿入してもよい。また、楽曲作成部80は、同時に再生するセクションの一方、例えば、サブ楽曲のセクションについては一部のみが再生されるようにセクションを変更してもよい。
なお、二つの接続セクションの一方に対応する譜面データを割り当てる際に、譜面データ作成部84は、ベース楽曲及びサブ楽曲のいずれのセクションに対応する譜面データを割り当ててもよい。図7Aの例では、譜面データ作成部84は、ベース楽曲AのセクションA2に対応する譜面データを割り当てている。一方、図7Cの例では、譜面データ作成部84は、サブ楽曲BのセクションB3に対応する譜面データを割り当てている。
このように譜面データが割り当てられる結果、案内手段は、同時再生部62が同時再生を行うときに、同時再生部分において、二つの接続セクションの一方に対応する譜面データに応じた操作手順をユーザに案内する。代替的に、案内手段は、同時再生部分において、二つの接続セクションに対応する譜面データの一方をランダムで選択して、選択した譜面データに応じた操作手順をユーザに案内してもよい。この場合、譜面データ作成部84は、同時再生されるセクションに関連付けて二つの譜面データを設定する。
また、接続セクション選択部82は、接続セクションとして選択されるべき候補セクションに先行する又は後続するセクションとして抽出された候補セクションの中から、追加の接続セクションを選択してもよい。図7Dの例では、接続セクション選択部82は、候補セクションの中からセクションB2を選択して、同時再生部分の後に接続している。
同時再生によって、ユーザは、接続されるセクション同士がスムーズにつながっていると感じる。そのため、合成楽曲としての一体性が維持されるように、二つのセクションを接続できる。これにより、ユーザが違和感を覚えない合成楽曲を作成できる。
[合成楽曲の作成フロー]
図8のフローチャートを参照して、合成楽曲の作成フローについて説明する。まず、制御部30は、ユーザが合成楽曲モードを選択したか否かを判定する。そして、合成楽曲モードが選択されていなければ、合成楽曲を作成しない。一方、合成楽曲モードが選択されていれば、楽曲作成部80は、ベース楽曲のセクションと、サブ楽曲のセクションとを判別する(S601)。そして、再生セクション選択部81は、合成楽曲の最初に再生される優先セクションを決定する(S602)。さらに、再生セクション選択部81は、選択した優先セクションとは異なる楽曲の中から次の優先セクションを選択する(S603)。
次に、再生セクション選択部81は、所定の条件が満たされるまで優先セクションの選択を繰り返す(S604)。一例として、所定の条件は、優先セクションとして六つのセクションが選択されること、又は合計時間が所定の長さに達することである。所定の条件が満たされると(S604でYES)、接続セクション選択部82は、相性度情報に基づいて、優先セクション同士のうち先に再生される優先セクションに後続する後続セクションと、優先セクション同士のうち後に再生される優先セクションに先行する先行セクションとを、楽曲データの中から接続セクションの少なくとも一部として選択する。そのために、接続セクション選択部82は、すでに選択されている優先セクションと相性がよいセクションを、後続セクション又は先行セクションの候補セクションとして抽出する(S605)。
そして、接続セクション選択部82は、先行セクションに後続しかつ後続セクションに先行するセクションを、楽曲データの中から接続セクションの少なくとも一部として選択する。そのために、接続セクション選択部82は、接続セクションとして選択されるべき候補セクションに先行する又は後続するセクションを抽出する(S606)。なお、候補セクションに先行する又は後続するセクションに対して、さらに当該セクションに先行する又は後続するセクションの抽出を行ってもよい。抽出を繰り返すことにより、最終的に選択される接続セクションに含まれるセクションの数が増加する。
続いて、接続セクション選択部82は、優先セクション及び接続セクションの組み合わせパターンの中から、相性度が所定の閾値以上の組み合わせを抽出する。そして、接続セクション選択部82は、抽出した組み合わせパターンの中から、ランダムで一つの組み合わせを選択する(S607)。接続セクション選択部82は、この選択された組み合わせに含まれるセクションを、接続セクションとして選択する。このようにして、接続セクション選択部82は、優先セクションとの相性がよい接続セクションを楽曲データの中から選択する。
その後、演出音セクション決定部85は、演出音セクションをセクション同士の間に挿入するか否かをランダムで決定する(S608)。そして、演出音セクションを挿入すると決定した場合(S608でYES)、演出音セクション決定部85は、任意のセクション同士の間に演出音セクションを挿入する(S609)。なお、演出音セクションの挿入は、接続セクションとして選択されるべき候補セクションに先行する又は後続するセクションを、接続セクション選択部82が抽出した後に行ってもよい。この場合、接続セクション選択部82は、演出音セクションが挿入されたセクションの組み合わせパターンの中から、一つの組み合わせを選択する。そして、接続セクション選択部82は、選択された組み合わせに含まれるセクションを、接続セクションとして選択する。
続いて、同時再生部62は、連続する二つのセクションが同時再生できるか否かを判断する。同時再生できると判断した場合、同時再生部62は、ランダムで当該二つのセクションを同時再生するか否かを決定する(S610)。同時再生すると決定した場合(S610でYES)、同時再生部62は、二つのセクションの少なくとも一部が同時再生されるようにセクションを配置する(S611)。なお、同時再生するか否かの決定は、接続セクションとして選択されるべき候補セクションに先行する又は後続するセクションを、接続セクション選択部82が抽出した後に行ってもよい。
そして、譜面データ作成部84は、合成楽曲を構成するセクションに対応する譜面データをメモリ40から読み出す。また、演出音セクションがある場合、譜面データ作成部84は、演出音セクションに対応する演出譜面データをメモリ40から読み出す。そして、譜面データ作成部84は、合成楽曲の譜面データを作成する(S612)。これにより、合成楽曲の作成が終了する。なお、譜面データの作成は、各セクションの選択と同時に行ってもよい。例えば、譜面データ作成部84は、優先セクションが選択されると、当該優先セクションに対応する譜面データを自動的に抽出して配置してもよい。
以上説明したように合成楽曲を作成することにより、再生セクション選択部81は、合成楽曲としての一体性が維持されるように優先セクションに接続される接続セクションを選択できる。さらに、合成楽曲としての一体性が維持されるような順序で接続セクションを優先セクションに接続できる。これにより、合成楽曲の全体の構成を考慮して、ユーザが違和感を覚えない合成楽曲を作成できる。
[強調表示]
異なる楽曲のセクションを同時再生する場合、ユーザは、どの楽曲が再生されているのかを聴覚的に判別するため、楽曲の判別が困難となることがある。そこで、どの楽曲が再生されているのかを示すため、図4に示すように、制御部30の表示制御部50は、楽曲特定手段としての楽曲特定部51と、優位セクション判別手段としての優位セクション判別部52と、強調表示手段としての強調表示部53とを有している。
楽曲特定部51は、同時に再生されているセクションが含まれる複数の楽曲、例えば二つの楽曲のそれぞれを特定する特定表示を、ゲームのユーザに示すように機能する。例えば、楽曲特定部51は、モニタ12にそれぞれの特定表示(例えばアイコン)を表示させる。また、優位セクション判別部52は、同時に再生されているセクションのうち、他のセクションよりも優位である少なくとも一つの優位セクションを判別する。例えば、優位セクション判別部52は、対応する譜面データに応じた操作手順がユーザに案内されているセクション(案内部71が操作手順を案内しているセクション)、他のセクションより再生音量が大きいセクション、及び他のセクションより後から再生が開始されたセクションのうち、少なくとも一つに該当するセクションを、優位セクションであると判別する。以下では、再生音量が大きいセクションが優位セクションである場合について説明する。
強調表示部53は、優位セクション判別部52の判別結果に基づいて、優位セクションの特定表示を、他のセクションの特定表示よりも相対的に強調して表示する。この強調表示について、図9及び図10を参照して説明する。図9には、ベース楽曲Aを特定するベース楽曲アイコン29Aと、サブ楽曲Bを特定するサブ楽曲アイコン29Bとが、複数のレーン22の上方に表示されている。優位セクション判別部52は、複数の楽曲のセクションが同時再生される場合、いずれの楽曲のセクションが優位であるのかを判別する。図9においては、ベース楽曲Aとサブ楽曲Bとが同じ音量で再生されている。そのため、優位セクション判別部52は、優位セクションがないものと判断する。そして、優位セクションがないため、強調表示部53は、アイコン29の強調表示を行わない。その結果、ベース楽曲アイコン29A及びサブ楽曲アイコン29Bは、同じ画像サイズで並んで表示される。
次に、再生制御部60は、ゲームの進行に伴い一方の楽曲の音量を下げて、他方の楽曲の音量よりも小さくする。この場合、優位セクション判別部52は、再生音量が大きい楽曲のセクションを優位セクションと判別する。図10の例では、サブ楽曲Bの再生音量が、ベース楽曲Aよりも大きい。そのため、強調表示部53は、サブ楽曲アイコン29Bを、ベース楽曲アイコン29Aよりも大きく表示している。代替的に、強調表示部53は、ベース楽曲アイコン29Aを、サブ楽曲アイコン29Bよりも小さく表示してもよい。これにより、ユーザに対して、サブ楽曲Bのセクションをプレイ中であることを示すことができる。
また、強調表示部53は、楽曲同士の再生音量の音量比に応じて、アイコンのサイズ比を決定してもよい。例えば、サブ楽曲Bの再生音量がベース楽曲Aの1.5倍である場合、強調表示部53は、サブ楽曲アイコン29Bを、ベース楽曲アイコン29Aの1.5倍のサイズで表示してもよい。もしくは、強調表示部53は、楽曲同士の再生音量の差が大きくなるほど、アイコンのサイズの差を大きくしてもよい。
さらに、強調表示部53は、特定表示が画像である場合、画像のサイズの他に、又は画像のサイズに加えて、画像の色、色相、明度、コントラスト、濃度及び表示パターンの少なくとも一つを変更してもよい。特定表示が画像以外の場合、強調表示部53による強調は、例えば、背景の色比率の変更、背景色の色、色相、明度、コントラスト、及び濃度の変更、背景色の点滅等の態様であってもよい。また、優位セクションのアイコンを相対的に強調して表示するために、強調表示部53が優位セクションではないセクションのアイコンを弱調表示してもよい。例えば、強調表示部53は、他方の画像を小さくする、他方の画像の色を薄くする、及び他方の画像を点滅させる等の態様で弱調表示してもよい。さらに、強調表示部53は、徐々に強調表示するために、例えば徐々に画像を大きくする、徐々に画像を濃くする、及び画像の点滅周期を徐々に変える等の態様で強調表示してもよい。
また、三つ以上の楽曲のセクションを同時再生する場合、優位セクション判別部52は、少なくとも一つのセクションを優位セクションとして判別して強調表示する。なお、優位セクション判別部52が、他のセクションより後から再生が開始されたセクションを、優位セクションであると判別する場合、案内部71は、優位セクションに対応する譜面データに応じた操作手順をユーザに案内してもよい。例えば、二つの接続セクションの一方に対応する譜面データを割り当てる際に、譜面データ作成部84は、同時再生部分に優位セクションに対応する譜面データを割り当ててもよい。これにより、案内部71は、優位セクションに対応する譜面データに応じた操作手順をユーザに案内することになる。
このような強調表示によって、ユーザ及びユーザの周囲で見ている観客に対して、再生されている楽曲を効果的に伝えることができる。さらに、再生音量の音量比に応じた大きさ特定表示を表示することによって、何の楽曲がどの程度の大きさで再生されているのかといった状況を、ユーザ及び観客に伝えることができる。
このようなゲーム機10のゲームプログラム42は、コンピュータとしての制御部30を、二つの楽曲のセクションのうち、少なくとも二つのセクションの少なくとも一部を同時に再生する同時再生手段として機能させる。また、ゲームプログラム42は、制御部30を、同時に再生されているセクションが含まれる複数の楽曲のそれぞれを特定する特定表示をゲームのユーザに示す楽曲特定手段として機能させる。さらに、ゲームプログラム42は、制御部30を、同時に再生されているセクションのうち、他のセクションよりも優位である少なくとも一つの優位セクションを判別する優位セクション判別手段として機能させる。また、ゲームプログラム42は、制御部30を、優位セクション判別手段の判別結果に基づいて、優位セクションの特定表示を、他のセクションの特定表示よりも相対的に強調して表示する強調表示手段として機能させる。
以上、各実施形態を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、各実施形態及び各変形形態は、本発明に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
例えば、接続セクションは一つであってもよい。さらに、接続セクションとして優先セクションが選択された場合には、優先セクション同士の間に他のセクションが含まれなくともよい。この場合、接続セクション選択部82に代えて、再生セクション選択部81が接続セクションとして優先セクションを選択してもよい。
また、相性度情報は、セクションのテンポを示すテンポ情報、又はセクションの時間的な長さを示す長さ情報をさらに含んでいてもよい。この場合、接続セクション選択部82は、優先セクションに対してテンポが揃っているセクション、又は時間的な長さが同一であるセクションをつながり易い接続セクションとして選択してもよい。さらに、接続セクション選択部82は、テンポ情報及び長さ情報の少なくとも一方を参照して、相性度のポイントを加算又は減算してもよい。さらに、接続セクション選択部82は、各セクションのキーが揃えてから接続セクションを選択してもよい。これにより、つながり易い接続セクションの選択肢を増やして、より多種類の合成楽曲を作成できる。
また、再生セクション選択部81は、合成楽曲の構成を決定してから、合成楽曲を構成する優先セクションを選択してもよい。一例として、再生セクション選択部81は、ベース楽曲の優先セクションの構成情報を参照して、ベース楽曲の構成を合成楽曲の構成として決定する。例えば、ベース楽曲の優先セクションが、イントロ、サビ、及びアウトロの構成を示す構成情報を有している場合、再生セクション選択部81は、イントロ、サビ、及びアウトロをこの順で含む構成を、合成楽曲の構成として決定する。
または、ベース楽曲が、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ1、間奏、サビ2、及びアウトロの構成をこの順で含む場合、再生セクション選択部81は、イントロ、サビ1、サビ2、アウトロの構成を示す構成情報を有している優先セクションを、ベース楽曲又はサブ楽曲のセクションから選択する。そして、Aメロ、Bメロ、及び間奏の構成を示す構成情報を有している接続セクションを、ベース楽曲又はサブ楽曲のセクションから選択する。その後、再生セクション選択部81は、イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ1、間奏、サビ2、及びアウトロの順に並ぶように、優先セクション及び接続セクションを配置する。
これにより、合成楽曲の全体の構成が一致するため、楽曲構成のバランスを維持することができる。なお、再生セクション選択部81は、ベース楽曲に代えて、例えばユーザが最初又は最後に選択した楽曲の構成に基づいて、合成楽曲の構成を決定してもよい。
また、同時再生部62は、先行するセクションの最後の部分又は後続するセクションの最初の部分を別のセクションと同時再生する場合、所定数の小節に対応する時間だけ同時再生してもよい。例えば、同時再生部62は、1小節、2小節、4小節、又は8小節に対応する時間だけ同時再生してもよい。
例えば、複数の楽曲をそれぞれ複数に分割して得られる複数のセクションは、ゲーム機10が自動的に楽曲を分割して作成してもよい。また、複数のセクションは、ユーザが楽曲を分割して作成してもよい。これらの場合、作成された各セクションは、楽曲データの一部として、メモリ40に記憶される。
また、楽曲作成部80は、三つ以上の楽曲のセクションとして、一つのベース楽曲と二つ以上のサブ楽曲から合成楽曲を作成してもよい。例えば、ベース楽曲Aと、サブ楽曲Bと、サブ楽曲Cとから合成楽曲を作成する場合、図5Aに記載の各セクションに加えて、サブ楽曲Cを分割して得られた6つのセクションC1,C2,C3,C4,C5及びC6の中からも優先セクションと接続セクションが選択される。
また、接続セクション選択部82が、優先セクションであるセクションを接続セクションとして選択してもよい。この場合、先行する優先セクションに連続して後続する優先セクションが配置される。例えば、ベース楽曲AのセクションA1の後ろにサブ楽曲BのセクションB4を配置できる。さらに、接続セクション選択部82は、優先セクションであるセクションB4と、セクションB4に後続する他の優先セクションとの間に位置すべき接続セクションを、楽曲データの中から選択する。
また、接続セクション選択部82が、接続セクションとして優先セクションを選択してもよい。この場合、再生セクション選択部81が選択した優先セクションと、接続セクション選択部82が選択した優先セクションとが連続する。例えば、再生セクション選択部81が優先セクションであるセクションA1を選択し、その後ろに続く接続セクションとして、接続セクション選択部82がセクションA1を選択してもよい。これにより、セクションA1が続けて再生されるため、合成楽曲の長さを調整できる。
また、同時再生する場合、楽曲作成部80は、同時再生するセクションの少なくとも一方をセクションの開始から終了までの全体に渡って変更してもよい。例えば、楽曲作成部80は、音域、音質、音源、又は楽器種に基づいてセクション全体を変更できる。具体的に楽曲作成部80は、セクション全体が、歌唱のみ又は効果音のみから構成されるように、高音域又は低音域が強調されるように、又は音量が大きく若しくは小さくなるように変更できる。なお、セクション全体を変更する場合、セクション同士のそれぞれの一部のみが同時再生される場合であっても、同時再生される部分を含むセクション全体が変更される。
以下、上述した各実施形態及び各変形例から導き出される各種の態様を記載する。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を括弧書きにて付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
ゲームシステム10は、複数の楽曲をそれぞれ複数に分割して得られる複数のセクションを含む楽曲データの中から、少なくとも二つの楽曲のセクションが含まれるように、これらのセクションを選択して合成楽曲を作成するゲームシステム10であって、複数のセクションのそれぞれに関連付けられかつ前記合成楽曲に含められるべき優先セクションを選択するために参照される参照情報に基づいて、前記楽曲データの中から前記優先セクションを選択する再生セクション選択手段81と、前記参照情報に基づいて、前記優先セクション同士の間に位置すべき接続セクションを、前記楽曲データの中から選択する接続セクション選択手段82とを備える。
このゲームシステムにより、異なる楽曲のそれぞれを分割して得られた複数のセクション同士を接続する場合であっても、つながりの相性を考慮して、一体性が維持された合成楽曲を作成できる。
前記参照情報は、他のセクションとの接続の相性度を求めるための相性度情報を含んでおり、前記接続セクション選択手段82は、前記相性度情報に基づいて、前記優先セクションに先行する先行セクション及び前記優先セクションに後続する後続セクションの少なくとも一方を、前記楽曲データの中から前記接続セクションの少なくとも一部として選択する。
前記接続セクション選択手段82は、前記相性度情報に基づいて、前記接続セクションとして選択されるセクションに先行するセクションおよび前記接続セクションに後続するセクションの少なくとも一方を、前記楽曲データの中から前記接続セクションの少なくとも一部としてさらに選択する。
前記参照情報は、他のセクションとの接続の相性度を求めるための相性度情報を含んでおり、前記接続セクション選択手段82は、前記相性度情報に基づいて、前記優先セクション同士のうち先に再生される優先セクションに後続する後続セクションと、前記優先セクション同士のうち後に再生される優先セクションに先行する先行セクションと、前記先行セクションに後続しかつ前記後続セクションに先行するセクションとを、前記楽曲データの中から前記接続セクションの少なくとも一部として選択する。
上述のような態様により、接続セクション選択部82は、優先セクションとの相性がよい接続セクションを選択できる。その結果、つながりの相性を考慮して、一体性が維持された合成楽曲を作成できる。
前記合成楽曲の基礎となるベース楽曲のセクションと、前記ベース楽曲に合成されるサブ楽曲のセクションとを判別する、セクション判別手段83をさらに備え、前記再生セクション選択手段81は、前記合成楽曲において最初又は最後に再生されるセクションを、前記ベース楽曲のセクションの中から決定する。
これにより、合成楽曲の基礎となるベース楽曲の構成を考慮して合成楽曲を作成できる。その結果、合成楽曲の全体の構成を考慮して、ユーザが違和感を覚えない合成楽曲を作成できる。
ゲームシステム10は、前記接続セクションのうち少なくとも二つの接続セクションが所定の条件を満たす場合に、前記二つの接続セクションの少なくとも一部を同時に再生する同時再生手段62をさらに備える。
ゲームシステム10は、ゲームのユーザに前記ゲームの操作手順を案内する案内手段71をさらに備え、前記案内手段71は、前記同時再生手段62が同時再生を行うときに、前記二つの接続セクションの一方に対応する譜面データに応じた操作手順を前記ユーザに案内する。
これにより、ユーザは、接続されるセクション同士がスムーズにつながっていると感じる。そのため、合成楽曲としての一体性が維持されるように、二つのセクションを接続できる。その結果、ユーザが違和感を覚えない合成楽曲を作成できる。
前記接続セクション選択手段82は、前記二つの楽曲を構成しないセクションを、前記楽曲データの中から前記接続セクションの少なくとも一部として選択する。
これにより、接続セクションの候補となるセクションの選択肢を増やして、より多種類の合成楽曲を作成できる。
ゲームプログラム42は、複数の楽曲をそれぞれ複数に分割して得られる複数のセクションを含む楽曲データの中から、少なくとも二つの楽曲のセクションが含まれるように、これらのセクションを選択して合成楽曲を作成するゲームシステム10のゲームプログラム42であって、前記ゲームシステム10に含まれる一つ又は複数のコンピュータ30を、上記の各手段として機能させる。
このゲームプログラムにより、異なる楽曲のそれぞれを分割して得られた複数のセクション同士を接続する場合であっても、つながりの相性を考慮して、一体性が維持された合成楽曲を作成できる。