JP6682975B2 - ガス分析装置およびガス分析方法 - Google Patents

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Description

本件は、ガス分析装置およびガス分析方法に関する。
複数の成分を含むガスに対して、各成分を検出する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平3−163343号公報 特開2008−292344号公報 特開2000−55853号公報
しかしながら、上記技術では、還元性ガスおよび塩基性ガスの両方を含むガスに対して、良好な選択比が得られない。
1つの側面では、本発明は、還元性ガスおよび塩基性ガスの両方を含むガスに対して良好な選択比が得られるガス分析装置およびガス分析方法を提供することを目的とする。
1つの態様では、ガス分析装置は、チャンバと、前記チャンバ内に設けられ、Sn,W,Zn及びInの少なくともいずれかを主材料とする酸化物半導体、またはCを主材料とする半導体である第1の感ガス材を備える第1ガスセンサと、前記チャンバ内に設けられ、CuもしくはAgのハロゲン化物または酸化物を主材料とする第2の感ガス材を備える第2ガスセンサと、前記第1の感ガス材の抵抗変化および前記第2の感ガス材の各抵抗変化を測定する測定部と、前記第1の感ガス材の抵抗変化及び前記第2の感ガス材の抵抗変化に基づく主成分分析により主成分スコアを算出し、前記第1の感ガス材のガスに対する応答に関する第1固有ベクトルと前記主成分スコアとを乗算した値に基づいて還元性ガスの濃度を算出し、前記第2の感ガス材のガスに対する応答に関する第2固有ベクトルと前記主成分スコアとを乗算した値に基づいて塩基性ガスの濃度を算出する演算部と、を備える
還元性ガスおよび塩基性ガスの両方を含むガスに対して良好な選択比が得られる。
呼気のガス成分を例示する図である。 ガス分析装置の全体構成を例示する模式図である。 (a)はガスセンサの全体構造を例示する図であり、(b)は基板の上面図であり、(c)は基板の下面図である。 ガス成分に対するCuBr,SnOおよびWOの抵抗変化率を例示する図である。 主成分分析の結果を例示する図である。 (a)〜(c)は息紋センサを例示する図である。 主成分分析の結果を例示する図である。 主成分分析の結果を例示する図である。 主成分分析の結果を例示する図である。
まず、ガス分析の概要について説明する。以下の実施形態において測定対象とするガスは、還元性ガスおよび塩基性ガスの両方を含み、例えば、ヒトや動物などの体や排泄物から放出される生体ガス(呼気、体臭、尿、屁、便)などである。本実施形態に係るガス分析装置およびガス分析方法は、例えば、生体ガスの各成分を特定する、医療・ヘルスケア向けのガス分析装置およびガス分析方法である。
ますます加速していく高齢化社会に際し、国民の医療費の総額は年々増加傾向にある。平成27年度厚生労働省統計によれば、国民の医療費の総額は、平成25年度には40兆円を突破して社会問題となっている。疾病別では高血圧、糖尿病、がん等の生活習慣に起因した疾病の割合が上位を占めている。そのため、生活習慣病の早期発見の必要性が高まっている。このような背景で生体ガスから、体の状態の指標を検査する呼気分析や、それによる診断方法の研究が行われている。
図1で例示するように、ヒトや動物の息には、肺で血液中の化学物質が気化して放出されたごく低濃度のガスが含まれている。この中には、生体活動や病気と密接に関わっているものがある。例えば、ヒトの息に含まれるアンモニアガスは、肝臓の代謝や、胃がんの危険因子であるピロリ菌感染との相関があるといわれている。またアルデヒド類であるノナナールは肺がんマーカ物質の候補とされている物質である。
呼気分析では、これらのガスを分析することで、息を吹くだけで体の拘束や採血の苦痛のない手軽な手段で、生活習慣の改善や病気の早期発見のためのスクリーニングに有効な特定物質の検出を目指している。
しかしながら、生体ガスには非常に多種類(一説には200種類以上)の揮発性ガスが含まれている。生体ガスの多くは、有機分子(炭化水素)などの還元性ガスであり、化学的性質が似ている。このようなガスの成分を分析する方法には、大きく分けて2種類の方法があった。
1つは、ガスクロマトグラフィに代表される大掛かりな分析装置を使用して、特定のガス成分を狙った測定を行う方法である。この方法では、ガスの成分を詳しく分析できるが、専門家の操作を要し、結果が得られるまで数時間以上がかかるうえに、高価かつ大型な装置であった。したがって、この方法では検査の負担が大きいため、研究目的の使用が主体であった。
もう1つは、多数のガスセンサを集積した機器を用いて、ガスによるセンサの応答パターンの違いを解析する方法である。この方法では、分析結果が出るまでの時間が早く、持ち運び可能で、手軽に使用できる。その一方で、センサの感度差が小さく、特定のガスと他のガスと区別が難しい。したがって、この方法は、体の状態の指標を検査する呼気分析としては十分とは言えないものであった。
従来のガスセンサの多くは、酸化スズを材料のベースとしている。ヒータによりガス分子と酸素を熱し、感ガス材への活性酸素の吸着量を半導体材料の抵抗変化として検出することで、各成分を特定することができる。主体とする金属の種類の選択、ガス触媒作用を持つ貴金属を含有させること、ヒータの加熱量等で、選択性(ガス成分による応答の強さの差)を実現することができる。しかしながら、いずれにしても還元性と酸素とのバランスを測っているのみであり、選択比は大きくなかった。例えば、選択比が10弱であり、固有ベクトルの直交性がほとんど無かった。
例えば、特許文献1〜3の技術を用いることが考えられる。しかしながら、統計処理によってガス成分の分類はできるが、母集団ごとに主成分方向が動く。したがって、特定ガスの濃度指標を得ることが困難であった。すなわち、再現性が悪く、定量性が無かった。これに対して光学式、振動式などの方式では、原理の違いにより、測定結果の単位系が全く異なりデータ変換が必要であった。このため、定量性のある統計処理が困難であった。また、原理の違いにより、一体的に形成できなかった。
そこで、以下の実施形態では、簡易な構成で還元性ガスおよび塩基性ガスの両方を含むガスに対して良好な選択比が得られるガス分析装置およびガス分析方法について説明する。
(実施形態)
図2は、ガス分析装置100の全体構成を例示する模式図である。ガス分析装置100が測定対象とするガスは、還元性ガスおよび塩基性ガスの両方を含む。還元性ガスとは、酸素によって酸化しやすいガスであって、アルコール類、ケトン類等の有機化合物、硫化水素などである。還元性ガスは、特に、生体が炭化水素を分解する過程で生じるものなどである。塩基性ガスとは、塩基性を有するガスであって、特に、生体がタンパク質を分解する過程で生じるアンモニアなどである。
図2で例示するように、ガス分析装置100は、チャンバ10の外部に、パージガス供給部20を備える。また、ガス分析装置100は、チャンバ10の内部に、ガスセンサ30a,30b、ガスセンサ40a,40b、温度湿度センサ50などを備える。また、ガス分析装置100は、チャンバ10の外部に、演算部60を備える。演算部60は、インピーダンス測定回路61、演算回路62、メモリ63、送受信部64などを備える。インピーダンス測定回路61および演算回路62は、後述する感ガス材の抵抗変化を検出する検出部の一例として機能する。
チャンバ10には、第1インレット11、第2インレット12およびアウトレット13が形成されている。第1インレット11は、パージガスをチャンバ10内に供給するための開口である。第2インレット12は、測定対象ガスをチャンバ10内に供給するための開口である。アウトレット13は、パージガスまたは測定対象ガスをチャンバ10から排出するための開口である。
第1インレット11には、パージガス供給部20からの配管が接続されている。第2インレット12には、逆止弁14が設けられている。逆止弁14は、チャンバ10内から第2インレット12を経由するガス流出を抑制するように構成されている。アウトレット13には、逆止弁15が設けられている。逆止弁15は、チャンバ10の外部からアウトレット13を経由するガス流入を抑制するように構成されている。
パージガス供給部20は、フィルタ21および送風ポンプ22を備える。パージガスは、特に限定されるものではないが、エアなどである。送風ポンプ22は、フィルタ21を介してパージガスを吸引し、配管を介してチャンバ10内にパージガスを供給する。フィルタ21は、パージガス中の塵などを除去する。送風ポンプ22によってパージガスをチャンバ10内に供給することで、チャンバ10の内圧が上昇し、逆止弁14の作用により第2インレット12からのガス流入が抑制される。チャンバ10内の内圧が上昇すると逆止弁15作動しないため、パージガスはアウトレット13から排出される。それにより、チャンバ10内をパージすることができる。
ガスの測定を行う場合には、第2インレット12から測定対象のガスが流入する。逆止弁14により、第2インレット12からの測定対象のガスの流出が抑制される。測定対象のガスは、チャンバ10内を流動し、アウトレット13から排出される。
ガスセンサ30a,30bは、基板31の下面にヒータ32が設けられ、基板31の上面に電極33、感ガス材34および電極35が設けられた構成を有する。図3(a)は、ガスセンサ30a,30bの全体構造を例示する図である。図2で例示した基板31、ヒータ32、電極33、感ガス材34および電極35は、一部に開口を有する筐体36内に配置されている。図3(b)は、基板31の上面図である。図3(c)は、基板31の下面図である。基板31は、アルミナなどの絶縁性材料からなる。ヒータ32は、電気供給によって発熱する材料からなり、NiCr薄膜などである。電極33は、感ガス材34の一端に設けられている。電極35は、感ガス材34の他端に設けられている。電極33,35のそれぞれは、ビアを介して基板31の下面の端子に接続されている。それにより、ヒータ32と感ガス材34とは、並列接続されている。
感ガス材34は、還元性ガス濃度に対する感度が大きい材料からなる。感ガス材34は、Sn(スズ)、W(タングステン)、Zn(亜鉛)およびIn(インジウム)の少なくともいずれかの酸化物半導体、またはC(炭素)を主材料とする半導体である。ヒータ32によって筐体36内のガス分子および酸素を熱すると、感ガス材34への活性酸素の吸着量が変化する。活性酸素の吸着量が変化すると、感ガス材34の抵抗が変化する。この抵抗変化を検出することで、測定対象のガス濃度を検出することができる。
上記酸化物半導体を構成する金属の種類を変更することによって、感ガス材34に選択性(ガス成分に対する応答の強さの差)を持たせることができる。または、ガス触媒作用を持つ貴金属を感ガス材34に含有させ、もしくは貴金属の種類を変更することによって、感ガス材34に選択性を持たせることができる。例えば、貴金属のPd(パラジウム)、Pt(白金)等や、卑金属のAl(アルミニウム)、Pb(鉛)等の添加金属を感ガス材34に含有させることによって、ガス種間の選択比を決定することができる。または、ヒータ32の加熱量を変更することで、感ガス材34に選択性を持たせることができる。なお、アセトン、エタノール等に対して、感度を0.1倍から10倍程度よりも大きくすることが好ましい。
なお、VOC(揮発性有機化合物)に対する感度差を設けるために、感ガス材34に有機薄膜を形成してもよい。有機薄膜を形成すると感ガス材34の感度が相対的に低下するため、なるべく有機薄膜を薄く形成するようにすることが望ましい。たとえば感ガス材34の表面に金粒子を塗布し、高分子ガスに晒すことにより単分子層を形成してもよい。例えば、アミン系、チオール系、シラン系等のカップリング材を用いることが好ましい。
ガスセンサ30a,30bにおいて、感ガス材34の抵抗値変化を検出することで、ガス成分およびガス濃度を検出することができる。ガスセンサ30a,30bでは、検出対象とするガスの種類に応じた最適検出温度が存在する。そこで、ガス検出を行うガス濃度測定時には、筐体36内を最適検知温度とする。または、筐体36内を、最適検出温度を含む検出温度範囲内の検出温度に、ヒータ32によって加熱して使用する。一方、感ガス材34のクリーニング時には、筐体36内の温度を、ガス検出時の温度よりも高いクリーニング温度まで高くすることで、感ガス材34の表面に吸着した汚染物質を脱離させることができる。
ガスセンサ40a,40bは、基板41の上面に電極42、感ガス材43および電極44が設けられた構成を有する。電極42は、感ガス材43の一端に設けられている。電極44は、感ガス材43の他端に設けられている。感ガス材43は、塩基性ガス濃度に対する感度が大きい材料からなる。銅イオン(CuおよびCu2+)および銀イオン(Ag)は、動きやすいイオンとして存在することによって、塩基性ガスとの間に高い親和性を発揮する。そこで、本実施形態においては、感ガス材43は、銅もしくは銀のハロゲン化物または酸化物を主材料とする。一例として、p型半導体である臭化銅(I)(CuBr)を用いることができる。
銅イオンおよび銀イオンが塩基性ガスに対する高い親和性を有することから、塩基性ガスは、感ガス材43に対して強く吸着する。この場合における感ガス材43の抵抗変化を検出することで、塩基性ガス成分および濃度を測定することができる。例えば、銅イオンおよび銀イオンは、アミンの窒素原子との間に配位結合を形成する。それにより、銅イオンおよび銀イオンは、窒素との間に高い親和性を有する。したがって、銅イオンまたは銀イオンを用いることで、アンモニア等の塩基性ガスを測定することができる。なお、1価の銅イオンは、2価の銅イオンよりも窒素に対する高い親和性を有する。そこで、1価の銅イオンのハロゲン化物または酸化物を用いることが好ましい。
ガスセンサ40a,40bでは、ガス分子の吸着を利用するので、ヒータによる加熱は必須ではない。しかしながら、吸着時は低温に、離脱時は高温にすることで、感度や応答性を向上させることができる。
なお、VOC(揮発性有機化合物)に対する感度差を設けるために、感ガス材43に有機薄膜を形成してもよい。有機薄膜を形成すると感ガス材43の感度が相対的に低下するため、なるべく有機薄膜を薄く形成するようにすることが望ましい。たとえば感ガス材43の表面に金粒子を塗布し、高分子ガスに晒すことにより単分子層を形成してもよい。例えば、アミン系、チオール系、シラン系等のカップリング材を用いることが好ましい。
なお、ヒータ32の熱は、ガスの流れに沿って下流側に伝わるおそれがある。そこで、ガスセンサ30a,30bは、ガスセンサ40a,40bよりもアウトレット13側に配置されていることが好ましい。このようにすることで、ガスセンサ40a,40bに対するヒータ32の熱の影響を抑制することができる。
図4は、ガス成分に対するCuBr,SnOおよびWOの抵抗変化率を例示する図である。縦軸は、抵抗変化率の正規化値である。図中のMOSは、金属酸化物半導体(Metal Oxide Semiconductor)のことである。CuBrについては、コーティング無しのものと、撥水コートを塗布したものとが例示されている。抵抗変化率は、アンモニア1ppmに対する抵抗変化率を基準として正規化してある。図4で例示するように、CuBrは、他のガス成分と比較して塩基性ガス(アンモニア)に対して顕著に大きい抵抗変化率が得られる。一方で、CuBrは、還元性ガスに対してはほとんど抵抗が変化しない。これは、銅もしくは銀のハロゲン化物または酸化物は、還元性ガスに対しては低い親和性を有するからである。したがって、CuBrを感ガス材43として備えるガスセンサを用いることで、塩基性ガス濃度を正確に測定することができる。
SnOおよびWOは、複数のガス成分に対して大きい抵抗変化率が得られる。ただし、ガス成分に応じて抵抗変化率が相違する。この相違に基づいて、各ガス成分の濃度を正確に測定することができる。また、SnOとWOとで、各ガス成分に対する抵抗変化率が相違する。したがって、SnOおよびWOの両方を用いることで、各ガス成分に対する濃度測定がより正確になる。
再度図2を参照し、ガスセンサ30a,30bおよびガスセンサ40a,40bの各電極は、インピーダンス測定回路61に接続されている。それにより、インピーダンス測定回路61は、各感ガス材の抵抗を測定する。具体的には、インピーダンス測定回路61は、ガスセンサ30a,30bの感ガス材34のインピーダンスを測定し、ガスセンサ40a,40bの感ガス材43のインピーダンスを測定する。インピーダンス測定回路61は、測定結果を演算回路62に送信する。演算回路62は、測定対象ガスの各ガス成分の濃度を算出する。送受信部64は、演算回路62の算出結果を外部機器に送信する。
続いて、測定対象ガスの各成分の濃度の算出について説明する。本実施形態においては、還元性ガスおよび塩基性ガスを含む、複数の成分を含むガスを測定対象とする。各ガスセンサは、特定の成分だけに感度を有するわけではない。すなわち、各ガスセンサの感ガス材の抵抗変化を測定しても、いずれの成分に対しての抵抗変化であるかは特定しにくい。そこで、本実施形態においては、各ガスセンサの感ガス材のインピーダンスの測定結果に対して統計処理あるいは機械学習を行うことで、各ガスセンサのガス成分に対する応答に関する固有ベクトルを事前に算出しておく。算出された固有ベクトルは、メモリ63に記憶しておく。
まず、予め、成分および濃度が既知のガスに対するガスセンサ30a,30bおよびガスセンサ40a,40bの応答(インピーダンス変化)の学習結果を、行列データとしてメモリ63に保存しておく。例えば、
ガスセンサ30aのインピーダンス変化の集合(z11,z12,…,z1n)
ガスセンサ30bのインピーダンス変化の集合(z21,z22,…,z2n)
という集合を要素データとする。ガスセンサ40a,40bについても、同様にインピーダンス変化の集合をメモリ63に保存しておく。インピーダンス変化の集合の各要素は、例えば、成分および濃度が異なる複数のガスのそれぞれに対する、ガスが導入されてから異なる時間後のインピーダンス変化量などである。あるいは、基準のガス(例えばアンモニア)に対してガス濃度とインピーダンス変化量との相関を調べておいて、当該相関を用いて濃度に換算したものを要素データとしてもよい。
次に、演算回路62は、ガスセンサ30a,30bおよびガスセンサ40a,40bのインピーダンス変化の集合に対して統計処理または機械学習を行うことで、各ガスセンサの固有ベクトルを算出する。本実施形態においては、演算回路62は、一例として、第1主軸、第2主軸および第3主軸の固有ベクトルを算出する。統計処理または機械学習として、主成分分析法、重回帰分析法、PCR(Principal Component Regression)法、SVD(Singular Value Decomposition)法、PLS(Partial Least Squares)法、LWR(Locally Weighted Regression)法、判別分析法、多層パーセプトロン法(Multi-Layer Perceptron)、ニューラルネットワーク、SVM(Support Vector Machine)法、Leave-one-out法、のうちいずれか、またはいずれかの組合せを用いることができる。本実施形態においては、一例として、主成分分析法を用いる。
なお、ガスセンサ30a,30bの固有ベクトルとガスセンサ40a,40bの固有ベクトルとが概ね直交するように、ガスセンサ30a,30bおよびガスセンサ40a,40bを構成しておくことが好ましい。例えば、上述したように、感ガス材34,43の主材料を選択することにより実現できる。ガスセンサ30a,30bのみを用いる場合には、酸化物半導体の応答のみを用いることになる。この場合、固有ベクトルの差異が小さくなるため、図5で例示するように、分析空間Aは狭くなる。これに対し、本実施形態においては、ガスセンサ30a,30bの固有ベクトルに対して直交性がある固有ベクトルを有する感ガス材43を備えるガスセンサ40a,40bを用いることで、広い分析空間を発生させることができるようになる。
次に、第2インレット12から、測定対象ガスをチャンバ10内に導入する。インピーダンス測定回路61は、測定対象ガスに対するガスセンサ30a,30bおよびガスセンサ40a,40bの応答(所定時間のインピーダンス変化)を測定し、行列データとして測定結果をメモリ63に保存する。次に、演算回路62は、メモリ63に保存された測定結果に対して主成分分析を行うことで、主成分スコアを算出する。
例えば、図5で例示するように、主軸が構成する空間B内において、ガスセンサ30aの固有ベクトル(a11,a12,a13)、ガスセンサ30bの固有ベクトル(b11,b12,b13)、ガスセンサ40aの固有ベクトル(a21,a22,a23)、ガスセンサ40bの固有ベクトル(b21,b22,b23)、および測定対象ガスの主成分スコア(PC1,PC2,PC3)の存在を確認できるようになる。すなわち、空間B内において、各ガスセンサの特徴を示すベクトルおよび測定対象ガスの主成分スコアを確認できるようになる。この状態においては、主成分スコアはベクトル量である。したがって、主成分スコアがどういう成分でどういう濃度なのかを判別することが困難である。
そこで、演算回路62は、ガスセンサ30aの固有ベクトルと主成分スコアとを乗じることで、ガスセンサ30aに特徴的なガス濃度を算出する。また、演算回路62は、ガスセンサ30bの固有ベクトルと主成分スコアとを乗じることで、ガスセンサ30bに特徴的なガス濃度を算出する。また、演算回路62は、ガスセンサ40aの固有ベクトルと主成分スコアとを乗じることで、ガスセンサ40aに特徴的なガス濃度を算出する。また、演算回路62は、ガスセンサ40bの固有ベクトルと主成分スコアとを乗じることで、ガスセンサ40bに特徴的なガス濃度を算出する。
このように、主成分スコアとセンサの固有ベクトルとを用いてスカラ量を算出し、当該スカラ量を濃度の指標とする。例えば、固有ベクトルと主成分スコアの座標との内積を、スカラ量として算出する。ガスセンサ30aの測定対象成分の濃度換算値は、下記式(1)で表される。
C1=a11×PC1+a12×PC2+a13×PC3 (1)
ガスセンサ40aの測定対象成分の濃度換算値は、下記式(2)で表される。
C2=a21×PC1+a22×PC2+a23×PC3 (2)
主成分分析法などの統計手法では、最も多くのデータが少ない軸で表されるように軸を変化させる。すなわち、データの母集団によって主軸の方向は変化してしまう。このため、測定対象ガスの成分の分布による違いを主軸の座標系内で表示させることはできるが、何がどの位違うのかは分からない。
しかしながら、本実施形態においては、ガスセンサ30aの固有ベクトルは還元性ガスの方向を示しており、ガスセンサ40aの固有ベクトルは塩基性ガスの方向を示している。したがって、固有ベクトルと主成分スコアとの内積において、還元性ガス濃度C1と塩基性ガス濃度C2とが安定に得られることになる。すなわち、アンモニアとそれ以外の還元性ガスとを切り分けることが可能になる。
上記式(1)および上記式(2)で得られる濃度換算値は、濃度に依存した量である。本実施形態においては、より正確な濃度換算値を得るために、以下の2つのことを行う。1つは、単位の統一である。濃度を知りたい成分で入力の集合(z11,z12,…,z1n)等を統一することである。主成分スコアの計算を、標準化無しで算出する。固有値ベクトルを単位ベクトルとする。
もう1つは、上記式(1)と上記式(2)を二乗和の平方根とすることである。例えば、ガスセンサ30aの濃度換算値として、下記式(3)を算出する。
C1=√{(a11×PC1)+(a12×PC2)+(a13×PC3)} (3)
また、ガスセンサ40aの濃度換算値として、下記式(4)を算出する。
C2=√{(a21×PC1)+(a22×PC2)+(a23×PC3)} (4)
上記式(3)および上記式(4)により、定量性を得ることができる。但し、感ガス材の抵抗変化がガスの濃度に対して、例えば線形的に同様の応答をすることが前提である。ガス成分に応じて、あるいは濃度に応じて応答曲線に違いが出る場合は、定量性が低下することがある。その場合でも、濃度換算値の大小関係は維持される。また、CuBrの直交性を確かめておけば、アンモニア濃度はCuBrのセンサ出力から求めた値を使用することで定量性が得られるので、その値を使用してもよい。
本実施形態によれば、ガスセンサ40a,40bは、感ガス材43として、CuもしくはAgのハロゲン化物または酸化物を主材料とするものを用いている。感ガス材43は、塩基性ガスに対して高い感度を有し、還元性ガスに対して低い感度を有している。それにより、塩基性ガス濃度に対する高い測定精度が得られる。次に、ガスセンサ30a,30bは、感ガス材34として、Sn,W,ZnおよびInの少なくともいずれかを主材料とする酸化物半導体、またはCを主材料とする半導体を用いている。感ガス材34は、還元性ガスに対して高い感度を有している。それにより、還元性ガス濃度に対する高い測定精度が得られる。感ガス材34は塩基性ガスに対して感度を有しているが、感ガス材43によって塩基性ガス濃度を測定することができるため、感ガス材34の塩基性ガスに対する感度を除外することができる。以上のことから、還元性ガスおよび塩基性ガスの両方を含むガスに対して良好な選択比が得られる。
本実施形態においては、ガスセンサ30a,30bの各感ガス材34に対して濃度換算値を求め、ガスセンサ40a,40bの各感ガス材43に対して濃度換算値を求めたが、それに限られない。例えば、ガスセンサ30a,30bの感ガス材34の固有ベクトルを相加平均したものを1つの固有ベクトルとして用い、ガスセンサ40a,40bの感ガス材43の固有ベクトルを相加平均したものを1つの固有ベクトルとして用いてもよい。この場合、計算量を低減することができる。また、温度・湿度センサ50が検出するチャンバ10内の温度および湿度の少なくともいずれか一方に応じて、感ガス材34,43の抵抗変化を補正してもよい。
ところで、ヒトを含む動物の体内では、消化器管内でタンパク質の分解の際に、窒素はアンモニアとして発生する。あるいは、胃腸内に生息する微生物や嫌気性細菌がウレアーゼ酵素を用いて尿素を分解することで、アンモニアを発生させる。これらのアンモニアの一部は血液中に吸収され、残りは排泄物として対外に排出される。消化器官から吸収された栄養分を含む血液は、門脈として肝臓に集められる。
肝臓内では、栄養物質の吸収が行われるとともに、毒素に対しては解毒機能を有する代謝が行われる。アンモニアの場合は後者であり、肝臓内の尿素回路というサイクルで代謝され、尿素に変換される。この尿素は、この後に腎臓でろ過され尿とともに排泄される。また、激しい運動を行い筋肉が疲労した場合に血液中にアンモニアを発生させ、静脈を通して肝臓において同様に尿素回路で代謝され、尿素に変換される。
このような代謝機能をもって、生体のアンモニア濃度は、一定レベル以下に保たれている。したがって、肝臓の代謝機能に疾患があり、肝機能が低下している場合は、アンモニア濃度は高くなり、低栄養な状態では、アンモニア濃度は低くなる。しかしながら、栄養素・運動を伴うかぎり生物は必ずアンモニアを血中に含有しているともいえる。このアンモニアが肺や皮膚の毛細血管によって気化されるので、生物の呼気や汗には必ず微量のアンモニアを含有することになる。
また、炭化水素を分解する過程において、エタノール等のアルコール類が発生する。また、糖類の分解の際には、アセトン等のケトン類が発生する。コレステロールの分解の際には、イソプレン等が発生する。また、ガン等の疾患においては、患部における酸化ストレスにより様々なVOC類が発生して血液を通って肺や皮膚で気化している。
本実施形態によれば、様々な代謝系ガスの中なら、アンモニアを切り分けることが可能となる。本実施形態を応用してさらに第3の直交性を有するガスセンサを設置することで、検出できるガス成分を増やし、電子鼻を実現することができる。図6(a)および図6(b)で例示するように、特性の異なる複数のガスセンサ#1〜#5を設け、各ガスセンサの応答を測定することで、指紋のように、息や汗の成分の特徴を把握するための息紋センサと称する電子鼻を構成可能である。例えば、#1,#2としてガスセンサ30a,30bを用い、#3,#4としてガスセンサ40a,40bを用い、#5として第3の直交性を有するガスセンサを用いる。各ガスセンサを図2のインピーダンス測定回路61および演算回路62に相当する信号処理ICなどに接続すればよい。図6(b)では、各感ガス材における初期抵抗値とガス導入後の抵抗値との比を応答として例示している。
例えば、図6(c)で例示するように、主軸が構成する空間Bにおける各ガス成分の濃度を算出する。例えば、アンモニアを基準点とした各ガス成分の相対座標を作成し、各ガス成分の方向と強度の分布を作成し、パターンマッチングを用いて分布の特徴を抽出することができる。
例えば、中心点に相当するアンモニア(代謝系の代表格であって、誰の息にもある)と、特徴点には、各ガス成分、例えば肺がんのバイオマーカの可能性が示唆されているノナナールを対象とする。これらを本実施形態による手段で成分を分離し、濃度指標をパターン解析することで、本技術の手軽さにより採血などの苦痛を伴うことなく、息の成分の生活習慣による変動を継続的に調べることが可能になる。また、スマートデバイスやウェアラブルデバイスに息紋センサを搭載して、これらのガスを体温計のような手軽さで分析し続けられる手段とすることができる。また、この技術を生活習慣の改善や病気の早期発見のためのスクリーニング手段として役立てられる。
図2のガス分析装置100を用いて実験を行った。ガスセンサ40a,40bの感ガス材43として、CuBrを用いた。ガスセンサ40aの感ガス材43には、コーティングなどは行わなかった。ガスセンサ40bの感ガス材43には、表面にテフロン(登録商標)含有の撥水コートを塗布した。以下、ガスセンサ40aの測定結果をCuBr1と称し、ガスセンサ40bの測定結果をCuBr2と称する。
実施例においては、ガスセンサ30a,30bに加えて、ガスセンサ30cを用いた。ガスセンサ30cは、図3(a)および図3(b)で例示した構成を有する。ガスセンサ30a〜30cは、ガスセンサ40a,40bよりもアウトレット13側に配置した。ガスセンサ30a〜30cの感ガス材34として、SnO(酸化スズ)およびWO(酸化タングステン)の混合物を用いた。各感ガス材34において、SnOとWOとの配合比率および酸化度合を変えてある。以下、ガスセンサ30aの測定結果をMOS(NH)と称する。ガスセンサ30bの測定結果をMOS(RED)と称する。ガスセンサ30cの測定結果をMOS(OX)と称する。
チャンバ10内に、大気で希釈した5種類のガスを導入し、各センサにおけるインピーダンス変化を測定した。5種類のガスとして、アンモニア1ppm、アセトン10ppm、エタノール180ppm、アセトアルデヒド10ppm、硫化水素0.1ppmを用いた。
各センサの抵抗が変化し始めてから10秒後の抵抗値rと、0秒の時点の抵抗値r0との比をとった。酸化物半導体は還元性ガスにより抵抗が減少するため、1−r/r0を変化量とする。CuBrの抵抗は塩基性ガスにより増大するため、r/r0−1という計算で抵抗変化率を求めた。主成分分析では、データの標準化を行っている。
まず、測定結果MOS(NH)、測定結果MOS(RED)および測定結果MOS(OX)だけを用いて主成分分析を行った。図7は、主成分分析の結果を例示する図である。図7は、上述した分析空間Aに相当する。図7の例では、第1主軸PC1の寄与率が94.6%となり、大半の応答はPC1で代表されていることがわかる。また、各々のセンサの固有ベクトルは、殆ど同じ方向を向いているため、直交性が無い。各センサがいずれの還元性ガスにも反応しているため、母集団毎に固有ベクトルおよび主成分が変化すると、アンモニアの同定は難しいことが分かる。
次いで、測定結果CuBr1および測定結果CuBr2を含む集合で、同様に5種類のガスに対する主成分分析を行った。図8は、主成分分析の結果例示する図である。図8で例示するように、PC1の寄与率が63.7%となり、PC2の寄与率が32.6%となり、累積で96.3%のデータが示されていることが分かる。
また、CuBrと酸化物半導体(SnOおよびWO)とは、固有ベクトルが略直交していることが確認できた。CuBrの固有ベクトルの方向は塩基性である。したがって、CuBrの固有ベクトルにおいては、5種類のガスの中ではアンモニアのみが配置されている。わずかに直交性に対するズレがあるのは、酸化物半導体がアンモニアにも反応し、CuBrセンサと同一成分を有しているためと説明できる。
一方、塩基性の軸に完全に直交する方向に、その他の還元性ガスが向いていることが確認できた。アセトンの濃度を10〜100ppmの間に振ったデータを追加したところ、アセトン濃度に応じて還元性上で変化が確認できた。アセトンとエタノールの分離はこのセンサ特性では難しいが、アンモニアだけは分離できることが確認された。また、図示しないが、残り3%程度の寄与率しかないものの、第3主軸PC3を用いることで、アセトンとエタノールとの分離の可能性が高くなる。これは、CuBrの無いMOS系のみの結果(図7)の第2主軸と略同等である。アンモニアが塩基性軸で区別した残りの分類となる。
以上述べたように、金属酸化物のセンサーレイにCuBrを追加することで、従来は困難であったアンモニアの区別が可能になり、残るガスの区別も容易になる可能性が高まった。
そこで、既に作成した5種類の実験ガスの母集団に、実際の生体ガスの計測結果を追加した。生体ガスは3種類の個体から採取した。図9は、主成分分析の結果を例示する図である。PC1の寄与率が46.7%となり、PC2の寄与率が42.3%となり、累積で89%のデータが示されている。この結果から、
生体ガスAと生体ガスB:NH濃度は異なり還元ガス成分は同レベル
生体ガスBと生体ガスC:NH濃度は同レベルだが還元ガス成分は生体ガスCで大、
ということが確認できた。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 チャンバ
11 第1インレット
12 第2インレット
13 アウトレット
14,15 逆止弁
30a,30b ガスセンサ
32 ヒータ
34 感ガス材
40a,40b ガスセンサ
43 感ガス材
60 演算部
61 インピーダンス測定回路
62 演算回路
63 メモリ
100 ガス分析装置

Claims (9)

  1. チャンバと、
    前記チャンバ内に設けられ、Sn,W,Zn及びInの少なくともいずれかを主材料とする酸化物半導体、またはCを主材料とする半導体である第1の感ガス材を備える第1ガスセンサと、
    前記チャンバ内に設けられ、CuもしくはAgのハロゲン化物または酸化物を主材料とする第2の感ガス材を備える第2ガスセンサと、
    前記第1の感ガス材の抵抗変化および前記第2の感ガス材の各抵抗変化を測定する測定部と、
    前記第1の感ガス材の抵抗変化及び前記第2の感ガス材の抵抗変化に基づく主成分分析により主成分スコアを算出し、前記第1の感ガス材のガスに対する応答に関する第1固有ベクトルと前記主成分スコアとを乗算した値に基づいて還元性ガスの濃度を算出し、前記第2の感ガス材のガスに対する応答に関する第2固有ベクトルと前記主成分スコアとを乗算した値に基づいて塩基性ガスの濃度を算出する演算部と、を備えることを特徴とするガス分析装置。
  2. 前記第1固有ベクトルと前記第2固有ベクトルは略直交することを特徴とする請求項1に記載のガス分析装置。
  3. 前記第1固有ベクトルは、成分と濃度が既知のガスに対する前記第1の感ガス材の抵抗変化率に対して統計処理または機械学習を行うことで得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のガス分析装置。
  4. 前記第2固有ベクトルは、成分と濃度が既知のガスに対する前記第2の感ガス材の抵抗変化率に対して統計処理または機械学習を行うことで得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載のガス分析装置。
  5. 前記第1ガスセンサは、前記第1の感ガス材を加熱するためのヒータを備え、
    前記第2ガスセンサは、前記第1ガスセンサよりも、前記チャンバ内のガスの流れ方向における上流側に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス分析装置。
  6. 前記第1の感ガス材はSnO,SnO,及びWOの少なくともいずれかを含み、前記第2の感ガス材はCuBrであることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載のガス分析装置。
  7. チャンバ内に設けられ、Sn,W,ZnおよびInの少なくともいずれかを主材料とする酸化物半導体、またはCを主材料とする半導体である第1の感ガス材を備える第1ガスセンサと、前記チャンバ内に設けられ、およびCuもしくはAgのハロゲン化物または酸化物を主材料とする第2の感ガス材を備える第2ガスセンサと、前記第1の感ガス材の抵抗変化及びおよび前記第2の感ガス材の各抵抗変化を測定する測定部とを備えるガス分析装置において、
    前記第1の感ガス材の抵抗変化及び前記第2の感ガス材の抵抗変化を測定し、前記第1の感ガス材の抵抗変化及び前記第2の感ガス材の抵抗変化に基づく主成分分析により主成分スコアを算出し、前記第1の感ガス材のガスに対する応答に関する第1固有ベクトルと前記主成分スコアとを乗算した値に基づいて還元性ガスの濃度を算出し、前記第2の感ガス材のガスに対する応答に関する第2固有ベクトルと前記主成分スコアとを乗算した値に基づいて塩基性ガスの濃度を算出することを特徴とするガス分析方法。
  8. 前記第1固有ベクトルは、成分と濃度が既知のガスに対する前記第1の感ガス材の抵抗変化率に対して統計処理または機械学習を行うことで得られたものであることを特徴とする請求項7に記載のガス分析方法。
  9. 前記第2固有ベクトルは、成分と濃度が既知のガスに対する前記第2の感ガス材の抵抗変化率に対して統計処理または機械学習を行うことで得られたものであることを特徴とする請求項7に記載のガス分析方法。
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