JP3169715B2 - ガス識別方法とガス識別装置 - Google Patents

ガス識別方法とガス識別装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数のガス種、臭いな
どを識別するガス識別方法とガス識別装置に関し、特
に、特性が異なる複数のガスセンサとニューラル・ネッ
トワークなどの情報処理手段を用いて識別用パターンを
認識する際に、ガスセンサの出力値を累乗することで出
力パターンの特異性を強調するガス識別方法とガス識別
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、SnO2 ガスセンサやZnO
ガスセンサなどの半導体ガスセンサを用いてガス種や臭
いなど(以下、単にガス種と称する)を識別することが
試みられている。しかしながら、1個のガスセンサのみ
を用いた場合、そのガス種の選択性には限界があること
から、正確なガス種の識別が困難であるという問題があ
った。
【0003】そこで、複数のガスセンサを組み合わせて
ガス種を識別することが提案されている(例えば、特開
平3−163,343号公報参照)。これらは、臭いな
どに優れた識別能力を示す生体臭覚機能の原理を応用し
て、ガス種を識別しようとするものである。
【0004】このようなガス識別方法においては、複数
のガスセンサからの出力信号の組み合せを一つの出力パ
ターンとして捉え、この出力パターンを例えばニューラ
ルネットワーク(ニューロシステム)にパターン認識さ
せることで、ガス種を識別することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のガス識別方法は、予め識別しようとする全てのガス
種について、それぞれ標準ガスを用いてガスセンサの出
力パターンを求め、これをニューラルネットワークなど
の情報処理装置に記憶させておき、実際の測定の際に、
記憶された標準出力パターンと被検ガスの出力パターン
との類似性を調べることにより、被検ガスの種類を判定
するものである。そのため、被検ガスに対する誤認識を
防止してヒット率を高めるためには、各ガス種に対する
センサの出力パターンが互いに特異的であることが望ま
しいといえる。
【0006】しかしながら、ガス種や混合ガスの成分に
よっては、出力パターンが酷似していたり、またガスセ
ンサの出力変動によって出力パターンが結果的に酷似し
てしまうことが少なくなかった。確かに、このような問
題は、さらに特性が異なるガスセンサを選択することに
よりある程度は解消できるものの、やはり限界があり、
本質的な対策が望まれていた。
【0007】そこで本発明者は、このような従来技術の
問題点に鑑みて鋭意検討した結果、あるガス種を識別す
るにあたり、ガスセンサの種類が同じであってもガスセ
ンサの出力値の処理方法如何では、識別に必要な出力パ
ターンの特異性を強調することが可能であることを確認
し、本発明を完成するに至った。
【0008】このように本発明は、ガスセンサの出力値
の処理方法を考慮することにより、ガス種の識別確率を
向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のガス識別方法は、複数のガスセンサからな
るガスセンサ群の出力信号を取り込み、予め格納されて
いる識別パターンに基づいてガス種を識別するガス識別
方法において、前記ガスセンサ群からの出力値をそれぞ
れ対数変換したのち、それぞれの値を少なくとも2回以
上累乗し、これらの値を出力値としてパターン認識を行
うことを特徴としている。
【0010】また、識別すべきガス種に臨む複数のガス
センサからなるガスセンサ群と、前記ガスセンサ群から
の出力信号を取り込み、これらの出力値をそれぞれ対数
変換したのち、それぞれの値を少なくとも2回以上累乗
する演算手段と、前記演算手段からの値を出力値として
パターン認識を実行する情報処理手段と、を有すること
を特徴とするガス識別装置によっても上記目的を達成す
ることができる。
【0011】
【作用】複数のガスセンサからなるガスセンサ群と、ニ
ューラルネットワークなどの情報処理手段を用いて、あ
るガス種を識別するにあたっては、ガスセンサ群からの
各情報を一つの出力パターンとして取り扱い、これを情
報処理手段でパターン認識してガス種を特定するが、各
ガス種に対するセンサの出力パターンが互いに特異的で
ある方が、被検ガスに対する誤認識を防止してヒット率
を高めることができる。
【0012】ところが、各ガスセンサの選択性はガスセ
ンサ毎に相違するため、識別対象となるガス種によって
は、ガスセンサの出力パターンが互いに類似する場合も
少なくない。
【0013】そこで、本発明では、ガスセンサ群からの
出力値をそれぞれ対数変換したのち、それぞれの値を少
なくとも2回以上累乗し、これらの値を出力値としてパ
ターン認識を行うようにしている。したがって、識別す
べきガス種に対するガスセンサの出力パターンの特異性
が強調されることになり、その結果、ガス種の識別確率
が向上することになる。
【0014】
【実施例】本発明のガス識別方法およびガス識別装置に
ついて、好ましい一実施例を挙げ、図面に基づいて具体
的に説明する。図1は本発明の一実施例に係るガス識別
装置を示すブロック図、図2は同実施例のニューラルネ
ットワークの構成を示すブロック図である。
【0015】まず、図1および図2を参照しながら、本
発明のガス識別装置の構成について説明する。本発明の
ガス識別装置は、複数のガスセンサからなるガスセンサ
群1を有しており、このガスセンサとしては、例えば、
SnO2 センサ、ZnOセンサ、WO3 センサなどの金
属酸化物半導体型センサや、水晶振動子の振動面や表面
弾性波素子の導波路上にガス感応膜を装着したセンサな
ど種々のガスセンサを用いることができる。
【0016】特に、これらのガスセンサは、動作温度
(センサの表面素子温度)に対して出力パターンが異な
るという特性、いわゆる温度依存性を有するガスセンサ
であり、識別すべきガス種に応じて動作温度を適宜選択
して識別性を高めることができるという長所を備えてい
る。SnO2 センサとしては、薄膜形センサあるいは焼
結体センサを用いることができ、動作温度を変動させる
場合には、基板の裏面または焼結体の内部にヒータなど
の加熱手段と、このヒータの温度を制御する制御器を設
ければ良い。
【0017】なお、本発明では動作温度を一定にしてガ
スセンサからの出力値を求めることも可能であるから、
上述したヒータ等は省略することもできる。また、使用
するガスセンサの種類も、温度依存性を有するガスセン
サにのみ限定されることなく、あらゆるガスセンサを用
いることが可能である。
【0018】また、識別すべきガス種に臨むガスセンサ
の数は、特に限定されることはなく、例えば、SnO2
センサとZnOセンサなどのように、異なる種類のガス
センサを組み合わせて構成しても良い。
【0019】上述したガスセンサ群2からの出力信号
は、演算手段2を経て情報処理手段であるニューラルネ
ットワーク3に入力される。
【0020】ニューラルネットワーク3は、図2に具体
例として示した多層型ニューラルネットワークであって
も、あるいは、相互結合型ニューラルネットワークであ
っても良い。また、ニューラルネットワーク以外の情報
処理、例えば後述する主成分分析法を用いることも可能
である。
【0021】多層型ニューラルネットワークは、入力
層、中間層、出力層という階層状の構造であり、ガスセ
ンサ群からの信号は、シナプス(神経繊維)4を介し
て、入力層から中間層、この中間層から出力層へ向かっ
て一方向に流れる。そして、各層のニューロン(神経細
胞)5は、前の層から受け取った信号に基づいて状態値
を決定し、次の層の各ニューロンに伝える。かかる多層
型ニューラルネットワークの出力結果は、出力層の各ニ
ューロンの状態値として得られる。
【0022】これに対して相互結合型ニューラルネット
ワークは、入力を与えると、各ニューロンは初期入力値
に基づいて信号をやり取りしながらニューロン自身の状
態値を次々に変更してゆく。そして、状態値の変化は次
第に小さくなり最終的にある値に漸近する。こうして得
られたニューロンの状態値の分布が、相互結合型ニュー
ラルネットワークの出力結果となる。
【0023】なお、かかるニューラルネットワーク3で
は、ネットワークを構成する全てのシナプス4の重み係
数を決定することが極めて重要となるが、図2に示す多
層型ニューラルネットワークでは、学習データにより学
習しながら重み係数が決定される誤差逆伝搬学習則(バ
ックプロパゲーション)が用いられる。一方、相互結合
型ニューラルネットワークでは計算式などにより決定さ
れる。
【0024】第1実施例(図3) 第1の実施例に係る演算手段2では、図3に示す処理が
行われる。すなわち、まず各ガスセンサからの出力値
(実際にはセンサ抵抗値)RS を入力し(ステップ
1)、この実際の出力値を対数変換する。具体的には、
下記(1)式により出力値の対数変換を行う(ステップ
2)。 Vlog =C・log(R0 /RS ) …(1) C:定数 R0 :センサ基準抵抗値
【0025】さらに本実施例では、この(1)式により
求められた対数Vlog を下記(2)式の如く2乗してセ
ンサ出力Vout とする(ステップ3)。 Vout =(Vlog 2 …(2)
【0026】最後に、ステップ4でパターン認識を行う
が、このパターン認識は上述したニューラルネットワー
クによる手法でもよいし、あるいは主成分分析法を用い
たパターン認識であってもよい。
【0027】主成分分析法を用いたパターン認識を行う
場合には、例えば、識別すべきガス種のそれぞれについ
て、予め出力パターンを測定しておき、この出力パター
ンについて主成分分析を行って、図5に示すような主成
分得点散布図を作成しておく。そして、実際の測定を行
って出力パターンを求め、そのときの主成分得点から主
成分得点散布図上において対応するガス種を特定する。
【0028】図5(A)は本実施例による主成分得点散
布図であり、実際のガスセンサの出力値を(1)式およ
び(2)式を用いて処理したのちの値に対して主成分分
析を行った場合である。これに対して、図5(B)は従
来の主成分得点散布図であり、(1)式のみを用いて処
理したのちの値に対して主成分分析を行った場合であ
る。
【0029】図5に示す具体例では、ガスセンサとして
金属酸化物半導体型ガスセンサを6種用い、識別すべき
対象ガスは、イソブタンガスA、メタンガスB、エタノ
ールガスCの3種類とした。そして、各ガスセンサの出
力値は、各ガスに対する各ガスセンサの抵抗値を用い、
この抵抗値を上記(1)式に基づいて対数変換した。全
てのガスセンサについて各ガスに対する抵抗値RS を対
数変換し、得られた値Vlog をさらに2乗してセンサ出
力Vout とし、この値を各センサについて求めて出力パ
ターンとした。ここで得られた出力パターンについて主
成分分析を行ない、主成分得点散布図を作成しておく。
なお、図中に示すプロットは測定回数6回に対する各プ
ロットである。被検ガスの識別測定に際しては、上述し
た演算処理と同様にして被検ガスに対する出力パターン
を求め、その主成分得点から得点散布図上の対応するガ
ス種を特定する。
【0030】本実施例では、このような主成分分析法に
よるパターン認識を行うにあたって、出力値を(2)式
にしたがって累乗しているので、図5(B)に示す従来
法と比べて出力パターンの境界が明確になっていること
が理解される。
【0031】第2実施例(図4) 次に、図4を参照しながら第2実施例について説明す
る。第2の実施例に係る演算手段2では、図4に示す処
理が行われる。すなわち、まず各ガスセンサからの出力
値(実際にはセンサ抵抗値)RS を入力し(ステップ1
1)、この実際の出力値を対数変換する。具体的には、
上記(1)式により出力値の対数変換を行う(ステップ
12)。
【0032】ついで、ガスセンサ群1からの出力パター
ンを学習データとしてニューラルネットワーク3に反復
学習させるにあたり、識別対象となるガス種に応じて最
適なガスセンサ1の組み合せを選定する(ステップ1
3)。さらに本実施例では、この選択された一群のセン
サ群の対数Vlog を、上記(2)式の如く2乗してセン
サ出力Vout とする(ステップ14)。最後に、ステッ
プ15でパターン認識を行うが、このパターン認識は上
述したニューラルネットワークによる手法でもよいし、
あるいは主成分分析法を用いたパターン認識であっても
よい。
【0033】ステップ13における選定は、例えば、多
変量解析法の一種である主成分分析法により行うことが
できる。ちなみに、多変量解析法とは、複数個の数値
(パラメータ)を用いて対象を特徴付ける際に、ベクト
ル値を対象とする統計解析法であり、このような多変量
解析法の一種である主成分分析法とは、複数個の変量値
を、極力情報を損失させないで、少数個の総合的指標
(主成分)に圧縮して代表させる手法である。
【0034】すなわち、かかる主成分分析法を本発明に
関連付けてより具体的に述べると、ある集合を構成する
各個体(ガス種)の特徴が6種類のパラメータ(ガスセ
ンサからの出力パターン)で表わされるとしたとき、こ
れらの特徴量を数個の総合的な指標、すなわち主成分に
置き換えるのが、主成分分析法であり、これにより、そ
の集合内における各個体(ガス種)の分類は、主成分分
析法で圧縮された少数個の主成分を比較するだけで行う
ことが可能となるのである。
【0035】しかも、この主成分分析法では、6種類の
パラメータ(ガスセンサからの出力パターン)の特徴量
のうち、主成分値に対する寄与率が高いものほど、各個
体(ガス種)の特徴をより良く反映しているということ
ができる。したがって、かかる寄与率が高いパラメータ
を少数個選定することができ、これにより、選定された
パラメータ(ガスセンサからの出力パターン)のみを比
較しても、各個体(ガス種)の特徴量を良好に反映させ
ることが可能となる。
【0036】本実施例では、ガスセンサ群1の中から、
ガス種の識別に関し寄与率の低いガスセンサを主成分分
析法を用いて予め抽出し、実際にガス種を識別する際に
は、寄与率の低いガスセンサを排除して、すなわち、寄
与率の高いガスセンサのみを駆動させ、しかも、これら
選択された一群のガスセンサの出力値を累乗することに
より、その値をパターン認識の出力値としている。
【0037】また、ニューラルネットワークによるパタ
ーン認識は、以下のようにして行う。まず、予め識別す
べき対象ガスに対するガスセンサの出力パターンを求
め、この実際の出力値(センサ抵抗値)を対数変換す
る。そして、この対数を主成分分析して、このときの主
成分値に対する寄与率の大きさを比較することにより、
各ガス種の特徴をより良く反映するガスセンサを抽出す
る。ついで、この抽出されたガスセンサの出力パターン
のみを学習データとして、ニューラルネットワーク3に
学習させるにあったては、対数値をさらに2乗して出力
値とする。また、この学習データに対応する判定出力を
教師データ(正しい判定出力パターン)として設定す
る。
【0038】次に、初期状態のニューラルネットワーク
3の入力層に実際の測定から得られた学習データを与え
る。この場合の学習データも主成分分析法によって選定
されたガスセンサのみからの出力パターンであって対数
を2乗した値である。これにより、与えられた学習デー
タは、ネットワーク内を中間層から出力層へ向かって伝
搬し、ネットワーク内の信号伝搬状態に応じた信号パタ
ーンとなって出力層に現われる。そして、この出力層に
現われた信号パターンと上述した教師データとが比較さ
れ、この学習誤差が小さくなる(収束する)ように、ネ
ットワーク内の信号伝搬状態が微調整される(誤差逆伝
搬学習則)。
【0039】この学習ルーチンは、反復して行われる
が、本実施例では、学習データ数を主成分分析法によっ
て圧縮しており、しかも、教師データ同士の特性が強調
されているため、学習量が従来の手法に比べて少なく、
その結果、収束に要する時間が短縮されることになる。
【0040】このように、第2実施例のガス識別方法お
よびガス識別装置によれば、識別能力が向上するだけで
なく、ガスセンサの駆動電力を低減することができ、取
り込まれる情報量も必要最小限となるため、情報処理時
間を短縮することが可能となる。
【0041】第2実施例をさらに具体化して説明する。
まず、ガスセンサとして金属酸化物半導体型ガスセンサ
を6種用い、識別すべき対象ガスは、メタンガス、イソ
ブタンガス、エタノールガスの3種類とした。そして、
各ガスセンサの出力値は、各ガスに対する各ガスセンサ
の抵抗値RS を用い、この抵抗値を上記(1)式に基づ
いて対数変換した。全てのガスセンサについて各ガスに
対する抵抗値を対数変換し、得られた値Vlog をセンサ
出力とする出力パターンについて主成分分析を行った。
【0042】このとき、1つのガスに対して得られる6
個のセンサ出力を、このガス種を示す6種類のパラメー
タとして捉え、主成分分析を行った。そして、このとき
の主成分値に対する寄与率を比較することで、ガス識別
に対し寄与率の高いセンサを抽出した。
【0043】図6に各ガスに対する出力パターンを主成
分分析し、そのうち第3主成分までを求めた計算結果を
示す。図6において、X( )の( )内の数字はガス
センサの番号を示している。また、最上欄の数字、1、
2、3は主成分番号であり、その下に続く数値は各主成
分の増減を決定する各ガスセンサの固有値ベクトルを示
している。この固有値ベクトルが大きいガスセンサほ
ど、その主成分値に対する寄与率が大きく、出力パター
ンの特異性が大であるということができる。
【0044】図6に示す各主成分の累積寄与率の値か
ら、第1主成分と第2主成分で全体の94%(正確には
94.297%)の情報を包含していることが理解され
る。そこで、第1主成分と第2主成分に対して寄与率が
大きいガスセンサを大きい順に4個選定した。選定した
ガスセンサは、図6に示すように、ガスセンサ番号で
1,2,3,5である。
【0045】次に、これら4個のガスセンサからの出力
パターン((1)式で求めた対数値)のみをニューラル
ネットワークに学習させる前に、(2)式に基づいて2
乗した値を求め、この値を学習データとした。ニューラ
ルネットワーク3は、入力層、中間層、出力層からなる
3層型ニューラルネットワークとし、ニューラルネット
ワークへの学習法は誤差逆伝搬学習則を用いた。
【0046】このような条件で、ニューラルネットワー
クの学習誤差を測定した結果、従来法による場合は0.
071であるのに対し、本実施例では0.040であっ
た。また、ニューラルネットワークへの学習回数を測定
した結果、従来法による場合は5400回であるのに対
し、本実施例では2487回であった。さらに、成分ガ
ス種の識別正当率を測定した結果、従来法による場合は
98%であるのに対し、本実施例では100%であり、
成分ガスの混合比の識別正当率を測定した結果、従来法
による場合は83%であるのに対し、本実施例では86
%であった。
【0047】この結果からも明らかなように、本発明の
ように選定されたガスセンサのみの出力パターンを用
い、しかもこの出力値を2乗した値を出力値としてガス
種の識別を行うと、学習時間、すなわち、情報処理時間
が約1/2となり、情報処理に要する時間を短縮するこ
とができる。
【0048】しかも、識別に要するガスセンサは6個全
てでなく4個のみであることから、ガスセンサを駆動さ
せるために必要な電力も2/3となる。これに加えて、
成分ガス種の定性的識別率や混合比の定量的識別特性が
向上することになる。
【0049】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記の実施例に開示された各要素は、本発明の技術
的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨で
ある。
【0050】
【発明の効果】本発明のガス識別方法およびガス識別装
置は、ガスセンサからの出力パターンを学習データとし
て情報処理を行うにあたり、ガスセンサ群からの出力値
をそれぞれ対数変換したのち、それぞれの値を少なくと
も2回以上累乗し、これらの値を出力値としてパターン
認識を行うので、識別すべきガス種に対するガスセンサ
の出力パターンの特異性が強調されることになり、その
結果、ガス種の識別確率が向上することになる。
【0051】一方、使用するガスセンサを選定し、しか
もガスセンサの実際の出力値を累乗して出力値としたの
ちパターン認識を実行すれば、ガスセンサを駆動させる
ために必要な電力を低減することができる。また、情報
処理手段で処理される情報量も少なくなるので、情報処
理に必要な時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るガス識別装置を示すブ
ロック図である。
【図2】同実施例のニューラルネットワークの構成を示
すブロック図である。
【図3】第1の発明のガス識別方法を示す処理工程図で
ある。
【図4】第2の発明のガス識別方法を示す処理工程図で
ある。
【図5】第1の発明の主成分分析の結果を示す図であ
る。
【図6】(A)は第2の発明の主成分得点散布図、
(B)は従来のガス識別方法による主成分得点散布図で
ある。
【符号の説明】
1…ガスセンサ群 2…演算手段 3…ニューラルネットワーク(情報処理手段) 4…シナプス 5…ニューロン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/00 G01N 27/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のガスセンサからなるガスセンサ群
    (1)の出力信号を取り込み、予め格納されている識別
    パターンに基づいてガス種を識別するガス識別方法にお
    いて、前記ガスセンサ群(1)からの出力値をそれぞれ
    対数変換したのち、それぞれの値を少なくとも2回以上
    累乗し、これらの値を出力値としてパターン認識を行う
    ことを特徴とするガス識別方法。
  2. 【請求項2】識別すべきガス種に臨む複数のガスセンサ
    からなるガスセンサ群(1)と、 前記ガスセンサ群(1)からの出力信号を取り込み、こ
    れらの出力値をそれぞれ対数変換したのち、それぞれの
    値を少なくとも2回以上累乗する演算手段(2)と、 前記演算手段(2)からの値を出力値としてパターン認
    識を実行する情報処理手段(3)と、を有することを特
    徴とするガス識別装置。
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