JP6682744B2 - 手すり - Google Patents

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Description

本発明は、夜間等に使用される照明装置を内蔵した手すりであって、照明装置からの熱の放熱について考慮し、放熱性を高めた手すりに関する。
従来から夜間等の階段や壁面の足下を照らす照明装置を内蔵した手すりとして、基板上にLEDを複数配置した薄型の照明装置を金属製の手すり内部に設けた照明装置内蔵式の手すりが提案されてきた。
例えば、特許文献1に、下面が開口する長手通し状の凹溝を有する手摺心材と、手摺心材を支持するブラケットと、ブラケット間における凹溝内に配設される照明ユニットとを具備してなり、照明ユニットは、発光部を収容すると共に、手摺心材の凹溝の開口部に位置すべく下面が開口する溝状に形成され、凹溝内に着脱可能に嵌合される上部カバー材と、上部カバー材の開口部に着脱可能に嵌合し、凹溝の開口部を閉塞する透明性の下部カバー材と、配線コードの端部に連結するコネクタとを具備し、ブラケットの案内溝を介して凹溝内に配設される接続用配線コードのコネクタと、照明ユニットのコネクタとを接続して、手摺心材の凹溝内に連続的に照明ユニットを配設する手すりが提案されている。
例えば、特許文献2の手摺り棒では、保護棒内に収容された一体ユニットを取付金具の底板部側から レンズ穴の方向に押圧可能な棒形状に形成されるLアングルを、保護棒の一端側開口部から保護棒内に挿入する。これにより、Lアングルによって取付金具の非支持面側からレンズ穴の方向に押圧されるため、レンズの導光部が保護棒のレンズ穴に挿入された状態を維持する。このため、棒形状に形成されるLアングルを保護棒の開口部から挿入するだけで、先に保護棒内に収容された一体ユニットを容易に固定することが可能となる。したがって、保護棒内に溝レール等を形成することなく、簡素な構成で組付時の作業性を向上することができる手すりが提案されている。
特開2005−336895号公報 特開2012−28277号公報
従来の手すりは、手すり内に照明装置を組み込み、下方に向かって照明装置からの光が照射される構造が一般的に普及されている。また内蔵される照明装置は、光源にLEDが広く使用され、省エネルギーで且つ照明装置が小さく形成できる点が優れている。これら従来の手すりは、これら照明装置を配線と共に組み付ける構造を考慮し、作業性を向上させる手すりが提案されている。
しかしながら、照明装置は光源を点灯させる際に、光と共に熱も発生させている。この熱は、光源の寿命にも影響するため放熱構造を考慮して構造を設計しなければならないという課題があった。
そこで、本発明は、手すりの製造上の作業性を向上させる組み付け構造だけではなく、光源の放熱構造を考慮した構造の手すりを提供することにある。
発光手段の光を外部へ放出する手すりであって、前記発光手段からの熱を受ける第1の放熱手段と、前記第1の放熱手段と密接し、使用者の荷重を支えるための剛性を持つ第2の放熱手段と、を備えたことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、複数の放熱手段を備えることにより、発光素子の発熱量よりも放熱量が上回る放熱手段が形成され、発光素子を許容定格温度以下に保持することができ、発光素子の寿命が短くなることを防止することができると共に光量の維持及び低温保持による省エネルギー化に繋がる。
図1は、実施形態の手すりを建物の階段付近の壁面及び通路付近の壁面に装着した様子を示す概要図である。 図2は、実施形態の手すりを下方から見た斜視図である。 図3は、実施形態の手すりを分解して現した斜視図である。 図4は、図2に示す実施形態の手すりの先端付近を切断したA−A断面図である。 図5は、実施形態の照明ユニットの上下を反転させ右斜め上方か見た斜視図である。 図6は、実施形態の照明ユニットを右斜め上方から見た斜視図である。 図7は、図5に示す実施形態の照明ユニットの上下を反転させ中央を切断して現したB−B断面図である。 図8は、実施形態の変形例の照明ユニットの上下を反転させ右斜め上方か見た斜視図である。 図9は、図8に示す実施形態変形例の照明ユニットの上下を反転させ中央を切断して現したC−C断面図である。 図10(A)は、実施形態の手すりの変形例の中央付近を切断した断面図であり、図10(B)は、熱抵抗により放熱経路を現した図である。図10(C)は、本発明の放熱実験の放熱経路を合成抵抗により簡略化して現した図である。 図11は、実施形態の変形例の手すりを中央付近で切断した断面図である。
本発明にかかる手すりについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
図1を参照し、本実施形態の手すり10(a、b、c)を建物の階段7や通路5、6付近の壁面8に設置金具13により設置した例を示して以下に説明する。
手すり10は、主に建物の階段7付近に設けられている。手すり10は、内蔵される照明ユニット20(図2参照)によって下方の通路5、6及び階段7を明るく照らしている。 本発明は、手すり10に内蔵された照明ユニット20により、天井に設置された蛍光灯等の照明を点灯させなくとも、夜間に足下を明るく照らすことが可能であり、光害を防ぐことが可能である。
本実施例では、建物内部に設けられた例を示しているが、屋外の階段やスロープ等の手すり10が利用される場所に適宜設置して使用することも可能である。
次に、手すり10の構造について図2乃至図4を参照し説明する。図2は、実施形態の手すり10を下方から見た斜視図である。図3は、実施形態の手すり10を分解して現した斜視図である。図4は、図2に示す実施形態の手すり10の先端付近を切断したA−A断面図である。
手すり10は、主に照明ユニット20と、芯材30と、内樹脂カバー40と、外樹脂カバー50と、設置金具13と、スペーサー12と、エンドキャップ11とから構成されている。
手すり10は、図3及び図4に示すように、使用者が使用する際に体重を掛けても剛性を保つことが出来る形状及び材料で形成し、手すり10の骨組みとなる金属製の芯材30を設けている。芯材30は、特に放熱性が良く、軽量且つ屈曲性の少ないアルミニュウムにより形成している。また、芯材30は、照明ユニット20を挿入できるように、下方を開口し、且つ内部に凹状の空間となる凹溝31を形成している。また、芯材30の外周には、下方で芯材30と嵌合する内樹脂カバー40が設けられている。
尚、芯材30は、アルミニュウムだけでなく、鉄、ステンレス、木、FRP、CFRP、陶器、セラミックの素材であっても良く。熱伝導性を向上させるため上記素材のうち熱伝導性が低い材料では、複合材として熱伝導性の良い素材を添加や添付しても良い。
また、芯材30は、内樹脂カバー40、外樹脂カバー50を設けることなく、芯材30のみで形成しても良い。
内樹脂カバー40は、肉厚の塩化ビニル等で形成され下方を開口した円筒状となっている。更に、内樹脂カバー40の外周には、下方で内樹脂カバー40と嵌合する外樹脂カバー50が設けられている。外樹脂カバー50は、肉薄の塩化ビニル等で形成され下方を開口した円筒状となっている。特に、外樹脂カバー50は、更に外周に模様等を施したシート状のシールを張ることにより、木目調等のデザイン性優れた装飾を施すことが可能である。
尚、外樹脂カバー50の表面や又は上述したシールは、抗菌性のある材料を添付又は加工を施し抗菌性の向上を図っても良い。また、外樹脂カバー50の表面や又は上述したシールは耐火性のある材料を採用することにより難燃性が向上する。
これら、内樹脂カバー40及び外樹脂カバー50は、芯材30と同様な寸法で形成され、側方から芯材30に挿入又はヒートガン等により熱を加えて嵌合させて芯材30に組み付けを行う。芯材30のみで形成した場合も同様である。
また、手すり10は、両端に円環状の樹脂製のパイプを屈曲させたエンドキャップ11を設けている。エンドキャップ11は、下方に向かった一端を密封状態とし、水等の侵入を防いでいる。また、エンドキャップ11の他端は、芯材30と、内樹脂カバー40及び外樹脂カバー50の両端を覆っている。図2に示すようにエンドキャップ11は、複数の通し孔となる放熱第2孔19が設けられており、手すり10の凹溝31又は切り欠き部27などの空気を内外に対流させて放熱効果を向上させている。
また、後述する照明ユニット20は、図2又は図3に示すように、手すり10の中央付近に所定間隔を空け2個設けられている。手すり10は、設置金具13と照明ユニット20の間に、内部に水や虫等の侵入を防ぐために断面コ字状の樹脂製又はゴム製のスペーサー12を凹溝31の接触面38(a、b、c、d)に密接させ固定している。また、スペーサー12は、後述する照明ユニット20の配線64(図6)が外部に垂れないように配線64を受ける作用もしている。また、複数の通し孔となる放熱第1孔18が設けられており、手すり10の内外の空気を対流させて放熱効果を向上させている。
尚、スペーサー12は、樹脂製又はゴム製だけでなく、アルミニュウム、鉄、ステンレス、木、FRP、CFRP、陶器、セラミックの素材であっても良く。スペーサー12は、芯材30の一部と密接し、芯材30の熱を放出するため、上記素材のうち熱伝導性が低い材料では、複合材として熱伝導性の良い素材を添加や添付し、放熱手段を構成しても良い。また、スペーサー12は、放熱プレートや放熱フィンであっても良い。
また、手すり10は、芯材30の内部にボルト等で固定する設置金具13を設けている。設置金具13は、上方に設けられた設置片14に設けられた貫通した通し孔17を使用し、芯材30にボルト等により固定される。また設置金具13は、上述した壁面8に設置する固定片15を壁面8に対抗して設けている。設置金具13は、固定片15の中央付近にボルトやビス等を挿入可能な貫通した固定孔16を設け、手すり10を壁面8にボルトやビス等により固定している。
次に、照明ユニット20を図4乃至図7を参照し説明する。図5は、実施形態の照明ユニット20の上下を反転させ右斜め上方か見た斜視図である。図6は、実施形態の照明ユニット20を右斜め上方から見た斜視図である。図7は、図5に示す実施形態の照明ユニット20の上下を反転させ中央を切断して現したB−B断面図である。
図5及び図6に示す照明ユニット20は、主にアルミ材を削り出して形成した放熱ブロック21と、アクリル材で形成した導光レンズ22と、光源Lを備えた照明装置60とから形成されている。
先ず、照明ユニット20の照明装置60は、抵抗や配線パターンが配置された基板61の上に光源LとなるLEDが複数配置されている。また、基板61に電力を供給する配線64は、他の照明ユニット20とも接続される。例えば、照明装置60は、図示しないがDC24Vの電源を使用し、長さ1mの照明装置60を配置した場合、0.3Aから0.6Aの電流を消費する。また、光源Lの色温度は、LEDの固有の色温度を選択して設定する他に、フルカラーLEDをRGB制御することにより、暖かみや涼しげな色等の調光を行うことが可能である。光源Lは、PWM制御により点灯が可能であり、省エネルギー化又は明るさの調整を行うために、点灯のデューティ比を自由に設定変更が可能である。
尚、基板61は、銅やアルミニュウム等の放熱材を基材とした放熱性の優れた基板を用いても良く、薄いフィルム基板であっても良い。
照明装置60の導光レンズ22は、アクリル材を使用し、レーザー加工、切削加工又はシルク印刷等により、凹状又は凸状に複数の図示しない拡散レンズを形成した導光レンズ22が設けられている。導光レンズ22は、光源Lと対面する面に拡散レンズを設け、光源Lからの光を拡散レンズにより拡散させている。また、導光レンズ22は、ビスBにより放熱ブロック21に組み付けられている。
次に、放熱ブロック21は、図6及び図7に示すように中央に貫通した孔となる芯材固定孔26が設けられている。芯材固定孔26は、ボルトやビス等より上述した芯材30に照明ユニット20を固定するための孔である。
また、放熱ブロック21は、照明装置60を収納する空間となる切り欠き部27を設け、上述した照明装置60を収納している。切り欠き部27は、両側面が開放され、光源Lから放熱した空気の往来が可能である。
また、放熱ブロック21は、側面から照明装置60に向かって、斜め45度に貫通した孔である配線孔25が設けられている。配線孔25は、放熱ブロック21の切り欠き部27の両端に2箇所設けられている。また、放熱ブロック21は、芯材30(図4)の接触面38(a、b、c、d)と接触し、基板61から熱を伝導する伝熱面29(図7)を通った熱を、熱伝導、熱対流及び熱放射により熱を伝える放熱面28(a、b、c、d、e)を複数備えている。
尚、照明ユニット20は、図4及び図6のように導光レンズ22が下方に向くように芯材30に取り付けられる。
次に、本実施形態の照明ユニット70の変形例を図8乃至図10を参照し説明する。図8は、実施形態の照明ユニット70の変形例を上下を反転させ右斜め上方か見た斜視図である。図9は、図8に示す実施形態の照明ユニット70の変形例の上下を反転させ中央を切断して現したC−C断面図である。図10(A)は、実施形態の手すり110の変形例の中央付近を切断した断面図であり、図10(B)は、熱抵抗により放熱経路を現した図である。図10(C)は、熱抵抗により放熱経路を合成抵抗により簡略化して現した図である。
上述した箇所と同じ構造については同様の符号を付し、説明を省略する。特に、照明ユニット70を変形した実施例であり、手すり110について、上述した手すり10で説明した設置金具13、芯材30、照明装置60、内樹脂カバー40及び外樹脂カバー50は上述した構造と同様であるので省略する。
図8及び図9に示す照明ユニット70は、主にアルミ材を引き抜きの工法によって形成したU字杆71と、アルミ材により板状又は棒状に形成した放熱ブロック73と、アクリル材で形成した導光レンズ72と、光源Lを備えた上述した照明装置60とから形成されている。照明ユニット70は、導光レンズ72からU字杆71まで貫通した孔となるユニット連結孔76にビスやボルト等を挿入し、U字杆71と、放熱ブロック73と、及び導光レンズ72とが連結固定される。また、芯材30は、照明ユニット70を挿入できるように、下方を開口し、且つ内部に凹状の空間となる凹溝31を形成している。
先ず、U字杆71は、所謂Cチャンネルと呼ばれる断面がU字状のアルミ材で形成されている。U字杆71は、表面積を多く取ることが可能であり放熱に適している。また、U字杆71は、軽量で安価に製造が可能である。図8に、U字杆71は、導光レンズ72と同じ長さで記載してあるが、U字杆71の両端を伸ばし、スペーサー12と密接させ、スペーサー12から放熱させ、上述した芯材30にボルト等により固定するための貫通した孔を設けても良い。また、図9に示すように、U字杆71は、放熱ブロック73と接触する面として接触面74を備えている。U字杆71は、放熱ブロック73からの熱を接触面74から伝導して放熱している。
次に、図8及び図10に示すように、U字杆71と接触する放熱ブロック73は、一片に照明装置60が粘着テープ等により貼り付けられており、照明装置60からの熱を伝導し、放熱を行っている。粘着テープも熱伝導性の優れたテープを採用することにより、照明装置60の放熱性能の向上が図れる。また、放熱ブロック73は、芯材30と接触し、基板61から伝導した熱を放熱する放熱面78(a、b、c、d)を複数備えている。
次に、導光レンズ72は、側面から見てコ字状に形成されている。導光レンズ72の内部は、側面が開口し照明装置60が配置できる空間となる切り欠き部77が設けられている。また、導光レンズ72は、アクリル材により形成し、レーザー加工、切削加工又はシルク印刷等により、凹状又は凸状に複数の図示しない拡散レンズを光源Lと対面する面に形成し、光源Lからの光を拡散レンズにより拡散させている。
尚、導光レンズ22、72は、光の照射方向に合わせて設定しても良く、集光性を要望する場合には、凸レンズ、フルネルレンズ、魚眼レンズ等により照射光の集光が可能であるがある。また、導光レンズ22、72は、散乱性を要望する場合には、散乱レンズにより任意模様の照射光が可能である。また、導光レンズ22、72は、側方照射を要望する場合には、散乱レンズにより任意模様の照射光が可能である。
また、導光レンズ22、72は、アクリル材を使用して記載したが、材質は、ポリカーボネート等の耐候性、耐久性及び耐薬品性の優れた透光性材料であれば良い。更に、導光レンズ22、72は、単なる平板としても良く、また拡散シートを貼っても良い。
次に、図10を参照し、手すり110の放熱ブロック73からの放熱経路について説明する。
図10(B)に示す放熱経路は、熱抵抗により現している。熱源となる光源Lからの熱を放熱する経路は、3つの熱抵抗の経路により現している。対流TR(1から7)は、対流による対流熱伝導を現し、放射HS(1から5)は、熱の放射を現し、熱伝導DE(1から7)は、熱伝導を現している。
次に、詳細に光源Lからの主な放熱経路について説明する。光源Lからの熱は、外気oaに通じる切り欠き部77から対流TR1により伝わり放熱される。また、光源Lからの熱は、光源Lの端子と基板61とが通じており熱伝導DE1により基板61に熱が伝わる。更に、光源Lからの熱は、光源Lからの放射HS1により芯材30に伝わる。
次に、基板61に伝わった熱は、外気oaに通じる切り欠き部77から対流TR2により伝わり放熱される。また、基板61からの熱は、基板61と放熱ブロック73が通じており熱伝導DE2により放熱ブロック73に熱が伝わる。
また、放熱ブロック73からの熱は、対流TR3により手すり110内部の空間である内部空間iaに伝わる。また、放熱ブロック73からの熱は、放熱ブロック73が芯材30とU字杆71と通じているので、熱伝導DE3及び熱伝導DE6により芯材30とU字杆71とに熱が伝わる。更に、放熱ブロック73からの熱は、放射HS2により芯材30に伝わる。
次に、U字杆71からの熱は、対流TR5により手すり110内部の空間である内部空間iaに伝わる。また、U字杆71からの熱は、U字杆71が芯材30と通じているので、熱伝導DE4により芯材30に熱が伝わる。
また、内部空間iaからの熱は、対流TR5により芯材30に熱が伝わる。そして、芯材30が受けた熱は、芯材30内部の熱伝導DE5、表面から放射HS3及び対流TR6により熱が内樹脂カバー40に移動する。内樹脂カバー40が受けた熱は、内樹脂カバー40と密着する外樹脂カバー50に熱伝導DE7により移動する。そして、外樹脂カバー50が受けた熱は、表面から放射HS4及び対流TR7により外気oaに放出される。
また、芯材30の熱は、熱伝導DE8によりスペーサー12に伝達し、スペーサー12の熱は対流TR8及び放射HS8により外気Oaに放出される。
ここで、図10(C)は、放熱実験に用いた放熱経路を簡略化した図であり、合成抵抗(GR1、GR2)に示すように、出願人が測定した値では、規定される光源Lのジャンクション温度は、115℃であるが、光源Lの電力を2.16Wで使用した場合に、測定室内の気温が17.7℃での、配線64が近接する端子付近の実際の放熱ブロック73の(図8、P)の温度は27.1℃であった。
また、実施例で記載される芯材30、放熱ブロック73及びU字杆71は、アルミニュウム材を使用しており、このアルミニュウム材での熱伝導率は、240W/(m・K)と、熱伝導性に優れている。放熱ブロック73は、横8mm、長さ200mmとなり、熱を受けるのに考慮した厚みが6mmであることから、熱伝導DE3の熱抵抗は、(6/1000)/((1600/1000000)×240))=0.0156K/Wである。このように、熱伝導GR1(DE2、DE3等)は、熱抵抗が少なく芯材30及びU字杆71に光源Lからの熱を伝えている。
以上のように、芯材30の周囲を樹脂で被覆した手すり10、110であっても複数の放熱が可能な部品を使用して放熱することにより、光源Lの寿命や故障の原因となるような温度上昇となることはない。
また、放熱手段としての芯材30、放熱ブロック23、73及びU字杆71は、アルミニュウム材等の熱伝導性の優れた材料で形成しているので、光源Lからの熱を放熱ブロック73及びU字杆71に熱伝導させて放熱を行うことにより、光源Lが手すり10、110の外周となる外樹脂カバー50の位置に配置することが出来る。また、放熱ブロック23、73が長手方向に延びた熱伝導性の優れた材料を使用することにより、その他の材料が木や樹脂等であっても光源Lからの熱を、光源Lの定格の許容範囲内に保つように放熱をさせることが可能である。
特に芯材30は、長手方向に延び、内外の樹脂カバー40、50を保持しながら表面積も多くしていることから、放熱効果は飛躍的に延びている。
詳細には、U字杆71及び放熱ブロック73は、内部から外周に向かって積層状に配置しているので、足下などの照射したい位置に最も近く照明装置60を配置することが可能となる。
次に、図11を参照し他の実施形態の手すり200を説明する。図11は、実施形態の変形例の手すり200を中央付近で切断した断面図である。
上述した箇所と同じ構造については同様の符号を付し、説明を省略する。特に、照明ユニット270を変形した実施例であり、上述した手すり10及び110で説明した設置金具13、芯材30、照明装置60、内樹脂カバー40及び外樹脂カバー50は上述した構造と同様であるので省略する。
大きく異なる点は、放熱ブロック273が大きく伸び、照明装置270を構成するうち光源Lの部分が手すり200の外周に設けられている点が異なる。このように、光源Lが外部に露出した状態であっても長手方向に設けられる放熱構造(放熱ブロック273、芯材30)により、光源Lからの熱を、光源Lの定格の許容範囲内に保つように放熱をさせることが可能である。また、また、U字杆71は、芯材30の上方の内壁まで達し、接触面38iが芯材30と接触することで、伝熱箇所を多くしている。
尚、絶縁層を形成した放熱ブロック21、73、273の一部に、光源Lを点灯させるための回路パターンを形成して良い。直接回路パターンの熱を放熱することが可能である。
また、放熱ブロック21、73、273又はU字杆71にアルミニュウムや鉄等の金属材で形成したブロック状の放熱材を付加して放熱効果を上げるようにしても良い。
手すり10、110は、バッテリーと、太陽光パネル及び太陽パネルコントローラーを採用し、100%自然エネルギーの電力により稼働するシステムでも利用が可能である。
また、手すり10、110の照明装置60の制御においても、人感センサによる夜間の点灯制御や、照度センサにより夜間の点灯の開始制御が可能である。また照明装置60の制御は、照度センサを利用し、日没後における夜間の光源Lの点灯時間を任意に設定が可能なタイマー制御が可能である。
各放熱するアルミ材が接合する箇所には、熱伝導グリス又は熱伝導シートを使用することにより、接合する箇所の微細な隙間を埋めることができるので、熱抵抗を下げる効果がある。
(技術的特徴)
以下に本実施形態の技術的特徴点の一例を括弧に内に示すが、特に限定するものでもなく例示しているものであり、これら特徴から考えられる効果についても記載する。
<第1の特徴点>
発光手段(例えば、主に光源L)の光を外部へ放出する手すりであって、前記発光手段に密接し、前記発光手段からの熱を受ける第1の放熱手段(例えば、主に放熱ブロック21、73、273)と、前記第1の放熱手段と密接し、使用者の荷重を支えるための剛性を持つ第2の放熱手段(例えば、主に芯材30、スペーサー12)と、を備えたことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、複数の放熱手段を備えることにより、発光素子の発熱量よりも放熱量が上回る放熱手段が形成され、発光素子を許容定格温度以下に保持することができ、発光素子の寿命が短くなることを防止することができると共に光量の維持及び低温保持による省エネルギー化に繋がる。
<第2の特徴点>
前記第2の放熱手段は、長手方向と直交する断面形状が凹状の溝とする凹溝(例えば、主に凹溝31)と、前記凹溝に前記第1の放熱手段を固定する固定手段(例えば、主に芯材固定孔26)と、を備えたことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、第1の放熱手段と第2の放熱手段が密接に固定されることにより、発光素子の発熱量よりも放熱量が上回る放熱手段が形成されることにより、発光素子の寿命が短くなることを防止することができ、省エネルギー化に繋がる。
<第3の特徴点>
前記凹溝内に収納され、前記第1の放熱手段及び前記第2の放熱手段に密接し、断面が略コ字状であって、熱を対流し、且つ発光手段に電力を供給する配線を収納する空間を形成した補強部材(例えば、主にU字杆71)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、対流による熱の放熱の経路が形成されると共に、発光手段への電力を供給する配線を収納することができるので、空間を有効に使用しながらも放熱が可能となる。
<第4の特徴点>
前記手すり内部の熱を、対流により外部へ逃がすための孔となる放熱孔(例えば、主に放熱第1孔18、放熱第2孔19)を前記手すりの両端若しくは中央に複数設けたことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、外部への熱の放熱の促進を行うことが可能であり、放熱する孔を複数設けることにより熱の往来がし易くなる。また、木や樹脂など剛性の小さな材料でも、補強部材を備えることにより十分な剛性を持った手すりを提供できる。
<第5の特徴点>
前記第2の放熱手段と前記補強部材とは複数の面(例えば、主に放熱面28、78、接触面38、74)で接触し、放熱を行うことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、放熱手段が多くの面で接触することにより熱の授受がし易くなる。
<第6の特徴点>
前記第1の放熱手段は、前記発光手段を搭載する面に絶縁層を設け、前記絶縁層に前記発光手段に電力を供給する回路パターンを配置したことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、放熱手段に直接回路パターンを配置することにより、発光手段からの熱の放熱効果を向上させることができる。
<第7の特徴点>
前記第1の放熱手段は、前記発光手段を搭載した基板を密着して設け、前記第2の放熱手段内に収納され、且つ長手方向に沿って、前記発光手段の温度を許容温度以下に維持可能な熱伝導性を有する金属製の材料により形成したことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、複数の放熱手段をコンパクトに収納させながら、発光手段からの熱の熱伝導の良い金属製の材料により効率よく放熱させることができる。
<第8の特徴点>
前記第2の放熱手段の外周に積層状に配置し、使用者が保持する把持部(例えば、主に内樹脂カバー40、50…外樹脂カバー)を備えたことを特徴とする。
以上の特徴によって、本発明は、手すり内部ではなく、光源を照射するターゲットに対して、最も近い位置に配置しながらも、光源の放熱をすることができる。
特に、手すりの外周を覆う材料を樹脂等の放熱性が良くない材料であったてしても放熱性能を損なうことない。
特に、第2の放熱手段を、長手状に配置した手すり本体により放熱することにより放熱効果は飛躍的に向上する
屋内だけでなく屋外のプールや温泉施設の階段、乗り物の乗降口の手すり、船舶等の甲板上の手すり等の手すりが必要な箇所における場所に適用しても良い。
5、6…通路、7…階段、8…壁面、10、110…手すり、11…エンドキャップ、
12…スペーサー、13…設置金具、14…設置片、15…固定片、16…固定孔、
17…通し孔、18…放熱第1孔、19…放熱第2孔、
20、70、270…照明ユニット、21、73、273…放熱ブロック、
22、72…導光レンズ、25…配線孔、26…芯材固定孔、27、77…切り欠き部、28、78…放熱面、29…伝熱面、30…芯材、38、74…接触面、
40…内樹脂カバー、50…外樹脂カバー、60…照明装置、61…基板、
64…配線、71…U字杆、76…ユニット連結孔、L…光源。

Claims (4)

  1. 発光手段の光を外部へ放出する手すりであって、
    前記発光手段に密接し、前記発光手段からの熱を受ける第1の放熱手段と、
    前記第1の放熱手段と密接し、使用者の荷重を支えるための剛性を持つ第2の放熱手段と、を備え、
    前記第2の放熱手段は、長手方向と直交する断面形状が凹状の溝とする凹溝と、
    前記凹溝に前記第1の放熱手段を固定する固定手段と、を備え、
    前記凹溝内に収納され、前記第1の放熱手段及び前記第2の放熱手段に密接し、断面が略コ字状であって、熱を対流し、且つ前記発光手段に電力を供給する配線を収納する空間を形成した補強部材を備え、
    前記発光手段の発熱量よりも、前記第1の放熱手段と前記第2の放熱手段の放熱量が上回るように、前記第1の放熱手段と前記第2の放熱手段を形成し、前記発光手段を許容定格温度以下に保持することを特徴とする手すり。
  2. 前記第2の放熱手段と前記補強部材とは複数の面で接触し、放熱を行うことを特徴とする請求項1に記載の手すり。
  3. 発光手段の光を外部へ放出する手すりであって、
    前記発光手段に密接し、前記発光手段からの熱を受ける第1の放熱手段と、
    前記第1の放熱手段と密接し、使用者の荷重を支えるための剛性を持つ第2の放熱手段と、を備え、
    前記手すり内部の熱を、対流により外部へ逃がすための孔となる放熱孔を前記手すりの両端若しくは中央に複数設け、
    前記発光手段の発熱量よりも、前記第1の放熱手段と前記第2の放熱手段の放熱量が上回るように、前記第1の放熱手段と前記第2の放熱手段を形成し、前記発光手段を許容定格温度以下に保持することを特徴とする手すり。
  4. 発光手段の光を外部へ放出する手すりであって、
    前記発光手段に密接し、前記発光手段からの熱を受ける第1の放熱手段と、
    前記第1の放熱手段と密接し、使用者の荷重を支えるための剛性を持つ第2の放熱手段と、を備え、
    前記第1の放熱手段は、前記発光手段を搭載する面に電気的な絶縁層を設け、前記絶縁層の前記発光手段の搭載面に電力を供給する回路パターンを配置し、
    前記発光手段の発熱量よりも、前記第1の放熱手段と前記第2の放熱手段の放熱量が上回るように、前記第1の放熱手段と前記第2の放熱手段を形成し、前記発光手段を許容定格温度以下に保持することを特徴とする手すり。
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