JP6681735B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、光学的に読取可能な一次元又は二次元コード(シンボル)が印刷された表示シートを有する吸収性物品に関するものである。
従来、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品では、情報担体として光学的に読取可能な一次元又は二次元コード(以下、総称してコードともいう)を付加し、使用者がコードリーダやカメラ機能付き携帯端末等の読み取り装置を用いて、その製品に関する情報(仕様、価格、使用期限、製造ロット番号等)や、その商品又は他の商品に関する広告情報(広告メッセージ、広告URL等)を任意に取得し利用することが提案されている(例えば特許文献1、2)。
光学的読取装置により一次元又は二次元コードを高確率で読み取り可能とするには、読取装置を向けやすい部位にあること、表示が明りょうであること、コードの付加部材が平滑性に富み、平坦である(平坦にできる)こと等が重要となる。
しかし、ほとんど多くの吸収性物品は、布のような肌触りを実現するために外面が不織布により形成されており、最も読み取りに適している部分は平滑ではなく、コードの印刷にも適さない。
これを解決するものとして、吸収性物品の外面に取り付けられた後処理テープにコードを付加することも提案されているが、後処理テープは面積に制限があり、読み取り確立を向上するためにコードサイズを大きくする場合や、絵や文字などと組み合わせた大面積での情報提供を行う場合には不向きである。
他方、吸収性物品においては、外面を構成する不織布を含む一又は複数の不織布層の内側に、絵や文字等の表示を印刷した平滑な表示シートを配置し、外面から視認可能とする手法が知られているため、この表示シートにコードを印刷することも考えられたが、表示シートの外側に位置する一又は複数の不織布層を通してコードを読み取ることになるため、表示シートより外側における層間の隙間(浮き)や、各層で異なる微小な皺やうねりが原因で、読取率が低下するおそれがあった。
特開2003−58759号公報 特開2008−264232号公報 特開2006−249638号公報 特開2006−187646号公報
そこで、本発明の主たる課題は、外面が不織布により形成された部分に一次元又は二次元コードを付加する新規な手法を提供することにある。
上記課題を解決した吸収性物品は次記のとおりである。
1の態様
一次元又は二次元コードが印刷されたコード印刷部を有する表示シートと、この表示シートの外側を覆う一又は複数の不織布層とを有し、
前記表示シートの前記コード印刷部と重なる領域では、前記表示シートより外側の全ての層間が、前記一次元又は二次元コードのモジュールの配列方向において前記一次元又は二次元コードのモジュール寸法以上の隙間を有しない密なパターンの、透明又は半透明のホットメルト接着剤を介して接着されており、
前記表示シートにおける前記コード印刷部と重なる領域は、前記表示シートの外側に前記不織布層及び層間のホットメルト接着剤以外を有さず、かつ伸縮性を有しない非伸縮領域であり、
前記表示シートの外側に位置する不織布層及び層間のホットメルト接着剤を介して、前記コード印刷部の一次元又は二次元コードを光学的に読み取り可能である、
ことを特徴とする、吸収性物品。
(作用効果)
このように、コード印刷部を有する表示シートを不織布層の背後に内蔵することで、布のような外観を維持しつつ、表示シートにおけるコード印刷部と重なる領域に関して、(a)表示シートより外側の全ての層間を接着するホットメルト接着剤の接着パターンを一次元又は二次元コードのモジュールの配列方向において一次元又は二次元コードのモジュール寸法(寸法が異なるモジュールを有する場合には最小のモジュール寸法。以下、同じ。)以上の隙間を有しない密なパターンとする、(b)表示シートの外側に不織布層及び層間のホットメルト接着剤以外を有しないものとする、(c)伸縮性を有しない非伸縮領域とする、ことにより、表示シートより外側における層間の隙間(浮き)や、表示シートと不織布とで異なる皺やうねりが減少し、コードの読取率の低下を効果的に防止することができる。
2の態様
前記表示シートの外側を覆う不織布層全体の厚み方向の光透過率が80%以上である、の態様の吸収性物品。
(作用効果)
読取率の低下を防止するためには、表示シートの外側を覆う不織布層全体の光透過率は上記範囲内であることが望ましい。
3の態様
前記表示シートの外側を覆う不織布層の総厚みが、前記一次元又は二次元コードのモジュールの配列方向における前記一次元又は二次元コードのモジュール寸法以下である、1又は2の態様の吸収性物品。
(作用効果)
このように、表示シートの外側を覆う不織布層の総厚みが、一次元又は二次元コードのモジュールの配列方向における前記一次元又は二次元コードのモジュール寸法以下であることにより、コードの読取率の低下を効果的に防止することができる。
4の態様
前記表示シートの内側に位置する部材を有しており、前記表示シートにおける前記コード印刷部と重なる領域は、前記表示シートの内側に隣接する部材と接合されていない、1〜3のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
このように、少なくとも表示シートにおけるコード印刷部と重なる領域については、その内側に隣接する部材と接合されていないことにより、表示シートの内側の部材の変形等が表示シートに影響しにくくなるため、コードの読取率の低下を防止することができる。
5の態様
前記表示シートは、内側に折り返された折り返し部分を有し、かつこの折り返し部分の外側に重なる部分に前記コード印刷部が設けられている、1〜4のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
このように表示シートの折り返し部分と重なる部分にコード印刷部を設けると、表示シートにおけるコード印刷部を有する部分の剛性が高くなり、変形しにくくなるため、コードの読取率の低下を防止することができる。
6の態様
前記表示シートにおける、前記折り返し部分とその外側に重なる部分とが接合されていない、の態様の吸収性物品。
(作用効果)
この場合、表示シートの折り返し部分の変形等がコード印刷部に影響しにくくなるため、コードの読取率の低下を防止することができる。
7の態様
前記表示シートの外側を覆う全ての不織布層は、地合い指数が510以下である、1〜6のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
乱反射による読取率の低下を防止するためには、表示シートの外側を覆う不織布層の全体の地合い指数は上記範囲内であることが望ましい。
8の態様
前記表示シートは、絵柄が印刷された絵柄印刷部を有しており、この絵柄印刷部は外面から視認可能であり、前記コード印刷部の一次元又は二次元コードは前記絵柄印刷部の絵柄と関連する情報を含むものである、1〜7のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
吸収性物品においては、サイズやブランド、メーカー等の表記の他、外観向上等を目的として外面から視認可能な絵柄を付与することが行われてきた。例えば、小人用の使い捨ておむつでは、子供が興味を引くキャラクターや動物等の絵柄を付与し、おむつ交換時の親子のコミュニケーションや知育を図ることが行われてきた。しかし、絵柄は静的な外観情報でしかないため、子供の興味を引きにくいこともある。これに対して、表示シートに絵柄印刷部だけでなく、絵柄と関連する情報を含むコード印刷部を設け、使用者が必要に応じてコード印刷部を光学的に読み取り、絵柄と関連する情報を利用する形態とすると、例えば絵柄と関連する音楽情報を利用したりできる等、より一層、コミュニケーションや知育を向上させることができる。
9の態様
前身頃を構成する外装体及び後身頃を構成する外装体を個別又は一体的に備えており、前身頃を構成する外装体から後身頃を構成する外装体にかけて、吸収体を含む内装体が取り付けられ、
前記前身頃を構成する外装体の両側部と前記後身頃を構成する外装体の両側部とがそれぞれ接合され、ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成され、
前記前身頃を構成する外装体及び後身頃を構成する外装体の少なくとも一方は、前記吸収体を有する前後方向範囲に、幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
前記伸縮領域は、内側シート層と、不織布層からなる外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に、前後方向に間隔を空けてそれぞれ幅方向に沿って取り付けられた複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有し、前記弾性伸縮部材の伸縮を伴って幅方向に弾性伸縮する領域であり、
前記非伸縮領域は、前記伸縮領域から連続する内側シート層及び外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に残った不要弾性伸縮部材とを有し、幅方向に弾性伸縮しない領域である、
パンツタイプ使い捨ておむつであって、
前記表示シートの少なくとも前記コード印刷部は、前記非伸縮領域における前記外側シート層より内側に設けられている、
1〜8のいずれか1つの態様の吸収性物品。
(作用効果)
このようなパンツタイプ使い捨ておむつの外装体に内蔵させる表示シートとして、本態様におけるコード印刷部を有する表示シートは好適である。
10の態様
前記外側シート層における前記コード印刷部と重なる領域には弾性伸縮部材の切断痕跡を有しない、の態様の吸収性物品。
(作用効果)
前述のようなパンツタイプ使い捨ておむつにおける非伸縮領域は、弾性伸縮部材の切断痕跡を有することが殆どであり、このような切断痕跡もコードの読取率を低下させるおそれがある。よって、本態様のように外側シート層におけるコード印刷部と重なる領域に弾性伸縮部材の切断痕跡を有しないのは一つの好ましい形態である。
本発明によれば、外面が不織布により形成された部分に一次元又は二次元コードを付加することができる、等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、展開状態平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、展開状態平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 (a)図1の5−5断面図、及び(b)図1の6−6断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、展開状態平面図である。 (a)図7の5−5断面図、及び(b)図7の6−6断面図である。 表示シートとホットメルト接着剤を示す平面図である。 要部を示す縦断面図である。 切断装置の斜視図である。 表示シート部分の拡大平面図である。 表示シートを示す平面図である。 二次元コードの情報を利用するシステムの概略図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図6は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示しており、ホットメルト接着剤のベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布、又はパターンコート(凸版方式でのホットメルト接着剤の転写)などにより、あるいは弾性伸縮部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性伸縮部材の外周面への塗布により形成されるものである。ホットメルト接着剤としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在するが、特に限定無く使用できる。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段を用いることもできる。
本形態のパンツタイプ使い捨ておむつ100は、前身頃Fを構成する前側外装体12F及び後身頃Bを構成する後側外装体12Bと、前側外装体12Fから股間部を経て後側外装体12Bまで延在するように外装体12F,12Bの内側に設けられた内装体200とを備えており、前側外装体12Fの両側部と後側外装体12Bの両側部とが接合されてサイドシール部12Aが形成されることにより、外装体12F,12Bの前後端部により形成される開口が装着者の胴を通すウエスト開口WOとなり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁及び内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口LOとなる。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装体12F,12Bは着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。また、符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの前後方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
また、本形態のパンツタイプ使い捨ておむつ100は、サイドシール部12Aを有する前後方向範囲(ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る前後方向範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する前後方向領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下方部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向伸縮応力が変化する境界(例えば弾性伸縮部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなる。これらの前後方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15〜40mm、ウエスト下方部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚を入れる部位となる。この結果、展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつは、全体として略砂時計形状をなしている。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となるトップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立する立体ギャザー60を示している。
内装体200の外装体12F,12Bに対する固定は、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により行うことができる。図示形態では、内装体200の裏面、つまりこの場合は液不透過性シート11の裏面及び立体ギャザー60の取付部分65に塗布されたホットメルト接着剤により外装体12F,12Bの内面に対して固定されている。この内装体200と外装体12F,12Bとを固定する内外固定部201は、両者が重なる領域のほぼ全体に設けることができ、通常は内装体の幅方向両端部を除いた部分に設けることが好ましい。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
立体ギャザー60を設ける場合、トップシート30の両側部は、液不透過性シート11と立体ギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回り込ませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及び立体ギャザー60に対して接合するのが好ましい。
トップシート30は、裏側部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示形態では、トップシート30はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により中間シート40の表面及び包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.0〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
中間シート40は、裏側部材に対する位置ずれを防止する等の目的で、ヒートシール、超音波シールのような素材溶着による接合手段や、ホットメルト接着剤により裏側に隣接する部材に固定することが望ましい。図示形態では、中間シート40はその裏面に塗布されたホットメルト接着剤により包装シート58のうち吸収体56の表側に位置する部分の表面に固定されている。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。この他にも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、図示のように吸収要素50の裏側に収まる幅とする他、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回り込ませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させることもできる。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(立体ギャザー)
立体ギャザー60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する排泄物を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態の立体ギャザー60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、立体ギャザー60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のギャザーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状のギャザー弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。立体ギャザー60のうち先端部と反対側に位置する基端部(幅方向においてシート折り返し部分と反対側の端部)は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66は、幅方向中央側に向かう付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返された先端側部分とからなる。この形態は面接触タイプの立体ギャザーであるが、幅方向外側に折り返されない線接触タイプの立体ギャザー(図示略)も採用することができる。そして、突出部分66のうち前後方向両端部が倒伏状態でトップシート30の側部表面に対して固定された前後固定部67とされる一方で、これらの間に位置する前後方向中間部は非固定の自由部分68とされ、この自由部分68に前後方向に沿うギャザー弾性伸縮部材63が伸長状態で固定されている。
立体ギャザー60の自由部分68では、ギャザーシート62の内側層及び外側層の貼り合わせや、その間に挟まれるギャザー弾性伸縮部材63の固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。ギャザーシート62の内側層及び外側層の全面を貼り合わせると柔軟性を損ねるため、ギャザー弾性伸縮部材63の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示形態では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段によりギャザー弾性伸縮部材63の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布してギャザーシート62の内側層及び外側層間に挟むことにより、当該ギャザー弾性伸縮部材63の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、ギャザーシート62の内側層及び外側層への細長状弾性伸縮部材の固定と、ギャザーシート62の内側層及び外側層間の固定とを行う構造となっている。
また、立体ギャザー60に組み込まれる防水フィルム64とギャザーシート62との固定や、前後固定部67の内装体200の側部表面への固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による手段の少なくとも一方を用いることができる。図示形態では、防水フィルム64の固定にホットメルト接着剤のスロット塗布を使用している。また、図示形態の前後固定部67の固定には、ホットメルト接着剤と素材溶着による手段を組み合わせているが、いずれか一方の手段のみで、これらの固定を行うこともできる。
ギャザーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコーンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。なお、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。また、図示のように、二つに折り重ねたギャザーシートの間に防水フィルム64を介在させることもできる。
立体ギャザー60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
立体ギャザー60の取付部分65の固定対象は、内装体200におけるトップシート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成された立体ギャザー60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍において立体ギャザー60が幅方向外側に開くように起立するため、立体ギャザー60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
立体ギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図3に示すように、立体ギャザー60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、立体ギャザー60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側において立体ギャザーを二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図1及び図2にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体と立体ギャザー60の、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は排尿口位置の前後左右にわたる限り適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の使い捨ておむつに使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。例えば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装体)
外装体12F,12Bは、前身頃Fを構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bを構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは股間側で連続しておらず、前後方向に離間されている。この離間距離12dは150〜250mm程度とすることができる。この離間部分における内装体200の裏面の露出部分の一部(例えば前側外装体12Fと後側外装体12Bとの間に露出する部分の前後方向全体にわたるが、内装体200の前後端まで延びず、また幅方向両側縁も内装体200の両側縁までは達しない程度)又は全体を覆うように、不織布等からなる股間部カバーシート12Mを貼り付けることが望ましいが、省略することもできる。また、図7及び図8に示すように、外装体12が、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとすることもできる。つまり、前身頃F及び後身頃Bを個別に構成する外装体12F,12Bが前者の形態に相当し、前身頃F及び後身頃Bを一体的に構成する外装体12が後者の形態に相当する。
外装体12F,12Bは、胴周り領域Tと対応する前後方向範囲である胴周り部を有する。また、本形態では、前側外装体12Fには中間領域Lと対応する部分を有していないが、後側外装体12Bは胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る臀部カバー部14を有している。図示しないが、前側外装体12Fにも胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る鼠蹊カバー部を設けたり、鼠径カバー部は設けるものの臀部カバー部は設けない形態としたり、前側外装体12F及び後側外装体12Bの両方に中間領域Lと対応する部分を設けなくても良い。また、図示形態では、臀部カバー部14の下縁は、前側外装体12Fの下縁と同様、幅方向に沿う直線状に形成しているが、幅方向外側に向かうにつれてウエスト開口側に位置するようになる曲線とすることもできる。
外装体12F,12Bは、図3〜図5に示されるように、外側シート層12S及び内側シート層12Hをホットメルト接着剤や溶着等の接合手段により接合して形成されたものである。外側シート層12Sを形成するシート材及び内側シート層12Hを形成するシート材は、図5に示す形態のように共通の一枚のシート材とする他、図8に示す形態のように個別のシート材とすることもできる。すなわち、前者の場合、ウエスト開口WOの縁(股間側の縁としても良い)で折り返された一枚のシート材の内側の部分及び外側の部分により内側シート層12H及び外側シート層12Sがそれぞれ形成される。なお、前者の形態では、内側シート層12H及び外側シート層12Sを貼り合わせる際にずれにくいという利点があり、後者の形態ではシート材の資材数が少ないという利点がある。
外側シート層12S及び内側シート層12Hに用いるシート材としては、特に限定無く使用できるが不織布が好ましく、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維や、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などからなる不織布を使用することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、その目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。
また、外装体12F,12Bの総目付けは20〜60g/m2程度であるのが好ましい。
(伸縮領域・非伸縮領域)
そして、外装体12F,12Bには、装着者の胴周りに対するフィット性を高めるために、外側シート層12S及び内側シート層12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が設けられ、弾性伸縮部材の伸縮を伴って幅方向に弾性伸縮する伸縮領域が形成されている。この伸縮領域では、自然長の状態では外側シート層12S及び内側シート層12Hが弾性伸縮部材の収縮に伴って収縮し、皺又は襞が形成されており、弾性伸縮部材の長手方向に伸長すると、外側シート層12S及び内側シート層12Hが皺なく伸び切る所定の伸長率まで伸長が可能である。細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装体12F,12Bにおける外側シート層12S及び内側シート層12Hの貼り合わせや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。外装体12F,12B全面を強固に固定すると柔軟性を損ねるため、細長状弾性伸縮部材15〜19の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示形態では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により細長状弾性伸縮部材15〜19の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布して両シート層12S,12H間に挟むことにより、当該細長状弾性伸縮部材15〜19の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、両シート層12S,12Hへの細長状弾性伸縮部材15〜19の固定と、両シート層12S,12H間の固定とを行う構造となっている。弾性伸縮部材15〜19は伸縮領域における伸縮方向の両端部のみ、外側シート層12S及び内側シート層12Hに固定することができる。
より詳細には、外装体12F,12Bのウエスト部Wにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17が上下方向に間隔を空けて取り付けられている。また、ウエスト部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本又は複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト部Wの幅方向の伸長率は150〜400%、特に220〜320%程度であるのが好ましい。また、ウエスト部Wは、その前後方向の全てに同じ太さのウエスト部弾性伸縮部材17を用いたり、同じ伸長率にする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性伸縮部材17の太さや伸長率が異なるようにしてもよい。
また、外装体12F,12Bのウエスト下方部Uにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、細長状弾性伸縮部材からなるウエスト下方部弾性伸縮部材15,19が複数本、上下方向に間隔を空けて取り付けられている。
ウエスト下方部弾性伸縮部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度設けるのが好ましく、これによるウエスト下方部Uの幅方向の伸長率は200〜350%、特に240〜300%程度であるのが好ましい。
また、後側外装体12Bの臀部カバー部14における外側シート層12S及び内側シート層12H間には、細長状弾性伸縮部材からなるカバー部弾性伸縮部材16が複数本、上下方向に間隔を空けて取り付けられている。
カバー部弾性伸縮部材16としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度設けるのが好ましく、これによるカバー部の幅方向の伸長率は150〜300%、特に180〜260%であるのが好ましい。
前側外装体12Fに鼠径カバー部を設ける場合には同様にカバー部弾性伸縮部材を設けることができる。
図示形態のウエスト下方部Uや臀部カバー部14のように、吸収体56を有する前後方向範囲に弾性伸縮部材15,16,19を設ける場合には、その一部又は全部において吸収体56の幅方向の収縮を防止するために、吸収体56と幅方向に重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内外固定部201の全体を含む)が非伸縮領域A1とされ、その幅方向両側が伸縮領域A2とされる。ウエスト部Wは幅方向全体にわたり伸縮領域A2とされるのが好ましいが、ウエスト下方部Uと同様に、幅方向中間に非伸縮領域を設けても良い。
(表示シート)
図2及び図5、並びに図7及び図8に示すように、前側外装体12F及び後側外装体12Bの少なくとも一方における非伸縮領域A1には、外面に二次元コードが印刷されたコード印刷部26を有する表示シート25が内蔵されている。
表示シート25の基材としては、印刷に適したものであれば特に限定されず、例えばクレープ紙等の紙、或いは樹脂フィルム等を使用することができる。クレープ紙のように不透明性の高い基材を用いる場合には図示形態のようにコード印刷部26を表示シート25の外面に設ける必要があるが、例えば、光透過率(後述する)が90%以上のフィルム等のように、透明性が高い基材を用いる場合には、表示シート25の内面にコード印刷部26を設けることもできる。クレープ紙を用いる場合、その厚みは100〜150μmであると好ましく、密度は100〜200kg/m3であると好ましい。このような厚み及び密度のクレープ紙は、目付け10g/m2以上でクレープ率を10%前後とすることにより製造することができる。なお、密度は、目付け及び厚みから算出することができる。また、クレープ率とは、((ヤンキードライヤーの周速)−(巻き取りリールの周速))/(ヤンキードライヤーの周速)×100(%)で算出される値である。
二次元コードとしては、正方形や円形のモジュール(単位セル)を二次元方向に配列したマトリックス型のもの、例えばQRコード(登録商標)等と、バーとスペースからなるモジュールの一次元配列からなる一次元コードを複数配列したスタック型ものとがあるが、いずれを用いても良く、コードの種類は特に限定されない。二次元コードに代えて又はこれとともに一次元コードを用いることもできる。一次元又は二次元コードのモジュール配列方向(一次元コードの場合は一方向、二次元コードの場合は直交二方向)の寸法は適宜定めることができるが、0.2mm以上、特に0.20〜0.25mmであることが好ましい。
表示シート25は、最も外側のシート層の内面に隣接して設けられていると、製品外面に近く、光学的に読取りやすくなるため、図10(a)に示すように外側シート層12Sの内面に隣接して設けられていることが望ましいが、図10(b)に示すように内側シート層12Hの外面に隣接して設けられていても良く、また、図10(c)に示すように内側シート層12Hの内面に隣接して設けられていても良い。
そして特徴的には、図9及び図10に示すように、表示シート25のコード印刷部26と重なる領域では、表示シート25より外側の全ての層間が、二次元コードのモジュールの配列方向において二次元コードのモジュール寸法以上の隙間を有しない密なパターンの、透明又は半透明のホットメルト接着剤H1を介して接着されている。ここで、表示シート25より外側の全ての層間とは、図10(a)に示すように表示シート25が外側シート層12Sの内面に隣接して設けられている場合や、図10(b)に示すように内側シート層12Hの外面に隣接して設けられている場合は、外側シート層12S及び表示シート25層の間のことであり、図10(c)に示すように内側シート層12Hの内面に隣接して設けられている場合は、表示シート25層と内側シート層12Hとの間、及び内側シート層12H及び外側シート層12Sの間のことである。
また、ホットメルト接着剤H1の密なパターンは、隙間なく連続するパターン(塗布方式としてはスプレーコートや、カーテンコート、スロットコート)のほか、隙間の狭いスパイラルパターンを採用することもできる。少なくとも表示シート25のコード印刷部26と重なる領域で、表示シート25より外側の全ての層間が上記密なパターンのホットメルト接着剤H1を介して接着される限り、図9(a)に示すように、コード印刷部26と重なる領域及びその近傍の周囲部分を含む一部の領域のみ上記密なパターンのホットメルト接着剤H1を介して接着し、他の領域は間隔の大きいスパイラルパターン等、疎なパターンのホットメルト接着剤H2を介して接着する他、図9(b)に示すように、表示シート25と重なる領域全体を上記密な塗布パターンのホットメルト接着剤H1を介して接着することもできる。
ホットメルト接着剤H1,H2としては、透明又は半透明のものであれば、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系など特に限定無く使用できる。ホットメルト接着剤H1,H2の透明性としては、ヘイズ(透明性)が40%以下のものが好ましく、ヘイズ(透明性)が20%以下のものが特に好しい。なお、ホットメルト接着剤H1,H2のヘイズ値は、特開2006−335786号公報の段落[0021]記載の方法により測定することができる。
また、表示シート25におけるコード印刷部26と重なる領域は、表示シート25の外側に不織布層及び層間のホットメルト接着剤H1以外を有さず、おむつの外側から一又は複数の不織布層及び層間のホットメルト接着剤H1を介してコード印刷部26の二次元コードを光学的に読み取り可能となっている。なお、図示形態のように、表示シート25全体が非伸縮領域A1に位置していることが望ましいが、コード印刷部26と重なる領域を含む一部の領域のみが非伸縮領域A1に位置し、それ以外の領域が伸縮領域A2に位置していても良い。
このように、コード印刷部26を有する表示シート25を不織布層の背後に内蔵することで、布のような外観を維持しつつ、表示シート25におけるコード印刷部26と重なる領域に関して、(a)表示シート25より外側の全ての層間を接着するホットメルト接着剤H1の接着パターンを、一次元又は二次元コードのモジュールの配列方向において一次元又は二次元コードのモジュール寸法(モジュール寸法が異なる場合には最小のモジュール寸法。以下、同じ。)以上の隙間を有しないパターンとする、(b)表示シート25の外側に不織布層及び層間のホットメルト接着剤H1以外を有しないものとする、(c)伸縮性を有しない非伸縮領域A1とする、ことにより、表示シート25より外側における層間の隙間(浮き)や、表示シート25と不織布とで異なる皺やうねりが減少し、コードの読取率の低下を効果的に防止することができる。
図10(a)(b)に示すように、表示シート25におけるコード印刷部26と重なる領域は、表示シート25の内側に隣接する部材(図示形態では内側シート層12H)と接合されていないことが好ましい。これにより、表示シート25の内側の部材の変形等が表示シート25に影響しにくくなるため、コードの読取率の低下を防止することができる。この場合、図示形態のように、表示シート25全体が内側に隣接する部材に非接合であることが望ましいが、少なくともコード印刷部26と重なる領域を含む一部の領域のみが内側に隣接する部材に非接合となり、それ以外の領域が内側に隣接する部材に接合されていても良い。
また、図10(d)(e)に示すように、表示シート25における前後左右のいずれか一つ又は複数の端部に、内側に折り返された折り返し部分25fを設け、この折り返し部分25fの外側に重なる部分にコード印刷部26を設けるのも好ましい形態である。これにより、表示シート25におけるコード印刷部26を有する部分の剛性が高くなり、変形しにくくなるため、コードの読取率の低下を防止することができる。この場合において、折り返し部分25fとその外側に重なる部分とが、図10(e)に示すようにホットメルト接着剤H3等により接合されていると剛性向上がより一層のものとなるが、図10(d)に示すように非接合とすると、表示シート25の折り返し部分25fの変形等がコード印刷部26に影響しにくくなり、コードの読取率の低下を防止できるという利点がある。
また、表示シート25に対する不要弾性伸縮部材18の収縮力の影響を完全に無くすために、不要弾性伸縮部材18は、その表裏に接する部材に非固定とされていることが望ましい。すなわち、図10(a)に示す形態のように、表示シート25の外側面や内側シート層12Hの内側面はホットメルト接着剤H1,H2等の固定手段により対向面に固定することができるが、不要弾性伸縮部材18は表示シート25の内側面及び内側シート層12Hの外側面に対してホットメルト接着剤等の固定手段により固定しないようにする。これにより、不要弾性伸縮部材18が単独で収縮し、その表裏に隣接する部材が収縮せず、表示シート25が変形しにくくなる。このような構造は、製造の際、弾性伸縮部材15,16,19のうち非伸縮領域A1に位置する部位はホットメルト接着剤を塗布しない等により、表裏に隣接する部材に対して固定しないことで構築することができる。さらに、不要弾性伸縮部材18の表裏に隣接する部材同士も互いに非固定としてもよい。
コード印刷部26の二次元コードは、専用のコードリーダーや、スマートフォン等の携帯端末に内蔵されたカメラにより光学的に読み取ることになるため、表示シート25より外側の部分は可視光の透過性に優れることが好ましい。具体的に、表示シート25の外側を覆う不織布層全体(図示形態では外側シート層12Sのみとなるが、外側の不織布層が複数層あるときには複数層重ねた状態)の厚み方向の光透過率が80%以上であることが好ましい。なお、光透過率は、例えば日本電色工業株式会社製の交照測光式色差計Z−300Aを用いて次のように測定する。すなわち、まず、一方の検出部と、別のもう一方の検出部との間に、光を遮蔽する遮蔽物を配置した状態で測定し、零点補正する。次に、一方の検出部と、別のもう一方の検出部との間に配置した遮蔽物を取り除いてから、光を遮るものがない状態で測定し、標準補正を行う。次いで、対象物である外面シートを、一方の検出部と、別のもう一方の検出部との間に配置した状態で測定する。
また、表示シート25の外側を覆う全ての不織布層は、地合い指数が510以下であると、乱反射による読取率の低下を防止できるため好ましい。不織布層の地合い指数と不織布層の目付けとの積が7600以下であるとより好ましい。なお、地合い指数は、野村商事株式会社製フォーメーションテスターFMT−1000A型を用いて測定する。測定面積は100mm×100mm、測定時間は20秒/サンプルで、5枚のサンプルの表裏両面について地合い指数を測定し、その平均値を測定値とする。地合い指数は、(吸光度の標準偏差/平均吸光度)×10で表され、値が小さいほど地合いムラが少ないことを意味する。
また、表示シート25より外側の全ての不織布層の厚みが、二次元コードのモジュールの配列方向における二次元コードのモジュール寸法以下であると、コードの読取率の低下を効果的に防止できるため好ましい。
以上の観点から、表示シート25の外側に位置する不織布は、図示形態のように一枚の不織布(外側シート層12S)とすることが好ましく、その場合の不織布は目付け8〜20g/m2、厚み0.1〜0.3mm、繊度1.5〜2.0dtexであるのが好ましい。
コード印刷部26に印刷されるコードは、その製品に関する情報(仕様、価格、使用期限、取扱説明、製造ロット番号等)や、その商品又は他の商品に関する広告情報(広告メッセージそのもの、広告ウェブサイトのURL等)、あるいは音楽再生、動画再生、ゲーム実行等のためのURL情報等を、任意の情報をコード化したものとすることができる。
吸収性物品においては、サイズやブランド、メーカー等の表記の他、外観向上等を目的として外面から視認可能な絵柄を付与することが行われてきた。例えば、小人用の使い捨ておむつでは、子供が興味を引くキャラクターや動物等の絵柄を付与し、おむつ交換時の親子のコミュニケーションや知育を図ることが行われてきた。しかし、絵柄は静的な外観情報でしかないため、子供の興味を引きにくいこともある。そこで、図示形態のように、表示シート25に絵柄が印刷された絵柄印刷部27を設け、この絵柄印刷部27を外面から視認可能とするとともに、コード印刷部26のコードとして、絵柄印刷部27の絵柄と関連する情報をコード化したものを付加するのは一つの好ましい形態である。
この具体例としては、図13(a)に示すように、表示シート25に絵柄印刷部27として星の絵柄を設けるとともに、コード印刷部26には、キラキラ星の歌を再生するためのURL情報や、キラキラ星の歌とともに又は単独で星がまたたいたり流れたりする動画を再生するためのURL情報を含む二次元コードを付加する形態を挙げることができる。使用者はおむつ交換時等に、図14に示すようにスマートフォン等の携帯端末101を用いてコード印刷部26をカメラで撮影し、撮影した二次元コードからURL情報を読み出してそのURLの情報に基地局102及びインターネット103を介してアクセスする。一方、インターネット103には、そのURLの音楽データ若しくは動画データを含むサーバー104が接続されており、使用者からのアクセスにより音楽データ又は動画データのダウンロードが開始され、使用者の携帯端末101でそのデータ、つまりキラキラ星の歌や、星がまたたいたり流れたりする動画が再生されることとなる。よって、より一層、コミュニケーションや知育を向上させることができる。
図13(b)に示す形態は、表示シート25に絵柄印刷部27としてチューリップの絵柄を設けるとともに、コード印刷部26には、チューリップの歌を再生するためのURL情報や、チューリップの歌とともに又は単独でチューリップが花開く動画を再生するためのURL情報を含む二次元コードを付加する形態であり、図13(c)に示す形態は、表示シート25に絵柄印刷部27としてパンダ、うさぎ及びコアラの絵柄を設けるとともに、コード印刷部26には、パンダうさぎコアラの歌を再生するためのURL情報や、パンダうさぎコアラの歌に合わせてパンダ、うさぎ、コアラの画像が切り替わる動画を再生するためのURL情報を含む二次元コードを付加する形態である。
(非伸縮領域の形成)
伸縮領域A2及び非伸縮領域A1は、内側シート層12Hと、内面に表示シート25をホットメルト接着剤H1,H2により固定した外側シート層12Sとの間に、弾性伸縮部材15〜17,19を供給し、弾性伸縮部材15,16,19を伸縮領域A2における少なくとも伸縮方向の両端部でホットメルト接着剤を介して固定し、非伸縮領域A1となる領域では固定せず、非伸縮領域A1となる領域において、弾性伸縮部材15,16,19を幅方向中間の1か所で加圧及び加熱により切断するか、又は弾性伸縮部材15,16,19のほぼ全体を加圧及び加熱により細かく切断し、伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。
図11(a)は、弾性伸縮部材15,16,19を幅方向中間の1か所で切断する場合を示しており、周方向の1か所に切断凸部72を有する加圧部71を外周面に備え、切断凸部72が所望の温度に加熱されるシールロール70と、これに対向配置された表面平滑なアンビルロール80とにより、内側シート層12H及び外側シート層12S間に表示シート25及び弾性伸縮部材15〜17,19を取り付けた切断対象を、内側シート層12Hがシールロール側となるように挟み、切断凸部72とアンビルロール80の外周面との間に挟まれる部位のみ弾性伸縮部材15,16,19を加圧及び加熱して切断するものである。このような加工を施した製品では、図12(a)(b)に示すように、外側シート層12S及び内側シート層12H間には、伸縮領域A2の弾性伸縮部材15,16,19から連続する切断残部のみが不要弾性伸縮部材18として残ることになる。
また、図11(b)は、弾性伸縮部材15,16,19のほぼ全体を細かく切断する場合を示しており、多数の切断凸部73を有する加圧部71を外周面に備え、切断凸部72が所望の温度に加熱されるシールロール70と、これに対向配置された表面平滑なアンビルロール80とにより、内側シート層12H及び外側シート層12S間に表示シート25及び弾性伸縮部材15〜17,19を取り付けた切断対象を、内側シート層12Hがシールロール側となるように挟み、切断凸部73とアンビルロール80の外周面との間に挟まれる部位のみ弾性伸縮部材15,16,19を加圧及び加熱して切断するものである。このような加工を施した製品では、図12(c)に示すように、外側シート層12S及び内側シート層12H間には、伸縮領域A2の弾性伸縮部材15,16,19から連続する切断残部、及び両方の伸縮領域A2の弾性伸縮部材15,16,19と連続しない弾性伸縮部材の切断片が不要弾性伸縮部材18として残ることになる。
これらの手法によると、図12に示すように切断時に圧縮された部分又は溶融された部分が少なくとも外側シート層12Sに切断痕跡22として残る。場合により、表示シート25や内側シート層12Hにも切断痕跡22が残る。なお、図12(a)(b)に示すように、弾性伸縮部材15,16,19の切断を非伸縮領域A1の幅方向の一か所のみで切断すると、溶融跡や圧縮跡等の切断痕跡22が残るとしてもその面積は小さくなり、切断痕跡22が重なる等により表示シート25の表示が見にくくなりにくい利点がある。特に、図12(b)に示すように、非伸縮領域A1を形成するための弾性伸縮部材15,16,19の切断を、非伸縮領域A1の幅方向中央以外で切断すると、切断痕跡22の位置が中央以外となり表示シート25の表示を阻害しにくくなるため好ましい。切断パターンとしては、図示形態のように直線状とする他、く字状やジグザグ状等、適宜の形状とすることができる。
弾性伸縮部材15,16,19を切断するための加熱温度(切断凸部の温度)は、弾性伸縮部材15,16,19を確実に切断できる限り適宜定めれば良いが、製造ラインが高速であっても弾性伸縮部材15,16,19を確実に切断し、かつ弾性伸縮部材15,16,19の切断部が周囲部材に付着しないようにするためには、弾性伸縮部材15,16,19の融点よりは低温であるが十分に高温とすることが好ましい。このような高温での弾性伸縮部材15,16,19の切断に際し、外側シート層12S及び内側シート層12Hの融点が切断温度より低い場合、内側シート層12Hには、弾性伸縮部材15,16,19の切断部位において溶融跡が残ったり、孔が開いたりするおそれはあるが、表示シート25の断熱効果により外側シート層12Sに対する影響は低減される。一般に、外側シート層12S及び内側シート層12Hに使用される不織布の融点は160〜175℃程度であり、弾性伸縮部材15,16,19の融点は200〜230℃程度であり、加熱温度は180〜200℃とすることができる。
他方、弾性伸縮部材15,16,19の切断時の加圧及び加熱により、弾性伸縮部材15,16,19の切断端部が表示シート25の内側面に付着して、表示シート25が収縮してしまうおそれもあるため、表示シート25の少なくとも内側面に剥離剤を塗布しておくのも好ましい形態である。剥離剤としては、シリコーン系、ふっ素系、長鎖脂肪族等、特に限定無く使用できる。
なお、コード印刷部26と重なる位置で、不要弾性伸縮部材18が表示シート25の外側に残ったり、図12(c)に示すように表示シート25の外側を覆う不織布層に切断痕跡22が残ったりすると、読取率が低下するおそれがある。また、図12(b)に示すように不要弾性伸縮部材18が表示シート25の内側に残る場合であっても、コード印刷部26と重なる位置であればコード印刷部26に凹凸が形成されるため、読取率が低下するおそれがある。よって、図12(a)に示すようにコード印刷部26と重なる領域には弾性伸縮部材の切断痕跡22や、不要弾性伸縮部材18を有しないことが望ましい。
<その他>
・上記例はパンツタイプ使い捨ておむつに対する適用例であるが、テープタイプ使い捨ておむつや、パッドタイプ使い捨ておむつ、生理用ナプキン等、吸収性物品全般に適用することができる。
・図示例は全て表示シート25に絵柄を有する形態であるが、絵柄が無く、コード印刷部26のみの形態とすることもでき、その場合、表示シート25のほぼ全体がコード印刷部26となっていても良い。
・コード印刷部26分を有する表示シート25と、絵柄等を表示する表示シート25とを別々に設けることができる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・吸水速度は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
本発明は、上記例等のパンツタイプ使い捨ておむつに利用できるものである。
A1…非伸縮領域、A2…伸縮領域、L…中間領域、LO…脚開口、T…胴周り領域、U…ウエスト下方部、W…ウエスト部、WO…ウエスト開口、11…液不透過性シート、12…外装体、12A…サイドシール部、12F…前側外装体、12B…後側外装体、12H…内側シート層、12S…外側シート層、12r…ウエスト側折り返し部分、14…臀部カバー部、18…不要弾性伸縮部材、20…股間側折り返し部分、22…切断痕跡、25…表示シート、25f…折り返し部分、26…コード印刷部、27…絵柄印刷部、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…立体ギャザー、62…ギャザーシート、200…内装体、201…内外固定部、H1,H2…ホットメルト接着剤。

Claims (6)

  1. 一次元又は二次元コードが印刷されたコード印刷部を有する表示シートと、この表示シートの外側を覆う不織布層とを有し、
    前記表示シートの前記コード印刷部と重なる領域では、前記表示シートより外側の全ての層間が、前記一次元又は二次元コードのモジュールの配列方向において前記一次元又は二次元コードのモジュール寸法以上の隙間を有しない密なパターンの、透明又は半透明のホットメルト接着剤を介して接着されており、
    前記表示シートにおける前記コード印刷部と重なる領域は、前記表示シートの外側に前記不織布層及び層間のホットメルト接着剤以外を有さず、かつ伸縮性を有しない非伸縮領域であり、
    前記表示シートの外側に位置する不織布層及び層間のホットメルト接着剤を介して、前記コード印刷部の一次元又は二次元コードを光学的に読み取り可能であ
    前記表示シートの外側に位置する不織布層は、目付け8〜20g/m 2 、厚み0.1〜0.3mm、繊度1.5〜2.0dtexの一枚の不織布であり、
    前記表示シートの外側を覆う不織布層全体の厚み方向の光透過率が80%以上であり、
    前記表示シートの外側を覆う不織布層の総厚みが、前記一次元又は二次元コードのモジュールの配列方向における前記一次元又は二次元コードのモジュール寸法以下であり、
    前記表示シートの外側を覆う全ての不織布層は、地合い指数が510以下である、
    ことを特徴とする、吸収性物品。
  2. 一次元又は二次元コードが印刷されたコード印刷部を有する表示シートと、この表示シートの外側を覆う一又は複数の不織布層とを有し、
    前記表示シートの前記コード印刷部と重なる領域では、前記表示シートより外側の全ての層間が、前記一次元又は二次元コードのモジュールの配列方向において前記一次元又は二次元コードのモジュール寸法以上の隙間を有しない密なパターンの、透明又は半透明のホットメルト接着剤を介して接着されており、
    前記表示シートにおける前記コード印刷部と重なる領域は、前記表示シートの外側に前記不織布層及び層間のホットメルト接着剤以外を有さず、かつ伸縮性を有しない非伸縮領域であり、
    前記表示シートの外側に位置する不織布層及び層間のホットメルト接着剤を介して、前記コード印刷部の一次元又は二次元コードを光学的に読み取り可能であり、
    前記表示シートの内側に位置する部材を有しており、前記表示シートにおける前記コード印刷部と重なる領域は、前記表示シートの内側に隣接する部材と接合されていない、
    ことを特徴とする、吸収性物品。
  3. 一次元又は二次元コードが印刷されたコード印刷部を有する表示シートと、この表示シートの外側を覆う一又は複数の不織布層とを有し、
    前記表示シートの前記コード印刷部と重なる領域では、前記表示シートより外側の全ての層間が、前記一次元又は二次元コードのモジュールの配列方向において前記一次元又は二次元コードのモジュール寸法以上の隙間を有しない密なパターンの、透明又は半透明のホットメルト接着剤を介して接着されており、
    前記表示シートにおける前記コード印刷部と重なる領域は、前記表示シートの外側に前記不織布層及び層間のホットメルト接着剤以外を有さず、かつ伸縮性を有しない非伸縮領域であり、
    前記表示シートの外側に位置する不織布層及び層間のホットメルト接着剤を介して、前記コード印刷部の一次元又は二次元コードを光学的に読み取り可能であり、
    前記表示シートは、内側に折り返された折り返し部分を有し、かつこの折り返し部分の外側に重なる部分に前記コード印刷部が設けられている、
    ことを特徴とする、吸収性物品。
  4. 前記表示シートにおける、前記折り返し部分とその外側に重なる部分とが接合されていない、請求項記載の吸収性物品。
  5. 前記表示シートは、絵柄が印刷された絵柄印刷部を有しており、この絵柄印刷部は外面から視認可能であり、前記コード印刷部の一次元又は二次元コードは前記絵柄印刷部の絵柄と関連する情報を含むものである、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前身頃を構成する外装体及び後身頃を構成する外装体を個別又は一体的に備えており、前身頃を構成する外装体から後身頃を構成する外装体にかけて、吸収体を含む内装体が取り付けられ、
    前記前身頃を構成する外装体の両側部と前記後身頃を構成する外装体の両側部とがそれぞれ接合され、ウエスト開口及び左右一対の脚開口が形成され、
    前記前身頃を構成する外装体及び後身頃を構成する外装体の少なくとも一方は、前記吸収体を有する前後方向範囲に、幅方向中間に設けられた非伸縮領域と、この非伸縮領域の幅方向両側に設けられた伸縮領域とを有しており、
    前記伸縮領域は、内側シート層と、不織布層からなる外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に、前後方向に間隔を空けてそれぞれ幅方向に沿って取り付けられた複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有し、前記弾性伸縮部材の伸縮を伴って幅方向に弾性伸縮する領域であり、
    前記非伸縮領域は、前記伸縮領域から連続する内側シート層及び外側シート層と、これら内側シート層及び外側シート層間に残った不要弾性伸縮部材とを有し、幅方向に弾性伸縮しない領域である、
    パンツタイプ使い捨ておむつであって、
    一次元又は二次元コードが印刷されたコード印刷部を有する表示シートと、この表示シートの外側を覆う一又は複数の不織布層とを有し、
    前記表示シートの前記コード印刷部と重なる領域では、前記表示シートより外側の全ての層間が、前記一次元又は二次元コードのモジュールの配列方向において前記一次元又は二次元コードのモジュール寸法以上の隙間を有しない密なパターンの、透明又は半透明のホットメルト接着剤を介して接着されており、
    前記表示シートにおける前記コード印刷部と重なる領域は、前記表示シートの外側に前記不織布層及び層間のホットメルト接着剤以外を有さず、かつ伸縮性を有しない非伸縮領域であり、
    前記表示シートの外側に位置する不織布層及び層間のホットメルト接着剤を介して、前記コード印刷部の一次元又は二次元コードを光学的に読み取り可能であり、
    前記表示シートの少なくとも前記コード印刷部は、前記非伸縮領域における前記外側シート層より内側に設けられており
    前記外側シート層における前記コード印刷部と重なる領域には弾性伸縮部材の切断痕跡を有しない、
    ことを特徴とする、吸収性物品。
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