JP6681167B2 - 液体供給装置およびチップユニット - Google Patents
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Description
図5は、ピペット装置の一例であるピペット装置100を示す模式図であって、ピペット装置100は、シリンジポンプ部101と、ピペットノズル102とを備えている。シリンジポンプ部101は、シリンダ部106と操作部107とを有する。ピペットノズル102の先端にはピペットチップ103が取り付けられる。
ピペット装置100を用いて液体貯留容器104内の液体Lの一部を受け側容器105に供給するには、図5(A)に示すように、液体貯留容器104内の液体Lの一部を、操作部107の操作によりピペットチップ103に吸引し、図5(B)に示すように、ピペットチップ103内の液体Lを、操作部107の操作により受け側容器105に吐出する。
前記液体供給装置は、前記液体流路内の液体を前記液体吐出部に向けて送るためのポンプをさらに有する構成としてもよい。
前記液体供給装置は、前記液体貯留容器内の液体の質量を検出するための貯留液質量検出手段と、前記貯留液質量検出手段の検出値に基づいて前記液体の送量を制御するための制御部と、を備えている構成としてもよい。
前記液体供給装置は、前記液体吐出部によって吐出された液体の質量を検出するための吐出液質量検出手段と、前記吐出液質量検出手段の検出値に基づいて前記液体の送量を制御するための制御部と、を備えていること構成としてもよい。
前記液体供給装置は、前記先端チップが外挿される前記コネクタの外面には、前記先端チップの内部空間のうち前記コネクタより先端側の空間に通じる通気溝が形成され、前記先端チップには、前記通気溝の内部空間と前記先端チップの外部空間とを連通させる通気口が形成されている構成としてもよい。
前記先端チップには、前記先端チップの内部空間のうち前記コネクタより先端側の空間と先端チップの外部空間とを連通させる通気溝が形成されている構成としてもよい。
また、液体流路を通して液体の移送を行うため、作業者による操作が少なくて済むことから、液体の供給の作業を容易にするとともに、液体の供給量を正確に定めることができる。
図1は、本発明の一実施形態の液体供給装置10を示す模式図である。
図1に示すように、液体供給装置10は、液体貯留容器1と、液体流路2と、ポンプ3と、クランプ4と、液体吐出部5と、貯留液質量検出手段6と、吐出液質量検出手段7と、制御部8と、を備えている。符号9は液体吐出部5で吐出された液体Lを受ける受け側容器である。
液体貯留容器1としては、例えば、フィルムなどの軟包装材から構成されたフレキシブル容器を使用できる。液体貯留容器1を構成するフィルムの材質は特に限定されないが、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂や、これらの積層体が挙げられる。
液体貯留容器1は、フィルムを周縁部においてシールすることで作製することができる。シール方法としては、ヒートシール(熱シール)、超音波シール、高周波シール、冷却シール等が挙げられる。
液体貯留容器1は、液体Lを密封可能であることが好ましい。これによって、液体Lが外部空気と接触しなくなるため、液体貯留容器1の内部の無菌状態を維持できる。
液体貯留容器1の容量(大きさ)は特に限定されないが、例えば0.1L〜5000Lとすることができる。液体貯留容器1は、シングルユース(使い捨て)の容器であることが好ましい。なお、液体貯留容器1は、剛性容器または半剛性容器であってもよい。
液体流路2としては、例えば可撓性を有するチューブが使用できる。液体流路2の材料としては、シリコーン樹脂、熱可塑性エラストマー等の、耐薬品性、耐候性等に優れる材料が好ましい。液体流路2には、フィルター、フローモニター、流量計、バルブ、ポンプ等を設けてもよい。
ポンプ3としては、ペリスタルティックポンプ(蠕動ポンプ)、ダイアフラムポンプなどが使用できる。
ペリスタルティックポンプは、例えば、モータ等の駆動部と、前記駆動部により回転駆動するローラと、押さえ壁とを備えている。ペリスタルティックポンプは、ローラが液体流路2を押さえ壁に押圧して押し潰しつつ液体流路2に沿って走行することによって、液体流路2内の液体Lを液体吐出部5に向けて送ることができる。
ポンプ3は、制御部8からの制御信号に基づいて液体Lの送量を制御することができる。
ポンプ3を使用することにより、液体Lを移送するための作業が容易となる。
クランプ4は、押圧部により液体流路2を挟み込んで押し潰すことにより内部空間を閉止させて液体Lの流れを停止させる閉状態と、液体流路2への押圧を解除して液体Lの自由な流通を可能とする開状態とを切り替えできる。
クランプ4は、制御部8からの制御信号に基づいて液体Lの送量を制御することができる。例えば、制御部8からの制御信号に基づいて閉状態と開状態とを切り替えることによって、液体Lの供給および停止を選択できる。
クランプ4は、モータ等の駆動部により前記押圧部を動作させることができる。
液体吐出部5Aは、液体流路2に接続されたチップユニット20と、チップユニット20の少なくとも一部を包囲する保護部材13とを備えている。チップユニット20は、液体流路2の先端に接続されたコネクタ11と、コネクタ11に装着される先端チップ12とを備えている。
なお、中心軸C1はコネクタ11の中心軸であり、中心軸C2は先端チップ12の中心軸である。中心軸C1,C2に沿う方向を高さ方向ともいう。以下の説明における上および下は、図2に即している。例えば、中心軸C1,C2に沿う方向のうち筒部15の先端15bから天板部14に向かう方向は上方であり、その反対の方向は下方である。
天板部14は、例えば、中央に導入口14bを有する円板状に形成されている。
筒部15は、天板部14の周縁14a(基端15a)から先端15bに向かって徐々に縮径する断面円形の筒状とすることができる。筒部15は、中心軸C1に対して一定角度で傾斜することが好ましい。筒部15は円錐台状とするのが好ましい。
コネクタ11には、筒部15の外面15dの被装着領域15eに先端チップ12が外挿される。被装着領域15eは、外面15dのうち先端15bを含む領域であって、全周にわたる一定高さの領域とすることができる。被装着領域は筒部外面の一部領域であってもよいし、筒部外面の全領域であってもよい。
コネクタ溝部17は、筒部15の周方向に沿う周溝18と、周溝18から先端15bにかけて形成された複数の延出溝19とを有する。
周溝18は、筒部15の全周にわたって形成された環状溝であることが好ましい。
延出溝19は、先端15bに達しているため、先端チップ12がコネクタ11に装着された状態では、先端チップ12の先端部空間22に通じている。そのため、延出溝19は、周溝18の内部空間18aと先端チップ12の先端部空間22とを連通させる。
先端部空間22とは、先端チップ12の内部空間のうちコネクタ11より先端側の空間、すなわち、コネクタ11の先端(先端15b)よりも先端側(下方側)の空間である。
先端チップ12の基端12aの内径は、コネクタ11の先端15bの外径より大きい。先端チップ12の内面12dの傾斜角度(中心軸C2に対する傾斜角度)は、コネクタ11の筒部15の外面15dの傾斜角度(中心軸C1に対する傾斜角度)とほぼ等しいことが好ましい。
先端チップ12がコネクタ11に外挿された状態では、先端チップ12の内面12dがコネクタ11の筒部15の外面15d(被装着領域15e)に当接する。先端チップ12は、例えば、コネクタ11の外面15dとの間の摩擦により、コネクタ11に装着された状態を保つことができる。先端チップ12の中心軸C2はコネクタ11の中心軸C1に一致することが好ましい。
通気口21は、先端チップ12を厚さ方向に貫通して形成されている。通気口21は、少なくとも一部が周溝18と同じ高さとなるため、周溝18の内部空間18aと先端チップ12の外部空間23とを連通させることができる。
保護部材13は、コネクタ11の全体、および先端チップ12の大部分を包囲している。そのため、コネクタ11および先端チップ12を保護するとともに、液体Lへの異物の混入を防ぐことができる。
図3は、液体吐出部5の第2の例である液体吐出部5Bを示す。以下、既出の構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
液体吐出部5Bは、チップユニット30を有する。チップユニット30は、液体流路2の先端に接続されたコネクタ41と、コネクタ41に装着される先端チップ42とを備えている。
コネクタ41は、筒部15の外面15dにコネクタ溝部17がない点で図2に示すコネクタ11と異なる。
チップ溝部43は、先端チップ42の基端42aから先端42bにかけて形成されている。複数のチップ溝部43は先端チップ42の周方向に間隔をおいて形成されている。チップ溝部43は、例えば、内面42dの最大傾斜線に沿って形成することができる。
チップ溝部43の断面形状は矩形である。なお、チップ溝部43の数は特に限定されず、1または複数とすることができる。
先端チップ52は、内面52dに、チップ溝部43に代えて、断面形状がV字形である複数のチップ溝部53(通気溝)が形成されている点で、図3に示す先端チップ42と異なる。チップ溝部53は、先端チップ52の基端52aから先端52bにかけて形成されている。チップ溝部53は、例えば、内面52dの最大傾斜線に沿って形成することができる。
質量計31は、例えばロードセルであり、吊持部32に吊持された液体貯留容器1内の液体Lの質量を検出し、検出信号を出力できる。質量計31は液体貯留容器1と液体Lとを含めた質量から、予め測定した液体貯留容器1自体の質量を差し引くことによって、液体貯留容器1内の液体Lの質量を算出できる。
質量計33は、例えばロードセルであり、受け側容器9内の液体Lの質量を検出し、検出信号を出力できる。質量計33は受け側容器9と液体Lとを含めた質量から、予め測定した受け側容器9自体の質量を差し引くことによって、受け側容器9内の液体Lの質量を算出できる。
次に、液体供給装置10を用いて液体を供給する方法の第1の例について図1および図2を参照して説明する。
第1の例の液体供給方法では、貯留液質量検出手段6の検出値に基づいてポンプ3による液体Lの送量を制御する手法を採用する。
液体貯留容器1に貯留される液体Lは、特に限定されないが、例えば液体培地である。液体Lは、これに限らず、水、油、溶液、溶媒、分散液、乳液、懸濁液などであってよい。液体Lは、粉体、細胞、固体培地、ビーズ等を含んでいてもよい。
図2に示すように、液体吐出部5Aでは、液体流路2からコネクタ11を通して導入された液体Lを、先端チップ12の開口12cから外部に吐出できる。図1に示すように、先端チップ12から吐出された液体Lは受け側容器9に供給される。
よって、先端部空間22に生じた液溜りを原因とするコンタミネーションを防ぎ、液体Lの無菌状態を確実に維持できる。また、液溜りが生じないため、液体流路2への液体Lの逆流が起こらない。
貯留液質量検出手段6によって検出された液体Lの質量が予め定められた設定値に達すると、例えば、制御部8は制御信号をポンプ3に送り、ポンプ3を停止させ、受け側容器9への液体Lの供給を停止させる。これによって、受け側容器9に供給される液体Lの量は、予め定められた量となる。
次に、液体供給装置10を用いて液体を供給する方法の第2の例について図1および図2を参照して説明する。
第2の例の液体供給方法では、吐出液質量検出手段7の検出値に基づいてポンプ3による液体Lの送量を制御する手法を採用する。
吐出液質量検出手段7によって検出された液体Lの質量が予め定められた設定値に達すると、例えば、制御部8は制御信号をポンプ3に送り、ポンプ3を停止させ、受け側容器9への液体Lの供給を停止させる。これによって、受け側容器9に供給される液体Lの量は、予め定められた量となる。
また、液体流路2を通して液体Lの移送を行うため、図5に示すピペット装置100に比べて作業者による操作が少なくて済むことから、液体Lの供給の作業が容易になる。さらに、液体Lの供給量を正確に定めることができる。
先端チップ12はコネクタ11に対して着脱自在であるため、無菌状態の新しい先端チップ12を使用済みの先端チップ12と適宜交換することで、液体Lの無菌状態を維持しやすくなる。
図1等に示す液体供給装置10では、ポンプ3を備えているが、他の構成により液体貯留容器1から液体吐出部5への液体Lの移送が可能である場合、例えば、重力により液体貯留容器1内の液体Lを液体吐出部5に導くことができる場合には、液体供給装置は、ポンプがない構成も可能である。
その場合、制御部による液体の送量の制御は、クランプの操作により行うことができる。例えば、図1において、貯留液質量検出手段6または吐出液質量検出手段7によって検出された液体Lの質量が予め定められた設定値に達したときに、制御部8が制御信号をクランプ4に送り、駆動部により液体流路2を開状態から閉状態に切り替えすることができる。これによって、受け側容器9への液体Lの供給を停止させることができ、受け側容器9に供給される液体Lの量は、予め定められた量となる。
Claims (7)
- 液体を貯留するための液体貯留容器と、
前記液体貯留容器内の液体を導くための液体流路と、
前記液体流路内の液体を吐出するための液体吐出部と、を備え、
前記液体吐出部は、前記液体流路に接続されたチップユニットを有し、
前記チップユニットは、前記液体流路に接続されたコネクタと、前記コネクタに着脱自在に外挿されて前記液体を吐出するための先端チップとを有し、
前記先端チップが外挿される前記コネクタの外面には、前記先端チップの内部空間のうち前記コネクタより先端側の空間に通じる通気溝が形成され、
前記先端チップには、前記通気溝の内部空間と前記先端チップの外部空間とを連通させる通気口が形成されている、液体供給装置。 - 液体を貯留するための液体貯留容器と、
前記液体貯留容器内の液体を導くための液体流路と、
前記液体流路内の液体を吐出するための液体吐出部と、を備え、
前記液体吐出部は、前記液体流路に接続されたチップユニットを有し、
前記チップユニットは、前記液体流路に接続されたコネクタと、前記コネクタに着脱自在に外挿されて前記液体を吐出するための先端チップとを有し、
前記先端チップには、前記先端チップの内部空間のうち前記コネクタより先端側の空間と先端チップの外部空間とを連通させる通気溝が形成されている、液体供給装置。 - 前記液体流路内の液体を前記液体吐出部に向けて送るためのポンプをさらに有することを特徴とする、請求項1または2に記載の液体供給装置。
- 前記液体貯留容器内の前記液体の質量を検出するための貯留液質量検出手段と、
前記貯留液質量検出手段の検出値に基づいて前記液体の送量を制御するための制御部と、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の液体供給装置。 - 前記液体吐出部によって吐出された液体の質量を検出するための吐出液質量検出手段と、
前記吐出液質量検出手段の検出値に基づいて前記液体の送量を制御するための制御部と、を備えていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の液体供給装置。 - 液体を導出する導出口を有する液体貯留容器と、前記導出口に接続されて前記液体貯留容器内の液体を導くための液体流路と、前記液体流路内の液体を吐出するための液体吐出部と、を備えた液体供給装置の前記液体吐出部に用いられ、
前記液体流路に接続されたコネクタと、前記コネクタに着脱自在に外挿されて前記液体を吐出するための先端チップとを有し、
前記先端チップが外挿される前記コネクタの外面には、前記先端チップの内部空間のうち前記コネクタより先端側の空間に通じる通気溝が形成され、
前記先端チップには、前記通気溝の内部空間と前記先端チップの外部空間とを連通させる通気口が形成されている、チップユニット。 - 液体を導出する導出口を有する液体貯留容器と、前記導出口に接続されて前記液体貯留容器内の液体を導くための液体流路と、前記液体流路内の液体を吐出するための液体吐出部と、を備えた液体供給装置の前記液体吐出部に用いられ、
前記液体流路に接続されたコネクタと、前記コネクタに着脱自在に外挿されて前記液体を吐出するための先端チップとを有し、
前記先端チップには、前記先端チップの内部空間のうち前記コネクタより先端側の空間と先端チップの外部空間とを連通させる通気溝が形成されている、チップユニット。
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