JP6681159B2 - 水硬性固化材液置換コラムの築造方法及び施工機 - Google Patents
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しかしながら、小型施工機による無排土の施工原理から、つまり施工機の自重が小さくかつ押し込み力も小さいことから、水硬性固化材液置換コラムの築造径は現実的には200mm程度以下の小径に限定されており、築造径を大きくすることは困難であった。さらに言えば、たとい大径化を実現したとしても、置換工法の属性として大径化することにより、使用する水硬性固化材液の量は幾何級数的に増加するのに対して、周面摩擦力が主である水硬性固化材液置換コラムの押し込み支持力は算術級数的にしか増加しないため、コストパフォーマンスが低下するという問題があった。ということで、水硬性固化材液置換コラム1本当りの押し込み支持力を大きくして、コストパフォーマンスを大きくすることは制約が多く、実現が困難であった。
また、掘削ロッド2(掘削装置1)とともに引上げられた土砂が発生残土となり、二次公害のみならず、残土処分のため新たなコストを発生させてしまう。
例えば、図5(a)は、3枚の突出部を有する円筒体の横断面形状と略相似形の開口を示しているが、これは同図(b)に示すような3枚の突出部を有する円筒体が通過可能なその変形形状(略三角形状)の開口も含む意味であり、また、図6(a)は、4枚の突出部を有する円筒体の横断面形状と略相似形の開口を示しているが、これは同図(b)に示すような4枚の突出部を有する円筒体が通過可能なその変形形状(多角形状)の開口も含む意味である。
この構成により、掘削ロッドを地上に引き上げる際、加圧盤の開口と掘削ロッドに遊嵌させた突出部を有する円筒体との位相が、掘進開始時と掘削ロッドの地上への引き上げ時にずれていても、加圧盤を回動させることで両者の位相を一致させることができ、これにより突出部を有する円筒体を遊嵌させた掘削ロッドが加圧盤の開口を通過可能となり、地上に引き上げることができる。
(1)加圧盤を介して水硬性固化材液置換コラム打設位置近傍地表面に上載圧を加えることにより、掘削ヘッドが地表から地中に貫入する際に発生する発生残土の量を減少させることができる。
(2)また、水硬性固化材液置換コラム側面に突条部を形成するために側面に突出部を有する円筒体を掘削ロッド下方部に遊嵌装着した掘削装置を用いて、側面に突条部が形成された水硬性固化材液置換コラムを築造するときに、該掘削装置を地上に引上げる際、該掘削装置とともに地表部土砂が持ち上がり、孔口付近の孔壁が崩壊して出来形不良になり、かつ崩壊土砂が施工後の水硬性固化材液中に落下して品質不良になることを防ぐことができる。
(3)また、使用されている施工機に簡易な施工冶具を装着し、該施工機を操作することにより、施工機を反力にして、容易に水硬性固化材液置換コラム打設位置近傍地表面に上載圧を加えることが出来る。
(4)加圧盤を持つ加圧盤支持部材に掘削ロッドを挿通させてリーダーの振れ止め手段に取り付けることにより、加圧盤支持部材に加圧盤による地盤表面の加圧機能と掘削ロッドの振れ止め機能を同時に果たさせることができる。
この実施の形態に係る水硬性固化材液置換コラムの築造方法では、図2に示すような水硬性固化材液の流路6を有する排土機構のない掘削ロッド2の下端部に、下方に向かって径小となる円錐状で側面にスパイラル状の掘削刃(スパイラル翼)5を固設し、かつ水硬性固化材液の吐出口4を設けた掘削ヘッド3を接続した掘削装置1Aを用い、また、中央に開口12Aが設けられた加圧盤11Aを用いる。加圧盤11Aは鋼板、木板、樹脂板などの重力や圧力に耐える強靱な材質で形成され、外形は特に特定されるものではなく、本例では円形の場合を示している。開口12Aは、掘削ヘッド3と掘削ロッド2が通過可能なように、掘削ロッド2の断面と略相似形で、かつ所定のクリアランスがあるような円形の開口となっている。施工誤差を考慮すると、開口12Aの内径は掘削ロッド2外径よりも少なくとも10mm程度大きくするとよい。あまり大きくすると地盤への押え効果が少なくなり、掘削ヘッド3貫入時の排土の押さえ効果が小さくなるので好ましくない。開口12Aの内径は掘削ロッド2外径よりも大きくとも150mm程度大きくするに止めた方がよい。また、加圧盤11Aは施工機を反力Pにして下方に加圧され、その荷重を地盤に伝えるためにはある程度の剛性を有する必要がある。図2のように一枚の鋼製盤ならば、一般的な工事現場で使用されている敷き鉄板と同等の22〜25mm程度の厚さとするとよい。盤厚をそれ以上小さくするならば、図示しないが、補強リブなどを設けて加圧盤の剛性を確保する必要がある。また、図2中の矢印Pは施工機を反力にして加圧盤11Aに加えている下方向きの荷重を示している。加圧盤11Aの重心位置に載荷するのが最も合理的であるが、その位置は掘削ロッド2が貫通する開口12Aとなっているので、図2に示すように重心位置を中心にした対称位置の二か所に載荷することが合理的である。
(b)施工機のリーダーに上下方向に摺動可能に装着されたオーガモータにより掘削装置1Aの掘削ロッド2に回転力と下方への給進力を与えて、掘進を開始する。このとき、掘削ヘッド3の地中への貫入に伴って地表に排出されようとする掘削土砂は加圧盤11Aに押えられているため、地表には掘削土砂の排出は僅かしか起こらない。
(c)掘削ロッド2を回転させながら掘進する。このとき、掘削ヘッド3に設けられた吐出口4からの水硬性固化材液の吐出は必須ではない。
(d)掘削ロッド2が所定深度に達したら、掘削ロッド2の給進を止め、掘削ロッド2下方部あるいは掘削ヘッド3に設けられた吐出口4から水硬性固化材液の吐出をしながら、掘削ロッド2を地上方向へ引き上げる。このとき、掘削ロッド2の回転は必須ではないが、回転させた方が引上げがスムースに行くので好ましい。また、掘削ロッド2の回転方向は、本実施の形態のようにスパイラル翼5を有する掘削ヘッド3を使用する場合は該スパイラル翼5に付着している掘削土砂の落下を防ぐために掘進時と同じ正回転方向が好ましい。
(e)水硬性固化材液を吐出しながら掘削ロッド2を引き上げる。このとき、掘削ロッド2の引き上げに伴って負圧が発生することのないように水硬性固化材液の吐出量を調節する。
(f)掘削ロッド2を地上に引き上げ、水硬性固化材液の液面レベルを所定深度位置になるように調整して、施工を終了する。
この実施の形態に係る水硬性固化材液置換コラムの築造方法では、図4に示すような水硬性固化材液の流路6を有する排土機構のない掘削ロッド2の下端部に、下方に向かって径小となる円錐状で側面にスパイラル状の掘削刃(スパイラル翼)5を固設し、かつ水硬性固化材液の吐出口4を設けた掘削ヘッド3を備え、さらに掘削ロッド2の下方部に、側面に回転径が掘削ロッド2の径より大きな突出部8を少なくとも2個(本例では3個)有する円筒体7を回転可能に遊嵌させた掘削装置1Bを用い、また、中央に開口12Bが設けられた加圧盤11Bを用いる。加圧盤11Bは鋼板、木板、樹脂板などの重力や圧力に耐える強靱な材質で形成され、外形は特に特定されるものではなく、方形や円形を例示できる。図4では、円形の場合を示している。開口12Bは、図4に示すように掘削ヘッド3、掘削ロッド2及び突出部8を有する円筒体7が通過可能なように、掘削ロッド2と突出部8を有する円筒体7の横断面形状と略相似形で、かつ所定のクリアランスがあるような開口となっている、本例では突出部8は3枚で、120度の等間隔で円筒体7に固設しており、加圧盤11Bの開口12Bは、その突出部8を含む円筒体7及び掘削ロッド2が貫通できるように、掘削ロッド2及び突出部8を有する円筒体7の横断面形状と略相似形としており、かつクリアランスを設けている。突出部8のクリアランスは施工誤差を考慮して決めればよく、この例では突出部8の板厚を25mmとすれば、クリアランスは片側10〜15mm程度としている。また、掘削ロッド2に遊嵌されている円筒体7は掘削ロッド2引上げ時に地中で回転して位相が異なる場合があり、加圧盤11Bの開口12Bのクリアランス内では収まりきれないときは、加圧盤11Bに係止されることになる。そのときは、地上で該加圧盤11Bを円筒体7の突出部8に合わせてセットしなおす必要がある。他は前記図2の説明と同様である。
例えば、図5(a)は、3枚の突出部8を有する円筒体7の横断面形状と略相似形の開口12Bを示しているが、これは同図(b)に示すような3枚の突出部8を有する円筒体7が通過可能なその変形形状(略三角形状)の開口12Bも含む意味であり、図6(a)は、4枚の突出部8を有する円筒体7の横断面形状と略相似形の開口12Cを示しているが、これは同図(b)に示すような4枚の突出部8を有する円筒体7が通過可能なその変形形状(多角形状)の開口12Cも含む意味である。
(b)施工機のリーダーに上下方向に摺動可能に装着されたオーガモータにより掘削ロッド2に回転力と下方への給進力を与えて、掘進を開始する。このとき、掘削ヘッド3の地中への貫入に伴って地表に排出されようとする掘削土砂は加圧盤11Bに押えられているため、地表には掘削土砂の排出は僅かしか起こらない。
(c)掘削ロッド2を回転させながら掘進する。突出部8を有する円筒体7は掘削ロッド2の掘進に伴って地中へ貫入するが、掘削ロッド2に対して回転自在に遊嵌されているため、地盤の抵抗により回転せずに強制的に地中へ貫入する。したがって、掘削ロッド2径よりも外方の孔内周面に複数の凹条の軌跡が空洞として残る。このとき、掘削ヘッド3に設けられた吐出口4からの水硬性固化材液の吐出は必須ではない。
(d)掘削ロッド2が所定深度に達したら、掘削ロッド2の給進を止め、掘削ヘッド3に設けられた吐出口4から水硬性固化材液の吐出をしながら、掘削ロッド2を地上方向へ引き上げる。このとき、掘削ロッド2の回転は必須ではないが、回転させた方が引上げがスムースに行くので好ましい。また、掘削ロッド2の回転方向は、本実施の形態のようにスパイラル翼5を有する掘削ヘッド3を使用する場合は該スパイラル翼5に付着している掘削土砂の落下を防ぐために掘進時と同じ正回転方向が好ましい。
(e)水硬性固化材液を吐出しながら掘削ロッド2を引き上げる。このとき、突出部8を有する円筒体7は回転せずに引き上げられるため、その軌跡にも水硬性固化材液が填充される。掘進時と引上げ時の突出部8で形成される凹条の軌跡が同一ならば突出部8の数と同じだけの軌跡ができるし、掘進時と引上げ時の突出部8で形成される凹条の軌跡が異なれば、それぞれの軌跡に水硬性固化材液が填充され、最大で突出部8の数の2倍の軌跡ができる。また、突出部8を有する円筒体7が、掘進時や引上げ時に掘削ロッド2の回転により、同期しないまでも多少の回転をする場合もあるので、そのときの突出部8で形成される凹条の軌跡に填充された水硬性固化材液が固化してできる出来形はその回転に見合ったものとなる。また掘削ロッド2を引き上げるとき、掘削ロッド2の引き上げに伴って負圧が発生することのないように水硬性固化材液の吐出量を調節する。また、掘削ロッド2を回転させながら引き上げる場合は掘削ヘッド3のスパイラル翼5に付着した掘削土砂の落下を防ぐために正回転とする方が好ましい。
(f)掘削ロッド2を正回転させながら引き上げ、突出部8を固設した円筒体7が地表付近に到達すると、該円筒体7に対する地盤の付着力が地盤の上載圧より大きくなる付近から孔口付近の地盤が該突出部8を有する円筒体7とともに上方へ持ちあがろうとするが、地表が加圧盤11Bにより押さえられているため地盤の付着力が切れて、該突出部8を有する円筒体7は孔口付近の土砂付着がほとんどない状態で地上に引き上げられる。掘削ロッド2を地上に引き上げ、水硬性固化材液の液面レベルを所定深度位置になるように調整して、施工を終了する。掘削ロッド2を地上に引き上げると、該突出部8を有する円筒体7には土砂が付着していないので、孔口付近の地盤は乱されておらず、孔壁崩壊もない。その後、水硬性固化材液面のレベル調整をして施工を終了する。
図7は、加圧盤のそれぞれ異なる実施の形態を示す平面図(a)(b)である。(a)は、図2に示す加圧盤11Aを二つ割りした加圧盤11Cであり、中心線で対称形に二分割11C(a)と11C(b)されており、それぞれの加圧盤11C(a)と11C(b)は、連結具14により一体的に連結可能となっている。本例の連結具14はフック留め形式のものを示しているが、この連結具はボルト、ナットや他の従来公知の連結具を用いることができる。要は作業性がよく、ある程度の連結強度を発揮するものであればその構成は問わない。分割された加圧盤11C(a)、11C(b)が連結された加圧盤11Cの中心には、図2と同様に掘削ロッド2が通過可能な開口12Aが形成されている。また、本例では、分割されたそれぞれの加圧盤11C(a)、11C(b)の上面には、後述するように施工機と連結するための継手部13が設けられている。また、それぞれに4個の補強リブ15が設けられ加圧盤11Cの剛性を高めている。
側面に縦方向の突条部を有する置換コラムの施工(図4に示すような掘削ロッド2の下方部に、側面に掘削ロッド2の径より大径の突出部8を有する円筒体7を回転自在に遊嵌させた掘削装置1Bを用いての水硬性固化材液置換コラムの施工)では、掘削ロッド2の回転掘進、回転引上げ時に該掘削ロッド2に遊嵌された突出部8を有する円筒体7が回転して、掘進開始時と施工終了直前の位相が異なる場合がある。このような場合、掘進開始時の加圧盤11B、11Dの略相似形の開口12Bの位相と掘削ロッド3の突出部8を有する円筒体7の位相を合わせて施工を開始しても、加圧盤11B、11Dの位相を変えることができなければ、孔口周辺の地盤を加圧した状態で掘削ロッド2を地上に引き上げることができない。つまり、本発明の目的を達成することができない。図8(a)(b)及び図9(a)(b)は、この課題を解決する加圧盤の実施の形態を示すものであり、加圧盤が回動可能となっている点に特徴がある。
即ち、この実施の形態の加圧盤11Eによれば、加圧盤11Eのスライド摘み又は補強リブ15に水平方向の回転力を与えて、半割りフレーム17a、17bで形成する環状のフレーム17内で加圧盤11Eを回転することができる。従って、突出部8を有する円筒体7の位相が施工開始時とずれたとしても、加圧盤11Eを回動して加圧盤11Eの開口12Bの位相を該突出部8を有する円筒体7の位相に合わせることより引き上げが可能となり、孔口付近の土砂崩壊や突出部8を有する円筒体7への土砂付着を防止することができる。また、スリット18を貫通しているスライド摘み19は、フレーム17を分解してそれぞれ半割り状態にしたとき、加圧盤11Eのフレーム17からの落下を防ぐことができる。
本例の加圧盤11Fは、側面に突出部8を4個有する円筒体7を備える掘削ロッド2を使用して施工する場合であり、加圧盤11Fには、側面に突出部8を4個有する円筒体7を備える掘削ロッド2が通過可能な開口12Cが設けられている。即ち、側面に4個の突出部8を有する円筒体7の横断面形状と略相似形の開口12Cが設けられている。また、加圧盤11Fの上面には、剛性を高めるため補強リブ15が設けられている。この補強リブ15は、加圧盤11Fを回動(摺動)させる摘みとしても使用する。
両者の位相が明らかに異なり、突出部8を有する円筒体7が加圧盤11Eの開口12Bを通過することが困難であると判断される場合は、加圧盤11Eを回動させることにより両者の位相を一致させる。このとき、加圧盤11Eに作用している地盤反力のために回転ができない場合は、一時的に掘削ロッド2の引き上げを停止し、上下可動なリーダー31を上方に若干量だけ引き上げて、該加圧盤11Eに作用している地盤反力を開放した状態にして、両者の位相を略一致させてから、再度上下可動なリーダー31を下方に移動させて、加圧盤11Eを地表に設置・加圧してから掘削ロッド2を地上に引き上げて施工を終了する。
これにより水硬性固化材液置換コラムの施工をする場合には、加圧盤11Eを施工機で移動させることにより加圧盤11Eの開口12Bの中心位置を杭心位置と平面視で略一致させて、フロントジャッキ40のシリンダー41を下方に延伸させることにより、加圧盤11Eが地表に設置されて、さらに加圧される。従って、アーム42は、水平方向には回動可能であるが、鉛直方向には回転できない構造でなければならない。この状態で、作業員の操作により、掘削ロッド2に遊嵌された3個の突出部8を有する円筒体7が、加圧盤11Eの開口12Bの位相に合わせて施工を開始する。施工開始時に加圧盤を下方(地面)に押圧した状態にした方が好ましいが、掘削ヘッド地盤貫入時の排土量が少ない場合には、加圧盤押圧は必須ではない。1本の水硬性固化材液置換コラムの施工が終了する間際には、掘削ロッド2が引き上げられて突出部8を有する円筒体7が地表に近づき、作業員が目視で突出部8を有する円筒体7の位相と加圧盤11Eの開口12Bの位相が略一致していることを確認して、掘削ロッド2を地上へ引き上げて施工が終了する。
両者の位相が明らかに異なり、突出部8を有する円筒体7が加圧盤11Eの開口12Bを通過することが困難であると判断される場合は、加圧盤11Eを回動させることにより両者の位相を一致させる。この時、加圧盤11Eに作用している地盤反力のため回動ができない場合は、一時的に掘削ロッド2の引き上げを停止し、フロントジャッキ40のシリンダー41を上方に若干量だけ縮小させて、加圧盤11Eに作用している地盤反力を開放した状態にして回動し、両者の位相を略一致させてから、再度フロントジャッキシリンダー41を下方に延伸させて、加圧盤11Eを地表に設置・加圧してから掘削ロッド2を地表に引き上げて施工を終了する。
なお、振れ止め手段は、この実施の形態に制限されるものではなく、従来公知のものは全て採用可能である。
図17は振れ止め手段51に装着される加圧盤支持部材61Aの一例を示す斜視図、図18はその分解斜視図である。この加圧盤支持部材61Aは、上部に振れ止め手段51の一対のアーム56A、56Bに抱持されて取り付けられる取り付け部62を備え、下端に加圧盤63を備え、取り付け部62と加圧盤63が連結部材65で連結されて構成されている。取り付け部62は、円筒部62aの上部と下部に上部フランジ62b、下端フランジ62cを有する形態をなし、この上部および下部フランジ62b、62c間の円筒部62aが、図14及び図15に示すように振れ止め手段51の一対のアーム56A、56Bに抱持されて振れ止め手段51に取り付けられる。この取り付け部62は、掘削ロッド2の径より大きな内径の通孔62dを有する。加圧盤63は、中心部に開口64を持つ。この開口64は、前記図2や図4に示したと同様な開口である。即ち、図2に示すような掘削ロッド2の外径より大きく、掘削ロッド2が通過可能な円形孔、または掘削ロッド2の下方に突出部8を有する円筒体7が回転自由に遊嵌されている場合は、図4に示すような掘削ロッド2と突出部8を有する円筒体7の横断面形状と略相似形で、かつ所定のクリアランスがある開口である。前記取り付け部62の下部フランジ62cと加圧盤63との間は連結部材65で連結固定されている。取り付け部62と加圧盤63は、取り付け部62の通孔62dと加圧盤63の開口64が、同心的に連結される。この実施の形態では、連結部材65は、棒状部材(板状部材)であり、取り付け部62の通孔62dと加圧盤63の開口64を結ぶ軸心を中心に複数が所定間隔で平面視円状乃至多角形状に配置されている。
この連結部材65が平面視円状乃至多角形状に配置されている内径は、図2に示すような掘削装置1A(掘削ロッド2)を使用しての施工の場合は、掘削ロッド2の径より大きく掘削ロッド2が通過可能な内径であり、加圧盤63の開口64も掘削ロッド2の径より大きく掘削ロッド2が通過可能な円形孔である。また、図4に示すような掘削装置1B(掘削ロッド2)を使用しての施工の場合の連結部材65が平面視円状乃至多角形状に配置されている内径は、突出部8を有する円筒体7の回転径より大きいか、または、掘削ロッド2の径より大きく突出部8を有する円筒体7の回転径より小さい。この後者の場合には、円筒体7の突出部8は連結部材65と隣接する連結部材65の間に位置させるようにし、開口64もこれに合わせて設けられ突出部8を有する円筒体7が通過可能となっている。即ち、加圧盤63の開口64は、掘削ロッド2及び突出部8を有する円筒体7が通過可能なように、掘削ロッド2と突出部8を有する円筒体7の横断面形状と略相似形で、かつ所定のクリアランスがある開口である。具体的には、連結部材65が平面視円状乃至多角形状に配置された中心軸を中心とする円形孔を持ち、この円形孔には円筒体7の突出部8が通過可能な所定幅、長さの溝孔64aが等間隔に連設されているから、この溝孔64aを、複数が平面視円状乃至多角形状に配置された連結部材65と隣接する連結部材65の間に位置するように設ける。これにより連結部材65の複数が平面視円状乃至多角形状に配置された内径が、突出部8を有する円筒体7の回転径より小さくでも通過可能となる。
そして、このように形成された加圧盤支持部材61Aは、図18に示すように半割り61a、61bされている。これにより図17に示すように掘削ロッド2の外周面に、半割りの加圧盤支持部材61a、61bを対向して合わせることによって、掘削ロッド2が加圧盤支持部材61Aを挿通するようになる。
まず、施工機30には、図10に示すように上部がオーガモータ33に連結された掘削ロッド2が、リーダー31に沿って垂下され、リーダー31の下方に設けられた振れ止め手段51の一対のアーム56A、56Bに抱持されている。前記加圧盤支持部材61Aは、この一対のアーム56A、56Bを開放状態(図16に示す状態)とし、この開放状態の振れ止め手段51に位置する部分の掘削ロッド2外周面に、図18に示すように半割りの加圧盤支持部材61a、61bを対向して合わせた後、一対のアーム56A、56Bを閉じて加圧盤支持部材61Aの取り付け部62の円筒部62aを抱持して振れ止め手段51に取り付ける。これにより加圧盤支持部材61Aは、掘削ロッド2を挿通し、上下方向への移動(昇降)が規制されて振れ止め手段51に取り付けられる。図14及び図15は、この状態を示している。
そこで、施工機30を移動させ掘削ロッド2の掘削ヘッド3の先端中心部が杭心位置になるようにセットしリーダー31を下動させると、加圧盤支持部材61Aの下端の加圧盤63は、地表に設置され、さらに加圧されて、水硬性固化材液置換コラム打設位置近傍の地表部に施工機30を反力として上載圧を加える。掘削ロッド2または掘削ロッド2と突出部8を有する円筒体7は、加圧盤支持部材61A及び加圧盤63の開口64を挿通可能となっているので、該掘削ロッド2で地盤中に水硬性固化材液置換コラムを築造することができる。この時、施工機30を反力として加圧盤支持部材61Aを介し加圧盤63が地表に加圧されて上載圧が加えられているため、掘削ヘッド3が地中に貫入する際に地表部に盛り上がろうとする土砂は、該加圧盤に押さえられて側方に移動するので地上に盛り上がり排出される掘削土砂は、ほとんどなくなるのみならず、施工終了時直前の掘削ロッド2の地上への引き上げ時に、突出部8を有する円筒体7がその付着力のために地上部付近の土砂も共に地上に持ち上げてしまい、孔口付近の地盤が崩壊して水硬性固化材液置換コラムの出来形を確保できないことや、崩壊したり持ち上げた土砂の一部が落下して、築造したばかりの水硬性固化材液置換コラムの水硬性固化材液中に混入して品質不良を起こすことを防止することができる。
なお、この実施の形態の加圧盤支持部材61Aは、複数の互いに隣接する連結部材65と連結部材65との間に所定の間隔が存在するため内部が目視可能であり、加圧盤63の開口64と突出部8を有する円筒体7の位相を合わせるのが容易となるので好ましい。
従って、この実施の形態の加圧盤支持部材61Bは、上部の取り付け部(リング切欠)67と下端の加圧盤68が連結部材65としての円筒部材66で連結された構成となっている。そして、円筒部材66の内径は掘削ロッド2の外径より大きく、加圧盤68の開口69の形状も掘削ロッド2が通過可能な円形状であるので、例えば、図2に示すような水硬性固化材液の流路6を有する排土機構のない掘削ロッド2の下端部に、下方に向かって径小となる円錐状で側面にスパイラル状の掘削刃(スパイラル翼)5を固設し、かつ水硬性固化材液の吐出口4を設けた掘削ヘッド3を接続した掘削装置1Aを用い施工する場合に使用する。
この実施形態の連結部材65としての円筒部材66は、二つ割りの縦長の半円筒部材66a、66bを水平方向に重ね合わせたものからなり、上部外周に、振れ止め手段51の一対のアーム56A、56Bが抱持する所定幅の取り付け部(リング切欠)67を有し、下端に開口71を有する加圧盤68が取り付けられている。本例の円筒部材66の内径および加圧盤68の開口71は、図4に示すような水硬性固化材液の流路6を有する排土機構のない掘削ロッド2の下端部に、下方に向かって径小となる円錐状で側面にスパイラル状の掘削刃(スパイラル翼)5を固設し、かつ水硬性固化材液の吐出口4を設けた掘削ヘッド3を備え、さらに掘削ロッド2の下方部に、側面に回転径が掘削ロッド2の径より大きな突出部8を少なくとも2個(図4では3個)有する円筒体7を回転可能に遊嵌させた掘削装置1Bが通過可能となっている。即ち、円筒部材66の内径は、掘削ロッド2に遊嵌された突出部8を有する円筒体7の回転径より大きく、加圧盤68の開口71は、図4に示すような掘削ヘッド3、掘削ロッド2及び突出部8を有する円筒体7が通過可能なように、掘削ロッド2と突出部8を有する円筒体7の横断面形状と略相似形で、かつ所定のクリアランスがあるような開口となっている。円筒体7の有する突出部8の数は、種々であるので、その数に見合った開口とする。例えば、図4のように突出部8は3枚で、120度の等間隔で円筒体7に固設されているのであれば、加圧盤68の開口71は、その突出部8を含む円筒体7および掘削ロッド2が通過できるように、掘削ロッド2及び突出部8を有する円筒体7の横断面形状と略相似形で、かつクリアランスを設けた開口となる。本例での加圧盤68の開口71は、円筒部材66の中心軸を中心とする円形孔を持ち、この円形孔には円筒体7の3個の突出部8が通過可能な所定幅、長さの溝孔71aが等間隔(120度おき)に設けられている。このように各溝孔71a端部径を円筒部材66の内径と略等しくすることで(円筒部材66の内径を突出部8を有する円筒体7の回転径より大径とすることで)、掘削ロッド2及び円筒体7の突出部8を円筒部材66の内外に挿通可能とすることができる。
この実施の形態の加圧盤支持部材61Eも、図21に示す実施の形態の加圧盤支持部材61Dと同様に水硬性固化材液置換コラム打設位置近傍地表部に上載圧を与えることができ、同様の作用、効果を奏すると共に、窓70が設けられているので内部が透視可能となり、施工時の掘削ロッド2に設けた円筒体7の突出部8と加圧盤68の開口71の位相を容易に合わせることができる利点がある。
また、連結部材65としての円筒部材66の内径は、全長にわたって掘削ロッドの径より大きいが突出部8を有する円筒体7の回転径より小さいので、この円筒部材66の取り付け部(リング切欠)67下部の所定位置から加圧盤68の開口72にかけて前記溝孔72aに連続し、かつ4個の突出部8が通過可能な縦溝(スリット)73が、半円筒部材66a、66bの胴部に形成されている。なお、4個の縦溝73のうち対向する2個の縦溝73は、半円筒部材66a、66bが互いに接する部位(2つ割りの部位)に形成されている。これにより円筒部材66の内径が突出部8を有する円筒体7の回転径より小さくても、円筒体7の各突出部8は、円筒部材66の各縦溝(スリット)73に対応して挿通するので、突出部8を有する円筒体7を下方に遊嵌させた掘削ロッド2であっても、円筒部材66に挿通して移動(昇降)が可能となる。この掘削ロッド2の上方向の移動では、縦溝(スリット)73の上端で円筒体7の突出部8が規制されるので、この掘削ロッド2の移動は、円筒部材66の縦溝(スリット)73の上限を限度としてそれより下方となる。
そこで、施工機30を移動させ掘削ロッド2の掘削ヘッド3の先端中心部が杭心位置になるようにセットしリーダー31を下動させると、加圧盤支持部材61Fの下端の加圧盤68は、地表に設置され、さらに加圧されて、水硬性固化材液置換コラム打設位置近傍の地表部に施工機30を反力として上載圧を加える。掘削ロッド2は、円筒部材66の縦溝(スリット)73の上端から下方及び加圧盤68の開口72を挿通可能となっているので、該掘削ロッド2で前記図3に示したように水硬性固化材液置換コラムを築造することができる。この時、水硬性固化材液置換コラム打設位置近傍には施工機30を反力として加圧盤支持部材61Fを介し加圧盤68が地表に加圧されて上載圧が加えられているため、掘削ヘッド3が地中に貫入する際に発生していた掘削土砂の発生量を低減できるのみならず、施工終了直前の掘削ロッド2の地上への引き上げ時に、突出部8を有する円筒体7がその付着力のために地上部付近の土砂をも共に地上に持ち上げてしまい、孔口付近の地盤が崩壊して水硬性固化材液置換コラムの出来形を確保できないことや、崩壊したり持ち上げた土砂の一部が落下して、築造したばかりの水硬性固化材液置換コラムの水硬性固化材液中に落下して品質不良になることを防止できる。さらに、掘削ロッド2を地上に引き上げる際に、掘削ロッド2に設けた突出部8を有する円筒体7に付着して土砂を地表に残土として発生させることもない。
この実施の形態の加圧盤支持部材61Gも、図23に示す実施の形態の加圧盤支持部材61Fと同様に水硬性固化材液置換コラム打設位置近傍地表部に上載圧を与えることができ同様な作用、効果を奏するとともに、窓70が設けられているので内部が透視可能となり、施工時の掘削ロッド2に設けた円筒体7の突出部8と加圧盤68の開口72の位相を容易に合わせられる利点がある。
さらに、掘削装置を地上に引き上げる際に、掘削ロッドに設けた突出部を有する円筒体に付着して土砂を地表に残土として発生させることもない。
2 掘削ロッド
3 掘削ヘッド
4 吐出口
5 スパイラル状の掘削刃(スパイラル翼)
6 水硬性固化材液の流路
7 円筒体
8 突出部
11A、11B、11C、11D、11E、11F、63、68 加圧盤
11C(a)、11C(b) 分割した加圧盤
12A、12B、12C、64、69、71、72 開口
13 継手部
14 連結具
15 補強リブ
16 補強板
17 環状のフレーム
17a、17b 半割りフレーム
18 スリット
19 摘み
20 環状フレーム
20a 上部環状フレーム
20b 下部環状フレーム
21 連結手段
30 施工機
31 リーダー
35 接続フランジ
36 連結棒
37 アーム
37a 第1アーム
37b 第2アーム
40 フロントジャッキ
41 フロントジャッキのシリンダー
42 アーム
51 振れ止め手段
56、56A、56B アーム
56a、56b アーム板
60A、60B 挟持板
61A、61B、61C、61D、61E、61F、61G 加圧盤支持部材
61a、61b 半割りの加圧盤支持部材
62、67 取り付け部
62a 円筒部
62b 上部フランジ
62c 下部フランジ
62d 通孔
63、68 加圧盤
64、69、71、72 開口
65 連結部材
66 円筒部材
66a、66b 半円筒部材
70 窓
71a、72a 溝孔
73 縦溝(スリット)
Claims (5)
- 水硬性固化材液に流路を有する掘削ロッドの下端部に掘削ヘッドを備え、該掘削ロッドの下方部に、側面に回転径が掘削ロッド径より大きな突出部を少なくとも2個有する円筒体を回転可能に遊嵌させた掘削装置の先端中心部を杭心位置にセットし、該掘削装置が貫通可能な開口を有する加圧盤を杭打設位置に略合わせ、該掘削装置を加圧盤の開口を貫通して地盤中に回転させながら掘進し、掘削ヘッドが所定深度に達した後、掘削ロッド又は掘削ヘッドに設けた吐出口より水硬性固化材液を吐出しつつ、該掘削装置を回転して又は無回転で引き上げ、少なくとも円筒体の突出部が地上に出る直前には、施工機を反力にして該加圧盤を地盤に加圧した状態にして、最終的に該加圧盤を通過して地上まで引き上げることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 前記加圧盤の開口形状が、突出部を有する円筒体の横断面形状と略相似形であることを特徴とする請求項1記載の水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 前記加圧盤は、その外周が環状のフレームに回動可能に装着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の水硬性固化材液置換コラムの築造方法。
- 施工機のリーダー側の両側方に装着された一対のフロントジャッキシリンダー部に、ヒンジで屈曲可能なアームをそれぞれ取り付け、該両アームの他端に掘削ロッドの横断面形状と略相似形の開口または突出部を有する円筒体の横断面形状と略相似形の開口を有する加圧盤が連結されていることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの施工機。
- 駆動装置により上下動可能なリーダーを有し、該リーダーの下方に一対の開閉可能なアームからなり、リーダーに沿って垂下された掘削ロッドを該アームで抱持して振れ止めする振れ止め手段が設けられている水硬性固化材液置換コラムの施工機の、該振れ止め手段のアームに抱持されて取り付ける掘削ロッドの通孔を有する取り付け部と開口を有する加圧盤が、その通孔と開口を同心軸上として、通孔と開口を結ぶ中心軸を中心に平面視円状乃至多角形状に配置された連結部材で連結された加圧盤支持部材が、中央より縦方向に半割りされて半割り加圧盤支持部材に形成され、一対のアームが開放状態の振れ止め手段に位置する部分の掘削ロッドの外周に、該半割り加圧盤支持部材を対向して合わせ加圧盤支持部材として完成させた状態で位置させ、その加圧盤支持部材の取り付け部をアームで抱持して掘削ロッドが上下移動可能に振れ止め手段に取り付けられていることを特徴とする水硬性固化材液置換コラムの施工機。
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