JP6680100B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などに搭載されるステアリング装置に関する。より詳しくは、運転者の体格や運転姿勢に応じて、ステアリングホイールのテレスコピック位置(車両前後方向の位置)を調整可能なステアリング装置において、アウタコラムに対するインナコラムの可動範囲を規制する構造に関する。
ステアリングホイールのテレスコピック位置を調整可能なステアリング装置においては、車両後方側へのテレスコピック調整の範囲を規制するための構造が設けられている。
例えば、下記特許文献1および特許文献2に記載のステアリング装置においては、アウタコラムの上側に軸方向に延びる長孔を形成し、その長孔内に配置されインナコラムに固定されたストッパーが設けられている。ストッパーは、車両後方へのテレスコピック調整が行われた際に、長孔の車両後方側にあるアウタコラムの部分に当接することで、インナコラムがそれ以上車両後方へ移動しないようにしている。
また、下記特許文献2においては、テレスコピック構造を応用して、2次衝突時にテレスコピック調整範囲を超えてインナコラムが車両前方側へ移動するように構成している。
特開第2011−11576号公報 国際公開WO2015/190300号公報
特許文献2のような衝撃吸収構造を採用すると、アウタコラムに形成された長孔内に配置されたストッパーの軸方向の可動範囲を広げるために、長孔が軸方向に長いものとなる。このような長孔を小型車などのステアリングコラムの全長が短いものに適用すると、アウタコラムの車両後方側でインナコラムを締め付ける締付部の上部にまで長孔が及んでしまう。これにより、アウタコラムがインナコラムを締め付ける際に、締付部の上部が剛性不足により大きく変形し、インナコラムからの締付反力が得られず、インナコラムの締付保持力が小さくなることが懸念される。
このような問題に鑑み、本発明は、テレスコピック位置の調整可能範囲を広く取りながら、インナコラムの締付保持力の低下を防ぐステアリング装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
操舵力を伝達するステアリングシャフトと、
軸方向に延びるガイド溝部を備え、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持するアウタコラムと、
軸方向の相対移動を可能に、車両前方側部分が前記アウタコラムに内嵌し、前記アウタコラムと共に前記ステアリングシャフトを回転可能に支持するインナコラムと、
前記ガイド溝部内に収容され、前記インナコラムに取り付けられたガイド部材と、
前記ガイド部材よりも径方向外側に突出した突出部を備え、前記ガイド部材と共に前記インナコラムに取り付けられた位置規制部材と、を有し、
前記アウタコラムの車両後方側部分には、前記インナコラムを締付け固定する締付部が形成されており、
前記ガイド溝部の一部は前記締付部と同じ軸方向位置にあり、
前記締付部と同じ軸方向位置にある前記ガイド溝部の部分において、前記ガイド部材よりも径方向外側で、前記ガイド溝部の車幅方向両側に架け渡された補強部が形成されており、
前記突出部は、その車両後方側端が前記ガイド部材の車両後方側端よりも車両前方側に配置されており、前記インナコラムが車両後方側の所定位置まで移動したときに前記補強部に当接することを特徴とするステアリング装置を提供する。
これにより、テレスコピック位置の調整可能範囲を広く取りながら、インナコラムの締付保持力の低下を防ぐことができる。
本発明において好ましくは、前記位置規制部材は、前記ガイド部材と前記インナコラムの間に介在する基部を有し、
前記突出部は、前記基部の車両前方側部分から、軸方向に垂直な平面状に延びている。
これにより、簡易な構造として、製造コストの増加を抑えながら、車両後方側へのテレスコピック調整の範囲を長く取ることができる。
また、本発明において好ましくは、前記位置規制部材および前記ガイド部材は、ボルトによって前記インナコラムに取り付けられている。
これにより、位置規制部材およびガイド部材を容易に取り付けることができる。
また、本発明において好ましくは、前記位置規制部材は、軸方向に長い長円状の底板部と、
前記底板部の外周縁から立ち上がった側板部と、を有し、
前記側板部の車両前方側部分が、他の部分よりも高く立ち上がって車両前方側に凸のU字型に湾曲した板状の前記突出部を形成している。
これにより、突出部の強度を高めることができる。
また、本発明において好ましくは、前記位置規制部材および前記ガイド部材は、軸方向に並べて配置された2つのブラインドリベットによって前記インナコラムに取り付けられている。
これにより、位置規制部材およびガイド部材を容易に取り付けることができる。
また、本発明において好ましくは、前記ガイド部材は樹脂から形成されている。
これにより、インナコラムの軸方向の移動をスムーズにし、また、アウタコラムとストッパーとの摩擦および衝突による異音の発生を防ぐことができる。
本発明のステアリング装置によれば、テレスコピック位置の調整可能範囲を広く取りながら、インナコラムの締付保持力の低下を防ぐステアリング装置を提供することができる。
本願の第1実施形態に係るステアリング装置を用いたステアリング機構を斜め前方から見た斜視図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置を車両左側から見た側面図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置の縦断面図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置の拡大斜視図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置の図3に示す縦断面図の一部を拡大した拡大断面図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置の図2中に示すVI−VI切断面の断面図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置を車両後方側から見た側面図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置の図2中に示すVIII−VIII切断面の断面図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置の図2中に示すIX−IX切断面の断面図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置の拡大下面図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置のバッファブロックを示す斜視図である。 本願の第1実施形態に係るステアリング装置のバッファブロックを示す3面図である。 本願の第2実施形態に係るステアリング装置を一部の部材を省略して示す斜視図である。車両の後方側から見た状態を示している。 本願の第2実施形態に係るステアリング装置を一部の部材を省略して示す斜視図である。車両の前方側から見た状態を示している。 本願の第2実施形態に係るステアリング装置の縦断面図である。 本願の第2実施形態に係るステアリング装置の図15に示す縦断面図の一部を拡大した拡大断面図である。 本願の第2実施形態に係るステアリング装置のブラインドリベット周辺を軸方向に対して垂直に切断した断面を示す断面図である。
以下、本発明をチルト・テレスコピック調整式のラックアシスト型電動パワーステアリング機構(以下、単にステアリング機構と記す)に用いるステアリング装置に適用した実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、ステアリング機構やステアリング装置の説明にあたっては、図面中に前後・左右・上下を矢印で示し、各部材の位置や方向をこれに沿って説明する。これらの方向は、ステアリング装置を車両に搭載した状態において車両の方向と一致する。
<第1実施形態の構成>
図1は本願の第1実施形態に係るステアリング装置2を用いたステアリング機構1を斜め前方から見た斜視図である。図1に示すように、本実施形態のステアリング装置2は、ステアリングホイール101の操作に要する力を軽減するために、ステアリングコラムに回転可能に支持されたステアリングシャフト3および中間シャフト102からステアリングギヤ103に伝達された操舵力を電動アシスト機構104でアシストし、図示しないラック軸を左右に往復運動させることでラック軸に連結した左右のタイロッド105を介して前輪を転舵する。
図2は、本願の第1実施形態に係るステアリング装置2の側面図である。図2に示すように、ステアリング装置2は、前方部分を構成するアルミ合金ダイキャスト成型品で筒状のアウタコラム10と、後方部分を構成する鋼管製のインナコラム11と、アウタコラム10を保持するチルトブラケット12とを主要構成要素としている。
(ステアリングコラム)
図3は本願の第1実施形態に係るステアリング装置2の縦断面図である。ステアリングコラムは、前方側に配置されたアウタコラム10と後方側に配置されたインナコラム11とから構成されている。アウタコラム10にはインナコラム11の外径よりも僅かに大きい内径を有する保持筒孔13が軸方向に沿って形成されており、この保持筒孔13にインナコラム11が嵌合している。
インナコラム11のうち保持筒孔13と嵌合する部位の外周面には、低摩擦係数の樹脂コーティングが施されており、後述する二次衝突時にはアウタコラム10とインナコラム11とが比較的小さな締付摩擦力に抗して相対摺動する。
図2に示すように、アウタコラム10は、その前端上部に左右方向に貫通するボス孔22aに鋼管製のカラー21を保持したピボットボス22を有しており、カラー21に嵌挿されたピボットボルト106を介して回動可能に車体100に取り付けられる。
図4は本願の第1実施形態に係るステアリング装置2の拡大斜視図である。アウタコラム10の上部には、上方に突出し前後方向に延びる左右一対のガイド壁23、24を備えたガイド溝部25が形成されている。ガイド溝部25は、車両後方側の一部が後述する締付部10fと同じ軸方向位置にある。アウタコラム10の後方側下部には、図3に示すように、径方向に貫通し前後方向(軸方向)に延び、後方側が開放したスリット部26が設けられている。
アウタコラム10の前端部内側には、図3に示すように、後述するロアステアリングシャフト61を回転自在に支持するボールベアリング27が嵌装されている。また、アウタコラム10の後端側の下部には、スリット部26から下方に突出した一対のクランプ部10a、10a(図6参照)が形成されている。一対のクランプ部10a、10aには左右方向に貫通した締付ボルト用の貫通孔28が穿孔され、この貫通孔28に後述するチルト・テレスコピック調整機構80の締付ボルト81が通されている。
インナコラム11の後端部内側には、図3に示すように、後述するアッパーステアリングシャフト62を回転自在に支持するボールベアリング29が嵌装されている。
(ストッパー)
図5は本願の第1実施形態に係るステアリング装置2のアウタコラム10とインナコラム11との嵌合部を示す拡大断面図である。図5に示すように、インナコラム11の前方側の上面にはアウタコラム10のガイド溝部25内に収容されたストッパー30が装着されている。このガイド溝部25とストッパー30との係合により、アウタコラム10とインナコラム11との相対回転が阻止される。
ストッパー30は、樹脂射出成型品のガイド部材31と金属製の位置規制部材32とからなっており、六角穴付きの段付低頭ボルト35、及び、インナコラム11に固着されたナットプレート36によってインナコラム11に取り付けられている。位置規制部材32は、ガイド部材31とインナコラム11の間に介在する基部32bと、基部32bの車両前方側部分から、軸方向に垂直な平面状に上方へ延びる突出部32cとを有している。突出部32cは、ガイド部材31よりも径方向外側(上側)に突出している。
図6は本願の第1実施形態に係るステアリング装置2の図2中に示すVI−VI切断面の断面図である。図7は本願の第1実施形態に係るステアリング装置を車両後方側から見た側面図である。図5、図6および図7に示すように、ガイド溝部25の車両後方側部分には、ガイド壁23、24の間を車幅方向(左右方向)に架け渡され、ガイド壁23、24と一体に形成された補強部10bが形成されている。補強部10bは、インナコラム11を締付けて固定するアウタコラム10の締付部10f(図6参照)の剛性を高め、インナコラム11に対する締付保持力を高める。
図5に示すように、位置規制部材32の突出部32cは、補強部10bと概略同じ高さ(径方向位置)まで延びており、インナコラム11が車両後方側の所定位置まで移動したときにアウタコラム10の補強部10bに当接するように構成されている。これにより、インナコラム11の後方へのテレスコピック調整範囲(図5中に符号「TAr」で示す。)を規制する。
アウタコラム10の締付部10fは、クランプ部10a、10aよりも車両後方側へ延びている。車両後方側へ延びた締付部10fの車両後方側端部の下端には、図7に示すように、概略U字型をした変形抑制部10cが一体に形成されている。変形抑制部10cは、締付部10fの車両後方側部分の剛性を高めることで、締付部10fを締め付けた際に、締付部10fの車両後方側が車両前方側に比べて大きく変形するのを防ぐ。変形抑制部10cは、その左側部分から車両左側に突出した突起部10dと、右側部分から車両右側に突出した突起部10eとを有する。突起部10d、10eは、2次衝突により後述するロアストッパ50がインナコラム11から脱落した際に、締付ボルト81を中心として前方へ傾いた摩擦板85が引っ掛かることで、ロアストッパ50と摩擦板85の姿勢を維持する。
図8は本願の第1実施形態に係るステアリング装置2の図2中に示すVIII−VIII切断面の断面図である。位置規制部材32の基部32bは、図8に示すように、中央に段付低頭ボルト35のねじ軸35aが嵌挿される貫通孔32aが穿孔されている。また、基部32bは、その下面がインナコラム11の外周面の曲率に対応する曲率を有する曲面状に形成されており、組付状態でインナコラム11に密着する。
ガイド部材31は、図4に示すように平面視で略正方形を呈しており、左右側面がガイド溝部25のガイド壁23、24に摺接する。図8に示すように、ガイド部材31の下部には凹部31cが形成されており、位置規制部材32の基部32bが嵌り込んでいる。
ナットプレート36は、図8に示すように、上面の中央にインナコラム11に形成された貫通孔11aに嵌入するボス部36aを有しており、このボス部36aの上端面から下端に貫通するねじ孔36cを形成している。また、ナットプレート36は、その上面36bがインナコラム11の内周面の曲率に対応する曲率を有する曲面状に形成されており、インナコラム11に密着している。本実施形態では、ボス部36aを貫通孔11aに嵌入させた状態でかしめることでナットプレート36をインナコラム11に固着した後、タップによってねじ孔36cのねじ溝を形成している。
(チルトブラケット)
図6に示すように、チルトブラケット12は、左右方向に延びる上板71と、この上板71の下面に溶接された左右側板72、73とを有している。上板71は、ボルト穴71aを通したボルト74によって車体100に締結される。左右側板72、73の間隔は、自由状態でアウタコラム10の左右方向の幅よりも若干大きく設定されている。左右側板72、73には、チルト調整用長孔72a、73aが形成されている。チルト調整用長孔72a、73aは、前述したピボットボス22を中心とする円弧状に形成されている(図2参照)。
図6に示すように、チルトブラケット12の下部には、ステアリングコラムのチルト調整およびテレスコピック調整に供されるチルト・テレスコピック調整機構80が設けられている。チルト・テレスコピック調整機構80は、アウタコラム10のクランプ部10a、10aに形成された締付ボルト用の貫通孔28に左方から挿入された締付ボルト81によって、使用者の操作に応じた締め付けとその解除を行い、これによりチルト・テレスコピック位置の固定とその解除を行う。
図6に示すように、締付ボルト81には、その頭部とチルトブラケット12の左側板72との間に、運転者によって回転操作される操作レバー82と、操作レバー82と一体に回転する可動カム83と、右端がチルト調整用長孔72aに回転不能に係合した固定カム84とが外嵌している。固定カム84と可動カム83の対向する端面には、相補的な形状をした傾斜カム面が形成されている。固定カム84と可動カム83は、操作レバー82の回転に応じて、互いに噛み合って近接することで締付ボルト81による締め付けを解除し、互いに反発して遠ざかることで締付ボルト81に張力を発生させ、締め付けを行う。
図6に示すように、チルトブラケット12の左右側板72、73とアウタコラム10との間で、締付ボルト81には、ロアストッパ50の係止腕54に先端が係合した左右各2枚の摩擦板85と、左右端板部86a、86bが左右両側でそれぞれ2枚の摩擦板85の間に挟まれた中間摩擦板86とが外嵌している。摩擦板85は、前述のようにロアストッパ50に係合しており、摩擦面を増やすことでアウタコラム10によるインナコラム11の保持を補強している。
図5に示すように、摩擦板85には、締付が解除された状態で締付ボルト81との相対移動を許し、テレスコピック調整を可能とすべく、前後方向に延びた長孔85aが設けられている。中間摩擦板86は、四角い板状の部材の中央に締付ボルト81が通る丸孔が形成された左右一対の端板部86a、86bを連結板部86cによって連結した形状を呈している。
図6に示すように、右側板73の外側では、押圧板87とスラスト軸受88とが締付ボルト81に外嵌しており、これらが締付ボルト81の雄ねじ81aにねじ込まれるナット89によって他の部材と共に締め付けられている。
図9は本願の第1実施形態に係るステアリング装置2の図2中に示すIX−IX切断面の断面図である。図4および図9に示すように、アウタコラム10の左右側面にはそれぞれ水平方向に突出したフック部91、92が設けられており、チルトブラケット12の上板71に穿設された左右の係止孔71b、71cとこれらフック部91、92との間にそれぞれコイルスプリング93が掛け渡されている。コイルスプリング93は、チルト調整時においてステアリングコラムやステアリングホイール101などの重量を一部負担し、使用者によるチルト調整の操作を軽くする。
図2に示すように、操作レバー82とチルトブラケット12との間にもコイルスプリング95が掛け渡されている。コイルスプリング95は、操作レバー82を締め付け側に回転するように付勢することで、使用者が締め付け側に操作するときの操作レバー82の操作を軽くし、また、自動車の揺れ等によって運転者の意に反して操作レバー82が解除側に回転するのを防ぐ。
(ロアストッパ)
図10は本願の第1実施形態に係るステアリング装置2の拡大下面図である。図5、図9および図10に示すように、インナコラム11の前方側部分の下面には、アウタコラム10のスリット部26に遊嵌するアルミ合金ダイキャスト成型品のロアストッパ50が装着されている。図5に示すように、ロアストッパ50の前端には断面略L字形状のバッファ保持部52が下方に向けて突出して形成されており、このバッファ保持部52にゴム製のバッファブロック53が取り付けられている。
図11、図12は本願の第1実施形態に係るステアリング装置2のバッファブロック53を示す斜視図である。バッファブロック53は、2本の溝が形成されたストッパー面を有する本体53aと、ストッパー面の反対側の本体53aの面に一体に形成された直方体状の突部53bと、本体53aから円柱状に延び、バッファブロック53をロアストッパ50に固定させる係止部53cとを有する。
バッファブロック53は、スリット部26の前端に当接することにより、インナコラム11の前方へのテレスコピック調整範囲(図5中に符号「TAf」で示す)を規制する。なお、ロアストッパ50の左右両側面からは、後述する摩擦板85が係合する係止腕54(図4に図示)がそれぞれ延びている。
ロアストッパ50は、前後一対の樹脂ピン51によってインナコラム11に固定されており、2次衝突時においてはバッファブロック53がスリット部26の前端に衝突することにより、樹脂ピン51が破断してインナコラム11から脱落することで、インナコラム11の前方への更なる移動を許す。これにより、図3において符号「TAf」により示す範囲を超えて、符号「CP」により示す範囲の移動が可能になる。
(ステアリングシャフト)
図3に示すように、ステアリングシャフト3は、テレスコピック調整を可能とすべく、ステアリングコラム内でスプライン結合されたロアステアリングシャフト61とアッパーステアリングシャフト62とによって構成されている。ステアリングシャフト3は、アウタコラム10の前端に嵌挿されたボールベアリング27と、インナコラム11の後端に嵌挿されたボールベアリング29とによって回転自在に支持されている。
ロアステアリングシャフト61は、鋼丸棒を素材として転造やブローチ加工などによって成形されており、後半部の外周に雄スプライン61aを有している。一方、アッパーステアリングシャフト62は、鋼管を素材として絞り加工やブローチ加工などによって成形されており、前半部の内周にロアステアリングシャフト61の雄スプライン61aに嵌合する雌スプライン62aを有している。
ロアステアリングシャフト61の雄スプライン61aには、アッパーステアリングシャフト62の雌スプライン62aとのがた付きを防止すべく、樹脂コーティングが施されている。なお、樹脂コーティングに代えて低摩擦材のコーティングとすることもできる。
ロアステアリングシャフト61の先端には自在接手(図示せず)が外嵌するセレーション61bが形成され、アッパーステアリングシャフト62の後端にはステアリングホイール101のボス101a(図5にて破線で示す)が外嵌するセレーション62bが形成されている。
<第1実施形態の作用>
図6に示すように、運転者が操作レバー82を締め付け側に回動させると、固定カム84の傾斜カム面の山に可動カム83の傾斜カム面の山が乗り上げ、締付ボルト81を左側に引っ張る一方で固定カム84を右側に押圧する。これにより、左右側板72、73がアウタコラム10の下部を左右から締め付け、ステアリングコラムのチルト方向の移動を制限するのと同時に、アウタコラム10がインナコラム11を締め付ける締付摩擦力と摩擦板85に生じる摩擦力とによってインナコラム11の軸方向の移動が制限される。
一方、運転者が操作レバー82を解除方向に回動させると、上述のように自由状態における間隔がアウタコラム10の幅より広いチルトブラケット12の左右側板72、73がそれぞれ弾性復帰する。これにより、アウタコラム10のチルト方向の移動の制限とインナコラム11の軸方向の移動の制限がともに解除され、使用者がステアリングホイール101の位置の調整を行うことができるようになる。
この状態において、使用者は、図5に示す符号「TAr」で示すように、位置規制部材32の突出部32cとアウタコラム10に形成された補強部10bの間の軸方向距離だけステアリングホイール101を車両後方側へ移動させることができる。ステアリングホイール101が車両後方側へ移動すると、ガイド部材31が補強部10bとインナコラム11の間に入り込み、突出部32cが補強部10bに当接したところで、それ以上の移動が阻止される。
仮に、補強部10bをガイド部材31と同じ高さ(径方向位置)に設けた場合、ステアリングホイール101を車両後方側へ移動させたときに、補強部10bとガイド部材31とが当接してそれ以上の移動が阻止され、ストッパー30の車両後方への移動範囲は著しく狭くなり、ステアリングホイール101の調整範囲が狭くなる。
本実施形態においては、上記のようにガイド部材31が補強部10bの下に入り込む構成とすることで、ストッパー30の軸方向の可動範囲を広く取りながら、アウタコラム10の締付部の剛性を高めて、インナコラム11の締付保持力の低下を防いでいる。
<第2実施形態の構成>
次に、本願の第2実施形態について、図13ないし図17を参照しながら説明する。本第2実施形態に係るステアリング装置は、上記第1実施形態に係るステアリング装置とはストッパーのみが異なり、その他は上記第1実施形態と同様である。したがって、本第2実施形態の説明においては、第1実施形態に係るステアリング装置と対応する部分に「200」を足した数字を用いた参照符号を付し、上記第1実施形態の説明と重複する説明は省略する。例えば、第1実施形態のアウタコラム10に対応する第2実施形態のアウタコラムには符号「210」を付する。
図13は、本第2実施形態に係るステアリング装置202を斜め後方から見た斜視図である。図14は、ステアリング装置202を斜め前方から見た斜視図である。図15は、ステアリング装置202の縦断面図である。
本第2実施形態において、ストッパー230は、軸方向に並べて配置された2つのブラインドリベット238、238によって、インナコラム211の車両前方側の上部に取り付けられている。これにより、ナットプレートをインナコラム211に取り付ける必要がなくなり、孔を形成するのみで容易にストッパー230を固定することができる。
図16は本願の第2実施形態に係るステアリング装置202のインナコラム211とアウタコラム210との嵌合部を拡大して示す縦断面図である。図17は本願の第2実施形態に係るステアリング装置202のブラインドリベット238周辺を軸方向に対して垂直に切断した断面を示す断面図である。
ストッパー230は、位置規制部材237と、位置規制部材237の外周に取り付けられたガイド部材239とを有している。
位置規制部材237は、軸方向に長い長円状の底板部237aと、底板部237aの外周縁から立ち上がった側板部237bと、側板部237bの車両前方側部分が他の側板部237bの部分よりも高く立ち上がって車両前方側に凸のU字型に湾曲した突出部237cとを有している。このように突出部237cを湾曲させることでアウタコラム210の補強部210bとの衝突に対する強度を高めることができる。なお、突出部237cの形状はU字型に限らず、コの字型などの他の形状とすることもできる。
ガイド部材239は、図17に示すように、位置規制部材237の側板部237bに係合し、一部が底板部237aの下部に入り込むようにして、位置規制部材237に取り付けられている。
以上に説明した本第2実施形態によれば、ストッパー230の車両後方側部分が補強部210bの下側(径方向内側)に入り込み、突出部237cと補強部210bとが当接する構成とすることで、ストッパー230の軸方向の可動範囲を広く取ることができる。また、これと同時に、補強部210bによってアウタコラム210の締付部の剛性を高めて、インナコラム211の締付保持力の低下を防ぐことができる。
以上で具体的実施形態と一部変形例の説明を終えるが、本発明の態様はこれらに限られるものではない。
例えば、上記実施形態はラックアシスト型電動パワーステアリング装置に本発明を適用したものであるが、コラムアシスト型電動パワーステアリング装置などにも当然に適用可能である。
また、ステアリングコラムやチルト・テレスコピック調整機構、ストッパーなどの具体的構成や形状についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、位置規制部材の突出部は、車両後方側端がガイド部材の車両後方側端よりも車両前方側に配置されていればよく、上記実施形態よりも車両後方側にあっても良い。また、突出部は、車両後方へのテレスコピック調整の際に補強部に当接することで調整範囲を規制する機能を果たすのに十分な強度を有するものであればよく、材料、形状等は上記実施形態に記載のものに限られない。
また、アウタコラムに形成された補強部は、上記実施形態のようにガイド溝部の車両後方側の部分を覆うものであることが好ましいが、これに限らず、例えば補強部が左右に長い棒状に形成される等して、補強部よりも車両後方側のアウタコラムの部分に径方向上方に貫通した穴または溝が形成されたものとしてもよい。
また、補強部はアウタコラムと一体に形成されることが好ましいが、アウタコラムとは別体に形成された後、アウタコラムに固定されたものとしてもよい。
なお、上記実施形態におけるストッパーと補強部による位置規制手段は、車両前方側へのテレスコピック調整の位置規制手段として適用することもできる。
1 ステアリング機構
2、202 ステアリング装置
3、203 ステアリングシャフト
10、210 アウタコラム
10a、210a クランプ部
10b、210b 補強部
10c、210c 変形抑制部
10d、10e 突起部
10f 締付部
11、211 インナコラム
11a 貫通孔
12、212 チルトブラケット
13 保持筒孔
21、221 カラー
22、222 ピボットボス
22a ボス孔
23、223 ガイド壁
24、224 ガイド壁
25、225 ガイド溝部
25a、25b 内壁
26 スリット部
27、227 ボールベアリング
28、228 貫通孔
29、229 ボールベアリング
30、230 ストッパー
31 ガイド部材
31a 左側縁
31b 右側縁
31c 凹部
32 位置規制部材
32a 貫通孔
32b 基部
32c 突出部
35 段付低頭ボルト
36 ナットプレート
36a ボス部
36b 上面
36c ねじ孔
50 ロアストッパ
51 樹脂ピン
52、252 バッファ保持部
53 バッファブロック
54 係止腕
61、261 ロアステアリングシャフト
61a、261a 雄スプライン
61b セレーション
62、262 アッパーステアリングシャフト
62a、262a 雌スプライン
62b セレーション
71、271 上板
71a ボルト穴
71b 係止孔
72 左側板
72a チルト調整用長孔
73 右側板
73a チルト調整用長孔
74 ボルト
80 チルト・テレスコピック調整機構
81 締付ボルト
81a 雄ねじ
82 操作レバー
83 可動カム
84 固定カム
85 摩擦板
85a、285a 長孔
86 中間摩擦板
86a 左端板部
86b 右端板部
86c 連結板部
87 押圧板
88 スラスト軸受
89 ナット
91、92 フック部
93 コイルスプリング
95 コイルスプリング
100 車体
101 ステアリングホイール
101a ボス部
102 中間シャフト
103 ステアリングギヤ
104 電動アシスト機構
105 タイロッド
106 ピボットボルト
237 位置規制部材
237a 底板部
237b 側板部
237c 突出部
238 リベット
239 ガイド部材

Claims (6)

  1. 操舵力を伝達するステアリングシャフトと、
    軸方向に延びるガイド溝部を備え、前記ステアリングシャフトを回転可能に支持するアウタコラムと、
    軸方向の相対移動を可能に、車両前方側部分が前記アウタコラムに内嵌し、前記アウタコラムと共に前記ステアリングシャフトを回転可能に支持するインナコラムと、
    前記ガイド溝部内に収容され、前記インナコラムに取り付けられたガイド部材と、
    前記ガイド部材よりも径方向外側に突出した突出部を備え、前記ガイド部材と共に前記インナコラムに取り付けられた位置規制部材と、を有し、
    前記アウタコラムの車両後方側部分には、前記インナコラムを締付け固定する締付部が形成されており、
    前記ガイド溝部の一部は前記締付部と同じ軸方向位置にあり、
    前記締付部と同じ軸方向位置にある前記ガイド溝部の部分において、前記ガイド部材よりも径方向外側で、前記ガイド溝部の車幅方向両側に架け渡された補強部が形成されており、
    前記突出部は、その車両後方側端が前記ガイド部材の車両後方側端よりも車両前方側に配置されており、前記インナコラムが車両後方側の所定位置まで移動したときに前記補強部に当接することを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記位置規制部材は、前記ガイド部材と前記インナコラムの間に介在する基部を有し、
    前記突出部は、前記基部の車両前方側部分から、軸方向に垂直な平面状に延びていることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記位置規制部材および前記ガイド部材は、ボルトによって前記インナコラムに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記位置規制部材は、軸方向に長い長円状の底板部と、
    前記底板部の外周縁から立ち上がった側板部と、を有し、
    前記側板部の車両前方側部分が、他の部分よりも高く立ち上がって車両前方側に凸のU字型に湾曲した板状の前記突出部を形成していることを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
  5. 前記位置規制部材および前記ガイド部材は、軸方向に並べて配置された2つのブラインドリベットによって前記インナコラムに取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のステアリング装置。
  6. 前記ガイド部材は樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載のステアリング装置。
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