JP6678933B2 - 離型フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、帯電防止層を有する離型フィルムに関し、特に積層セラミックコンデンサの製造過程で使用される工程フィルムに関する。
近年、積層セラミックコンデンサは、小型化、軽量化が進み、それに伴い、セラミックグリーンシートの薄膜化の要望も年々高まっており、1μm未満のグリーンシートも製造されるようになってきている。このような薄膜のセラミックグリーンシートは、ピンホールが発生しやすく、また、僅かな凹凸でも不良品となり、歩留まりが下がる傾向にある。セラミックグリーンシートは、通常、離型フィルム上にセラミックスラリーを塗布して製造されるのが一般的であるが、上記ピンポールや凹凸の形成を防止するために、表面平滑性が高い離型フィルムが求められるようになってきている。
一方で、表面平滑性が高い離型フィルムは、ロール状に巻き取った際にブロッキングが生じて、ロール繰り出し時に帯電が生じる等の不具合が起こりやすくなる。このような不具合を防止するために、離型フィルムに帯電防止剤等を含有させて帯電防止機能を付与することが知られている。
離型フィルムに使用される帯電防止剤としては、近年、PEDOT−PSS(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートの混合物)等の導電性高分子が使用されることがある。例えば、特許文献1に開示されるように、離型フィルムの離型層が、硬化型シリコーンエマルジョンと、硬化剤と、PEDOT−PSSからなる離型剤組成物により形成されることがある。
また、離型フィルムには、離型層とは別に帯電防止層が設けられることがある。帯電防止層は、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、又はアクリル樹脂等にPEDOT−PSS等の導電性高分子が混合された樹脂組成物(特許文献2参照)や、光硬化コーティング剤にPEDOT−PSS等の導電性高分子が混合された樹脂組成物(特許文献3参照)により形成されることが知られている。
特開2003−251756号公報 特開2012−224011号公報 特開2010−6079号公報
しかしながら、特許文献1のように、離型剤組成物中にPEDOT−PSSを配合すると、離型剤成分であるシリコーンエマルジョンとPEDOT−PSSの相溶性が悪く、PEDOT−PSSが凝集して粗大突起となりやすい。そのため、離型フィルムの表面を平滑にすることが難しくなる。また、特許文献3に記載の樹脂組成物でも、PEDOT−PSSが凝集しやすく、帯電防止層、及びその帯電防止層の上に形成された離型層の表面平滑性を確保することが困難になる。
一方で、特許文献2に記載の樹脂組成物は、無架橋タイプであるため、皮膜強度等が十分なものとならず、帯電防止層の耐溶剤性や、帯電防止層のオーバーコート性、すなわち帯電防止層の上に形成される離型層等の塗布液のコート性が悪化する等の不具合が生じやすくなる。
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、表面を平滑にしつつ、帯電防止性能、耐溶剤性、及びオーバーコート性に優れた離型フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、PEDOT−PSSのようなポリチオフェン系導電性高分子を含み、水性でかつ熱硬化性を有する樹脂組成物によって、平滑な基材表面上に、所定厚みの帯電防止層を形成することで上記問題点を解決することができることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の(1)〜(9)を提供するものである。
(1)基材と、前記基材の一方の面上に設けられた帯電防止層と、前記帯電防止層の上、又は前記基材の他方の面側に設けられた離型層とを備え、
前記基材の一方の面は、算術平均粗さRaが15nm以下、最大突起高さRpが150nm以下であるとともに、
前記帯電防止層が、ポリチオフェン系導電性高分子(A)を含む水性熱硬化性樹脂組成物を硬化してなるものであるとともに、前記帯電防止層の厚みが12〜250nmである離型フィルム。
(2)前記離型層が帯電防止層の上に設けられる上記(1)に記載の離型フィルム。
(3)前記離型層の算術平均粗さRaが10nm未満、最大突起高さRpが100nm未満である上記(1)又は(2)に記載の離型フィルム。
(4)前記水性熱硬化性樹脂組成物が、さらに水酸基含有ポリエステル樹脂(B)と、メラミン化合物(C)とを含む上記(1)〜(3)のいずれかに記載の離型フィルム。
(5)前記水性熱硬化性樹脂組成物が、ポリチオフェン系導電性高分子(A)及び水酸基含有ポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、メラミン化合物(C)を8〜35質量部含有する上記(4)に記載の離型フィルム。
(6)前記水性熱硬化性樹脂組成物が、水酸基含有ポリエステル樹脂(B)100質量部に対して、ポリチオフェン系導電性高分子(A)を0.5〜50質量部含有する上記(4)又は(5)に記載の離型フィルム。
(7)メラミン化合物(C)が、メチロールメラミンである上記(4)〜(6)のいずれかに記載の離型フィルム。
(8)前記ポリチオフェン系導電性高分子(A)が、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートの混合物(PEDOT−PSS)である上記(1)〜(7)のいずれかに記載の離型フィルム。
(9)セラミックグリーンシートの製造工程用に用いられる上記(1)〜(8)のいずれかに記載の離型フィルム。
本発明では、表面を平滑にしつつ、帯電防止性能、耐溶剤性、及びオーバーコート性に優れた離型フィルムを提供することができる。
本発明の離型フィルムの一実施形態を示す模式的な断面図である。 本発明の離型フィルムの他の実施形態を示す模式的な断面図である。
以下、本発明について実施形態を用いてより詳細に説明する。
本発明の離型フィルムは、基材と、基材の一方の面上に設けられた帯電防止層と、この帯電防止層の上、又は基材の他方の面側に設けられた離型層とを備えるものである。
より具体的には、離型フィルムとしては、図1に示すように、基材11と、基材11の一方の面11A上に設けられた帯電防止層12と、この帯電防止層12の上に設けられた離型層13とを備える離型フィルム10Aが挙げられるが、図2に示すように、帯電防止層12が基材11の一方の面11A上に設けられるとともに、離型層13が基材11の他方の面11B上に設けられる離型フィルム10Bであってもよい。
ロール状に巻き取られた離型フィルムは、場合によってブロッキングを生じ、ロールから離型フィルムを繰り出す際に静電気を発生させる。離型フィルムは、帯電防止層を有することでこのような繰り出し帯電を防いで、ブロッキングや巻き取り性の低下を防止する。また、離型層上に積層されたセラミックグリーンシート等の各種物品を、離型フィルムから剥離する際、帯電による剥離不良が生じにくくなる。さらに、静電気により離型層の上に埃等が付着することも防止される。
離型フィルムとしては、図1に示すように、離型層13が帯電防止層12の上に設けられたものが好ましい。このような離型フィルムにおいては、離型層13上の帯電を帯電防止層12によってさらに防止しやすくなる。
次に、離型フィルムの各部材について詳細に説明する。
[基材]
基材は、帯電防止層が形成される基材の一方の面(図1、2における面11A)が、算術平均粗さRa15nm以下、最大突起高さRp150nm以下となるものである。本発明では、基材の一方の面の算術平均粗さRa又は最大突起高さRpがこれら上限値を超えると、帯電防止層を形成するための組成物を後述する水性熱硬化性樹脂組成物としても、帯電防止層の表面を平滑にしにくくなる。帯電防止層の表面が平滑にできないと、例えば、帯電防止層の上に離型層等の薄層を設ける場合に、その離型層等の表面が平滑にできず、離型層の上に形成されるセラミックグリーンシート等の物品に凹凸やピンホールが生じやすくなる。
以上の観点から、上記算術平均粗さRa及び最大突起高さRpはそれぞれ、12nm以下、120nm以下が好ましい。また、基材の製造のしやすさ等も考慮すると、算術平均粗さRa、最大突起高さRpそれぞれは、1nm以上、5nm以上であることが好ましい。
基材としては、算術平均粗さRa及び最大突起高さRpが上記の範囲であれば特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニルなどのプラスチックからなるフィルムが挙げられ、これらは単層であってもよいし、同種又は異種の2層以上の多層であってもよい。これらの中でもポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、加工時、使用時等において、埃等が発生しにくいため、例えば、埃等によるセラミックスラリー塗工不良等を効果的に防止することができる。
また、基材の厚みは、特に限定されず、通常、10〜300μm、好ましくは15〜200μm程度である。
基材は、上記の算術平均粗さRa、及び最大突起高さRpを確保するために、粒子を含有しないほうがよいが、上記の算術平均粗さRa及び最大突起高さRpを確保できる限り粒子を含有していてもよい。粒子を含有する場合、基材の算術平均粗さRa及び最大突起高さRpを小さくするために、その粒子(例えば易滑性を付与するためのシリカ、炭酸カルシウム及び酸化チタン等のフィラー)の粒径を小さくしたり、該粒子の配合量を少なくしたりすればよい。
[帯電防止層]
帯電防止層は、ポリチオフェン系導電性高分子(A)(以下、単に(A)成分ともいう)を含む水性熱硬化性樹脂組成物を硬化してなるものである。
本発明においては、帯電防止層を形成する樹脂組成物を熱硬化性とすることで、帯電防止層の皮膜強度が向上するため、帯電防止層の耐溶剤性が良好になる。さらには、帯電防止層の上に離型層等の薄層を設ける場合には、その薄層のオーバーコート性が良好になる。すなわち、帯電防止層の上に離型層等の薄層を形成する際、塗りムラが生じたり、ハジキやスジ等が発生したりすることが防止される。
また、組成物を水性のものとすることで、ポリチオフェン系導電性高分子(A)が組成物において凝集等することなく容易に分散または溶解し、帯電防止層やその上に形成される離型層等を平滑にすることができる。さらには、帯電防止層の上に形成される離型層等に、凹凸やピンホールが生じることが防止される。
また、帯電防止層の厚みは、12〜250nmとなるものである。帯電防止層の厚みが12nm未満であると、厚みが薄すぎて、帯電防止層の表面抵抗値が(A)成分により十分に下がらず、帯電防止性能を付与しにくくなる。また、十分な皮膜が形成できずに、耐溶剤性やオーバーコート性が低くなる。一方で、250nmより大きくすると、基材の一方の面を平滑面としても、帯電防止層の表面を平滑にしにくくなり、帯電防止層の上に形成される離型層等の表面平滑性を確保することが困難となる。以上の観点から、帯電防止層の厚みは、15〜200nmであることが好ましい。なお、帯電防止層の厚みは、分光エリプソメーターを用いて測定したものである。
なお、帯電防止層は、水性熱硬化性樹脂組成物における固形分濃度を適宜変更したり、塗布装置のギャップ等を変更したりすることにより所望の厚みとすることが可能になる。水性熱硬化性樹脂組成物における固形分濃度は、特に限定されないが、0.4〜2.0質量%程度であることが好ましく、0.5〜1.6質量%程度であることがより好ましい。
帯電防止層は、好ましくはポリエステル樹脂とメラミン化合物が架橋されて形成された硬化膜からなり、具体的には、上記(A)成分に加えて、水酸基含有ポリエステル樹脂(B)(以下、単にポリエステル樹脂(B)、或いは(B)成分ともいう)と、メラミン化合物(C)(以下、単に(C)成分ともいう)とを含む水性熱硬化性樹脂組成物を硬化してなるものであることが好ましい。
なお、水性熱硬化性樹脂組成物は、水を含む希釈液中に、各成分が分散し又は溶解する水分散性ないし水溶性であればよい。
以下、帯電防止層を構成する各成分についてより詳細に説明する。
<ポリチオフェン系導電性高分子(A)>
ポリチオフェン系導電性高分子(A)の具体的な化合物としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリプロピレンジオキシチオフェン、ポリ(エチレン/プロピレン)ジオキシチオフェンなどのポリアルキレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートとの混合物;ポリ(3−チオフェン−β−エタンスルホン酸)等のスルホン酸基を有するポリチオフェン系化合物等が挙げられる。これらの中ではポリアルキレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートとの混合物が好ましく、中でもポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートの混合物(PEDOT−PSS)がより好ましい。
帯電防止層は、ポリチオフェン系導電性高分子(A)を含有することで、薄膜であっても表面抵抗値が十分に低くなり、帯電を効果的に防止することが可能になる。また、ポリチオフェン系導電性高分子(A)は、水溶性又は水分散性を有し、そのため、上記したように、水性熱硬化性樹脂組成物において容易に溶解又は分散することが可能になる。
帯電防止層を形成するための水性熱硬化性樹脂組成物は、ポリエステル樹脂(B)100質量部に対して、ポリチオフェン系導電性高分子(A)を0.5〜50質量部含有することが好ましい。(A)成分を上記下限値以上含有させることで、離型フィルムに適切な帯電防止性能を発揮させることが可能になる。また、上限値以下とすることで、(A)成分が凝集したり、帯電防止層の硬化不良が生じたりすることが防止される。
以上の観点から、水性熱硬化性樹脂組成物において、(A)成分は、(B)成分100質量部に対して0.6〜20質量部含有されることがより好ましい。
<ポリエステル樹脂(B)>
ポリエステル樹脂(B)は、多価カルボン酸成分と、多価アルコール成分とを反応することによって得ることができるものである。ポリエステル樹脂(B)は、その分子内に水酸基を含有するものであり、ポリエステルを構成するための多価カルボン酸成分のCOOH基に対するアルコール成分のOH基の当量比(OH基/COOH基)が1.0より大きくなることが好ましい。ポリエステル樹脂(B)は、水酸基を含有することでメラミン化合物(C)と架橋することが可能になる。
ここで、多価カルボン酸成分は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロイソフタル酸、テトラヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、トリメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、アゼライン酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、ヘット酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ピロメリット酸などのポリエステル樹脂の製造に一般的に使用可能な多塩基酸を使用することができる。また、多価カルボン酸成分としては、上記多価カルボン酸成分の無水物も使用可能である。これら多価カルボン酸成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
多価アルコール成分は、1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物であり、その具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、メチルプロパンジオール、シクロヘキサンジメタノール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタンジオールなどのジオール類、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリストールなどの3価以上のアルコールなど、通常のポリエステル樹脂を製造する際に使用されるものが挙げられる。これらの多価アルコール成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリエステル樹脂(B)は、水性熱硬化性樹脂組成物の成分として使用するために、水溶性又は水分散性を有するものが好ましい。ポリエステル樹脂(B)は、特に限定されないが、水溶性又は水分散性を付与するために、スルホン酸塩基や、カルボン酸塩基を含む構成単位をポリエステルの構成単位として含むものが好適に使用される。
なお、ポリエステル樹脂(B)は、水性熱硬化性樹脂組成物において、主成分となるものであり、組成物中の固形分全量に対して、通常、50質量%以上含有され、好ましくは65〜92質量%含有されるものである。なお、本明細書において、固形分全量とは、硬化工程等の製造過程で揮発される溶媒等の揮発成分を、水性熱硬化性樹脂組成物から除いた量をいう。
<メラミン化合物(C)>
また、メラミン化合物(C)の具体例としては、メチロールメラミンや、アルコキシ化メチロールメラミンが挙げられるが、水溶性が高く、熱硬化速度が速い点から、メチロールメラミンがより好ましい。なお、メチロールメラミンは、メラミンのアミノ基の窒素原子にメチロール基が1〜6個結合したものが挙げられる。また、アルコキシ化メチロールメラミンは、メチロールメラミンのメチロール基の少なくとも一部を低級アルコールでアルコキシ化したものが挙げられ、具体的にはメトキシ化メチロールメラミン、ブトキシ化メチロールメラミン等のアルコキシ基の炭素数が1〜4のものが挙げられる。
また、メラミン化合物(C)は、水溶性メラミンであることが好ましく、上記化合物の水溶液としたものが使用される。
帯電防止層は、(B)成分に加えて(C)成分が配合されることで、ポリエステル樹脂とメラミン化合物が架橋するため、上記したオーバーコート性、耐溶剤性等が良好となる。
水性熱硬化性樹脂組成物は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、メラミン化合物(C)を8〜35質量部含有することが好ましい。帯電防止層は、(C)成分が8質量部以上配合されることで、上記した耐溶剤性やオーバーコート性が良好となり、さらには、帯電防止層の表面を平滑化しやすくなる。また、35質量部以下とすることで、組成物の分散安定性が良好となり、凝集物が発生しにくくなる。
また、上記メラミン化合物(C)の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、10〜32質量部であることがより好ましい。
また、帯電防止層の表面抵抗値は、1×1011Ω/□未満であることが好ましく、1×1010Ω/□未満であることがより好ましい。帯電防止層の表面抵抗値を1×1011Ω/□未満とすることで、離型フィルムの帯電を適切に防止することが可能になり、特に、離型フィルムを使用して、セラミックグリーンシートを製造する際に発生する各種不具合を抑制しやすくなる。
帯電防止層を形成するための水性熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも水を希釈溶媒として含み、ジメチルスルホキシド、イソプロピルアルコール(IPA)、エタノール等の水以外の極性溶媒を希釈溶媒としてさらに含んでいてもよい。なお、希釈溶媒は、全溶媒中の30質量%以上70質量%以下が水であるものを使用することがより好ましい。水を70質量%以下とすることで、水性熱硬化性樹脂組成物を塗布する際に生じるハジキ等を発生させにくくなる。
また、水を30質量%以上とすることで、(A)成分を希釈液中に分散または溶解することが可能になり、(A)成分の凝集を防止しやすくなる。さらには、水溶性又は水分散性の(B)成分及び水溶性の(C)成分を、組成物中で容易に分散または溶解することが可能になる。そのため、熱硬化性樹脂組成物の塗工性を良好として、適切な皮膜を形成することが可能になる。
帯電防止層は、少なくとも(A)〜(C)成分を希釈溶媒で希釈した水性熱硬化性樹脂組成物を、基材上に塗布した後、加熱乾燥して熱硬化することで得られるものである。
ここで、水性熱硬化性樹脂組成物の塗布方法は、特に限定されず、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法などが挙げられる。
なお、水性熱硬化性樹脂組成物は、(A)〜(C)成分、及び希釈溶媒以外にも、本発明の効果を損なわない限り、(A)〜(C)成分以外の樹脂成分、各種添加剤等を含有していてもよい。ただし、水性熱硬化性樹脂組成物は、帯電防止層表面の平滑性を確保するために、無機フィラー等の充填材を含有しないほうがよい。
[離型層]
離型層は、離型剤により構成されるものであり、具体的には、シリコーン樹脂系離型剤、アルキド樹脂系離型剤、オレフィン樹脂系離型剤、アクリル樹脂系離型剤、ゴム系離型剤、メラミン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等が使用可能であるが、シリコーン樹脂系離型剤が好ましい。以下、離型剤としてシリコーン樹脂系離型剤を使用する場合について詳細に説明する。
シリコーン樹脂系離型剤としては、好ましくは付加反応型シリコーン樹脂組成物が使用される。付加反応型シリコーン樹脂組成物は、付加反応型シリコーン樹脂と架橋剤からなる主剤に、触媒、及び、必要に応じて、付加反応抑制剤、剥離調整剤、密着向上剤、光増感剤などのその他添加剤を加えたものである。
付加反応型シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、様々なものを用いることができるが、例えば分子中に、官能基としてアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンが使用でき、より具体的には、ビニル基やヘキセニル基等を官能基とするポリジメチルシロキサンが挙げられる。
また、アルケニル基を有し、例えば質量平均分子量(Mw)が70000以上の直鎖状ポリオルガノシロキサンと、アルケニル基を有し、質量平均分子量(Mw)が500〜50000程度の分岐状のオルガノシロキサンオリゴマーとを混合したもの等も付加反応型シリコーン樹脂として使用することができる。なお、本明細書において質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として求めたものをいう。
架橋剤としては、例えば一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有するポリオルガノシロキサンが挙げられ、具体的には、ポリメチルハイドロジェンシロキサンが挙げられる。架橋剤の使用量は、付加反応型シリコーン樹脂100質量部に対し、0.1〜100重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜25質量部の範囲で選定される。また、触媒としては、白金系触媒が用いられる。
離型層は、離型層の上に積層されるセラミックグリーンシート等の物品に凹凸やピンポールが生じないようにするために、表面が平滑であることが好ましい。具体的には、離型層の表面は、算術平均粗さRaが10nm未満であるとともに、最大突起高さRpが100nm未満であることが好ましく、算術平均粗さRaが8nm以下であるとともに、最大突起高さRpが80nm以下であることがより好ましい。また、離型層の製造しやすさ等も考慮すると、算術平均粗さRa、最大突起高さRpそれぞれは、1nm以上、10nm以上であることが好ましい。
本発明では、上記したように、基材の算術平均粗さRa及び最大突起高さRpを所定値以下とするとともに、帯電防止層の構成を所定のものとすることで、帯電防止層の上に形成される離型層の算術平均粗さRa及び最大突起高さRpを、上記したように小さくすることが可能になる。
離型層を構成する離型剤としては、非溶剤型のものや、希釈溶媒として水を使用した水系のものも用いることができるが、希釈溶媒として有機溶剤を使用した溶剤型のものを使用することが好ましい。溶剤型の離型剤を使用することで、種々の離型剤を幅広く使用でき、離型性能等の各種要求性能を所望のものに設計しやすくなる。
離型剤が溶剤型である場合、希釈溶剤として使用される有機溶剤の具体例としては、トルエン、IPA、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等が挙げられる。帯電防止層は、上記したように耐溶剤性が良好であるから、離型剤に溶剤型のものが使用されても、離型層を形成する際に、帯電防止層が溶解したりする等の不具合が防止される。
離型層は、離型剤組成物を帯電防止層の上、又は基材の他方の面(すなわち、帯電防止層が設けられない側の面)に塗布し、その後、その塗布膜を加熱乾燥等して硬化することで形成することが可能である。また、離型剤の塗布方法は、特に限定されず、例えば、グラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法などが挙げられる。
なお、離型層の厚みは、特に限定されないが、乾燥後の坪量が0.03〜0.4g/m2程度となるように調整されることが好ましい。
[離型フィルムの使用方法]
離型フィルムは、積層セラミックコンデンサの製造過程で使用されるものであることが好ましく、セラミックグリーンシートの製造工程用に用いられることがより好ましい。セラミックグリーンシートは、具体的には、離型フィルムの離型層の上にセラミックスラリーが塗工された後、適宜乾燥等されて作製されるものである。また、離型フィルムは、セラミックグリーンシート以外にも、各種材料が離型層の上に塗布されて、適宜硬化等されてシート形状の物品が作製されるときに使用されるものであってもよいし、その他の用途に使用されてもよい。なお、離型フィルム上に作製されたセラミックグリーンシートやその他の物品は、シート作製後、離型フィルムから剥離される。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
本発明における測定方法、評価方法は以下のとおりである。
[帯電防止層の厚みの測定方法]
J.A.Woollam Japan製の分光エリプソメーター「M−2000」を用いて測定を行った。
[表面抵抗値の評価]
帯電防止層の表面抵抗値は、以下の方法で測定した。
測定装置:株式会社三菱化学アナリテック製「ハイレスタUP」
測定条件:印加電圧100V、測定時間10秒後、測定値は5回測定の平均値
[帯電防止層の塗膜性の評価]
基材上に形成した帯電防止層の表面を指で10回擦り、スミア(曇り)、及びラブオフ(脱落)を以下の評価基準で蛍光灯下、目視にて判断した。
A:変化なし B:曇り又は脱落のいずれかがある。
[耐溶剤性の評価]
旭化成株式会社製のベンコット(型番:AP−2)に溶剤(MEK)を適量含ませ、基材上に形成した帯電防止層の表面を、約100g/cm2の荷重で10cmの長さを1往復1秒程度の速さで20往復拭取り、帯電防止層の脱落の有無を蛍光灯下、以下の評価基準にて目視にて確認した。
A:変化なし B:脱落あり。
[オーバーコート性の評価]
各実施例、比較例において、離型剤組成物を塗布した面が、離型剤組成物の希釈溶剤によって面状態に不具合(白化、ムラ、又はキズ)が生じなかったか、または、形成された離型層の面状態に不具合(ハジキ、又はスジ)がないかを蛍光灯下、目視確認した。上記の不具合がないものを“A”と判定し、一つでも生じた場合は“B”と判断した。
[表面粗さの測定]
算術平均粗さRa及び最大突起高さRpは、JIS B0601−1994に基づき以下の条件により測定した。
測定装置:Veeco社製の光干渉式表面粗さ計「WYKO−1100」
測定条件:PSIモード、レンズ50倍率
[実施例1]
(帯電防止層の形成)
水溶性の水酸基含有ポリエステル樹脂((B)成分)8.4質量部と、PEDOT−PSS((A)成分)0.5質量部とを、ジメチルスルホキシド15質量部及び水85質量部で希釈してなる希釈液A(中京油脂株式会社製、S−495:固形分8.2質量%)100質量部に対して、水溶性メチロールメラミン((C)成分)70質量部と水30質量部からなるメラミン化合物溶液(中京油脂株式会社製、P−795:固形分70.0質量%)を1.7質量部混合し、そこへさらに、水とIPAの混合溶媒(質量比1:1)を加えて、固形分0.6質量%となるように希釈して、熱硬化性樹脂組成物の塗工液を得た。
この熱硬化性樹脂組成物の塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み31μm、塗工液が塗工される面の算術平均粗さRa10nm、最大突起高さRp80nm)からなる基材に、乾燥後の膜厚が15nmとなるように均一に塗工し、120℃で60秒乾燥させて、帯電防止層を形成した。
(離型層の形成)
両末端トリビニル変性直鎖状ポリオルガノシロキサン、分岐状ビニル変性オルガノシロキサンオリゴマー、および、ポリメチルハイドロジェンシロキサンの混合物(質量平均分子量:287000)を、固形分30質量%となるようにMEKで希釈した。この希釈液100質量部に対して、白金系触媒(信越化学工業株式会社製,PL−50T)2質量部を加え、MEKで固形分濃度が0.7質量%となるように調整し、付加反応型シリコーン樹脂組成物の塗工液を得た。
得られた塗工液を、乾燥後の膜厚が坪量0.04g/m2となるように、帯電防止層の上にバーコート法により均一に塗布した後、130℃で1分間乾燥させて離型層を形成し、帯電防止層の上に離型層を積層した離型フィルムを得た。
[実施例2]
水とIPAの混合溶媒(質量比1:1)の添加量を調整して、熱硬化性樹脂組成物の塗工液の固形分濃度を1.5質量%とし、帯電防止層の厚みが200nmとなるようにした以外は、実施例1と同様に実施した。
[実施例3]
希釈液A100質量部に対する、メラミン化合物溶液の配合量を3.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
[実施例4]
水とIPAの混合溶媒(質量比1:1)の添加量を調整して、熱硬化性樹脂組成物の塗工液の固形分濃度を1.5質量%とし、帯電防止層の厚みが200nmとなるようにした以外は、実施例3と同様に実施した。
[実施例5]
希釈液A100質量部に対する、メラミン化合物溶液の配合量を1.45質量部に変更した以外は、実施例1と同様に実施した。
[実施例6]
(帯電防止層の形成)
水溶性の水酸基含有ポリエステル樹脂((B)成分)8.4質量部と、PEDOT−PSS((A)成分)0.5質量部とを、ジメチルスルホキシド15質量部及び水85質量部で希釈してなる希釈液A(中京油脂株式会社製、S−495:固形分8.2質量%)100質量部に対して、水溶性メチロールメラミン((C)成分)70質量部と水30質量部からなるメラミン化合物溶液(中京油脂株式会社製、P−795:固形分70.0質量%)を1.7質量部混合し、そこへさらに、水とIPAの混合溶媒(質量比1:1)を加えて、固形分0.6質量%となるように希釈して、熱硬化性樹脂組成物の塗工液を得た。
この熱硬化性樹脂組成物の塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み31μm、塗工液が塗工される面の算術平均粗さRa10nm、最大突起高さRp80nm)からなる基材に、乾燥後の膜厚が15nmとなるように均一に塗工し、120℃で60秒乾燥させて、帯電防止層を形成した。
(離型層の形成)
両末端トリビニル変性直鎖状ポリオルガノシロキサン、分岐状ビニル変性オルガノシロキサンオリゴマー、および、ポリメチルハイドロジェンシロキサンの混合物(質量平均分子量:287000)を、固形分30質量%となるようにMEKで希釈した。この希釈液100質量部に対して、白金系触媒(信越化学工業株式会社製,PL−50T)2質量部を加え、MEKで固形分濃度が0.7質量%となるように調整し、付加反応型シリコーン樹脂組成物の塗工液を得た。
得られた塗工液を、乾燥後の膜厚が坪量0.04g/m2となるように、帯電防止層とは反対面のポリエチレンテレフタレートフィルムにバーコート法により均一に塗布した後、130℃で1分間乾燥させて離型層を形成し、帯電防止層と離型層が積層された離型フィルムを得た。
[比較例1]
水とIPAの混合溶媒(質量比1:1)の添加量を調整して、熱硬化性樹脂組成物の塗工液の固形分濃度を0.5質量%とし、乾燥後の膜厚が10nmとなるように塗工した以外は、実施例1と同様に帯電防止層を形成した。その後、実施例1と同様に、帯電防止層の上に離型層を形成した。
[比較例2]
水とIPAの混合溶媒(質量比1:1)の添加量を調整して、熱硬化性樹脂組成物の塗工液の固形分濃度を2.0質量%とし、乾燥後の膜厚が300nmとなるように塗工した以外は、実施例1と同様に帯電防止層を形成した。その後、実施例1と同様に、帯電防止層の上に離型層を形成した。
[比較例3]
希釈液Aに、水とIPAの混合溶媒(質量比1:1)を加えて、固形分0.6質量%となるように希釈して樹脂組成物の塗工液を得た。この樹脂組成物は、メラミン化合物(C)を含有しておらず、熱硬化を有していないものである。樹脂組成物の塗工液を、実施例1と同様の基材に、乾燥後の膜厚が15nmとなるように均一に塗工し、120℃で60秒乾燥させて、帯電防止層を形成した。その後、実施例1と同様に、帯電防止層の上に離型層を形成した。
[比較例4]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート及びN−ビニルピロリドンを質量比で45:20:10の割合で含有するアクリル系モノマー混合物75質量部と、酢酸ブチル20質量部と、IPA30質量部とを含有するバインダー溶液125質量部に、PEDOT−PSSを1.3質量%の割合で含有する水溶液15.5質量部、及びα−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルメタノン(光開始剤)0.2質量部を混合し、更にアクリル系モノマー混合物およびPEDOT−PSSの合計量が2.5質量%になるようにIPAで希釈して、光硬化型樹脂組成物の塗工液を得た。
この光硬化型樹脂組成物の塗工液を実施例1と同様の基材に、乾燥後の膜厚が100nmとなるように均一に塗工し、70℃で60秒間乾燥させた後、紫外線を光量200mJ/cm2照射して帯電防止層を形成した。その後、実施例1と同様に、帯電防止層の上に離型層を形成した。
[比較例5]
テトラエトキシシランの部分加水分解物(コルコート社製、N−103X)をIPAにて固形分0.6質量%になるように希釈して、樹脂塗工液にした。この樹脂塗工液を、乾燥後の膜厚が70nmとなるように、実施例1と同様の基材の上に均一に塗工し、120℃で60秒間乾燥させて、帯電防止層を形成した。その後、実施例1と同様に、帯電防止層の上に離型層を形成した。
Figure 0006678933
※なお、表1において、(A)成分(PEDOT−PSS)の質量部は、(B)成分100質量部に対する質量部を示す。(C)成分(メラミン化合物)の質量部は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対する質量部を示す。
以上の実施例1〜5では、平滑な基材の上に、PEDOT−PSSを含む水性熱硬化性樹脂組成物によって、所定厚みの帯電防止層を形成することで、離型フィルムの帯電防止性能を良好にしつつ、帯電防止層の塗膜性、耐溶剤性、オーバーコート性を良好にすることができた。また、帯電防止層表面の平滑性が確保できたため、帯電防止層の上に形成した離型層の算術平均粗さRaや、最大突起高さRpが低くなり、離型層の平滑性が確保できた。さらに、実施例6は、基材の帯電防止層を設けた面とは反対側の面に離型層を設けたものであるが、各種性能を良好にすることができた。
一方で、比較例1の離型フィルムは、帯電防止層が薄かったため、表面抵抗値が高く、十分な帯電防止性能を有することができず、耐溶剤性やオーバーコート性も不十分であった。また、比較例2では、帯電防止層が厚すぎたため、帯電防止層表面の平滑性が確保できず、離型層の表面粗さも大きくなった。
さらに、比較例3、4では、樹脂組成物が、水性熱硬化性ではなかったため、耐溶剤性、オーバーコート性が不十分となり、また、(A)成分に凝集が生じて平滑性を十分に確保できなかった。また、比較例5の離型フィルムは、帯電防止層が(A)成分を含有しないものであり、帯電防止層の耐溶剤性及びオーバーコート性に劣るとともに、離型層の表面粗さが増大し平滑性を十分に確保できなかった。
10A,10B 離型フィルム
11 基材
11A 一方の面
12 帯電防止層
13 離型層

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材の一方の面上に設けられた帯電防止層と、前記帯電防止層の上、又は前記基材の他方の面側に設けられた離型層とを備え、
    前記基材の一方の面は、算術平均粗さRaが15nm以下、最大突起高さRpが150nm以下であるとともに、
    前記帯電防止層が、ポリチオフェン系導電性高分子(A)を含む水性熱硬化性樹脂組成物を硬化してなるものであるとともに、前記帯電防止層の厚みが12〜250nmであり、
    前記水性熱硬化性樹脂組成物が、さらに水酸基含有ポリエステル樹脂(B)と、メラミン化合物(C)とを含み、
    前記水性熱硬化性樹脂組成物が、ポリチオフェン系導電性高分子(A)及び水酸基含有ポリエステル樹脂(B)の合計100質量部に対して、メラミン化合物(C)を8〜35質量部含有する、離型フィルム。
  2. 前記離型層が、前記帯電防止層の上に設けられる請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 前記離型層の算術平均粗さRaが10nm未満、最大突起高さRpが100nm未満である請求項1又は2に記載の離型フィルム。
  4. 前記水性熱硬化性樹脂組成物が、水酸基含有ポリエステル樹脂(B)100質量部に対して、ポリチオフェン系導電性高分子(A)を0.5〜50質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  5. メラミン化合物(C)が、メチロールメラミンである請求項1〜4のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  6. 前記ポリチオフェン系導電性高分子(A)が、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホネートの混合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  7. セラミックグリーンシートの製造工程用に用いられる請求項1〜6のいずれか1項に記載の離型フィルム。
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