JP6678869B1 - 壁用放射線遮蔽構造体、放射線遮蔽室及びその構築方法 - Google Patents

壁用放射線遮蔽構造体、放射線遮蔽室及びその構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】小さく形成された部材により構築でき、しかも放射線の直接線又は漏洩線に対して一定の遮蔽厚を確保することができる壁用放射線遮蔽構造体を提供する。【解決手段】本発明の壁用放射線遮蔽構造体3は、放射線遮蔽性能を有する材質からなり壁の幅方向に延びる板状の遮蔽板体11を、該壁の幅方向に延びるように形成されたV字状凹溝における一対の斜面それぞれに対して交互に上方へ積層することにより構築された壁用放射線遮蔽構造体3を備えており、いずれの前記遮蔽板体11の板面に対しても放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように、前記V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度が設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、リニアック室やシェルター等における放射線を遮蔽するための壁用放射線遮蔽構造体、放射線遮蔽室及びその構築方法に関するものである。
第1の背景技術としては、次のように構築される放射線遮蔽室100(図24参照)を例示する。すなわち、まず、室内側の内壁部及び内天井部を含む内側部101が鉄筋コンクリートで構築される。次いで、内壁部の外側と、内天井部の上側に、それぞれ複数の遮蔽層102aが積層されてなる放射線遮蔽体102が構築される。各遮蔽層102aは、縦及び横のサイズがそれぞれ数メートルあり、一枚の重量が数トンある鉄板からなっている。最後に、放射線遮蔽体102の外側に外壁部及び外天井部を含む外側部103が鉄筋コンクリートで構築される。
第2の背景技術としては、各層の遮蔽層がそれより小さく形成された遮蔽板により構成されているものを例示する(特許文献1参照)。すなわち、各層の遮蔽層は、複数枚の遮蔽板が隙間を隔てて配置されて構成され、最も室内側の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板は、前記埋込みプレートの溶接面に溶接によって固定し、最も室内側の前記遮蔽層以外の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板は、室内側の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板の室外側の面に溶接によって固定するようになっている。そして、前記各遮蔽層の隙間は、各前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板の厚さ方向に重ならないように位置しており、複数の前記遮蔽層を積層して固定した後、さらに室外側に全ての前記隙間に亘る範囲を覆うように、最も室外側の前記遮蔽層の前記遮蔽板の室外側に補助遮蔽板を溶接によって固定するようになっている。
第3の背景技術としては、原子力施設における放射線を遮蔽する室の出入口の天井から吊り下げ設置され、鉛板と鉄板とが対面して固定された短冊状遮蔽羽根を複数枚重ね合せて羽根群とし、該遮蔽羽根の両端部に設けた複数の貫通孔にワイヤロープを挿通し、該ワイヤロープの操作により前記遮蔽羽根群が上下に伸縮自在でかつその羽根群の角度が自在に調節できるように構成された機構を具備した放射線遮蔽装置を例示する(特許文献2参照)。
第4の背景技術としては、 放射線が外部へ漏洩するのを防止する為の遮蔽体であって、定尺の薄板鉄板を1枚毎の各端面を斜面に仕上げ、数十枚積み重ね合わせて形成された鉄板ブロックと同様の鉄板ブロックを接合させたものを単位ユニットとし、その単位ユニットを順次繋ぎ合わせ、接合させ遮蔽体を構造することとする放射線遮蔽体が開示されている。接合部分に生じた隙間による厚みの欠損部分は補助板を外面に設けることにより補うように構成されている放射線遮蔽体を例示する(特許文献3参照)。
第5の背景技術としては、JIS Z4817(1995)における放射線遮へい用鉛ブロックを例示する。このブロックは、形状が略矢形に、サイズが高さ50mm×横100mm×縦200mm程度に、重量が約11kgに構成されている。
特許第6456186号公報 実願昭56−18210号(実開昭57−132296号)のマイクロフィルム 特開2010−145127号公報
第1の背景技術では、各層の遮蔽層102aを1枚の鉄板で構成しており、そのサイズが大きいため、寸法精度、特に歪み・平滑度の規格を確保する作業に人手に頼らざる負えなく、製造に時間が掛かかり、保管場所、輸送手段に制約があるという課題がある。また、施工時、大型クレーンが必要であったり、途中コンクリート打ちでの手待ち時間が掛かったり、放射線遮蔽室100が完成しないと他の上階において大型クレーンを使っての柱や梁の工事ができないため手待ち時間が長くなったりするという課題もある。さらに、一枚の遮蔽層102aが数トンと重く、縦壁の施工時に立てた遮蔽層102aを並べて施工するため、危険であり、その施工も精度が必要で、施工時間が掛かるという課題もある。
第2の背景技術では、各層の遮蔽層をそれより小さく形成された遮蔽板により構成することにより、第1の背景技術における課題の解決を図っている。しかし、そのように遮蔽板が小さく形成されているため、最も室内側の前記遮蔽層以外の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板は、室内側の前記遮蔽層を構成する前記遮蔽板の室外側の面に溶接によって固定する必要がある。その際、同じ遮蔽層を構成する遮蔽板同士は溶接作業が可能な隙間を隔てた状態で対向配置する必要があるとともに、異なる遮蔽層の隙間同士が、遮蔽層の厚さ方向において重ならないように、ずらして配置する必要がある。さらに、前記遮蔽板同士の間に隙間を設けているため、室外側に全ての前記隙間に亘る範囲を覆うように、最も室外側の前記遮蔽層の前記遮蔽板の室外側に補助遮蔽板を溶接によって固定する必要がある。そのため、それらの施工の手間と時間が掛かるという課題がある。
第3の背景技術では、ブラインドカーテン状であるため、遮蔽羽根の角度調節が可能である反面、遮蔽羽根同士の間や、最上位の遮蔽羽根と天井面との間や、最下位の遮蔽羽根と床面との間や、遮蔽羽根と壁面との間に、構造的に隙間を確保する必要があり、それらの隙間を散乱線が通過するという課題がある。また、同じく構造的に天井と床部の遮蔽厚が確保できないという課題もある。
第4の背景技術では、薄板鉄板の各端面が斜面に仕上げられることにより、それぞれが刃物の刃のようになっているため、施工時の事故対策が必要になる。また、そのような薄板鉄板を数十枚積み重ね合わせて鉄板ブロックを形成し、その鉄板ブロック同士を接合させたものを単位ユニットとし、さらに、その単位ユニットを順次繋ぎ合わせて接合させることにより遮蔽体を構成するようになっているため、施工に手間と時間が掛かるという課題がある。さらに、鉄板ブロック同士や単位ユニット同士の接合部に隙間が生じ易く、それによる厚みの欠損部分を補助板で補う必要があり、その施工の手間と時間が掛かるという課題もある。なお、前記斜面の角度をどのように設定するかについては開示されていない。
第5の背景技術では、ブロックの製造面において、鉛のインゴットを溶解、精錬し、鋳込み型に流し込む工程を行うが、その生産性を上げるためには鋳込み型が多数必要であり、しかも製品形状が複雑なため、脱枠・鋳込み型のセット等の作業に人手が多く必要で納期が長くなるという課題がある。また、ブロックの施工面においては、約10kg程度の小さいブロックを施工するため、ブロックを積み上げていくと高い部分では倒れる危険性がより高くなったり、ブロックの使用個数が多くなるため施工時間が長くなったりするという課題もある。
前記課題を解決するために、本発明の壁用放射線遮蔽構造体は、
放射線遮蔽性能を有する材質からなり壁の幅方向に延びる板状の遮蔽板体を、該壁の幅方向に延びるように形成されたV字状凹溝における一対の斜面それぞれに対して交互に上方へ積層することにより構築されている。
前記壁用放射線遮蔽構造体としては、
いずれの前記遮蔽板体の板面に対しても放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように、前記V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度が設定されている態様を例示する。
本発明の壁用放射線遮蔽構造体を、室内に存在する放射線発生装置からの放射線の防護施設、防護装置等(例えば、リニアック室等)に設ける場合は次のとおりとする。
前記直接線とは、アイソセンター等の放射線がもっとも集中して照射される部位(以下、「アイソセンター等」という。)に向けて照射される放射線をいい、前記漏洩線とは、前記直接線の照射に際して、該直接線の照射方向以外の方向に漏洩する放射線をいい、また、前記直接線又は/及び前記漏洩線が散乱することにより二次的な放射線を散乱線という。放射線強度は、大きい方から、直接線、漏洩線、散乱線の順になる。本書においては、特に断らない限り、前記直接線及び前記漏洩線には、散乱線を含まないものとし、単に「放射線」というときは、前記直接線又は/及び前記漏洩線のことを指しているものとする。壁に入射する直接線の角度のスカラーの範囲は、壁に入射する漏洩線の角度のスカラーの範囲に含まれるので、漏洩線の角度範囲について対策すれば、直接線の対策もできることになる。散乱線はあらゆる角度から壁に入射する可能性があるが、本発明では前記遮蔽板体をV字状に組み合わせることにより、散乱線対策としている。
また、前記壁と前記放射線の間には次の関係がある。
(1)アイソセンター等と前記壁との距離が短くなると、前記壁に入射する放射線の最大角度のスカラーは大きくなる。
(2)アイソセンター等の高さが壁の高さの1/2より低いときは、壁の上端に入射する放射線の角度のスカラーが、前記壁に入射する最大角度のスカラーとなる。また、同1/2より高いときは、壁の下端に入射する放射線の角度のスカラーが、前記壁に入射する最大角度のスカラーとなる。さらに、前記壁におけるアイソセンター等の高さに入射する放射線の角度が最小角度のスカラーとなる。つまり、前記壁の上下方向の位置に応じて入射する放射線の角度のスカラーは異なり、前記壁に対するアイソセンター等の相対高さによって、壁の上端側と下端側で、入射する放射線の角度のスカラーに差が生じることがある。
(3)電子銃からの電子をターゲット(タングステン等)に当て、それにより発生した放射線をタングステン等のスリットを通してアイソセンター等に照射するように放射線発生装置が構成されている場合、ターゲットとアイソセンター等の距離が大きくなればなるほど、前記壁に入射する最大角度のスカラーは大きくなるとともに、散乱線も増える。
本発明の壁用放射線遮蔽構造体を、外部に存在又は仮想する放射線源からの放射線の防護施設、防護装置等(例えば、シェルター等)に設ける場合は次のとおりとする。
前記直接線又は漏洩線とは、事故又は故障により放射線源となり得る核関連施設、核関連装置、核関連兵器や、核関連兵器により攻撃された場所等の外部における主要な放射線源から放出される放射線をいい、直接線と漏洩線を区別して扱ってもよいし、特に区別せずに扱ってもよい。このような主要な放射線源から飛散した微粒子、粒子、施設・装置・兵器等の破片等の二次的な放射線源から放出される放射線は、本書では、前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を設定する対象としての前記直接線又は漏洩線には含めない(前記二次的な放射線源から放出される放射線を防護しないという意味ではない。)。
前記主要な放射線源が外部に存在している状態で設置する場合は、前記主要な放射線源から放射される直接線又は漏洩線に対して前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を設定するものとする。
また、前記主要な放射線源が外部に存在していない状態で設置する場合は、このような放射線源からの直接線又は漏洩線が水平線とほぼ平行に入射するほど十分な距離をおいた設置場所になっているものと仮想し、本発明の壁用放射線遮蔽構造体は、該水平線とほぼ平行に入射する直接線又は漏洩線に対して前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を設定するものとする。
前記遮蔽板体の仕様としては、特に限定されないが、次の仕様を例示する。
(1)材質は、鉄、鉛、酸化鉄(ヘマタイト不焼成品及び、ヘマタイト焼結品、及び、ヘマタイト電鋳煉瓦)、コンクリートブロック、ホウ素焼結品及び、ホウ素不焼成品、カドミウム系成形品、ポリエチレン、バリウム系成形品、硫酸バリウム等の放射線遮蔽性能を有する公知の材料からなるものや、同公知の材料からなる複数の板材を積層させたもの等を例示する。
(2)板面サイズは、製作、運搬、保管がし易いことが好ましく、標準的なパレット(1.1m四方のもの)に積載可能なものにすることを例示する。
(3)厚さは、5〜300mmの範囲内に形成すること、好ましくは5〜200mmの範囲内に形成することを例示する。前記遮蔽板体の厚さは、特に限定されないが、厚い方が、使用枚数が少なくなるため、製造コストが安く、施工時間は早くなるが、施工の難易度が上がり、及び、運搬・保管に制約がでる一方、薄い方が、使用枚数が多くなるため、製造コストが高く、施工時間が長くなるが、施工時の注意・運搬・保管の管理がし易くなる。
(4)端面の角度は、適宜形成可能ではあるが、90°の場合が最も製造コストが安くなり、同角度がそれ以外の場合、特に90°より小さい場合がコスト高となる。
(5)重量は、5〜1000kgの範囲内にすること、好ましくは5〜800kgの範囲内にすること、さらに好ましくは5〜600kgの範囲内にすることを例示する。
(6)板面形状としては、特に限定されないが、矩形、平行四辺形、又は台形等に形成することを例示する。
前記一対の斜面に積層する前記遮蔽板体としては、特に限定されないが、両斜面とも同一であってもよく、各斜面で異なっていてもよい。また、前記V字状凹溝におけるV字形状としては、特に限定されないが、左右対称又は左右非対称のいずれでもよい。また、前記遮蔽板体としては、複数の板を積層したもの(各板は互いに結合してもしなくてもよい。)を用いることもできる。
前記一対の斜面それぞれの傾斜角度としては、特に限定されないが、水平線に対して10〜80°とすることを例示する。前記一対の斜面それぞれの傾斜角度は互いに同一にしてもよいし、互いに異ならせてもよい。
前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を45°にすると、該一対の斜面に対して、同一形状(前記端面角度90°)かつ同一サイズの前記遮蔽板体を使用することができるので、製造コストが安くなるとともに施工も簡略化することができる。
前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を互いに異ならせるときは、該一対の斜面それぞれに積層する遮蔽板体の厚さを次式のように設定すると、本発明の放射線遮蔽構造体を垂直に構築することができるので、好ましい。次式において一対の斜面それぞれの傾斜角度(°)をα、β(α>β)とし、傾斜角度α、βそれぞれの遮蔽板体の厚さをd、m(d<m)とする。
また、上述したように前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を互いに異ならせるときは、前記数式を用いて、mがdのc倍(cは整数)になるようにα及びβを設定すると、厚さmの遮蔽板体として厚さdの板をc枚積層したものを用いることができるため、厚さdの板のみで本発明の放射線遮蔽構造体を構築することができる。
前記一対の斜面上における一対の前記遮蔽板体の組合せ方としては、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(a)一方の前記遮蔽板体の側面を、他方の前記遮蔽板体の前記板面における側端縁に当接又は略対峙させるように組み合わせた態様。
(b)少なくとも一方の前記遮蔽板体を、その前記板面に対して側面を非直角に形成し、該側面を他方の遮蔽板体の側面に当接又は略対峙させるように組み合わせた態様。
前記壁用放射線遮蔽構造体としては、特に限定されないが、前記遮蔽板体を、前記V字状凹溝における一対の斜面それぞれに対して交互に上方へ積層することにより構築された構成が、壁の施工厚さ方向に複数列設されたものとすることもできる。
前記壁用放射線遮蔽構造体の遮蔽性能の調節方法としては、特に限定されないが、次の態様を例示する。
(A)前記遮蔽板体の幅又は/及び施工厚さを変更することにより調節する態様。
(B)前記遮蔽板体を、前記V字状凹溝における一対の斜面それぞれに対して交互に上方へ積層することにより構築された構成の、壁の施工厚さ方向への列設数を変更することにより調節する態様。
(C)前記(A)〜(B)を適宜組み合わせた態様。
前記壁用放射線遮蔽構造体としては、特に限定されないが、上下に隣接する前記遮蔽板体同士を結合してもよく、該結合手段としては特に限定されないが、溶接、接着等の手段を例示する。
この構成によれば、次の作用効果を得ることができる。
(1)壁の幅方向に延びる板状の前記遮蔽板体という単純な形状の部材から構成されており、しかも壁の全面をカバーする部材を用いる場合と比較して小さく形成することができるので、寸法精度よく製造することが容易にでき、保管場所、輸送手段の制約が少ない。また、各前記遮蔽板体の重量を軽くできるので、施工が容易で、施工時間も短縮でき、しかも大型の機械を使用せずに施工することができる。
(2)前記V字状凹溝に対し、前記遮蔽板体を上方に積層すれば構築することができ、該遮蔽板体同士を溶接する場合でも両者の間に溶接用の隙間を設ける必要がないし、該隙間を設けないのでそのような隙間による遮蔽性能の低下を補う必要もない。そのため、施工が容易で、施工時間も短縮できる。
(3)いずれの前記遮蔽板体の板面に対しても放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように、前記V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度が設定されているので、該放射線に対して一定の遮蔽厚を確保することができる。また、前記遮蔽板体がV字状に積層された構造となっているので、仮に散乱線が該V字状における一方の前記遮蔽板体の板面に平行に入射したとしても、他方の前記遮蔽板体によって遮蔽することができる。
前記壁用放射線遮蔽構造体としては、
放射線遮蔽性能を有する材質からなり、前記V字状凹溝が上面に形成された始点遮蔽部を備え、
該始点遮蔽部の上に前記遮蔽板体が積層されている態様を例示する。
前記始点遮蔽部としては、特に限定されないが、全体を一体的に形成してもよいし、別体の部材を組み合わせることにより形成してもよい。
この構成によれば、前記壁用放射線遮蔽構造体の下端部における遮蔽性能を確保できるとともに、前記壁用放射線遮蔽構造体を容易に構築することができる。
前記壁用放射線遮蔽構造体としては、
放射線遮蔽性能を有する材質からなり、最上層における隣接する一対の前記遮蔽板体の間に形成されるV字状凹溝を埋めるように嵌装される終点遮蔽部を備えている態様を例示する。
前記終点遮蔽部としては、特に限定されないが、全体を一体的に形成してもよいし、別体の部材を組み合わせることにより形成してもよい。
この構成によれば、前記壁用放射線遮蔽構造体の上端部における遮蔽性能を確保できるとともに、天井用の放射線遮蔽構造体と併用する場合にそれとの接続を容易に行えるようにすることができる。
前記壁用放射線遮蔽構造体としては、
放射線遮蔽性能を有する材質からなり、下面に形成されたV字状凸条と、上面に形成されたV字状凹溝とを備えており、前記V字状凸条及び前記V字状凹溝における一対の斜面それぞれの傾斜角度が互いに異なるように設定されている角度変更アダプタを備え、
積層される前記遮蔽板体の間に該角度変更アダプタを介装することにより隣接する一対の前記遮蔽板体の間に形成されるV字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を変更するように構成された態様を例示する。
前記角度変更アダプタとしては、特に限定されないが、一体形成されている態様や、分割形成されている態様を例示する。
この構成によれば、放射線に対する遮蔽厚を減少させることなく、隣接する一対の前記遮蔽板体の間に形成されるV字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を、前記壁用放射線遮蔽構造体における高さ方向の途中で容易に変更することができる。
前記壁用放射線遮蔽構造体としては、
前記遮蔽板体は、前記壁の幅方向に列設された複数の遮蔽板片により分割形成されており、
前記遮蔽板体における隣接する遮蔽板片の接合面は、放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように形成されている態様を例示する。
前記遮蔽板片の板面の形状としては、特に限定されないが、矩形、平行四辺形、又は台形等に形成することを例示する。また、上下に隣接する前記遮蔽板体における前記接合面の位置は、相互にずらされている方が、前記壁用放射線遮蔽構造体の強度及び遮蔽性能を確保することができ、好ましい。その他の前記遮蔽板片の仕様としては、特に限定されないが、前述した前記遮蔽板体の仕様と同様にすることが好ましい。
この構成によれば、前記遮蔽板体よりもさらに小さく形成された前記遮蔽板片により構築することができるので、さらに寸法精度よく製造することが容易にでき、保管場所、輸送手段の制約がさらに少ない。また、前記遮蔽板片は、前記遮蔽板体よりも重量をさらに軽くできるので、施工が容易で、施工時間も短縮でき、しかも大型の機械を使用せずに施工することができる。
また、本発明の放射線遮蔽室は、内側壁及び内側天井を含む内側部と、該内側部における内側壁の室外側に構築された前記壁用放射線遮蔽構造体と、該内側部における内側天井の室外側に構築され、放射線遮蔽性能を有する材質からなる天井用放射線遮蔽構造体と、前記壁用放射線遮蔽構造体及び前記天井用放射線遮蔽構造体を接続する、放射線遮蔽性能を有する材質からなるコーナー遮蔽体とを備えている。
前記内側部としては、特に限定されないが、石質材料、木質材料、土質材料、金属質材料、樹脂材料等の公知の各種材料によって形成又は構成されている態様を例示する。
前記天井用放射線遮蔽構造体の構造としては、特に限定されないが、前記内側天井の上面に放射線遮蔽性能を有する材質からなる板体を上方に積層した態様や、前記壁用放射線遮蔽構造体を横向きにした態様等を例示する。
特に限定されないが、前記放射線遮蔽室の天井側の技術思想と同様の技術思想に基づいて、前記放射線遮蔽室の床側も構築することができ、具体的には、天井用放射線遮蔽構造体に相当する床用放射線遮蔽構造体と、前記壁用放射線遮蔽構造体及び前記床用放射線遮蔽構造体を接続する、床用コーナー遮蔽体とを床側にも備えさせることができる。さらに、例えば、前記天井用放射線遮蔽構造体、前記壁用放射線遮蔽構造体及び前記床用放射線遮蔽構造体の構造を同一にすれば、使用する前記板状の遮蔽板体の種類を少なくでき、低コストに構築することができる。
この構成によっても、前記壁用放射線遮蔽構造体と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、本発明の放射線遮蔽室の構築方法は、
前記放射線遮蔽室を構築する方法であって、
前記内側壁及び前記内側天井を含む前記内側部を構築する工程と、
前記内側壁の室外側に前記壁用放射線遮蔽構造体を構築するとともに、前記内側天井の室外側に前記天井用放射線遮蔽構造体を構築する工程と、
前記壁用放射線遮蔽構造体及び前記天井用放射線遮蔽構造体を接続する前記コーナー遮蔽体を構築する工程とを含んでいる。
この構成によれば、前記壁用放射線遮蔽構造体と、前記天井用放射線遮蔽構造体を同時に構築することができるので、工期を短縮することができる。
本発明に係る壁用放射線遮蔽構造体によれば、小さく形成された部材により構築でき、しかも放射線の直接線又は漏洩線に対して一定の遮蔽厚を確保することができるという優れた効果を奏する。
また、本発明に係る放射線遮蔽室によっても、該壁用放射線遮蔽構造体と同様の効果を奏する。
さらに、本発明に係る放射線遮蔽室の構築方法によれば、工期を短縮することができるという優れた効果を奏する。
本発明を具体化した第一実施形態に係る壁用放射線遮蔽構造体及びそれを含む放射線遮蔽室の全体構成を示す縦断面図である。 同壁用放射線遮蔽構造体の遮蔽板片を示す図であり、(a)は背面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は右側面図、(e)は正面図である。 同壁用放射線遮蔽構造体の別の遮蔽板片を示す図であり、(a)は背面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は右側面図、(e)は正面図である。 同壁用放射線遮蔽構造体の始点遮蔽部の構成部材を示す図であり、(a)は背面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は右側面図、(e)は正面図である。 同壁用放射線遮蔽構造体の始点遮蔽部の別の構成部材を示す図であり、(a)は背面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は右側面図、(e)は正面図である。 同放射線遮蔽室の構築工程を示す縦断面図である。 同放射線遮蔽室の別の構築工程を示す縦断面図である。 同放射線遮蔽室における壁用放射線遮蔽構造体の構築方法を段階的に示す縦断面図である。 同放射線遮蔽室における壁用放射線遮蔽構造体の構築方法を段階的に示す平面図である。 同放射線遮蔽室における天井用放射線遮蔽構造体の構築方法を段階的に示す縦断面図である。 同放射線遮蔽室のさらに別の構築工程を示す斜視図である。 同放射線遮蔽室に設置される放射線照射装置から照射される放射線における直接線及び漏洩線の照射範囲を示す縦断面図である。 同放射線遮蔽室における壁用放射線遮蔽構造体に対し放射線照射装置から照射される放射線を示す縦断面図である。 同放射線遮蔽室における壁用放射線遮蔽構造体に対し放射線照射装置から照射される放射線を示す平面図である。 本発明を具体化した第二実施形態に係る壁用放射線遮蔽構造体及びそれを含む放射線遮蔽室の全体構成の要部を示す縦断面図である。 同放射線遮蔽室における天井用放射線遮蔽構造体の構成部材を示す図であり、(a)は背面図、(b)は左側面図、(c)は平面図、(d)は右側面図、(e)は正面図である。 同放射線遮蔽室における天井用放射線遮蔽構造体の構築方法を段階的に示す縦断面図である。 本発明を具体化した第三実施形態に係る壁用放射線遮蔽構造体の全体構成の要部を示す縦断面図である。 同壁用放射線遮蔽構造体の構築方法を段階的に示す縦断面図である。 同壁用放射線遮蔽構造体の構築方法を段階的に示す平面図である。 遮蔽板体及び遮蔽板片の作用を示す平面図であり、(a)は遮蔽板片の平面視形状が平行四辺形の場合、(b)は同形状が台形の場合の図である。 壁用放射線遮蔽構造体におけるV字状凹溝を左右非対称に形成した態様の例を示す縦断面図である。 本発明の放射線遮蔽室における天井用放射線遮蔽構造体の変更例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。 従来の放射線遮蔽室の全体構成を示す縦断面図である。
以下、本発明を壁用放射線遮蔽構造体3及びそれを含む放射線遮蔽室1に具体化した第一実施形態について、図1〜図14を参照しながら、該放射線遮蔽室1の構築方法とともに説明する。
本発明の放射線遮蔽室1は、図1に示すように、床部2a、内側壁2b及び内側天井2cを含む内側部2と、該内側部2における内側壁2bの室外側に構築された壁用放射線遮蔽構造体3と、該内側部2における内側天井2cの室外側に構築された天井用放射線遮蔽構造体4と、前記壁用放射線遮蔽構造体3及び前記天井用放射線遮蔽構造体4を接続するコーナー遮蔽体5と、壁用放射線遮蔽構造体3、天井用放射線遮蔽構造体4、及びコーナー遮蔽体5の室外側に構築された外側部6とを備えている。
内側部2は、図6に示すように、床部2a、内側壁2b、及び内側天井2cを含んでおり、鉄筋コンクリートにより施工されている。内側壁2bの室外側における床面には、壁の幅方向に延びる矩形状凹溝2dが形成されている。また、外側部6も、内側部2と同様に鉄筋コンクリートにより施工されている。
壁用放射線遮蔽構造体3は、上下に積層された複数の遮蔽板体11と、それらの下端部及び上端部にそれぞれ設けられた始点遮蔽部12及び終点遮蔽部13とにより構成されている。
遮蔽板体11は、放射線遮蔽性能を有する材質である鉄からなり壁の幅方向に延びる板状に形成されている。この遮蔽板体11は、後述する始点遮蔽部12のV字状凹溝12aにおける一対の斜面それぞれに対して交互(具体的には室内側斜面、室外側斜面の順に交互)に上方へ積層されている。前記一対の斜面上における一対の前記遮蔽板体11の組合せ方は、一方の前記遮蔽板体11の側面を、他方の前記遮蔽板体11の前記板面における側端縁に当接させるように組み合わせた態様となっている。遮蔽板体11はすべて同一に形成されている。上下に隣接する遮蔽板体11同士は溶接により結合するようにしてもよい。上下に積層された複数の遮蔽板体11は、それら全体としての重心が、壁の厚さ方向に平行な縦断面視で略中央に位置するようになっているので、該遮蔽板体11を上方へ安定的に積層することができる。
前記遮蔽板体11は、前記壁の幅方向に列設された複数の遮蔽板片11aにより分割形成されており、前記遮蔽板体11における隣接する遮蔽板片11aの接合面は、放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように形成されている。前記遮蔽板片11aの板面の形状は、壁の幅方向の中間部のものが平行四辺形に形成されており(図2参照)、同方向の両端部が台形に形成されている(図3参照)。また、上下に隣接する前記遮蔽板体11における両端部の遮蔽板片11aの長さを調節することにより、前記接合面の位置は、相互にずらされている。
前記遮蔽板片11aの仕様としては、特に限定されないが、前記壁の幅方向の長さを1.1m程度以下、重さを5〜1000kg程度とすることを例示する。具体的には、図2に示す平行四辺形の場合、a=680mm、b=50mm、c=550mm、d=1100mm、重量約150kgに設定し、図3に示す台形の場合、a=680mm、b=50mm、c=200mm、d=750mm、重量約130kgに設定し、矩形の場合、幅(図2のaに相当)680mm、厚さ(図2のbに相当)50mm、長さ(図2のc及びdに相当)1100mm、重量約300kgに設定することを例示する。
始点遮蔽部12は、放射線遮蔽性能を有する材質からなり、前記V字状凹溝が上面に形成されている。本例の始点遮蔽部12は、断面直角三角形に形成された大小2本の三角柱体14を組み合わせてなっている。前記V字状凹溝におけるV字形状は、左右非対称(斜面の長さが室内側よりも室外側が長い。)に形成されているが、V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度は左右対称に設定されている。この始点遮蔽部12は、金属アングルとアンカーボルトで床部2aに対し固定する。この固定は、溶接又は接着により補強することが好ましい。更に、床下に直角三角形を埋めて固定する事が好ましい。
終点遮蔽部13は、放射線遮蔽性能を有する材質からなり、最上層における隣接する一対の前記遮蔽板体11の間に形成されるV字状凹溝を埋めるように嵌装される。本例の終点遮蔽部13は、始点遮蔽部12における小さい方の2本の三角柱体14を組み合わせてなっている。
各三角柱体14は、前記壁の幅方向に列設された複数の三角柱片14aにより分割形成されており、前記三角柱体14における隣接する三角柱片14aの接合面は、放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように形成されている。前記三角柱片14aの平面視の形状は、壁の幅方向の中間部のものが平行四辺形に形成されており(図4参照)、同方向の両端部が台形に形成されている(図5参照)。
前記三角柱片14aの仕様としては、特に限定されないが、前記壁の幅方向の長さを1.1m程度以下、重さを5〜1000kg程度とすることを例示する。具体的には、図4に示す平行四辺形の場合、a=680mm、b=650mm、c=330mm、d=460mm、重量約250kgに設定し、図5に示す台形の場合、a=680mm、b=650mm、c=330mm、d=460mm、重量約250kgに設定することを例示する。
コーナー遮蔽体5は、壁用放射線遮蔽構造体3の上面と、天井用放射線遮蔽構造体4の側面とを接続するものであり、放射線遮蔽性能を有する材質としての鉄からなっている。本例のコーナー遮蔽体5は、壁用放射線遮蔽構造体3の上端面と、天井用放射線遮蔽構造体4の側面との間に生じる矩形状凹部を埋める直方体形に形成されており、本例では、複数の板体5aが積層されてなっている。コーナー遮蔽体5としては、天井用放射線遮蔽構造体4の側面を覆うように壁用放射線遮蔽構造体3を上方に延設した部位や、壁用放射線遮蔽構造体3の上面を覆うように天井用放射線遮蔽構造体4を側方に延設した部位を使用することもできる。
図11に示すように、壁用放射線遮蔽構造体3、天井用放射線遮蔽構造体4、及びコーナー遮蔽体5は、それらを囲むように配設した金属アングル15の端部を内側部2のコンクリートにアンカーボルト(図示略)や溶接で固定しながら構築するようにしてもよい。また、同図に示すように、金属アングル15の長尺部における長さ方向の途中部に、該長尺部における張力を調節するための張力調節部16を設けてもよい。
この壁用放射線遮蔽構造体3においては、いずれの前記遮蔽板体11の板面に対しても放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように、前記V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度が設定されている。
本発明の壁用放射線遮蔽構造体3をリニアック室に設ける場合について説明すると、図12に示すように、前記直接線とは、アイソセンター22(放射線がもっとも集中して照射される部位)に向けてターゲット21から照射される放射線をいう。前記漏洩線とは、前記直接線の照射に際して、該直接線の照射方向以外の方向に漏洩する放射線をいう。また、前記直接線又は/及び前記漏洩線が散乱することにより二次的な放射線を散乱線という。
この前記一対の斜面それぞれの傾斜角度の設定方法としては、例えば、図13に示すように、放射線源としてのターゲット21が壁用放射線遮蔽構造体3から室内方向にX、床面から上方にYbの座標を中心(アイソセンター22)に半径Rの円に沿って回動するものとすると、壁用放射線遮蔽構造体3の室内側における遮蔽板体11であって、床からの高さY3にあるものに入射する放射線の角度θb及びθb´は、次式で求めることができる。放射線は、θb〜θb´の範囲内となる。

ここで、θbは半径Rの高さ方向の高い方からの放射線角度、θb´は半径Rの高さ方向の低い方からの放射線角度、Yは床からの天井の高さ、Y3は壁の床からの高さであり、Y2=Y−Y3としている。
壁用放射線遮蔽構造体3の室内側における遮蔽板体11に対して入射する放射線の角度はθbと角度θb´の間になるので、その間に角度θvが入っていなければ壁用放射線遮蔽構造体3の室内側におけるいずれの前記遮蔽板体11の板面に対しても放射線の直接線又は漏洩線が平行になることはない。 壁下部から天井までの角度を計算できる。
また、遮蔽板体11を構成する遮蔽板片11aの接合面の角度の設定方法としては、図14に示すように、ターゲット21及びアイソセンター22が壁用放射線遮蔽構造体3の幅方向中央に位置しているとすると、ターゲット21が壁用放射線遮蔽構造体3に最も近づいた位置(同図に実線で表した位置)と、最も遠ざかった位置(同図に二点鎖線で表した位置)から該壁用放射線遮蔽構造体3に入射する放射線の直接線又は漏洩線を考慮すればよい。そして、その放射線の入射角度は、壁用放射線遮蔽構造体3の幅方向における両端部が最も大きくなり、その角度はθs1〜θs2の範囲内となる。
ここで、X1は壁用放射線遮蔽構造体3の幅の1/2の値であり、Xはアイソセンターから壁用放射線遮蔽構造体3までの距離である。
壁用放射線遮蔽構造体3の室内側における遮蔽板体11に対して入射する放射線の角度はθs1と角度θs2の間になるので、その間に接合面の角度hが入っていなければ壁用放射線遮蔽構造体3の室内側におけるいずれの前記遮蔽板体11の接合面に対しても放射線の直接線又は漏洩線が平行になることはない。
壁用放射線遮蔽構造体3に対して入射する放射線の角度の考え方は、天井(床側にも天井側と同様の思想で構築された放射線遮蔽構造体を設けるときは天井及び床)と同様に考えることで前記遮蔽板体の接合面の傾斜角度に対して、放射線の直接線又は漏洩線が平行になることはない。
前記天井用放射線遮蔽構造体4は、壁用放射線遮蔽構造体3を横向きにした構造となっている。
本発明の放射線遮蔽室1の構築方法について図面を参照しながら工程ごとに詳細に説明する。
(1)図6に示すように、前記内側壁2b及び前記内側天井2cを含む前記内側部2を鉄筋コンクリートで構築する。このとき、内側壁2bの室外側における床面には、壁の幅方向に延びる矩形状凹溝2dを形成する。
(2)前記内側壁2bの室外側に前記壁用放射線遮蔽構造体3を構築するとともに、前記内側天井2cの室外側に前記天井用放射線遮蔽構造体4を構築する。具体的には、前記壁用放射線遮蔽構造体3は、図8及び図9に示すように、前記矩形状凹溝2dに始点遮蔽部12を設置し、該始点遮蔽部12の上面に形成されたV字状凹溝における一対の斜面それぞれに対して、遮蔽板片11aからなる遮蔽板体11を交互に上方へ積層し、最上層における隣接する一対の前記遮蔽板体11の間に形成されるV字状凹溝を埋めるように終点遮蔽部13を嵌装する。また、前記天井用放射線遮蔽構造体4の構築手順は、図10に示すように、壁用放射線遮蔽構造体3における室内側をまず構築し、次に、同室外側を構築する。
(3)前記壁用放射線遮蔽構造体3及び前記天井用放射線遮蔽構造体4を接続する前記コーナー遮蔽体5を構築する(図7参照)。
(4)外側部6を鉄筋コンクリートで構築する(図1参照)。
以上のように構成された本例の壁用放射線遮蔽構造体3によれば、次の作用効果を得ることができる。
(1)壁の幅方向に延びる板状の前記遮蔽板体11という単純な形状の部材から構成されており、しかも壁の全面をカバーする部材を用いる場合と比較して小さく形成することができるので、寸法精度よく製造することが容易にでき、保管場所、輸送手段の制約が少ない。また、各前記遮蔽板体11の重量を軽くできるので、施工が容易で、施工時間も短縮でき、しかも大型の機械を使用せずに施工することができる。
(2)前記V字状凹溝に対し、前記遮蔽板体11を上方に積層すれば構築することができ、該遮蔽板体11同士を溶接する場合でも両者の間に溶接用の隙間を設ける必要がないし、該隙間を設けないのでそのような隙間による遮蔽性能の低下を補う必要もない。そのため、施工が容易で、施工時間も短縮できる。
(3)いずれの前記遮蔽板体11の板面に対しても放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように、前記V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度が設定されているので、該放射線に対して一定の遮蔽厚を確保することができる。また、前記遮蔽板体11がV字状に積層された構造となっているので、仮に散乱線が該V字状における一方の前記遮蔽板体11の板面に平行に入射したとしても、他方の前記遮蔽板体11によって遮蔽することができる。
また、放射線遮蔽性能を有する材質からなり、前記V字状凹溝が上面に形成された始点遮蔽部12を備え、該始点遮蔽部12の上に前記遮蔽板体11が積層されている。この構成によれば、前記壁用放射線遮蔽構造体3の下端部における遮蔽性能を確保できるとともに、前記壁用放射線遮蔽構造体3を容易に構築することができる。
また、放射線遮蔽性能を有する材質からなり、最上層における隣接する一対の前記遮蔽板体11の間に形成されるV字状凹溝を埋めるように嵌装される終点遮蔽部13を備えている。この構成によれば、前記壁用放射線遮蔽構造体3の上端部における遮蔽性能を確保できるとともに、天井用放射線遮蔽構造体4と併用する場合にそれとの接続を容易に行えるようにすることができる。
また、前記遮蔽板体11は、前記壁の幅方向に列設された複数の遮蔽板片11aにより分割形成されており、前記遮蔽板体11における隣接する遮蔽板片11aの接合面は、放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように形成されている。この構成によれば、前記遮蔽板体11よりもさらに小さく形成された前記遮蔽板片11aにより構築することができるので、さらに寸法精度よく製造することが容易にでき、保管場所、輸送手段の制約がさらに少ない。また、前記遮蔽板片11aは、前記遮蔽板体11よりも重量をさらに軽くできるので、施工が容易で、施工時間も短縮でき、しかも大型の機械を使用せずに施工することができる。
また、本発明の放射線遮蔽室1は、内側壁2b及び内側天井2cを含む内側部2と、該内側部2における内側壁2bの室外側に構築された前記壁用放射線遮蔽構造体3と、該内側部2における内側天井2cの室外側に構築され、放射線遮蔽性能を有する材質からなる天井用放射線遮蔽構造体4と、前記壁用放射線遮蔽構造体3及び前記天井用放射線遮蔽構造体4を接続する、放射線遮蔽性能を有する材質からなるコーナー遮蔽体5とを備えている。この構成によっても、前記壁用放射線遮蔽構造体3と同様の作用効果を得ることができる。
さらに、本発明の放射線遮蔽室1の構築方法は、前記内側壁2b及び前記内側天井2cを含む前記内側部2を構築する工程と、前記内側壁2bの室外側に前記壁用放射線遮蔽構造体3を構築するとともに、前記内側天井2cの室外側に前記天井用放射線遮蔽構造体4を構築する工程と、前記壁用放射線遮蔽構造体3及び前記天井用放射線遮蔽構造体4を接続する前記コーナー遮蔽体5を構築する工程とを含んでいる。この構成によれば、前記壁用放射線遮蔽構造体3と、前記天井用放射線遮蔽構造体4を同時に構築することができるので、工期を短縮することができる。
次に、図15〜図17は本発明を壁用放射線遮蔽構造体3、放射線遮蔽室30及びその構築方法に具体化した第二実施形態を示している。本例の発明は、以下に示す点において、主に第一実施形態と相違している。従って、同実施形態と共通する部分については、同一符号を付することにより重複説明を省く。
図15は、本例の放射線遮蔽室30の全体構成の要部を示している。同図に示すように、放射線遮蔽室30は、天井用放射線遮蔽構造体31の構造のみが第一実施形態と相違している。
天井用放射線遮蔽構造体31は、遮蔽板体32を内側部2の内側天井2cの上に平置きにして上方に積層してなっている。前記遮蔽板体32は、前記内側天井2cの幅方向に列設された複数の遮蔽板片32a(図16参照)により分割形成されており、前記遮蔽板体32における隣接する遮蔽板片32aの接合面は、放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように形成されている。
前記遮蔽板片32aの仕様としては、特に限定されないが、上面及び下面を一辺1000mmの正方形、厚さを50mm、水平面に対する側面の傾斜角度を45°に設定することを例示する。
本例の天井用放射線遮蔽構造体31の構築は、図17に示すように、内側天井2cの上側に遮蔽板体11を一層ずつ平置きにして上方に積層することにより行う。
本例によっても、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、図18〜図20は本発明を壁用放射線遮蔽構造体40及びその構築方法に具体化した第三実施形態を示している。本例の発明は、以下に示す点において、主に第一実施形態と相違している。従って、同実施形態と共通する部分については、同一符号を付することにより重複説明を省く。
図18は、本例の壁用放射線遮蔽構造体40の全体構成を示している。同図に示すように、壁用放射線遮蔽構造体40は、その高さ方向の途中に、角度変更アダプタ41を介装することにより隣接する一対の前記遮蔽板体42の間に形成されるV字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を変更するように構成されている点と、遮蔽板体42、遮蔽板片42a、始点遮蔽部43及び終点遮蔽部44の構成が第一実施形態と相違している。
本例の遮蔽板体42は、壁用放射線遮蔽構造体40の内方に位置する側面が、上面に対して非直角に形成されており、該側面同士を当接させるように組み合わせ、それによって一対の遮蔽板体によりV字が形成されるように構成されている。遮蔽板体42は、第一実施形態におけるそれと同様に、壁の幅方向において複数の遮蔽板片42aに分割形成されている。
角度変更アダプタ41は、放射線遮蔽性能を有する材質からなり、下面に形成されたV字状凸条と、上面に形成されたV字状凹溝とを備えており、前記V字状凸条及び前記V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度が互いに異なるように設定されている。本例の角度変更アダプタ41は、第一実施形態の遮蔽板体11、始点遮蔽部12、及び終点遮蔽部13と同様に、壁の幅方向において複数に分割形成されているだけでなく、壁の厚さ方向においても複数に分割形成されている。
本例の始点遮蔽部43及び終点遮蔽部44は、第一実施形態の始点遮蔽部12及び終点遮蔽部13と同様に壁の幅方向において複数に分割形成されているだけでなく、壁の厚さ方向においても複数に分割形成されている。
本例の壁用放射線遮蔽構造体40の構築は、図19及び図20に示すように、まず、始点遮蔽部43を設置する。次いで、該始点遮蔽部43の上に、遮蔽板片42aの積層と、角度変更アダプタ41の介装とを繰り返す。最後に、最上層の遮蔽板片42aの上に終点遮蔽部44を設置すると完成する。
本例の壁用放射線遮蔽構造体40によれば、第一実施形態と同様の効果に加え、次の効果を得ることができる。即ち、本例の壁用放射線遮蔽構造体40は、放射線遮蔽性能を有する材質からなり、下面に形成されたV字状凸条と、上面に形成されたV字状凹溝とを備えており、前記V字状凸条及び前記V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度が互いに異なるように設定されている角度変更アダプタ41を備え、積層される前記遮蔽板体42の間に該角度変更アダプタ41を介装することにより隣接する一対の前記遮蔽板体42の間に形成されるV字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を変更するように構成されている。この構成によれば、放射線に対する遮蔽厚を減少させることなく、隣接する一対の前記遮蔽板体42の間に形成されるV字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を、前記壁用放射線遮蔽構造体40における高さ方向の途中で容易に変更することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)台形に形成した遮蔽板片11aを組み合わせて遮蔽板体11を構成すること。この構成によれば、平行四辺形に形成した遮蔽板片11aを組み合わせて遮蔽板体11を構成する場合(図21(a)参照)と比較し、地震等による応力Fが壁の幅方向に加わったときに、該遮蔽板片11a同士の目地で壁の厚さ方向における両側に分散するので、応力緩和が図れる(図21(b)参照)。
(2)前記壁用放射線遮蔽構造体3を、壁の厚さ方向に複数列設すること。また、それを横向きにした構成を天井用放射線遮蔽構造体4として採用すること。
(3)壁用放射線遮蔽構造体におけるV字状凹溝を、前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を互いに異ならせたり(本書の段落0021、0022及び数式(1)参照)、前記一対の斜面それぞれの遮蔽板体の幅を異ならせたりすることにより、左右非対称のV字状に形成すること。この態様としては、特に限定されないが、次のものを例示する(図22参照)。ここで、本発明の遮蔽構造体における壁の厚さ方向におけるセンターを施工厚センターc1(同図の各遮蔽構造体の両側に記載された二点鎖線間の距離が施工厚)といい、同厚さ方向におけるV字形の頂点の位置を構築センターc2という。なお、次の例示は、いずれも角度β側の遮蔽板体11の厚さが、角度α側の遮蔽板体11の厚さの2倍になり、かつ、両遮蔽板体11,11により形成されるV字の開き角度が90°になるようにしており、角度β側の遮蔽板体は角度α側の遮蔽板体と同じ厚さの板を2枚重ねすることにより構成している。
(a)前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を互いに異ならせるとともに、傾斜角度αの遮蔽板体の幅を広くすることにより、施工厚センターc1と構築センターc2が同一となるように形成された態様(図22(a)参照)。この態様は、両センターが同一となっているため、該センターの両側の重量が互いに等しく、より高い安定が図れる。
(b)前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を互いに異ならせるとともに、前記一対の斜面それぞれの遮蔽板体の幅を同一に形成している態様(図22(b)参照)。この態様は、両遮蔽板体の板面のサイズ及び形状を統一できるので、製造コストの抑制が図れる。
(c)前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を互いに異ならせるとともに、傾斜角度βの遮蔽板体の幅を広く形成している態様(図22(c)参照)。この態様は、構築センターc2が施工厚センターc1よりも傾斜角度αの遮蔽板体側に位置するため、傾斜角度βの遮蔽板体側の作用効果が多くなる。幅が広い傾斜角度βの遮蔽板体を、より平積みに近い状態で施工できるため、工期の短縮が図れる。
(d)前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を互いに異ならせるとともに、傾斜角度αの遮蔽板体の幅を広く形成している態様(図22(d)参照)。この態様は、構築センターc2が施工厚センターc1よりも傾斜角度βの遮蔽板体側に位置するため、傾斜角度αの遮蔽板体側の作用効果が多くなる。幅が広い傾斜角αの遮蔽板体を、より起立させた状態にしており、より高い放射線遮蔽が図れる。
(4)放射線遮蔽室における天井用放射線遮蔽構造体31を、平積みされた遮蔽板体32により構築するようにすること。図23にその構築例を示す。
(5)壁用放射線遮蔽構造体、放射線遮蔽室及びその構築方法を、外部に存在又は仮想する放射線源からの放射線の防護施設、防護装置等(例えば、シェルター等)に使用すること。そのとき、前記V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度は、外部に存在又は仮想する放射線源から放出される放射線の直接線又は漏洩線に対して設定する。
1 放射線遮蔽室
2 内側部
2a 床部
2b 内側壁
2c 内側天井
2d 矩形状凹溝
3 壁用放射線遮蔽構造体
4 天井用放射線遮蔽構造体
5 コーナー遮蔽体
5a 板体
6 外側部
11 遮蔽板体
11a 遮蔽板片
12 始点遮蔽部
13 終点遮蔽部
14 三角柱体
14a 三角柱片
15 金属アングル
16 張力調節部
21 ターゲット
22 アイソセンター
30 放射線遮蔽室
31 天井用放射線遮蔽構造体
32 遮蔽板体
32a 遮蔽板片
40 壁用放射線遮蔽構造体
41 角度変更アダプタ
42 遮蔽板体
42a 遮蔽板片
43 始点遮蔽部
44 終点遮蔽部

Claims (12)

  1. 放射線遮蔽性能を有する材質からなり壁の幅方向に延びる板状の遮蔽板体を、該壁の幅方向に延びるように形成されたV字状凹溝における一対の斜面それぞれに対して交互に上方へ積層することにより構築されており、
    いずれの前記遮蔽板体の板面に対しても放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように、前記V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度が設定されている壁用放射線遮蔽構造体。
  2. 前記壁用放射線遮蔽構造体としては、
    放射線遮蔽性能を有する材質からなり、前記V字状凹溝が上面に形成された始点遮蔽部を備え、
    該始点遮蔽部の上に前記遮蔽板体が積層されている請求項1記載の壁用放射線遮蔽構造体。
  3. 放射線遮蔽性能を有する材質からなり、最上層における隣接する一対の前記遮蔽板体の間に形成されるV字状凹溝を埋めるように嵌装される終点遮蔽部を備えている請求項1又は2記載の壁用放射線遮蔽構造体。
  4. 放射線遮蔽性能を有する材質からなり、下面に形成されたV字状凸条と、上面に形成されたV字状凹溝とを備えており、前記V字状凸条及び前記V字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度が互いに異なるように設定されている角度変更アダプタを備え、
    積層される前記遮蔽板体の間に該角度変更アダプタを介装することにより隣接する一対の前記遮蔽板体の間に形成されるV字状凹溝における前記一対の斜面それぞれの傾斜角度を変更するように構成された請求項1〜3のいずれか一項に記載の壁用放射線遮蔽構造体。
  5. 前記遮蔽板体は、前記壁の幅方向に列設された複数の遮蔽板片により分割形成されており、
    前記遮蔽板体における隣接する遮蔽板片の接合面は、放射線の直接線又は漏洩線が平行にならないように形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の壁用放射線遮蔽構造体。
  6. 前記遮蔽板体の材質は、鉄である請求項1〜5のいずれか一項に記載の壁用放射線遮蔽構造体。
  7. 前記遮蔽板体の厚さは、5〜300mmの範囲内に形成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の壁用放射線遮蔽構造体
  8. 前記遮蔽板体の端面の角度は、90°に形成されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の壁用放射線遮蔽構造体
  9. 前記遮蔽板体の重量は、5〜1000kgの範囲内である請求項1〜8のいずれか一項に記載の壁用放射線遮蔽構造体
  10. 前記一対の斜面それぞれの傾斜角度は、水平線に対して10〜80°の範囲内に設定されている請求項1〜9のいずれか一項に記載の壁用放射線遮蔽構造体
  11. 内側壁及び内側天井を含む内側部と、該内側部における内側壁の室外側に構築された請求項1〜10のいずれか一項に記載の壁用放射線遮蔽構造体と、該内側部における内側天井の室外側に構築され、放射線遮蔽性能を有する材質からなる天井用放射線遮蔽構造体と、前記壁用放射線遮蔽構造体及び前記天井用放射線遮蔽構造体を接続する、放射線遮蔽性能を有する材質からなるコーナー遮蔽体とを備えている放射線遮蔽室。
  12. 請求項11記載の放射線遮蔽室を構築する方法であって、
    前記内側壁及び前記内側天井を含む前記内側部を構築する工程と、
    前記内側壁の室外側に前記壁用放射線遮蔽構造体を構築するとともに、前記内側天井の室外側に前記天井用放射線遮蔽構造体を構築する工程と、
    前記壁用放射線遮蔽構造体及び前記天井用放射線遮蔽構造体を接続する前記コーナー遮蔽体を構築する工程と
    を含んでいる放射線遮蔽室の構築方法。
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