JP2011095006A - 放射線遮蔽ブロックおよび放射線遮蔽壁 - Google Patents

放射線遮蔽ブロックおよび放射線遮蔽壁 Download PDF

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Abstract

【課題】解体作業および組立作業を容易かつ安全に行うことが可能な放射線遮蔽ブロック等を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の代表的な構成は、放射線源を収容した部屋30の間口を封止するための放射線遮蔽ブロック104であって、他のブロックとの当接面のうち上面部または下面部に設けられた、断面形状が山状のリブ114または断面形状が谷状の溝118と、正面部に形成され、フォークリフト50の爪を挿入可能な一対の挿入口140と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、原子力施設の建物の間口を封止するための放射線遮蔽ブロックおよび放射線遮蔽壁に関する。
原子力発電所、核燃料再処理施設、医療用放射線利用施設等の原子力施設では、大型の機器を搬入または搬出するために、その機器を収容した部屋の壁を解体可能な放射線遮蔽壁によって形成(間口を封止)している。かかる放射線遮蔽壁は、原子力発電所の例えば熱交換器室において採用されていて、熱交換器取替時に解体され、再度組み立てられるようになっている。
一般に放射線遮蔽壁は、コンクリート製のブロック同士をモルタルにより接着しながら積み上げることにより形成される。単にコンクリート製のブロック同士を空積みするだけでは、耐震性を確保し得ないためである。しかし、これには、接着に手間がかかる上に、モルタルの材料費が嵩む問題があった。また、解体する際にはモルタルを破砕する必要があるため、多量の粉塵を生じ、事前の養生や廃棄物処理が大きな負担となっている。
特許文献1には、それぞれが鉤型ブロックを積み上げて形成された一対の鉤型ブロック層よりなる放射線遮蔽壁(ブロック壁)が開示されている。特許文献1によれば、個々のブロックは接着する必要がなく、壁の下端や上端のみをモルタルで接着すれば足りるため、耐震性を確保しつつ、モルタルの接着に要する手間や材料費の削減を達し得ると説明している。
特開2007−46996号公報
しかしながら、従来、いかなるブロックにおいて放射線遮蔽壁を組み立てるにしても、足場上で20〜25kg程度にも至る重いブロックを大量に手で取り扱わなければならない点に違いはない。そのため壁の解体と組立には多大な労力がかかり、また緻密に積み上げる作業には熟練を要した。具体的には、幅3.5m、高さ2.5m、厚さ1mの放射線遮蔽壁は、1000個以上のブロックから組み立てられる。一例として、これを20人で解体する場合には、足場組立・養生作業に1日間、解体作業に4日間、足場解体・養生復旧作業に1日間の計6日間程度もかかっていた。また、これを再度組み立てる際にも、同じくらいの日数が必要であった。
なお、養生とは、周辺の床や壁に保護シートを設置したり、粉塵の飛散防止のために囲いを設置したり、排気ファンや除塵装置などを設置して粉塵を除去したりすることである。従来の放射線遮蔽壁の解体作業では大量の粉塵が発生するため、この養生を省略することはできなかった。
加えて、かかる解体作業、取り外し、移動、組立作業の際に全てのブロック(上記では1000個以上)に対して破損しないように気配りすることは大変な苦労であった。また、これらのブロックを放射線管理区域外に搬出するには、膨大な数のブロックを放射能汚染測定しなければならなかった。
さらに、特許文献1では、モルタルの接着に要する手間や材料費の削減を主たる効果として説明しているが、結局躯体とブロック壁との間をモルタルで充填しなければならない(特許文献1第3頁段落0013参照)。そのため、モルタルによる建物の躯体とブロック壁との間隙の接着処理にかかる手間や、解体時において廃棄物としてモルタルガラが生じる点に課題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、解体作業および組立作業を容易かつ安全に行うことが可能な放射線遮蔽ブロックおよび放射線遮蔽壁を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の代表的な構成は、放射線源を収容した部屋の間口を封止するための放射線遮蔽ブロックであって、他のブロックとの当接面のうち上面部または下面部に設けられた、断面形状が山状のリブまたは断面形状が谷状の溝と、正面部に形成され、フォークリフトの爪を挿入可能な一対の挿入口と、を有することを特徴とする。
上記の構成によれば、放射線遮蔽ブロックはフォークリフト用の一対の挿入口を備え、フォークリフトで持ち運ぶ程度の大型のブロックである。したがって、機器が収容された部屋の間口をきわめて少数のブロックによって封止することができるため、解体作業および組立作業が簡略化され、また足場も不要となる。また、山状のリブと谷状の溝とが組み合わさることにより、フォークリフトを用いた作業によっても、積み上げるだけで容易に前後方向(奥行き方向)の位置合わせをすることができる。これらのことから、解体作業および組立作業を容易に行うことが可能となる。
当該放射線遮蔽ブロックは、少なくとも上記当接面および一対の挿入口が、鉄系材料で形成されているとよい。当接面および一対の挿入口が鉄系材料で形成されていることから、粉塵の発生を防止することができる。そのため、養生が不要となり、解体作業および組立作業を安全に行うことが可能となる。
上記放射線遮蔽ブロックの上面部または下面部には、リブまたは溝を挟んで2つの平面が形成されており、この2つの平面は高さがずれているとよい。これにより、ブロック同士の継ぎ目を放射線が貫通することがなく、放射線の漏れを抑制することができる。
当該放射線遮蔽ブロックであって端部用のブロックは、外側の側面部が鉛直面であって、内側の側面部が下側に向かって幅広な傾斜面であるとよい。傾斜面に他のブロックが当接することにより、端部用ブロックがずれて壁面との隙間をなくして精緻に積み上げることができる。
上記端部用のブロックの外側の側面部は、正面側に行くにつれて後退するように傾斜しているとよい。室内に収容された機器からは放射線が放射状に照射されるが、上記構成によれば端部用ブロックと建物の壁面との隙間が、放射線の進行方向と逆方向に傾斜するので、隙間と放射線とを確実に交叉させることができる。これにより、ブロックの背面側からの放射線漏れを抑制することができる。
上記端部用のブロックの内側の側面部は、厚さ方向のほぼ中央に段部が設けられ、この段部を介して形成される2つの平面の位置が横方向にずれているとよい。これにより、ブロック同士の継ぎ目を放射線が貫通することがなく、放射線の漏れを抑制することができる。
当該放射線遮蔽ブロックであって中間用のブロックは、側面部が下側に向かって幅狭となる楔型のブロックを含んでいるとよい。かかる楔型のブロックを列の最後に積み上げることにより、先に積み上げた他のブロックを横方向に押しのけるため、ブロックと壁面との隙間をなくして精緻に積み上げることができる。
上記中間用のブロックの側面部は、厚さ方向のほぼ中央に段部が設けられ、この段部を介して形成される2つの平面の位置が横方向にずれているとよい。これにより、ブロック同士の継ぎ目を放射線が貫通することがなく、放射線の漏れを抑制することができる。この中間用のブロックの段部は、上述した中間用のブロックの段部と組み合うように形成される。
上記課題を解決するために本発明の他の代表的な構成は、放射線源を収容した部屋の間口を封止するための放射線遮蔽壁であって、フォークリフトの爪を挿入可能な一対の挿入口を有する放射線遮蔽ブロックを複数積み上げて形成した遮蔽壁本体と、一対の挿入口を被覆する鉄系材料またはコンクリート製の挿入口遮蔽部材と、を有することを特徴とする。
上記の構成では、上述の放射線遮蔽ブロックによる利点に加えて、放射線遮蔽ブロックの一対の挿入口を鉄系材料またはコンクリート製の挿入口遮蔽部材で被覆することにより、この一対の挿入口からの放射線漏れも確実に抑制することができる。
上記放射線遮蔽壁は、複数の上記放射線遮蔽ブロックの同士の継ぎ目を被覆する鉄系材料またはコンクリート製の継ぎ目遮蔽部材をさらに有するとよい。これにより、継ぎ目からの放射線の漏れを確実に抑制することができる。
上記遮蔽壁本体の端部に配置された放射線遮蔽ブロックは、建物の躯体またはこの躯体に固定された枠体に締結されるとよい。これにより、モルタルによる建物の躯体等とブロック壁との間隙の接着処理を排除できる。そのため、モルタルの接着に要する手間や材料費を要することなく、廃棄物(モルタルガラ)の発生も防止することができる。
本発明によれば、解体作業および組立作業を容易かつ安全に行うことが可能な放射線遮蔽ブロックおよび放射線遮蔽壁を提供することができる。
原子力発電所の熱交換器室について説明する図である。 第1実施形態にかかる放射線遮蔽壁の正面図である。 図2の放射線遮蔽ブロックについて説明するための参考斜視図である。 図2のA−A断面図およびB−B断面図である。 図2の下段ブロックについて説明する図である。 図2の中断ブロックについて説明する図である。 図2の上段ブロックについて説明する図である。 放射線遮蔽ブロックの組み立て過程を例示する図である。 図2のC−C断面図、および矢視図である。 第2実施形態にかかる放射線遮蔽壁の正面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
[第1実施形態]
(熱交換器室)
図1は、原子力発電所の熱交換器室30について説明する図である。特に、図1(a)は放射線遮蔽壁100解体前の熱交換器室30の上面図、図1(b)は放射線遮蔽壁100解体前の熱交換器室30の側面図、図1(c)は放射線遮蔽壁100解体後の熱交換器室30の上面図、図1(d)は放射線遮蔽壁100解体後の熱交換器室30の側面図である。本実施形態では放射線源として熱交換器40を例に用いて説明する。
熱交換器室30は、発電所建屋内に設けられる。そして、図1(a)〜(d)に例示するように、大型の熱交換器40の搬入または搬出のために、部屋の壁の一部が解体可能な放射線遮蔽壁100で構成される。放射線遮蔽壁100は、熱交換器室30から廊下20への放射線を遮蔽する。なお、熱交換器室30へは、放射線遮蔽壁100を解体せずとも人員が出入り可能な通用門32が設けられている。以下、放射線遮蔽壁100に対して、廊下20側を正面側、熱交換器室30側を背面側として説明する。
(放射線遮蔽ブロック、放射線遮蔽壁)
図2は、第1実施形態にかかる放射線遮蔽壁100の正面図である。図2に示すように、放射線遮蔽壁100の遮蔽壁本体は、放射線遮蔽ブロック104を縦横に複数積み上げて形成されている。それぞれの放射線遮蔽ブロック104の正面部には、フォークリフトの爪を挿入可能な一対の挿入口140が設けられている。
それぞれの放射線遮蔽ブロック104は、フォークリフトで持ち運ぶ程度の大型のブロックである。したがって奥行き方向には1層で放射線を遮蔽するに足り、また幅方向には数個(図では3個)、高さ方向には数列(図では3列)で足りる。すなわち、1つ1つが大型で重量のある放射線遮蔽ブロック104を用いて、熱交換器室30の間口を封止する遮蔽壁本体を形成することができる。なお、フォークリフト50で作業を行うことから足場も不要となる。
上記の放射線遮蔽ブロック104は、鉄系材料またはコンクリート製で形成される。ブロックをコンクリート製とした場合には、少なくとも他のブロックとの当接面(上面部、下面部、側面部)および一対の挿入口140に、鉄系材料で形成された(好適には鋼製の)枠を取り付け、取り扱い時の損傷を防止する。放射線遮蔽ブロック104の全体を鉄系材料で形成してもよい。これにより、ブロック損傷による粉塵の発生を抑制できるので、養生を施すことなく解体作業や組立作業を行うことが可能となる。
図3は、図2の放射線遮蔽ブロック104について説明するための参考斜視図である。本実施形態では、遮蔽壁本体は、端部用の下段ブロック110a、110b、中間用の下段ブロック110c、端部用の中段ブロック120a、120b、中間用の中段ブロック120c、端部用の上段ブロック130a、130b、中間用の上段ブロック130cのわずか9つのブロックで形成される。そして、建屋の躯体に据え付けられた枠体200に嵌め込まれることによって、間口を封止する。枠体200は、放射線遮蔽ブロック104であって端部用のブロックと締結部材150により締結される。これにより、モルタルを用いた間隙の接着処理を行う必要がなく、手間や材料費の削減および廃棄物(モルタルガラ)の発生防止を達し得る。なお、枠体200も放射線遮蔽および損傷防止のために鉄系材料のものが用いられる。
図4は、図2のA−A断面図およびB−B断面図である。詳細には、図4(a)は図2のA−A断面図、図4(b)は図2のB−B断面図、図4(c)は他の例としての図2のB−B断面図である。
図4(a)に示すように、建屋の床面102に設けられた凹部102aに枠体200の底面が取り付けられ、その上に下段ブロック110が載置される。枠体200の底面は建屋の床面102よりも低くなっていて、枠体200と下段ブロック110との間に多少の隙間があっても放射線の漏洩が防止される。
また、枠体200および下段ブロック110の前後の縁は、ガイドの役割を担うテーパを有する。そのため、枠体200上に下段ブロック110を載置した際に、容易に互いの位置決めを行うことができる。枠体200および下段ブロック110は、枠体200のフランジ部200aと下段ブロック110のフランジ部112が建屋の床面102に締結ボルトにより締結される。
図4(b)に示すように、枠体200の側面は、正面側に行くにつれて幅広になるように傾斜している。またこれに対応して、端部用の上段ブロック130a、130bの側面部は、外側の側面部が鉛直面になっていて、正面側に行くにつれて後退するように傾斜にしている(後述するように、他の段のブロックの側面部も同様である)。すなわち、枠体200と放射線遮蔽ブロック104との隙間は、熱交換器室30内の機器から放射状に発せられる放射線の進行方向と逆方向に傾斜しているため、隙間と放射線とを確実に交叉させることができる。これにより、枠体200と放射線遮蔽ブロック104との隙間を通って、熱交換器室30から放射線が漏れることを抑制できる。
なお、図4(c)に示すように、枠体200の側面を放射線遮蔽ブロック104とのインローに形成してもよい。このとき、インローの凹部(または凸部)を隔てて形成される2つの平面の位置が側面方向(横方向)にずれているとよい。これにより、枠体200と放射線遮蔽ブロック104との隙間を放射線が貫通することがなく、放射線の漏れを抑制することができる。
図5は、図2の下段ブロック110について説明する図である。詳細には、図5(a)は端部用の下段ブロック110aの上面図、図5(b)は中間用の下段ブロック110cの上面図、図5(c)は端部用の下段ブロック110bの上面図、図5(d)は端部用の下段ブロック110aの側面図、図5(e)は端部用の下段ブロック110aの正面図、図5(f)は中間用の下段ブロック110cの正面図、図5(g)は端部用の下段ブロック110bの正面図、図5(h)は端部用の下段ブロック110bの側面図である。
図5(a)〜(h)に示すように、下段ブロック110は、下面部の前後の縁に上記のテーパを有し、下端(テーパの上端)に前後方向に張り出すフランジ部112を有する。そして、中段ブロック120との当接面である上面部に断面形状が山状のリブ114を有する。この上面部は、リブ114を挟んで形成される2つの平面の高さがずれていて(図9記載のレベル差E)、ブロック同士の継ぎ目を放射線が貫通することを抑制している。
端部用の下段ブロック110a、110bと中間用の下段ブロック110cとの当接面には、互いに組み合う段部116が厚さ方向のほぼ中央に設けられる。この当接面は、段部116を介して形成される2つの平面の位置が横方向にずれるため、ブロック同士の継ぎ目を放射線が貫通することを抑制する。また端部用の下段ブロック110a、110bの側面部は、外側の側面部が正面側に行くにつれて後退する鉛直面(傾斜面)になっている。
中間用の下段ブロック110cは、側面部が下側に向かって幅狭となる楔型のブロックとなっている。これに対応して、端部用の下段ブロック110a、110bの内側の側面部は、下側が張り出す傾斜面となっている。これにより、先に端部用の下段ブロック110a、110bを載置し、列の最後に中間用の下段ブロック110cを載置することにより、先に積み上げた他のブロックを横方向に押しのけて積み上げることができる。
図6は、図2の中段ブロック120について説明する図である。詳細には、図6(a)は端部用の中段ブロック120aの上面図、図6(b)は中間用の中段ブロック120cの上面図、図6(c)は端部用の中段ブロック120bの上面図、図6(d)は端部用の中段ブロック120aの側面図、図6(e)は端部用の中段ブロック120aの正面図、図6(f)は中間用の中段ブロック120cの正面図、図6(g)は端部用の中段ブロック120bの正面図、図6(h)は端部用の中段ブロック120bの側面図である。
端部用の中段ブロック120a、120b、中間用の中段ブロック120cの側面部の形状は、先に説明した下段ブロック110と同様であるため説明を省略する。
図6(a)〜(h)に示すように、中段ブロック120は、下段ブロック110との当接面である下面部に断面形状が谷状の溝118を有する。そして、上段ブロック130との当接面である上面部に断面形状が山状のリブ114を有する。中段ブロック120の下面部の溝118は、下段ブロック110の上面部のリブ114と噛合するインロー構造を構成する。同様に、中段ブロック120の上面部のリブ114は、上段ブロック130の下面部の溝118と噛合するインロー構造を構成する。なお、谷状の溝118には、略V字状の溝や略U字状の溝等が包含される。
ここで、リブ114および溝118が、断面形状が矩形ではなく、山状と谷状に形成されていることから、積み上げたときに噛合しやすく、かつブロック同士の相対的な位置を案内することができる。したがってフォークリフト50による(手作業に比べれば)精度の低い作業によっても、積み上げるだけで容易に前後方向(奥行き方向)の位置合わせをすることができる。
また下面部および上面部は、溝118またはリブ114を挟んで形成される2つの平面の高さがずれていて、ブロック同士の継ぎ目を放射線が貫通することを抑制している。また、端部用の中段ブロック120a、120bと中間用の中段ブロック120cとの当接面には、下段ブロック110と同様に互いに組み合う段部116が設けられ、ブロック同士の継ぎ目を放射線が貫通することを抑制している。
図7は、図2の上段ブロック130について説明する図である。詳細には、図7(a)は端部用の上段ブロック130aの上面図、図7(b)は中間用の上段ブロック130cの上面図、図7(c)は端部用の上段ブロック130bの上面図、図7(d)は端部用の上段ブロック130aの側面図、図7(e)は端部用の上段ブロック130aの正面図、図7(f)は中間用の上段ブロック130cの正面図、図7(g)は端部用の上段ブロック130bの正面図、図7(h)は端部用の上段ブロック130bの側面図である。
端部用の中段ブロック130a、130b、中間用の中段ブロック130cの側面部の形状は、先に説明した下段ブロック110と同様であるため説明を省略する。
図7(a)〜(h)に示すように、上段ブロック130は、中段ブロック120との当接面である下面部に断面形状が谷状の溝118を有する。この下面部は、溝118を挟んで形成される2つの平面の高さがずれていて、ブロック同士の継ぎ目を放射線が貫通することを抑制している。また、端部用の上段ブロック130a、130bと中間用の上段ブロック130cとの当接面には、下段ブロック110および中段ブロック120と同様に互いに組み合う段部116が設けられ、ブロック同士の継ぎ目を放射線が貫通することを抑制している。
上段ブロック130の上面部と枠体200との間には、放射線を遮蔽可能な鉛板マット(鉛毛マット)210(図2参照)が充填される。これは、山状のリブ114と谷状の溝118を嵌合させるために、上段ブロック130の上面部と枠体200との間にリブ114の立設高さ以上の間隙が必要となるためである。
図8は、放射線遮蔽ブロック104の組み立て過程を例示する図である。図8に示すように、放射線遮蔽ブロック104は、フォークリフト50によって、組立作業または解体作業が行われる。楔型のブロックである中間用のブロック(中間用の下段ブロック110c、中間用の中段ブロック120c、中間用の上段ブロック130c)を列の最後に積み上げることにより、先に積み上げた端部用のブロック(端部用の下段ブロック110a、110b、端部用の中段ブロック120a、120b、端部用の上段ブロック130a、130b)を横方向に押しのけるため、ブロックと壁面との隙間をなくして精緻に積み上げることができる。
なお、放射線遮蔽ブロック104同士の当接面または枠体200と放射線遮蔽ブロック104の当接面に潤滑剤を塗布したり、テフロンシート[テフロンは登録商標]を介在させることで、経年による接合(ブロック同士または枠体200とブロックの鉄系材料同士の固着)を防止できる。予めテフロンライナー[テフロンは登録商標]等の貼り付けがなされている放射線遮蔽ブロック104を用いてもよい。
図9は、図2のC−C断面図、および矢視図である。詳細には、図9(a)は図2のC−C断面図、図9(b)は図9(a)の矢印Dから見た矢視図、図9(c)は他の例としての図2のC−C断面図である。
図9(a)に示すように、放射線遮蔽壁100には、放射線遮蔽ブロック104同士の継ぎ目を被覆する、鉄系材料またはコンクリート製の継ぎ目遮蔽部材160が取り付けられる。上述したように、リブ114または溝118を挟んで形成される2つの平面のレベル差Eに加えて、かかる継ぎ目遮蔽部材160を取り付けることで、ブロック同士の継ぎ目を放射線が貫通することを確実に防止できる。継ぎ目遮蔽部材160は、遮蔽材受け枠160aと遮蔽材160bからなり、継ぎ目に取り付けた遮蔽材受け枠160aに放射線を遮蔽するために必要な遮蔽材160bを収納する。本実施形態では、遮蔽材160bを複数枚の鉛板または鉄板で構成し、遮蔽材160bの枚数を調整して、放射線量に対する所望の遮蔽能を確保する。そのため、遮蔽材受け枠160aには、必要な枚数の遮蔽材160bをがたつきが無く収納できるように、遮蔽材160bを押さえるためのアジャスターが設けられることが好ましい。
図9(a)、(b)に示すように、一対の挿入口140には、鉄系材料またはコンクリート製の挿入口遮蔽部材170が取り付けられる。挿入口遮蔽部材170は、挿入口140の内部に挿入する形態としてもよいが、隙間が生じると放射線漏れを生じるおそれがある。そのため挿入口遮蔽部材170は断面形状を挿入口140よりも大きくし、挿入口140の外側に設置する。なお挿入口遮蔽部材170が廊下20に大きく飛び出すと通行の邪魔になるおそれがあるため、放射線遮蔽壁100の背面側(室内側)から取り付けることが好ましい。この取り付けは、放射線遮蔽ブロック104を積み上げた後に通用門32より出入りして行われる。
また挿入口遮蔽部材170は相応の重量になるため、本実施形態では挿入口遮蔽部材170を第1挿入口遮蔽部材170a、第2挿入口遮蔽部材170b、第3挿入口遮蔽部材170cに分割(連結)可能に構成し、運搬性および施工性を向上させている。またこの構成によれば、分割した遮蔽部材の個数を変更(すなわち、挿入口遮蔽部材170の長さを調節)することにより、放射線量に対する所望の遮蔽能を確保することができる。
なお、図9(c)に示すように、放射線遮蔽ブロック104同士の継ぎ目を被覆するために、上記の板状の継ぎ目遮蔽部材160に代えて、鉄系材料またはコンクリート製の継ぎ目遮蔽リブ162を用いてもよい。継ぎ目遮蔽リブ162は、熱交換器室30の放射線量に基づき、予め想定される最長の長さに形成されるとよい。
上記説明した如く、本実施形態の構成によれば機器が収容された部屋の間口をきわめて少数の放射線遮蔽ブロック104によって封止することができるため、作業が簡略化され、また足場も不要となる。また、容易に前後方向の位置合わせをすることができ、粉塵の発生を防止することができるため、解体作業および組立作業を容易かつ安全に行うことが可能となる。
[第2実施形態]
図10は、第2実施形態にかかる放射線遮蔽壁300の正面図である。第2実施形態では、上記の第1実施形態の構成に加えて、端部用のブロックと中間用のブロックの間に、略平行四辺形状の連結用のブロック(連結用の下段ブロック310d、連結用の中段ブロック320d、連結用の上段ブロック330d)が設置される。この場合においても、楔型のブロックである中間用のブロックを列の最後に積み上げることにより、先に積み上げた端部用のブロックおよび連結用のブロックを横方向に押しのけるため、ブロックと壁面との隙間をなくして精緻に積み上げることができる。これにより、間口が広い場合にも、個々のブロックをフォークリフトで持ち上げられる程度の大きさ(重さ)に留めることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、原子力施設の建物の間口を封止するための放射線遮蔽ブロックおよび放射線遮蔽壁として利用することができる。
100…放射線遮蔽壁、102…床面、102a…凹部、104…放射線遮蔽ブロック、110…下段ブロック、110a、110b…端部用の下段ブロック、110c…中間用の下段ブロック、112…フランジ部、114…リブ、116…段部、118…溝、120…中段ブロック、120a、120b…端部用の中段ブロック、120c…中間用の中段ブロック、130…上段ブロック、130a、130b…端部用の上段ブロック、130c…中間用の上段ブロック、140…挿入口、150…締結部材、160…継ぎ目遮蔽部材、160a…遮蔽材受け枠、160b…遮蔽材、162…継ぎ目遮蔽リブ、170…挿入口遮蔽部材、170a…第1挿入口遮蔽部材、170b…第2挿入口遮蔽部材、170c…第3挿入口遮蔽部材、200…枠体、200a…フランジ部、300…放射線遮蔽壁、310d…連結用の下段ブロック、320d…連結用の中段ブロック、330d、連結用の上段ブロック330d、20…廊下、30…熱交換器室、32…通用門、40…熱交換器、50…フォークリフト

Claims (11)

  1. 放射線源を収容した部屋の間口を封止するための放射線遮蔽ブロックであって、
    他のブロックとの当接面のうち上面部または下面部に設けられた、断面形状が山状のリブまたは断面形状が谷状の溝と、
    正面部に形成され、フォークリフトの爪を挿入可能な一対の挿入口と、
    を有することを特徴とする放射線遮蔽ブロック。
  2. 少なくとも前記当接面および前記一対の挿入口は、鉄系材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線遮蔽ブロック。
  3. 前記上面部または下面部には前記リブまたは溝を挟んで2つの平面が形成されており、該2つの平面は高さがずれていることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線遮蔽ブロック。
  4. 当該放射線遮蔽ブロックであって端部用のブロックは、外側の側面部が鉛直面であって、内側の側面部が下側に向かって幅広な傾斜面であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放射線遮蔽ブロック。
  5. 前記端部用のブロックの外側の側面部は、正面側に行くにつれて後退するように傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の放射線遮蔽ブロック。
  6. 前記端部用のブロックの内側の側面部は、厚さ方向のほぼ中央に段部が設けられ、該段部を介して形成される2つの平面の位置が横方向にずれていることを特徴とする請求事項4または5に記載の放射線遮蔽ブロック。
  7. 当該放射線遮蔽ブロックであって中間用のブロックは、側面部が下側に向かって幅狭となる楔型のブロックを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の放射線遮蔽ブロック。
  8. 前記中間用のブロックの側面部は、厚さ方向のほぼ中央に段部が設けられ、該段部を介して形成される2つの平面の位置が横方向にずれていることを特徴とする請求事項7に記載の放射線遮蔽ブロック。
  9. 放射線源を収容した部屋の間口を封止するための放射線遮蔽壁であって、
    フォークリフトの爪を挿入可能な一対の挿入口を有する放射線遮蔽ブロックを複数積み上げて形成した遮蔽壁本体と、
    前記一対の挿入口を被覆する鉄系材料またはコンクリート製の挿入口遮蔽部材と、
    を有することを特徴とする放射線遮蔽壁。
  10. 前記放射線遮蔽ブロック同士の継ぎ目を被覆する鉄系材料またはコンクリート製の継ぎ目遮蔽部材をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の放射線遮蔽壁。
  11. 前記遮蔽壁本体の端部に配置された前記放射線遮蔽ブロックは、建物の躯体または該躯体に固定された枠体に締結されることを特徴とする請求項9または10に記載の放射線遮蔽壁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112530608A (zh) * 2020-11-26 2021-03-19 中广核研究院有限公司 一种用于小型堆的近堆屏蔽装置

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