JP6678499B2 - 結晶添加方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶添加方法に関する。
目的とする化合物を、溶液中に溶解している状態から結晶として析出させて、取り出す手法(晶析法)は、化学分野全般で広く日常的に行われている。
この手法は、単に化合物を取り出すという目的にとどまらず、純度の高い結晶を取り出したり、化合物が結晶多形である場合には、目的とする結晶構造のものを高選択的に取り出す目的でも利用される。
このように結晶を析出させるときには、溶液の温度、溶液の撹拌速度、貧溶媒の種類及び添加方法等、析出条件を種々調節することで、目的物の取り出し量を向上させることができる。そして、種結晶の使用は、目的とする結晶を高選択的に析出させる方法として、最も効果的なものの一つである(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2010/029938号
しかし、特許文献1で開示されている方法では、目的とする化合物が溶解している溶液に、大量の貧溶媒を添加した後に種結晶を添加している。そのため、目的とする化合物の結晶に目的外の化合物の結晶が混入してしまう可能性があるという問題点があった。
そこで、溶液に対して、貧溶媒を添加する前に種結晶を添加することが考えられる。しかし、この場合には、溶媒と種結晶との組み合わせによっては、溶液に対して種結晶が溶解し易いため、種結晶を用いたことによる十分な効果が得られ難いという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、種結晶を、これが溶解し易い溶液に添加した場合であっても、種結晶としての機能を十分に発揮させることができる、結晶の添加方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、容器中において、種結晶の添加対象である溶液(A)に種結晶を添加する、結晶添加方法であって、前記容器中における、前記溶液(A)の液面よりも高い箇所に、前記種結晶を付着させる付着工程と、前記容器中における前記溶液(A)の液面の高さを上昇させ、前記容器中に付着している前記種結晶を前記溶液(A)中に継続又は断続して取り込ませる取り込み工程と、を有する、結晶添加方法を提供する。
発明の結晶添加方法は、前記取り込み工程後に、前記種結晶と同一の化合物を析出させる析出工程を有するものが好ましい。
本発明によれば、種結晶を、これが溶解し易い溶液に添加した場合であっても、種結晶としての機能を十分に発揮させることができる、結晶の添加方法が提供される。
本発明の結晶添加方法の一実施形態を説明するための概略図であり、(a)は付着工程を説明するための概略図、(b)は取り込み工程を説明するための概略図である。 本発明の結晶添加方法の他の実施形態を説明するための概略図であり、(a)は付着工程を説明するための概略図、(b)は取り込み工程を説明するための概略図である。 本発明の結晶添加方法のさらに他の実施形態を説明するための概略図であり、(a)は付着工程を説明するための概略図、(b)は取り込み工程を説明するための概略図である。
<<結晶添加方法>>
本発明の結晶添加方法は、容器中において、種結晶の添加対象である溶液(A)に種結晶を添加する、結晶添加方法であって、前記容器中における、前記溶液(A)の液面よりも高い箇所に、前記種結晶を付着させる付着工程と、前記容器中における前記溶液(A)の液面の高さを上昇させ、前記容器中に付着している前記種結晶を前記溶液(A)中に継続又は断続して取り込ませる取り込み工程と、を有する。
本発明によれば、前記溶液(A)の液面の高さを上昇させることで、容器中に付着している種結晶が継続的又は断続的に溶液(A)に取り込まれる。このように、次々に溶液(A)中に種結晶が供給されるため、種結晶が溶液(A)に溶解し易い場合であっても、種結晶としての機能が十分に発揮され、目的とする化合物を収率よく、高選択的に取り出すことができる。そして、目的とする化合物が結晶多形である場合には、目的とする結晶構造のものを高選択的に取り出すこともできる。
取り出しの対象である前記化合物は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されず、例えば、有機化合物及び無機化合物のいずれであってもよい。
また、前記化合物を溶解させて溶液(A)としている溶媒は、前記化合物の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
そして、溶液(A)の種類も特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。溶液(A)については、後ほどさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の結晶添加方法の一実施形態を説明するための概略図であり、(a)は付着工程を説明するための概略図、(b)は取り込み工程を説明するための概略図である。
なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
図1(a)では、容器1の内部に、種結晶の添加対象である溶液(A)2を入れ、種結晶3を容器1の内部に付着させた状態を示している。溶液(A)2は、例えば、目的とする化合物がその飽和濃度未満の濃度で溶解しているものであってもよい。
容器1は、溶液(A)2を保持するための本体部11と、溶液(A)2を攪拌するための撹拌手段12とを備えている。
容器1としては、例えば、撹拌翼を備えたフラスコ又はビーカー等の少量スケールのものや、通常の工業スケールでの反応釜等を用いることができる。
種結晶3は、容器1の内部、より具体的には内壁11a上において、容器1の底部(下部)から上部に向かう方向(上下方向)に一定の長さを有するように配置されている。
種結晶3の上下方向における配置の長さは、溶液(A)2の種類及び量、容器1の形状等を考慮して適宜調節すればよく、特に限定されない。
例えば、溶液(A)2から気化した溶媒は、容器1の内壁11aに接触した後、再度液化して、内壁11aに付着することがある。この場合には、内壁11aの目的とする箇所に種結晶3を接触させることで、種結晶3を容器1の内部に付着させることができる。
また、種結晶3をあらかじめ、溶液(A)2の溶媒やその他の溶媒と接触させておき、これを内壁11aの目的とする箇所に接触させることで、種結晶3を容器1の内部に付着させることができる。ここで、「その他の溶媒」とは、本発明の効果を損なわないものであれば特に限定されず、例えば、種結晶3や析出対象の化合物と反応しないものから、適宜選択できる。
前記付着工程においては、ここに示すように、容器1(本体部11)中における溶液(A)2の液面2aよりも高い箇所に、種結晶3を付着させる。この状態では、撹拌手段12の撹拌速度を、溶液(A)2の十分な撹拌に支障がない範囲で緩やかにしたときに、種結晶3は溶液(A)2とは接触せず、溶液(A)2中に供給されない。
次いで、前記取り込み工程においては、図1(b)に示すように、容器1中における溶液(A)2の液面2aの高さを上昇させ、容器1中に付着している種結晶3を溶液(A)2中に継続又は断続して取り込ませる。
本工程においては、溶液(A)2の液面2aの高さを上昇させるに従い、溶液(A)2と接触していなかった種結晶3は、溶液(A)2と接触し、溶液(A)2中に取り込まれるようになる。以降は、種結晶3が容器1中において、上下方向に一定の長さを有するように配置されているため、溶液(A)2の液面2aの高さの上昇に伴い、種結晶3が溶液(A)2中に継続又は断続して取り込まれる。そのため、種結晶3が溶液(A)2に溶解し易くても、次々に種結晶3が溶液(A)2に供給され、最終的には、溶液(A)2において、目的とする化合物の析出が促進される。
本発明は、溶液(A)の液面の高さの上昇によって、種結晶が溶液(A)に継続又は断続して、すなわち、途切れることなく、又は時々途切れながら、連続して取り込まれる点が、従来の結晶添加方法とは異なる。
本発明の結晶添加方法は、前記取り込み工程後に、前記種結晶と同一の化合物を析出させる析出工程を有することが好ましい。前記析出工程を行うことにより、溶液(A)2に溶解している前記化合物、特に種結晶と同一の化合物を十分に析出させることができる。
本発明において、「種結晶と同一の化合物」とは、種結晶と比較して、成分や組成が同じであるだけでなく、結晶形も同じである化合物を意味する。
また、本発明において、「析出」とは、特に断りのない限り、溶液中に溶解していた化合物が、種結晶の作用により、溶液中において固体となること、又は種結晶の作用により、溶液中で反応により生成した化合物が、溶液中において固体となることを意味する。
前記析出工程においては、前記取り込み工程後、そのまま種結晶添加後の溶液(A)を攪拌又は静置しておいてもよいし、種結晶添加後の溶液(A)を冷却するなど、結晶の析出をさらに促進する操作を行ってもよい。
前記析出工程後は、公知の方法により、目的とする化合物を取り出せばよい。本発明の結晶添加方法を適用することで、化合物を収率よく、高選択的に取り出すことができる。そして、目的とする化合物が結晶多形である場合には、目的とする結晶構造のものを高選択的に取り出すこともできる。
本発明の結晶添加方法は、図1を参照して説明した上記のものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記のものにおいて一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、ここまでは、種結晶を容器の内壁に付着させる場合について説明したが、取り込み工程を行うことができる限り、容器中であればいずれの箇所に種結晶を付着させてもよい。
図2は、本発明の結晶添加方法の他の実施形態を説明するための概略図であり、(a)は付着工程を説明するための概略図、(b)は取り込み工程を説明するための概略図である。
本発明においては、図2に示すように、撹拌手段の撹拌軸12aに種結晶を付着させてもよい。一方、撹拌子等の撹拌手段は、溶液(A)の液面を上昇させる前の段階で、すでに溶液(A)中に埋没している。したがって、このような撹拌手段を用いる場合には、その他の箇所に種結晶を付着させる必要がある。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図2に示すように、撹拌手段の撹拌軸12aなど、回転体に種結晶を付着させる場合には、回転体の回転力(遠心力)を利用して、回転体に付着している種結晶を飛ばし、例えば、図1に示すように種結晶を容器の内壁に付着させてもよいし、後述する図3に示すように、容器の内壁以外の箇所に種結晶を付着させてもよい。
図3は、本発明の結晶添加方法のさらに他の実施形態を説明するための概略図であり、(a)は付着工程を説明するための概略図、(b)は取り込み工程を説明するための概略図である。
本発明においては、図3に示すように、容器1内の空間に温度計14が突出して設けられている場合には、この温度計14に種結晶を付着させてもよい。
次に、前記化合物を含有する溶液(A)と、その液面の高さを上昇させる方法について、より詳しく説明する。
<方法(1)>
溶液(A)としては、例えば、前記化合物の製造原料となる第1原料化合物及び第2原料化合物を反応させて得られた反応液(反応溶液)が挙げられる。
この場合、前記容器中に第1原料化合物を含有する溶液(以下、「第1原料化合物溶液」と略記することがある)を入れておき、第2原料化合物を含有する液体(以下、「第2原料化合物含有液」と略記することがある)を、前記容器中に添加する。これにより、第1原料化合物溶液と第2原料化合物含有液を混ぜて、第1原料化合物と第2原料化合物を反応させることで、容器中で目的とする前記化合物を生成させることができ、同時に溶液(A)を調製することができる。
このように、第1原料化合物溶液を入れた前記容器中に第2原料化合物含有液を添加することで、溶液(A)を調製するとともに、前記容器中における溶液(A)の液面の高さを上昇させることができる。したがって、先に説明したとおり、本実施形態により、容器中に付着している種結晶を溶液(A)中に継続又は断続して取り込ませることができ、前記取り込み工程を行うことができる。
第1原料化合物及び第2原料化合物の種類は、目的とする前記化合物の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
第1原料化合物溶液の溶媒及び第2原料化合物含有液の溶媒は、第1原料化合物及び第2原料化合物の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
第1原料化合物溶液の第1原料化合物の濃度、及び第2原料化合物含有液の第2原料化合物の濃度も、他の反応条件を考慮して適宜選択すればよく、特に限定されない。
第2原料化合物含有液において、第2原料化合物は、全量が溶解していてもよいし、少なくとも一部が溶解していなくてもよいが、第2原料化合物の溶解しているものの量の比率が高いほど好ましく、全量が溶解していることがより好ましい。
第2原料化合物含有液の添加を開始するときの第1原料化合物溶液の温度、第1原料化合物溶液へ添加しているときの第2原料化合物含有液の温度、及び第1原料化合物溶液と第2原料化合物含有液との混合液の温度は、いずれも適宜調節すればよく、特に限定されない。
<方法(2)>
溶液(A)としては、例えば、前記化合物の処理前溶液に、前記化合物の貧溶媒を添加して得られた溶液が挙げられる。
この場合、前記容器中に前記化合物の処理前溶液を入れておき、前記化合物の貧溶媒を前記容器中に添加することで、前記処理前溶液と貧溶媒を混ぜて、前記化合物を含有する溶液(A)を調製することができる。
このように、前記処理前溶液を入れた前記容器中に貧溶媒を添加することで、溶液(A)を調製するとともに、前記容器中における溶液(A)の液面の高さを上昇させることができる。したがって、先に説明したとおり、本実施形態により、容器中に付着している種結晶を溶液(A)中に継続又は断続して取り込ませることができ、前記取り込み工程を行うことができる。
前記処理前溶液の溶媒は、前記化合物の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
前記処理前溶液の濃度も、他の結晶析出条件を考慮して適宜選択すればよく、特に限定されない。
貧溶媒の種類及び添加量も、前記化合物の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
貧溶媒の添加を開始するときの前記処理前溶液の温度、前記処理前溶液又は溶液(A)へ添加しているときの貧溶媒の温度、及び貧溶媒を添加中の溶液(A)の温度は、いずれも適宜調節すればよく、特に限定されない。
なお、方法(2)においては、例えば容器として、図2に示すような撹拌手段を備えたものではなく、撹拌手段を備えていないものを用いることもできる。
<方法(3)>
本発明においては、例えば、前記容器中に前記化合物を含有する溶液(A)を入れておき、その撹拌速度を上昇させることで、前記容器中における溶液(A)の液面の高さを上昇させることができる。
この場合、前記容器中には特に何も添加しなくても、溶液(A)の液面の高さを上昇させることが可能となる。
したがって、先に説明したとおり、本実施形態により、容器中に付着している種結晶を溶液(A)中に継続又は断続して取り込ませることができ、前記取り込み工程を行うことができる。
溶液(A)の溶媒は、前記化合物の種類に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
溶液(A)の濃度も、結晶の最終的な析出条件を考慮して適宜選択すればよく、特に限定されない。
溶液(A)の撹拌速度は、溶液(A)が、容器中に付着している種結晶に継続的又は断続的に接触可能であれば特に限定されず、溶液(A)の液量や、種結晶の配置位置等を考慮して適宜選択すればよく、特に限定されない。ただし、溶液(A)の撹拌速度は、徐々に上昇させる必要がある。このときの撹拌速度の上昇割合や、上昇パターンは、適宜調節すればよい。
上述の方法(1)〜方法(3)はいずれも、例えば、下記一般式(I)で表されるβ−ケトカルボン酸銀の製造方法に適用できる。
前記製造方法としては、例えば、下記一般式(II)で表されるβ−ケトカルボン酸塩(以下、「β−ケトカルボン酸塩(II)」と略記することがある)を生成させる工程と、生成させた前記β−ケトカルボン酸塩を含む水溶液と硝酸とを混合して、前記水溶液を酸性にする工程と、酸性にした前記水溶液と硝酸銀とを混合して、下記一般式(I)で表されるβ−ケトカルボン酸銀(以下、「β−ケトカルボン酸銀(I)」と略記することがある)を生成させる工程と、生成させた前記β−ケトカルボン酸銀を取り出す工程と、を有し、前記水溶液を酸性にする工程後、前記β−ケトカルボン酸銀を取り出す工程までの間に、前記β−ケトカルボン酸銀の種結晶を投入する工程を有するものが挙げられる。
Figure 0006678499
(式中、Rは炭素数1〜20の直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基又はフェニル基であり;Xは水素原子又は炭素数1〜20の直鎖状若しくは分枝鎖状のアルキル基であり、二つのXは互いに同一でも異なっていてもよく;Mはナトリウムイオン、カリウムイオン又はリチウムイオンである。)
前記β−ケトカルボン酸銀(I)の製造方法では、前記β−ケトカルボン酸銀(I)を生成させる工程において、硝酸銀水溶液に、あらかじめ取り出しの対象であるβ−ケトカルボン酸銀(I)の種結晶を添加しておき、この種結晶を含有している硝酸銀水溶液に、酸性にしたβ−ケトカルボン酸塩(II)を含む水溶液を添加することがある。この方法によれば、目的とするβ−ケトカルボン酸銀(I)が生成するとともに、その結晶が析出し、これを取り出すことで、高品質のβ−ケトカルボン酸銀(I)が得られる。
しかし、β−ケトカルボン酸銀(I)の種結晶を単に硝酸銀水溶液に添加しただけでは、この種結晶の水への溶解性が高いために、酸性にしたβ−ケトカルボン酸塩(II)を含む水溶液を硝酸銀水溶液に添加する過程又は添加する前の段階で、種結晶が溶解していまい、種結晶の使用量が少ない場合には、種結晶としての機能を十分に発揮できないことがある。
これに対して、上述の方法(1)を適用し、本発明における第1原料化合物を硝酸銀とし、第2原料化合物を酸性条件下のβ−ケトカルボン酸塩(II)として、本発明の結晶添加方法を適用することで、上記のような種結晶の溶解の問題を解決できる。
すなわち、前記容器中に第1原料化合物溶液として、β−ケトカルボン酸銀(I)の種結晶を含有していない硝酸銀水溶液を入れておき、第2原料化合物含有液として、酸性にしたβ−ケトカルボン酸塩(II)を含む水溶液を、前記容器中に添加する。これにより、第1原料化合物溶液と第2原料化合物含有液を混ぜて、第1原料化合物と第2原料化合物を反応させることで、容器中で目的とする前記化合物(β−ケトカルボン酸銀(I))を生成させることができ、同時に、前記化合物を含有する溶液(A)を調製することができる。さらに、前記容器中における溶液(A)の液面の高さを上昇させることができる。したがって、先に説明したとおり、容器中に付着している種結晶を溶液(A)中に継続又は断続して取り込ませることができ、前記取り込み工程を行うことができる。
この方法によれば、β−ケトカルボン酸銀(I)の種結晶の作用により、β−ケトカルボン酸銀(I)を収率よく、高選択的に取り出すことができる。また、β−ケトカルボン酸銀(I)は結晶多形であることが知られており、目的とする結晶構造のものを高選択的に取り出すことができる。
ここでは、β−ケトカルボン酸銀(I)の製造時に、上述の方法(1)を適用する場合について説明したが、β−ケトカルボン酸銀(I)の製造時には、例えば、β−ケトカルボン酸銀(I)を取り出す工程において、上述の方法(2)又は方法(3)を適用することもできる。この場合も、方法(1)を適用した場合と同様に、β−ケトカルボン酸銀(I)を収率よく、高選択的に取り出すことができ、目的とする結晶構造のものを高選択的に取り出すことができる。
また、上述のβ−ケトカルボン酸銀(I)の製造に限らず、本発明においては、上述の方法(1)、方法(2)及び方法(3)のいずれか一以上を組み合わせて行うことができる。
本発明は、化合物の結晶析出による取り出し全般に利用可能である。
1・・・容器、11・・・本体部、11a・・・容器の内壁、12・・・撹拌手段、12a・・・撹拌手段の撹拌軸、14・・・温度計、2・・・溶液(A)、2a・・・溶液(A)の液面、3・・・種結晶

Claims (2)

  1. 容器中において、種結晶の添加対象である溶液(A)に種結晶を添加する、結晶添加方法であって、
    前記容器中における、前記溶液(A)の液面よりも高い箇所に、前記種結晶を付着させる付着工程と、
    前記容器中における前記溶液(A)の液面の高さを上昇させ、前記容器中に付着している前記種結晶を前記溶液(A)中に継続又は断続して取り込ませる取り込み工程と、を有する、結晶添加方法。
  2. 前記取り込み工程後に、前記種結晶と同一の化合物を析出させる析出工程を有する、請求項に記載の結晶添加方法。
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