JP6677923B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、放電生成物によるボケ画像の発生を防止することを目的として、所定条件のもと、プリント動作前に像担持体が空駆動(予備回転)されるように自動制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、特許文献2には、滲みなどの異常画像の発生を軽減することを目的として、所定のタイミングで、操作パネル(液晶表示部)に、感光体ドラム(像担持体)にトナーを付着させながら空駆動するモード(ドラムフレッシュモード)を実行するための実行キーが表示されて、その実行キーを押すことでドラムフレッシュモードが実行される技術が開示されている。
特許文献1に開示された技術は、放電生成物によるボケ画像の発生を防止する効果がある程度期待できるものの、放電生成物によるボケ画像の発生をユーザーの使用状況やニーズに合わせて効率的に軽減することができなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、放電生成物によるボケ画像の発生がユーザーの使用状況やニーズに合わせて効率的に軽減される、画像形成装置を提供することにある。
この発明における画像形成装置は、所定方向に回転する像担持体と、前記像担持体の表面を帯電する帯電装置と、前記像担持体の近傍の絶対湿度を検知する検知手段と、画像形成動作を開始する指令と、当該画像形成動作に関わる動作条件と、を入力可能に構成された操作パネルと、を備え、当該画像形成装置が予め設定された放置条件で放置された後に前記操作パネルに画像形成動作を開始する指令が入力された場合であって、前記検知手段によって検知された絶対湿度が予め設定された所定値を超えたときには、少なくとも前記像担持体を予め設定された駆動条件によって回転駆動する制御モードを実行するための実行キーが前記操作パネルに表示されるとともに、前記放置条件と前記所定値と前記駆動条件とのうち少なくとも1つを変更するための設定キーが前記実行キーとともに前記操作パネルに表示されて、前記実行キーが押されて前記制御モードが実行された後に当該画像形成動作が開始され、前記設定キーによって前記放置条件と前記所定値と前記駆動条件とのうち少なくとも1つが変更されたときには、その画像形成動作が開始される前におこなわれる前記制御モードが実行されるときから、又は、次の画像形成動作が開始される前におこなわれる前記制御モードが実行されるときから、その変更内容が反映されるものである。
本発明によれば、放電生成物によるボケ画像の発生がユーザーの使用状況やニーズに合わせて効率的に軽減される、画像形成装置を提供することができる。
この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。 プロセスカートリッジとその近傍とを示す構成図である。 通常時における操作パネルの表示を示す図である。 (A)手動制御モードの内容を示す表図と、(B)自動制御モードの内容を示す表図と、である。 手動制御モードによって放電生成物除去モードが実行されるときの制御を示すタイミングチャートである。 操作パネルに放電生成物除去モードの実行キーが表示された状態を示す図である。 操作パネルに自動設定とマニュアル設定との選択画面が表示された状態を示す図である。 (A)操作パネルに自動設定の入力画面が表示された状態を示す図と、(B)操作パネルにマニュアル設定の入力画面が表示された状態を示す図と、である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1及び図2にて、画像形成装置における全体の構成・動作について説明する。
図1は、実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。図2は、図1の画像形成装置1に設置されたイエロー用のプロセスカートリッジ10Y(作像部)の構成を示す断面図である。
なお、4つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BK(作像部)は、作像プロセスに用いられるトナーTの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、図2ではイエロー用のプロセスカートリッジ10Yのみを代表的に図示する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体が収容される給紙部、9は記録媒体の搬送タイミングを調整するレジストローラ、10Y、10M、10C、10BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成されるプロセスカートリッジ、16は各プロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム上に形成されたトナー像を中間転写ベルト17上に重ねて転写する1次転写バイアスローラ、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のトナー像を記録媒体上に転写するための2次転写バイアスローラ、19は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、20は記録媒体上のトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、100は画像形成装置本体1の外装部に露呈するように設置された操作パネル、を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11(像担持体)上に向けて発せられる。
一方、4つのプロセスカートリッジ10Y、10M、10C、10BKの感光体ドラム11(図2を参照できる。)は、それぞれ、所定方向(反時計方向)に回転(走行)している。そして、まず、感光体ドラム11の表面は、帯電装置12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11上には、帯電電位(−900V程度である。)が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11の表面は、それぞれのレーザ光Lの照射位置に達する。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光Lは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
イエロー成分に対応したレーザ光Lは、紙面左側から1番目の感光体ドラム11(像担持体)の表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電装置12にて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像(−50〜100V程度の露光電位が形成される。)が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11の表面は、それぞれ、現像装置13との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像されてトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部(1次転写ニップ)に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写バイアスローラ16が設置されている。そして、1次転写バイアスローラ16の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
そして、1次転写工程後の感光体ドラム11の表面は、それぞれ、クリーニング装置14(クリーニング部)との対向位置に達する。そして、この位置で、クリーニング部材としてのクリーニングブレード14aとクリーニングブラシローラ14bとによって感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが機械的に除去されて、除去された未転写トナーがクリーニング装置14内に回収される(クリーニング工程である。)。クリーニング装置14内に回収された未転写トナーは、搬送スクリュによってクリーニング装置14外に搬送されて、廃トナー回収容器の内部に廃トナーとして回収される。
その後、感光体ドラム11の表面は、潤滑剤供給装置15、除電部の位置を順次通過して、感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図中の時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置(2次転写ニップ)に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、記録媒体上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング部19の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部19に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送される記録媒体は、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体を収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体が、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9(タイミングローラ)に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体は、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写された記録媒体は、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ベルトと加圧ローラとのニップにて、カラー画像(トナー)が記録媒体上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体は、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、プロセスカートリッジ10Yについて詳述する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ10Yは、像担持体としての感光体ドラム11と、帯電装置12(帯電部)と、現像装置13(現像部)と、クリーニング装置14(クリーニング部)と、潤滑剤供給装置15と、が一体的にユニットとして構成されている。プロセスカートリッジ10Yは、画像形成装置本体1に対して着脱可能(交換可能)に設置されていて、適宜に画像形成装置本体1から取り出されて新品のものに交換されたり修理がされたりすることになる。
ここで、像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
感光体ドラム11は、基層としての導電性支持体上に、絶縁層である下引き層、感光層としての電荷発生層及び電荷輸送層、表面層(保護層)が順次積層されている。
感光体ドラム11は、メイン駆動モータ45によって図2の反時計方向に回転駆動される。
図2を参照して、帯電装置12は、コロトロンによるコロナ放電方式を用いた帯電チャージャである。帯電装置12には帯電用電源部から所定の電圧(帯電バイアス)が印加されて、これにより対向する感光体ドラム11の表面を一様に帯電する。
なお、本実施の形態において、帯電装置12として、スコロトロンによるコロナ放電方式を用いたグリッドを有する帯電チャージャを用いることもできるし、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラを用いることもできる。
また、帯電装置12に印加する帯電バイアスとして、DC電圧にAC電圧が重畳されたものとすることもできるし、DC電圧のみとすることもできる。
現像装置13は、主として、感光体ドラム11に対向する現像ローラ13aと、現像ローラ13aに対向する第1搬送スクリュ13bと、仕切部材を介して第1搬送スクリュ13bに対向する第2搬送スクリュ13cと、現像ローラ13aに対向するドクターブレード13dと、で構成される。現像ローラ13aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネットと、マグネットの周囲を回転するスリーブと、で構成される。マグネットによって現像ローラ13a(スリーブ)上に複数の磁極が形成されて、現像ローラ13a上に現像剤Gが担持されることになる。現像装置13内には、キャリアCとトナーTとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
現像ローラ13aと2つの搬送スクリュ13b、13cとは、感光体ドラム11を回転駆動するメイン駆動モータ45とは別に設けられた現像駆動モータ46によって、回転駆動される。
クリーニング装置14には、感光体ドラム11の表面に当接して感光体ドラム11の表面をクリーニングするクリーニング部材としてのクリーニングブレード14aと、感光体ドラム11の表面に当接しながら所定方向に回転して感光体ドラム11の表面をクリーニングするクリーニング部材としてのクリーニングブラシローラ14bと、が設置されている。
クリーニングブレード14aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム11表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。これにより、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー(記録媒体から生じる紙粉、帯電装置12による放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等の付着物も含むものとする。)が機械的に掻き取られてクリーニング装置14内に回収されることになる。なお、本実施の形態において、クリーニングブレード14aは、感光体ドラム11の走行方向(回転方向)に対してカウンタ方向にて感光体ドラム11に当接している。
クリーニングブラシローラ14bは、芯金の外周に、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、塩化ビニル等の樹脂繊維からなる直毛状又はループ状のブラシ毛が巻装されたものであって、ブラシ毛が感光体ドラム11の表面に摺接する。クリーニングブラシローラ14bは、感光体ドラム11を回転駆動するメイン駆動モータ45からギア列を介して駆動力を受けて、図2の反時計方向に回転駆動される。これにより、感光体ドラム11上に付着する未転写トナー(記録媒体から生じる紙粉、帯電装置12による放電時に感光体ドラム11上に生じる放電生成物、トナーに添加されている添加剤、等の付着物も含むものとする。)が機械的に掻き取られてクリーニング装置14内に回収されることになる。
図2を参照して、潤滑剤供給装置15は、感光体ドラム11に摺接する発泡弾性層が周設されて感光体ドラム11上に潤滑剤を供給する潤滑剤供給ローラ15a(潤滑剤供給部材)、潤滑剤供給ローラ15a(発泡弾性層)に摺接する固形潤滑剤15b、固形潤滑剤15bを潤滑剤供給ローラ15aに向けて付勢する付勢部材としての圧縮スプリング15c、感光体ドラム11に当接して感光体ドラム11上に供給された潤滑剤を薄層化(均一化)する薄層化ブレード15f(均しブレード)、等で構成される。
潤滑剤供給装置15は、クリーニング装置14(クリーニングブレード14a)に対して感光体ドラム11の回転方向下流側であって、帯電装置12に対して感光体ドラム11の回転方向上流側に配設されている。また、薄層化ブレード15fは、潤滑剤供給ローラ15aに対して感光体ドラム11の回転方向下流側に配設されている。
潤滑剤供給ローラ15aは、金属材料からなる軸部(芯金)上に発泡ポリウレタン(ウレタンフォーム)からなる発泡弾性層が形成されたローラ状部材であって、その発泡弾性層が感光体ドラム11表面に接触した状態で、感光体ドラム11を回転駆動するメイン駆動モータ45からギア列を介して駆動力を受けて図2の反時計方向に回転駆動される。これにより、固形潤滑剤15bから潤滑剤供給ローラ15aを介して感光体ドラム11上に潤滑剤が供給される。
潤滑剤供給ローラ15aは、図2の反時計方向に回転する感光体ドラム11に対してカウンタ方向(逆方向)で摺接するように回転駆動される(図2の反時計方向の回転である。)。すなわち、潤滑剤供給ローラ15aの回転方向は、感光体ドラム11との摺接位置において、感光体ドラム11の回転方向(走行方向)と逆方向になるように構成されている。
また、潤滑剤供給ローラ15aは、固形潤滑剤15bと感光体ドラム11とに摺接するように配置されていて、潤滑剤供給ローラ15aが回転することによって固形潤滑剤15bから潤滑剤を掻き取り、その潤滑剤を感光体ドラム11上に塗布する。
また、固形潤滑剤15b(潤滑剤保持部材15e)の後方部には、潤滑剤供給ローラ15aと固形潤滑剤15bとの接触ムラをなくすために圧縮スプリング15cが配置されていて、固形潤滑剤15bを潤滑剤供給ローラ15aに付勢している。
ここで、固形潤滑剤15bは、脂肪酸金属亜鉛に無機潤滑剤を含有させて形成したものである。また、脂肪酸金属亜鉛としては、少なくともステアリン酸亜鉛を含んだものが好ましい。また、無機潤滑剤としては、タルク、マイカ、窒化ホウ素のうち少なくとも1つであることが好ましい。
ステアリン酸亜鉛は、代表的なラメラ結晶紛体である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有していて、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。したがって、感光体ドラム11表面を低摩擦係化することができる。すなわち、せん断力を受けて均一に感光体ドラム11表面を覆っていくラメラ結晶によって、少量の潤滑剤によって効果的に感光体ドラム11表面を覆うことができる。そして、感光体ドラム11表面を比較的均等に覆い帯電工程における電気的ストレスから良好に保護できることになる。
また、タルク、マイカ、窒化ホウ素のような板状構造を有する無機潤滑剤を使用することで、クリーニング装置14(クリーニングブレード14a)でのトナーや潤滑剤のすり抜けが生じにくくなり、帯電装置12を汚れにくくすることができる。
薄層化ブレード15fは、ウレタンゴム等のゴム材料からなる板状部材であって、感光体ドラム11の表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。薄層化ブレード15fは、クリーニングブレード14aに対して、感光体ドラム11の回転方向下流側(走行方向下流側)に配設されている。そして、潤滑剤供給ローラ15aによって感光体ドラム11上に供給された潤滑剤は、薄層化ブレード15fによって、感光体ドラム11上に均一かつ適量に薄層化される。
固形潤滑剤15bを潤滑剤供給ローラ15aを介して感光体ドラム11の表面に塗布すると、感光体ドラム11表面には粉体状の潤滑剤が塗布されるが、この状態のままでは潤滑性は充分に発揮されないため、薄層化ブレード15fが潤滑剤を薄層化・均一化する部材として機能することになる。薄層化ブレード15fにより、感光体ドラム11上での潤滑剤の皮膜化がおこなわれて、潤滑剤はその潤滑性を充分に発揮することになる。
なお、本実施の形態において、薄層化ブレード15fは、感光体ドラム11の走行方向(回転方向)に対してトレーディング方向にて感光体ドラム11に当接している。これに対して、薄層化ブレード15fが、感光体ドラム11の走行方向(回転方向)に対してカウンタ方向にて感光体ドラム11に当接するように構成することもできる。
このように、本実施の形態では、クリーニングブレード14aと薄層化ブレード15fとの2つのブレード部材を別々に設けているために、クリーニング性と潤滑剤塗布性とを良好に維持することができるとともに、感光体ドラム11への潤滑剤供給によって双方のブレード部材14a、15fの磨耗・劣化を軽減することができる。
図2にて、先に述べた作像プロセスをさらに詳しく説明する。
現像ローラ13aは、図2中の矢印方向に回転している。現像装置13内の現像剤Gは、間に仕切部材を介在するように配設された第1搬送スクリュ13b及び第2搬送スクリュ13cの矢印方向の回転によって、トナー補給部30からトナー補給口を介して補給されたトナーTとともに撹拌混合されながら長手方向(図2の紙面垂直方向である。)に循環する。
そして、摩擦帯電してキャリアCに吸着したトナーTは、キャリアCとともに現像ローラ13a上に担持される。現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、その後にドクターブレード13dの位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤Gは、ドクターブレード13dの位置で適量に調整された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)に達する。
その後、現像領域において、現像剤G中のトナーTが、感光体ドラム11表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ13aに印加された現像バイアス(−500V程度である。)と、の電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界によって、トナーTが潜像に付着する。
その後、現像工程にて感光体ドラム11に付着したトナーTは、そのほとんどが中間転写ベルト17上に転写される。そして、感光体ドラム11の表面に付着(残留)した未転写のトナーTが、クリーニングブレード14aやクリーニングブラシローラ14bによってクリーニング装置14内に回収される。その後、クリーニング工程後の感光体ドラム11の表面は、潤滑剤供給装置15、除電部を順次通過して、一連の作像プロセスが終了する。
ここで、装置本体1に設けられたトナー補給部30は、交換可能に構成されたトナーボトル31と、トナーボトル31を保持・回転駆動するとともに現像装置13に新品トナーTを補給するトナーホッパ部32と、で構成されている。また、トナーボトル31内には、新品のトナーT(図2では、イエローのトナーである。)が収容されている。また、トナーボトル31の内周面には、螺旋状の突起が形成されている。
なお、トナーボトル31内の新品トナーTは、現像装置13内のトナーT(既設のトナーである。)の消費にともない、トナー補給口から現像装置13内に適宜に補給されるものである。現像装置13内のトナーTの消費は、現像装置13の第2搬送スクリュ13cの下方に設置された磁気センサによって間接的又は直接的に検知される。
以下、本実施の形態における画像形成装置1において、特徴的な構成・動作について説明する。
図2を参照して、本実施の形態における画像形成装置1には、感光体ドラム11(像担持体)の近傍の絶対湿度を検知する検知手段としての温湿度センサ40が設けられている。温湿度センサ40(検知手段)としては、公知のものを用いることができて、感光体ドラム11の周囲の温度と湿度とを検出して、それらの検出結果から絶対湿度を求めるものである。
また、図1〜図3等を参照して、本実施の形態における画像形成装置1には、その外装部に操作パネル100が設置されている。この操作パネル100は、画像形成動作(プリント動作)を開始する指令や、そのような画像形成動作に関わる動作条件(プリント枚数、通紙する記録媒体Pの種類、画像調整などである。)、を入力可能に構成されている。操作パネル100としては、公知のものを用いることができて、本実施の形態では、図3に示すように、プリント動作を開始する指令を入力するためのスタートキー110や、数入力をするためのテンキー111や、入力した動作条件などを確認するための装置の模式図など、が表示された液晶パネルが用いられている。
なお、図3は、通常時における操作パネル100の表示を示す概略図である。すなわち、後述するように手動にて放電生成物除去モードを実行するための実行キー112(図6を参照できる。)が所定の条件で表示される場合などを除いて、通常時には図3に示すような画面が操作パネル100に表示されることになる。
そして、本実施の形態では、画像形成装置1が予め設定された放置条件で放置された後に操作パネル100に画像形成動作(プリント動作)を開始する指令(プリント信号)が入力された場合であって、温湿度センサ40(検知手段)によって検知された絶対湿度が予め設定された所定値Aを超えたときには、少なくとも感光体ドラム11(像担持体)を予め設定された駆動条件によって回転駆動する「制御モード(放電生成物除去モード)」を実行するための実行キー112(図6を参照できる。)が操作パネル100に表示されて、実行キー112が押されて「制御モード(放電生成物除去モード)」が実行された後にその画像形成動作が開始されるように、制御部60によって制御される。
なお、本実施の形態では、「制御モード(放電生成物除去モード)」が実行されるときに、感光体ドラム11とともに、現像装置13とクリーニング装置14と潤滑剤供給装置15とが駆動されることになる。具体的に、放電生成物除去モード時には、制御部60による制御によってメイン駆動モータ45と現像駆動モータ46とが同じタイミングで稼働されることになる。
すなわち、画像形成装置1が予め設定された放置条件で放置された場合であって、感光体ドラム11の周囲の絶対湿度が所定値Aを超える場合には、ユーザーが操作パネル100のスタートキー110を押したときに、すぐにプリント動作が開始されるのではなくて、操作パネル100の画面が実行キー112の表示されたものに切り替わって、実行キー112を押して「制御モード(放電生成物除去モード)」が実行されないと、プリント動作が開始されないように制御している。
なお、画像形成装置1が予め設定された放置条件で放置された場合であっても、感光体ドラム11の周囲の絶対湿度が所定値Aを超えない場合には、ユーザーが操作パネル100のスタートキー110を押したときに、ユーザーが設定した動作条件に基いて、すぐにプリント動作が開始されることになる。
この「制御モード」は、潤滑剤供給装置15によって感光体ドラム11の表面に供給された潤滑剤に吸着した放電生成物(帯電装置12によって生成されたものである。)を感光体ドラム11の表面から除去するために実行されるものであって、以下、適宜に「放電生成物除去モード」と呼ぶ。
放電生成物は、帯電装置12による帯電工程時に生成されるオゾンやNOxなどの公知の生成物であって、特に、本実施の形態のように、コロナ放電方式の帯電をおこなう場合に多く生成されてしまう。
そして、放電生成物は、帯電装置12の位置で感光体ドラム11の表面に吸着しやすく、そのような状態で画像形成プロセス(プリント動作)が実行されると、感光体ドラム11上に形成されるトナー像にボケ画像(感光体ドラム11の帯電電位が周方向にわたって均一にならずに、周方向に画像ムラが生じて、かすれたり、にじんだような画像である。)が生じてしまうことになる。
特に、このような放電生成物によるボケ画像の発生は、画像形成装置1がプリント動作をおこなうことなくある程度長く放置された後に、絶対湿度が高い環境で開始されるプリント動作で生じやすい。これは、高湿度環境で長時間かけて放電生成物が感光体ドラム11の表面に滞留することで、感光体ドラム11の表面に放電生成物がさらに吸着しやすくなるためである。
また、このような放電生成物によるボケ画像の発生は、本実施の形態のもののように潤滑剤供給装置15が設置されている場合に生じやすい。これは、感光体ドラム11に供給された潤滑剤が放電生成物の吸着を助長する特性を有するためである。
これに対して、本実施の形態では、放電生成物によるボケ画像の発生が生じやすい条件(放置条件と絶対湿度(所定値A)とである。)を予め定めて、その条件が満たされるか否かをプリント動作がおこなわれる直前に判別して、その結果に基いてプリント動作開始前に放電生成物除去モードが確実に実行されるように構成している。
そして、この放電生成物除去モードは、固定された実行内容(駆動条件)でおこなわれるものではなくて、ユーザーの使用状況やニーズに応じて実行内容を可変して設定できるように構成されたものである。すなわち、プリント画像の画質(ボケ画像の発生)をそれほど重視せずにプリント生産性を重視するユーザーに対しても、プリント生産性をそれほど重視せずにプリント画像の画質(ボケ画像の発生)を重視するユーザーに対しても、どちらにも対応できるように、放電生成物除去モードの実行内容を所定範囲で可変できるように構成している。
このような制御をおこなうことにより、「制御モード(放電生成物除去モード)」を実行する必要がないときにまで、その制御モードが実行されてしまって、プリント動作が開始されるまでの待ち時間が無駄にかかってしまう不具合や、関連する部材が無駄に駆動されてしまう不具合を防止することができて、放電生成物によるボケ画像の発生をユーザーの使用状況やニーズに合わせて効率的に軽減することができる。
ここで、本実施の形態において、「制御モード(放電生成物除去モード)」は、通常のプリント動作がおこなわれる直前に、実行キー112の操作によって実行されるものである。
具体的に、「放電生成物除去モード」は、メイン駆動モータ45が稼働(オン)されて感光体ドラム11やクリーニングブラシローラ14bや潤滑剤供給ローラ15aが回転駆動されるとともに、現像駆動モータ46が稼働(オン)されて現像装置13(現像ローラ13a、搬送スクリュ13b、13c)が駆動される。このとき、現像ローラ13aには、所定の現像バイアスが印加されて、感光体ドラム11上には現像ローラ13aから少量のトナーが移行して付着する(地肌汚れする)。
このように、放電生成物除去モード時には、感光体ドラム11、現像装置13、クリーニング装置14、潤滑剤供給装置15が駆動されることになる。感光体ドラム11上に少量のトナーが供給されることで、感光体ドラム11や感光体ドラム11上に塗布された潤滑剤に対してトナーが研磨剤のように作用して、感光体ドラム11や感光体ドラム11に付着した潤滑剤に放電生成物が吸着していても、それらをトナーとともにクリーニングブレード14a(及び、クリーニングブラシローラ14b)によって除去することができる。したがって、放電生成物除去モードをおこなうことで、放電生成物によるボケ画像の発生を軽減することができる。
ここで、本実施の形態において、上述した画像形成装置1の「放置条件」とは、「放置時間帯」と「放置時間」とである。
「放置時間帯」とは、上述した放電生成物除去モード実行の対象となる時間帯であって、通常はユーザーが画像形成装置1を使用する時間帯(勤務時間帯)である。図4(A)を参照して、本実施の形態では、「放置時間帯」として、放電生成物除去モード実行の対象となる時間帯における「開始時間」と「終了時間」とを設定できるように構成されている。
「放置時間」とは、上述した放置時間帯において、実際に画像形成装置1が稼働停止状態となっている時間である。図4(A)を参照して、本実施の形態では、「放置時間」として、1分〜360分の間で設定できるように構成されている。
例えば、「開始時間」が8時に設定されて、「終了時間」が18時に設定されて、「放置時間」が180分に設定されている場合には、8時〜18時の間に180分以上の画像形成装置1の放置(稼働停止)があったものとタイマー47(図2を参照できる。)によって検知されたときに、画像形成装置1が予め設定された放置条件で放置されたものと制御部60で判断されることになる。
また、本実施の形態において、上述した制御モード時(放電生成物除去モード時)における「駆動条件(実行条件)」とは、「実行時間(駆動時間)」と「実行回数」とである。
「実行時間」とは、1回の放電生成物除去モードにおける実行時間(駆動時間)であって、上述した放電生成物除去モードが1回おこなわれるときにメイン駆動モータ45や現像駆動モータ46が駆動される時間である。図4(A)を参照して、本実施の形態では、手動で放電生成物除去モードを実行するときの「実行時間」を、2分間に固定して設定している。
「実行回数」とは、一連の画像形成動作(1ジョブのプリント動作)がおこなわれるたびにその直前におこなわれる制御モード(放電生成物除去モード)の回数である。図4(A)を参照して、本実施の形態では、「実行回数」として、1回〜1000回の間で設定できるように構成されている。
そして、図6に示す実行キー112が押されたときには、予め設定された「駆動条件」に基いて放電生成物除去モードが実行されることになる。
例えば、「開始時間」が8時に設定されて、「終了時間」が18時に設定されて、「放置時間」が10分に設定されて、「実行回数」が3回に設定されている場合には、8時〜18時の間に10分以上の画像形成装置1の放置(稼働停止)があった後におこなわれる1回目〜3回目のプリントジョブにおいて、それぞれのプリント動作の直前に2分間の放電生成物除去モードが実行されて、4回目以降のプリントジョブについては放電生成物除去モードが実行されないことになる。
ここで、本実施の形態では、図6を参照して、操作パネル100に実行キー112が表示されたときに、「放置条件」と絶対湿度の「所定値A」と放電生成物除去モードの「駆動条件」とのうち少なくとも1つを変更するための設定キー113が、実行キー112とともに操作パネル100に表示される。
そして、設定キー113によって「放置条件」と絶対湿度の「所定値A」と放電生成物除去モードの「駆動条件」とのうち少なくとも1つが変更されたときには、その画像形成動作が開始される前におこなわれる制御モード(放電生成物除去モード)が実行されるときから、又は、次の画像形成動作が開始される前におこなわれる制御モード(放電生成物除去モード)が実行されるときから、その変更内容が反映されることになる。
例えば、図6に示す画面から、ユーザーによって設定キー113が押されて、その後に所定の操作がおこなわれて、「放置条件」における「放置時間」が10分から15分に変更された場合には、そのプリント動作が開始される前か、次のプリント動作がおこなわれる前に、制御部60にて「放置条件」における「放置時間」を10分から15分に変更して判断することになる。
また、本実施の形態において、設定キー113には、図7及び図8を参照して、「自動設定キー114」と「マニュアル設定キー115」とが設けられている。すなわち、図6において設定キー113が押されると、操作パネル100に図7に示すような「自動設定キー114」と「マニュアル設定キー115」とが表示されることになる。そして、図7に示す「自動設定キー114」が押された場合には、操作パネル100に図8(A)に示すような自動設定をおこなうための画面が表示されることになる。これに対して、図7に示す「マニュアル設定キー115」が押された場合には、操作パネル100に図8(B)に示すようなマニュアル設定をおこなうための画面が表示されることになる。
「自動設定キー」は、上述した「放置条件」と「所定値A」と「駆動条件」とのうち、一部が予め所定のものに固定して設定されていて、その他が複数の選択肢のなかから任意に選択したものに設定されるためのものである。
詳しくは、本実施の形態では、自動設定が設定された場合、図8(A)に示す画面が表示されて、図4(A)の「自動設定」に記載した内容に対応する設定をおこなうことが可能になる。具体的に、自動設定では、絶対湿度の3段階の大きさに対応する放電生成物除去モードの程度(図4(A)中の「強」、「弱」、「無」である。)は固定して設定されており、「実行時間」についても2分で固定して設定されている。そして、図8(A)に示すように、「開始時間」、「終了時間」、「放置時間」、「実行回数」について、それぞれ、選択ボタン116〜119の1つを押して、それらの設定値を決定することになる。そして、すべての入力が完了すると、操作パネル100の画面は再び図6のものに戻って、実行キー112が押されることによって放電生成物除去モードが実行されることになる。
「マニュアル設定キー」は、上述した「放置条件」と「所定値A」と「駆動条件」とのうち、一部が予め所定のものに固定して設定されていて、その他が所定の範囲内において任意のものに設定されるためのものである。
詳しくは、本実施の形態では、マニュアル設定が設定された場合、図8(B)に示す画面が表示されて、図4(A)の「マニュアル設定」に記載した内容に対応する設定をおこなうことが可能になる。具体的に、マニュアル設定では、「実行時間」のみが2分で固定して設定されている。そして、図8(B)に示すように、絶対湿度の3段階の大きさに対応する放電生成物除去モードの程度を、それぞれ、「強」「弱」の選択キー120、121を押して、又は、「強」「弱」「無」の選択キー122を押して、選択することになる。また、図8(B)に示すように、「開始時間」、「終了時間」、「放置時間」、「実行回数」について、それぞれ、所定の範囲内においてテンキー111を用いて、それらの設定値を入力欄123〜126に入力することになる。そして、すべての入力が完了すると、操作パネル100の画面は再び図6のものに戻って、実行キー112が押されることによって放電生成物除去モードが実行されることになる。
なお、本実施の形態において、設定キー113は、温湿度センサ40(検知手段)によって検知された絶対湿度に応じて、制御モード(放電生成物除去モード)において現像装置13によって感光体ドラム11の表面に付着させるトナー量を可変できるように構成されている。
詳しくは、図4、図8において、「絶対湿度」の項目における「強」は、放電生成物除去モードを強めに設定するものであって、現像ローラ13aに印加する現像バイアスを可変して、現像ローラ13aから感光体ドラム11上に移行して付着するトナー量が多めになるような設定になっている。「弱」は、放電生成物除去モードを弱めに設定するものであって、現像ローラ13aに印加する現像バイアスを可変して、現像ローラ13aから感光体ドラム11上に移行して付着するトナー量が少なめになるような設定になっている。「無」は、放電生成物除去モードをおこなわないように設定するものであって、これに対応する絶対湿度(図4(A)の8g/m3以下である。)が先に説明した「所定値A」に対応することになる。
以下、ここまで説明した、手動制御モードによって放電生成物除去モードが実行されるときの制御について、図5を用いてまとめて説明する。
図5を参照して、まず、操作パネル100においてスタートキー110が押されてプリント信号が入力されると(ステップS1)、画像形成装置1が予め設定された放置条件で放置されていたかが判別される(ステップS2)。その結果、画像形成装置1が予め設定された放置条件で放置されていたものと判別された場合には、温湿度センサ40によって感光体ドラム11の周囲の絶対湿度が検知される(ステップS3)。
そして、温湿度センサ40によって検知された絶対湿度が所定値Aを超えているかが判別される(ステップS4)。その結果、絶対湿度が所定値Aを超えているものと判別された場合には、ボケ画像が生じるものとして、図6に示すように操作パネル100上に実行キー112が表示される(ステップS5)。そして、実行キー112が押されたかが判別されて(ステップS6)、実行キー112が押されたものと判別された場合に、予め定められた条件に基いた放電生成物除去モードが実行される(ステップS7)。そして、放電生成物除去モードが終了した後に、プリント動作が開始される(ステップS8)。
これに対して、ステップS6にて実行キー112が押されていないものと判別された場合には、図6に示す表示画面が切り替れられないことになる。
また、ステップS2で画像形成装置1が予め設定された放置条件で放置されていないものと判別された場合や、ステップS4で温湿度センサ40によって検知された絶対湿度が所定値Aを超えていないものと判別された場合には、ボケ画像が生じないものとして、放電生成物除去モードが実行されることなく、そのままプリント動作が開始される(ステップS8)。
なお、ここまで、手動によるキー操作によっておこなわれる放電生成物除去モードについて説明したが、放電生成物除去モードが自動制御によってもおこなわれるように構成することもできる。
すなわち、所定条件が満たされたときに、少なくとも感光体ドラム11を予め設定された条件によって回転駆動する自動制御モードが、非画像形成時のタイミングで実行されるように制御することもできる。
例えば、図4(B)に示すように、放置時間が予め設定された値(例えば、300分である。)に達して、温湿度センサ40によって検知された絶対湿度が所定値(例えば、13g/m3である。)を超える場合に、その絶対湿度の大きさに応じて、強レベル又は弱レベルの放電生成物除去モードが、予め設定された実行時間(例えば、3分である。)だけ、プリント動作がおこなわれていない時間帯に実行される。
このように、手動による放電生成物除去モードの他に、自動による放電生成物除去モードをおこなうことで、放電生成物によるボケ画像の発生をさらに確実に軽減することができる。
以上説明したように、本実施の形態では、画像形成装置1が予め設定された放置条件で放置された後に操作パネル100に画像形成動作(プリント動作)を開始する指令(プリント信号)が入力された場合であって、温湿度センサ40(検知手段)によって検知された絶対湿度が予め設定された所定値Aを超えたときには、少なくとも感光体ドラム11(像担持体)を予め設定された駆動条件によって回転駆動する「制御モード(放電生成物除去モード)」を実行するための実行キー112が操作パネル100に表示されて、実行キー112が押されて「制御モード(放電生成物除去モード)」が実行された後にその画像形成動作が開始される。
これにより、放電生成物によるボケ画像の発生をユーザーの使用状況やニーズに合わせて効率的に軽減することができる。
なお、本実施の形態では、感光体ドラム11や帯電装置12(帯電部)や現像装置13やクリーニング装置14や潤滑剤供給装置15を一体化してプロセスカートリッジ10Yを構成して、作像部のコンパクト化とメンテナンス作業性の向上とを図っている。
これに対して、これらの構成部材を、プロセスカートリッジの構成部材とせずに、それぞれ単体で装置本体1に交換可能に設置されるように構成することもできる。このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電部と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像部(現像装置)と、像担持体上をクリーニングするクリーニング部(クリーニング装置)と、のうち少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
また、本実施の形態では、カラー画像形成装置1に対して本発明を適用したが、モノクロ画像形成装置に対しても当然に本発明を適用することができる。
そして、そのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、潤滑剤供給ローラ15aとして芯金上に発泡弾性層が形成されたものを用いたが、潤滑剤供給ローラ15aとして芯金の外周に直毛状又はループ状のブラシ毛が巻装されたものを用いることもできる。その場合、ブラシ毛としては、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アクリル、ビニロン、塩化ビニル等の樹脂繊維を用いることができ、必要に応じてカーボン等の導電付与剤が混入された導電繊維を用いることができる。また、ブラシ毛は、長さ(毛足)が0.2〜20mm、ブラシ密度が2〜10万F/inch2のものを用いることができる。
また、本実施の形態では、クリーニング装置14に設置されるクリーニング部材として、クリーニングブレード14aとクリーニングブラシローラ14bとを用いたが、クリーニングブラシローラ14bを設置しないでクリーニング部材としてクリーニングブレード14aのみを用いることもできる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
11 感光体ドラム(像担持体)、
12 帯電装置、
13 現像装置、
14 クリーニング装置、
14a クリーニングブレード(クリーニング部材)、
14b クリーニングブラシローラ(クリーニング部材)、
15 潤滑剤供給装置、
40 温湿度センサ(検知手段)、
100 操作パネル(操作部)、
110 スタートキー、
112 実行キー、
113 設定キー、
114 自動設定キー、 115 マニュアル設定キー。
特許第5239268号公報 特開2012−96414号公報

Claims (6)

  1. 所定方向に回転する像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電装置と、
    前記像担持体の近傍の絶対湿度を検知する検知手段と、
    画像形成動作を開始する指令と、当該画像形成動作に関わる動作条件と、を入力可能に構成された操作パネルと、
    を備え、
    当該画像形成装置が予め設定された放置条件で放置された後に前記操作パネルに画像形成動作を開始する指令が入力された場合であって、前記検知手段によって検知された絶対湿度が予め設定された所定値を超えたときには、少なくとも前記像担持体を予め設定された駆動条件によって回転駆動する制御モードを実行するための実行キーが前記操作パネルに表示されるとともに、前記放置条件と前記所定値と前記駆動条件とのうち少なくとも1つを変更するための設定キーが前記実行キーとともに前記操作パネルに表示されて、前記実行キーが押されて前記制御モードが実行された後に当該画像形成動作が開始され、
    前記設定キーによって前記放置条件と前記所定値と前記駆動条件とのうち少なくとも1つが変更されたときには、その画像形成動作が開始される前におこなわれる前記制御モードが実行されるときから、又は、次の画像形成動作が開始される前におこなわれる前記制御モードが実行されるときから、その変更内容が反映されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記設定キーは、
    前記放置条件と前記所定値と前記駆動条件とのうち、一部が予め所定のものに固定して設定されていて、その他が複数の選択肢のなかから任意に選択したものに設定される自動設定キーと、
    前記放置条件と前記所定値と前記駆動条件とのうち、一部が予め所定のものに固定して設定されていて、その他が所定の範囲内において任意のものに設定されるマニュアル設定キーと、
    を具備したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記像担持体に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像装置を備え、
    前記制御モードが実行されるときに、前記現像装置が駆動され、
    前記設定キーは、前記検知手段によって検知された絶対湿度に応じて、前記制御モードにおいて前記現像装置によって前記像担持体の表面に付着させるトナー量を可変できるように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記放置条件は、放置時間帯と放置時間とであって、
    前記駆動条件は、1回の前記制御モードにおける実行時間と、一連の画像形成動作がおこなわれるたびにその直前におこなわれる前記制御モードの実行回数と、であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 所定条件が満たされたときに、少なくとも前記像担持体を予め設定された条件によって回転駆動する自動制御モードが、非画像形成時のタイミングで実行されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記像担持体に当接して前記像担持体の表面に担持された未転写トナーを除去するクリーニング部材を具備したクリーニング装置と、
    前記像担持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置と、
    を備え、
    前記制御モードが実行されるときに、前記クリーニング装置と前記潤滑剤供給装置とが駆動されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
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