JP6677851B1 - コンクリート長穴への剛性棒の接着方法 - Google Patents

コンクリート長穴への剛性棒の接着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート長穴と剛性棒の間の隙間内を負圧にして、この隙間全体に接着剤を充填し、これにより剛性棒のコンクリート構造物に対する所定の固定強度を確保する。【解決手段】先ず剛性棒12をその基端が突出するようにコンクリート長穴11aに遊挿しコンクリート長穴の内周面と剛性棒の外周面との間に隙間14が形成された状態で剛性棒を固定する。次いで剛性棒の基端部に、上面がリング状に開口し上面外周縁にアウタフランジ16aが設けられたドーナツ状の容器16を嵌入し、アウタフランジをコンクリート壁11の壁面11bに密着させる。次に剛性棒の基端に剛性棒の中空部12bに連通するようにホース23の先端を接続しホースの基端を真空ポンプに接続する。更に容器に接着剤を貯留し、真空ポンプを作動させて、中空部内、隙間内及び容器内を負圧にすることにより、容器内の接着剤が吸上げられかつ容器が変形して、隙間に接着剤を充填する。【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル等のコンクリート構造物に上向き又は斜め上向きのコンクリート長穴を形成し、このコンクリート長穴に、表示板、照明器具、換気風道、コンクリート壁修復用の鋼板等を取付けるための中空の剛性棒を遊挿して接着する方法に関するものである。この剛性棒は登山に用いられるハーケンのような棒である。
従来、先ず、あと施工アンカーボルトを設置するコンクリート構造物の所望の位置にガイド具位置決め具を固定した後に、上記コンクリート構造物を穿孔するドリルの穿孔位置及び方向をガイドするドリルガイド具を上記ガイド具位置決め具に嵌合して位置決めし、次に、上記ドリルガイド具により上記ドリルの穿孔位置及び方向をガイドして、上記ドリルにより上記コンクリート構造物の所望の位置を穿孔した後に、上記ガイド具位置決め具から上記ドリルガイド具を取外し、更に、上記穿孔した孔内を清掃した後に、上記穿孔した孔内にアンカーボルトを固定する、あと施工アンカーボルト設置方法が開示されている(例えば、特許文献1(請求項8及び12、段落[0001]、[0064]〜[0073]、図1〜図3、図13〜図17)参照。)。上記あと施工アンカーボルト設置方法では、孔内にアンカーボルトを固定するために、先ず孔内に接着剤を挿入した後に、上記コンクリート構造物の穿孔された孔内へ挿入されるアンカーボルトの挿入位置及び方向をガイドするボルトガイド具を、上記ガイド具位置決め具に嵌合して位置決めし、次に上記ボルトガイド具により上記アンカーボルトの挿入位置及び方向をガイドして、上記アンカーボルトを上記孔内の所望の位置に挿入し、更に上記接着剤を硬化させて上記孔内に上記アンカーボルトを固定する。
このように構成された、あと施工アンカーボルト設置方法において、孔内にアンカーボルトを固定する具体的な方法を説明する。先ず、ガイド具位置決め具から上記ボルト挿入用孔内に樹脂製接着剤を封入したカプセルを挿入する。次いで、上記ボルトガイド具を、上記コンクリート構造物の天井面に上向きに固定された上記ガイド具位置決め具の円筒部材の他端から、上記ボルトガイド具の先端が上記矩形状板部材に当接するまで嵌入して、嵌め込んだ後に、円環板状の液漏れ防止パッキンを、上記矩形状板部材の溝部に挿入する。そして、上記ボルトガイド具の下端からアンカーボルトを所望の深さまで上記ボルト挿入用孔に打ち込むとともに、上記樹脂製接着剤を封入した上記カプセルを破壊して、封入された接着剤を上記ボルト挿入孔内に充填させて硬化させる。これにより、上記アンカーボルトを上記コンクリート構造物に固定できる。このように、上記アンカーボルトは、上記ガイド具位置決め具及び上記ボルトガイド具により、上記穿孔した孔内に対して、正確な位置に挿入されるとともに、上記天井面に対して直角方向にアンカーボルトを挿入して固定できる。また、上記接着剤は上記液漏れ防止パッキンにより、上記ボルト挿入孔外に漏れるのを防止できるようになっている。
特開2014−173366号公報
しかし、上記特許文献1に示された、あと施工アンカーボルト設置方法では、コンクリート構造物の天井面に上向きに形成されたボルト挿入孔に、樹脂製接着剤を封入したカプセルを挿入し、このカプセルをアンカーボルトで破壊して、カプセル内の樹脂製接着剤をボルト挿入孔の内周面とアンカーボルトの外周面との間の隙間に充填させる必要があり、この場合、接着剤と隙間内の空気とが完全に入れ替わらなければならない。換言すると、流下する接着剤に逆らって隙間内の空気が上昇する必要があり、粘性のある接着剤を狭い隙間に完全に充填することは難しい。また、上記特許文献1に示された、あと施工アンカーボルト設置方法では、接着剤がボルト挿入孔内にどの程度充填されたか確認できず、接着剤がボルト挿入孔内に十分に充填されていない場合、アンカーボルトのコンクリート構造物に対する固定強度が不足するおそれがあった。
本発明の第1の目的は、コンクリート長穴の内周面と剛性棒の外周面との間の隙間内を負圧にすることにより、この隙間全体に接着剤を充填でき、これにより剛性棒のコンクリート構造物に対する所定の固定強度を確保できる、コンクリート長穴への剛性棒の接着方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、上記隙間に接着剤が完全に充填されたことを確認することができる、コンクリート長穴への剛性棒の接着方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、図1〜図3に示すように、コンクリート構造物のコンクリート壁11に形成された上向き又は斜め上向きのコンクリート長穴11aに中空の剛性棒12を遊挿して、この剛性棒12をコンクリート長穴11a内に接着剤13により接着する方法であって、剛性棒12をその基端が突出するようにコンクリート長穴11aに遊挿しコンクリート長穴11aの内周面と剛性棒12の外周面との間に隙間14が形成された状態で剛性棒12を固定する剛性棒固定工程と、剛性棒12の基端部に、上面がリング状に開口し上面外周縁にアウタフランジ16aが設けられたドーナツ状の容器16を嵌入するとともに、アウタフランジ16aをコンクリート壁11の壁面11bに密着させる嵌入・密着工程と、剛性棒12の基端に剛性棒12の中空部12bに連通するようにホース23の先端を接続しかつホース23の基端を真空ポンプに接続するホース・ポンプ接続工程と、上記剛性棒固定工程から上記ホース・ポンプ接続工程までの間又は上記ホース・ポンプ接続工程の後に、容器16に接着剤13を貯留又は注入し、真空ポンプを作動させて、中空部12b内、隙間14内及び容器16内を負圧にすることにより、容器16内の接着剤13が吸上げられかつ容器16が変形して、隙間14に接着剤13を充填する負圧・充填工程とを含むことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、コンクリート長穴11aに剛性棒12を遊挿したときに、コンクリート長穴11aと剛性棒12との間の隙間14に2本〜4本の棒状の楔15を打ち込むことにより、剛性棒12をコンクリート長穴11aに固定することを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、剛性棒12に容器16を嵌入するときに、剛性棒12の外周面と容器16の内周面との間にゴム製のOリング17を介装することを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に図1に示すように、接着剤13がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂であることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、図1〜図3に示すように、第1ないし第4の観点のいずれかに記載の接着方法に用いられる容器16であって、剛性棒12に嵌入され剛性を有する内筒部16bと、内筒部16bより大径に形成され可撓性を有する外筒膜16cと、内筒部16bの下縁と外筒膜16cの下縁とを接続し可撓性を有するリング状の底膜16dと、外筒膜16cの上縁に設けられ剛性を有するリング状のアウタフランジ16aとを有し、内筒部16b、外筒膜16c、底膜16d及びアウタフランジ16aがプラスチックにより一体的に形成されたことを特徴とする。
本発明の第6の観点は、図8〜図10に示すように、第1ないし第4の観点のいずれかに記載の接着方法に用いられる容器46であって、剛性棒12に嵌入され剛性棒12の長手方向に伸縮可能な蛇腹状に形成された内筒部46bと、内筒部46bより大径に形成され剛性棒12の長手方向に伸縮可能な蛇腹状に形成された外筒部46cと、内筒部46bの下縁と外筒部46cの下縁とを接続し剛性を有するリング状の底壁46dと、外筒部46cの上縁に設けられ剛性を有するリング状のアウタフランジ46aとを有し、内筒部46b、外筒部46c、底壁46d及びアウタフランジ46aがプラスチックにより一体的に形成されたことを特徴とする。
本発明の第1の観点のコンクリート長穴への剛性棒の接着方法では、容器のアウタフランジをコンクリート壁の壁面に密着させた状態で、真空ポンプを作動させて、中空部内、隙間内及び容器内を負圧にすることにより、容器内の接着剤が吸上げられかつ容器が変形して、隙間に接着剤を充填するので、接着剤と隙間内の空気との入れ替えを必要とせず、隙間全体に接着剤を充填できる。この結果、剛性棒のコンクリート構造物に対する所定の固定強度を確保できる。また、中空部内、隙間内及び容器内を負圧にしたときに、接着剤が隙間に充填されて余剰の接着剤が中空部を通ってホースまで流下することにより、接着剤が隙間全体に充填されたことを確認することができる。
本発明の第2の観点のコンクリート長穴への剛性棒の接着方法では、コンクリート長穴に剛性棒を遊挿したときに、コンクリート長穴と剛性棒との間の隙間に2本〜4本の棒状の楔を打ち込んで、剛性棒をコンクリート長穴に固定する。このような比較的簡単な作業で短時間に、剛性棒をコンクリート長穴に固定できる。
本発明の第3の観点のコンクリート長穴への剛性棒の接着方法では、剛性棒に容器を嵌入するときに、剛性棒の外周面と容器の内周面との間にゴム製のOリングを介装したので、真空ポンプを作動させると、剛性棒の外周面と容器の内周面との間から空気が入るのを阻止できる。この結果、真空ポンプによりホース内、中空部内、隙間内及び容器内を確実に負圧にすることができる。
本発明の第4の観点のコンクリート長穴への剛性棒の接着方法では、接着剤がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂であるので、剛性棒を接着剤でコンクリート構造物に確実に固定できる。
本発明の第5の観点の容器では、容器が、剛性棒に嵌入され剛性を有する内筒部と、内筒部より大径に形成された可撓性を有する外筒膜と、内筒部の下縁と外筒膜の下縁とを接続し可撓性を有するリング状の底膜と、外筒膜の上縁に設けられ剛性を有するリング状のアウタフランジとを有するので、真空ポンプによりホース内、中空部内、隙間内及び容器内を負圧にすると、容器内の接着剤が吸上げられかつ容器の外筒膜及び底膜が変形して、容器内の接着剤が隙間に充填される。また、内筒部、外筒膜、底膜及びアウタフランジをプラスチックにより一体的に形成して容器を作製するので、容器の製作工数を低減できる。なお、外筒膜及び底膜は可撓性を有するため、外筒膜及び底膜を内筒部及びアウタフランジとともに射出成形することが難しいときは、外筒膜及び底膜をブロー成形(中空成形)により一体成形し、内筒部及びアウタフランジをそれぞれ射出成形した後に、これらを接着又は溶着することにより、容器は一体的に形成される。
本発明の第6の観点の容器では、容器が、剛性棒に嵌入され剛性棒の長手方向に伸縮可能な蛇腹状に形成された内筒部と、内筒部より大径に形成され剛性棒の長手方向に伸縮可能な蛇腹状に形成された外筒部と、内筒部の下縁と外筒部の下縁とを接続し剛性を有するリング状の底壁と、外筒部の上縁に設けられ剛性を有するリング状のアウタフランジとを有するので、真空ポンプによりホース内、中空部内、隙間内及び容器内を負圧にすると、容器内の接着剤が吸上げられかつ容器の内筒部及び外筒部が剛性棒の長手方向に縮む方向に変形して、容器内の接着剤が隙間に充填される。また、内筒部、外筒部、底壁及びアウタフランジをプラスチックにより一体的に形成して容器を作製するので、容器の製作工数を低減できる。なお、内筒部及び外筒部は蛇腹状に形成されているため、内筒部及び外筒部を底壁及びアウタフランジとともに射出成形することは難しいけれども、内筒部及び外筒部をそれぞれブロー成形(中空成形)し、底壁及びアウタフランジをそれぞれ射出成形した後に、これらを接着又は溶着することにより、容器は一体的に形成される。
本発明第1実施形態のコンクリート長穴に挿入して固定された剛性棒に、接着剤の貯留された容器を嵌入してアウタフランジをコンクリート壁の壁面に密着させ、更に剛性棒の基端にホースを接続した状態を示す要部縦断面図である。 そのホースの基端に接続された真空ポンプを作動させて中空部内等を負圧にすることにより、容器内の接着剤が吸上げられかつ容器が変形してコンクリート長穴と剛性棒との間の隙間に接着剤が充填された状態を示す図1に対応する要部縦断面図である。 その容器の下端を保持するナットを回転させて容器を上昇させることにより、容器の内筒部と剛性棒との間を閉止するOリングで上記隙間を塞いだ状態を示す図2に対応する要部縦断面図である。 そのコンクリート長穴に挿入して固定された剛性棒に、接着剤の貯留された容器を嵌入してアウタフランジをコンクリート壁の壁面に密着させ、更に剛性棒の基端にホースを接続した状態を示す剛性棒及び容器等の側面図である。 そのホースの基端に接続された真空ポンプを作動させて中空部内等を負圧にすることにより、容器内の接着剤が吸上げられかつ容器が変形してコンクリート長穴と剛性棒との間の隙間に接着剤が充填された状態を示す剛性棒及び容器等の側面図である。 その容器の内筒部と剛性棒との間を閉止するOリングで上記隙間を塞いだ後にホースを剛性棒から取外した状態を示す図3に対応する要部縦断面図である。 その隙間内の接着剤が硬化した後に容器を取外してステーをナットで肯定した状態を示す図6に対応する要部縦断面図である。 本発明第2実施形態のコンクリート長穴に挿入して固定された剛性棒に、接着剤の貯留された容器を嵌入してアウタフランジをコンクリート壁の壁面に密着させ、更に剛性棒の基端にホースを接続した状態を示す要部縦断面図である。 そのホースの基端に接続された真空ポンプを作動させて中空部内等を負圧にすることにより、容器内の接着剤が吸上げられかつ容器が変形してコンクリート長穴と剛性棒との間の隙間に接着剤が充填された状態を示す図8に対応する要部縦断面図である。 その容器の下端を保持するナットを回転させて容器を上昇させることにより、容器の内筒部と剛性棒との間を閉止するOリングで上記隙間を塞いだ状態を示す図9に対応する要部縦断面図である。 本発明第3実施形態の45度の角度で斜め上向きのコンクリート長穴に挿入して固定された剛性棒に、接着剤の貯留された容器を嵌入してアウタフランジをコンクリート壁の壁面に密着させ、更に剛性棒の基端にホースを接続した状態を示す要部縦断面図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施の形態>
図1〜図6に示すように、本発明は、コンクリート構造物のコンクリート壁11に形成されたコンクリート長穴11aに中空の剛性棒12を遊挿して、この剛性棒12をコンクリート長穴11a内に接着剤13により接着する方法である。この実施の形態では、コンクリート構造物は、厚さ300mm〜600mmのコンクリート壁11を有するトンネルであり、コンクリート長穴11aはトンネルのコンクリート壁11の壁面11b(天井面)に上向きに形成される。このコンクリート長穴11aの直径及び深さは、この実施の形態では、それぞれ約28mm及び約220mmである。また、中空の剛性棒12は、炭素鋼やステンレス鋼等の金属により形成され、その外径、内径及び全長は、この実施の形態では、それぞれ約25mm、約9mm及び約255mm(雄ねじ部を含む。)である。更に、剛性棒12の基端側、即ち剛性棒12のコンクリート長穴11aから突出する部分には、長さ約50mmの雄ねじ部12a(ねじの呼び径:例えば、M25)が形成される。なお、接着剤13としては、一液性若しくは二液性のエポキシ樹脂又はアクリル樹脂を用いることが好ましい。また、接着剤13の粘度は、室温で50mPa・s〜160mPa・sの範囲内の低粘度であることが好ましい。具体的には、接着剤13の粘度は、ガソリンエンジンオイル(50mPa・s)、トマトジュース(77mPa・s)、オリーブオイル(90mPa・s)、台所用洗剤(160mPa・s)等の粘度と同程度の低粘度であることが好ましい。接着剤13の粘度が室温で50mPa・s未満では隙間14に充填した接着剤が流下し易く、160mPa・sを超えると隙間14及び容器16内を負圧にしたときに接着剤13が吸上がり難い。
次に、コンクリート長穴11aへの剛性棒12の接着方法を詳細に説明する。先ず、剛性棒12をその基端が約55mm突出するようにコンクリート長穴11aに遊挿して固定する(剛性棒固定工程、図1)。コンクリート長穴11aに剛性棒12を遊挿して固定するには、コンクリート長穴11aの内周面と剛性棒12の外周面との間に形成された隙間14に、2本〜4本の棒状の楔15を円周方向に等間隔に打ち込むことが好ましく、3本〜4本の棒状の楔15を円周方向に等間隔に打ち込むことが、コンクリート長穴11aの孔心と剛性棒12の中心軸とがほぼ一致して更に好ましい。上記楔15は、比較的短い棒状であって、基端から先端に向うに従って次第に高さが低くなる四角錐台状又は四角錐状に形成されるか、或いは基端から先端に向うに従って次第に直径が細くなる円錐台状又は円錐状に形成される。楔15を四角錐台状又は四角錐状に形成する場合、楔15の基端の高さは上記隙間14より僅かに高く形成され、先端の高さは上記隙間14より低く形成される。楔15を円錐台状又は円錐状に形成する場合、楔15の基端の直径は上記隙間14より僅かに太く形成され、先端の直径は上記隙間14より細く形成される。また、楔15は棒状の木片や金属片等により形成される。
次いで、剛性棒12の基端部に、アウタフランジ16aを有するドーナツ状の容器16を嵌入するとともに、アウタフランジ16aをコンクリート壁11の壁面11aに密着させる(嵌入・密着工程、図1)。この実施の形態では、剛性棒固定工程の後であって剛性棒12に容器16を嵌入する前に、この容器16に接着剤13を貯留する。上記容器16は、剛性棒12に嵌入され剛性を有する内筒部16bと、内筒部16bより大径に形成され可撓性を有する外筒膜16cと、内筒部16bの下縁と外筒膜16cの下縁とを接続し可撓性を有するリング状の底膜16dと、外筒膜16cの上縁に設けられ剛性を有するリング状の上記アウタフランジ16aとを有する。これにより、容器16は、上面がリング状に開口し内部に接着剤13を貯留可能なドーナツ状に形成される。また、内筒部16bの内径は剛性棒12の外径より約6mm太く形成され、内筒部16bの厚さは1.5mmと比較的厚く形成される。これにより内筒部16bは剛性を有するよう構成される。更に、内筒部16bの上端内周縁にはリング状の凹部16eが形成される。このリング状の凹部16eには、ゴム製のOリング17を挿入可能に構成される。
外筒膜16cの外径は約45mmであり、外筒膜16cの厚さは0.05mm〜0.1mmと比較的薄く形成される。これにより外筒膜16cは可撓性を有するように構成される。また、底膜16dの厚さは0.05mm〜0.1mmと比較的薄く形成される。これにより底膜16dは可撓性を有するように構成される。更に、アウタフランジ16aの幅は約10mmに形成され、アウタフランジ16aの厚さは約2mmと比較的厚く形成される。これによりアウタフランジ16aは剛性を有するように構成される。上記内筒部16b、外筒膜16c、底膜16d及びアウタフランジ16aは、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックの射出成形により一体的に形成されることが好ましい。なお、外筒膜16c及び底膜16dが極めて薄いため、外筒膜16c及び底膜16dを内筒部16b及びアウタフランジ16aとともに射出成形することが難しいときは、ポリ塩化ビニル等の接着性や溶着性の良好なプラスチックを用いて、外筒膜16c及び底膜16dをブロー成形(中空成形)により一体成形し、内筒部16b及びアウタフランジ16aをそれぞれ射出成形した後に、これらを接着又は溶着することにより、容器16を一体的に形成することができる。また、容器16の内筒部16bの凹部16eにOリング17を挿入した状態で、この容器16を剛性棒12に嵌入すると、Oリング17により剛性棒12の外周面と容器16の内筒部16bの内周面との間の空隙22が塞がれるようになっている。但し、このときOリング17とコンクリート壁11の壁面11bとの間に、上記隙間14内と容器16内とを連通するリング状の間隔18が設けられる(図1及び図2)。図1〜図7中の符号19は、容器16の下面を受ける座金であり、図1〜図7中の符号21は、剛性棒12の雄ねじ部12aに螺合され座金19の位置を決めるナットである。
次に、剛性棒12の基端に剛性棒12の中空部12bに連通するようにホース23の先端を接続しかつホース23の基端を真空ポンプ(図示せず)に接続する(ホース・ポンプ接続工程、図1及び図4)。ホース23の先端を剛性棒12の雄ねじ部12aにユニオンタケノコ24を用いて取付けることが好ましい。上記ユニオンタケノコ24は、通孔24bが形成されホース23が嵌入されるタケノコ部24aと、このタケノコ部24aと一体的にタケノコ部24aの基端に設けられたフランジ部24cと、剛性棒12の雄ねじ部12aに螺合可能な雌ねじ部24eが形成されフランジ部24cを剛性棒12の基端面に固定するユニオン部24dとを有する。なお、図1〜図3中の符号24fは、フランジ部24cとユニオン部24dとの間に介装されたパッキンであり、図1〜図6中の符号24gは、ホース23がタケノコ部24aから抜けるのを阻止するホースバンドである。また、ホース23はその内部を負圧にしても変形しないように形成される。更に、ホース23は透明又は半透明に形成されることが好ましい。これにより、ホース23内を流下する接着剤13を目視で確認できる。
更に、真空ポンプを作動させて、中空部12b内、隙間14内及び容器16内を負圧にすることにより、容器16内の接着剤13が吸上げられかつ容器16が変形して、隙間14に接着剤13を充填する(負圧・充填工程、図2及び図5)。具体的には、容器16のアウタフランジ16aをコンクリート壁11の壁面11bに押し付けて密着させた状態で、ホース23の基端に接続された真空ポンプを作動させると、アウタフランジ16aがコンクリート壁11の壁面11aに吸着されて、アウタフランジ16aがコンクリート壁11の壁面11bとの間から空気が容器16内に入らず、また剛性棒12の外周面と容器16の内筒部16bの内周面との間の空隙22がOリング17により塞がれているため、空気が上記空隙22からコンクリート長穴11aの内周面と剛性棒12の外周面との間の隙間14に入らない。このため、剛性棒12の中空部12b内、隙間14内及び容器16内が負圧になるので、容器16内の接着剤13が吸上げられかつ容器16の外筒膜16c及び底膜16dが変形して、上記隙間14に接着剤13が充填される。このとき、隙間14に充填される接着剤13と隙間14内の空気との入れ替えを必要としないため、隙間14全体に接着剤13を充填できる。また、隙間14全体に接着剤13が充填されると、余剰の接着剤13が剛性棒12の中空部12bを通ってホース23まで流下するので、このホース23まで流下した接着剤13を透明又は半透明のホース23の外方から目視することにより、接着剤13が隙間14全体に充填されたことを確認することができる。
その後、剛性棒12の雄ねじ部12aに螺合されているナット19を回転させて上昇させることにより、コンクリート長穴11aの内周面と剛性棒12の外周面との間の隙間14をOリング17で塞いだ後(図3)、剛性棒12の雄ねじ部12aからホース23を外す(図6)。このとき隙間14がOリング17で塞がれているので、隙間14に充填された接着剤13が容器16内に逆流することはない。この状態で接着剤13の粘度が高くなって接着剤13の流動性がなくなるまで、又は接着剤13が硬化するまで放置する。そして、図6に示すように接着剤13が硬化すると、剛性棒12のコンクリート壁11に対する所定の固定強度を確保できる。この剛性棒12からナット19、座金18、容器16及びOリング17を外し、表示板26のステー26aの透孔26bを剛性棒12に嵌入し、更に剛性棒12の雄ねじ部12aに座金18を嵌入してナット19を螺合することにより、表示板26を剛性棒12により確実に保持できる(図7)。
なお、コンクリート長穴11aに遊挿して接着された中空の剛性棒12の周囲のコンクリート壁11に亀裂が発生した場合、剛性棒12の基端にホース23を接続して、充填剤(図示せず)を剛性棒12の中空部12bに圧入することにより、充填剤をコンクリート壁11の内部の亀裂に充填することができる。また、剛性棒12が不良品であると認められた場合や、剛性棒12の施工が不良であると認められた場合、ドリルで剛性棒12を丸ごと切削除去する必要がある。この場合、剛性棒12の中空部12bをドリル先端のガイドホールとして利用できるので、コンクリート長穴11aに殆ど影響を与えずに剛性棒12のみを切削除去できるとともに、剛性棒12のみを切削除去したコンクリート長穴11aに再び新たな剛性棒12を遊挿して接着することもできる。更に、後年、剛性棒12の接着状態を調べる検査において、剛性棒12の接着に不具合が発見された場合、剛性棒12の接着施工に関する合否の判定を厳格に行うことができる。
<第2の実施の形態>
図8〜図10は本発明の第2の実施の形態を示す。図8〜図10において図1〜図3と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、アウタフランジ46aを有するドーナツ状の容器46が、剛性棒12に嵌入され剛性棒12の長手方向に伸縮可能な蛇腹状に形成された内筒部46bと、内筒部46bより大径に形成され剛性棒12の長手方向に伸縮可能な蛇腹状に形成された外筒部46cと、内筒部46bの下縁と外筒部46cの下縁とを接続し剛性を有するリング状の底壁46dと、外筒部46cの上縁に設けられ剛性を有するリング状の上記アウタフランジ46aとを有する。これにより、容器46は、上面がリング状に開口し内部に接着剤13を貯留可能なドーナツ状に形成される。
内筒部46bの内径及び外径は、内筒部46bをその長手方向に最も縮めた状態で約29mm及び約37mmに形成され、内筒部46bの厚さは約0.5mmと比較的薄く形成される。これにより内筒部46bが弾性変形してその長手方向に伸縮可能に構成される。また、外筒部46cの内径及び外径は、外筒部46cを最も縮めた状態で約42mm及び約50mmに形成され、外筒部46bの厚さは約0.5mmと比較的薄く形成される。これにより外筒部46cが弾性変形してその長手方向に伸縮可能に構成される。更に、内筒部46bの上端内周縁にはリング状の凹部46eが形成される。このリング状の凹部46eには、ゴム製のOリング17を挿入可能に構成される。
底壁46dの幅は約10mmに形成され、底壁46dの厚さは約2mmと比較的厚く形成される。これにより底壁46dは剛性を有するように構成される。また、アウタフランジ46aの幅は約10mmに形成され、アウタフランジ46aの厚さは約2mmと比較的厚く形成される。これによりアウタフランジ46aは剛性を有するように構成される。更に、内筒部46b、外筒部46c、底壁46d及びアウタフランジ46aはプラスチックにより一体的に形成されることが好ましい。但し、内筒部46b及び外筒部46cは蛇腹状に形成されているため、内筒部46b及び外筒部46cを底壁46d及びアウタフランジ46aとともに射出成形することは難しい。このため、ポリ塩化ビニル等の接着性や溶着性の良好なプラスチックを用いて、内筒部46b及び外筒部46cをそれぞれブロー成形(中空成形)し、底壁46d及びアウタフランジ46aをそれぞれ射出成形した後に、これらを接着又は溶着することにより、容器46は一体的に形成される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成されたコンクリート長穴11aへの剛性棒12の接着方法を説明する。剛性棒固定工程、嵌入・密着工程及びホース・ポンプ接続工程(図8)は、第1の実施の形態と同様であるので、繰返しの説明を省略する。容器16のアウタフランジ16aをコンクリート壁11の壁面11bに押し付けて密着させた状態で、ホース23の基端に接続された真空ポンプ(図示せず)を作動させると、アウタフランジ46aがコンクリート壁11の壁面11bに吸着されて、アウタフランジ46aがコンクリート壁11の壁面11bとの間から空気が容器46内に入らず、また剛性棒12の外周面と容器46の内筒部46bの内周面との間の空隙22がOリング17により塞がれているため、空気が上記空隙22からコンクリート長穴11aの内周面と剛性棒12の外周面との間の隙間14に入らない。このため、剛性棒12の中空部12b内、上記隙間14内及び容器46内が負圧になるので、容器46内の接着剤13が吸上げられかつ容器46の蛇腹状の内筒部46b及び外筒部46cがそれらの長手方向に縮む方向に変形して、容器46内の接着剤13が上記隙間14に充填される(図9)。このとき、隙間14に充填される接着剤13と隙間14内の空気との入れ替えを必要としないため、隙間14全体に接着剤13を充填できる。また、隙間14全体に接着剤13が充填されると、余剰の接着剤13が剛性棒12の中空部12bを通ってホース23まで流下するので、このホース23まで流下した接着剤13を透明又は半透明のホース23の外方から目視することにより、接着剤13が隙間14全体に充填されたことを確認することができる。
その後、剛性棒12の雄ねじ部12aに螺合されているナット19を回転させて上昇させることにより、座金18を容器46の底壁46dの下面に当接させた後(図10)、剛性棒12の雄ねじ部12aからホース23を外す。このとき容器46はその長手方向に最も縮んだ状態にナット19で保持されているので、隙間14に充填された接着剤13が容器46内に逆流することはない。この状態で接着剤13の粘度が高くなって接着剤13の流動性がなくなるまで、又は接着剤13が硬化するまで放置する。その後の作業手順は、第1の実施の形態の作業手順と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
<第3の実施の形態>
図11は本発明の第3の実施の形態を示す。図11において図1と同一符号は同一部品を示す。この実施の形態では、ドーナツ状の容器66の外筒膜66cに注入口(図示せず)が形成され、この注入口が栓(図示せず)により開放可能に閉止される。また、コンクリート長穴61aはトンネルのコンクリート壁61の壁面61bに45度の角度で斜め上向きに形成される。上記以外は第1の実施の形態と同一に構成される。
このように構成されたコンクリート長穴61aへの剛性棒12の接着方法を説明する。先ず、剛性棒12をその基端が約55mm突出するように、45度の角度で斜め上向きに形成されたコンクリート長穴61aに遊挿して楔15で固定する(剛性棒固定工程)。次いで、剛性棒12の基端部に、アウタフランジ16aを有するドーナツ状の容器66を嵌入するとともに、アウタフランジ16aをコンクリート壁61の壁面61aに密着させる(嵌入・密着工程、図1)。このとき、容器66には接着剤13が貯留されていない。次に、剛性棒12の基端に剛性棒12の中空部12bに連通するようにホース23の先端を接続しかつホース23の基端を真空ポンプ(図示せず)に接続した後(ホース・ポンプ接続工程)、容器66のアウタフランジ16aをコンクリート壁61の壁面61bに押し付けて密着させた状態で、容器66の外筒膜66cの注入口の栓を抜いて、この注入口から接着剤13を容器66に注入する。そして、容器66の注入口を栓で閉止する。このとき、容器66のアウタフランジ16aをコンクリート壁61の壁面61bに押し付けて密着させているので、接着剤13は容器66から漏れない。更に、容器66のアウタフランジ16aをコンクリート壁61の壁面61bに押し付けて密着させた状態で、真空ポンプを作動させると、中空部12b内、隙間14内及び容器66内が負圧になり、容器66内の接着剤13が吸上げられかつ容器66が変形して、隙間14に接着剤13が充填される(負圧・充填工程)。上記以外の動作及び作業手順は、第1の実施の形態の作業手順と略同様であるので、繰返しの説明を省略する。
なお、上記第1〜第3の実施の形態に記載した数値、即ち中空の剛性棒、容器等の寸法は一例であって、これらの数値に限定されない。また、上記第1〜第3の実施の形態では、中空の剛性棒を炭素鋼やステンレス鋼等の金属により形成したが、中空の剛性棒をガラス繊維や炭素繊維等の繊維により強化されたプラスチックにより形成してもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、剛性棒固定工程の後であって剛性棒に容器を嵌入する前に、この容器に接着剤を貯留したが、剛性棒に容器を嵌入した後に、容器のアウタフランジをコンクリート壁の壁面から下方に離して、その隙間から接着剤を容器に注入してもよい。また、第3の実施の形態では、ホース・ポンプ接続工程の後に、容器の注入口から接着剤を注入したが、コンクリート長穴が上向きであれば、容器のアウタフランジをコンクリート壁の壁面から下方に離して、その隙間から接着剤を容器に注入してもよい。この場合、注入口及び栓を有しない容器を用いることができる。
また、上記第1〜第3の実施の形態では、コンクリート構造物としてコンクリート壁を有するトンネルを挙げたが、コンクリート壁を有すれば、ビルの壁面や地下駐車場の天井等でもよい。また、上記第1及び第2の実施の形態では、コンクリート長穴をコンクリート壁の壁面に上向きに形成し、上記第3の実施の形態では、コンクリート長穴をコンクリート壁の壁面に45度の角度で斜め上向きに形成したが、コンクリート長穴をコンクリート壁の壁面に45度以外の角度で斜め上向きに形成してもよい。更に、上記第1〜第3の実施の形態では、表示板のステーを剛性棒に嵌入し、剛性棒の雄ねじ部にナットを螺合することにより、表示板を剛性棒により保持したが、照明器具のステー、換気風道のステー、或いはコンクリート壁修復用の鋼板等を剛性棒に嵌入し、剛性棒の雄ねじ部にナットを螺合することにより、照明器具、換気風道、或いはコンクリート壁修復用の鋼板等を剛性棒により保持してもよい。
11 コンクリート壁
11a コンクリート長穴
11b コンクリート壁の壁面
12 剛性棒
12b 剛性棒の中空部
13 接着剤
14 隙間(コンクリート長穴の内周面と剛性棒の外周面との間)
15 楔
16,46 容器
16a,46a アウタフランジ
16b,46b 内筒部
16c 外筒膜
16d 底膜
17 Oリング
21 ホース
46c 外筒部
46d 底壁

Claims (6)

  1. コンクリート構造物のコンクリート壁に形成された上向き又は斜め上向きのコンクリート長穴に中空の剛性棒を遊挿して、この剛性棒を前記コンクリート長穴内に接着剤により接着する方法であって、
    前記剛性棒をその基端が突出するように前記コンクリート長穴に遊挿し前記コンクリート長穴の内周面と前記剛性棒の外周面との間に隙間が形成された状態で前記剛性棒を固定する剛性棒固定工程と、
    前記剛性棒の基端部に、上面がリング状に開口し上面外周縁にアウタフランジが設けられたドーナツ状の容器を嵌入するとともに、前記アウタフランジを前記コンクリート壁の壁面に密着させる嵌入・密着工程と、
    前記剛性棒の基端に前記剛性棒の中空部に連通するようにホースの先端を接続しかつ前記ホースの基端を真空ポンプに接続するホース・ポンプ接続工程と、
    前記剛性棒固定工程から前記ホース・ポンプ接続工程までの間又は前記ホース・ポンプ接続工程の後に、前記容器に接着剤を貯留又は注入し、前記真空ポンプを作動させて、前記中空部内、前記隙間内及び前記容器内を負圧にすることにより、前記容器内の接着剤が吸上げられかつ前記容器が変形して、前記隙間に前記接着剤を充填する負圧・充填工程と
    を含むことを特徴とする、コンクリート長穴への剛性棒の接着方法。
  2. 前記コンクリート長穴に前記剛性棒を遊挿したときに、前記コンクリート長穴と前記剛性棒との間の隙間に2本〜4本の棒状の楔を打ち込むことにより、前記剛性棒を前記コンクリート長穴に固定する請求項1記載のコンクリート長穴への剛性棒の接着方法。
  3. 前記剛性棒に前記容器を嵌入するときに、前記剛性棒の外周面と前記容器の内周面との間にゴム製のOリングを介装する請求項1記載のコンクリート長穴への剛性棒の接着方法。
  4. 前記接着剤がエポキシ樹脂又はアクリル樹脂である請求項1記載のコンクリート長穴への貫通孔付き剛性棒の接着方法。
  5. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の接着方法に用いられる容器であって、前記剛性棒に嵌入され剛性を有する内筒部と、前記内筒部より大径に形成され可撓性を有する外筒膜と、前記内筒部の下縁と前記外筒膜の下縁とを接続し可撓性を有するリング状の底膜と、前記外筒膜の上縁に設けられ剛性を有するリング状の前記アウタフランジとを有し、前記内筒部、前記外筒膜、前記底膜及び前記アウタフランジがプラスチックにより一体的に形成されたことを特徴とする容器。
  6. 請求項1ないし4いずれか1項に記載の接着方法に用いられる容器であって、前記剛性棒に嵌入され前記剛性棒の長手方向に伸縮可能な蛇腹状に形成された内筒部と、前記内筒部より大径に形成され前記剛性棒の長手方向に伸縮可能な蛇腹状に形成された外筒部と、前記内筒部の下縁と前記外筒部の下縁とを接続し剛性を有するリング状の底壁と、前記外筒部の上縁に設けられ剛性を有するリング状の前記アウタフランジとを有し、前記内筒部、前記外筒部、前記底壁及び前記アウタフランジがプラスチックにより一体的に形成されたことを特徴とする容器。
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