JP6677553B2 - 炭素材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素材料の製造方法に関する。
従来、炭素材料は、様々な用途に使用されている。中でも、活性炭は、その優れた吸着能から、電気二重層キャパシタ用電極、吸着剤などとして広く使用されている。
炭素材料には、例えば活性炭のように、有機質材料を不融化させる工程を含む方法で製造されるものが知られている。不融化は、活性炭における賦活工程等の炭素化処理において、原料とする有機質材料の形状を維持するために施す熱処理である。例えば、酸化的な脱水素環化や縮合により、有機質材料を熱硬化性とする処理が挙げられる。不融化方法としては、有機質材料の不融化の進行に合わせてゆっくりと昇温させる方法が知られている。
不融化方法の具体例として、炭素質繊維集合体を、不融化ガスの存在下で加熱する不融化方法であって、炭素質繊維の軟化点をSP、炭素質繊維集合体の目付け量をA(g/m2)とするとき、(SP−80)℃以下の温度から(SP+70)℃以上の温度に、0.5℃〜(3200/A)℃/分の昇温速度で加熱する、炭素質繊維集合体の不融化方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。該方法によれば、特定の温度範囲及び昇温速度で熱処理するので、炭素質繊維集合体を均一にしかも効率よく不融化できるとされている。また、該文献には、不融化工程の雰囲気について、酸素を15容積%以上含む不融化ガスを、繊維集合体の単位重量(kg)当り15m3/分以上連続的に供給することが好ましいこと、特に空気が好ましいこと、実施例として酸素濃度18体積%にコントロールされた空気を使用したことが開示されている。
また、他の不融化方法として、例えば、等方性ピッチを紡糸して得られたピッチ繊維を、二酸化窒素(NO2)と酸素(O2)を含む酸化性ガス雰囲気中で、連続又は多段でNO2濃度を次第に低めながら不融化処理することにより得られた、活性炭素繊維用前駆体の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。該方法によれば、安価なピッチ繊維を原料として、生産性、賦活収率の高い、活性炭素繊維用前駆体が得られるとされている。また、該文献には、不融化工程の雰囲気について、1段目の不融化処理を二酸化窒素濃度が5〜10体積%、酸素濃度が5〜30体積%、残部が主として不活性ガスからなる酸化性ガス雰囲気下、温度100〜250℃で1時間以上とし、次いで2段目の不融化処理を二酸化窒素濃度が0.1〜5体積%、酸素濃度が5〜40体積%、残部が主として不活性ガスからなる酸化性ガス雰囲気下、温度200〜350℃で1時間以上とすることが好ましいこと、実施例として、前段の処理の酸素濃度を20体積%としたことが開示されている。
特開平5−339819号公報 特開平6−65814号公報
本発明者等は、特許文献1や特許文献2に開示された不融化方法で得られる炭素材料について、該文献では着目されていない機械的強度に着目し、炭素材料の生産効率を維持したまま、炭素材料の機械的強度をより一層向上させることを所望した。
本発明者等が上記所望した課題を解決すべく検討したところ、炭素材料の機械的強度を向上させるためには、不融化した有機質材料の酸素含有量を高めることが効果的であることを知得した。ここで、不融化した有機質材料の酸素含有量を向上させる方法としては、不融化時間を長くする方法、または、不融化温度を高くする方法が考えられた。しかし、不融化時間を長くすると、生産効率が低下するという問題が生じた。また、不融化温度を高くする方法は、不融化する際に有機質材料が溶融、焼失してしまうことがあり、やはり生産効率が低下するという問題が生じた。
そこで、本発明者等は、不融化した有機質材料の酸素含有量を高めるため、不融化の際の雰囲気成分の酸素濃度を高めることに着眼した。ここで、特許文献1や2において、実施可能に記載されている不融化の際の雰囲気成分の酸素濃度は、高くて20容積%である。このように、不融化における雰囲気成分の酸素濃度としては、高くても、せいぜい空気に含まれる酸素濃度(20容積%)とするのが技術常識である。
不融化した有機質材料の酸素含有量を高めるべく、本発明者等は、不融化の際の雰囲気成分の酸素濃度を積極的に高め、空気中の酸素濃度である20容積%を超えるものしたところ、不融化工程において、有機質材料同士が融着し、炭素材料の生産効率が低下する場合が多くなる問題が生じることを知得した。
このような状況下、本発明は、不融化工程における有機質材料の融着の発生を抑制しつつ、炭素材料の機械的強度を向上させる、炭素材料の製造方法の提供を主な課題とする。
本発明者等が上記問題を解決するためにさらに検討したところ、不融化工程として有機質材料の不融化の進行に合わせて昇温させる方法において、平均酸素濃度を25容積%以上40容積%以下と高いものとしつつ、特定範囲の温度域における酸素濃度を特定の範囲に設定することにより、不融化工程における有機質材料の融着の発生を抑制しつつ、炭素材料の機械的強度を向上できることを見出した。具体的には、本発明者等は、不融化工程における有機質材料の融着に影響が大きい温度域について分析を重ねたところ、特に、有機質材料の軟化点(℃)より50℃低い温度以上、当該軟化点(℃)より20℃低い温度以下の範囲において、酸素濃度が有機質材料の融着に与える影響が大きいことを見出した。そして、本発明者等がさらに鋭意検討したところ、不融化工程における平均酸素濃度を25容積%以上40容積%以下と高くしつつ、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、軟化点(℃)より20℃低い温度以下の範囲において、酸素濃度が20容積%以上27.5容積%以下となるように調整することにより、不融化工程における有機質材料の融着の発生を抑制しつつ、得られる炭素材料の機械的強度を向上できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成された発明である。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 有機質材料を不融化する不融化工程を含む、炭素材料の製造方法であって、
前記不融化工程における雰囲気温度を、前記有機質材料の軟化点(℃)より80℃以上低い温度から、前記軟化点より70℃以上高い温度まで昇温させつつ、
前記不融化工程における雰囲気成分の平均酸素濃度を、25容積%以上40容積%以下とし、さらに、
前記不融化工程の雰囲気温度が、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下の範囲内であるときの、前記雰囲気成分の酸素濃度を、20容積%以上27.5容積%以下とする、
炭素材料の製造方法。
項2. 前記不融化工程における雰囲気成分の平均酸素濃度を、26容積%以上30容積%以下とする、項1に記載の炭素材料の製造方法。
項3. 前記不融化工程の雰囲気温度が、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下の範囲内であるときの、前記雰囲気成分の酸素濃度を、25容積%以上27.5容積%以下とする、項1または2に記載の炭素材料の製造方法。
項4. 前記不融化工程の雰囲気温度が、前記軟化点(℃)より10℃高い温度以上であるときの、前記雰囲気成分の酸素濃度を、27.5容積%以下とする、項1〜3のいずれか1項に記載の炭素材料の製造方法。
項5. 前記有機質材料の軟化点が、275℃〜288℃である、項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
項6. 前記炭素材料が、活性炭である、項1〜5のいずれか1項に記載の炭素材料の製造方法。
項7. 前記活性炭が、繊維状である、項6に記載の炭素材料の製造方法。
本発明によれば、不融化工程における有機質材料の融着の発生を抑制しつつ、得られる炭素材料の機械的強度を向上させることができる、炭素材料の製造方法を提供することができる。従って、例えば、炭素材料として繊維状活性炭の製造に本発明の製造方法を適用すれば、繊維状活性炭の生産効率を維持しつつ、繊維状活性炭の機械的強度の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
本発明の製造方法において、炭素材料の原料であり、不融化工程に供される有機質材料は、炭素を含む有機質の化合物である。有機質材料としては、好ましくは、炭素を含む有機高分子化合物が挙げられる。有機高分子化合物の好ましい具体例としては、ポリアクリロニトリル、ピッチ、ポリビニルアルコール、セルロース等が挙げられる。これらの中でも、炭素化時の理論炭素化収率の点で、ピッチが好ましい。
有機質材料の軟化点(℃)としては、特に制限されないが、不融化の際の取扱性などの観点から、275℃〜288℃が好ましく、277℃〜283℃がより好ましい。本発明において、軟化点(℃)は、メトラー法(ASTM−D3461に準じて測定)により測定されるものである。
有機質材料の形態は、特に制限されないが、例えば、繊維状、粒状、粉状等が挙げられる。繊維状とする場合は、長繊維、短繊維いずれでもよい。また、繊維状とする場合、生産性の観点から、例えば、繊維を堆積させてウェブ、又はシート状にした繊維集合体とすることが好ましい。この場合、該繊維集合体の目付としては、例えば、50g〜2000g/m2程度が挙げられる。
本発明においては、不融化工程における雰囲気温度を、有機質材料の軟化点(℃)より80℃以上低い温度から、前記軟化点より70℃以上高い温度まで、昇温させる。
雰囲気温度を昇温させる際の昇温速度としては、処理する有機質材料の質量、材質等に応じて、適宜設定できる。昇温においては、雰囲気温度の温度勾配が直線的であってもよいし、曲線的であってもよい。また、後述する、不融化炉として、有機質材料の搬送方向に複数の室に区画されており、各室の雰囲気温度が、有機質材料の搬送方向に向かって漸次高くなるように設定されているものを使用する場合等、昇温の際の温度変化が階段状になる、一定又は不規則な温度ピッチで段階的に昇温する方法としてもよい。中でも、軟化点が275℃〜288℃のピッチ繊維を堆積させてウェブ又はシート状にした繊維集合体を有機質材料として用いる場合、不融化工程における有機質材料の融着の発生抑制と、炭素材料の機械的強度の向上をより一層効果的に両立させる観点から、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの昇温速度Aを1.2℃/分〜3℃/分としつつ、前記有機質材料の軟化点(℃)より80℃以上低い温度から、前記軟化点より70℃以上高い温度まで昇温させる際の平均昇温速度を好ましくは(前記昇温速度A×1.1)℃/分〜(前記昇温速度A×4.0)℃/分、より好ましくは(前記昇温速度A×1.2)℃/分〜(前記昇温速度A×3.0)℃/分とすることがより一層好ましい。
本発明において、不融化は、バッチ式、連続式のいずれでもよい。例えば、有機質材料の形態が繊維状のように連続するものであれば、炭素材料の生産性の観点から、連続式が好ましい。不融化は、炉によって行うことができる。炉としては、例えば、コンベア式連続不融炉、トンネル式連続不融炉、ロータリーキルン式連続不融炉などが挙げられる。また、上記連続式とする場合、雰囲気温度を昇温させる方法としては、例えば、不融化炉として、有機質材料の搬送方向に複数の室に区画されており、各室の雰囲気が有機質材料の搬送方向に向かって漸次高くなるように設定されているものを使用することが挙げられる。この場合、区画される室の数としては、例えば、5室〜20室程度が挙げられる。
不融化における雰囲気の加熱手段(雰囲気温度を昇温させる手段)としては、特に制限されず、例えば、ヒーターやバーナー等を用いることができる。
本発明においては、不融化工程における雰囲気成分の平均酸素濃度を、25容積%以上40容積%以下とする。さらに、不融化工程の雰囲気温度が、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下の範囲内であるときの、前記雰囲気成分の酸素濃度を、20容積%以上27.5容積%以下とする。
本発明において、平均酸素濃度とは、有機質材料を不融化させる際の雰囲気における、不融化開示時点から不融化終了時点までの平均酸素濃度であり、不融化開始時点から不融化終了時点までの総処理時間に対し等間隔に10点以上測定し、該10点以上における値を平均したものである。上記したように、本発明者等は、不融化した有機質材料の酸素含有量を高めるため、不融化の際の雰囲気成分の酸素濃度を高くすることに着眼した。例えば、特許文献1や2において、実施可能に記載されている不融化の際の雰囲気成分の酸素濃度は、高くて20容積%である。このように、不融化における雰囲気成分の酸素濃度としては、高くても、せいぜい20容積%とすることが技術常識であった。また、本発明者等が検討したところ、単に酸素濃度を20容積%より高めた場合には、不融化工程において、有機質材料同士が融着し、炭素材料の生産効率が低下する場合が多くなるという問題が生じることを知得した。そこで、本発明者等が上記問題を解決するためにさらに検討した。その結果、不融化工程で有機質材料の不融化の進行に合わせて、雰囲気温度を昇温させる方法において、雰囲気温度が、有機質材料の軟化点(℃)より50℃低い温度以上、当該軟化点(℃)より20℃低い温度以下の範囲内であるときの、雰囲気成分の酸素濃度が、20容積%以上27.5容積%以下となるように調整することにより、平均酸素濃度を25容積%以上40容積%以下という、従来の技術常識よりも遥かに高い濃度とした場合にも、有機質材料の融着の発生を抑制しつつ、炭素材料の機械的強度が向上することを見出した。
不融化工程における有機質材料の融着の発生抑制と、炭素材料の機械的強度の向上をより一層効果的に両立させる観点から、平均酸素濃度は、26容積%以上30容積%以下が好ましく、27容積%以上29容積%以下がより好ましい。なお、本発明において、不融化工程の雰囲気成分の酸素濃度は、サンプリングポンプ(株式会社アナテック・ヤナコ社製商品名GBO−10)を用いて雰囲気成分をサンプリングし、酸素濃度計(新コスモス電機株式会社製商品名XO−326IIs)を用いて測定した値である。
雰囲気成分に含まれる酸素以外の他の成分としては、平均酸素濃度を上記の範囲内に設定できれば特に制限されず、不融化に用いられる公知の成分を使用することができる。他の成分としては、例えば、空気に含まれている酸素以外の成分が挙げられる。例えば、他の成分として窒素を用いる場合、雰囲気成分における窒素濃度としては、例えば、60容積%以上75容積%以下が挙げられる。
前述の通り、本発明においては、不融化工程の雰囲気温度が、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下の範囲内であるときの、前記雰囲気成分の酸素濃度を、20容積%以上27.5容積%以下とする。これにより、平均酸素濃度を25容積%以上40容積%以下という、従来の技術常識よりも遥かに高い濃度とした場合にも、有機質材料の融着の発生を抑制しつつ、炭素材料の機械的強度が向上する。不融化工程における有機質材料の融着の発生抑制と、炭素材料の機械的強度の向上をより一層効果的に両立させる観点から、不融化工程の雰囲気温度は、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下の範囲内であるときの、前記雰囲気成分の酸素濃度を、25容積%以上27.5容積%以下とすることが好ましい。
本発明において、不融化工程における雰囲気成分のうち、有機質材料の軟化点(℃)より50℃低い温度以上該軟化点(℃)より20℃低い温度以下とする際の酸素以外の他の成分としては、酸素濃度を上記の範囲内に設定できれば特に制限されず、不融化に用いられる公知の成分を使用することができる。他の成分としては、例えば、空気に含まれている酸素以外の成分が挙げられる。例えば、他の成分として窒素を用いる場合、不融化工程の当該温度領域における窒素濃度としては、72.5容積%以上80容積%以下が挙げられ、72.5容積%以上75容積%以下が好ましく挙げられる。
本発明において、有機質材料の不融化を一層促進し、得られる炭素材料の機械的強度を一層向上させる観点から、不融化工程における雰囲気成分の初期酸素濃度が25容積%以上40容積%以下であることが好ましく、28容積%以上35容積%以下がより好ましく、30容積%以上35容積%以下が特に好ましい。
また、本発明において、有機質材料の不融化を一層促進し、得られる炭素材料の機械的強度を一層向上させる観点から、不融化工程の雰囲気温度が、有機質材料の軟化点(℃)より20℃低い温度以上、該軟化点(℃)より10℃高い温度以下の範囲内であるときの、雰囲気成分の酸素濃度を、20容積%以上29容積%以下とすることが好ましく、25容積%以上29容積%以下とすることがより好ましい。
さらに、本発明において、不融化工程における有機質材料の焼失をより一層低減する観点から、不融化工程の雰囲気温度が、前記軟化点(℃)より10℃高い温度以上のときの、雰囲気成分の酸素濃度を、27.5容積%以下とすることが好ましく、20容積%以上27.5容積%以下とすることがより好ましい。
本発明において、雰囲気成分の酸素濃度を調整する方法としては、公知の方法が使用できる。例えば、不融化炉として、有機質材料の搬送方向に複数の室に区画されており、各室の雰囲気が有機質材料の搬送方向に向かうにつれて漸次高くなるように設定されているものを使用する場合は、それぞれの雰囲気温度とする室に合わせて、予め所定の酸素濃度となるように調整したガスをそれぞれの室に供給させる方法が挙げられる。雰囲気成分の調整は、例えば、酸素濃度が高いガス(酸素富化空気)と、空気とを、所定の酸素濃度となるように混合して供給することにより行うことができる。
不融化工程に使用するガスの基準酸素濃度の測定及び調整には、例えば、富士電機株式会社製の酸素変換器(商品名ZKM1B121−YJ21)、酸素検出器(商品名ZFK8R115−5A3YA−1J1)を使用することができる。例えば、不融化炉内に送気ファンで不融化ガスとして供給している空気と純酸素または酸素富化空気とをチャンバー内で一定の比率で混合し、不融化ガス送気ライン上で不融化炉に供給する基準酸素濃度を測定し調整することができる。
不融化工程に使用するガスの供給量は、雰囲気成分を有機質材料に均一に供給できる限り、該有機質材料の質量等に応じて適宜選択できる。不融化ガスの供給量は、例えば、有機質材料を、繊維を堆積させてウェブ、又はシート状にした繊維集合体とする場合、該繊維集合体の単位重量(kg)当り15m3/分以上、好ましくは16m3/分以上が挙げられる。
不融化工程を行う圧力としては、特に制限されないが、通常、大気圧(約1気圧)下で行うことができる。
本発明の製造方法で得られる炭素材料は、主として炭素「元素」により構成されている材料をいい、例えば、炭素繊維、活性炭(繊維状活性炭、粒状活性炭などを含む。)、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。中でも、非晶質である炭素材料が好ましく、特に、活性炭は、賦活によって強度が特に低くなりやすくなる傾向があり、本発明による意義が特に大きいものとなり、より好ましい。
活性炭の中でも、繊維状活性炭は、本発明による意義がより一層大きくなるので好ましい。例えば、繊維状活性炭を用いて不織布を製造する際、繊維状活性炭の強度が不織布の歩留まりに大きく影響する。具体的には、繊維状活性炭の機械的強度が低い場合、不織布の製造の際に、炭塵の発生が多くなる。そして、発生した炭塵は不織布から脱落しやすいことから、結果として、得られる不織布の歩留まりが低下しやすくなる。本発明者等の検討によれば、繊維状活性炭の機械的強度が10%程度相違すると、不織布の歩留まりが相当程度相違する。繊維状活性炭は、粒状、粉状の活性炭に比して高価であるため、上記歩留まりの相違がより大きいものとなる。このような理由から、繊維状活性炭の場合、本発明による意義がより一層大きくなるのである。繊維状活性炭の強度としては、不織布の製造、不織布を製造する際の歩留まりを担保するという観点から、0.24GPa以上が好ましく、0.24GPa〜0.40GPaがより好ましい。
本発明の製造方法において、炭素材料を得る、不融化工程の後の処理としては、得られる炭素材料に応じて公知の処理が使用できる。例えば、炭素材料を活性炭とする場合、不融化工程の後、賦活工程を経て、活性炭を得ることができる。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。なお、不融化工程は、大気圧下で行った。
各実施例及び比較例につき、以下の方法により評価した。
(1)ピッチ繊維の軟化点(℃)
前述の方法により測定した。
(2)不融化工程における雰囲気成分中の酸素濃度(容積%)
前述の方法により測定した。平均酸素濃度は、不融化開始時点から不融化終了時点までの総処理時間に対し等間隔に14点測定し、平均した。
(3)不融化したピッチ繊維の酸素(O)含有量(%)
全自動元素分析装置(Elementar Analytical社製商品名Vario EL IIIを用い、測定をおこなった。
(4)得られた繊維状活性炭の繊維径(μm)、断面積(nm2
得られた繊維状活性炭の繊維径を、JIS K 1477:2007 7.3.1のa法に準じ、測定器としてアンリツ株式会社製商品名レーザ外径測定器M550Aを用い、測定、算出した。また、断面積は、測定、算出した繊維径から算出した。
(5)得られた繊維状活性炭の比表面積(m2/g)
窒素を被吸着物質として用いたBET法(1点法)で測定した。
(6)得られた繊維状活性炭の機械的強度(GPa)、伸度(%)、引張弾性率(GPa)
得られた繊維状活性炭を、JIS K 1477:2007 7.3.2に準じ、上記(4)で算出した断面積を用い、測定器として株式会社島津製作所社製引張試験機商品名SIMADZU EZ−EXを用いて、測定、算出した。なお、機械的強度は小数点以下2桁、伸度は有効数字2桁に、JIS Z 8401に規定の基づきに数値を丸めた。
(7)不融化したピッチ繊維の融着の有無
不融化したピッチ繊維を無作為に500g採取し、目視にて融着の有無を観察し、下記基準により評価した。
◎・・・融着の発生が全く無く、生産効率上全く問題ないレベルであった。
○・・・融着の発生が少なく、生産効率上問題ないレベルであった。
△・・・融着の発生がやや多く、生産効率上やや問題あるレベルであった。
×・・・融着の発生がかなり多く、生産効率上かなり問題あるレベルであった。
(8)不融化したピッチ繊維の焼失の有無
実施例1の不融化したピッチ繊維の歩留(質量)を仮に100とした場合に、各実施例の不融化したピッチ繊維の歩留を相対比較し、評価した。
(実施例1)
まず、有機質材料として石炭系ピッチ原料を、溶融押出し機により溶融して押出し、紡糸機及びサクションガン方式の延伸機により牽引細化し、単糸径約20μmの石炭系ピッチ長繊維からなり、目付け量450g/m2のウェブシートを調製した。得られた長繊維の軟化点は、280℃であった。
得られたウェブシートを、有機質材料の搬送方向に複数の室に区画されており、各室の雰囲気が有機質材料の搬送方向に向かうにつれて漸次高くなるように設定されている不融化炉に搬送し、不融化工程をおこなった。不融化工程における雰囲気温度としては、開始125℃から最終382℃まで、昇温速度が1〜9℃/分の範囲内となるよう(平均昇温速度が4℃/分としつつ、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの昇温速度が1℃/分〜3℃/分)、各室の雰囲気温度及び有機質材料の搬送速度を設定した。処理時間の合計としては、59分であった。不融化工程における雰囲気成分を調整し、初期酸素濃度が31容積%、不融化する上記有機質材料の軟化点(℃)より50℃低い温度以上該軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの酸素濃度(すなわち、雰囲気温度230℃以上260℃以下のときの酸素濃度)は20容積%以上27.5容積%以下の範囲内(最大27.2容積%、最小26.2容積%)とした。また、前記軟化点(℃)より10℃高い温度以上のときの酸素濃度(すなわち、290℃以上382℃以下のときの酸素濃度)を27.5容積%以下(最大25.5容積%、最小20.8容積%)とした。また、不融化する有機質材料の軟化点(℃)より20℃低い温度以上該軟化点(℃)より10℃高い温度以下のときの酸素濃度(すなわち、雰囲気温度260℃以上290℃以下のときの酸素濃度)は、20容積%以上29容積%以下(最大28.0容積%、最小26.6容積%)とした。平均酸素濃度は27.8容積%であった。不融化したピッチ繊維の酸素(O)含有量(%)は、不融化処理した有機質材料を用いて測定した。
次いで、上記不融化した有機質材料を、賦活化した。具体的に、不融化したピッチ繊維ウェブシートを947℃で41分間飽和水蒸気に暴露し、賦活処理をおこない、炭素材料(繊維状活性炭)を得た。得られた繊維状活性炭の繊維径、断面積、強度、伸度及び引張弾性率は、得られた繊維状活性炭を用いて測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
まず、有機質材料として石炭系ピッチ原料を、溶融押出し機により溶融して押出し、紡糸機及びサクションガン方式の延伸機により牽引細化し、単糸径約20μmの石炭系ピッチ長繊維からなり、目付け量(450g/m2)のウェブシートを調製した。得られた長繊維の軟化点は、280℃であった。
得られたウェブシートを、有機質材料の搬送方向に複数の室に区画されており、各室の雰囲気が有機質材料の搬送方向に向かうにつれて漸次高くなるように設定されている不融化炉に搬送し、不融化処理をおこなった。不融化工程における雰囲気温度としては、開始125℃から最終382℃まで、昇温速度が1〜9℃/分の範囲内となるよう(平均昇温速度が4℃/分としつつ、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの昇温速度が1℃/分〜3℃/分)、各室の雰囲気温度及び有機質材料の搬送速度を設定した。処理時間の合計としては、59分であった。不融化工程における雰囲気成分を調整し、初期酸素濃度が31容積%、不融化する上記有機質材料の軟化点(℃)より50℃低い温度以上該軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの酸素濃度(すなわち、雰囲気温度230℃以上260℃以下のときの酸素濃度)は20容積%以上27.5容積%以下の範囲内(最大27.0容積%、最小25.7容積%)とした。また、前記軟化点(℃)より10℃高い温度以上のときの酸素濃度(すなわち、290℃以上382℃以下のときの酸素濃度)を27.5容積%以下(最大27.1容積%、最小24.5容積%)とした。また、不融化する有機質材料の軟化点(℃)より20℃低い温度以上該軟化点(℃)より10℃高い温度以下のときの酸素濃度(すなわち、雰囲気温度260℃以上290℃以下のときの酸素濃度)は、20容積%以上29容積%以下(最大27.3容積%、最小26.8容積%)とした。平均酸素濃度は27.4容積%であった。不融化したピッチ繊維の酸素(O)含有量(%)は、不融化処理した有機質材料を用いて測定した。
次いで、上記不融化した有機質材料を、賦活化した。具体的に、不融化したピッチ繊維ウェブシートを947℃で41分間飽和水蒸気に暴露し、賦活処理をおこない、炭素材料(繊維状活性炭)を得た。得られた繊維状活性炭の繊維径、断面積、強度、伸度及び引張弾性率は、得られた繊維状活性炭を用いて測定した。結果を表1に示す。
(実施例3)
まず、有機質材料として石炭系ピッチ原料を、溶融押出し機により溶融して押出し、紡糸機及びサクションガン方式の延伸機により牽引細化し、単糸径約20μmの石炭系ピッチ長繊維からなり、目付け量(450g/m2)のウェブシートを調製した。得られた長繊維の軟化点は、280℃であった。
得られたウェブシートを、有機質材料の搬送方向に複数の室に区画されており、各室の雰囲気が有機質材料の搬送方向に向かうにつれて漸次高くなるように設定されている不融化炉に搬送し、不融化処理をおこなった。不融化工程における雰囲気温度としては、開始125℃から最終382℃まで、昇温速度が1〜9℃/分の範囲内となるよう(平均昇温速度が4℃/分としつつ、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの昇温速度が1℃/分〜3℃/分)、各室の雰囲気温度及び有機質材料の搬送速度を設定した。処理時間の合計としては、59分であった。不融化工程における雰囲気成分を調整し、初期酸素濃度が31容積%、不融化する上記有機質材料の軟化点(℃)より50℃低い温度以上該軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの酸素濃度(すなわち、雰囲気温度230℃以上260℃以下のときの酸素濃度)は20容積%以上27.5容積%以下の範囲内(最大27.1容積%、最小26.2容積%)とした。また、前記軟化点(℃)より10℃高い温度以上のときの酸素濃度(すなわち、290℃以上382℃以下のときの酸素濃度)を27.5容積%以下(最大27.1容積%、最小26.3容積%)とした。また、不融化する有機質材料の軟化点(℃)より20℃低い温度以上該軟化点(℃)より10℃高い温度以下のときの酸素濃度(すなわち、雰囲気温度260℃以上290℃以下のときの酸素濃度)は、20容積%以上29容積%以下(最大27.6容積%、最小26.9容積%)とした。平均酸素濃度は27.7容積%であった。不融化したピッチ繊維の酸素(O)含有量(%)は、不融化処理した有機質材料を用いて測定した。
次いで、上記不融化した有機質材料を、賦活化した。具体的に、不融化したピッチ繊維ウェブシートを窒素雰囲気下947℃で41分間飽和水蒸気に暴露し、賦活処理をおこない、炭素材料(繊維状活性炭)を得た。得られた繊維状活性炭の繊維径、断面積、強度、伸度及び引張弾性率は、得られた繊維状活性炭を用いて測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
まず、有機質材料として石炭系ピッチ原料を、溶融押出し機により溶融して押出し、紡糸機及びサクションガン方式の延伸機により牽引細化し、単糸径約20μmの石炭系ピッチ長繊維からなり、目付け量(450g/m2)のウェブシートを調製した。得られた長繊維の軟化点は、280℃であった。
得られたウェブシートを、有機質材料の搬送方向に複数の室に区画されており、各室の雰囲気が有機質材料の搬送方向に向かうにつれて漸次高くなるように設定されている不融化炉に搬送し、不融化処理をおこなった。不融化工程における雰囲気温度としては、開始125℃から最終382℃まで、昇温速度が1〜9℃/分の範囲内となるよう(平均昇温速度が4℃/分としつつ、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの昇温速度が1℃/分〜3℃/分)、各室の雰囲気温度及び有機質材料の搬送速度を設定した。処理時間の合計としては、59分であった。不融化工程における雰囲気成分を調整し、初期酸素濃度が21.3容積%、不融化する上記有機質材料の軟化点(℃)より50℃低い温度以上該軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの酸素濃度(すなわち、雰囲気温度230℃以上260℃以下のときの酸素濃度)を最大20.5容積%、最小20.1容積%とした。また、前記軟化点(℃)より10℃高い温度以上のときの酸素濃度(すなわち、290℃以上382℃以下のときの酸素濃度)を最大19.4容積%、最小16.3容積%とした。また、不融化する有機質材料の軟化点(℃)より20℃低い温度以上該軟化点(℃)より10℃高い温度以下のときの酸素濃度(すなわち、雰囲気温度260℃以上290℃以下のときの酸素濃度)は、最大20.3容積%、最小19.4容積%とした。平均酸素濃度は19.8容積%であった。不融化したピッチ繊維の酸素(O)含有量(%)は、不融化処理した有機質材料を用いて測定した。
次いで、上記不融化した有機質材料を、賦活化した。具体的に、不融化したピッチ繊維ウェブシートを947℃で41分間飽和水蒸気に暴露し、賦活処理をおこない、炭素材料(繊維状活性炭)を得た。得られた繊維状活性炭の繊維径、断面積、強度、伸度及び引張弾性率は、得られた繊維状活性炭を用いて測定した。結果を表1に示す。
(比較例2)
まず、有機質材料として石炭系ピッチ原料を、溶融押出し機により溶融して押出し、紡糸機及びサクションガン方式の延伸機により牽引細化し、単糸径約20μmの石炭系ピッチ長繊維からなり、目付け量(450g/m2)のウェブシートを調製した。得られた長繊維の軟化点は、280℃であった。
得られたウェブシートを、有機質材料の搬送方向に複数の室に区画されており、各室の雰囲気が有機質材料の搬送方向に向かうにつれて漸次高くなるように設定されている不融化炉に搬送し、不融化処理をおこなった。不融化工程における雰囲気温度としては、125℃から最終382℃まで、昇温速度が1〜9℃/分の範囲内となるよう(平均昇温速度が4℃/分としつつ、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの昇温速度が1℃/分〜3℃/分)、各室の雰囲気温度及び有機質材料の搬送速度を設定した。処理時間の合計としては、59分であった。不融化工程における雰囲気成分を調整し、初期酸素濃度が32.0容積%、不融化する上記有機質材料の軟化点(℃)より50℃低い温度以上該軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの酸素濃度(すなわち、雰囲気温度230℃以上260℃以下のときの酸素濃度)を最大28.1容積%、最小26.2容積%とした。また、前記軟化点(℃)より10℃高い温度以上のときの酸素濃度(すなわち、290℃以上382℃以下のときの酸素濃度)を最大25.6容積%、最小20.8容積%とした。また、不融化する有機質材料の軟化点(℃)より20℃低い温度以上該軟化点(℃)より10℃高い温度以下のときの酸素濃度(すなわち、雰囲気温度260℃以上290℃以下のときの酸素濃度)は、最大28.1容積%、最小26.2容積%とした。平均酸素濃度は26.9容積%であった。不融化したピッチ繊維の酸素(O)含有量(%)は、不融化処理した有機質材料を用いて測定した。
次いで、上記不融化した有機質材料を、賦活化した。具体的に、不融化したピッチ繊維ウェブシートを窒素雰囲気下947℃で41分間飽和水蒸気に暴露し、賦活処理をおこない、炭素材料(繊維状活性炭)を得た。得られた繊維状活性炭の繊維径、断面積、強度、伸度及び引張弾性率は、得られた繊維状活性炭を用いて測定した。結果を表1に示す。
実施例1〜3は、不融化工程における雰囲気温度を、有機質材料の軟化点(℃)より80℃以上低い温度から、前記軟化点より70℃以上高い温度まで、昇温させつつ、不融化工程における雰囲気成分を、平均酸素濃度が25容積%以上40容積%以下とし、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの酸素濃度が20容積%以上27.5容積%以下としたことから、不融化工程において炭素材料とする有機質材料の融着の発生を抑制しつつ、得られた炭素材料の強度を向上させることが可能であった。
一方、比較例1は、不融化工程における雰囲気成分が、平均酸素濃度が25容積%未満であったことから、得られた炭素材料は、機械的強度に劣るものであった。また、比較例2では、不融化する有機質材料の軟化点(℃)より50℃低い温度以上前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下のときの酸素濃度が27.5%を超える場合を含むものであったことから、有機質材料の融着が発生した。

Claims (7)

  1. 有機質材料を不融化する不融化工程を含む、炭素材料の製造方法であって、
    前記不融化工程における雰囲気温度を、前記有機質材料の軟化点(℃)より80℃以上低い温度から、前記軟化点より70℃以上高い温度まで昇温させつつ、
    前記不融化工程における雰囲気成分の平均酸素濃度を、25容積%以上40容積%以下とし、さらに、
    前記不融化工程の雰囲気温度が、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下の範囲内であるときの、前記雰囲気成分の酸素濃度を、20容積%以上27.5容積%以下とする、
    炭素材料の製造方法。
  2. 前記不融化工程における雰囲気成分の平均酸素濃度を、26容積%以上30容積%以下とする、請求項1に記載の炭素材料の製造方法。
  3. 前記不融化工程の雰囲気温度が、前記軟化点(℃)より50℃低い温度以上、前記軟化点(℃)より20℃低い温度以下の範囲内であるときの、前記雰囲気成分の酸素濃度を、25容積%以上27.5容積%以下とする、請求項1または2に記載の炭素材料の製造方法。
  4. 前記不融化工程の雰囲気温度が、前記軟化点(℃)より10℃高い温度以上であるときの、前記雰囲気成分の酸素濃度を、27.5容積%以下とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素材料の製造方法。
  5. 前記有機質材料の軟化点が、275℃〜288℃である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記炭素材料が、活性炭である、請求1〜5のいずれか1項に記載の炭素材料の製造方法。
  7. 前記活性炭が、繊維状である、請求項6に記載の炭素材料の製造方法。
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