JP3024866B2 - 炭素質繊維集合体の不融化方法 - Google Patents
炭素質繊維集合体の不融化方法Info
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Description
融化方法に関し、より詳細には、活性炭素繊維や炭素繊
維の製造に際して好適な炭素質繊維集合体の不融化方法
に関する。
繊維や炭素繊維の製造に際しては、繊維同士の融着を防
止するため、不融化処理された炭素質繊維が使用されて
いる。例えば、ピッチ系炭素繊維の場合には、ピッチ系
繊維を空気などの酸素存在下、例えば600〜1500
℃程度の温度で熱処理した不融化繊維が使用されてい
る。
物が繊維集合体の形態で処理されるため、繊維集合体を
均一に熱処理することが困難である。特に、生産性を高
めるため、連続的に、目付け量の大きな繊維集合体を搬
送しながら不融化処理する場合には、断熱性が大きくな
るので、均一で効率的な熱処理が困難となる。そのた
め、不融化処理において、繊維同士が融着一体化した
り、部分的に熱処理されない繊維が生成し易い。そし
て、このような繊維を用いると、活性炭素繊維や炭素繊
維の生産性および収率を低下させる。
率よく不融化処理できる炭素質繊維集合体の不融化方法
を提供することにある。
素質繊維集合体を、不融化ガスの存在下で加熱する不融
化方法であって、炭素質繊維の軟化点をSP、炭素質繊
維集合体の目付け量をA(g/m2)とするとき、(S
P−80)℃以下の温度から(SP+70)℃以上の温
度に、0.5℃〜(3200/A)℃/分の昇温速度で
加熱する炭素質繊維集合体の不融化方法を提供する。ま
た、前記方法では、酸素を15容積%以上含む不融化ガ
スを、繊維集合体の単位重量(kg)当り15m 3 /分
以上連続的に供給し、かつ昇温速度を炭素質繊維の目付
け量が大きくなるにつれて小さくする。
ピッチ系繊維に好適に適用される。また、不融化処理に
際しては、酸素を15容積%以上含む不融化ガスを、繊
維集合体の単位重量(kg)当り15m3 /分以上連続
的に供給するのが好ましい。
炭素質繊維を酸素又は酸素含有化合物の存在下で熱処理
し、繊維の表面に耐熱層を形成し、繊維の熱融着を防止
する処理をいう。「炭素質繊維」とは炭素繊維化可能な
繊維をいう。
性ピッチ、石炭系又は石油系ピッチなどのピッチ系繊維
などが挙げられる。
0℃程度、好ましくは200℃以上、さらに好ましくは
250℃以上である。軟化点が180℃未満である場合
には、繊維が融着し易く、取扱い性が低下する。
量%程度、キノリン不溶分は3〜60重量%程度であ
る。
もよい。単糸径は5〜500μm程度の広い範囲で選択
できるが、通常10〜30μm程度である。
料をノズルより吐出させ牽引細化する方法、溶融原料を
気流で吹飛し繊維化する吹飛し法、溶融原料を遠心力場
で繊維化する遠心紡糸法などの溶融紡糸法などの、慣用
の紡糸法により調製できる。前記ピッチの溶融紡糸は、
例えば、ピッチの軟化点よりも40〜80℃程度高い温
度で行なうことができる。
として使用され不融化処理される。繊維の集合形態は、
目付量50〜2000g/m2 程度のウエブやシートで
あってもよい。繊維集合体の目付量は、例えば、200
0g/m2 以下、好ましくは50〜1750g/m2 程
度である。
ベアからなる搬送手段上に連続的に供給することにより
形成できる。繊維集合体は、バッチ式に不融化処理して
もよいが、通常、不融化炉内で連続的に搬送されながら
不融化処理される。
含む不融化ガスの存在下で行なわれる。不融化ガスに
は、空気、酸素、オゾンなどを含む不融化ガス;塩素、
NOxなどの酸素含有化合物を含む不融化ガスやこれら
の混合ガスが含まれる。好ましい不融化ガスは、酸素を
15容量%以上、好ましくは18容量%以上含むガス、
特に空気である。
に供給するため、繊維集合体の目付け量に応じて適当に
選択する。不融化ガスの供給量は、繊維集合体の単位重
量(kg)当り15m3/分以上、好ましくは16m3/
分以上である。供給量が15m3/分未満であると、繊
維集合体に均一に不融化ガスが供給されず、不融化処理
が不均一になり易い。
加熱手段により加熱された不融化ガスをブロアにより不
融化炉内で循環させ、かつ外部雰囲気と遮断した複数の
室、例えば5〜20室程度の室に区画された不融化炉を
用いて行なってもよい。複数の室に区画された不融化炉
を用いる場合、各室の不融化温度は、繊維集合体の搬送
方向にいくにつれて、温度が漸次高くなるように設定し
てもよい。
適当に選択できるが、通常、150〜700℃、好まし
くは150〜500℃程度である。
以下の温度から、炭素質繊維の軟化点を越える温度まで
加熱することにより行なうことができる。そして、本発
明の第1の特徴は、炭素質繊維の軟化点をSPとすると
き、(SP−80)℃以下の温度から、(SP+70)
℃以上の温度に加熱して不融化処理する点に存する。不
融化開始温度が(SP−80)℃を越える場合や不融化
終了温度が(SP+70)℃未満である場合には、繊維
が溶融して融着し易い。
の温度から、(SP+70)℃の温度に加熱して行なわ
れる。より具体的には、軟化点280℃のピッチを用い
る場合、好ましい不融化処理は、200℃から350℃
に加熱することにより行なわれる。
以下である場合や不融化終了温度が(SP+70)℃以
上である場合には、不融化炉の炉長が長くなり、装置が
大型化し易い。
の目付け量に応じて特定の昇温速度で加熱する点に存す
る。すなわち、炭素質繊維集合体の目付量をA(g/m
2 )とするとき、0.5℃〜(3200/A)℃/分、
好ましくは0.5℃〜(3000/A)℃/分の昇温速
度で加熱する。昇温速度が0.5℃/分未満である場合
には、不融化処理に長時間を要し、(3200/A)℃
/分を越える場合には、繊維が均一に不融化されず、融
着する場合がある。
1460g/m2である場合には、0.5〜2℃/分の
昇温速度で不融化処理され、目付け量が500g/m2
である場合には、0.5〜6℃/分の昇温速度で不融化
処理され、目付け量が380g/m2である場合には、
0.5〜8℃/分の昇温速度で不融化処理される。本発
明では、炭素質繊維の目付け量が大きくなるにつれて昇
温速度を小さくしているため、繊維集合体全体を均一に
加熱して効率よく不融化できる。
連続不融炉、トンネル式連続不融炉、ロータリーキルン
式連続不融炉などを用いて行なうことができる。
融着を防止しながら、繊維集合体を均一かつ効率よく不
融化できる。従って、本発明の不融化方法により得られ
た不融化繊維集合体を用いると、活性炭素繊維や炭素繊
維を収率よく得ることができる。
でバッチ式に不融化処理する場合にも適用できるが、特
定の温度範囲および特定の昇温速度で加熱するので、炭
素質繊維集合体を不融化炉に連続的に搬送しながら熱処
理する不融化方法に好適に適用される。
ば、前記不融化繊維集合体を、水蒸気、酸素、炭酸ガス
などの賦活剤やこれらの混合ガスからなる賦活ガスの存
在下、700〜1200℃程度の温度で処理することに
より得ることができる。好ましい賦活ガスは、少なくと
も加熱水蒸気を含んでいる。
ができる。例えば、前記不融化繊維集合体を、窒素、ヘ
リウム、アルゴンなどの不活性ガスの存在下や真空下
で、1000〜2000℃程度の温度で処理することに
より炭化処理された炭素繊維を得ることができる。ま
た、前記不融化繊維集合体を、不活性ガスの存在下や真
空下で、2000〜3000℃程度の温度で処理するこ
とにより黒鉛化処理された炭素繊維を得ることができ
る。
度範囲及び昇温速度で熱処理するので、炭素質繊維集合
体を均一にしかも効率よく不融化処理できる。
に説明する。
の石炭系ピッチを、それぞれ溶融押出し機(能力100
kg/hr)により溶融して押出し、紡糸機及びサクシ
ョンガン方式の延伸機により牽引細化し、単糸径約20
μmの長繊維からなり、目付け量の異なる3種類のウェ
ブシート(目付け量370g/m2 、500g/m2 、
1460g/m2 )を調製した。なお、ピッチシートの
嵩密度は0.02g/cm3 以下とした。
ールされた連続不融化炉に供給し、表1に示す条件で不
融化処理した。なお、不融化ガスとして酸素濃度18体
積%にコントロールされた空気を使用し、ウェブシート
への供給風量を単位重量(kg)当り14〜16m3 /
分、昇温速度を目付量に応じて2〜9℃/分として処理
した。
て判定し、再溶融又は再融着しない繊維を不融化が完了
した繊維と判断した。結果を表1に示す。
ピッチの軟化点(SP)に依存し、それぞれ(SP−8
0)℃以下、(SP+70)℃以上が適切であり、昇温
速度は目付量A(g/m2 )に依存し、(3200/
A)℃/分以下が適切であった。また、風量が単位重量
(kg)当り14m3 /分以下では不融化処理後の繊維
に融着が認められた。
に示す昇温速度、不融化開始温度、不融化終了温度、風
量の条件で、酸素濃度を12〜18体積%とし、不融化
処理した。なお、酸素濃度は空気に窒素ガスを混入させ
ることにより調整した。結果を表2に示す。
融着が認められた。
Claims (2)
- 【請求項1】 炭素質繊維集合体を、炭素質繊維の軟化
点をSP、炭素質繊維集合体の目付け量をA(g/
m2)とするとき、(SP−80)℃以下の温度から
(SP+70)℃以上の温度に、0.5℃〜(3200
/A)℃/分の昇温速度で加熱する不融化方法であっ
て、前記昇温速度を炭素質繊維の目付け量が大きくなる
につれて小さくし、かつ炭素質繊維集合体に酸素を15
容積%以上含む不融化ガスを、繊維集合体の単位重量
(kg)当り15m 3 /分以上連続的に供給する炭素質
繊維集合体の不融化方法。 - 【請求項2】 炭素質繊維が、軟化点250℃以上のピ
ッチ系繊維である請求項1記載の炭素質繊維集合体の不
融化方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP4177323A JP3024866B2 (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 炭素質繊維集合体の不融化方法 |
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JP4177323A JP3024866B2 (ja) | 1992-06-10 | 1992-06-10 | 炭素質繊維集合体の不融化方法 |
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JPH05339819A JPH05339819A (ja) | 1993-12-21 |
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