JP6676908B2 - ガラス製機材の梱包箱及び輸送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フォトマスク等のガラス製機材を輸送するために用いられる梱包箱及び当該ガラス製機材を輸送する方法に関する。
半導体製造過程においてパターン形成等に用いられるフォトマスク等のガラス製機材は、フォトマスクメーカーから半導体メーカー等にまで長距離輸送されることがある。当該フォトマスク等を輸送する際、フォトマスクを樹脂製ケースに収納し、当該ケースと緩衝材とを輸送用箱に収納して輸送されるのが通常であるが、外気温の影響によりフォトマスクの表面温度が輸送過程で変化する。これにより、外気温が相対的に高い場合にはフォトマスクの膨張が起こってしまい、外気温が相対的に低い場合にはフォトマスクの収縮が起こったり、フォトマスク表面に結露が生じてしまったりする。
1個の半導体デバイスを作製するのに、通常、数十枚のフォトマスクが使用されるが、各フォトマスクの位置合わせ精度は数十nm程度に設定されている。そのため、輸送時の温度環境によりフォトマスクの膨張や収縮が起こると、フォトマスクの開口パターンの位置ずれが生じてしまうため、半導体メーカー等に納品された直後に当該フォトマスクを使用することができない。かかるフォトマスクを、半導体メーカーにおける使用環境温度に馴染ませて開口パターンの位置ずれを修正することで、所望とするパターン形成が可能となるが、そのためには、2〜24時間程度の長時間を費やす必要がある。
また、フォトマスクの表面に異物が付着するのを防止するために、フォトマスクの表面にペリクル膜が設けられているものがある。外気温が相対的に低く、結露が生じてしまうことで、当該ペリクル膜にシワが生じてしまうことがある。さらに、結露によりフォトマスク表面やペリクル膜表面にシミが生じてしまうこともある。これらのペリクル膜のシワやシミにより、パターン形成不良が生じることもある。
そのため、フォトマスクが輸送される場合、特に長距離輸送される場合に、輸送中にフォトマスクの表面温度を所定の温度範囲内で維持させることを目的として、従来、輸送用箱内にフォトマスクと液相の保冷材とを共存させて収納し、当該フォトマスクを輸送する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−12754号公報
上記特許文献1に記載の方法において、液相の保冷材として、凝固温度が10℃以上の物質、例えば、多価アルコール等を用いている。この輸送用箱を0℃の空気中に放置した際、輸送用箱内の温度は5時間ほどで10℃程度となり、その温度を維持することができる。しかしながら、−10〜−20℃や、40〜50℃といった厳しい温度環境下で輸送されるような場合、輸送用箱内の温度を所定の温度(10℃程度)で維持することは困難であるという問題がある。
上記課題に鑑みて、本発明は、フォトマスク等のガラス製機材の輸送環境温度の変化に伴うガラス製機材への熱伝導を遅らせることができ、長時間の輸送中であってもガラス製機材の表面温度を所望とする温度範囲で維持することのできる梱包箱及び当該ガラス製機材の輸送方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ガラス製機材を−20〜−10℃の温度環境下で輸送するために用いられる梱包箱であって、底面部及び側壁部を有し、前記ガラス製機材を収容可能な箱本体と、前記箱本体の開口部を塞ぐ蓋体と、前記箱本体内に前記ガラス製機材とともに収容される蓄熱材とを備え、前記箱本体及び前記蓋体は、断熱材により構成されており、前記断熱材は、フェノール樹脂発泡体により構成され、前記蓄熱材は、融点が−15〜25℃の蓄熱物質を含む袋状であり、前記ガラス製機材は、前記袋状の前記蓄熱材内に収容された状態で前記箱本体内に収容されることを特徴とする梱包箱を提供する(発明1)。
上記発明(発明1)によれば、断熱材により構成される箱本体内に、蓄熱材とともにガラス製機材を収容して梱包されるため、輸送環境温度の変化に伴うガラス製機材への熱伝導を遅らせることができ、長時間の輸送中であってもガラス製機材の表面温度を所望とする温度範囲で維持することができる。
上記発明(発明1)において、前記ガラス製機材は、2つの前記袋状の前記蓄熱材のうちの一方の前記蓄熱材内に一端部から収容されるとともに、他方の前記蓄熱材内に他端部から収容され、前記2つの袋状の蓄熱材の開口部を互いに重ね合わせた状態で前記箱本体内に収容されるのが好ましい(発明)。
上記発明(発明1,2)において、前記箱本体及び前記蓋体の外側に配置される緩衝材をさらに備えるのが好ましく(発明)、前記緩衝材は、帯電防止剤を含有するのが好ましい(発明)。
上記発明(発明1〜)において、前記ガラス製機材としては、フォトマスク、ペリクル膜付フォトマスク、前記第1面に遮光膜が設けられてなるフォトマスクブランク又は前記第1面に遮光膜及びレジスト膜がその順に設けられてなるレジスト膜付フォトマスクブランクが梱包され得る(発明)。
また、本発明は、上記発明(発明1〜)に係る梱包箱の前記箱本体内に、前記袋状の前記蓄熱材内に収容した前記ガラス製機材を収容し、当該梱包箱を輸送することを特徴とするガラス製機材の輸送方法を提供する(発明)。
本発明によれば、フォトマスク等のガラス製機材の輸送環境温度の変化に伴うガラス製機材への熱伝導を遅らせることができ、長時間の輸送中であってもガラス製機材の表面温度を所望とする温度範囲で維持することのできる梱包箱及び当該ガラス製機材の輸送方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る梱包箱の概略構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る梱包箱の概略構成を示す分解斜視図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る梱包箱の概略構成を示す断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る梱包箱に梱包される対象物としてのフォトマスク(図4(A))、フォトマスクブランクス(図4(B))、レジスト膜付きフォトマスクブランクス(図4(C))及びペリクル膜付きフォトマスク(図4(D))の概略構成を示す断面図である。 図5は、本発明の一実施形態における箱体の変形例を示す断面図である。 図6は、本発明の一実施形態におけるフォトマスクを収容するケースの概略構成を示す断面図である。 図7は、本発明の一実施形態における蓄熱材の変形例(その1)を示す斜視図である。 図8は、本発明の一実施形態における蓄熱材の変形例(その2)を示す斜視図である。 図9は、本発明の一実施形態に係る梱包箱に複数のフォトマスク及び蓄熱材を収容する態様を示す断面図である。 図10は、実施例1及び比較例1の試験結果を示すグラフである。
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る梱包箱の概略構成を示す斜視図であり、図2は、本実施形態に係る梱包箱の概略構成を示す分解斜視図であり、図3は、本実施形態に係る梱包箱の概略構成を示す断面図である。
図1〜3に示すように、本実施形態に係る梱包箱1は、フォトマスク11(図4(A)参照)を輸送するために用いられるものであって、底面部21a及び側壁部21bを有する箱本体21、並びに箱本体21の開口部21cを塞ぐ蓋体22により構成される箱体2と、箱本体21内にフォトマスク11とともに収容される蓄熱材3とを備える。
なお、本実施形態に係る梱包箱1は、第1面121及び第1面121に対向する第2面122を有するガラス基材12と、ガラス基材12の第1面121に形成されている遮光膜パターン13とを備えるフォトマスク11(図4(A)参照)を輸送するために用いられるものを例に挙げて説明するが、このような態様に限定されるものではない。本実施形態に係る梱包箱1に収容された輸送される対象物としては、例えば、第1面121及び第1面121に対向する第2面122を有するガラス基材12と、ガラス基材12の第1面121側に形成されている遮光膜14とを備えるフォトマスクブランクス111、当該フォトマスクブランクス111の遮光膜14上にレジスト膜15が形成されてなるレジスト膜付フォトマスクブランクス112、ガラス基材12の第1面121側にペリクル膜16が設けられてなるペリクル付フォトマスク113等が挙げられる(図4(B)〜(D)参照)。
本実施形態に係る梱包箱1において、箱体2を構成する箱本体21及び蓋体22は、いずれも断熱性を有する材料、好適には熱伝導率が0.10W/(m・K)以下、より好適には0.02W/(m・K)以下の材料により構成され得る。このような断熱材料としては、例えば、フェノール樹脂発泡体、硬質ウレタン樹脂発泡体、ポリスチレン樹脂発泡体、発泡ポリエチレン、発泡炭酸カルシウム、発泡ガラス等が挙げられ、特に好ましくは、フェノール樹脂発泡体が挙げられる。フェノール樹脂発泡体により構成される断熱材料としては、例えば、ネオマフォーム(製品名,旭化成建材社製)等が挙げられる。
箱本体21の底面部21a及び側壁部21b、並びに蓋体22の厚さは、箱本体21の開口部21cを蓋体22で塞いだときに、梱包箱1の周囲の温度が変化したとしても箱体2内部の温度を所定の範囲内(例えば、所望とする温度(フォトマスクの使用環境温度)±5℃程度)で維持可能な厚さであればよく、箱本体21及び蓋体22を構成する断熱材料の種類に応じて適宜設定され得る。例えば、箱本体21及び蓋体22がフェノール樹脂発泡体(例えば、ネオマフォーム(製品名,旭化成建材社製)等)により構成される場合、箱本体21の底面部21a及び側壁部21b、並びに蓋体22の厚さは、20〜50mm程度に設定され得る。
箱本体21の大きさは、フォトマスク11を収容したケース10と、フォトマスク11の第1面121側及び第2面122側のそれぞれに、ケース10に当接するようにして配置される蓄熱材3とを収容可能な大きさである限り、特に限定されるものではない。本実施形態において、フォトマスク11を収容したケース10と、ケース10に収容されたフォトマスク11の第1面121側及び第2面122側のそれぞれに2個ずつ配置される蓄熱材3とが箱本体21内に収容される。したがって、箱本体21の内寸は、フォトマスク11を収容するケース10及び蓄熱材3の大きさ(厚さ)等に応じて適宜設定され得る。
本実施形態において、蓋体22の形状は、箱本体21の開口部21cを塞ぐように重ね合わせることのできる大きさの板状体であるが、箱本体21の開口部21cを塞ぐことができ、望ましくは箱体2内の気密性を確保することができる限り、特に制限されるものではない。例えば、図5に示すように、箱本体21の側壁部21bの上部周縁に係合溝211を設けるとともに、当該係合溝211に係合可能な係合突起221を蓋体22に設け、両者を係合させることにより箱本体21の開口部21cを蓋体22により塞いでもよい。
フォトマスク11を収容するケース10としては、例えば、図6に示すように、上ケース101及び下ケース102を含み、フォトマスク11を収容可能な空間を有するケース本体100と、上ケース101及び下ケース102のそれぞれにケース本体100の空間内に位置するように設けられ、フォトマスク11を保持するための保持機構部103とを有するものが挙げられる。ケース本体100内に収容されたフォトマスク11の第1面121及び第2面122のそれぞれに、上ケース101及び下ケース102に設けられた保持機構部103を当接させることで、フォトマスク11が保持される。
蓄熱材3は、融点(凝固点)が−15〜75℃、好ましくは−5〜30℃の蓄熱物質が所定の容器(例えば、フィルム製の袋等)に封入されてなるものである。蓄熱物質の融点(凝固点)が上記範囲内であることで、当該融点(凝固点)よりも外気温が高い環境でフォトマスク11が輸送される場合、蓄熱材3に外部から伝わる熱エネルギーは、固相状態の蓄熱物質が液相状態に相転移(相変化)するためのエネルギーとして消費される。また、当該融点(凝固点)よりも外気温が低い環境でフォトマスク11が輸送される場合、液相状態の蓄熱物質が固相状態に相転移するために必要なエネルギーとして消費される。したがって、本実施形態によれば、梱包箱1内で蓄熱材3に挟まれるフォトマスク11の表面温度を所定の範囲内に維持した状態で長時間の輸送が可能となる。その結果、長時間の輸送過程で周囲の温度が変化したとしても、ユーザに納品された直後のフォトマスク11を使用することができる。なお、蓄熱物質の融点(凝固点)は、例えば、融点測定装置M−565(柴田化学社製)を用いる他、室温以下の領域においては目視観察を併用して測定され得る。
上記蓄熱物質としては、例えば、硫酸ナトリウム水和物等の無機水和塩に代表される無機蓄熱剤;ノルマルパラフィン、有機酸、アルコール、エチレングリコールに代表される有機蓄熱剤等が挙げられ、蓄熱材3としては、サーモメモリー(製品名,三菱製紙社製)等を用いるのが望ましい。
なお、蓄熱材3は、30℃で24時間程度の予備加熱をしてから梱包箱1内に収容されるのが好ましい。
本実施形態に係る梱包箱1は、箱本体21及びその開口部21cを塞ぐ蓋体22により構成される箱体2を包む緩衝材4と、箱体2を包む緩衝材4を収納する段ボール製の外箱5とをさらに備える。箱体2(箱本体21及び蓋体22)が緩衝材4に包まれていることで、フォトマスク11の輸送過程において梱包箱1の外部から衝撃が加わったとしても、その衝撃を緩衝材4が吸収し、フォトマスク11の破損等を防止することができる。
緩衝材4を構成する材料としては、一般に緩衝材(衝撃吸収材)として用いられているものであればよく、例えば、ウレタン、発泡スチロール、気泡緩衝材等を挙げることができる。
本実施形態において、緩衝材4は、帯電防止剤を含むものであるのが好ましい。梱包箱1の外部からの静電気によりフォトマスク11表面に帯電してしまうと、当該フォトマスク11表面にゴミ等が付着することがあるが、緩衝材4が帯電防止剤を含むことで、フォトマスク11表面への帯電を防止することができ、当該フォトマスク11表面にゴミ等が付着するのを防止することができる。また、フォトマスク11の遮光膜パターンに帯電することに起因した遮光膜パターンの欠損等が生じるのを防止することができる。かかる帯電防止剤としては、例えば、トリ−n−ブチルメチルアンモニウム=ビストリフルオロメタンスルホンイミド(製品名:FC−4400,3M社製)等が挙げられる。
なお、梱包箱1の外部からの衝撃を吸収するという意味において、緩衝材4は、箱体2(箱本体21及び蓋体22)の全体を包むものである必要はなく、例えば、箱体2の8つの角部や当該角部から繋がる稜線のそれぞれに嵌め込まれる形状のものであってもよいし、箱体2の6つの面のそれぞれに当接させる板状のものであってもよい。しかしながら、帯電防止剤を含む緩衝材4を用いる場合、静電気からフォトマスク11を保護するという意味において、緩衝材4は、箱体2の全体を包むものであるのが望ましい。すなわち、緩衝材4は、箱体2を収容可能な大きさを有する箱構造により構成されるのが望ましい。
緩衝材4が箱体2の全体を包むものである場合、箱構造の緩衝材4の内寸は、箱体2をほとんど遊びのない状態で内包可能な程度の大きさであるのが望ましい。そのため、箱構造の緩衝材4に箱体2を内包させるに当たり、箱体2を例えばビニール袋などに入れて緩衝材4に内包させるのが好ましい。箱体2と緩衝材4との間にビニールなどが介在することで、箱体2の出し入れが容易になる。
次に、上述した本実施形態に係る梱包箱1に、フォトマスク11を梱包する手順について説明する。
まず、フォトマスク11を収容したケース10と、蓄熱材3とを、箱本体21内に収容する。このとき、ケース10に収容されたフォトマスク11の第1面121側及び第2面122側のそれぞれに蓄熱材3が配置されるようにする。本実施形態においては、フォトマスク11の第1面121側及び第2面122側のそれぞれに、2個の蓄熱材3が配置される。そして、箱本体21の開口部21cを蓋体22により塞ぎ、箱本体21と蓋体22との間を塞ぐようにして粘着テープを貼り付けることで、箱体2が封止される。次に、封止された箱体2を、箱構造の緩衝材4内に収容し、最後に、段ボール製の外箱5内に収容する。
このようにしてフォトマスク11が梱包された梱包箱1は、フォトマスクメーカーから半導体メーカーへと輸送される。この輸送に長時間がかかったり、−10〜−20℃の極寒の地域や、40〜50℃の猛暑の地域を輸送されたりする場合など、輸送環境の温度がフォトマスク11の使用環境の温度と乖離する場合であっても、本実施形態に係る梱包箱1においては、フォトマスク11が収容されている箱体2(箱本体21及び蓋体22)内の温度が所望とする範囲(フォトマスク11の使用環境の温度±5℃程度)に維持される。よって、本実施形態に係る梱包箱1及びそれを用いたフォトマスク11の輸送方法によれば、フォトマスク11の表面温度を所望とする温度に維持することができるため、フォトマスク11を使用するユーザが受け取った直後に当該フォトマスク11を使用することができる。また、輸送中のフォトマスク11の表面温度が所望とする範囲に維持されることで、フォトマスク11の表面などに結露が生じることがないため、それによるパターン形成不良等が生じるのを防止することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上記実施形態においては、ケース10に収容したフォトマスク11の第1面121側及び第2面122側のそれぞれに、2個の蓄熱材3を配置するようにして箱本体21内にそれらを収容しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、図7に示すように、袋状の蓄熱材3内にフォトマスク11を収容したケース10を収納し、当該蓄熱材3を箱本体21内に収容してもよい。また、図8に示すように、2つの袋状の蓄熱材3,3を準備し、一方の蓄熱材3内にフォトマスク11を収容したケース10の一端部から収容し、他方の蓄熱材3内に当該ケース10の他端部から収容し、各蓄熱材3,3の開口部近傍を互いに重ね合わせるようにして、それらを箱本体21内に収容してもよい。
上記実施形態においては、1枚のフォトマスク11が箱本体21内に収容されているが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、複数枚のフォトマスク11が箱本体21内に収容されてもよい。この場合において、図9に示すように、複数枚のフォトマスク11のそれぞれにおいて、第1面121側及び第2面122側に蓄熱材3を配置するようにしてもよいし(図9(A)参照)、フォトマスク11と蓄熱材3とを交互に重ね合わせるようにしてそれらを箱本体21内に収容してもよい(図9(B)参照)。
以下、実施例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1〜3に示す構成を有し、フォトマスク11を収容したケース10を梱包した梱包箱1を準備し、当該梱包箱1を室温0℃、−10℃及び−20℃の室内に24時間放置し、梱包箱1に収容したケース10内の温度を経時的に測定した。ケース10内の温度は、テストー社製の環境測定機(温湿度ロガー)を用いて測定された。結果を図10に示す。
なお、箱体2(箱本体21及び蓋体22)としては、ネオマフォーム(製品名,旭化成建材社製,厚さ:30mm)を使用し、蓄熱材3としては、蓄熱物質としてのサーモメモリーFS−25(製品名,三菱製紙社製,融点:25℃)をポリエチレン製の袋に封入したものを使用し、緩衝材4としては、帯電防止ウレタン材(製品名:EAS−1,ウエノシステック社製)を使用した。蓄熱材3は、蓄熱物質としてのサーモメモリーFS−25を、低温恒温器(ヤマト科学社製,IN602)を用い、30℃で24時間予備加熱をしてから梱包箱1内に収容した。
〔比較例1〕
実施例1の梱包箱1から箱体2及び蓄熱材3を除き、箱構造の緩衝材4内にケース10を収納した以外は、実施例1と同様の構成を有する梱包箱を準備し、ケース10内の温度を経時的に測定した。結果を図10にあわせて示す。
図10に示す結果から明らかなように、実施例1の梱包箱1においては、ケース10内の温度を24時間後においても所望とする範囲に維持することができることが確認された。この結果から、実施例1の梱包箱1においては、長時間の輸送中であってもフォトマスクの表面温度を所望とする温度範囲で維持することができると推認された。
一方、比較例1の梱包箱においては、ケース10内の温度が、3〜12時間ほどで低下してしまうことが確認された。この結果から、比較例1の梱包箱においては、長時間の輸送中にフォトマスクの収縮が起こったり、フォトマスク表面に結露が生じたりするおそれがあると推認された。
1…梱包箱
2…箱体
21…箱本体
21a…底面部
21b…側壁部
21c…開口部
22…蓋体
3…蓄熱材
4…緩衝材
11…フォトマスク(ガラス製機材)

Claims (6)

  1. ガラス製機材を−20〜−10℃の温度環境下で輸送するために用いられる梱包箱であって、
    底面部及び側壁部を有し、前記ガラス製機材を収容可能な箱本体と、
    前記箱本体の開口部を塞ぐ蓋体と、
    前記箱本体内に前記ガラス製機材とともに収容される蓄熱材と
    を備え、
    前記箱本体及び前記蓋体は、断熱材により構成されており、
    前記断熱材は、フェノール樹脂発泡体により構成され、
    前記蓄熱材は、融点が−15〜25℃の蓄熱物質を含む袋状であり、
    前記ガラス製機材は、前記袋状の前記蓄熱材内に収容された状態で前記箱本体内に収容されることを特徴とする梱包箱。
  2. 前記ガラス製機材は、2つの前記袋状の前記蓄熱材のうちの一方の前記蓄熱材内に一端部から収容されるとともに、他方の前記蓄熱材内に他端部から収容され、前記2つの袋状の蓄熱材の開口部を互いに重ね合わせた状態で前記箱本体内に収容されることを特徴とする請求項1に記載の梱包箱。
  3. 前記箱本体及び前記蓋体の外側に配置される緩衝材をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包箱。
  4. 前記緩衝材は、帯電防止剤を含有することを特徴とする請求項3に記載の梱包箱。
  5. 前記ガラス製機材が、フォトマスク、ペリクル膜付フォトマスク、前記第1面に遮光膜が設けられてなるフォトマスクブランク又は前記第1面に遮光膜及びレジスト膜がその順に設けられてなるレジスト膜付フォトマスクブランクであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の梱包箱。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の梱包箱の前記箱本体内に、前記袋状の前記蓄熱材内に収容した前記ガラス製機材を収容し、当該梱包箱を輸送することを特徴とするガラス製機材の輸送方法。
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