JP6676265B2 - 低発塵型グラウト材組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、グラウト材組成物用粉塵低減剤に関する。詳しくは、水と混練するときの発塵が少ないグラウト材組成物が得られるグラウト材組成物用粉塵低減剤に関する。また、本発明は、低発塵型グラウト材組成物に関する。詳しくは、水と混練するときの発塵が少ない低発塵型グラウト材組成物に関する。
土木構造物や建築構造物の構築や補修、或いは機械の設置等の土木工事又は建築工事において、無収縮セメント系グラウト材(無収縮モルタル)が多く使用されている。例えば、逆打ち工法における空隙、橋梁支承及び機械のベースプレート下の空隙等の充填に無収縮セメント系グラウト材が用いられている。また、道路橋に用いられる鋼床版のデッキプレート下面に配置されているUリブ等の鋼製中空部材にセメント系グラウト材を充填することで補強を行うことがある。また、橋脚の鋼鈑巻き立てによる補強工法において、元の橋脚と鋼鈑との間の充填材としても、無収縮セメント系グラウト材が多く利用されている。その他の構造物の補修及び補強にも、無収縮セメント系グラウト材が多く利用されている。
無収縮モルタルは、プレミックスモルタル、即ち、セメント、乾燥した細骨材及び粉末状混和材料を乾式混合した粉粒体(粉と粒状が混ざった状態)で、工事現場まで運搬され、グラウト材(無収縮モルタル)を打ち込む直前に水とミキサで混練され製造されることも多い。この場合、混練時に発塵することから、作業環境が悪化することがあり、また、住宅街や人通りの多い場所で無収縮モルタル等のセメント系グラウト材を混練する場合は、周辺住民や通行人等に迷惑を掛ける虞がある。このため、混練時の発塵を抑制したセメント系グラウト材組成物、即ち粉塵低減型グラウト材組成物が望まれていた。グラウト材組成物の混練時の発塵を抑制する技術として、発塵抑制剤(粉塵低減剤)としてジエチレングルコール等のアルコール類を用い、水和によりエトリンガイトを生成するエトリンガイト生成成分を含む膨張材と併用する技術(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
しかしながら、特許文献1等に記載されるようなアルコール類からなる発塵抑制剤を、グラウト材組成物に添加すれば混練時の発塵は抑制されることが期待される。しかし、発塵抑制剤をグラウト材組成物に添加する方法としては、乾式混合時のグラウト材組成物に液体である発塵抑制剤を噴霧することが好ましいが、本願発明者らの研究により、発塵抑制剤としてアルコール類そのものをグラウト材組成物に噴霧すると、霧状になり難いためにグラウト材組成物に均等に添加されずに添加されていない部分のグラウト材組成物が発塵してしまい、結果として発塵抑制性能が不充分な場合があった。これは、アルコール類の粘性が高過ぎるためではないかと考えて、アルコール類を水で希釈することを考えた。しかし、希釈の程度によっては長期間保存すると、発塵抑制効果が低下することが分かってきた。また、発塵抑制剤のグラウト材組成物への添加率によっては、混練後のグラウト材としての品質を損なう場合があることが分かってきた。例えば、発塵低減効果を得るための添加量が多く必要な発塵抑制剤、低温環境下においてグラウト材の品質が著しく損なわれることがあることが分かってきた。
特開2001−322856号公報
本発明は前記問題の解決、即ち、本発明は、混練時に発塵し難いセメント系グラウト材組成物を得られるグラウト材組成物用発塵抑制剤を提供することを目的とする。より詳しくは、添加したセメントを含有するグラウト材組成物が水との混練時に発塵し難く、その効果が持続し且つ混練により製造したグラウト材がグラウト材としての性能を具備するグラウト材組成物用発塵抑制剤を提供することを目的とする。また、本発明は、混練時に発塵し難いセメント系グラウト材組成物を提供することを目的とする。より詳しくは、水と混練するときの発塵し難く、その効果が持続し且つ混練により製造したグラウト材がグラウト材としての性能を具備するグラウト材組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、特定のアルコール類と、水とを、特定の割合で含有することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。また、特定のアルコール類と水とを特定の割合で含有するグラウト材組成物用発塵抑制剤と、セメント、骨材及び混和材料を含有するグラウト材組成物とを、特定の割合で含有することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は、以下の(1)〜(3)で表す低発塵型グラウト材組成物である
(1)セメントと混和材料とを含有するセメント系グラウト材組成物と、当該セメント系グラウト材組成物の質量に対し、下記式(1)又は式(2)で表わされるアルコール類を70〜90質量%と、水を30〜10質量%とを含有するグラウト材組成物用発塵抑制剤を、添加率2〜4質量%で含有する、低発塵型グラウト材組成物
HO(AO) H ・・・・・・ (1)
(式中AOは炭素数2又は3のオキシアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し1〜4である。)
R(OH) ・・・・・・ (2)
(式中Rは炭素数2〜8の炭化水素基を表し、OHはアルコール性ヒドロキシ基を表す。)
(2)上記のアルコール類がプロピレングリコール又はトリエチレングリコールである上記(1)の低発塵型グラウト材組成
(3)上記のセメント系グラウト材組成物が、細骨材を含有する上記(1)又は(2)の低発塵型グラウト材組成
本発明によれば、混練時に発塵し難いセメント系グラウト材組成物を得られるグラウト材組成物用発塵抑制剤、より詳しくは、添加したセメントを含有するグラウト材組成物が水との混練時に発塵し難く、その効果が持続し且つ混練により製造したグラウト材がグラウト材としての性能を具備するグラウト材組成物用発塵抑制剤が得られる。また、本発明によれば、混練時に発塵し難いセメント系グラウト材組成物が得られる。詳しくは、水と混練するときの発塵し難く、その効果が持続し且つ混練により製造したグラウト材がグラウト材としての性能を具備するグラウト材組成物が得られる。また、本発明によれば、水と混練するときの発塵が少なく、作業環境に優れるセメント系グラウト材組成物が得られる。
本発明は、セメントと混和材料とを含有するセメント系グラウト材組成物と、当該セメント系グラウト材組成物の質量に対し、下記式(1)又は式(2)で表わされるアルコール類を70〜90質量%と、水を30〜10質量%とを含有するグラウト材組成物用発塵抑制剤を、添加率2〜4質量%で含有する、低発塵型グラウト材組成物である。即ち、本発明に用いるグラウト材組成物用発塵抑制剤は、下記式(1)で表わされるアルコール類の濃度が70〜90質量%の当該アルコール類の水溶液である。
HO(AO) H ・・・・・・ (1)
(式中AOは炭素数2又は3のオキシアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し1〜4である。)
R(OH) ・・・・・・ (2)
(式中Rは炭素数2〜8の炭化水素基を表し、OHはアルコール性ヒドロキシ基を表す。)
本発明において混練時に発生する粉塵を少なくするために上記式(1)又は式(2)で表されるアルコール類(グリコール類)を用いる。さらに、上記式(1)で表されるアルコール類(エチレングリコール類)の場合は、発塵抑制効果並びにグラウト材組成物に使用する場合に、水と混練したときのグラウト材の品質に悪影響を及ぼさないことから平均付加モル数(n)が1〜5であるエチレングリコール類を用いることが好ましい。ここで云うエチレングリコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールが好ましい例として挙げられる。また、上記式(2)で表されるアルコール類(グリコール類)としては、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、ペンタジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチル−1,3ヘキサンジオール等が好適な例として挙げられる。本発明で用いる上記のアルコール類(グリコール類)は、単独で使用しても、2種以上併用して使用しても良い。トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコールがより好ましい。
本発明において、上記式(1)又は式(2)のアルコール類(グリコール類)と水の配合割合は、当該アルコール類を70〜90質量%および水を30〜10質量%とする。即ち、含まれる当該アルコール類と水の質量割合が、当該アルコール類/水の質量比で70/30〜90/10、つまり、アルコール類水溶液中の上記(1)式のアルコール類の濃度で70〜90質量%とする。アルコール類が70質量%未満即ち水が30質量%を超えると、発塵抑制剤(アルコール類と水の混合液、アルコール類の水溶液)を添加したグラウト材組成物は、日にちが経つと発塵抑制性能が低下する。また、アルコール類(の濃度)が90質量%を超える即ち水が10質量%未満では、霧状になり難く、グラウト材組成物中で発塵抑制剤が偏在し易く、発塵抑制性能が低い。グラウト材組成物中の発塵抑制剤を均一に存在させるためには、発塵抑制剤添加後のグラウト材組成物をより長い時間攪拌する必要があり、作業効率が悪い。
本発明に用いるグラウト材組成物用発塵抑制剤には、上記(1)式のアルコール類と水以外に、他の液体又は溶質の一種又は二種以上を本発明の効果を実質損なわない範囲で含有することができる。このような材料としては、例えば減水剤,AE減水剤,高性能減水剤,高性能AE減水剤,流動化剤等のセメント分散剤、起泡剤、防錆剤、収縮低減剤、保水剤、増粘剤、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、消泡剤、発泡剤等が挙げられ、グラウト材組成物用発塵抑制剤の主成分であるアルコール類水溶液に溶解又は/及び懸濁できるものが好ましい。
本発明におけるグラウト材組成物用発塵抑制剤は、セメント系グラウト材組成物に添加して用いる。本発明において、セメント系グラウト材組成物とは、セメントと混和材料とを含有するグラウト材組成物を云い、更に細骨材を含有するものが好ましい。本発明において、グラウト材組成物とは、水と混練前のものをいい、水と混練後の混練物についてはグラウト材という。また、本発明においてグラウト材とは、漏斗を用いた流動性試験により流下時間を測定できる流動性を有するセメント混練物をいう。流動性試験で用いる漏斗は、グラウト材に含有する成分の最大粒径及びコンシステンシーに応じて選定でき、P漏斗、JA漏斗、JP漏斗、J漏斗(J10漏斗)、J14漏斗、O漏斗、V漏斗等が好ましい例として例示できる。本発明に用いるグラウト材組成物用発塵抑制剤をセメント系グラウト材組成物に添加する方法は特に限定されないが、より均一に発塵抑制剤をセメント系グラウト材組成物中に分散させるために、霧状に噴霧することが好ましく、より好ましくはセメント系グラウト材組成物を攪拌させながら噴霧する。セメント系グラウト材組成物中に発塵抑制剤が偏在してしまうと発塵抑制効果が低下する。
本発明に用いるグラウト材組成物用発塵抑制剤の添加量は、セメント系グラウト材組成物の質量に対し、0.5〜5質量%が、発塵抑制効果があり且つセメント系グラウト材組成物を混練しグラウト材としたときの性状が無添加のものと比べて変化が小さくグラウト材としての性能を維持できるので好ましい。0.5質量%未満の量では発塵抑制効果が充分ではなく、5質量%を超える量ではグラウト材としたときの性状の変化が大きくグラウト材としての正性状を維持できない虞がある。発塵抑制効果があり且つグラウト材としたときの政情の変化が小さいことから、本発明におけるグラウト材組成物用発塵抑制剤の添加量は、セメント系グラウト材組成物の質量に対し、1〜4質量%とすることがより好ましく、1.5〜3.5質量%とすることが更に好ましく、最も好ましくは2〜3質量%とする。
本発明の低発塵型グラウト材組成物は、セメント系グラウト材組成物100質量部に対し、上記のグラウト材組成物用発塵抑制剤を添加率0.5〜5質量%で含有することを特徴とする。セメント系グラウト材組成物は上記のものと同じで、セメントと混和材料とを含有するものであり、細骨材を含有するものが好ましい。
本発明に用いるセメントは、水硬性セメントであればよく、例えば普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント、エコセメント、並びにこれらのポルトランドセメント又はエコセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント、太平洋セメント社製「ジェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメント、アルミナセメント等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を使用することができる。ワーカビリティを損ない難く可使時間が長く確保し易いことから、各種ポルトランドセメント、エコセメント及び各種混合セメントから選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましい。また、材齢1日の強度を高くし易いことから、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント及びエコセメントから選ばれる一種又は二種以上を使用することが更に好ましい。
本発明に用いる混和材料としては、特に種類は限定されないが、減水剤,AE減水剤,高性能減水剤,高性能AE減水剤,流動化剤等のセメント分散剤、セメント用ポリマー、起泡剤、防水材、防錆剤、保水剤、顔料、撥水剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、白華防止剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、消泡剤、石粉、表面硬化剤、増粘剤、膨張材、消泡剤、発泡剤、収縮低減剤、シリカフュームやメタカオリン等のポゾラン、高炉スラグ粉末、石膏、繊維等から選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましく、セメント分散剤、急結剤(材)、急硬剤(材)、凝結促進剤、凝結遅延剤、消泡剤、増粘剤、膨張材、消泡剤、発泡剤、収縮低減剤、ポゾラン、高炉スラグ粉末、石膏等から選ばれる一種又は二種以上を使用することがより好ましい。
本発明に用いる細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、石粉、人工細骨材、再生細骨材、スラグ細骨材、パーライト、シラスバルーン、フライアッシュバルーン、クリンカ細骨材等から選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましい。ここで、クリンカ細骨材とは、セメントクリンカの粉砕物で、通常のセメントよりも粗く、一般的な細骨材並みの粒度のものをいう。本発明で用いる細骨材としては、乾燥した状態のものが好ましい。また、本発明には、本発明の効果を損なわない範囲で、粗骨材を用いることもできる。この粗骨材としては、川砂利、陸砂利、海砂利、砕石、人工粗骨材、スラグ粗骨材等から選ばれる一種又は二種以上を使用することが好ましい。粗骨材も細骨材と同様に、乾燥した状態のものが好ましい。
本発明の低発塵型グラウト材組成物は、水を混練に用いる。使用する水は、特に限定されるものではない。混和材料に含まれる水を用いてもよい。混練する方法は特に限定されず、例えば水に本発明の低発塵型グラウト材組成物を全量加え混練する方法、水に本発明の低発塵型グラウト材組成物を混練しながら加え更に混練する方法、本発明の低発塵型グラウト材組成物に水を全量加え混練する方法、本発明の低発塵型グラウト材組成物に水を混練しながら加え更に混練する方法、水及び本発明の低発塵型グラウト材組成物のそれぞれ一部ずつを2つ以上に分けて混練し、混練したものを合わせて更に混練する方法等がある。また、混練に用いる器具や混練装置も特に限定されないが、ミキサを用いることが量を多く混練できるので好ましい。用いることのできるミキサとしては連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良く、例えばパン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ、グラウトミキサ、ハンドミキサ、左官ミキサ等が挙げられる。
[実施例1]
アルコール類として2種類を用い、イオン交換蒸留水を所定割合で加え混合することで、アルコール類の水溶液(発塵抑制剤)を作製した。表1に試験に用いた発塵抑制剤を示した。
Figure 0006676265
市販のセメント系グラウト材組成物(無収縮モルタル(プレミックスモルタル))を6kgをホバート社製ミキサ(定格容量:11L)に投入後、低速で攪拌しながら手動式の噴霧器を用いて作製したアルコール類水溶液を添加量を確認しながらセメント系グラウト材組成物に添加量が所定の添加率となるまで噴霧した。噴霧完了後更に30秒間攪拌を行った。アルコール類を添加したセメント系グラウト材組成物を、全てビニール袋に入れ、当該ビニール袋に空気を入れ膨らませた状態で手で袋を閉じ数回手で袋を振った後の発塵状態を目視で確認した。
次に、容量10Lのステンレス製円筒容器に水を1.08L入れ、ハンドミキサ(回転数:1100r.p.m.、羽根:直径100mmステンレス製円盤)で攪拌しながらこのステンレス製円筒容器内に、前記のアルコール類水溶液を添加したセメント系グラウト材組成物を10秒程度の時間を掛けて投入した。投入開始から60秒間ハンドミキサで攪拌することでセメント系グラウト材組成物を混練し、水との混練物であるセメント系グラウト材(モルタル)を製造した。合わせて、アルコール類の原液を用いて同様にセメント系グラウト材組成物に添加し、水と混練しセメント系グラウト材(モルタル)を製造した。
セメント系グラウト材組成物を入れたビニール袋を振ったときにビニール袋内が透明で発塵が殆ど見られず、且つステンレス製円筒容器内への投入・攪拌時にも発塵が殆ど見られなかった場合を発塵抑制性能が「良好(○)」と評価し、セメント系グラウト材組成物を入れたビニール袋を振ったときにビニール袋内が白く粉塵が舞っていた場合、又はステンレス製円筒容器内への投入・攪拌時に発塵が舞っていた場合を発塵抑制性能が「不良(×)」と評価した。また、アルコール類水溶液を添加したセメント系グラウト材組成物を入れたビニール袋を密閉し、1週間及び1ヶ月間20℃の室内で保管後、同様に発塵抑制性能を評価した。発塵抑制性能が1月後も「良好(○)」であった場合を「発塵抑制保持性能が優れる(◎)」と評価し、1週後は発塵抑制性能が「良好(○)」であったが1月後は発塵抑制性能が「不良(×)」であった場合を「発塵抑制保持性能がある(○)」と評価し、1週後以降に発塵抑制性能が「不良(×)」であった場合を「発塵抑制保持性能がない(×)」と評価した。
また、アルコール類水溶液をセメント系グラウト材組成物に添加しその後更に30秒間続けて攪拌した時に、添加したアルコール類水溶液に偏在が確認されずに均一に混ざっていた場合を噴霧効率(分散性)が「良好(○)」と評価し、セメント系グラウト材組成物に湿った状態の塊が見られ、添加したアルコール類水溶液に偏在が見られた場合を噴霧効率(分散性)が「不良(×)」と評価した。
作製したグラウト材の品質試験として、以下に示す試験を行った。その結果を用いたアルコール類水溶液の種類・濃度・添加率、並びに発塵抑制性能及び発塵抑制性能の評価とともに表2に示した。
< 品質試験方法>
・J14漏斗流下時間
土木学会規準JSCE−F 541−2010「充てんモルタルの流動性試験方法(案)」に従い、J14漏斗を用いて、混練直後の流下時間を測定した。
・フロー値
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」11.「フロー試験」(ただし、15回の落下運動は行わず測定を行った。)に準じて、フロー値(引き抜きフロー)を測定した。
・不分離性
14漏斗流下時間およびフロー値の測定時において、ブリーディング及び骨材の沈降がともに見られなかった場合を不分離性が「良好(○)」と評価し、ブリーディング又は骨材の沈降が見られた場合を不分離性が「不良(×)」と評価した。
Figure 0006676265
試験に用いた材料を以下に示した。
<使用材料>
・セメント系グラウト材組成物 : 無収縮モルタル(ポルトランドセメント、乾燥した珪砂及び石灰石砕砂、石灰系膨張材、高性能減水剤、発泡剤、消泡剤及び増粘剤を含有するプレミックスモルタル、太平洋マテリアル社製)
・アルコール類1 : プロピレングリコール
・アルコール類2 : トリエチレングリコール
・水(モルタル混練用練り混ぜ水) : 千葉県佐倉市上水
アルコール類の濃度が70〜90質量%の発塵抑制剤(本発明品の発塵抑制剤)をセメント系グラウト材組成物の質量に対し1.5〜5質量%で添加したセメント系グラウト材組成物は、発塵が抑制された低発塵型グラウト材組成物であり、グラウト材としてのコンシステンシー及び材料不分離性を備えるグラウト材が得られた。
本発明によれば、発塵量が少ないグラウト材組成物が得られるので、土木工事及び建築工事の何れにも好適に用いることができる。また、本発明のグラウト材組成物用発塵抑制剤を用いたグラウト材組成物及び本発明のグラウト材組成物は、混練時の発塵量が少ないので、作業環境の改善にも貢献でき、周辺住民や通行人等の工事現場周辺の人々の健康や安全にも貢献できる。

Claims (3)

  1. セメントと混和材料とを含有するセメント系グラウト材組成物と、当該セメント系グラウト材組成物の質量に対し、下記式(1)又は式(2)で表わされるアルコール類を70〜90質量%と、水を30〜10質量%とを含有するグラウト材組成物用発塵抑制剤を、添加率2〜4質量%で含有する、低発塵型グラウト材組成物
    HO(AO) H ・・・・・・ (1)
    (式中AOは炭素数2又は3のオキシアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し1〜4である。)
    R(OH) ・・・・・・ (2)
    (式中Rは炭素数2〜8の炭化水素基を表し、OHはアルコール性ヒドロキシ基を表す。)
  2. 上記のアルコール類がプロピレングリコール又はトリエチレングリコールである請求項1に記載の低発塵型グラウト材組成
  3. 上記のセメント系グラウト材組成物が、細骨材を含有する請求項1又は2に記載の低発塵型グラウト材組成
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