JP6675203B2 - 商圏分析レポートシステム及び商圏分析レポート処理プログラム - Google Patents
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Description
従来、地図情報、統計情報、顧客情報を用いて商圏を分析してレポートするシステムは様々ある。
尚、関連する先行技術文献として、特開平10−307868号公報「商圏分析システム」(株式会社エフエムアイ、技研商事インターナショナル株式会社)[特許文献1]、特開平11−296539号公報「データ処理装置」(オムロン株式会社)[特許文献2]、特開2002−123787号公報「店舗アドバイス方法」(カネボウ株式会社)[特許文献3]、特開2004−030563号公報「地図表示設備、サーバ装置、および地図表示プログラム」(イヨリネンサプライ株式会社)[特許文献4]がある。
特許文献2には、顧客を距離で分類し、来店回数、購入金額で顧客を地図上に色分け表示する装置が示されている。
特許文献3には、各エリアの世帯数、人口を用いてマーケットシェアを算出して分析する方法が示されている。
特許文献4には、お客を来店頻度、売上でランク付けし、お客情報を地図上に表示する装置が示されている。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る商圏分析レポートシステム(本システム)は、クライアントPCから郵便番号等の特定のエリアにおける顧客情報が提供されると共に希望する分析条件が指定されると、分析サーバが特定エリア毎に顧客情報を集計し、統計情報から分析条件に従った統計マップを生成し、顧客情報から顧客マップを生成し、統計情報と顧客情報からシェアマップを生成し、特定エリア毎のクラスタ情報からクラスタマップを生成し、更に外部データをそれらマップ上に表示させるようにし、また、これらマップを統合したような複合マップを生成して、クライアントPCにレポートを提供するようにしているので、利用者は様々な商圏の分析結果を容易に取得することができるものである。
本システムについて図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る商圏分析レポートシステムの概略図である。
本システムは、図1に示すように、分析サーバ1と、クライアントPC(パーソナルコンピュータ)2と、ネットワーク3とで基本的に構成されている。
尚、クライアントPC2は、本来複数台が分析サーバ1に接続するものであるが、説明を簡単にするために1台の表示に留めている。
また、ネットワーク3は、インターネットを想定している。但し、ネットワーク3は、閉じたネットワークであってもよく、分析サーバ1とクライアントPC2とを社内のネットワークを介して接続するようにしてもよい。
[分析サーバ1]
分析サーバ1は、クライアントPC2からの条件データ、顧客情報を入力し、分析処理を行って分析結果をレポートとしてクライアントPC2に提供するものである。分析処理の詳細は、後述する。
分析サーバ1は、コンピュータ装置であって、図1に示すように、制御部11と、記憶部12と、インタフェース部13とを基本的に備え、インタフェース部13には、ネットワーク3と、統計データベース(DB)14と、地図データベース(DB)15と、クラスタデータベース(DB)16とが接続されている。
具体的には、統計マップ(MAP)生成処理、顧客MAP生成処理、シェアMAP生成処理、クラスタインデックス生成処理、クラスタMAP生成処理、郵便番号一覧表生成処理、外部データ利用処理等である。これらの処理の詳細は、後述する。
インタフェース部13は、ネットワーク3、各種DBに接続するためのインタフェースである。
統計DB14は、行政界、郵便番号エリア等における人口、世帯数、世帯年収等の統計データを記憶する。
地図DB15は、行政界、郵便番号エリア等を含む地図情報(地図データ)を記憶している。
クラスタDB16は、行政界又は郵便番号エリアについて予めクラスタ分析を行って、クラスタ分類されたクラスタ番号をエリアに対応付けて記憶している。尚、クラスタ分析処理については、例えば、特許第5284548号に記載されている。
クライアントPC2は、分析対象の商圏エリア(複数の特定エリアが含まれる広域エリア)における顧客情報(顧客番号、購入金額、来店頻度等)を分析サーバ1に送信し、分析サーバ1から分析結果のレポートを受信して表示部25に表示する。
クライアントPC2は、コンピュータ装置(クライアント装置)であって、制御部21と、記憶部22と、インタフェース部23とを基本的に備え、インタフェース部23には、ネットワーク3と、入力部24と、表示部25と、顧客データベース(DB)26が接続されている。
具体的には、制御部21は、入力部24から分析対象の商圏エリアを指定し、当該商圏エリアに属する郵便番号エリアにおける顧客情報を顧客DB26から読み込んで、分析サーバ1に送信する。
また、制御部21は、入力部24から分析条件、分析手法を指定して分析サーバ1に送信し、必要な分析を分析サーバ1に行わせる。
インタフェース部23は、ネットワーク3と、入力部24と、表示部25と、顧客DB26に接続するインタフェースである。
本システムは、クライアントPC2からネットワーク3を介して分析サーバ1に商圏分析エリア(広域エリア)を指示し、当該広域エリア内の郵便番号エリア(特定エリア)における顧客情報を顧客DB26から読み込んで送信し、その他分析の条件及び分析手法についても指示を行う。
更に、分析サーバ1は、統計DB14から郵便番号エリアに関する統計データを取得し、地図DB15から対応する地図データを取得して統計MAPを生成し、また、顧客情報から顧客MAPを生成し、更に、地図データ、統計データ及び顧客情報を基にしてシェアMAPを生成する。
更に、分析サーバ1は、商圏分析を行った郵便番号の一覧表を生成し、クライアントPC2からの要求により外部データを利用する場合には、外部データを提供する。具体的には、例えば、他店舗のデータを外部データとして、各MAP上に表示させるようにすることができる。
また、統計MAP、顧客MAP、シェアMAPも任意に統合して、複合MAPを生成するようにしてもよい。
レポートをメール添付のファイルとしたが、分析サーバ1が指定するアドレスにクライアントPC2がアクセスしてレポートを参照するようにしてもよい。
本システムにおける詳細な動作は後述する。
次に、クライアントPC2から分析サーバ1に送信される顧客情報について図2を参照しながら説明する。図2は、郵便番号単位の顧客詳細データを示す概略図である。
郵便番号単位の顧客詳細データは、顧客DB26に記憶された顧客情報の一部を示すもので、図2に示すように、郵便番号に対応して、「顧客番号」、当該顧客の特定期間における「購入金額」(例えば、1ヵ月間の平均購入金額)、「来店頻度」(例えば、1ヵ月における平均来店頻度:回/月)等がある。顧客詳細データは、個別の顧客情報となっている。
このような郵便番号単位の顧客詳細データが、クライアントPC2の利用者(ユーザ)から郵便番号の指定があると、制御部21が該当する郵便番号単位に顧客詳細データを顧客DB26から読み出し、分析サーバ1に送信する。
次に、特定エリア内の郵便番号に対応する顧客データについて図3を参照しながら説明する。図3は、特定エリア内の郵便番号に対応する顧客データを示す概略図である。
分析サーバ1では、クライアントPC2から図2の郵便番号単位の顧客詳細データを受信すると、郵便番号単位で顧客情報を集計する。集計されたデータが、郵便番号に対応する顧客データである。
上述した統計MAP生成処理、顧客MAP生成処理、シェアMAP生成処理、クラスタインデックス生成処理、クラスタMAP生成処理、郵便番号一覧表生成処理、外部データ利用処理等は、分析サーバ1の制御部11が記憶部12から処理プログラムを読み込んで実行されるものであり、それら処理を実行する機能実現手段は、統計MAP生成処理手段、顧客MAP生成処理手段、シェアMAP生成処理手段、クラスタインデックス生成処理手段、クラスタMAP生成処理手段、郵便番号一覧表生成処理手段、外部データ利用処理手段等である。
統計MAP生成処理手段は、分析条件が、統計データを利用した統計分析となっている場合に、統計DB14から特定エリア(郵便番号エリア)に対応する統計データと地図DB15から対応する地図データを読み込んで特定エリアに対する統計分析処理を行い、例えば、郵便番号エリア毎の人口分布等の統計分析結果を地図上に特定のエリア単位で色分け又は色の濃淡で表す統計MAPを生成する。
顧客MAP生成処理手段は、分析条件が、顧客情報を利用した顧客分析となっている場合に、クライアントPC2から受信した顧客情報を使用して地図DB15から対応する地図データを読み込んで特定エリアに対する顧客分析処理を行い、例えば、顧客の分布等の顧客分析結果を地図上に特定のエリア単位で色分け又は色の濃淡で表す顧客MAPを生成する。
シェアMAP生成処理手段は、分析条件が、シェア分析となっている場合に、統計データと顧客情報、地図データを使用して特定エリアに対するシェアを演算する処理(シェア分析処理)を行い、シェアを地図上に特定のエリア単位で色分け又は色の濃淡で表すシェアMAPを生成する。
本システムでは、統計MAP、顧客MAPのみを生成することもできるが、商圏分析を実行することを目的とすると、統計MAP、顧客MAP、シェアMAPを一組として最低限のレポートするのがよい。
クラスタインデックス生成処理手段は、商圏エリア内のクラスタ毎の世帯数と顧客人数と、全クラスタの世帯数と顧客人数から、クラスタインデックスを演算して生成する。
クラスタインデックスは、(各クラスタの顧客人数/各クラスタの世帯数)/(全クラスタの顧客人数/全クラスタの世帯数)で算出される。これにより、商圏エリア全体における各クラスタの特性を容易に把握できるものである。
クラスタMAP生成処理手段は、分析条件が、クラスタ分類となっている場合に、クラスタDB16から特定エリアのクラスタ番号を取得し、地図DB15から対応する地図データを読み込んで特定エリアにクラスタ番号を付与するクラスタ分類処理を行い、クラスタ番号を地図上に特定のエリア単位で色分けにより表すクラスタMAPを生成する。
郵便番号一覧表生成処理手段は、商圏分析したエリア(広域エリア)に含まれる郵便番号エリアの郵便番号一覧を生成すると共に、各郵便番号に対応付けて統計データ、顧客情報、シェア、クラスタ番号等を記憶する一覧表を生成する。本システムでは、郵便番号一覧を生成する処理は、商圏エリアを特定し、各郵便番号のエリアの特徴を把握するために必要な処理として為されるものである。
外部データ利用処理手段は、分析条件としてユーザが外部データを利用することを希望した場合に、外部データを上記MAPに重ね合わせて表すようにしたものである。
尚、外部データは、インターネット経由で取得するか、事前に分析サーバ1の記憶部12に搭載(記憶)しておくものであり、例えば、店舗等のデータがあり、位置情報を備えているので、地図上のポイントとして表示される。更に、店舗等に関する諸情報を備えていれば、その情報もユーザに提供される。外部データの詳細は後述する。
また、外部データとして、郵便番号毎に外部で生成された指標等のデータであってもよい。例えば、外部で生成された統計データ等が考えられる。
次に、レポートされる内容について図4を参照しながら説明する。図4は、レポートされる内容を示す概略図である。
レポートされる内容には、図4に示すように、「統計MAP」、「顧客MAP」、「シェアMAP」、「クラスタインデックス」、「クラスタMAP」、「郵便番号一覧表」、「外部データ」等である。
統計MAPは、ユーザから指定された郵便番号エリアについて、統計DB14から該当エリアに関する人口、世帯数、平均年収等の統計データを読み込み、それら統計データの数値に応じて、地図DB15から読み込んだ地図データを郵便番号エリア毎に色分け、又は色の濃淡で表示したマップ(MAP)である。色分けについては、凡例で表すようにし、以下のMAPについても同様とする。
顧客MAPは、図3の郵便番号エリア単位の「顧客人数」「購入合計金額」「来店合計頻度」等の数値に応じて、地図DB15から読み込んだ地図データを郵便番号エリア毎に色分け、又は色の濃淡で表示したマップ(MAP)である。
シェアMAPは、統計データと顧客情報を基に地図DB15から読み込んだ地図データを郵便番号エリア毎に色分け、又は色の濃淡で表示したマップ(MAP)である。
具体的には、分析サーバ1の制御部11は、例えば、特定の郵便番号エリアにおける人口の統計データを統計DB14から読み込み、特定の郵便番号エリアにおける顧客人数を郵便番号に対応する顧客データから取得し、人口の統計データを分母とし、顧客人数を分子としてシェア(顧客人数/人口)を求め、その数値を地図データの上に郵便番号エリア毎に色分け、又は色の濃淡で表示したものとなる。
クラスタインデックスは、商圏エリア内のクラスタ毎の世帯数と顧客人数と、商圏エリア内の全クラスタの世帯数と顧客人数から演算されるもので、分析サーバ1が演算されたクラスタインデックスをレポートとしてクライアントPC2に送信する。クラスタインデックスは、上述した演算式で求められ、商圏エリアにおける各クラスタの特性を把握するのに役立つものである。
クラスタMAPは、予めクラスタ分析によって特定のエリア(郵便番号エリア)を分析して分類し、当該郵便番号エリアにクラスタ分類のクラスタ番号を付与しておき、地図DB15から読み込んだ地図データを郵便番号エリア毎にクラスタ番号によって色分けで表示したマップ(MAP)である。
郵便番号一覧表について図5を参照しながら説明する。図5は、郵便一覧表を示す概略図である。
郵便番号一覧表は、図5に示すように、商圏エリア(広域エリア)を構成する郵便番号エリアの郵便番号の一覧表であり、各郵便番号に対応するエリアの統計データ、顧客情報(顧客データ)、シェア情報、クラスタ番号、クラスタインデックスの値、外部データを記憶する。分析した商圏エリアが、どのような郵便番号エリアから構成され、どのような特徴を有しているのかが、容易に把握できるものである。
クラスタ番号は、予め郵便番号エリアについてクラスタ分析され、分類されたクラスタ番号であり、クラスタインデックスは、商圏エリア内のクラスタ毎の世帯数と顧客人数と、商圏エリア内の全クラスタの世帯数と顧客人数から演算されたインデックスの値である。
外部データは、郵便番号エリア毎に外部から取得したデータである。
また、クラスタ毎にデータを抽出し、クラスタ毎に統計データ、顧客データ、シェア情報等のいずれかでソートしてクラスタ毎の特徴を把握するようにしてもよい。
外部データは、分析サーバ1に外部から提供されるデータであって、例えば、郵便番号エリア内の店舗のデータ等である。店舗のデータには、店舗の位置情報、住所情報、売上情報、売場面積情報、駐車場利用可能台数等の情報が含まれ、各MAPの地図上にその位置がポイント表示される。
上記各MAPとクラスタインデックスは、個別のものとして説明したが、各MAP等を統合した複合MAPを生成してもよい。具体的には、クラスタ分類で郵便番号エリアがクラスタ番号に対応した色で表示されたMAPに対して統計データ、顧客情報、シェア、クラスタインデックス又は/及び外部データの数値の高低を重ね合わせ、クラスタ番号の色の濃淡を変化させて複合MAPとすることができる。つまり、統計データ等の数値が高い場合に色を濃くし、数値が低い場合に色を薄く(淡く)する。
この場合、クラスタMAPにどのようなデータ(統計データ、顧客情報、シェア等のいずれか、または組み合わせ)が、MAP上にどのように表示されているかを凡例として表すようにすると便利である。
尚、上記の色の濃淡の代わりに、ドットの多少で表示するようにしてもよい。
また、複合MAPについて、クラスタ番号で郵便番号エリアを色分けし、その中に統計データ、顧客情報、シェア、クラスタインデックス又は/及び外部データの数値を棒グラフで表示するようにしてもよい。この場合、クラスタ番号による色分けの色とは異なる色を棒グラフに用い、表示するデータの種類によって異なる色を用いるのがよい。尚、棒グラフを3次元の立体的な表示としてもよく、この場合、地図を傾けて表示すると効果的である。
更に、棒グラフの代わりに、アイコンの大小で表示してもよい。
次に、シェアの状況表示例について図6を参照しながら説明する。図6は、シェアの状況表示例を示す図である。
図6に示すように、商圏エリアにおいて、各郵便番号エリアの統計データの人口と顧客情報の顧客人数によって、横軸に人口を、縦軸に顧客人数を表し、各郵便番号エリアのシェアの分布状況を表示したものである。
図6に示すように、郵便番号エリアの数のドットが描画され、これにより、商圏エリアにおける郵便番号エリアでのシェアの分布を容易に認識できるものである。
次に、本システムの処理フローについて図7を参照しながら説明する。図7は、本システムの処理を示すフローチャートである。図7では、分析サーバ1での処理を表している。
分析サーバ1の制御部11は、クライアントPC2から分析条件(分析手法を含む)と図2に示したような郵便番号単位の顧客詳細データを受信する(S1)。
そして、制御部11は、郵便番号毎に受信した顧客詳細データを図3に示したような郵便番号に対応する顧客データに集計する(S2)。
そして、クラスタインデックスを計算し、その結果を郵便番号に対応する顧客データに付与して、郵便番号に対応付けてクラスタインデックスの表を生成する(S4)。
ここで、分析条件が、統計分析であれば、統計分析処理を行い、分析条件が、顧客分析であれば、顧客分析処理を行い、分析条件が、シェア分析であれば、シェア分析処理を行い分析条件が、クラスタインデックスであれば、クラスタインデックスを演算する処理を行い、分析条件が、クラスタ分類であれば、クラスタ分類処理を行い、分析条件が、外部データ利用であれば、外部データを利用する処理を行う。
ここで、統計MAP、顧客MAP、シェアMAP、クラスタインデックス、クラスタMAP等が生成される。
そして、分析サーバ1の制御部11は、クライアントPC2にレポートを送信する(S9)。
本システムでは、顧客DB26を備えたクライアントPC2がネットワーク3を介して分析サーバ1に接続するシステムとしたが、ネットワーク3に接続するクライアント用のセンターとなるクライアント用ウェブ(Web)サーバを設け、当該ウェブサーバに顧客DB26を接続し、複数のクライアントPC2が、当該ウェブサーバにアクセスして、更にウェブサーバが分析サーバ1にアクセスするシステムとしてもよい。つまり、クライアント用ウェブサーバが、クライアントPC2と分析サーバ1との中継装置の役割を果たすものである。
この場合は、クライアントPC2には顧客DB26を設けないものとする。
応用例1では、顧客DB26をクライアント用ウェブサーバに設けるようにしているが、顧客DB26を各クライアントPC2に設けるようにし、クライアント用ウェブサーバは、複数のクライアントPC2と分析サーバ1との中継装置として機能するものとしてもよい。
本システムにおけるレポート内容の応用例について説明する。
レポート内容の応用例では、「店舗位置の表示」手段、「商圏範囲の指定」手段、「競合店情報の表示・集計」手段、「評価(コメント)」手段、「グラビティーモデル利用」手段、「売上予測」手段、「目標値商圏の作成・集計」手段、「ジオデモ/判別モデル利用」手段、「顧客情報分布」手段、「ポイント集計」手段等が実行されて、レポートに反映されるものである。
尚、レポート内容の応用例は、分析サーバ1の制御部11で処理プログラムが実行されて、各手段が実現されるようになっている。
以下、各手段について説明する。
店舗位置の表示手段は、クライアントPC2から指定された店舗の位置を示す情報(座標データ又は住所データ等)を分析サーバ1が受信すると、店舗の位置をレポートの地図情報上にアイコンで表示する処理を行う。
店舗の位置を示す情報は、複数の店舗の情報であってもよいし、自店舗だけでなく、他店舗の位置を示す情報であってもよい。
商圏範囲の指定手段は、分析サーバ1の制御部11によって生成される統計MAP、顧客MAP、シェアMAP、クラスタMAPについて、商圏の範囲を指定して特定するものである。
具体的には、クライアントPC2から商圏範囲の条件情報を分析サーバ1に送信し、その条件情報に基づいて制御部11が商圏範囲をレポートのMAP上に表示する。
商圏範囲の条件情報とは、例えば、「特定の位置から半径2km」、「複数の指定された座標データを順に結んで形成する多角形」等がある。上記特定の位置は、店舗位置であってもよいし、任意の位置であってもよい。
競合店情報の表示・集計手段は、クライアントPC2からの指示により、競合店の情報をレポートに表示し、更に、競合店の情報の集計処理を行う。
具体的には、分析サーバ1には、競合店の情報を記憶する競合店DBがインタフェース部13を介して接続するものとする。競合店の情報は、記憶部12に記憶してもよい。
また、競合店情報は、クライアントPC2から提供されるものでもよく、外部のサーバから提供されるものでもよい。
競合店のリストには、競合店毎に店舗の面積、駐車台数、営業時間、従業員数を表示し、面積については、競合店全体の面積を集計し、店舗数で割って平均の店舗面積を求め、その平均値に対して自社の店舗面積を比較可能とする。また、競合店の店舗面積をランキングしてもよい。
ここで、競合店は、同じ業種の店舗を対象としたが、異なる業種の他店舗を表示・集計してもよい。
評価(コメント)手段は、レポートにおいて、分析・集計された内容について、統計DB14等を参照して評価してコメントするものである。
コメント内容は、統計情報に基づいてエリアの特徴を文章にしたもので、例えば、分析したエリアの人口が全国(エリアが属する都道府県、エリアが属する市区町村)の平均に比べて多い少ない、または、当該エリアの高齢者数が上記平均に比べて多い少ないを表示するものである。
商圏エリア内で、どの地域に顧客が多く、どの地域での売上が高いのかを文章で表示する。例えば、商圏エリア内で郵便番号エリアでの顧客数の分布状態から、商圏エリアの南西地域(郵便番号エリアで特定されるエリア)に顧客が多いとか、商圏エリアの北東地区(郵便番号エリアで特定されるエリア)が売上の60%を占めているとかのコメントを行う。
グラビティーモデル利用手段は、クライアントPC2で指定された条件(店舗位置や店舗の魅力値等)に従って、グラビティーモデルを用いて顧客吸引率の演算を行う。
グラビティーモデルは、本システムにおいては、例えば、ハフモデル分析を用いて得られるもので、店舗を出店する前に商圏と競合店を加味した集客力調査や売上予測を行う手法である。
また、競合店の他店舗についても吸引率を求め、特定の割合(例えば、60%)以上のエリアをテリトリ(領域)として他店舗用の色を付けて表示してもよい。
MAP上に、自店舗のテリトリと競合店の他店舗のテリトリが、それぞれ異なる色で表示されることで、各店舗の勢力範囲(影響範囲)を容易に認識できるレポートを提供できることになる。
売上予測手段は、クライアントPC2で売上予測式が指定されると、売上予測を演算する。
売上予測式には、重回帰式を用い、統計DB14におけるエリアの人口、年収等のデータを基に売上予測を算出する。売上予測では、顧客情報を使わなくても算出できるものである。
そして、レポートでは、予測された売上の数値を表示する。
目標値商圏の作成・集計手段は、クライアントPC2から商圏の目標値(商圏を形成する際に目標とする条件の数値)が指定されると、目標値から商圏を作成し、更に集計を行うものである。
例えば、目標値として「商圏内の人口5万人」が入力されると、MAP上では特定の位置(例えば、店舗位置)を中心に、人口5万人となるエリアが特定され、そのエリアを色付けし、または濃い枠で囲み、目標値商圏を形成する。
そして、目標値商圏の作成・集計手段は、作成した目標値商圏内に顧客情報に基づいて顧客をドットで表示し、目標値商圏内の顧客の分布状況を認識させることができる。
ジオデモ/判別モデル利用手段は、ジオデモにより商圏内の集計を行い、地域的特徴と統計的特徴でクラスタを判別モデルによって判別し、クラスタ番号を付与する。
ジオデモとは、地理学をあらわすジオグラフィと人口統計学をあらわすデモグラフィからなる造語で、地域的な特徴と統計的な特徴を組み合わせて、郵便番号エリアをそれぞれの特徴を表したものである。
具体的には、クライアントPC2から商圏半径1kmが指定されると、それによって特定される商圏のエリア内のクラスタ因子を集計し、その商圏におけるクラスタ分析を行ってクラスタを特定(判別)して、クラスタ番号を付与する。これにより、特定された商圏エリア全体のクラスタを認識できるレポートを提供できる。
顧客情報分布手段は、クライアントPC2から提供される顧客情報に基づいてMAP上の顧客分布をプロット(描画)するものである。
尚、単純にMAP上に顧客の位置をプロットするだけでなく、一人一人の顧客の位置情報をレポートに含めるようにする。それにより、クライアントPC2は、条件によって顧客の位置を選択的に表示できるようになる。
本システムでは、郵便番号エリア毎に顧客情報を集計するようになっているが、ポイント集計手段は、顧客情報を商圏又は複数の郵便番号エリア(広域エリア)単位で集計するものである。
具体的には、指定された商圏(例えば、半径1kmの範囲)における顧客数又は顧客の総購入金額を集計する。商圏内の顧客は、顧客の位置情報(座標データ又は住所データ)によって判別する。
本システムによれば、クライアントPC2から郵便番号等の特定のエリアにおける顧客情報が提供され、希望する分析条件が指定されると、分析サーバ1が特定エリア毎に顧客情報を集計し、統計情報から分析条件に従った統計マップを生成し、顧客情報から顧客マップを生成し、統計情報と顧客情報からシェアマップを生成し、特定エリア毎のクラスタ情報からクラスタマップを生成し、更に外部データをそれらマップ上に表示させるようにし、また、これらマップを統合したような複合マップを生成して、クライアントPCにレポートを提供するようにしているので、利用者は様々な商圏の分析結果を容易に取得することができる効果がある。
Claims (18)
- 複数の特定エリアから構成される商圏エリアの商圏分析を行い、分析結果をレポートで提供する分析サーバを有する商圏分析レポートシステムであって、
前記分析サーバは、地図情報を記憶する地図データベースと、統計データを記憶する統計データベースと、前記特定エリアについてクラスタ分析されてクラスタ分類され、前記特定エリアに付与されたクラスタ番号を記憶するクラスタデータベースとを有し、
ネットワークで接続するクライアント装置から前記特定エリア内の個別の顧客情報を受信すると、前記特定エリア単位で顧客情報を集計し、前記統計データベースから前記特定エリアに相当する統計データを読み込み、当該統計データと前記顧客情報からシェアを演算し、前記商圏エリアにおける前記特定エリアに対応する前記統計データ、前記顧客情報、前記シェア及び前記クラスタ番号を前記特定エリア毎に有する一覧表を生成して、当該一覧表を前記クライアント装置にレポート可能とし、前記地図データベースから相当する地図情報を読み込んで、前記地図情報に前記シェアの数値を前記特定エリア毎に色分け又は色の濃淡で表すシェアマップを生成し、前記クライアント装置に前記シェアマップをレポートとして送信することを特徴とする商圏分析レポートシステム。 - 分析サーバは、クライアント装置から指定された店舗の位置と魅力値を条件として、グラビティーモデルを用いて顧客吸引率を演算し、前記顧客吸引率の数値を特定エリア毎に色分け又は色の濃淡で表す顧客吸引率のマップを生成し、前記クライアント装置に前記顧客吸引率のマップをレポートとして送信することを特徴とする請求項1記載の商圏分析レポートシステム。
- クライアント装置から指定された店舗の位置と魅力値には、自店舗と他店舗のものがあり、
分析サーバは、自店舗と他店舗の位置及び魅力値を条件として、グラビティーモデルを用いて自店舗と他店舗の顧客吸引率を演算し、前記顧客吸引率の数値が特定の値以上となる特定のエリアについて、店舗毎に色分けして表す店舗毎の顧客吸引率のマップを生成し、前記クライアント装置に前記顧客吸引率のマップをレポートとして送信することを特徴とする請求項1記載の商圏分析レポートシステム。 - 分析サーバは、統計データベースに記憶された統計データを用いて重回帰式により売上予測を演算してレポートとして送信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の商圏分析レポートシステム。
- 分析サーバは、クライアント装置から指定された商圏エリアについて、当該商圏エリア内のクラスタ因子を集計し、当該商圏エリアにおけるクラスタ分析を行ってクラスタを判別してレポートとして送信することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の商圏分析レポートシステム。
- 分析サーバは、商圏エリアにおける特定エリアに対応するクラスタ番号をクラスタデータベースから読み込み、当該クラスタ番号に応じて前記特定エリアを色分けで表すクラスタマップを生成し、クライアント装置に前記クラスタマップをレポートとして送信することを特徴とする請求項1記載の商圏分析レポートシステム。
- 分析サーバは、集計した顧客情報、統計データベースに記憶された統計データから商圏エリア内のクラスタ毎の顧客人数と世帯数を演算し、商圏エリア全体の顧客人数と世帯数を演算して、クラスタインデックスを算出してレポートとして送信することを特徴とする請求項6記載の商圏分析レポートシステム。
- 分析サーバは、外部から取得した位置情報を有する外部データを、生成したマップに重ねて表示させるようにしたことを特徴とする請求項6又は7記載の商圏分析レポートシステム。
- 分析サーバは、統計情報の数値、顧客情報の数値又はシェアの数値でクラスタマップの色の濃淡を変えることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか記載の商圏分析レポートシステム。
- 複数の特定エリアから構成される商圏エリアの商圏分析を行い、分析結果をレポートで提供する分析サーバで動作するコンピュータプログラムであって、
前記分析サーバを、
ネットワークで接続するクライアント装置から前記特定エリア内の個別の顧客情報を受信すると、前記特定エリア単位で顧客情報を集計し、統計データを記憶する統計データベースから前記特定エリアに相当する統計データを読み込み、当該統計データと前記顧客情報からシェアを演算し、前記商圏エリアにおける前記特定エリアに対応する前記統計データ、前記顧客情報及び前記シェアを前記特定エリア毎に有する一覧表を生成して、当該一覧表を前記クライアント装置にレポート可能とし、地図情報を記憶する地図データベースから相当する地図情報を読み込んで、前記地図情報に前記シェアの数値を前記特定エリア毎に色分け又は色の濃淡で表すシェアマップを生成し、前記クライアント装置に前記シェアマップをレポートとして送信するよう機能させることを特徴とする商圏分析レポート処理プログラム。 - 分析サーバを、
クライアント装置から指定された店舗の位置と魅力値を条件として、グラビティーモデルを用いて顧客吸引率を演算し、前記顧客吸引率の数値を特定エリア毎に色分け又は色の濃淡で表す顧客吸引率のマップを生成し、前記クライアント装置に前記顧客吸引率のマップをレポートとして送信するよう機能させることを特徴とする請求項10記載の商圏分析レポート処理プログラム。 - 分析サーバを、
クライアント装置から指定された自店舗と他店舗の位置及び魅力値を条件として、グラビティーモデルを用いて自店舗と他店舗の顧客吸引率を演算し、前記顧客吸引率の数値が特定の値以上となる特定のエリアについて、店舗毎に色分けして表す店舗毎の顧客吸引率のマップを生成し、前記クライアント装置に前記顧客吸引率のマップをレポートとして送信するよう機能させることを特徴とする請求項10記載の商圏分析レポート処理プログラム。 - 分析サーバを、
統計データベースに記憶された統計データを用いて重回帰式により売上予測を演算してレポートとして送信するよう機能させることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか記載の商圏分析レポート処理プログラム。 - 分析サーバを、
クライアント装置から指定された商圏エリアについて、当該商圏エリア内のクラスタ因子を集計し、当該商圏エリアにおけるクラスタ分析を行ってクラスタを判別してレポートとして送信するよう機能させることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか記載の商圏分析レポート処理プログラム。 - 分析サーバを、
前記特定エリアについてクラスタ分析されてクラスタ分類され、特定エリアに付与されたクラスタ番号を記憶するクラスタデータベースから、商圏エリアにおける前記特定エリアに対応するクラスタ番号を読み込み、当該クラスタ番号に応じて前記特定エリアを色分けで表すクラスタマップを生成し、クライアント装置に前記クラスタマップをレポートとして送信するよう機能させることを特徴とする請求項10記載の商圏分析レポート処理プログラム。 - 分析サーバを、
集計した顧客情報、統計データベースに記憶された統計データから商圏エリア内のクラスタ毎の顧客人数と世帯数を演算し、商圏エリア全体の顧客人数と世帯数を演算して、クラスタインデックスを算出するよう機能させることを特徴とする請求項15記載の商圏分析レポート処理プログラム。 - 分析サーバを、
外部から取得した位置情報を有する外部データを、生成したマップに重ねて表示させるよう機能させることを特徴とする請求項15又は16記載の商圏分析レポート処理プログラム。 - 分析サーバを、
統計情報の数値、顧客情報の数値又はシェアの数値でクラスタマップの色の濃淡を変えるよう機能させることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか記載の商圏分析レポート処理プログラム。
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