JP5258832B2 - 拠点分析システム - Google Patents
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Description
従来の商圏分析システム等において、店舗等の拠点における売上や利益を分析するものがあった。
尚、関連する先行技術文献として、特開2003−167880号公報「統計情報集計装置」(花王株式会社)[特許文献1]、特開2003−345962号公報「店舗情報の収集提供装置、店舗情報の収集提供方法とそれを記述したプログラム」(エヌイーシーシステムテクノロジー株式会社)[特許文献2]がある。
本発明は、上記拠点分析システムにおいて、拠点が店舗の場合、拠点属性情報には、店舗の位置情報、売上、利益の実績値、従業員数、競合店数が含まれることを特徴とする。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る拠点分析システムは、モデル作成手段が、地図情報、統計情報、拠点属性情報に基づき複数の拠点を分析対象拠点として抽出し、当該抽出した分析対象拠点に対して各々重回帰分析処理を行って重回帰分析の計算式を分析モデルとして作成し、既存拠点分析手段が、当該分析モデルに対するポートフォリオを作成し、ポートフォリオの事象別に拠点をランキングしてアクションプランを作成するようにしているので、ポートフォリオの事象毎に既存拠点の状況を把握でき、適切なアクションプランをレポートできるものである。
本発明の実施の形態に係る拠点分析システムについて図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る拠点分析システムの構成図である。
本発明の実施の形態に係る拠点分析システム(本システム)は、図1に示すように、コンピュータで構成されており、制御部1と、記憶部2と、インタフェース部3とを備え、インタフェース部3を介してネットワークと周辺機器である表示装置4、印刷装置5、入力装置6が接続されている。
また、ネットワークとしてインターネットを利用し、サーバをWebサーバとする構成であってもよい。
本システムの各部について図1及び図2を参照しながら説明する。図2は、処理手段及び記憶部の構成図である。
[記憶部2]
記憶部2は、地図情報記憶部2aと、統計情報記憶部2bと、拠点属性情報記憶部2cと、アクション情報記憶部2dを備えている。また、記憶部2には、処理プログラムも記憶されている。
統計情報記憶部2bは、各種統計情報(統計データ)を記憶する。
拠点属性情報記憶部2cは、拠点の属性(住所等の位置情報等の地域情報、拠点に関連する実績のデータ)に関する情報を記憶するものであり、拠点が店舗であれば店舗の属性情報やPOS(Point Of Sale)情報(売上、利益等の実績値を含む)、病院であれば医療設備や患者情報、工場であれば工場設備情報等を記憶するものである。
尚、アクション情報記憶部2dは、学習型ナレッジDBとなっている。学習型ナレッジDBとは、業種毎にユーザが作成したレポートを蓄積しておき、ユーザが新たな分析モデルについてレポートを作成する際に、対応のアクションプランが記憶されていない場合は、業種毎に近似する分析モデルを検索し、当該分析モデルのレポートをサンプルとして参照可能とするものである。
表示装置4は、後述する分析モデルの作成、拠点の分析等を行うための画面が表示され、更に分析モデル、分析結果、レポートが表示され、印刷装置5で印刷も可能である。
また、入力装置6は、分析モデルの作成、拠点の分析等の指示を入力する。
制御部1は、記憶部2に記憶されている処理プログラムを読み込み、分析モデル作成手段11と、既存拠点分析手段12と、新規拠点分析手段13とを実現している。
以下、各処理手段について説明する。
モデル作成手段11は、地図情報記憶部2aの地図情報、統計情報記憶部2bの統計情報、拠点属性情報記憶部2cの拠点属性情報(店舗であれば、店舗の地域特性の情報、売上・利益情報(実績値)等)を用いて分析モデルを作成する。
正規化処理は、投入変数の前準備として、正規化の方法を自動判別又は目視確認により選択する。具体的には、投入変数の単位と正規化の種類を特定するものである。
投入変数の単位は、金額、人数、面積、体積、効率等であり、その単位と桁数によって正規化の種類を選択する。選択される正規化の種類は、実数、対数、逆数、加算+log、比率等である。
尚、正規化処理では、平均、標準偏差、分散、歪み、尖り、変動係数等の指標や、ヒストグラム、箱ひげ図等のグラフも利用可能である。
多重共線性チェック処理は、多重共線性が高い変数を選別して除外するためのものであり、相関係数や相関係数の絶対値の合計が高いものから足切りする等の自動で変数を選ぶことができる。ここで、相関係数とは、拠点毎の拠点属性情報について数値データを変数として総当たりの相関演算を行って得られた相関値のことである。
また、多重共線性チェック処理は、VIF(Variance Inflation Factor)の指標も利用可能である。
主成分分析処理は、変数を集約し、多重共線性を抑える効果も期待できる。例えば、50個の変数を15個に集約するものである。
具体的には、固有値が1以上の因子を自動的に抽出し、1未満の変数を使用しないことで、集約を図ることができる。
重回帰分析処理は、予測モデルを作成するためのものであり、多変量解析の一つであり、回帰分析の独立変数が複数になったものである。適切な変数を複数選択することで、計算しやすく誤差の少ない予測式(重回帰分析の計算式)を作ることができる。一般的によく使われているのは、最小二乗法、線形モデルの重回帰である。
具体的に、モデル作成手段11は、重回帰分析処理により予測値(店舗の場合は売上予測値)を算出する。
モデル作成手段11は、ポートフォリオを作成する前に、クラスター分析によりグループ化を行うようにしてもよい。
クラスター分析処理は、与えられたデータを外的基準なしに自動的に分類する手法であり、ここでは、データの分類が階層的になされる階層型手法を用いている。
分析モデル、つまり、重回帰分析の計算式の求め方について、図3を参照しながら説明する。図3は、分析モデルを生成するための概略図である。
重回帰分析処理によって生成される重回帰分析の計算式は、簡単にすると、例えば、以下の式で表現される。
y=b0 +b1 ・x1 +b2 ・x2 +b3 ・x3
ここで、yは売上等のポテンシャルを示し、b0 〜b3 は係数であり、x1 〜x3 は重回帰分析の計算式に用いられる拠点属性情報における要素である。
従って、拠点属性情報における要素をどのように選択するかによって、重回帰分析の計算式(分析モデル)が異なるものになる。
ここで、横軸の要素を集約したり、縦軸の要素をグループ化したりすることができ、横軸の要素を集約するのが、主成分分析であり、縦軸の店舗をグループ化するのが、クラスター分析である。
既存拠点分析手段12は、拠点属性情報における実績値とモデル作成手段11の重回帰分析処理により得られた予測値のポートフォリオを生成する。ポートフォリオは、表示画面において、縦軸が実績値であり、横軸が予測値(ポテンシャル)であり、画面上に複数の拠点を点等で表示したものである。更に、画面上の複数の拠点を横線と縦線で4つの事象に分類している。
また、新規のモデルについてアクション記憶部2dに当該新規モデルのアクション情報が記憶されていない場合は、既存拠点分析手段12は、近似(類似)するモデルを検索し、検索されたモデルのアクション情報を参照可能としている。
また、既存拠点分析手段12は、クラスター分析によりグループ化されたグループ内でポートフォリオを生成して事象毎のランキングとアクションプラン作成を行ってもよい。
[ポートフォリオ調整手段]
ポートフォリオ調整手段は、作成したポートフォリオの縦線と横線の位置をスクロールさせて移動(シフト)させ、各事象の拠点数を調整するものである。
ポートフォリオ調整手段は、条件設定により縦線と横線を自動調整するようにしてもよい。
新規拠点分析手段13は、モデル作成手段11で作成された分析モデル(重回帰分析の計算式)を利用し、不動産情報から拠点に関する情報を擬似的に設定し、更に拠点属性情報の値も擬似的に設定することで、拠点を新設した場合の評価を行う。ここで、評価は、新設予定の拠点について重回帰分析の計算式(分析モデル)を用いた演算を行い、レポート作成を行うものである。
[モデル作成処理:図4]
モデル作成手段11におけるモデル作成処理について図4を参照しながら説明する。図4は、モデル作成処理のフローチャートである。
まず、モデル作成手段11は、図4に示すように、地図情報記憶部2aからユーザによって指定された地域の地図情報を読み込み(S1)、更に当該地域に関連する統計情報についてユーザ指定の統計情報を統計情報記憶部2bから読み込む(S2)。
尚、重回帰分析処理で得られた拠点の予測値は、既存拠点分析手段12に出力され、既存拠点分析処理に用いられる。
既存拠点分析手段12における既存拠点分析処理について図5を参照しながら説明する。図4は、既存拠点分析処理のフローチャートである。
既存拠点分析手段12は、図5に示すように、モデル作成処理の重回帰分析処理において得られた予測値と拠点属性情報記憶部2cに記憶されている実績値に基づいてポートフォリオを生成する(S21)。
作成されたレポートは、アクション記憶部2dに記憶される。
[ポートフォリオ表示画面:図6]
ポートフォリオの概略について図6を参照しながら説明する。図6は、ポートフォリオの概略を示す表示画面の例である。
ポートフォリオの概略は、図6に示すように、縦軸が実績値で、横軸がポテンシャル値(予測値)である。図6では、縦横軸に実績値とポテンシャル値を用いたが、実績値同士やポテンシャル値同士を縦横軸に用いることもある。
そして、表示画面を縦線と横線で分類し、右上を事象A、左上を事象B、右下を事象C、左下を事象Dとする。
[事象A]
事象Aの店舗は、実績値(利益)が高く、ポテンシャル値も高い花形店舗である。
レポートにおけるポイントは、例えば、「市場性が高く安定した利益が見込める店舗で、費用をかけず現状維持を目指す」ものである。
事象Bの店舗は、実績値(利益)が高く、ポテンシャル値が低い金の成る木の店舗である。
レポートにおけるポイントは、例えば、「市場性が低いが高い利益を生む効率の良い優良店舗で、最低限の投資をしながら現状維持を目指す」ものとなる。
事象Bの店舗は、実績値(利益)が低く、ポテンシャル値が高い問題店舗である。
レポートにおけるポイントは、例えば、「市場性が高いが利益が上がらない問題を抱えた店舗で、ポテンシャルが高いので積極的な投資や構造改革を行い、高成長を目指す」ものとなる。
事象Bの店舗は、実績値(利益)が低く、ポテンシャル値も低い撤退検討店舗である。
レポートにおけるポイントは、例えば、「市場性、利益ともに低い店舗で、投資に対する効率的な費用対効果が見込めず、撤退の検討にあがる店舗」となる。
また、アクションプランの解説は、例えば、「市場性、利益とも低く、投資しても大きな効果が見込めない。有効な施策が少ないため撤退の検討にあがる店舗。」となる。
次に、応用技術として、実商圏ロジックの内容と地図表示について説明する。
[実商圏ロジック:図7]
モデル作成手段11で、変数を作成する場合、施設の実商圏という概念に対する指標となる変数を作成するロジックである。
仮に、拠点を店舗とした場合に、その店舗と来店する顧客の距離(店舗の住所地点と顧客の住所地点とを結ぶ距離)又は各顧客の来店までの所要時間を求め、当該距離又は当該所要時間から平均距離又は平均時間を算出する。
その値を実商圏として指標にし、地図上に表示して実商圏の把握を行う。
具体的には、例えば、図7に示すように、顧客A〜Eと店舗との距離や所要時間を求め、距離又は時間を合計して平均を求める。店舗を中心に描画した円商圏は、例えば、平均距離を半径として描画したものである。また、平均時間から徒歩、自動車又は電車商圏を描画したのが、不定形のエリア(破線で囲んだエリア)の図である。つまり、時間の場合、地形、道路の状態により歪んだ形のエリアが形成される。
尚、図7は、実商圏ロジックを説明する図である。
重回帰分析によるポートフォリオにより、分析された事象をアイコンで表示し、また、実商圏ロジックにより得られた平均距離による円商圏や平均時間による徒歩、自動車又は電車の商圏を地図上の店舗に重ねて表示するようにしてもよい。
尚、図8は、拠点の地図表示例を示す図である。図8では、拠点の中心に事象の種類が記入され、更に平均距離による円商圏が描画されている例を示している。
また、平均距離や平均時間を求めて描画するだけでなく、最頻値、最大値、最小値、分散、4分位値、外れ値等の指標を距離又は時間に基づいて地図に描画(距離の場合は円形、時間の場合は不定形のエリアを描画)したり、地図とは別枠でヒストグラムや箱ひげ図を表示して参考にしてもよい。
本システムによれば、モデル作成手段11が、地図情報、統計情報、拠点属性情報に基づき複数の拠点に対して各々重回帰分析処理を行って分析モデル(重回帰分析の計算式)を作成し、既存拠点分析手段12が、当該分析モデルに対するポートフォリオを作成し、ポートフォリオの事象別に拠点をランキングしてアクションプランを作成するようにしているので、ポートフォリオの事象毎に既存拠点の状況を把握でき、適切なアクションプランをレポートできる効果がある。
Claims (13)
- 処理プログラムを読み込んで処理を実行する制御部と、表示画面を有する表示装置と、処理プログラムを記憶する記憶部と、前記記憶部に地図情報を記憶する地図情報記憶部と、統計情報を記憶する統計情報記憶部と、拠点の位置情報と拠点に関連する実績値を含む拠点属性情報を記憶する拠点属性情報記憶部とを備え、
前記制御部が前記処理プログラムを前記記憶部から読み込んで実現される処理手段として、
前記地図情報記憶部から地図情報を読み込み、当該地図情報に対応する統計情報を前記統計情報記憶部から読み込み、前記拠点属性情報記憶部における前記拠点属性情報の拠点の位置情報から前記地図情報に対応する複数の拠点を特定し、前記複数の拠点に対する拠点属性情報について条件により複数の拠点を絞り込んで分析対象拠点を抽出し、当該分析対象拠点について重回帰分析処理を行って重回帰分析の計算式を分析モデルとして生成し、当該分析モデルによって各分析対象拠点の予測値を算出するモデル作成手段と、
前記拠点属性情報記憶部の拠点属性情報に含まれる拠点に関連する実績値と前記予測値を用い、前記分析モデルについて、前記表示画面に縦軸を実績値とし、横軸を予測値とし、縦線と横線で区分けされた4つの事象に前記複数の分析対象拠点を表示してポートフォリオを生成する既存拠点分析手段とを有することを特徴とする拠点分析システム。 - 分析モデル別にポートフォリオの事象毎にアクションプランの情報を記憶するアクションプラン記憶部を備え、
既存拠点分析手段が、モデル作成手段で作成された分析モデルについて、前記アクションプラン記憶部から事象毎にアクションプランを読み込み、レポートを作成することを特徴とする請求項1記載の拠点分析システム。 - 既存拠点分析手段は、新規モデルについてアクションプラン記憶部にアクションプランが記憶されていない場合には、前記アクションプラン記憶部から近似する分析モデルを検索し、検索された分析モデルのアクションプランを読み込むことを特徴とする請求項2記載の拠点分析システム。
- 既存拠点分析手段は、事象毎に拠点をランキングすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の拠点分析システム。
- 既存拠点分析手段は、4つの事象を区分けする縦線と横線をシフトさせ、事象毎の拠点数を調整するポートフォリオ調整手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の拠点分析システム。
- モデル作成手段は、重回帰分析処理の前に、投入変数の単位と正規化の種類を特定する正規化処理と、多重共線性が高い変数を選別して除外する多重共線性チェック処理とを行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の拠点分析システム。
- モデル作成手段は、多重共線性チェック処理と重回帰分析処理との間に、変数を集約する主成分分析処理又は/及びデータのグループ化を行うクラスター分析処理を行うことを特徴とする請求項6記載の拠点分析システム。
- 多重共線性チェック処理では、拠点間の変数の相関演算を行い、相関係数又は相関係数の絶対値の合計が高いものを除外する処理を行うことを特徴とする請求項6又は7記載の拠点分析システム。
- モデル作成手段で作成された分析モデルを利用し、不動産情報から拠点に関する拠点属性情報を擬似的に設定し、更に前記分析モデルで使用する統計情報又は/及び他の拠点の拠点属性情報を集計することで、拠点を新設した場合の予測値を算出し、当該拠点に関するレポートを生成する新規拠点分析手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の拠点分析システム。
- 拠点属性情報には、拠点の位置情報に加えて、複数の顧客の住所情報が含まれており、
モデル作成手段は、前記拠点の位置情報と前記複数の顧客の住所情報から前記拠点と前記複数の顧客との間の距離又は当該距離の所要時間を求め、前記距離を平均化した平均距離又は前記所要時間を平均化した平均時間に基づき実商圏を求め、当該実商圏を地図情報記憶部から読み込んで表示画面に表示した地図情報上に表示することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか記載の拠点分析システム。 - 拠点属性情報には、拠点の位置情報に加えて、複数の顧客の住所情報が含まれており、
モデル作成手段は、前記拠点の位置情報と前記複数の顧客の住所情報から前記拠点と前記複数の顧客との間の距離又は当該距離の所要時間を求め、前記距離又は所要時間についての最頻値、最大値、最小値、分散、4分位値、若しくは、外れ値の指標に基づき実商圏を求め、当該実商圏を地図情報記憶部から読み込んで表示画面に表示した地図情報上に表示することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか記載の拠点分析システム。 - モデル作成手段は、地図情報の表示とは別に、拠点と複数の顧客との間の距離又は当該距離の所要時間について、ヒストグラム又は箱ひげ図を表示画面に表示可能とすることを特徴とする請求項10又は11記載の拠点分析システム。
- 拠点が店舗の場合、拠点属性情報には、店舗の位置情報、売上、利益の実績値、従業員数、競合店数が含まれることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか記載の拠点分析システム。
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