JP6670854B2 - フォーカス制御装置、内視鏡装置及びフォーカス制御装置の作動方法 - Google Patents

フォーカス制御装置、内視鏡装置及びフォーカス制御装置の作動方法 Download PDF

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Description

本発明は、フォーカス制御装置、内視鏡装置及びフォーカス制御装置の作動方法等に関する。
内視鏡システムにおいてはユーザの診断・処置に支障をきたさないため、できるだけ深い被写界深度が要求される。しかし近年では、内視鏡システムにおいても高画素の撮像素子が使用されるに従ってその被写界深度が浅くなってきていることから、オートフォーカス(以下AF)を行う内視鏡システムが提案されている。
また、内視鏡システムのような動画を観察する装置においては、ウォブリング方式によるAFが望ましい。しかしウォブリング方式のAFでは、AFの誤動作等により大ボケ状態になると、ウォブリング動作によるAF評価値の変化が非常に小さくなるため、合焦方向を判断できず、いつまでも被写体に合焦できない場合がある。このような問題を解決するため、ビデオカメラ等ではAF評価値の変化が非常に小さくなった場合に大ボケ状態(広義には低コントラスト状態)と判断し、フォーカスレンズをスキャンしながら合焦位置を探索するような制御が行われる。
例えば特許文献1では、絞りを変えて複数枚の画像を取得し、AF評価値の変化が小さい場合に大ボケ状態と判定するような手法が提案されている。
また、特許文献2では、注目被写体以外の被写体(障害物)が撮像される場合のAF制御手法が開示されている。具体的には、注目被写体と撮像装置との間に障害物が存在する場合、障害物をユーザが指定することで、注目被写体に合焦させる技術が開示されている。
特開2011−22404号公報 特開2006−245792号公報
内視鏡手技下では病変の切除や縫合等の処置を行うため、合焦の目標となる生体と撮像装置である内視鏡システムとの間に電気メスや鉗子等の処置具が出入りする。処置具は一般的にコントラストが非常に高いため、処置具の動きが大きいと、大ボケ状態であるにもかかわらず、AF評価値の変化も大きくなる。このため、特許文献1のような手法では大ボケ状態との判断ができず、ユーザが注目する生体に合焦できないという課題がある。
また、内視鏡装置以外の撮像装置においても、注目被写体以外の障害物が撮像されることがあり、当該障害物のAF評価値が注目被写体に比べて大きい場合、大ボケ状態の判断精度が低下してしまう。
特許文献2には、障害物をユーザが指定する手法が開示されているが、そもそも低コントラスト状態の判定に関するものではない。また、処置具が障害物となるように、障害物の移動が激しい場合には、ユーザが障害物を頻繁に指定する必要があり操作が煩雑になるという課題がある。
本発明の幾つかの態様によれば、精度よく低コントラスト状態を判定することで、注目被写体への合焦を可能とするAF制御機能を備えたフォーカス制御装置、内視鏡装置及びフォーカス制御装置の作動方法等を提供できる。
本発明の一態様は、撮像部で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域を設定する領域設定部と、設定された複数の領域のAF(AutoFocus)評価値を算出するAF評価値算出部と、前記複数の領域のうち、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定する無効領域設定部と、前記複数の領域のうち、前記無効領域以外の領域の前記AF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定する低コントラスト状態判定部と、前記AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御するフォーカス制御部と、を含み、前記フォーカス制御部は、前記低コントラスト状態判定部の判定結果に基づいて、異なるフォーカス制御を行うフォーカス制御装置に関係する。
本発明の一態様では、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定し、複数の領域うち、無効領域以外の領域のAF評価値に基づいて低コントラスト状態を判定する。これにより、無効領域による影響を抑止できるため、精度よく低コントラスト状態を判定すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、上記のフォーカス制御装置を含む内視鏡装置に関係する。
本発明の他の態様では、処置具等の障害物が撮像される場合であっても、当該障害物による影響を抑止し、精度よく低コントラスト状態を判定すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、領域設定部と、AF評価値算出部と、無効領域設定部と、低コントラスト状態判定部と、フォーカス制御部と、を含むフォーカス制御装置の作動方法であって、前記領域設定部が、撮像部で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域を設定し、前記AF評価値算出部が、設定された複数の領域のAF(AutoFocus)評価値を算出し、前記無効領域設定部が、前記複数の領域のうち、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定し、前記低コントラスト状態判定部が、前記複数の領域のうち、前記無効領域以外の領域の前記AF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定し、前記フォーカス制御部が、前記低コントラスト状態の判定結果及び前記AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御するフォーカス制御装置の作動方法に関係する。
内視鏡装置(撮像部)と被写体(生体、処置具)の位置関係の例。 フォーカス制御装置の基本構成例。 フォーカス制御装置を含む内視鏡装置の構成例。 AF制御部の構成例。 フォーカス制御を説明するフローチャート。 合焦動作を説明するフローチャート。 複数の領域(評価ブロック)の設定例。 図8(A)は方向判別処理における本実施形態のフォーカスレンズの制御を説明する図、図8(B)は従来手法を説明する図。 ブロック状態決定処理を説明するフローチャート。 ブロック状態の時系列的な変化の具体例。 方向判別結果に基づく無効フレームの設定処理の説明図。 低コントラスト状態判定処理を説明するフローチャート。 合焦方向決定処理を説明するフローチャート。 第2の重み情報(閾値)の調整による合焦位置の調整例。 注目距離推定処理を説明する図。 注目領域検出処理を説明する図。 合焦方向決定処理を説明する他のフローチャート。 合焦判断処理におけるフォーカスレンズの制御を説明する図。 合焦判断処理を説明するフローチャート。 フォーカスレンズ位置決定処理を説明するフローチャート。 ブロック状態の時系列的な変化の具体例。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
1.1 低コントラスト状態判定の概要
まず本実施形態の手法について説明する。内視鏡装置(内視鏡システム)のように、動画像を観察する装置においては、ウォブリング方式によるAFが望ましい。フォーカスレンズを広い範囲でスキャンする方式、例えばフォーカスレンズを近点側の端点から遠点側の端点まで移動させ、AF評価値のピークを求めるような方式では、スキャンをしている間は画像の合焦の度合い(ボケの度合い)が大きく変化し続けてしまい、観察に適さないためである。
しかし、ウォブリング方式では合焦方向を決定する際のフォーカスレンズの移動幅(図8(A)を用いて後述するウォブリング量)はそれほど広くないため、ボケの状態が非常に大きい大ボケ状態ではAF評価値の変化幅が非常に小さくなり、合焦方向の適切な判定ができない。具体的には、被写体の位置と合焦物体位置とが大きく異なる場合に大ボケ状態となる。
大ボケ状態では、合焦方向を判断できない以上、AFを継続しても被写体に合焦できないおそれがある。そのため、大ボケ状態を適切に検出し、大ボケ状態を解消するためのリセット動作を実行することが必要となる。
また、AF制御の誤作動が生じていなくても、被写体自体が低コントラストである場合、例えば凹凸や濃淡の非常に少ない被写体である場合には、ウォブリング動作によるAF評価値の変化量(変化率)が非常に小さくなり、やはり合焦方向を決定できない。低コントラスト被写体の場合、被写体自体に起因するものであるため、リセット動作を実行してもウォブリングによる合焦は難しいことが想定される。しかし、ウォブリングによるAFを継続するメリットが少ない以上、低コントラスト被写体であることを適切に検出することは重要である。
このように、大ボケ状態或いは低コントラスト被写体を撮像している状態(以下、低コントラスト状態と表記する)を検出することに対する要求があり、特許文献1等には大ボケ状態を検出する一つの手法が開示されている。しかし特許文献1等の従来手法では、撮像画像に注目被写体とそれ以外の被写体(障害物)が含まれる場合を特に考慮していない。
例えば、内視鏡手技下では病変の切除や縫合等の処置を行うため、図1に示すように、合焦の目標となる生体と撮像装置である内視鏡装置との間に処置具が入る場合がある。ここでの処置具とは、生体に対する処置に用いられる器具であり、具体的には電気メス等のエネルギーデバイスや、鉗子等である。処置具は一般的に被写体に比べてコントラストが高い。そのため、被写体が低コントラスト状態となっていても、処置具のAF評価値が高いことで低コントラスト状態であるとの判定ができず、ウォブリングを継続してしまうおそれがある。例えば、注目被写体(生体)の位置と合焦物体位置とが大きく異なり大ボケ状態となっている、或いは注目被写体が低コントラスト被写体である、ということを検出できず、ウォブリングによるAFを継続してしまい、ユーザが注目する被写体である生体に合焦することができない。
そこで本出願人は以下のようなフォーカス制御装置を提案する。本実施形態に係るフォーカス制御装置は図2に示すように、撮像部(後述する図3の撮像部200に対応)で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域(評価ブロック)を設定する領域設定部2010と、設定された複数の領域のAF評価値を算出するAF評価値算出部(ブロックAF評価値算出部)2030と、複数の領域のうち、注目被写体(狭義には生体)以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定する無効領域設定部(無効ブロック設定部2050)と、複数の領域のうち、無効領域以外の領域のAF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定する低コントラスト状態判定部2075と、AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御するフォーカス制御部2000を含む。そして、フォーカス制御部2000は、低コントラスト状態判定部の判定結果に基づいて、異なるフォーカス制御を行う。
ここで合焦物体位置とは、光学系(狭義には後述する図3の対物レンズ系240)、像面(図3の撮像素子250の面)、物体(被写体)からなる系が合焦状態にある場合の、物体の位置を表すものである。例えば、後述する図3に示すように撮像素子250が固定であり、光学系のうちのフォーカスレンズ220が移動可能な例であれば、フォーカスレンズ220の位置を決定することで合焦物体位置が決定されることになる。その場合、合焦物体位置を含む被写界深度の範囲内に位置する被写体に対して合焦した撮像画像が取得される。
このようにすれば、低コントラスト状態の判定において、無効領域(低コントラスト判定無効ブロック)を除外することができるため、精度のよい低コントラスト状態判定が可能になる。例えば、内視鏡手技下において処置具による影響を抑止し、生体が低コントラスト状態であるか否かを適切に判定することが可能になる。さらに、フォーカス制御部2000は、低コントラスト状態と判定されたか否かで異なるフォーカス制御を行うことが可能になる。具体的には、低コントラスト状態でないと判定された場合は、通常のAF動作(例えばウォブリングによるAF動作)を行い、低コントラスト状態と判定された場合は、低コントラスト状態用の制御を行う。よって、低コントラスト状態で通常のAF動作を実行することを抑止できるため、誤った方向にフォーカスレンズを移動してしまう可能性を抑止できる。また、低コントラスト状態と判定された場合に、低コントラスト状態を脱するための制御等も可能になる。具体的には、後述する図5のS103の判定結果がYesかNoかに応じて、フォーカス制御部2000で実行される制御が異なるものになる。
なお、低コントラスト状態と判定された場合には、上述したフォーカスレンズのスキャンを行ってもよいが、スキャンでは上述したように画像のボケの度合いが大きく変化し、観察に適さない動画像となる。特に内視鏡装置では、ユーザ(医師)による処置中にスキャンが行われることは好ましくない。また、ユーザはフォーカス制御装置がどのタイミングでスキャンを実行するかを知ることができないため、ユーザ側からスキャンのタイミングを制御することはできず、ユーザの観察を妨げずにスキャンを実行することは困難と言える。よって本実施形態では、低コントラスト状態と判定された場合に、スキャンとは異なるリセット動作を実行してもよい。詳細については、図5を用いて後述する。
また、本実施形態のフォーカス制御装置は、情報(例えばプログラムや各種のデータ)を記憶するメモリ(記憶部)と、メモリに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサ(図3の処理部300、ハードウェアを含むプロセッサ)と、を含む。プロセッサは、撮像部で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域を設定する領域設定処理と、設定された複数の領域のAF評価値を算出するAF評価値算出処理と、複数の領域のうち、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定する無効領域設定処理と、複数の領域のうち、無効領域以外の領域のAF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定する低コントラスト状態判定処理と、AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御するフォーカス制御と、を行う。
プロセッサは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であってもよい。ただしプロセッサはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサを用いることが可能である。またプロセッサはASIC(Application Specific Integrated Circuit)によるハードウェア回路でもよい。メモリは、例えばSRAM、DRAMなどの半導体メモリであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、メモリはコンピュータにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサにより実行されることで、フォーカス制御装置の各部の機能が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、プロセッサのハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
本実施形態の動作は例えば以下のように実現される。プロセッサは、取得した画像に対して複数の領域を設定する処理を行い、当該複数の領域に関する情報をメモリに記憶する。さらに、プロセッサは、メモリから複数の領域の情報を読み出し、各領域のAF評価値(ブロックAF評価値)を求めメモリに記憶する。プロセッサは、メモリから複数の領域の情報を読み出し、各領域の情報(狭義には後述するように画素の特徴量)に基づいて、無効領域を設定し、当該無効領域の設定情報をメモリに記憶する。そしてプロセッサは、無効領域の設定情報と、AF評価値とをメモリから読み出し、低コントラスト状態を判定し、判定結果をメモリに記憶する。プロセッサは、メモリからAF評価値を読み出して合焦物体位置を制御するが、その際にはメモリから読み出した低コントラスト状態の判定結果を加味した制御を行うことになる。なお、合焦物体位置の制御は、具体的にはフォーカスレンズを駆動する機構(図3のフォーカスレンズ駆動部230)に対して、制御信号を出力する処理により実現できる。
また、本実施形態のフォーカス制御装置の各部は、プロセッサ上で動作するプログラムのモジュールとして実現される。例えば、領域設定部は、撮像部で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域を設定する領域設定モジュールとして実現される。AF評価値算出部は、設定された複数の領域のAF評価値を算出するAF評価値算出モジュールとして実現される。無効領域設定部は、複数の領域のうち、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定する無効領域設定モジュールとして実現される。低コントラスト状態判定部は、複数の領域のうち、無効領域以外の領域のAF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定する低コントラスト状態判定モジュールとして実現される。フォーカス制御部は、AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御するフォーカス制御モジュールとして実現される。
1.2 合焦方向決定処理の概要
以上では、注目被写体以外の被写体による低コントラスト状態の判定への影響について説明した。しかし、注目被写体以外の被写体は合焦動作自体、具体的にはウォブリングにおける合焦方向の判定結果にも影響を与える。例えば、コントラストAFであればコントラストが高い領域に合焦するため、生体に注目しているのに、処置具に合焦するおそれがある。
それに対して、特許文献2に開示された手法のように、ユーザ自身が障害物である被写体を指定する形態であれば、所望の被写体に精度よく合焦させることが可能である。しかし、所定の状況下では撮像画像における障害物の状況が頻繁に変化する可能性があり、そのような場合には変化する毎にユーザが障害物を指定しなくてはならず、ユーザの操作負担が大きい。
例えば、腹腔鏡手術等の内視鏡手技下では、スコープ(撮像部)とともに処置具を体内に挿入し、当該処置具を用いて生体に対する処置が行われる。その場合、処置具は生体に対する処置、例えば鉗子を用いて膜状の生体を引っ張り上げたり、鉗子で固定した生体を電気メスで切除したりする行為に利用されるため、ユーザ(ドクター、術者)により頻繁に動かされることになる。結果として、撮像画像において処置具が撮像される画像上位置や、サイズが頻繁に変化する。そのため、障害物が撮像された領域は頻繁に変化し、ユーザが手動で指定するのではユーザ負担が大きいことになる。
これに対して、障害物の撮像された領域のAF制御に対する寄与度を下げる(狭義にはAF制御から除外する)処理をシステム側で行えば、注目している被写体に適切に合焦させることが可能になる。
そこで、本実施形態に係るフォーカス制御装置は、設定された複数の領域の一部または全部の領域において、基準位置に対して合焦物体位置の目標である目標合焦位置がNEARにあるかFARにあるかを判別し、各領域に対して方向判別結果を求める方向判別処理を行う方向判別部2040を含み、フォーカス制御部2000(プロセッサ)は、方向判別結果及び重み情報に基づいて、NEARと判定された領域の面積を表すNEAR面積情報と、FARと判定された領域の面積を表すFAR面積情報との重みづけ大小判定を行って合焦方向を決定し、決定された合焦方向に基づいて、合焦物体位置を制御してもよい。
ここで、NEAR及びFARとは、基準位置に対して目標合焦位置の位置する方向を表すものであり、目標合焦位置が基準位置よりも撮像部200側(光学系及び撮像素子250の側)にある場合にNEARとなり、目標合焦位置が基準位置に対して撮像部200と反対側にある場合にFARとなる。図3のように合焦物体位置がフォーカスレンズ220の位置により制御可能な例であれば、合焦物体位置をNEAR側に移動させる制御は、フォーカスレンズ220の位置を近点側に移動させる制御により実現でき、合焦物体位置をFAR側に移動させる制御は、フォーカスレンズ220の位置を遠点側に移動させる制御により実現できる。
また、重みづけ大小判定とは、重み情報による重みづけを行った上で、NEAR面積情報とFAR面積情報の大小関係を判定する処理である。重み情報とは、複数の領域の各領域の重みづけ大小判定に対する寄与度を表す第1の重み情報と、NEAR面積情報及びFAR面積情報の重みづけ大小判定に対する寄与度を表す第2の重み情報の少なくとも一方の情報である。言い換えれば、本実施形態の重み情報とは、NEAR面積情報(或いはFAR面積情報、或いはその両方)を算出する際に用いられる重みであってもよいし、NEAR面積情報(或いはFAR面積情報、或いはその両方)自体に対する重みであってもよい。
このようにすれば、ユーザが煩雑な操作を行うことなく注目被写体へ合焦することが可能になる。特に、内視鏡手技下で想定される様々なシーンにおいて、ユーザが煩雑な操作を行うことなく注目被写体へ合焦することを可能とするAF制御機能を備えた、内視鏡装置の実現が可能となる。具体的には、以下の3点により適切なAF制御が可能になる。
1点目として、本実施形態では、面積情報に基づいて合焦物体位置の移動する方向を決定する。面積情報はNEARかFARかの方向判別結果によって決まるものであるため、AF評価値(コントラスト値)に基づいて方向判別結果が取得されれば、それ以降の処理には、各領域のAF評価値自体の大小は寄与しない。一般的には、生体よりも処置具のコントラストの方が高い。そのため、通常のコントラストAFでは、処置具の検出に漏れがあり当該処置具を撮像した領域がAF制御に用いられてしまうと、その影響を受けやすくなる。しかし本実施形態の手法では、面積情報の大小判定(重み付け大小判定)で合焦方向を決定する。このため各領域(評価ブロック)は、被写体のAF評価値によらず一票の価値しか持たないため、より処置具の影響を低減することができる。
2点目として、本実施形態では、第1の重み情報を用いることで、面積情報を求める際の各領域の重み(狭義にはNEAR面積情報を求める際の、NEARと判定された各領域の重み)を設定することができる。そのため、図16を用いて後述するように、画像中の注目領域が特定できる場合、当該注目領域に優先して合焦させることが可能になる。
3点目として、本実施形態では、第2の重み情報を用いることで、NEAR面積情報とFAR面積情報の大小判定を単純に行うのではなく、重みづけをした上で判定を行う。例えばNEAR面積情報Sと、FAR面積情報Sとを比較する際、S>Sが満たされるか否かを判定するのではなく、下式(1)が満たされるか否かの判定が可能になる。下式(1)のMが第2の重み情報に対応する。
M×S>S ・・・・・(1)
そして、M=(1−Th)/Thと置換すれば、上式(1)は下式(2)のように変形できる。
/(S+S)>Th ・・・・・(2)
上式(2)の左辺は、後述するNEARブロックの比率nearRatioに対応するため、本実施形態の重み情報(第2の重み情報)とは、合焦方向を決定する際の閾値TH_NEARであってもよい。図14を用いて後述するように、閾値TH_NEARは合焦位置(合焦動作完了時の合焦物体位置)を調整するパラメータとなるため、第2の重み情報を用いることで合焦位置の柔軟な調整が可能になる。
以下、本実施形態について詳細に説明する。まず本実施形態に係るフォーカス制御装置、及びフォーカス制御装置を含む内視鏡装置のシステム構成例を説明した後、本実施形態のAF制御の概要を説明する。AF制御の概要において、低コントラスト状態と判定された場合のリセット動作の具体例も説明する。その後、合焦動作の具体例と、いくつかの変形例について説明する。
なお、本実施形態のフォーカス制御装置を含む装置(電子機器)は、内視鏡装置に限定されるものではなく、他の装置であってもよい。例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、携帯電話等の機器が本実施形態のフォーカス制御装置を含んでもよい。その場合にも、障害物による影響を抑止し、ユーザに煩雑な操作を行わせることなく、柔軟なAF制御が可能になる点は同様である。
2.システム構成例
本実施形態に係るフォーカス制御装置を含む内視鏡装置について、図3を用いて説明する。本実施形態における内視鏡装置は、体内への挿入部である硬性鏡100と、硬性鏡100に接続される撮像部200と、処理部300と、表示部400と、外部I/F部500と、光源部600を備えている。
光源部600は、白色光を発生する白色光源610と、白色光源610からの出射光を硬性鏡に導光するライトガイドケーブル620を備えている。硬性鏡100は結像レンズ、リレーレンズ、接眼レンズ等を含んで構成されるレンズ系110と、ライトガイドケーブル620からの出射光を、硬性鏡先端まで導光するライトガイド部120を備えている。撮像部200は、レンズ系110からの出射光を結像する対物レンズ系240を備える。対物レンズ系240は、合焦物体位置を調整するフォーカスレンズ220を含んで構成されている。撮像部200はさらに、対物レンズ系240で結像された反射光を光電変換して画像を生成する撮像素子250と、フォーカスレンズ220を駆動するフォーカスレンズ駆動部230と、AFの開始、終了を制御するAF開始/終了ボタン210を備えている。フォーカスレンズ駆動部230は、例えばボイスコイルモーター(VCM)である。
撮像素子250は、例えば複数の画素が2次元配列状に配置された構造で、各画素にはRGBのいずれかのカラーフィルタがベイヤ配列で配置されている。また、補色カラーフィルタを用いた撮像素子や、カラーフィルタを用いずに1つの画素で異なる波長の光を受光可能な積層型の撮像素子、カラーフィルタを用いないモノクロ撮像素子など、被写体を撮像して画像を得られるものであれば、任意の撮像素子を使用できる。
処理部300はA/D変換部310と、前処理部320と、画像処理部330と、AF制御部340と、制御部350を備えている。A/D変換部310は、撮像素子250から順次出力されるアナログ信号をデジタルの画像に変換して、前処理部320に順次出力する。前処理部320はA/D変換部310から出力された画像に対して、ホワイトバランス、補間処理(デモザイキング処理)等の画像処理を施し、画像処理部330とAF制御部340に順次出力する。AF制御部340の詳細については後述する。画像処理部330は、前処理部320から出力された画像に対して色変換、階調変換、エッジ強調、拡縮処理、ノイズリダクション等の画像処理を施し、表示部400に画像を順次出力する。表示部400は例えば液晶モニタであり、画像処理部330から順次出力される画像を表示する。
制御部350は外部I/F部500や画像処理部330、AF制御部340、撮像素子250、AF開始/終了ボタン210などと相互に接続されており、制御信号の入出力を行う。外部I/F部500は、内視鏡装置に対するユーザからの入力等を行うためのインターフェースであり、例えばAFモードを切り替えるモードボタン、AF領域の位置やサイズを設定するための設定ボタン、画像処理のパラメータを調整するための調整ボタンなどを含んで構成されている。
AF制御部340は、例えば図4に示したように、領域設定部2010と、ブロック特徴量算出部2020と、AF評価値算出部2030と、方向判別部(ブロック方向判別部)2040と、無効ブロック設定部(無効領域設定部)2050と、ブロック状態決定部2060と、無効フレーム設定部2070と、低コントラスト状態判定部2075と、合焦方向決定部2080と、合焦判断部2090と、フォーカスレンズ位置決定部2095を備えている。
領域設定部2010は、撮像画像に対してAFに用いられる領域を設定する。ここでの領域とはAF領域と評価ブロックの両方を含んでもよい。ブロック特徴量算出部2020は、各評価ブロックを対象として、特徴量を算出する。AF評価値算出部2030は、各評価ブロックを対象として、AFに用いられる評価値を算出する。方向判別部2040は、各評価ブロックを対象として、AF評価値に基づいて目標合焦位置の方向を判別する。ここでの方向判別結果は、狭義にはNEAR又はFARを表す情報である。無効ブロック設定部2050は、特徴量に基づいて無効ブロックを設定する。ここでの無効ブロックは、合焦方向決定に用いられない評価ブロック、及び低コントラスト状態の判定に用いられない評価ブロック(低コントラスト判定無効ブロック)を含む。ブロック状態決定部2060は、方向判別結果の履歴情報に基づいて、最終的な方向判別結果であるブロック状態を決定する。無効フレーム設定部2070は、処理対象フレーム自体を無効フレームに設定するか否かを判定する。ここでの無効フレームは、合焦方向決定に用いられないフレームを表す。低コントラスト状態判定部2075は、現在フレームが低コントラスト状態か否かの判定を行う。合焦方向決定部2080は、合焦方向、すなわち合焦物体位置の移動方向(或いは当該移動方向に対応するフォーカスレンズ220の移動方向)を判別する。合焦判断部2090は、合焦物体位置の移動により、合焦状態となったか否か、すなわち合焦動作を完了するか否かを判断する。フォーカスレンズ位置決定部2095は、フォーカスレンズを移動する位置を決定する.具体的には、求められた合焦方向に対応する移動(ウォブリング中心位置の移動)と、方向判別用の移動(ウォブリング動作)を考慮して位置を決定する。
なお、AF制御部340の各部で行われる処理の詳細については後述する。また、図2におけるフォーカス制御部2000は、合焦方向決定部2080と合焦判断部2090とフォーカスレンズ位置決定部2095に対応する。ただしフォーカス制御部2000の構成はこれに限定されず、図4のブロック状態決定部2060や無効フレーム設定部2070等を含んでもよい。また、本実施形態に係るフォーカス制御装置は、AF制御部340に対応するものであってもよいが、これに限定されず、図3の処理部300全体をフォーカス制御装置とする等、種々の変形実施が可能である。また、フォーカス制御装置の一部の構成要素を省略する、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また、種々の変形実施が可能な点は、図3、図4の他の構成についても同様である。
3.AF制御部の処理の概要
本実施形態においてAF制御部340で行われるAF制御の概要について、図5を用いて説明する。なお、AFが実行されている間、AF制御部340は図5の処理をフレーム毎に実行する。
<合焦動作>
ユーザがAF開始/終了ボタン210を操作しAFが開始されると、AF制御の動作モードは合焦動作に設定される。よって、AF制御が開始されると、まず動作モードの判定を行う(S101)が、AF開始/終了ボタン210を操作時には合焦動作と判定される。合焦動作が開始されると、A/D変換部310から順次出力される画像の取得タイミングに同期するように、フォーカスレンズのウォブリング動作を開始し、ウォブリング動作で取得された画像に基づいて、合焦動作(狭義の合焦動作)を実施する(S102)。合焦動作の詳細については、図6等を用いて後述する。
図6のS208を用いて後述するように、S102の合焦動作では、低コントラスト状態の判定を行っている。よって合焦動作の後に、低コントラスト状態と判定されているか否かの判定を行う(S103)。低コントラスト状態の場合(S103でYesの場合)は、リセット動作抑制フラグのON/OFFを判定する(S104)。
リセット動作では、フォーカスレンズを所定位置に移動させるため、フォーカスの状態(ボケの度合い)が変化する。リセット動作抑制フラグとは、所定時間内に連続してリセット動作が行われることを抑止するフラグであり、これにより観察に適さない画像が高頻度で出力されることを抑止できる。
リセット動作抑制フラグがOFF(S104でYes)の場合は、動作モードを“リセット動作”に変更する(S105)。これにより、次フレームではS101での判定結果がリセット動作となり、S118〜S125を用いて後述するリセット動作が実行される。リセット動作抑制フラグがON(S104でNo)の場合は、低コントラスト状態であっても動作モードを変更しない。
また、低コントラスト状態でない場合(S103でNo)は、S102の合焦動作で行われた合焦判断(後述する図6のS212)の結果に基づき、合焦が完了したか否かを判断する(S106)。合焦完了した場合(S106でYes)は、動作モードを“待機動作”に変更し(S107)、リセット動作カウンタを0にし(S108)、リセット動作フラグをOFFにする(S109)。また、フォーカスレンズ位置を変更する(S110)。この場合のフォーカスレンズ位置とは、図18を用いて後述する合焦位置である。合焦動作が完了していない場合(S106でNo)は、フォーカスレンズ位置を変更する(S110)。この場合の変更先のフォーカスレンズ位置は、図20を用いて後述するフォーカスレンズ位置の決定処理において決定されている。
なお、リセット動作カウンタとは、リセット回数を計測するカウンタである。通常、リセット動作が実行されれば、低コントラスト状態を脱して合焦方向を決定可能になると考えられる。しかし低コントラスト被写体を撮像している場合等のように、シーンによってはリセット動作を行っても合焦方向の決定ができない場合がある。そこで本実施形態では、リセット動作の回数をカウンタを用いて計測し、カウンタの値が閾値を超えた場合には、リセット動作が有効でないと判定する。その際の具体的な処理についてはS123〜S125を用いて後述する。S108の場面では、合焦が完了している、すなわち正常にAF制御が完了したということであるから、リセット動作カウンタは0に初期化されることになる。
また、S104でNoの場合及びS105の処理後にも、フォーカスレンズ位置が変更される(S110)。S104の判定が行われる場合は、低コントラスト状態(S103でYes)と判定されているため、ウォブリング中心位置は変更されない。つまり、この場合のS110の処理は、ウォブリング動作(ウォブリング中心位置を基準としてウォブリング量だけフォーカスレンズを移動させる動作)に対応する。S110の処理後には、リセット動作抑制フラグのON/OFFを判定する(S112)。OFFの場合(S112でNo)は、そのままAF制御を終了する。リセット動作抑制フラグがONの場合(S112でYes)は、リセット動作抑制フラグがONになってから一定期間が経過したか否かを判定する(S113)。一定期間が経過していない場合(S113でNo)は、そのままAF制御を終了する。一定期間が経過している場合(S113でYes)は、リセット抑制フラグをOFFにして、AF制御を終了する。
S122を用いて後述するように、リセット動作抑制フラグはリセット動作が実行された場合にONにされる。このため、S112〜S114に示した処理を行うことで、一度リセット動作を実行した後は、一定期間リセット動作の実行を抑制できる。これにより、低コントラスト状態が連続している場合に、リセット動作が連続して実行されることを抑止でき、ユーザにストレスを与えないAF制御を実現できる。
<待機動作>
また、動作モードが待機動作に設定されている場合、S101の判定に基づいて待機動作が実行される。待機動作が開始されると、AF制御部340はシーン変化の検出処理を行う(S115)。例えば、AF制御部340は、前処理部320から順次出力される画像を用いて、画像の色や輝度、AF評価値の変化や、画像の動き等を監視することでシーン変化の検出処理を行う。
次に、シーン変化が検出されたか否かを判定する(S116)。シーン変化が検出されない場合(S116でNo)は、そのままAF制御を終了する。合焦完了により待機動作に移行した(S107の処理が行われた)場合であれば、シーン変化がなければフォーカスレンズを移動させなくても合焦した状態を維持可能であるため、合焦動作を行う必要がない。また、リセット動作が有効でないために待機動作に移行した(後述するS123の処理が行われた)場合であれば、現在のシーンは低コントラスト状態であって、リセット動作を行っても改善されない状態であるため、シーンが変わらない限り合焦動作を行う意義が薄い。いずれにせよ、待機動作に移行している状況ではシーン変化がなければ待機動作を維持すればよく、待機動作が実行されている間は、フォーカスレンズの駆動は行わない。
一方、シーン変化が検出された場合(S116でYes)は、動作モードを“合焦動作”に変更して、AF制御を終了する。これにより、次フレームでは合焦動作が実行される。
<リセット動作>
S105で動作モードがリセット動作に変更された場合、次フレームのS101の判定により、リセット動作が実行される。リセット動作が開始されると、まずリセット動作カウンタをインクリメントする(S118)。
次に、リセット動作カウンタの値が、閾値未満か否かを判定する(S119)。リセット動作カウンタの値が閾値未満(S119でYes)の場合は、フォーカスレンズを初期位置に移動する(S120)。ここで初期位置とは例えばNEAR端とFAR端の中間付近の位置(近くから遠くの被写体まである程度ピントが合うような位置)であり、S120の動作が狭義のリセット動作に対応する。その後、動作モードを“合焦動作”に変更し(S121)、リセット動作抑制フラグをONにして(S122)、AF制御を終了する。
上述したようにビデオカメラ等では、低コントラスト状態(大ボケ状態)と判断された場合はフォーカスレンズをスキャンしながら合焦位置を探索するような制御が行われる。一方、内視鏡システムではドクターが頻繁に撮像部を動かし、さらにドクターはAF制御部がフォーカスレンズをスキャンするタイミングを知ることができない。このため、ドクターが撮像部を動かしている最中にAF制御部340がスキャン動作を行うと、動きボケ等により精度よく合焦位置を算出できず、かえってストレスを与えてしまう場合がある。
また内視鏡手技においては、AF領域全体が低コントラストの被写体で占められるシーンはほとんど無い。このため、近くから遠くの被写体まである程度ピントが合うような位置にフォーカスレンズを初期化することで、ウォブリングによる合焦方向の判断が可能になる。このような理由から、図6に示したリセット動作を行うことで、低コントラスト状態(大ボケ状態)に陥った場合も精度よく生体に合焦することが可能となる。
また、リセット動作カウンタが閾値以上(S119でNo)の場合は、動作モードを“待機動作”に変更する(S123)。その後、リセット動作カウンタを0にし(S124)、リセット動作抑制フラグをOFFにして(S125)、AF制御を終了する。
以上のように、フォーカス制御部2000(プロセッサ)は、低コントラスト状態判定部2075で低コントラスト状態と判定された場合に、フォーカスレンズ220を所定の位置に移動するリセット動作を実行し、リセット動作の実行後に、合焦物体位置の制御を実行する。
ここでの所定位置とは、ウォブリングにより合焦方向が決定可能となることが期待される位置であり、具体的にはウォブリング動作によるAF評価値の変動幅が所定値以上となることが期待される位置である。AF評価値は合焦度合いを表す指標値であることに鑑みれば、近くから遠くの被写体まである程度ピントが合うような位置を上記「所定の位置」とするとよく、一例としては近点側の端点と遠点側の端点の中間付近の位置を用いればよい。
これにより、低コントラスト状態と判定された場合に、適切なリセット動作を実行することが可能になる。この手法では、広い範囲でフォーカスレンズを動かす(スキャンする)ことがないため、ユーザのストレスを軽減可能である。
さらに、フォーカス制御部2000(プロセッサ)は、リセット動作の実行後、一定期間リセット動作の実行を抑制する。具体的には、リセット動作抑制フラグを設け、当該フラグをリセット動作時にONとし(S122)、リセット動作から一定時間経過後にOFFに設定する(S113、S114)。リセット動作抑制フラグがOFFであることを、動作モードが“リセット動作”に設定される条件としている(S104、S105)ため、このようなフラグ管理を行うことで、リセット動作の抑制が可能になる。
これにより、短時間に繰り返しリセット動作が実行されることが抑止されるため、フォーカスレンズ位置の頻繁な変動が生じにくく、ユーザへのストレスを軽減することが可能になる。具体的には、リセット動作の頻度は最大でも上記「一定期間」に1回となり、それ以上の頻度でのリセット動作は行われない。
また、フォーカス制御部2000(プロセッサ)は、リセット動作を実行した回数であるリセット回数のカウント処理を行い、リセット回数が所与の閾値以上となった場合に、合焦物体位置の制御を待機する。具体的には、リセット動作カウンタをリセット動作の処理開始時にインクリメントすることでリセット回数をカウントする(S118)。そして、閾値以上の場合(S119でYes)には、動作モードを“待機動作”に設定する(S124)。
このような処理を行うことで、AFによる合焦が困難なシーンにおいて、リセット動作が何度も繰り返し実行されることを抑止でき、ユーザにストレスを与えないAF制御が実現できる。すなわち、本実施形態ではリセット動作の頻度と回数の両方を制御することで、ユーザに対するストレス軽減が可能になる。また、次のフレームからは待機動作が実行されるため、シーンが変化し合焦が可能になった場合は合焦動作を実行することができる。
4.合焦動作の詳細
次に、AF制御部340における合焦動作(S101)の詳細について、図6のフローチャートを用いて説明する。
<AF領域設定>
この処理が開始されると、まず領域設定部(AF領域設定部)2010により、画像上に複数のブロックからなるAF領域を設定する(S201)。AF領域の設定の例を図7に示す。図7において外周の矩形は画像全体を表し、Aと記載されている矩形は後述のAF評価値や特徴量等の算出対象の領域である、評価ブロックを表している。また、図7において、評価ブロック全体を囲む範囲をAF領域とする。図7では画像データの中央部に、横方向に5個、縦方向に4個の合計20個の評価ブロックを設定している。
<ブロックAF評価値算出>
AF評価値算出部2030は、前処理部320から出力される画像データの画素値に基づいて、各評価ブロックのAF評価値であるブロックAF評価値を算出する(S202)。ブロックAF評価値はブロック内の被写体に対する合焦度合いに応じて大きくなる値である。ブロックAF評価値は、例えば各評価ブロック内の画像の各画素に対してバンドパスフィルタを適用し、その出力値をブロック内で累積して算出する。
<ブロック方向判別>
方向判別部2040は、各評価ブロックのブロックAF評価値から、各評価ブロックの目標合焦方向を判別する(S203)。判別手法の例を図8(A)を用いて説明する。AF評価値算出部2030から出力される最新(現在フレーム)のブロックAF評価値をAfVal[N]、1フレーム前、2フレーム前に出力されたブロックAF評価値をそれぞれAfVal[N-1]、AfVal[N-2]とする。方向判別部2040は、ブロックAF評価値変化量αを下式(3)を用いて算出する。
α = {(AfVal[N] + AfVal[N-2])/2)} - AfVal[N-1] …(3)
このような処理を行うことで、図8(A)のようにウォブリングと同時にシフト動作を行う場合(フォーカスレンズをNEAR方向に移動した時とFAR方向に移動させた時の移動量が一定にならない)も、精度よく合焦方向を判別することができる。
仮に隣接2フレーム間でのAF評価値の比較を行う場合、図8(A)のようにフォーカスレンズを移動させると、N−2とN−1の間ではフォーカスレンズの移動量がウォブリング量相当となるのに対して、N−1とNの間ではフォーカスレンズの移動量がウォブリング量+シフト量相当となる。つまり、タイミングに応じてレンズ移動量が異なってしまうため、安定した方向判別ができなくなってしまう。
図8(B)に比較例として示した一般的なウォブリング動作であれば、N−2、N−1の2フレームでAF評価値を算出し、Nのフレームでこれらを比較することで、目標合焦方向を判別し、ウォブリング中心位置の移動方向を決定している。このような動作を行えば、各方向判別処理におけるフォーカスレンズの移動量(振り幅)は一定とできる。しかし、図8(B)の手法では方向判別結果が3フレームに1回しか取得できず、合焦動作の高速化等が難しい。例えば図8(B)に記載された範囲であれば、方向判別結果が取得できるのはNとN+3の2つのフレームのみとなる。
その点、上式(3)を用いることで、実質的なレンズ移動量を安定させることができる。例えばNのフレームでは、NとN−2の平均に相当する位置と、N−1の位置との間でフォーカスレンズを移動させた場合に相当する判定を行うことになる。次のN+1のフレームでは、N+1とN−1の平均に相当する位置と、Nの位置との間でフォーカスレンズを移動させた場合に相当する判定を行うことになり、この場合の移動量はNのフレームでの移動量と同様の値となる。以下、各フレームについても同様である。
このようにすれば、図8(A)のようにウォブリングとシフト動作を同時に行うことが可能になり、被写体に短期間で合焦することができる。また、方向判別結果を1フレームに1回求めることが可能になる。
ただし、上式(3)で求められるブロックAF評価値変化量αは、ボケの度合いだけでなく、被写体自体の輝度やコントラストに応じても値が異なる。ここでは、各評価ブロックでのボケの度合いを表す指標値を取得することを考慮しているため、被写体の輝度やコントラストに起因する成分は除外することが望ましい。よって本実施形態では、上式(3)で求められるブロックAF評価値変化量αの正規化を行い、ブロックAF評価値変化率βを求める。具体的には、下式(4)、(5)を用いればよい。なお、本実施形態ではブロックAF評価値変化率βが正の場合はNEAR、負の場合はFARと判断するため、フォーカスレンズがNEAR方向に移動した時の画像からAfVal[N]が算出された場合には下式(4)を用い、フォーカスレンズがFAR方向に移動した時の画像からAfVal[N]が算出された場合には下式(5)を用いる。なおAve(a,b,c)はaとbとcの平均値を表す。
β=α / Ave(AfVal[N], AfVal[N-1], AfVal[N-2]) …(4)
β=-1 * α / Ave(AfVal[N], AfVal[N-1], AfVal[N-2]) …(5)
上式(4)又は(5)で求められるブロックAF評価値変化率βは、ブロックAF評価値変化量αを正規化した値である。このため、被写体のコントラストや明るさによらず、ウォブリング時の合焦度合いの変化に応じてほぼ一定の値となる。
<ブロック特徴量算出>
また、ブロック特徴量算出部2020は、前処理部320から出力される画像データに基づいて各評価ブロックの特徴量(色情報、輝度情報、輝点のサイズ等)を算出する(S204)。特徴量の算出については、広く知られた手法であるため、詳細な説明は省略する。
<無効ブロック設定>
無効ブロック設定部2050は、S203で求められたブロックAF評価値変化率βや、S204で求められたブロック特徴量に基づいて、無効ブロックを設定する(S205)。
まず、無効ブロック設定部2050はブロックAF評価値変化率βの絶対値が所定の範囲外にある評価ブロックを無効ブロックに設定する。例えば|β|<第1の閾値又は|β|>第2の閾値(>第1の閾値)となる評価ブロックを無効ブロックに設定する。被写体に十分なコントラストが無い場合や、画像が大ボケしている場合は、正しい方向判別結果が得られない。このような場合は、ブロックAF評価値変化率βが小さくなる。
また、被写体の動き等により撮影された被写体自体が変化した場合や、急に処置具が入り込んだ場合、ブロックAF評価値変化率βの算出に使用される画像のいずれかが動きボケしている場合などは、正しい方向判別結果が得られない。このような場合は、ブロックAF評価値変化率βが大きくなる。
つまり、ブロックAF評価値変化率βが過剰に小さい場合や大きい場合に、当該評価ブロックを無効ブロックとすることで、ブロック方向判別結果が信頼できないブロックを無効ブロックに設定でき、合焦方向決定処理の精度を高くすることが可能になる。
また、無効ブロック設定部2050は、評価ブロックのブロック特徴量(色情報、輝度情報、輝点のサイズ等)から、処置具(銀色か黒色)や輝点など、生体以外の物体が支配的な評価ブロックや、高輝度部、暗部等を検出し、これらの評価ブロックを無効ブロックに設定する。このような処理を行うことで、生体以外のブロックや、ブロック方向判別結果が信頼できないブロックを無効ブロックに設定できる。
<ブロック状態決定>
次に、ブロック状態決定部2060は、S203で求められたブロック方向判別結果と、S205で求められた無効ブロック設定結果に基づいてブロック状態を決定する(S206)。
まず、現在フレーム又は過去2フレームに無効ブロックが存在する場合は、ブロック方向判別結果が信頼できないため、現在フレームのブロック状態を無効にする。これは上式(3)を用いて上述したように、ブロック方向判別が、現在フレーム及び過去2フレームのブロックAF評価値を用いて行われるためである。
また、本実施形態では、同じブロック方向判別結果が閾値以上連続した場合に、ブロック状態を更新し、それまでは、直前フレームのブロック状態を引き継ぐ。これは、ブロック状態の信頼性を向上させ、頻繁に変動するのを防ぐためである。
図9は、ブロック状態決定部2060での処理を説明するフローチャートである。この処理が開始されると、まず現在フレーム又は過去2フレーム内に無効ブロックが存在するかの判定を行う(S301)。S301でYesの場合には、連続度カウンタを0とし(S302)、ブロック状態を無効ブロックとする(S303)。ここでの連続度カウンタとは、同じ方向判別結果が連続した回数を表す。過去2フレーム内に無効ブロックが存在する場合、現在フレームの方向判別結果がNEAR、或いはFARとなったとしても、その結果を信頼できない。そのため、S302では、現在フレームの方向判別結果によらず、連続度カウンタは0のままである。
S301でNoの場合、現在フレームと直前フレーム(1つ前のフレーム)の方向判別結果が異なるか否かを判定する(S304)。S304でYesの場合、方向判別結果が変化したということであるから、同じ方向判別結果は連続していないため、連続度カウンタを1とする(S305)。また、連続度カウンタの値が閾値を超えることはないため、ブロック状態は直前フレームの状態を引き継ぐ(S306)。
S304でNoの場合、過去2フレーム内に無効ブロックが無く、同一の方向判別結果が連続している状態となる。そのため、連続度カウンタが閾値(例えば2)未満であるかの判定処理を行う(S307)。S307でYesの場合は、同一の方向判別結果が連続しているため連続度カウンタをインクリメントする(S308)が、連続回数が充分でないため、ブロック状態は直前フレームの状態を引き継ぐ(S309)。
S307でNoの場合は、同一の方向判別結果が充分な回数連続したことになるため、現在フレームの方向判別結果により、ブロック状態を置き換える(S310)。
図10に具体例を示す。図10は複数の評価ブロックのうちの所与の評価ブロックを対象とした図であり、上段がS203の方向判別結果、及びS205の無効ブロック設定結果を表し、下段がブロック状態を表す。
図10のA1のフレームでこの評価ブロックが無効ブロックに設定されたため、当該フレームでのブロック状態も無効となる。また、A2のフレームでは方向判別結果はFAR、A3のフレームでは方向判別結果はNEARとなっているが、過去2フレーム内に無効ブロックが存在するため、ブロック状態としては無効ブロックとなる。
また、A4のフレームでは、方向判別結果がNEARからFARに切り替わっているが、FARはまだ連続していないため、連続度カウンタは1となっている。ここでは閾値を2としており、連続度カウンタ≦閾値となるため、A4のフレームは過去の状態を引き継ぐ。つまり、方向判別結果はFARであるが、ブロック状態としてはNEARが維持される。
また、A5のフレームも同様である。A5では、過去2フレーム内には無効ブロックが存在しない。しかし、直前のA3のフレームで連続度カウンタが0であるため、A5での連続度カウンタは1である。そのため、連続度カウンタ≦閾値となるため、A5のフレームは過去(A3)の状態を引き継ぎ、無効ブロックとなる。
<無効フレーム設定>
次に、無効フレーム設定部2070は、無効フレームの設定を行う(S207)。無効フレームでは、当該フレームの画像自体が合焦方向の決定に適しておらず、方向判別結果の信頼性も低いため、方向判別結果に基づく合焦物体位置の移動を行わない。これは具体的には、ウォブリング動作の中心位置を移動させずに(シフト量に相当する量のフォーカスレンズの移動を行わずに)、ウォブリング量に相当する量のフォーカスレンズの移動、すなわちウォブリング動作のみを行う。無効フレームとは具体的にはミストが検出された場合、又は無効被写体が検出された場合に設定される。
そのため、無効フレーム設定部2070は、まず方向判別部2040から出力される各評価ブロックの方向判断結果に基づいて、ミスト検出を行う。後述するように、ミスト検出時にフレーム間の方向判別結果の連続性を考慮するため、ここではブロック状態決定部2060から出力されるブロック状態は使用しない。
内視鏡手技中にミストが発生すると、精度よくブロック方向判別ができずに合焦動作が不安定になる可能性がある。一方ミストが発生するのは、ユーザが電気メス等の処置具を使用して処置を行う場合であるため、ミスト発生時は被写体にある程度ピントが合っている状態である。このため、ミストを検出して合焦動作を中断すれば、ユーザの処置に悪影響を与えることはない。
ミスト検出では、例えば、フレーム間およびフレーム内における各評価ブロックの方向判別結果のばらつき度からミストを検出する。ミスト発生時は、画像上でミストの濃淡に大きなバラツキが有り、またその分布が短期間で大きく変化する。この結果、AF評価値も同様に大きく変化することから、図11に示すようにブロック方向判別結果も時間、空間方向に大きく変化する。このため、前述のような手法でミストを検出することが可能になる。
ばらつき度は例えば、以下のようにして検出する。まず各評価ブロックに対し、直前フレームと異なる方向判別結果か否かを判断する(時間的なばらつき度の判定)。そして、直前フレームと異なる方向判別結果の評価ブロックに対して、現在フレームの方向判別結果を周囲の評価ブロックと比較し、方向判別結果が異なる評価ブロック数をカウントする(空間的なばらつき度の判定)。そして、カウントの総和が閾値を超えたブロックをミストブロックと判定する。すなわち、ここでのミストブロックとは、時間的なばらつき度と空間的なばらつき度の両方が大きいと判定された評価ブロックとなる。
無効フレーム設定部2070は、ミストブロックの数が所定の閾値を超えた場合、ミストと検出した判断し、現在フレームを無効フレームに設定する。
また、無効フレーム設定部2070は、動きベクトルを用いてミスト検出を行ってもよい。例えば、取得タイミングの異なる2つの画像(具体的には隣接2フレームの画像)から画像間での動きを表す動きベクトルを求める。ここでの動きベクトルは、画像上に複数の点(領域)を設定し、各点(領域)を対象として求められる。すなわち隣接2フレームの画像を用いた処理により、複数の動きベクトルが算出される。動きベクトルはミストによる影響を受けやすいため、ミスト発生時には求められた複数の動きベクトルの間での空間的なバラツキが大きくなる。
よって、無効フレーム設定部2070は、動きベクトルの空間的な類似性に基づいて、動きベクトルの信頼性を判定し、ミスト検出を行う。動きベクトルが空間的に類似していれば、動きベクトルがノイズ成分ではなく信号成分により算出されているため、信頼性“有り”と判定する。
具体的には、まず画像内の複数の局所的な動きベクトルの中から1つの動きベクトル(以下、注目動きベクトル)を選択する。次に、選択した注目動きベクトルと隣接する動きベクトルの差分などから、隣接する動きベクトルが類似ベクトルか否かを判定する。隣接するすべての動きベクトルに対して上記の判定処理を行ったうえで、類似ベクトル数をカウントし、類似ベクトル数と所定の閾値を比較する。類似ベクトル数が閾値より大きい場合、その注目動きベクトルは周囲の動きベクトルと空間的な類似性があるため、その注目動きベクトルは信頼性“有り”と判定する。一方、類似ベクトル数が閾値以下である場合、その注目動きベクトルは信頼性“無し”と判定する。以上の判定を画像内の全ての動きベクトルに対して実行することで、各動きベクトルに対して、信頼性の有無が判定される。
各動きベクトルの信頼性から、画像全体としての信頼性を判定し、信頼性が低い場合にはミストが検出されたと判定する。例えば、信頼性の低い動きベクトルの数や比率が所与の閾値を超えた場合に、ミストを検出したと判定すればよい。
また、無効フレーム設定部2070では、方向判別結果と動きベクトルの両方を用いてミスト検出を行ってもよい。例えば、方向判別結果と動きベクトルの両方でミストが検出された場合に、最終的にミストと判断してもよい。このような手法を用いることでミスト検出の精度を向上できる。
また、無効フレーム設定部2070は、無効被写体が検出された場合に対象フレームを無効フレームに設定してもよい。具体的には、ブロック状態決定部2060から出力されるブロック状態に基づいて、無効被写体検出を行う。AF領域に対して、無効ブロック(処置具、輝点、高輝度部、暗部、ブロックAF評価値変化率βが所定の範囲外となっているブロック)が大部分を占めると、精度よく合焦動作を行うことができない。このため、S205で設定された無効ブロックの数が所定の閾値を超えた場合、無効被写体と判断し、対象フレームを無効フレームとする。
なお、内視鏡手技において無効フレームに設定されるようなシーンは長時間連続しないため、合焦動作を中断してもユーザの処置に悪影響を与えることはない。
以上のように、本実施形態のフォーカス制御部2000(プロセッサ)は、複数の領域の各領域の方向判別結果、及び各領域に含まれる複数の画素の特徴量の少なくとも一方に基づいて、無効フレームを設定する無効フレーム設定部2070をさらに備え、フォーカス制御部2000は、無効フレームと判定されたフレームでは、方向判別結果に基づく合焦物体位置の移動を行わない。
このようにすれば、方向判別結果の信頼性が低い場合に、不適切な方向に合焦物体位置をシフトさせてしまうことを抑止できる。なお、ここでの「方向判別結果に基づく移動」とは、ウォブリング中心位置のシフト量分のフォーカスレンズの移動を表している。よって無効フレームに設定されたとしても、方向判別を行うためのウォブリング動作(ウォブリング中心位置を基準としてウォブリング量だけのフォーカスレンズの移動)を行うことは妨げられない。
その際、無効フレーム設定部2070(プロセッサ)は、方向判別結果の空間的な変動情報(ばらつき度)、方向判別結果の時間的な変動情報、及び特徴量である動きベクトルの変動情報のうちの少なくとも1つに基づいて、無効フレームを設定する。
時間的な変動情報とは、上述したように所与の領域での方向判別結果を時系列的に見た場合のばらつき度(相違度)を表す。空間的な変動情報とは、所与の領域での方向判別結果と、その近傍(例えば図7のような評価ブロックの場合、上下左右の4マス、或いは周囲8マス等)の方向判別結果のばらつき度を表す。動きベクトルの変動情報とは、1つの画像上に設定される複数の動きベクトル間でのばらつき度を表す。
このようにすれば、ミスト発生時や無効被写体撮像時に、合焦方向決定処理等をスキップできるため、誤った方向にフォーカスレンズを移動してしまう可能性を抑止できる。なお、上記の3つの変動情報はいずれか1つを用いてもよいし、2つ以上を組み合わせてもよい。これらの情報は単体で用いた場合に無効フレームの判定精度が低下する場合がある。例えば、合焦位置付近ではブロックAF評価値変化率βが小さくなるため、方向判別結果は時間的にも空間的にもばらつき度合いが大きくなりやすい。そのため、無効フレームに設定しなくてもよい状態を無効フレームであると誤判定するおそれがある。しかし動きベクトルは合焦位置付近でもばらつき度合いが小さいため、方向判別結果の変動情報と動きベクトルの変動情報を組み合わせることで精度よく無効フレームを設定することが可能になる。
<低コントラスト状態判定>
低コントラスト状態判定部2075は、AF評価値算出部2030から出力される各評価ブロックのブロックAF評価値、および無効ブロック設定部2050から出力される無効ブロック設定結果に基づいて、低コントラスト状態か否かの判定を行う(S208)。
図12が低コントラスト状態判定部2075での処理を説明するフローチャートである。この処理が開始されると、まず低コントラスト状態判定部2075は、無効ブロックを設定する(S801)。具体的には、低コントラスト状態判定部2075は、無効ブロック設定部2050での処理結果のうち、評価ブロックのブロック特徴量に基づく結果を取得する。そして、処置具や輝点、高輝度部、暗部に対応するブロックを、低コントラスト状態の判定に用いない無効ブロック(合焦方向の決定における無効ブロックと区別するため、低コントラスト判定無効ブロックとも表記する)に設定する。なお、必ずしもこのすべてを使用する必要は無く、任意の被写体に対応するブロックのみを低コントラスト判定無効ブロックとして設定してもよい。
そして、低コントラスト状態判定部2075は、複数の評価ブロックのうち、低コントラスト判定無効ブロック以外のブロックを有効ブロック(低コントラスト判定有効ブロック)とし、有効ブロックのAF評価値から、AF評価値の変化率を算出する(S802)。具体的には、低コントラスト状態判定部2075は、有効ブロックである各ブロックのAF評価値から、有効ブロック全体でのAF評価値の平均値AreaAfVal[N]を算出する。これは、AF領域全体から処置具や輝点、高輝度部、暗部を除いた領域のAF評価値に相当する。
さらに、1フレーム前、2フレーム前に同様に算出したAF評価値の平均値をAreaAfVal[N-1]、AreaAfVal[N-2]として、下式(6)でAF評価値変化量α’を算出し、下式(7)でAF評価値変化率β’を算出する。S802で求める情報は、具体的にはAF評価値変化率β’である。
α’ = {(AreaAfVal[N] + AreaAfVal[N-2] ) / 2} - AreaAfVal[N-1]…(6)
β’ = |α'| / Ave(AreaAfVal[N], AreaAfVal[N-1], AreaAfVal[N-2])…(7)
なお、上式(6)は上式(3)は同様であり、上式(3)ではAF評価値が各ブロックのブロックAF評価値AfValであったのに対して、上式(6)ではAF評価値が低コントラスト判定有効ブロック全体のAF評価値の平均値AreaAfValである点で相違する。上式(6)を用いることで、上式(3)の例と同様に、安定的にAF評価値の変化量を求めることが可能になる。
また、上式(7)は、上式(4)、(5)と同様であり、AF評価値変化率β’は、AF評価値変化量α’を正規化した値である。このため、被写体のコントラストや明るさによる影響を抑止可能である。なお、低コントラスト状態の判定では方向判別処理のように正負を区別する必要がないため、上式(7)ではAF評価値変化量α’の絶対値を用いている。
低コントラスト状態判定部2075は、AF評価値変化率β’が所定の閾値以下であるかを判定する(S803)。AF評価値変化率β’が閾値以下の場合(S803でYes)は、現在フレームが低コントラストフレームであると判定し、低コントラストカウンタの値をインクリメントする(S804)。低コントラストフレームでない場合(S803でNo)は、低コントラストカウンタの値を初期化(値を0に)する(S805)。ただし、S805では、低コントラストカウンタの値をデクリメントしてもよい。デクリメントする場合は、低コントラストカウンタの値が0以下にはならないように制限を加えてもよい。
そして、低コントラスト状態判定部2075は、低コントラストカウンタの値が閾値を超えたか否かを判定し(S806)、閾値を超えた場合に低コントラスト状態と判断する(S807)。低コントラスト状態と判断したら、低コントラストカウンタの値を初期化する(S808)。
以上のように、低コントラスト状態判定部2075(プロセッサ)は、複数の領域のうち、無効領域(低コントラスト判定無効ブロック)以外の領域のAF評価値の変動が、所与の閾値よりも小さい場合に、低コントラスト状態であると判定する。具体的には、低コントラスト状態判定部2075は、方向判別処理において合焦物体位置を移動させた場合のAF評価値の変動が、所定の閾値よりも小さい場合に、低コントラスト状態であると判定する。
無効領域以外のAF評価値とは上式(6)、(7)のAreaAfValであり、当該AF評価値の変動とは、上記β’(及びα’)を表す。このような手法を用いることで、コントラストの高い処置具や輝点などが画像に含まれる場合も、精度よく低コントラスト状態を判断することができる。
フォーカス制御部2000は、S208の結果に基づく判定を行い(S209)、低コントラスト状態と判定された場合(S209でYes)には、S210〜S212の処理をスキップしてフォーカスレンズ位置の決定を行う(S213)。
また、低コントラスト状態と判定されていない場合(S209でNo)には、フォーカス制御部2000は、無効フレーム設定部2070により対象フレームが無効フレームに設定されたか否かの判定を行い(S210)、無効フレームに設定されている場合には、以下の合焦方向決定処理(S211)、合焦判断(S212)の処理をスキップして、フォーカスレンズ位置の決定を行う(S213)。また、無効フレームでない場合には、S211〜S213の処理を順次行う。
<合焦方向決定>
合焦方向決定部2080は、S206においてブロック状態決定部2060から出力される各評価ブロックのブロック状態に基づいて、最終的な合焦方向を決定する(S211)。
本実施形態のフォーカス制御部2000は、上述したように、複数の領域の各領域のAF評価値、又は各領域に含まれる複数の画素の特徴量に基づいて、無効領域を設定する無効領域設定部(無効ブロック設定部2050)を含む。そこでフォーカス制御部2000(合焦方向決定部2080)は、複数の領域のうち、少なくとも無効領域を除く領域である有効領域の面積情報に対する、NEAR面積情報の比率(nearRatio)が、重み情報に対応する所定の閾値(TH_NEAR)より大きい場合は、合焦方向がNEAR側であると判定する。
図13が合焦方向決定部2080での処理を説明するフローチャートである。この処理が開始されると、まずAF領域内の有効ブロックの数をカウントする(S401)。ここでの有効ブロックとは、無効ブロックでない評価ブロックである。ブロック状態がNEAR,FAR,無効の3通りであるとすれば、NEARブロックとFARブロックの数の合計が有効ブロックの数となる。
次に、ブロック状態がNEARであるブロックの数をカウントし(S402)、有効ブロックに対する、NEARブロックの比率(nearRatio)を算出する(S403)。そして、nearRatioが閾値TH_NEARより大きいか否かを判断し(S404)、その結果に基づいて合焦方向を決定する。これは上述したように、NEARブロックとFARブロックの重み付け大小判定で合焦方向を決定する処理に相当する。
具体的には、nearRatio>TH_NEARの場合は、合焦方向はNEARと判定し(S405)、nearRatio ≦TH_NEARの場合は、合焦方向はFARであると判定する(S406)。
このような処理を行うことで、例えばS205の無効ブロックの設定処理で処置具の一部が無効ブロックとして検出できず、有効ブロックとなった場合も、精度よく生体に合焦させることが可能となる。なぜなら、処置具の一部が有効ブロックとなり、そのブロック状態(方向)が生体のブロック状態(方向)と異なったとしても、AF領域全体では生体のブロックの方が多くなるため、生体のブロック状態により合焦方向が決定されるからである。
また図14に示すように、被写体に奥行きがある場合、本処理ではTH_NEARが大きくなるほど、最終的な合焦位置は奥側(撮像部200から遠い側)となる。TH_NEARが大きければ、それだけNEARブロックの比率が高くならなければ合焦方向がNEARとならず、合焦物体位置はFAR側に移動されるためである。
このため、例えばユーザがTH_NEARの値を調整することで、好みに合わせて合焦位置を調整することが可能になる。
或いは、本実施形態のフォーカス制御部2000は、画像に基づいて、ユーザが注目していると判定される被写体と撮像部200との相対距離を推定する注目距離推定部(図4等には不図示)をさらに備え、フォーカス制御部2000は、注目距離推定部の推定結果に基づいて、閾値を変更してもよい。例えば注目距離推定部は、画像全体の輝度分布等から被写体の状態を推定し、フォーカス制御部2000(合焦方向決定部2080)は、その結果に応じて自動的にTH_NEARの値を調整するようにしてもよい。
具体的には、図15のように画像の中心付近が明るく周囲が暗い場合、ユーザは腹腔内で手前に位置する臓器に注目していると考えられる。このような場合はTH_NEARの値を小さくすることで、手前に位置する注目臓器に精度よく合焦することができる。
つまり本実施形態のフォーカス制御部2000は、上記重みづけ大小判定として、第2の重み情報による重みづけがされたNEAR面積情報と、FAR面積情報との大小判定を行う。このようにすれば、合焦位置(注目被写体に合焦したと判定された際の合焦物体位置、或いは当該合焦物体位置を実現するフォーカスレンズ位置)を、柔軟に設定することが可能になる。
以上は、本実施形態における第2の重み情報に関する手法であるが、本実施形態では上述したように第1の重み情報を用いてもよい。
本実施形態のフォーカス制御部2000は、画像に基づいて、ユーザが注目していると判定される領域を推定する注目領域推定部(図4等には不図示)をさらに備え、フォーカス制御部2000は、注目領域推定部で推定された領域が大きな重みとなる重み情報(第1の重み情報)を設定し、設定された重み情報に基づいてNEAR面積情報を算出してもよい。
例えば図16に示すように、被写体に奥行きがあり、その一部にユーザが注目して処置を行うような場合、ユーザの注目領域に精度よく合焦する必要がある。このような場合は、注目領域推定部は、例えば図16に示すように、まず注目領域に対応する注目ブロックを推定し、フォーカス制御部2000(合焦方向決定部2080)は、注目ブロックの重みをN(第1の重み情報であり、N>1)としてカウントする。このような処理を行うことで、nearRatioの算出における注目ブロックの状態(方向)の重みが大きくなる。結果として、合焦方向を決定する際の注目ブロックの状態の重みも大きくなるため、注目領域に精度よく合焦することが可能となる。
つまり本実施形態のフォーカス制御部2000は、NEARと判定された領域に設定された第1の重み情報に基づいて、NEAR面積情報を求める。上記のように、複数の領域(評価ブロック)の面積が全て同一であれば、NEARと判定された領域の重みの総和がNEAR面積情報となる。より一般化して、各領域の面積と重み情報との積の総和をNEAR面積情報としてもよい。このようにすれば、画像中の注目領域に適切に合焦することができる。
ここで、注目ブロックの推定は例えば以下のように行えばよい。ユーザが処置を行う領域では、処置具や生体が大きく変動するため、評価ブロックのAF評価値やブロック特徴量(色情報、輝度情報)が短時間で大きく変化する。このため、これらの値の時間的な変化量から、注目ブロックを推定すればよい。また、公知の手法を用いて評価ブロックの動きベクトルを算出し、動きベクトルの大きさや方向の時間的な変化量から、注目ブロックを推定してもよい。また、注目ブロックに占める無効(処置具)ブロックの割合が大きくなることを防ぐため、変化量が大きなブロックに限らず、その周囲のブロックまで含めて注目ブロックと推定してもよい。
図17が第1の重み情報を用いる場合の処理を説明するフローチャートである。この処理が開始されると、まず注目ブロックの推定を行う(S501)。次に有効ブロックのカウントを行う(S502)。ただし、S502ではS401とは異なり、カウントの際に重みNを用いる。具体的には、注目ブロックの重みをNとし、注目ブロック以外の重みを1としてカウントを行う。また、NEARブロック数のカウントでも同様であり、NEARブロックのうち、注目ブロックの重みをNとし、注目ブロック以外の重みを1としてカウントを行う(S503)。
カウント後の処理であるS504〜S507については、図13のS403〜S406と同様である。
<合焦判断>
合焦判断部2090は、合焦方向決定部2080から出力される合焦方向(NEAR/FAR)と、合焦方向が反転した位置に基づいて、フォーカスレンズが合焦位置に到達したか否かを判断する(S212)。
フォーカスレンズは合焦位置に到達後、図18に示すように合焦位置を挟んで往復運動するような挙動となる。これは、合焦位置ではブロックAF評価値変化率βが非常に小さな値になるため、合焦位置をある程度通り過ぎないと合焦方向が反転しないためである。また、合焦状態では、合焦方向が反転する位置は毎回ほぼ同じ位置となる。そのため、(1)所定回数往復運動が行われたこと、(2)往復運動の間で反転位置の変動が小さいこと、の2点を条件とすることで、合焦したか否かを判断することができる。
図19は合焦判断部2090での処理を説明するフローチャートである。合焦判断処理が開始されると、まず合焦方向が反転したか否かの判定を行う(S601)。S601でNoの場合には、現在フレームでの合焦判断処理を終了する。
S601でYesの場合には、反転カウンタの値を判定する(S602)。ここでの反転カウンタとは、合焦方向が反転した回数を表すカウンタである。反転カウンタが0の場合、合焦方向が反転した時のウォブリング中心位置をメモリ1に保存し(S603)、反転カウンタをインクリメントする(S604)。ここでは反転カウンタ=1となる。図18で言えばB1に示したフォーカスレンズ位置(ウォブリング中心位置)がメモリ1に保存される。
また、反転カウンタが1の場合、合焦方向が反転した時のウォブリング中心位置をメモリ2に保存し(S605)、反転カウンタをインクリメントする(S606)。ここでは、反転カウンタ=2となる。図18で言えばB2に示したフォーカスレンズ位置(ウォブリング中心位置)がメモリ2に保存される。
S603及びS605の処理により、往復運動のFAR側の参照位置とNEAR側の参照位置がそれぞれメモリに記憶されることになる。なお、メモリ1がNEAR,FARのどちらがになるかは状況によって異なる。これ以降の反転検出時には、当該検出時のウォブリング中心位置と、メモリに記憶されている参照位置との変動が小さいか否かを判定すればよい。
具体的には、S602でカウンタが2以上の場合、合焦方向が反転した時のウォブリング中心位置を、2回前に反転した時の位置(メモリ1又はメモリ2に保存されている値)と比較し、その差(絶対値)が閾値以下か否かを判定する(S607)。図18のように、FARからNEARの反転と、NEARからFARの反転は交互に検出されるため、比較対象は直前の位置ではなく、2回前の反転した位置を用いる。例えば、B3の場合はB1、すなわりメモリ1の情報との比較が行われ、B4の場合はB2、すなわりメモリ2の情報との比較が行われる。
差が閾値以下(S607でYes)であれば、メモリ1又はメモリ2のうち、比較に使用した方の情報を現在フレームでのウォブリング中心位置に更新し(S608)、反転カウンタをインクリメントする(S609)。B3のタイミングであれば、その際のウォブリング中心位置により、メモリ1の情報を更新する。B4のタイミングであれば、その際のウォブリング中心位置により、メモリ2の情報を更新する。それ以降についても同様である。差が閾値より大きければ(S607でNo)、合焦状態でないと判断しカウンタを0にする(S610)。
また、S609の処理後は、反転カウンタが合焦完了判定閾値を超えたかを判定し(S611)、S611でYesの場合、合焦したと判断する(S612)。図18の例では、反転カウンタ>5が条件であったため、6回目の反転であるB6でS612がYesと判定される。
このように、フォーカス制御部2000(プロセッサ、合焦判断部2090に対応)は、合焦物体位置の移動がNEARからFAR、又はFARからNEARへと切り替わる切替回数のカウント(反転カウンタ)が所定の切替閾値(合焦完了判定閾値)を超えたことを条件に、合焦動作を停止する。これは上記S611の判定に相当する。その際、フォーカス制御部2000は、NEARからFARへと切り替わる合焦物体位置の変動、又はFARからNEARへと切り替わる合焦物体位置の変動が所定の変動閾値より大きい場合は、切替回数のカウントをリセットする。これは上記S607、S610の処理に相当する。なお、合焦物体位置とフォーカスレンズ位置との対応関係はフォーカス制御装置(内視鏡装置)の設計段階で既知であることが想定されるため、ここでの合焦物体位置はフォーカスレンズ位置と読み替えることが可能である。
このようにすれば、図18に示した往復運動が実行されたか否かに基づいて、合焦判断を行うことが可能になる。
<フォーカスレンズ位置決定>
フォーカスレンズ位置決定部2095は、低コントラスト状態判定部2075の判断結果、無効フレーム設定部2070の設定結果、合焦方向決定部2080で決定された合焦方向、合焦判断部2090の判断結果を用いて、次のフォーカスレンズ位置を決定する(S213)。
図20はフォーカスレンズ位置決定部2095での処理を説明するフローチャートである。この処理が開始されると、まず低コントラスト状態かを判定する(S701)。低コントラスト状態と判定されている場合、現在のウォブリング中心位置を維持するように、フォーカスレンズ位置を決定する(S702)。具体的には、シフト量を0にし、その場でのウォブリング動作を継続する。
また、現在フレームが無効フレームであるかを判定する(S703)。無効フレームである場合(S703でYes)にも、現在のウォブリング中心位置を維持するように、フォーカスレンズ位置を決定する(S702)。
S701、S703の両方でNoの場合、S212において、合焦判断がされたかの判定を行う(S704)。合焦と判断されていた場合には、フォーカスレンズ位置をメモリ1とメモリ2に保存された値の平均位置とする(S705)。図18で言えば合焦と判断されるB6のタイミングでは、メモリ1にはB5のウォブリング中心位置が保存され、メモリ2にはB6のウォブリング中心位置が保存されている。よってS705の処理は、B7に示すフォーカスレンズの移動を実現するフォーカスレンズ位置を決定することに相当する。
合焦と判断されていない場合、S211で決定された合焦方向の判定を行う(S706)。合焦方向がNEARの場合、ウォブリング中心位置がNEAR側(合焦物体位置が撮像部200に近づく方向)にシフト量だけ移動するように、フォーカスレンズ位置を決定する(S707)。合焦方向がFARの場合、ウォブリング中心位置をFAR側(合焦物体位置が撮像部200から遠ざかる方向)にシフト量だけ移動するように、フォーカスレンズ位置を決定する(S708)。
以上のような処理を行うことで、コントラストの高い処置具や輝点などの状態が大きく変化する場合も、精度よく低コントラスト状態を判断し、生体への合焦を可能とするAF制御機能を備えた、内視鏡装置の実現が可能となる。
5.変形例
また、本実施形態の手法は上述したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。以下、AF制御部340の各部の処理の変形例を説明する。
<ブロックAF評価値、方向判別>
AF評価値算出部2030は、1ブロック当たり1つのブロックAF評価値を算出するものには限定せず、周波数帯域の異なる複数のバンドパスフィルタを用いて複数のブロックAF評価値を算出してもよい。そして、方向判別部2040は、複数のブロックAF評価値から、それぞれブロックAF評価値変化率βを求め、当該ブロックAF評価値変化率βに基づいて、ブロック方向判別を行ってもよい。これにより、様々な周波数帯域をもつ被写体に対しても、精度よく、ブロック方向判別を実施することができる。例えば、方向判別部2040は、複数のブロックAF評価値変化率βからそれぞれ方向判別結果を求め、異なる結果が得られた場合は、ユーザが注目すると考えられる周波数帯域から得られた結果を優先すればよい。
<無効ブロック設定、ブロック状態決定>
合焦位置付近ではブロックAF評価値変化率βの値(絶対値)が非常に小さくなるため、大部分のブロックのブロック状態が無効となり、合焦動作ができなくなる場合がある。これを抑止するため、ブロックAF評価値変化率βが閾値以下の場合(低コントラスト)のみ、他の無効ブロックと分けて判断し、異なる処理を行ってもよい。
具体的には、無効ブロック設定部2050は、ブロックAF評価値変化率βが過剰に大きい評価ブロック、処置具(銀色か黒色)や輝点などが支配的な評価ブロック、高輝度部、暗部等に対応する評価ブロックを無効ブロックに設定し、ブロックAF評価値変化率βが過剰に小さい評価ブロックを低コントラストブロックに設定する。
そして、ブロック状態決定部2060は、現在フレームが低コントラストブロックの場合は、ブロック状態を無効にするのではなく、直前フレームのブロック状態を引き継ぐ。図21が具体的な例であり、C1及びC2では低コントラストと判定され、連続度カウンタは0にリセットされているが、ブロック状態としては直前フレームの状態(図21ではC3のフレームのブロック状態であるFAR)を引き継ぐ。合焦位置付近では、合焦位置を通り過ぎることで、再びブロックAF評価値変化率βの絶対値が大きくなるため、低コントラスト状態は長期間継続することはない。例えば図21のC4に示したように、低コントラスト以外の結果が取得され、合焦位置付近での往復運動が継続される。
逆に言えば、低コントラスト状態が長期間継続する場合とは、合焦位置付近での一時的なブロックAF評価値変化率βの低下とは異なる状態であると判定できる。例えば、ウォブリング動作による方向判別ができないほど、ボケの程度が大きい状態(大ボケ状態)であったり、被写体自体が低コントラストである状態に対応する。よって、過去のブロック状態の引き継ぎ回数(或いは低コントラスト状態の継続回数)をカウントしておき、カウント結果が閾値を超えたら、低コントラスト被写体と判断してブロック状態を無効と決定してもよい。
<無効フレーム設定>
無効フレーム設定部2070では、画像に基づいて動きベクトルを求める例を説明したが、これには限定されず、モーションセンサーからのセンサー情報を用いてもよい。ここでのモーションセンサーは、加速度センサーやジャイロセンサー等、撮像部200の動きを検出するセンサーである。
また、無効フレーム設定部2070では、ミスト検出、無効被写体検出に基づく手法を説明したが、他の手法による無効フレームの設定も可能である。具体的には、撮像部200が動いている間は、動きボケにより精度よく合焦動作を行うことが難しい。このため、無効フレーム設定部2070は、前述の手法に加えて撮像部200の動きを検出し、撮像部200が動いていると判断されたフレームを無効フレームとして設定してもよい。
具体的には動きベクトルの大きさが所与の閾値よりも大きい場合に、無効フレームとする。ここでの動きベクトルは、ミスト検出に用いた動きベクトルと同様の情報を用いてもよい。ただし、撮像部200と注目被写体(生体)が相対的に停止しており、処置具が激しく動いている場合にも、処置具に対応する動きベクトルは大きくなるが、この場合は動きボケは大きくなく、無効フレームに設定しなくてもよい。よって、動きベクトルとして、局所動きベクトルとグローバル動きベクトルを求め、そのうちのグローバル動きベクトルに基づいて無効フレームの設定を行ってもよい。
<低コントラスト状態判定>
低コントラスト状態判定部2075では、現在フレームでの有効ブロック(低コントラスト判定有効ブロック)を対象としてAF評価値の平均値AreaAfValを算出し、低コントラスト状態を判定した。しかしこれには限定されず、現在フレームと過去2フレームのブロックAF評価値、低コントラスト判定無効ブロックをメモリ等に保存しておき、現在フレームと過去2フレームのすべてで有効ブロックであったブロックを、最終的な有効ブロックとして設定してもよい。
この場合も、AF評価値変化量α’や、AF評価値変化率β’の算出には、上式(6)、(7)を用いればよい。
<合焦方向決定>
合焦方向決定部2080では、現フレームでのブロック状態に基づいて合焦方向を決定したが、これには限定されない。合焦方向決定部2080では、同じ合焦方向が複数回連続した場合に、合焦方向を更新するような処理を行ってもよい。このような処理により、頻繁に合焦方向が変化することを防ぎ、安定した合焦動作を実現することができる。
<合焦判断>
合焦判断部2090は、FARからNEARに反転した位置、NEARからFARに反転した位置のそれぞれの位置の変動(差)が小さいことを合焦の条件としたが、他の条件を追加してもよい。例えば、合焦位置を基準とした往復運動の幅の変動は、大きくないことがわかっている。逆に言えば、1回前(直前)に反転した位置と、最新の反転した位置との差が大きすぎても小さすぎても、信頼できない。よって、FARからNEARに反転した位置と、NEARからFARに反転した位置との間隔(差、差の絶対値)が、所定の範囲内でない場合は、合焦状態でないと判断してもよい。
<フォーカスレンズ位置決定>
合焦方向にウォブリング中心位置を移動させる際のシフト量は、所定の固定値であってもよいが、同じ方向判別結果が連続する場合は徐々に増加させてもよい。このような処理を行うことで、フォーカスレンズが合焦位置に到達するまでの時間を短縮する(合焦動作を高速化する)ことができる。
さらに、フォーカスレンズが合焦位置に到達して往復運動を開始した場合、シフト量を小さくしてもよい。このような処理を行うことで、往復運動時の振幅が小さくなり、合焦判断中の往復運動による画質の劣化を低減することが出来る。なお、往復運動の振幅とは、合焦判断部2090の変形例で上述したFARからNEARに反転した位置と、NEARからFARに反転した位置との差に相当する。よって、合焦判断部2090において、往復運動の振幅が所定範囲内か否かを判定する場合、当該「所定範囲」についてはシフト量を考慮して設定することが望ましい。
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またフォーカス制御装置、内視鏡装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
100 硬性鏡、110 レンズ系、120 ライトガイド部、
200 撮像部、210 AF開始/終了ボタン、220 フォーカスレンズ、
230 フォーカスレンズ駆動部、240 対物レンズ系、
250 撮像素子、300 処理部、310 A/D変換部、
320 前処理部、330 画像処理部、340 制御部、
350 AF制御部、400 表示部、500 外部I/F部、
600 光源部、610 白色光源、620 ライトガイドケーブル、
2000 フォーカス制御部、2010 領域設定部、
2020 ブロック特徴量算出部、2030 AF評価値算出部、
2040 方向判別部、2050 無効ブロック設定部、
2060 ブロック状態決定部、2070 無効フレーム設定部、
2075 低コントラスト状態判定部、2080 合焦方向決定部、
2090 合焦判断部、2095 フォーカスレンズ位置決定部

Claims (13)

  1. 撮像部で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域を設定する領域設定部と、
    設定された複数の領域のAF(AutoFocus)評価値を算出するAF評価値算出部と、
    前記複数の領域のうち、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定する無効領域設定部と、
    前記複数の領域のうち、前記無効領域以外の領域の前記AF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定する低コントラスト状態判定部と、
    前記AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御するフォーカス制御部と、
    を含み、
    前記フォーカス制御部は、
    前記低コントラスト状態判定部の判定結果に基づいて、異なるフォーカス制御を行い、
    前記フォーカス制御部は、
    前記低コントラスト状態判定部で前記低コントラスト状態と判定された場合に、フォーカスレンズを所定の位置に移動するリセット動作を実行し、前記リセット動作の実行後に、前記合焦物体位置の制御を実行することを特徴とするフォーカス制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記低コントラスト状態判定部は、
    前記複数の領域のうち、前記無効領域以外の領域の前記AF評価値の変動が、所定の閾値よりも小さい場合に、前記低コントラスト状態であると判定することを特徴とするフォーカス制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記複数の領域の一部または全部の領域において、基準位置に対して前記合焦物体位置の目標である目標合焦位置がNEARにあるかFARにあるかを判別し、各領域に対して方向判別結果を求める方向判別処理を行う方向判別部を含み、
    前記フォーカス制御部は、
    前記方向判別結果に基づいて合焦方向を決定し、前記合焦方向に基づいて、前記合焦物体位置を制御し、
    前記低コントラスト状態判定部は、
    前記合焦物体位置を移動させた場合の前記AF評価値の変動が、前記所定の閾値よりも小さい場合に、前記低コントラスト状態であると判定することを特徴とするフォーカス制御装置。
  4. 請求項において、
    前記フォーカス制御部は、
    前記リセット動作の実行後、一定期間リセット動作の実行を抑制することを特徴とするフォーカス制御装置。
  5. 請求項において、
    前記フォーカス制御部は、
    前記リセット動作を実行した回数であるリセット回数のカウント処理を行い、前記リセット回数が所与の閾値以上となった場合に、前記合焦物体位置の制御を待機することを特徴とするフォーカス制御装置。
  6. 請求項3において、
    前記フォーカス制御部は、
    前記複数の領域の各領域の前記方向判別結果、及び各領域に含まれる前記複数の画素の特徴量の少なくとも一方に基づいて、無効フレームを設定する無効フレーム設定部をさらに備え、
    前記フォーカス制御部は、
    前記無効フレームと判定されたフレームでは、前記方向判別結果に基づく前記合焦物体位置の移動を行わないことを特徴とするフォーカス制御装置。
  7. 請求項において、
    前記無効フレーム設定部は、
    前記方向判別結果の空間的な変動情報、前記方向判別結果の時間的な変動情報、及び前記特徴量である動きベクトルの変動情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記無効フレームを設定することを特徴とするフォーカス制御装置。
  8. 撮像部で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域を設定する領域設定部と、
    設定された複数の領域のAF(AutoFocus)評価値を算出するAF評価値算出部と、
    前記複数の領域のうち、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定する無効領域設定部と、
    前記複数の領域のうち、前記無効領域以外の領域の前記AF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定する低コントラスト状態判定部と、
    前記AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御するフォーカス制御部と、
    前記複数の領域の一部または全部の領域において、基準位置に対して前記合焦物体位置の目標である目標合焦位置がNEARにあるかFARにあるかを判別し、各領域に対して方向判別結果を求める方向判別処理を行う方向判別部と、
    を含み、
    前記フォーカス制御部は、
    前記方向判別結果に基づいて合焦方向を決定し、前記合焦方向に基づいて、前記合焦物体位置を制御し、
    前記低コントラスト状態判定部は、
    前記合焦物体位置を移動させた場合の前記AF評価値の変動が、所定の閾値よりも小さい場合に、前記低コントラスト状態であると判定し、
    前記フォーカス制御部は、
    前記低コントラスト状態判定部の判定結果に基づいて、異なるフォーカス制御を行い、
    前記フォーカス制御部は、
    前記合焦物体位置の移動が前記NEARから前記FAR、又は前記FARから前記NEARへと切り替わる切替回数のカウントが所定の切替閾値を超えたことを条件に、合焦動作を停止し、前記NEARから前記FARへと切り替わる前記合焦物体位置の変動、又は前記FARから前記NEARへと切り替わる前記合焦物体位置の変動が所定の変動閾値より大きい場合は、前記切替回数のカウントをリセットすることを特徴とするフォーカス制御装置。
  9. 撮像部で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域を設定する領域設定部と、
    設定された複数の領域のAF(AutoFocus)評価値を算出するAF評価値算出部と、
    前記複数の領域のうち、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定する無効領域設定部と、
    前記複数の領域のうち、前記無効領域以外の領域の前記AF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定する低コントラスト状態判定部と、
    前記AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御するフォーカス制御部と、
    を含み、
    前記フォーカス制御部は、
    前記低コントラスト状態判定部の判定結果に基づいて、異なるフォーカス制御を行い、
    前記フォーカス制御部は、
    前記低コントラスト状態判定部で前記低コントラスト状態と判定された場合に、
    フォーカスレンズのウォブリング中心位置を維持する制御を実行することを特徴とするフォーカス制御装置。
  10. 請求項1乃至のいずれかに記載のフォーカス制御装置を含むことを特徴とする内視鏡装置。
  11. 領域設定部と、AF評価値算出部と、無効領域設定部と、低コントラスト状態判定部と、フォーカス制御部と、を含むフォーカス制御装置の作動方法であって、
    前記領域設定部が、撮像部で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域を設定し、
    前記AF評価値算出部が、設定された複数の領域のAF(AutoFocus)評価値を算出し、
    前記無効領域設定部が、前記複数の領域のうち、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定し、
    前記低コントラスト状態判定部が、前記複数の領域のうち、前記無効領域以外の領域の前記AF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定し、
    前記フォーカス制御部が、前記低コントラスト状態の判定結果及び前記AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御し、
    前記フォーカス制御部が、前記低コントラスト状態判定部で前記低コントラスト状態と判定された場合に、フォーカスレンズを所定の位置に移動するリセット動作を実行し、前記リセット動作の実行後に、前記合焦物体位置の制御を実行する、
    ことを特徴とするフォーカス制御装置の作動方法。
  12. 領域設定部と、AF評価値算出部と、無効領域設定部と、低コントラスト状態判定部と、フォーカス制御部と、方向判別部と、を含むフォーカス制御装置の作動方法であって、
    前記領域設定部が、撮像部で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域を設定し、
    前記AF評価値算出部が、設定された複数の領域のAF(AutoFocus)評価値を算出し、
    前記無効領域設定部が、前記複数の領域のうち、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定し、
    前記低コントラスト状態判定部が、前記複数の領域のうち、前記無効領域以外の領域の前記AF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定し、
    前記フォーカス制御部が、前記低コントラスト状態の判定結果及び前記AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御し、
    前記方向判別部が、前記複数の領域の一部または全部の領域において、基準位置に対して前記合焦物体位置の目標である目標合焦位置がNEARにあるかFARにあるかを判別し、各領域に対して方向判別結果を求める方向判別処理を行い、
    前記フォーカス制御部が、前記方向判別結果に基づいて合焦方向を決定し、前記合焦方向に基づいて、前記合焦物体位置を制御し、
    前記低コントラスト状態判定部が、前記合焦物体位置を移動させた場合の前記AF評価値の変動が、所定の閾値よりも小さい場合に、前記低コントラスト状態であると判定し、
    前記フォーカス制御部が、前記合焦物体位置の移動が前記NEARから前記FAR、又は前記FARから前記NEARへと切り替わる切替回数のカウントが所定の切替閾値を超えたことを条件に、合焦動作を停止し、前記NEARから前記FARへと切り替わる前記合焦物体位置の変動、又は前記FARから前記NEARへと切り替わる前記合焦物体位置の変動が所定の変動閾値より大きい場合は、前記切替回数のカウントをリセットする、
    ことを特徴とするフォーカス制御装置の作動方法。
  13. 領域設定部と、AF評価値算出部と、無効領域設定部と、低コントラスト状態判定部と、フォーカス制御部と、を含むフォーカス制御装置の作動方法であって、
    前記領域設定部が、撮像部で撮像された画像に対して、各領域が複数の画素からなる複数の領域を設定し、
    前記AF評価値算出部が、設定された複数の領域のAF(AutoFocus)評価値を算出し、
    前記無効領域設定部が、前記複数の領域のうち、注目被写体以外の被写体が撮像されていると判定される領域である無効領域を設定し、
    前記低コントラスト状態判定部が、前記複数の領域のうち、前記無効領域以外の領域の前記AF評価値に基づいて、低コントラスト状態を判定し、
    前記フォーカス制御部が、前記低コントラスト状態の判定結果及び前記AF評価値に基づいて、合焦物体位置を制御し、
    前記フォーカス制御部が、前記低コントラスト状態判定部で前記低コントラスト状態と判定された場合に、フォーカスレンズのウォブリング中心位置を維持する制御を実行する、
    ことを特徴とするフォーカス制御装置の作動方法。
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