JP6670650B2 - 内容物付着防止蓋材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として食品類の包装用容器に適用されるヒートシール蓋材、更に具体的には、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ジャム、飲料などの包装用カップ状容器に適用される内容物付着防止性を有する蓋材の製造方法に関する。
この種の蓋材は、一般に基材フィルムとアルミニウム箔とが積層されてなる基材層のアルミニウム箔面側にヒートシール層、即ち熱封緘層を設けたものとなされている。そして、ヨーグルト等の被包装物を充填したカップ状の容器本体の上面開口に蓋材を被せて、その周縁部を容器本体の上縁フランジ部上に熱融着することにより密封包装物を形成する。
したがって、かかる蓋材においては、良好なヒートシール性、密封性と、開封時のための適当な易剥離性が求められると同時に、内容物の非付着性、即ち容器の内面側の蓋材裏面に内容物が付着するのを防止しうるものであることが望まれる。蓋材の裏面に内容物が付着すると、開封時に手指や衣服、あるいは周辺を汚すおそれがあると共に、内容物の棄損による無駄を生じ、あるいは付着物を剥がし取る手間がかかり、更には不潔感を催す等の不利益を生じるためである。
特許第5441843号公報(特許文献1)は、そのような内容物付着防止性を有する蓋材の製造方法を開示しており、すなわち、分散媒としての有機溶媒に疎水性微粒子を分散した分散液を熱封緘層の外面、即ち施蓋使用時に容器本体の内側に向く面に塗布し、次いでこの塗布層の外面側の過剰分散液をドクターナイフで掻き取り除去したのち乾燥することにより、熱封緘層の外面に疎水性微粒子からなる付着防止層を形成することを開示している。
上述のような内容物付着防止性を有する蓋材において、熱封緘層の外面は、外力による疎水性微粒子の脱落を防止するため凹凸状に形成されることが好ましい。そこで、熱封緘層をグラビアロールを用いたグラビアコート法によって塗工する。すると、熱封緘層の外面がグラビアロールの周面に彫刻されたグラビアパターンに対応して凹凸状に形成される
特許第5441843号公報
しかるに、熱封緘層の外面が凹凸状に形成されている場合においては、当該外面に付着防止層を形成するため分散液をグラビアロールにより転写塗布すると、当該外面の凸部を構成する微小突起の頂部にのみ分散液が塗布されて隣接する微小突起間の凹部には分散液が塗布されないことがある。この場合、粘度の小さい内容物(例:液体)に対する付着防止性が悪くなるし、内容物が繰り返し接触した場合に疎水性粒子の脱落が生じるおそれがある。
本発明は、上述した技術背景に鑑みてなされたもので、その目的は、内容物に対して高い付着防止性を有する内容物付着防止蓋材の製造方法を提供することにある。
本発明は以下の手段を提供する。
[1] 基材層上に第1グラビアロールを用いたグラビアコート法により塗工された熱封緘層の外面に、有機分散媒に疎水性微粒子を分散した分散液を第2グラビアロールにより塗布することと、
前記熱封緘層の外面に塗布された分散液をスムージングロールにより均し、乾燥することにより、前記疎水性微粒子からなる付着防止層を前記熱封緘層の外面に形成することを含み、
前記分散液を塗布する前の前記熱封緘層の外面には、前記第1グラビアロールの周面に設けられた多数のセルに対応する多数の微小突起が前記熱封緘層の外面全面に亘って設けられており、
前記分散液の疎水性微粒子濃度が3質量%〜10質量%であり、
前記分散液の25℃での粘度が5mPa・s以下である、内容物付着防止蓋材の製造方法。
[2] 前記微小突起は、高さ30μm〜100μm及び直径100μm〜700μmであり且つ前記熱封緘層の外面にスクリーン線数35線〜65線で配設されている前項1記載の内容物付着防止蓋材の製造方法。
[3] 前記疎水性微粒子の平均粒径が1nm〜5000nmである前項1又は2記載の内容物付着防止蓋材の製造方法。
[4] 前記疎水性微粒子が疎水性シリカである前項1〜3のいずれかに記載の内容物付着防止蓋材の製造方法。
[5] 前記有機分散媒がアルコールである前項1〜4のいずれかに記載の内容物付着防止蓋材の製造方法。
[6] 前記熱封緘層の外面への前記疎水性微粒子の付着量が乾燥後において0.3g/m〜0.6g/mになるように、前記付着防止層を形成する前項1〜5のいずれかに記載の内容物付着防止蓋材の製造方法。
本発明は以下の効果を奏する。
前項[1]では、熱封緘層の外面に塗布する分散液として、疎水性微粒子濃度が3質量%〜10質量%であり且つ25℃での粘度が5mPa・s以下である分散液が用いられている。そして、当該分散液を第2グラビアロールにより塗布し、次いで、熱封緘層の外面に塗布された分散液をスムージングロールにより均し、乾燥することにより、熱封緘層の外面に多数の微小突起が設けられている場合でも、この外面に付着防止層を全面的に形成することができる。これにより、内容物に対して高い付着防止性を有する蓋材を得ることができる。
前項[2]〜[6]では、それぞれ前項[1]の効果を確実に得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る内容物付着防止蓋材の概略断面図である。 図2は、図1中のA部分の概略拡大図である。 図3は、基材層上に熱封緘層をグラビアコート法により塗工する工程を示す概略図である。 図4は、図3中のB部分の概略拡大図である。 図5は、図3中のX1位置での熱封緘層の外面を示す概略断面図である。 図6は、熱封緘層の外面に分散液を第2グラビアロールにより塗布する工程と分散液をスムージングロールにより均す工程とを示す概略図である。 図7は、図6中のC部分の概略拡大図である。 図8は、図6中のX2位置での熱封緘層の外面及び分散液の塗布状態を示す概略断面図である。 図9は、図6中のX3位置での熱封緘層の外面及び分散液の塗布状態を示す概略断面図である。
次に、本発明の一実施形態について図面を参照して以下に説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る内容物付着防止蓋材10は、互いに積層状に一体化された複数の層からなり、具体的には、基材層3、熱封緘層4、付着防止層6などを備えている。
基材層3は、互いに積層状に配置された基材フィルム層1aと金属箔層1bとを含んでおり、更に本実施形態では、金属箔層1bの外面、即ち施蓋使用時に容器本体の内側に向く面に中間樹脂層2が積層されている。
熱封緘層4は、基材層3の中間樹脂層2側の外面にその全面に亘って積層状に形成されている。本実施形態では、説明の便宜上、基材層3と熱封緘層4とを含む積層体を「蓋材本体5」という。
付着防止層6は、疎水性微粒子からなる層であり、蓋材本体5の熱封緘層4の外面にその全面に亘って積層状に形成されている。
基材層3において、基材フィルム層1aは、包装容器の表側に配置されるもので、その材料としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハンなどの単層または複合フィルム、あるいはこれらのフィルムを紙などにラミネートしたものなどを例示することができる。基材フィルム層1aは通常適宜印刷7が施されて意匠性が付与される。
金属箔層1bは、ガスバリヤ性、遮光性などを付与するものであり、多くはアルミニウム箔が用いられる。特にヨーグルトの容器用の蓋材10にあっては、遮光性、軽量性を満足するものとして厚さ5μm〜50μm程度のアルミニウム箔が好適に用いられる。また、基材フィルム層1aとの積層接着には一般的な接着剤が用いられる。
なお、基材層3として、金属箔層1bを使用せずに、シリカやアルミナ等の金属を基材フィルム層1aに蒸着した金属蒸着フィルムを使用することも可能である。
中間樹脂層2は、金属箔層1bと熱封緘層4との間に介在して、蓋材10に所定の剛性やヒートシール時のクッション性を付与するものであり、適宜必要に応じて設けられる。その材料としては、一般的には厚さ5μm〜40μmのポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等が用いられる。
熱封緘層4は、中間樹脂層2および容器側との接着性が良好なものであれば、その材料は、特に限定されない。例えば、ホットメルト接着剤のほか、ラッカータイプ接着剤あるいは公知のシーラントフィルムを用いることもできる。
熱封緘層4は、図3に示すように、第1グラビアロール21を用いたグラビアコート法により中間樹脂層2の外面に塗工されたものである。この塗工工程を以下に説明する。
図3に示すように、熱封緘層4の塗工は、上述の第1グラビアロール21、これに対応するバックアップロール23等を備えた第1グラビアコータ20(詳述すると第1ダイレクトグラビアコータ)を用いて行われる。
図4に示すように、第1グラビアロール21の塗工面としての周面には多数のセル22が所定のグラビアパターンに従って規則的に整列して配設されており、これにより、当該周面が凹凸状に形成されている。さらに、当該周面に熱封緘層4を形成する液4aが付着されるとともにこの付着状態において各セル22内には熱封緘層形成液4aが充填されている。そして、図3に示すように、基材層3(その送り方向F)が第1グラビアロール21(その回転方向G1)とバックアップロール23(その回転方向G2)との間を通過する際に第1グラビアロール21の周面が中間樹脂層2の外面に当接することにより、当該周面に付着している熱封緘層形成液4aが中間樹脂層2の外面に転写塗布され、その後、適宜乾燥される。これにより、図5に示すように、中間樹脂層2の外面に熱封緘層4が塗工されて蓋材本体5が得られると同時に熱封緘層4の外面に第1グラビアロール21の各セル22内の熱封緘層形成液4aにより形成された多数の凸部からなる微小突起8が当該外面全面に亘って規則的に整列して配設され、その結果、熱封緘層4の外面が第1グラビアロール21のグラビアパターンに対応して凹凸状に形成される。なお、微小突起8の望ましい寸法、配設状態などについては後述する。
次に、熱封緘層4の外面に付着防止層6を形成する工程について以下に説明する。
図6に示すように、蓋材本体5の熱封緘層4の外面に、有機分散媒に疎水性微粒子を分散した分散液11を第2グラビアロール31により転写塗布する。この工程を便宜上「分散液11の塗布工程」という。
次いで、熱封緘層4の外面に塗布された分散液11をスムージングロール35により平坦状に均し、その後、乾燥することにより分散液11中の分散媒を除去し、これにより、熱封緘層4の外面にその全面に亘って付着防止層6を形成する。この工程を便宜上「均し工程」という。
分散液11の塗布工程と均し工程は、上述した第2グラビアロール31、これに対応するバックアップロール33、スムージングロール35等を備えた第2グラビアコータ30(詳述すると第2ダイレクトグラビアコータ)を用いて順次連続的に行われる。スムージングロール35は、第2グラビアロール31の配置位置に対して蓋材本体5の送り方向Fの下流側に配置されている。
分散媒としては、熱封緘層4に対する疎水性微粒子の定着性、付着性を確保するために有機分散媒を用いるべきであり、特に極性基を有する有機分散媒を用いるのが好ましい。なかでもアルコールの使用が、疎水性微粒子に対する分散性が良好である点及び乾燥後における分散媒の残留量が非常に少ない点で望ましく、特にコスト、安全性、付着防止性の発現効果等の面からエタノールやメタノールの使用が好適である。
疎水性微粒子は、蓋材10の内容物付着防止性能の支配的役割を担うものであり、その材料は特に限定されない。具体的に例示すれば、疎水性のシリカ、アルミナ、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム等を挙げることができる。なかでも、疎水性能、コスト、超微粒子材料の市場からの入手のし易さ等の観点から疎水性シリカの使用が好適である。さらに、疎水性微粒子が疎水性シリカである場合には、内容物が食品や粘度の小さい物(例:液体)であっても付着防止性を確実に発現し得る。
図7に示すように、第2グラビアロール31の塗工面としての周面には多数のセル32が所定のグラビアパターンに従って規則的に整列して配設されており、これにより、第2グラビアロール31の周面が凹凸状に形成されている。さらに、当該周面に分散液11が付着されるとともにこの付着状態において各セル32内には分散液11が充填されている。そして、分散液11の塗布工程では、図6に示すように、蓋材本体5(その送り方向F)が第2グラビアロール31(その回転方向G3)とバックアップロール33(その回転方向G4)との間を通過する際に第2グラビアロール31の周面が熱封緘層4の外面に当接することにより、当該周面に付着している分散液11が熱封緘層4の外面に転写塗布される。
ここで、熱封緘層4の外面には上述したように多数の微小突起8が配設されていることから、図8に示すように、分散液11の塗布工程では分散液11は各微小突起8の頂部にのみ塗布されて隣接する微小突起8、8間の凹部9には塗布されないことがある。
均し工程では、図9に示すようにスムージングロール35は蓋材本体5の送り方向Fとは逆方向に回転しており(その回転方向G5)、これにより、スムージングロール35の周面と蓋材本体5の熱封緘層4の外面との間に分散液溜まり部12が形成される。そのため、図8に示したように分散液11が隣接する微小突起8、8間の凹部9に塗布されていない場合でも、図9に示すように当該凹部9が分散液溜まり部12を通過することにより分散液11が当該凹部9内に充填されるように均され、熱封緘層4の外面に分散液11が全面的に塗布される。
そしてこの状態で分散液11が乾燥されることにより分散液11中の分散媒が蒸発除去される。その結果、図2に示すように熱封緘層4の外面上に残留した疎水性微粒子からなる付着防止層6が熱封緘層4の外面に微小突起8による凹凸面に沿った形で全面的に形成される。しかも、付着防止層6は微視的には隣接する微小突起8、8間の凹部9において厚さが厚く、微小突起8の頂部において厚さが薄く形成される。
熱封緘層4の外面に塗布された分散液11の乾燥条件は限定されるものではなく、分散液11中の分散媒を蒸発除去しうる条件であれば良い。例えば自然乾燥により分散液11を乾燥させても良いが、作業効率及び疎水性微粒子の定着性の向上のためには乾燥炉等を用いた強制乾燥により分散液を乾燥させることが望ましい。この場合の乾燥条件は限定されるものではなく、例えば乾燥温度80℃〜140℃、乾燥時間5秒〜30秒である。
上述した分散液11の塗布工程及び均し工程において、分散液11の疎水性微粒子濃度が3質量%〜10質量%であり且つ分散液11の25℃での粘度が5mP・s以下であることにより、内容物に対して高い付着防止性を有する蓋材10を得ることができる。
分散液11の疎水性微粒子濃度が3質量%未満の場合、熱封緘層4の外面への疎水性微粒子の付着量が少なすぎて内容物に対する付着防止性が低くなり、また疎水性微粒子の付着量を増やすために分散液11の塗布量を増加させると、分散液11の乾燥中に分散液11中の疎水性微粒子が流動してしまい塗工ムラが生じて表面状態が悪化する。一方、当該濃度が10質量%を超えた場合、分散液11の25℃での粘度が急激に高くなり分散液11の取扱いが困難になるし塗工ムラが生じて表面状態が悪化する。また、分散液11の25℃での粘度が5mP・sを超えた場合、分散液11の粘度が高すぎてやはり分散液11の取扱いが困難になるし塗工ムラが生じて表面状態が悪化する。
分散液11の疎水性微粒子濃度において特に好ましい下限値は4質量%であり、特に好ましい上限値は6質量%である。また、分散液11の25℃での粘度において特に好ましい下限値は3mP・sであり、特に好ましい上限値は4mP・sである。
なお、有機分散媒の質量をA、疎水性粒子の質量をBとすると、分散液11の疎水性微粒子濃度Cは、C=B/(A+B)×100%で算出される。
スムージングロール35の周速度と蓋材本体5の送り速度は限定されるものではない。例えば、スムージングロール35の回転方向G5が蓋材本体5の送り方向Fとは逆方向であってその周速度が蓋材本体5の送り速度の絶対値の100%〜130%の範囲になるように設定される。
熱封緘層4の外面に形成された微小突起8は、図5に示すように、高さHが30μm〜100μm及び直径Dが100μm〜700μmであり且つ熱封緘層4の外面にスクリーン線数35線〜65線(単位:LPI)で配設されていることが望ましい。微小突起8の大きさ(高さ、直径)及び配設状態(スクリーン線数)がこのような範囲であることにより、付着防止性を確実に高めることができる。
微小突起8の形状は限定されるものではなく、例えば、円柱状や角柱状(例:四角柱状、六角柱状)であっても良いし、円錐状や角錐状(例:四角錐状、六角錐状)であっても良いし、円錐台状や角錐台状(例:四角台錐状、六角錐台状)であっても良い。また、微小突起8の横断面形状は、例えば円形や多角形(例:四角形、六角形)であっても良い。
なお、微小突起8の直径Dは、微小突起8の横断面形状が円形以外の多角形等である場合、4A/L(A:断面積、L:断面長)で定義される「相当直径」を含むものとする。
疎水性微粒子の平均粒径は1nm〜5000nmであることが望ましい。当該平均粒径がこの範囲であることにより、熱封緘層4の外面に分散液11が確実に全面的に塗布され、これにより、付着防止性を確実に高めることができるし、更に、疎水性微粒子の脱落を確実に抑制することができる。
さらに、付着防止層6は、熱封緘層4の外面への疎水性微粒子の付着量が乾燥後において0.3g/m〜0.6g/mになるように形成されることが望ましい。付着防止層6がこのように形成されることにより、付着防止性を確実に高めることができるし、疎水性微粒子の脱落を確実に抑制できるし、微小突起8を残しつつも付着防止層6(疎水性微粒子)の塗工ムラを確実に抑制することができる。
ここで、熱封緘層4の外面に塗布された分散液11を均すためスムージングロール35ではなくドクターブレードのような刃部材を用いることが考えられる。しかし、刃部材を用いる場合、熱封緘層4の微小突起8を削る可能性があり、もし微小突起8が削られると疎水性微粒子の脱落が生じ易くなるため好ましくない。
以上で本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能であることは言うまでもない。
次に、本発明の具体的実施例及び比較例を以下に示す。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜4、比較例1〜3>
基材フィルム層としての厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム1aの片面に、金属箔層としての厚さ30μmのアルミニウム箔1bをポリウレタン系ドライラミネート接着剤により貼り合わせた。
次に、アルミニウム箔1b側の表面に上記同様の接着剤により、厚さ20μmのポリエチレンフィルムを積層接着して中間樹脂層2を形成し、基材層3とした。さらに、中間樹脂層2の外面に第1グラビアロール21を用いたグラビアコート法によりホットメルト樹脂組成物からなる熱封緘層4を塗工した。これによって得られた基材層3/熱封緘層4の積層体を蓋材本体5とした。
第1グラビアロール21の周面には多数のセル22が亀甲型のグラビアパターンに従って規則的に整列して配設されており、これにより当該周面が凹凸状に形成されていた。
熱封緘層4の外面には、第1グラビアロール21の多数のセル22に対応する多数の微小突起8が熱封緘層4の外面全面に亘って形成されていた。微小突起8の形状は略正六角錘台状、その横断面形状は略正六角形状、その高さHは50μm、その直径(相当直径)Dは350μm、そのスクリーン線数は40線(微小突起8のピッチ450μm)であった。
また、湿式法親水性シリカ(平均粒径2.7μm)をジメチルポリシロキサンを用いて疎水化することにより、疎水性微粒子としての疎水性シリカを得た。そして、有機分散媒としてのアルコール中に疎水性シリカを均一分散し、様々な疎水性シリカ濃度及び粘度の分散液11を調製した。調製された分散液11の疎水性シリカ濃度及び25℃での粘度を表1中の「疎水性シリカ濃度」欄及び「粘度」欄にそれぞれ示した。
次いで、熱封緘層4の外面に分散液11を第2グラビアロール31により塗布し、そして熱封緘層4の外面に塗布された分散液11をスムージングロール35により均し、乾燥することにより、熱封緘層4の外面に疎水性シリカからなる付着防止層6を形成した。これにより蓋材10を得た。
第2グラビアロール31の周面には多数のセル32がグラビアパターンに従って規則的に整列して配設されており、これにより当該周面が凹凸状に形成されていた。第2グラビアロール31において、グラビアパターン(セル32の形状)は亀甲型、スクリーン線数は65線、セル容量は55cm/mであった。
得られた各蓋材10について次の評価試験を行った。その結果を表1に併記した。
(1)表面状態の評価
疎水性シリカが付着した表面は若干の白色を呈する観点から、各蓋材10の裏面の表面状態、即ち付着防止層6の表面状態を目視で評価した。その結果を表1中の「表面状態」欄に示した。同欄中の符号の意味は以下のとおりである。
○:異常なし(表面状態が良好である)
×:塗工ムラがある(表面状態が不良である)。
(2)付着防止性の評価
各蓋材10の付着防止層6の表面上にアロエヨーグルト(森永乳業株式会社製、商標「森永アロエヨーグルト」125g)を約1g滴下し、各蓋材10を水平角度0°から45°に傾けたときに滴下したアロエヨーグルトが転がるか否かを調べて付着防止性を評価した。その結果を表1中の「付着防止性」欄に示した。同欄中の符号の意味は次のとおりである。
○:転がる(付着防止性が高い)
×:転がらない(付着防止性が低い)。
(3)疎水性シリカの付着量の評価
各蓋材10の付着防止層6をアルコールで拭き取り、拭き取り前後の質量差により疎水性シリカの付着量を調べた。その結果を表1中の「疎水性シリカの付着量」欄に示した。
Figure 0006670650
表1から分かるように、分散液11の疎水性シリカ濃度が3質量%〜10質量%であり且つ分散液11の25℃での粘度が5mPa・s以下である蓋材の場合(即ち実施例1〜4)は、付着防止層6の表面状態が良好でありしかも高い付着防止性を有していた。
また、熱封緘層4の微小突起8の高さHが30μm、その直径Dが100μm及びそのスクリーン線数が65線である場合でも、上記実施例1〜4と同じように分散液11の疎水性微粒子濃度が3質量%〜10質量%であり且つ分散液11の25℃での粘度が5mPa・s以下であるときは、付着防止層6の表面状態が良好でありしかも高い付着防止性を有していた。
さらに、熱封緘層4の微小突起8の高さHが100μm、その直径Dが700μm、そのスクリーン線数が35線である場合でも、上記実施例1〜4と同じように分散液11の疎水性微粒子濃度が3質量%〜10質量%であり且つ分散液11の25℃での粘度が5mPa・s以下であるときは、付着防止層6の表面状態が良好でありしかも高い付着防止性を有していた。
本発明は、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ジャム、飲料等の内容物(被包装物)を包装する容器に適用される、内容物付着防止性を有する蓋材の製造方法に利用可能である。
1a:基材フィルム層
1b:金属箔層
2:中間樹脂層
3:基材層
4:熱封緘層
6:付着防止層
8:微小突起
9:隣接する微小突起間の凹部
10:蓋材
11:分散液
21:第1グラビアロール
22:第1グラビアロールのセル
31:第2グラビアロール
32:第2グラビアロールのセル
35:スムージングロール

Claims (6)

  1. 基材層上に第1グラビアロールを用いたグラビアコート法により塗工された熱封緘層の外面に、有機分散媒に疎水性微粒子を分散した分散液を第2グラビアロールにより塗布することと、
    前記熱封緘層の外面に塗布された分散液をスムージングロールにより均し、乾燥することにより、前記疎水性微粒子からなる付着防止層を前記熱封緘層の外面に形成することを含み、
    前記分散液を塗布する前の前記熱封緘層の外面には、前記第1グラビアロールの周面に設けられた多数のセルに対応する多数の微小突起が前記熱封緘層の外面全面に亘って設けられており、
    前記熱封緘層の外面における前記各微小突起の頂部にのみ前記分散液を前記第2グラビアロールにより塗布し、
    前記分散液の疎水性微粒子濃度が3質量%〜10質量%であり、
    前記分散液の25℃での粘度が5mPa・s以下である、内容物付着防止蓋材の製造方法。
  2. 前記微小突起は、高さ30μm〜100μm及び直径100μm〜700μmであり且つ前記熱封緘層の外面にスクリーン線数35線〜65線で配設されている請求項1記載の内容物付着防止蓋材の製造方法。
  3. 前記疎水性微粒子の平均粒径が1nm〜5000nmである請求項1又は2記載の内容物付着防止蓋材の製造方法。
  4. 前記疎水性微粒子が疎水性シリカである請求項1〜3のいずれかに記載の内容物付着防止蓋材の製造方法。
  5. 前記有機分散媒がアルコールである請求項1〜4のいずれかに記載の内容物付着防止蓋材の製造方法。
  6. 前記熱封緘層の外面への前記疎水性微粒子の付着量が乾燥後において0.3g/m〜0.6g/mになるように、前記付着防止層を形成する請求項1〜5のいずれかに記載の内容物付着防止蓋材の製造方法。
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