JP6670187B2 - 耐硫酸性セメント組成物、耐硫酸性モルタル、及び耐硫酸性モルタル硬化体 - Google Patents

耐硫酸性セメント組成物、耐硫酸性モルタル、及び耐硫酸性モルタル硬化体 Download PDF

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Description

本発明は、下水処理施設、農業集落廃水施設、及び温泉排水施設などの腐食環境下にある土木・建築施設などのコンクリート構造物の建設、改修、及び補修に好適に用いられる耐硫酸性セメント組成物、耐硫酸性モルタル、及び耐硫酸性モルタル硬化体に関する。
下水処理場、汚泥処理場、下水管渠などの下水処理施設等では、廃水中に含まれる硫酸塩や有機酸が、硫酸塩還元菌によって分解され硫化水素が発生する。さらに、その硫化水素は、下水処理施設等で用いられているコンクリート構造物の内壁表面に生息する硫黄酸化菌の作用により、硫酸に変化するため、コンクリート内壁表面が常に硫酸酸性雰囲気に曝され続けることとなり、コンクリートが腐食される。
コンクリート構造物の腐食が進むと、下水の漏洩に繋がることはもとより、施設そのものの崩壊に繋がりかねないことから、コンクリート構造物の腐食の抑制は、下水道の発達した都市における重要な課題となっている。
特許文献1には、アルミナセメント40〜65質量部及び高炉スラグ微粉末35〜60質量部を含有してなる結合材と、骨材と、2種類の高性能減水剤とを水/結合材比18〜30質量%で混練してなる化学抵抗性を有する遮塩性セメントモルタル・コンクリートが開示されている。
特許文献2には、ポルトランドセメントと高炉スラグ微粉末とメタカオリンとを含有し、該ポルトランドセメント100重量部に対して該高炉スラグ微粉末が50〜200重量部、該ポルトランドセメント、該高炉スラグ微粉末および該メタカオリンの合計量100重量部に対して該メタカオリンが2〜10重量部であることを特徴とする耐酸性セメント材料が開示されている。
特許文献3には、アルミナセメント、ポゾラン物質、SiO/ROモル比が0.5〜2であるアルカリ金属珪酸塩、増粘剤および流動化剤を含有するアルミナセメント組成物であり、増粘剤が、粘度10,000〜40,000mPa・sの水溶性アルキルセルロース、水溶性ヒドロキシアルキルアルキルセルロースおよびスルホン酸塩基とアミド酸塩基を含有するポリマーの中から選ばれた少なくとも1種である前記アルミナセメント組成物が開示されている。
特開2008−174429号公報 特開2008−30968号公報 特開2012−082113号公報
しかしながら、アルミナセメントを使用した耐硫酸性モルタルは、強度発現性を高めるため、水/結合材比を低く抑える必要があるため、混和性が悪く、ハンドミキサー等で混練する場合は、作業者への負担が大きい。また、水/結合材比が低くなるとモルタルは緻密になり、単位容積質量が2.10kg/L以上と重く、コテによるモルタルの送りや伸びが悪く、作業者に負担がかかる等の問題があった。
また、耐硫酸性向上のため高炉スラグを多量に添加したモルタルが使用されているが、耐硫酸性モルタルは、樹脂ライニングの下地用に使用される場合が多く、高炉スラグが多量に添加されている耐硫酸性モルタルを使用すると、カルシウム成分が多いため、表層の樹脂ライニングに部分的な欠損ができた場合やピンホールがあった場合には、モルタル表層に硫酸イオンとカルシウムの反応により、石膏、エトリンガイト、モノサルフェートが析出して重量が増加し、樹脂ライニングとの接着性が低下する。さらに、高炉スラグやシリカフューム等のポゾラン微粉末を使用した場合には、モルタルの収縮が大きくなり、施工後にクラックが入り易いなどの問題があった。
そこで、本発明は、コテによるモルタルの送りや伸びが良好であるとともに、高濃度の硫酸等に曝されても重量変化率の小さい耐硫酸性モルタル硬化体を形成できる耐硫酸性セメント組成物及び耐硫酸性モルタルを提供することを目的とする。また、高濃度の硫酸等に曝されても重量変化率の小さい耐硫酸性モルタル硬化体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明者らは、セメント、高炉スラグ、特定の比表面積を有するメタカオリン、シリカフューム、繊維、アルミナセメントクリンカー骨材及び樹脂を含む耐硫酸性セメント組成物が、コテ作業性が良好で、硫酸等による腐食環境下においても重量変化率を小さくできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、セメント、高炉スラグ、メタカオリン、シリカフューム、繊維、アルミナセメントクリンカー骨材及び樹脂を含み、セメント100質量部に対して、高炉スラグ80〜300質量部、BET法比表面積が13〜18m/gのメタカオリン15〜100質量部、シリカヒューム15〜100質量部、繊維0.5〜3.0質量部を含む、耐硫酸性セメント組成物を提供する。
本発明の耐硫酸性セメント組成物によれば、コテ作業性が良好であり、下水道施設のような狭い空間においても作業がし易く、また、硫酸等による腐食環境下においても石膏の析出が抑制され、重量変化率が小さいため、樹脂ライニングとの長期接着性に優れることから、長期耐久性に優れる。このように、本発明の耐硫酸性セメント組成物において、コテ作業性が良好で、重量変化率が小さい優れた効果を具備する理由は必ずしも明らかではないが、その理由の一つとして、本発明者らは耐硫酸性セメント組成物に含まれる各成分が相互に作用するとともに、特に特定のメタカオリンとシリカフュームとを組み合わせることによって生じる作用がコテ作業性の向上や重量変化率の縮小に寄与しているものと考えている。
本発明の耐硫酸性セメント組成物の好ましい態様[(1)、(2)]を以下に示す。本発明では、これらの態様を適宜組み合わせることがより好ましい。
(1)本発明の耐硫酸性セメント組成物は、シリカフュームのBET法比表面積が15〜25m/gであることが好ましい。これにより、コテ作業における伸びや送り等の作業性を一層向上することができる。
(2)本発明の耐硫酸性セメント組成物は、さらに細骨材を含み、セメント100質量部に対して、細骨材150〜375質量部含むことが好ましい。これにより、コテ塗り作業における切れや離れ等の作業性をより向上することができる。
本発明では、上記耐硫酸性セメント組成物と水とを含む耐硫酸性モルタルを提供する。本発明の耐硫酸性モルタルは、上記特徴を有する耐硫酸性セメント組成物を用いて得られるものであることから、コテ作業性が良好で、下水道施設のような狭い空間においてもコテ作業がし易い。
本発明では、上記耐硫酸性モルタルを硬化して得られる耐硫酸性モルタル硬化体を提供する。本発明の耐硫酸性モルタル硬化体は、上記特徴を有する耐硫酸性モルタルを用いて得られるものであることから、硫酸等による腐食環境下においても重量変化率が小さく、長期耐久性に優れる。
本発明によれば、耐硫酸性セメント組成物を用いることにより、コテ作業が良好な耐硫酸性モルタルを提供することが可能であることから、補修箇所への塗り付けがし易く、狭い作業空間においても作業者への負担を軽減できる。また、硫酸等の腐食環境下において重量変化率の小さい耐硫酸性モルタル硬化体を提供することが可能であることから、樹脂ライニングとの長期接着性に優れ、構造物の長寿命化が可能となる。
本発明の耐硫酸性セメント組成物の好ましい態様を以下に説明する。
<耐硫酸性セメント組成物>
本実施形態の耐硫酸性セメント組成物は、セメント、高炉スラグ、メタカオリン、シリカフューム、繊維、アルミナセメントクリンカー骨材及び樹脂を含む。以下、各成分について詳細に説明する。
セメントは、JIS R 5210「ポルトランドセメント」で規定されるポルトランドセメントから選択して使用可能で、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸ポルトランドセメントが使用できる。この中でも、早期強度発現性の観点から、早強ポルトランドセメント又は超早強ポルトランドセメントを用いることが好ましい。
セメントのブレーン比表面積は、好ましくは2600〜5400cm/gであり、より好ましくは2800〜5200cm/gであり、さらに好ましくは3000〜5000cm/gである。セメントのブレーン比表面積は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じて求められる。セメントのブレーン比表面積が上記の好ましい範囲であることにより、作業性に優れる。
高炉スラグは、セメント混和材として一般的なものであり、いずれの市販品も使用することができる。これらのなかでも、JIS A 6206「コンクリート用高炉スラグ微粉末」で規定される高炉スラグを用いることが好ましい。高炉スラグは、潜在水硬性により、硬化体を緻密化し耐硫酸性を向上させる。上述の高炉スラグを用いることによって、化学的反応性、特に耐酸性に優れたモルタル硬化体を形成することができる。
高炉スラグのブレーン比表面積は、好ましくは2,000〜8,000cm/gであり、より好ましくは2,500〜6,000cm/gであり、さらに好ましくは3,000〜5,000cm/gである。高炉スラグのブレーン比表面積は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準じて求められる。高炉スラグのブレーン比表面積が2,000cm/gより小さい場合、硬化体の緻密化が不十分となり、耐硫酸性が低下し、8,000cm/gを超えた場合は、粒子が細かくなり過ぎ、コテ塗り作業において、コテへの粘着力が大きくなり、作業性が悪化する傾向がある。
高炉スラグの含有量は、セメント100質量部に対して、80〜300質量部であり、好ましくは90〜280質量部であり、より好ましくは100〜260質量部であり、特に好ましくは110〜250質量部である。高炉スラグの含有量がセメント100質量部に対して、80質量部小さくなると耐硫酸性が低下し、300質量部より大きくなると硫酸浸透深さは小さく抑えられるが、硫酸暴露環境下において重量変化率が大きくなる。
メタカオリンは、通常、カオリナイトを550〜1200℃で加熱して得られ、焼成カオリンとも呼ばれる非晶質のポゾラン材料の一種である。また、主な化学成分はAl及びSiOである。
メタカオリンのBET比表面積は、13〜18m/gであり、好ましくは13.5〜17.5m/gであり、特に好ましくは14〜17m/gである。メタカオリンのBET比表面積は、JIS Z 8830「ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に準じて求められる。メタカオリンのBET比表面積が13m/gより小さい場合、硫酸暴露環境下での重量変化率が大きくなり、作業性も悪化する。また、18m/gより大きい場合、粉体としての取扱いが難しくなり、また、モルタルとした場合のコテへの粘着性が増大し、かえって作業性を悪化させる。
メタカオリンの含有量はセメント100質量部に対し、15〜100質量部であり、好ましくは30〜90質量部であり、特に好ましくは45〜80質量部である。
シリカフュームは、セメント混和材として一般的なものであり、いずれの市販品も使用することができる。これらのなかでも、JIS A 6207「コンクリート用シリカフューム」で規定されるシリカフュームを用いることが好ましい。このようなシリカフュームは、硬化体強度を向上させる効果と共に、ベアリング効果によって鏝塗り作業性を向上させる作用を有する。また、耐久性に一層優れたモルタル硬化体を形成することができる。
シリカフュームの含有量はセメント100質量部に対して、15〜100重量部であり、好ましくは30〜90質量部であり、特に好ましくは45〜80質量部である。メタカオリンおよびシリカフュームの含有量が上記の範囲であれば、耐硫酸性の低下がなく、高炉スラグを多量に配合した場合でも、硫酸等の腐食環境下においても重量変化率が小さく、モルタルの単位容積質量が軽く、作業性が良好な範囲とすることが可能となる。
シリカフュームのBET法比表面積は、10〜25m/gが好ましく、より好ましくは16〜24m/g、さらに好ましくは17〜23.5m/g、特に好ましくは18〜23m/gである。シリカフュームのBET比表面積は、JIS Z 8830「ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」に準じて求められる。シリカフュームのBET法比表面積が15m/gよりも小さい場合、耐硫酸性が低下する。また、25m/gよりも大きい場合、コテへの粘着性が増大し、かえって作業性が悪化する。
繊維は、酸に対して安定なものであれば使用可能であり、ビニロン繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維等の有機繊維や耐アルカリ性ガラス繊維等の無機繊維が使用でき、これらの繊維の1種または2種以上を組み合わせて使用できる。繊維径は0.3〜30μm、繊維長3〜30mmの繊維が好適に使用され、施工後のクラック抑制の効果が高い。
繊維の含有量はセメント100質量部に対して、0.5〜3.0質量部であり、好ましくは1.0〜2.75質量部であり、さらに好ましくは1.5〜2.5質量部である。繊維の含有量がセメント100質量部に対して0.5質量部よりも小さくなるとクラック抑制効果が不十分となる。また、3.0質量部より多くなると、コテ伸びやコテ送り等の作業性が悪化するため好ましくない。
アルミナセメントクリンカー骨材は、化学成分としてSiO含有量が少なく、耐硫酸性に優れる。アルミナセメントクリンカー骨材は、粒子径2.5mm以上の粒子を含まないものが好ましく、粒子径1.2mm以上の粒子を含まないものがより好ましい。粒子径は、JIS Z 8801−1「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」に規定される呼び寸法の異なる数個のふるいを用いて、JIS A 1102「骨材のふるい分け試験方法」に準じて求めることができる。本明細書において、「粒子径2.5mm以上の粒子を含まない」とは、ふるい目開き2.5mmのふるいを用いたときのふるいにとどまる粒子の質量分率が0%のことをいう。アルミナセメントクリンカー骨材の粒子径が2.5mmを超えると、薄塗りする場合に、骨材が露出し、表層の仕上りが悪くなり、樹脂ライニングとの接着性を阻害する要因となる。
アルミナセメントクリンカー骨材の各ふるいにとどまる質量分率(%)が、
好ましくは、ふるい目開き0.6mmで0〜30%、ふるい目開き0.3mmで18〜68%、ふるい目開き0.15mmで53〜85%であり、
より好ましくは、ふるい目開き0.6mmで3〜28%、ふるい目開き0.3mmで20〜65%、ふるい目開き0.15mmで58〜82%であり、
特に好ましくは、ふるい目開き0.6mmで8〜25%、ふるい目開き0.3mmで35〜60%、ふるい目開き0.15mmで63〜80%である。
アルミナセメントクリンカー骨材の各ふるいにとどまる質量分率が上記範囲であることにより、より優れた表面精度及び耐硫酸性を有する。
アルミナセメントクリンカー骨材の粗粒率は、好ましくは1.00〜2.00であり、より好ましくは1.05〜1.90であり、さらに好ましくは1.08〜1.80であり、特に好ましくは1.10〜1.70である。細骨材の粗粒率が上記範囲であることにより、コテ塗り作業性をより良好にしつつ、耐酸性及び強度を一層向上することができる。
アルミナセメントクリンカー骨材の含有量は、セメント100質量部に対して、好ましくは30〜200質量部であり、より好ましくは50〜175質量部であり、特に好ましくは75〜150質量部である。アルミナセメントクリンカー骨材の含有量が30質量部未満では、耐硫酸性が低下する。アルミナセメントクリンカー骨材の含有量が多い場合、耐硫酸性は向上するが、経済面で実用的でなくなるため、200質量部を上限とするのが好ましい。
樹脂は、補修するコンクリートとの接着を確保でき、耐硫酸性を阻害しないものであれば特に制限はなく、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などの公知の樹脂エマルジョンまたは再乳化樹脂粉末を用いることができる。すなわち、樹脂としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル酸誘導体、エチレン、酢酸ビニルなどのα−オレフィン化合物、スチレンなどのビニル化合物、ブタジエンなどの重合成分の重合体又は共重合体を用いることができ、これらの樹脂を1種または2種以上を組み合わせて使用できる。
樹脂は、耐硫酸性の観点から、アクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル;(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル酸誘導体の重合体;(メタ)アクリル酸誘導体とスチレンとの重合体などが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。この中でも、(メタ)アクリル酸誘導体とスチレンとの重合体がより好ましい。
樹脂の含有量は、セメント100質量部に対して、好ましくは5〜40質量部であり、より好ましくは7〜30質量部であり、特に好ましくは10〜20質量部である。樹脂の含有量がセメント100質量部に対して、5質量部未満の場合、コンクリート構造物の補修部分への接着性が低下し、40質量部よりも大きい場合、モルタルとした場合に圧縮強度の低下や作業性の悪化の原因となる。ここで、樹脂が樹脂エマルジョンの場合、上述樹脂の含有量は、樹脂エマルジョン中から水分を除いた固形分の含有量をいう。
本実施形態の耐硫酸性セメント組成物は、さらに細骨材を含むことが好ましい。また、細骨材は2.5mm以上の粒子を含まないものが好ましく、粒子径1.2mm以上の粒子の質量分率が20%未満のものが好ましい。このような細骨材として、珪砂、川砂、陸砂、海砂、砕砂等の砂類から選択したものを好適に用いることができる。
細骨材の粒子径は、JIS Z 8801−1「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」に規定される呼び寸法の異なる数個のふるいを用いて、JIS A 1102「骨材のふるい分け試験方法」に準じて求めることができる。本明細書において、「粒子径1.2mm以上の粒子の質量分率」とは、ふるい目開き1.2mmのふるいを用いたときのふるいにとどまる粒子の質量分率(%)のことをいう。
細骨材中に粒子径1.2mm以上の粒子を質量分率で20%以上含む場合、耐硫酸性セメント組成物のコテ塗り作業性が低下する傾向にある。上記質量分率の下限値に特に制限はなく、0%であってもよい。優れたコテ塗り作業性を得るため、細骨材中の粒子径1.2mm以上の粒子の質量分率は、好ましくは0〜20%未満であり、より好ましくは1〜15%であり、さらに好ましくは2〜12%であり、特に好ましくは2〜10%である。
細骨材の各ふるいにとどまる質量分率(%)が、
好ましくは、ふるい目開き0.6mmで37〜67%、ふるい目開き0.3mmで72〜100%、ふるい目開き0.15mmで80〜100%であり、
より好ましくは、ふるい目開き0.6mmで42〜62%、ふるい目開き0.3mmで77〜97%、ふるい目開き0.15mmで85〜100%であり、
特に好ましくは、ふるい目開き0.6mmで47〜58%、ふるい目開き0.3mmで82〜92%、ふるい目開き0.15mmで90〜100%である。
細骨材の各ふるいにとどまる質量分率が上記範囲であることにより、より優れたコテ作業性を有する。
細骨材の粗粒率は、好ましくは2.10〜2.60であり、より好ましくは2.15〜2.55であり、さらに好ましくは2.18〜2.52であり、特に好ましくは2.20〜2.50である。細骨材の粗粒率が上記範囲であることにより、コテ塗り作業性をより良好にしつつ、耐酸性及び強度を一層向上することができる。
細骨材の含有量は、セメント100質量部に対して、好ましくは150〜375質量部であり、より好ましくは175〜350質量部であり、さらに好ましくは200〜325質量部であり、特に好ましくは225〜300質量部である。細骨材の含有量を上記範囲に調整することにより、コテ塗り作業性をより良好にしつつ、耐酸性及び強度を一層向上することができる。
本実施形態の耐硫酸性セメント組成物において、アルミナセメントクリンカー骨材及び細骨材を組み合わせて用いる場合、その粒子径は2.5mm以上の粒子を含まないものが好ましく、粒子径1.2mm以上の粒子の質量割合が20質量%未満のものが好ましい。粒子径1.2mm以上の粒子を質量分率で20%以上含む場合、耐硫酸性セメント組成物のコテ塗り作業性が低下する傾向にある。上記質量分率の下限値に特に制限はなく、0%であってもよい。優れたコテ塗り作業性を得るため、細骨材中の粒子径1.2mm以上の粒子の質量分率は、好ましくは0〜20%未満であり、より好ましくは0.5〜15%であり、さらに好ましくは0.7〜12%であり、特に好ましくは1〜10%である。
アルミナセメントクリンカー骨材及び細骨材を組み合わせて用いる場合の各ふるいにとどまる質量分率(%)が、
好ましくは、ふるい目開き0.6mmで29〜59%、ふるい目開き0.3mmで62〜92%、ふるい目開き0.15mmで75〜100%であり、
より好ましくは、ふるい目開き0.6mmで34〜54%、ふるい目開き0.3mmで67〜87%、ふるい目開き0.15mmで80〜100%であり、
特に好ましくは、ふるい目開き0.6mmで39〜49%、ふるい目開き0.3mmで72〜85%、ふるい目開き0.15mmで85〜95%である。
各ふるいにとどまる質量分率が上記範囲であることにより、より優れたコテ作業性を有し、より優れた表面精度及び耐硫酸性を有する。
アルミナセメントクリンカー骨材及び細骨材を組み合わせて用いる場合の粗粒率は、好ましくは1.85〜2.45であり、より好ましくは1.95〜2.35であり、さらに好ましくは2.00〜2.30であり、特に好ましくは2.05〜2.25である。粗粒率が上記範囲であることにより、コテ塗り作業性をより良好にしつつ、耐酸性及び強度を一層向上することができる。
本実施形態の耐硫酸性セメント組成物は、作業性や強度、保水性等の観点から、必要に応じて流動化剤、保水剤、増粘剤、凝結調整剤等を含んでも良い。
流動化剤は、本実施形態の耐硫酸性セメント組成物の特性を損なわない範囲で適宜添加することができる。流動化剤の含有量を適宜調整すれば、耐硫酸性セメント組成物と水とを含む耐硫酸性モルタルのフロー値を調整することができる。
流動化剤は、減水効果、好適な流動性を併せ持つ、メラミンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、カゼイン、カゼインカルシウム、ポリカルボン酸系、ポリエーテル系及びポリエーテルカルボン酸などの市販の流動化剤から選択することができる。本実施系の高耐酸水硬性組成物に含まれる流動化剤としては、特にポリエーテル系、ポリエーテルカルボン酸などの市販の流動化剤を用いることが好ましい。耐酸性を保ちつつ所定の流動性を付与する観点から、流動化剤はポリカルボン酸エステルを含むことが好ましい。
流動化剤の含有量は、セメント100質量部に対して、好ましくは0.1〜2.0質量部、より好ましくは0.15〜1.75質量部、さらに好ましくは0.2〜1.5質量部、特に好ましくは0.25〜1.50質量部である。流動化剤の含有量を上述の範囲に調整することにより、好ましい流動性を付与することができ、鏝塗り作業性や吹き付け作業性を良好にすることができる。
<耐硫酸性モルタル>
次に、本発明の耐硫酸性モルタルの好適な実施形態を説明する。本実施形態の耐硫酸性モルタルは上記耐硫酸性セメント組成物と水とを含む。より具体的には、上記耐硫酸性セメント組成物と水とを配合し、混練することにより調製できる。ここで、水の配合量を適宜変更することにより、耐硫酸性モルタルのフロー値及び単位容積質量を調整することができる。このように水の配合量を適宜変更することにより、用途に適した耐硫酸性モルタルを調製することができる。ここで、フロー値とは、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に記載の試験方法に準拠して測定される値であり、単位容積質量とは、JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に記載の試験方法に準拠して測定される値(単位:kg/L)である。
水の含有量は、耐硫酸性セメント組成物100質量部に対し、好ましくは15〜25質量部であり、より好ましくは17〜24質量部であり、さらに好ましくは19〜23質量部である。
耐硫酸性セメント組成物に含まれる樹脂が樹脂エマルジョンである場合、水の含有量は、樹脂エマルジョン中の水分の量を考慮する必要がある。したがって、水と樹脂エマルジョン中の水分の合計量が、上述の好ましい水の含有量となるように調整する。
本実施形態の耐硫酸性モルタルのフロー値は、好ましくは145〜210mmであり、より好ましくは150〜200mmであり、さらに好ましくは155〜180mmである。
耐硫酸性モルタルの水の含有量およびフロー値を上述の範囲とすることによって、コテ塗り作業性に加え、吹き付け作業性も良好となる。
本実施形態の耐硫酸性モルタルの単位容積質量は、好ましくは1.80〜2.10kg/Lであり、より好ましくは1.85〜2.08kg/Lであり、さらに好ましくは1.90〜2.06kg/Lである。
単位容積質量が上述の範囲であることによって、耐硫酸性モルタルの良好な施工性(良好な鏝塗り性や吹き付け性)を維持しつつ、コンクリート構造体と一体化するための適度な圧縮強度と一層優れた接着性を兼ね備えた耐硫酸性モルタル硬化体を得ることができる。
<耐硫酸性モルタル硬化体>
本発明の耐硫酸性モルタル硬化体は、上述の耐硫酸性モルタルを硬化させることによって得ることができる。本発明の耐硫酸性モルタル硬化体の好適な実施形態を以下に説明する。本実施形態の耐硫酸性モルタル硬化体は、補修用モルタル硬化体として好適に用いることができる。すなわち、上述の耐硫酸性モルタルが硬化して形成される本実施形態の耐硫酸性モルタル硬化体は、硫酸等による腐食環境下においても重量変化率が小さく、耐ひび割れ性に優れ、長期耐久性に優れる。
ここで、重量変化率とは、20℃65%RH条件下で調製した耐硫酸性モルタルをφ50×100mmの円筒型枠に詰めて24時間養生し、型枠脱型後に20℃条件下で14日間水中養生し、さらに20℃65%RH条件下で14日間気中養生した耐硫酸性モルタル硬化体の重量を基準とし、その後10質量%の硫酸溶液に10日間浸漬した耐硫酸性モルタル硬化体の重量から基準の重量を差し引いた差分を基準の重量で除して百分率とした値(単位:%)である。
本実施形態の耐硫酸性モルタル硬化体の重量変化率は、好ましくは−1.0〜4.5%であり、より好ましくは−0.5〜4.0%であり、さらに好ましくは0.0〜3.7%である。
重量変化率が上述の範囲であることによって、耐硫酸性モルタル硬化体は、樹脂ライニングとの長期接着性に優れ、構造物の長寿命化が可能となる。
ここで、耐ひび割れ性とは、風速3m/sを塗布面に直接当て、キセノンランプを塗布面より850mm離れた場所から照射しながら、塗布面に施工および養生を行ったときの、900cm当たりのひび割れ本数を測定したものである。
本実施形態の耐硫酸性モルタル硬化体の耐ひび割れ性は、900cm当たりのひび割れ本数が、好ましくは3本以下、より好ましくは1本以下、特に好ましくは0本である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下に、実施例を挙げて本発明の内容を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[使用材料]
実施例及び比較例で使用した材料を以下に記す。
(1)セメント[C]
・早強ポルトランドセメント(宇部三菱セメント社製、ブレーン比表面積4,480cm/g)
(2)高炉スラグ[SG]
・JIS A 6206で規定される高炉スラグ(ブレーン比表面積4,660cm/g「JIS R 5201に準じて測定」)
(3)メタカオリン[MK](BET法比表面積15.9m/g「JIS Z 8830に準じて測定」)
(4)シリカヒューム[SH](BET法比表面積21.9m/g「JIS Z 8830に準じて測定」)
(5)繊維[F]
・ビニロン繊維(クラレ社製、商品名:KVS702、繊維径26.2μm、繊維長5mm)
(6)アルミナセメントクリンカー骨材[AK](ケルネオス・ジャパン社製、骨材の粒度構成(連続する各ふるいの間にとどまる質量分率、各ふるいにとどまる質量分率)及び粗粒率を表1に示す)
なお、骨材の粒度構成は、JIS A 1102「骨材のふるい分け試験方法」に準拠して測定した。
(7)細骨材
・細骨材A[SA−A](骨材の粒度構成及び粗粒率を表2に示す)
・細骨材B[SA−B](骨材の粒度構成及び粗粒率を表3に示す)
(8)樹脂[RE]
・再乳化樹脂粉末(主成分:スチレン−アクリル共重合体)
(9)流動化剤[FL]
・ポリエーテル・ポリカルボン酸系流動化剤
[耐硫酸性セメント組成物の調製(製造)]
温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室において、上記材料(総量:各5kg)を表4に示す配合No.1〜6の割合で計量し、回転型ドラムミキサーを用いて3分間混合し、耐酸硫性セメント組成物を得た。
表4より配合No.2〜No.6の各配合に含まれるAK及びSA−Bを合わせた骨材の粒度構成及び粗粒率を表5に示す。
表4に示す割合で調製した各配合1kgに対して、表6に示す混練水量を配合して混練し、実施例1〜3及び比較例1〜3の耐硫酸性モルタルを調製した。混練は、温度20℃、相対湿度65%の条件下で、ホバートミキサーを用いて低速で1分間混練した後、混合容器内を攪拌羽根で掻き落とし、さらに2分間混練した。
[耐硫酸性モルタル及び耐硫酸性モルタル硬化体の物性の評価方法]
調製した各実施例及び各比較例の耐硫酸性モルタル組成物の単位容積質量、フロー値、コテ作業性、及び耐硫酸性モルタル硬化体の耐硫酸性(重量変化率)を測定した。測定結果は表6に示す通りであった。各測定は、以下に示す方法で行った。
(1)フロー値の測定方法
JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に記載の試験方法に準拠してフロー値を測定した。
(2)単位容積質量の測定方法
JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に記載の試験方法に準拠して単位容積質量を測定した。
(3)コテ作業性の評価方法
耐硫酸性モルタルをコンクリート板にコテ塗りし、その際の作業性(コテ送り、コテ伸び、コテ離れ、コテ切れ)を評価した。コテ送りとは、モルタルを均等に塗り広げる場合に手に掛かる力の小ささ(あるいは重さ)を評価したものであり、コテ伸びとは、所定量のモルタルを塗り広げた場合に一度に塗り広げられる面積の大きさ(塗り面積)を評価したものであり、コテ離れとは、モルタルを上下左右に塗り広げた場合のコテへの粘着力(べたつき)の小ささを評価したものであり、コテ切れとは、モルタルを塗り広げた後、コテをモルタルから離した場合のコテへの付着量の少なさ(コテ残り)を評価したものである。また、この作業性は5段階(5:大変良好、4:良好、3:普通、2:不良、1:大変不良)で評価した。
(5)耐硫酸性の評価方法
φ50×100mmの円筒型枠に耐硫酸性モルタルを2層詰めし、各層につき、15回の突き固めを行った。24時間後に脱型した後、温度20℃の水中に14日間養生し、さらに温度20℃、相対湿度65%の気中で14日間養生して試験体を作製した。当該養生後の試験体重量(A)を測定した後、試験体を10質量%硫酸溶液に10日間浸漬し、水洗い後、試験体の水分を拭き取り、重量(B)を測定した。重量変化率は下記式(1)を用いて算出した。
重量変化率=(B−A)/A×100 (1)
[測定結果]
表6に示すとおり、セメント100質量部に対して、高炉スラグ80〜300質量部、BET法比表面積が13〜18m/gのメタカオリン15〜100質量部、シリカヒューム15〜100質量部、繊維0.5〜3.0質量部を含む耐硫酸性セメント組成物を用いて調製した耐硫酸性モルタル(実施例1〜3)は、単位容積質量が2.10kg/L以下と軽く、コテ伸びおよびコテ送りが4以上と良好で、10質量%硫酸溶液に浸漬した場合の重量変化率も4%以下と良好であった。
また、メタカオリンおよびシリカヒュームを含有していない耐硫酸性モルタル(比較例1、2)、及びシリカヒュームのみを含有する耐硫酸性モルタル(比較例3)は、コテ伸びおよびコテ送りが3以下と作業性が悪く、10質量%硫酸溶液に浸漬した場合の耐硫酸性モルタル硬化体の重量変化率も5%以上であった。
[耐硫酸性モルタル硬化体の耐ひび割れ性の評価]
表4の配合No.4をベースにF(繊維)の配合割合のみを表7に示す割合に変更した配合No.7〜11を上述の耐硫酸性セメント組成物の調製(製造)と同様の方法で、表7に示す混練水量で耐硫酸性モルタルを調製した。ここで、配合No.9は表4の配合No.4と同じである。
調製した各実施例及び各比較例の耐硫酸性モルタル組成物の単位容積質量、フロー値、及び耐硫酸性モルタル硬化体の耐ひび割れ性を測定した。測定結果は表7に示す通りであった。測定は、以下に示す方法で行った。
(1)耐ひび割れ性
耐硫酸性モルタルを、コテを用いて、10mm厚で塗布面積900cmとなるようスレート板に塗り付け、風速3m/sの風を当てながら、さらに当該モルタル表面から850mm離した場所からキセノンランプを照射した。塗り付けから30分後に耐硫酸性モルタル表面をコテで平坦に仕上げ、5日経過後、ひび割れの発生状況を確認した。また、この耐ひび割れ性は5段階(900cm当たり、A:ひび割れ無し、B:1〜3本、C:4〜6本、D:7〜9本、E:10本以上)で評価した。結果を表7に示す。
[測定結果]
表7に示すとおり、セメント100質量部に対し、繊維0.5〜3質量部の範囲である実施例4〜7は、補修後のひび割れ性評価がB以上で、良好な耐ひび割れ性を有することが確認された。
以上の結果から、本実施形態の耐硫酸性セメント組成物から形成される耐硫酸性モルタルは、コテ送りやコテ伸び等のコテ作業性が良好で、耐硫酸性モルタル硬化体は、高濃度の硫酸に晒された場合でも、重量変化率が小さいことが確認された。
本発明によれば、塗り付け時のコテ作業性(モルタルの送りや伸び等)が良好で、高濃度の硫酸等の酸性腐食環境下においても重量変化率が小さく、ライニング材との接着耐久性に優れる耐硫酸性モルタル硬化体を形成できる耐硫酸性セメント組成物及び耐硫酸性モルタルを提供することができる。また、高濃度の硫酸等に曝されても重量変化率の小さい耐硫酸性モルタル硬化体を提供することができる。

Claims (5)

  1. セメント、高炉スラグ、メタカオリン、シリカフューム、繊維、アルミナセメントクリンカー骨材及び樹脂を含有し、
    前記メタカオリンのBET比表面積が13〜18m/gであり、
    前記セメント100質量部に対して、前記高炉スラグ80〜300質量部、前記メタカオリン15〜100質量部、前記シリカフューム15〜100質量部、前記繊維0.5〜3.0質量部含む、
    耐硫酸性セメント組成物。
  2. 前記シリカフュームのBET比表面積が10〜25m/gである、
    請求項1に記載の耐硫酸性セメント組成物。
  3. さらに細骨材を含み、前記セメント100質量部に対して、前記細骨材150〜375質量部含む、
    請求項1又は請求項2に記載の耐硫酸性セメント組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐硫酸性セメント組成物と水とを含む、
    耐硫酸性モルタル。
  5. 請求項4に記載の耐硫酸性モルタルを硬化して得られる、
    耐硫酸性モルタル硬化体。
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