JP6670152B2 - 屋根設置パネル - Google Patents

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Description

本発明は、屋根設置パネルに関し、詳細には、屋根の上に設置するパネルに関する。
従来、屋根の上に太陽光発電パネル等のパネル本体を設置する際に、パネル本体を保持するパネル保持部材の強度を確保するため、パネル保持部材が内壁と外壁からなる二重壁を有し、二重壁の内部が中空に形成されたホロー構造を有することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような場合、パネル保持部材同士の継ぎ目等から入り込んだ雨水がホロー構造内部に入り込んで溜まることを防止するため、下面に水抜き孔を形成することが知られている。
特開平11−36541号公報
特許文献1のようなパネル保持部材を用いた屋根設置パネルでは、パネル保持部材の下面に水抜き孔を形成するために、加工費用が生じていた。また、パネル保持部材の水抜き孔の下面が、横桟等で塞がれていた場合、パネル保持部材を設置する横桟にも水抜き孔を形成するよう加工する必要があり、横桟に水抜き孔を形成するための加工費用もかかっていた。また、パネル本体には様々な種類があるため、設置するパネル本体の種類によって水抜き孔を加工する位置をそれぞれ設定する必要があり、屋根設置パネルの加工に要する工程が多くなっていた。
本発明は、設置に要する費用を低減するとともに、加工を容易にすることができる屋根設置パネルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、屋根面上に敷設されるパネル本体(例えば、後述のパネル本体10)と、前記パネル本体の周囲に配置され、該パネルを保持する横枠(例えば、後述の横枠3)及び縦枠(例えば、後述の縦枠2)を備えるパネル保持部材(例えば、後述のパネル保持部材5)と、を備える屋根設置パネル(例えば、後述の屋根設置パネル1)であって、前記横枠は、左右方向の両端部における前記パネル側の側面に前記縦枠の上下方向の端部が当接するように配置され、且つ、前記パネル側の側面の上部に形成されて前記パネルの端部が差し込まれる横枠凹部(例えば、後述の横枠凹部31)を有し、前記横枠凹部は、前記横枠の左右方向の両端面まで延びて形成された開口により構成される横枠水抜き孔部(例えば、後述の横枠水抜き孔部33)を有する屋根設置パネルを提供する。
また、前記屋根面上には、枠組みされた横桟(例えば、後述の横桟15)及び縦桟(例えば、後述の縦桟14)が配置され、前記横枠は、前記横桟上に配置され、前記横枠水抜き孔部は、前記縦桟の上面に形成され且つ該縦桟の延設方向に延びる排水溝(例えば、後述の排水溝140)上に配置されることが好ましい。
また、前記横枠凹部の下面には、前記横枠凹部の上面との間で前記パネル本体の端部を挟持する横枠シール部材(例えば、後述のパッキン4B)が配置されることが好ましい。
また、前記縦枠は、前記パネル本体側の側面の上部に形成されて前記パネル本体の端部が差し込まれる縦枠凹部(例えば、後述の縦枠凹部21)を有し、前記縦枠凹部は、前記縦枠の下端面まで延びて形成された開口により構成される縦枠水抜き孔部(例えば、後述の縦枠水抜き孔部23)を有し、且つ、前記縦枠凹部の下面には、前記縦枠凹部の上面との間で前記パネル本体の端部を挟持する縦枠シール部材(例えば、後述のパッキン4A)が配置され、前記横枠シール部材が前記縦枠凹部における最外側面まで至らずに配置されることにより、前記縦枠凹部が前記縦枠水抜き孔部を介して前記横枠凹部に連通する
ことが好ましい。
また、前記横枠シール部材及び前記縦枠シール部材は、前記横枠凹部又は前記縦枠凹部に予め取り付けられるとともに、上方に突出して形成され前記パネル本体の差し込み方向に弾性変形可能な弾性部(例えば、後述の弾性部42)を有することが好ましい。
前記横枠は、前記パネル本体側とは反対側の側面の下部に形成された外側凹部(例えば、後述の外側凹部35)を有し、前記縦枠は、前記縦枠凹部の下方に配置され且つその壁に沿って締結孔が形成された中空部(例えば、後述の中空部225)を有し、前記横枠及び縦枠は、前記外側凹部から前記中空部の締結孔(例えば、後述の締結孔224)に締結部材(例えば、後述のねじ34)が締結されることにより固定されることが好ましい。
前記パネル本体は、太陽光発電屋根(例えば、後述の太陽光発電屋根100)に配置される太陽光発電パネル(例えば、後述の太陽光発電パネル110)を模造したダミーパネル(例えば、後述のダミーパネル120)であることが好ましい。
本発明によれば、設置に要する費用を低減するとともに、加工を容易にすることができる屋根設置パネルを提供することができる。
本実施形態の屋根設置パネルが設けられた太陽光発電屋根を示す斜視図である。 本実施形態の屋根設置パネルを支持する縦桟及び横桟を示す斜視図である。 本実施形態の屋根設置パネルを示す正面図である。 図3のA−A断面図である。 図3のB−B断面図である。 図3のC−C断面図である。 本実施形態のパネル保持部材にパネル本体が取り付けられた状態を示す斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。本明細書において、上下方向とは棟側から軒側に延びる方向を指し、左右方向とは、上下方向に交差するとともに軒の延びる方向に沿う方向を指す。
図1は、本実施形態の屋根設置パネル1が設けられた太陽光発電屋根100を示す図である。本実施形態の太陽光発電屋根100は、建物の屋根面に片流れ式に形成され、屋根面を覆うように配置されるパネル本体10と、下地材12と、パネル架台11と、を有する。
パネル本体10としては、太陽光発電パネル110、太陽光発電パネル110を模造したダミーパネル120のいずれも用いることができるが、本実施形態では、パネル本体10としてダミーパネル120を用いた屋根設置パネル1について説明する。
太陽光発電パネル110は、屋根面の日当たりのよい場所に配置される。
ダミーパネル120は、太陽光発電パネル110の寸法と屋根面の面積が合わず、一部に屋根面の面積が余ってしまった場合や、日当たりの悪い場所等で、太陽光発電パネル110に隣接して配置される。ダミーパネル120は、樹脂製の板の表面及び裏面にアルミ板を配置したアルミ樹脂複合板で形成され、例えば表裏それぞれのアルミ板の厚さが0.4〜0.6mm、樹脂の厚さが2〜4mm程度である。ダミーパネル120には、表面に太陽光発電パネル110を模造した模様(図示せず)が印刷されている。
下地材12は、屋根面に配置され、太陽光発電屋根100の土台部分を構成する。下地材12は、野地板、防水シート、鋼板(図示せず)が積層されて構成される。
パネル架台11は、下地材12の上に配置され、太陽光発電パネル110又はダミーパネル120を支持する。パネル架台11は、太陽光発電パネル110又はダミーパネル120の下面に配置されている。パネル架台11は、縦桟14及び横桟15(図2参照)を有する。
図2は、パネル保持部材5を支持する縦桟14及び横桟15を示す斜視図であり、太陽光発電屋根100の一部を示す。図2に示すように、縦桟14及び横桟15は、屋根面上に枠組みして配置される。
縦桟14は、太陽光発電屋根100の棟側から軒側へ上下方向に延び、軒の延びる方向に間隔を開けて複数配置される。縦桟14は、上部が開口した略コ字状の排水溝140を有する縦長のレール部材であり、排水溝140は、縦桟14の上面に形成され、縦桟14の延出方向に延びるように形成される。縦桟14は、底面が下地材12に固定されて、雨水を上下に通すように配置される。
横桟15は、縦桟14に交差する方向に延び、間隔を開けて複数配置される。横桟15は、縦桟14の上面に取り付けられる。
縦桟14同士及び横桟15同士の間隔は、パネル本体10の寸法に応じて決められる。
パネル保持部材5は、屋根面上に敷設されるパネル本体10の周囲に配置される。パネル保持部材5は、縦桟14と横桟15で四周を囲まれる空間に、縦桟14及び横桟15に沿って取り付けられる。
図3は、屋根設置パネル1の正面図である。図4は図3のA−A断面図である。図3及び4に示すように、パネル保持部材5は、パネル本体10を保持する縦枠2、横枠3及び中間枠6と、縦枠シール部材としてのパッキン4A及び横枠シール部材としてのパッキン4B(図5及び図6参照)と、を有する。
縦枠2は、縦桟14に沿って配置され、横枠3は、横桟15に沿って横桟15上に配置される、それぞれが縦長の部材である。縦枠2及び横枠3は、いわゆる横勝ちに配置される。具体的には、縦桟14と横桟15で囲まれる四角い空間で、横枠3の左右方向の両端部におけるパネル本体10側の側面に、縦枠2の上下方向の端部が当接するように配置される。横枠3は、横桟15上にパネル本体10の左右方向の一方から他方の端部まで延びるように配置され、縦枠2は、向かい合う横枠3同士の間に配置される。
図2及び3に示すように、中間枠6は、横枠3の長手方向の略中央部で、縦枠2と平行に配置される縦長の部材である。また、図4に示すように、中間枠6は、向かい合う上面61及び下面62と、これら上面61及び下面62を接続する茎部63とを有し、下面62が下地材12に固定され、上面61がパネル本体10の下面に当接する。中間枠6は、パネル本体10の中央付近を支持することでパネル本体10の撓みを防止し、パネル本体10全体、ひいては屋根設置パネル1の強度を確保する。
図5は、図3のB−B断面図である。横枠3は、横枠凹部31と、横枠水抜き孔部33と、側壁32と、外側凹部35と、上端傾斜部36と、を有する。
横枠凹部31は、横枠3のパネル本体10側に面する内側面の上部に形成され、内部にパネル本体10の端部が差し込まれる窪みである。横枠凹部31は、内側面側の上部が開口し、外側面側が閉じた断面視で略コ字状の形状を有する。また、横枠凹部31は、開口側の下面に形成される突起部311を有する。
突起部311は、横枠凹部31の開口側の端部と、この端部から奥側に離間した位置との二点から上方に起立するとともに上端で互いが近づくように屈曲した一対の凸部311a、311bにより構成される。
横枠水抜き孔部33は、横枠3の左右方向の両端面まで延びて形成された横枠凹部31の開口により構成されている。横枠水抜き孔部33は、縦桟14の排水溝140上に配置される。
側壁32は、取り付け面321と、設置面322と、により構成され、断面視で一重のソリッド形状である。
取り付け面321は、横枠凹部31の開口側の下端部から下垂する面であり、締結部材としてのねじ34を挿入する取り付け孔321aが形成されている。
設置面322は、取り付け面321の下端部から横枠凹部31の外側面側まで延びる平坦な面である。
外側凹部35は、横枠3のパネル側と反対の外側で、横枠凹部31の側面の下部に形成される。外側凹部35は、外側から内側へ凹んだ窪みであり、横枠凹部31の下面と、取り付け面321と、設置面322における取り付け面321より外側に延出する部分により構成される。
上端傾斜部36は、横枠凹部31の上方端部に形成され、横枠凹部31の開口側から外側に向かって上り傾斜する傾斜面である。
図6は図3のC−C断面図である。縦枠2は、凹部としての縦枠凹部21と、側壁22と、縦枠水抜き孔部23と、上端傾斜部26を有する。
縦枠凹部21の構成は、横枠凹部31の構成と同じである。縦枠凹部21は、パネル本体10側に面する内側面の上部に形成され、内部にパネル本体10の端部が差し込まれる窪みである。縦枠凹部21は、内側面側の上部が開口し、外側面側が閉じた断面視で略コ字状の形状を有する。また、縦枠凹部21は、開口側の下面に形成される突起部211を有する。
突起部211は、縦枠凹部21の開口側の端部と、この端部から奥側に離間した位置との二点から上方に起立するとともに上端で互いが近づくように屈曲した一対の凸部211a、211bにより構成される。
縦枠水抜き孔部23は、縦枠2の下端面まで延びて形成された縦枠凹部21の開口により構成されている。縦枠水抜き孔部23は、縦桟14の排水溝140上に配置される。
側壁22は、内壁221と、外壁222と、中空部225と、設置面223とにより構成される。側壁22は、断面視で二重に形成され、内壁221及び外壁222の間が中空部225になっているホロー構造である。
内壁221は、縦枠凹部21の開口側の下端部から下垂する。内壁221には、ねじ34を受けるねじ溝の形成された締結孔224が、横枠凹部31の取り付け孔321aに対応する位置に形成されている。
外壁222は、内壁221から外側へ間隔を空けて、縦枠凹部21の外側面側から下垂する。
中空部225は、縦枠凹部21の下方で、外壁222及び内壁221に囲まれて形成されている。
設置面223は、外壁222と内壁221の下端部を接続するように延びる平坦な面である。
上端傾斜部26は、縦枠凹部21の上方端部に形成され縦枠凹部21の開口側から外側に向かって上り傾斜する傾斜面である。
パッキン4A、4Bは、図5及び図6に示されるように、縦枠凹部21及び横枠凹部31の内部に配置され、縦枠2及び横枠3に沿って延びる縦長の弾性部材である。パッキン4A、4Bは、塩化ビニルにより形成される。
まず、横枠凹部31内に配置されるパッキン4Bについて説明する。パッキン4Bの長手方向の長さは、横枠3の長さよりも短く、パッキン4Bの長手方向における端部は、横枠3の長手方向の端部よりも内側に位置している(図7参照)。詳細には、パッキン4Bの長手方向の長さは、縦枠2と横枠3とを横勝ちに組み付けたときに、パッキン4Bの長手方向の端部が、縦枠凹部21の縦枠水抜き孔部23を塞がないような長さである。パッキン4Bは、縦枠2と横枠3とを横勝ちに組み付けた状態で後述するパッキン4Aの長手方向の一方の端部の端面(側面部)と合わさる程度か、又はパッキン4Aの端面における内側、すなわちパネル本体10寄りの位置まで延出するような長さを有して構成されている。
パッキン4Bは、パッキン本体40と、係合部41と、弾性部42と、を有する。
パッキン本体40は、断面視略L字状で、パッキン4Bの高さ及び幅を規定するパッキン4Bの主な部分である。パッキン本体40は、横枠凹部31から内部に挿入可能な高さを有して形成される。パッキン本体40は、横枠凹部31の下面に配置され、横枠凹部31の上面との間でパネル本体10の端部を挟持する。
パッキン本体40の短辺の寸法は、パッキン4Bの高さを規定する。パッキン本体40の上端は、パッキン4Bが横枠凹部31に挿入された状態で、パッキン本体40の上端から横枠凹部31の内面の上側面との間にパネル本体10を挿入可能な隙間を形成するように調整される。
パッキン本体40の長辺の寸法、すなわち横枠凹部31に挿入された状態で、パッキン本体40における横枠凹部31の開口側から奥側への長さは、横枠凹部31自体の開口側から奥側への長さよりも短く構成されている。パッキン本体40における横枠凹部31の奥側の端部と、横枠凹部31自体の奥側の端部との間に隙間が空き、この隙間が横枠水抜き孔部33となる。
係合部41は、横枠凹部31の突起部311の一対の凸部311a、311bの間に嵌合するように、パッキン本体40の長辺の下面から下方に突出する。また、係合部41は、断面視で、一対の凸部311a、311bの間に嵌合可能な所定幅の基部411と、この基部よりも狭い幅を有して上方へ延び、パッキン本体40に接続される茎部412とを有する。突起部311における一対の凸部311a、311bの上端が互いに近づくように屈曲して間が狭くなった隙間を、茎部412が挿通することで、一対の凸部311a、311bの上端と、基部411とが係合して外れないように構成されている。
弾性部42は、パッキン本体40の長辺における先端の上面に形成される。弾性部42は、横枠凹部31にパッキン4Bが挿入された状態で、横枠凹部31の開口側の端部上面から上方に突出して形成され、横枠凹部31の奥側へ向かって傾斜する。弾性部42は、係合部41の茎部412よりも厚さが薄く形成されて、パネル本体10の差し込み方向に弾性変形する。
次に、縦枠凹部21内に配置されるパッキン4Aについて説明する。パッキン4Aの長手方向の長さは、縦枠2の長さと略同じであり、パッキン4Bの長手方向における端部は、縦枠2の長手方向の端部と略同じ位置に配置されている(図7参照)。
パッキン4Aと縦枠2との長さの関係が、パッキンBと横枠3との長さの関係と異なる点を除いて、パッキン4Aの形状は、パッキン4Bの形状と同じである。
パッキン4Aは、パッキン本体40と、係合部41と、弾性部42と、を有する。
パッキン本体40は、断面視略L字状で、パッキン4Aの高さ及び幅を規定するパッキン4Aの主な部分である。パッキン本体40は、縦枠凹部21から内部に挿入可能な高さを有して形成される。パッキン本体40は、縦枠凹部21の下面に配置され、縦枠凹部21の上面との間でパネル本体10の端部を挟持する。
パッキン本体40の短辺の寸法は、パッキン4Aの高さを規定する。パッキン本体40の上端は、パッキン4Aが縦枠凹部21に挿入された状態で、パッキン本体40の上端から縦枠凹部21の内面の上側面との間にパネル本体10を挿入可能な隙間を形成するように調整される。
パッキン本体40の幅寸法、すなわち縦枠凹部21に挿入された状態で、パッキン本体40における縦枠凹部21の開口側から奥側への長さは、縦枠凹部21自体の開口側から奥側への長さよりも短く構成されている。パッキン本体40における縦枠凹部21の奥側の端部と、縦枠凹部21自体の奥側の端部との間に隙間が空き、この隙間が縦枠水抜き孔部23となる。
係合部41は、縦枠凹部21の突起部211の一対の凸部211a、211bの間に嵌合するように、パッキン本体40の長辺の下面から下方に突出する。また、係合部41は、断面視で、一対の凸部211a、211bの間に嵌合可能な所定幅の基部411と、この基部よりも狭い幅を有して上方へ延び、パッキン本体40に接続される茎部412とを有する。突起部211の一対の凸部211a、211bの上端が互いに近づくように屈曲して間が狭くなった隙間を、茎部412が挿通することで、一対の凸部211a、211bの上端と、基部411とが係合して外れないように構成されている。
弾性部42は、パッキン本体40の長辺における先端の上面に形成される。弾性部42は、縦枠凹部21にパッキン4Aが挿入された状態で、縦枠凹部21の開口側の端部上面から上方に突出して形成され、縦枠凹部21の奥側へ向かって傾斜する。弾性部42は、係合部41の茎部412よりも厚さが薄く形成されて、パネル本体10の差し込み方向に弾性変形する。
図7は、パネル保持部材5にパネル本体10が取り付けられた状態を示す斜視図である。図7を参照して、パネル保持部材5の使用の状態について説明する。
パッキン4A、4Bは、予め縦枠凹部21及び横枠凹部31内に取り付けられた状態で用意される。
まず、横枠3の端部がパネル保持部材5の左右方向の両端部に位置し、縦枠2の上下方向の端部が横枠3の左右方向の端部に当接するように、縦枠2及び横枠3を横勝ちに組み、それぞれ縦桟14及び横桟15に取り付ける。横枠3は一重の側壁を有するソリッド形状であるが、横桟15に支持されるため、必要な強度が確保されている。ねじ34を、横枠3の外側凹部35の取り付け孔321aから、縦枠2の中空部225を構成する内壁221の締結孔224に螺合させて締結し、縦枠2と横枠3とを固定する。このとき、横枠3の左右方向の端部は、縦桟14の排水溝140の上に位置するように配置する。
縦枠2横枠3を横勝ちに組み合わせて固定した状態で、横枠凹部31及び縦枠凹部21にパネル本体10を挿入する。このとき、弾性部42が、パッキン本体40における横枠凹部31及び縦枠凹部21の開口側の上端から上方へ向かって突出しているので、パネル本体10は、弾性部42を押圧して弾性変形させるとともに、弾性部42に案内されるように内部奥側へ挿入される。なお、弾性部42は、上方内奥へ向かって傾斜しており、弾性を有するので、パネル本体10の下面とパッキン4A、4Bの隙間を埋めるようにパネル本体10の下面に当接し、密着する。パネル本体10の上面は、横枠凹部31及び縦枠凹部21の内面の上側面に当接し、下面のみパッキン4A、4Bに支持される。
また、パネル本体10を横枠凹部31及び縦枠凹部21に取り付ける際、縦枠2及び横枠3の縦枠凹部21及び横枠凹部31に、パネル本体10を直接、いわゆるメタルタッチで嵌め込む。このため、パネル本体10の上面と縦枠凹部21、横枠凹部31の上端の内側面との間に段差は生じない。縦枠2の上端に上端傾斜部26が、横枠3の上端に上端傾斜部36が形成されており、パネル本体10の上面から縦枠凹部21、横枠凹部31それぞれの上面までが傾斜面でつながるため、雪等が縦枠2、横枠3に引っ掛からずに落ちやすい構造となっている。
縦枠2と横枠3を組み付けて固定したとき、横枠3内部にあるパッキン4Bの端部は、横枠3の長さよりも短いので、縦枠凹部21の最外側面(コ字状の閉じた側)まで至らない。横枠3のパッキン4Bの端部は、縦枠2のパッキン4Aの下端面に当接する。すると、縦枠2の縦枠水抜き孔部23が、横枠3の横枠水抜き孔部33に連通し、これにより、縦枠凹部21が、縦枠水抜き孔部23を介して横枠凹部31に連通する。このため、横枠凹部31に入り込んだ雨水は、横枠水抜き孔部33を流通して、横枠3の長手方向における両端部から外部に排出される一方、縦枠凹部21に入り込んだ雨水は、縦枠水抜き孔部23を流通して、横枠水抜き孔部33に合流し、横枠凹部31の両端部から縦桟14の排水溝140へ落下する。
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、屋根設置パネル1を、屋根面上に敷設されるパネル本体10と、パネル本体10の周囲に配置され、該パネル本体10を保持する横枠3及び縦枠2を備えるパネル保持部材5と、を含んで構成した。また、横枠3を、左右方向の両端部におけるパネル本体10側の側面に縦枠2の上下方向の端部が当接するように配置し、且つ、パネル本体10側の側面の上部に、パネル本体10の端部が差し込まれる横枠凹部31を形成し、横枠凹部31を、横枠3の左右方向の両端面まで延びて形成された開口により構成される横枠水抜き孔部33を含んで構成した。
本実施形態によれば、横枠3の左右方向の両端部におけるパネル本体10側の側面に、縦枠2の上下方向の端部が当接するように、いわゆる「横勝ち」に組んでいるため、横枠3を二重の壁により中空部を有するホロー構造とせずに、一重の壁を有するソリッド形状とし、縦枠2と組み合わせて構成することができる。このため、横枠水抜き孔部33を横枠3の下面に形成する必要がない。また、パネル保持部材5の横枠凹部31に入り込んだ雨水が、横枠3の左右方向の両端面まで延びた横枠水抜き孔部33から排出されるため、横枠水抜き孔部33を別途形成する必要がなく、加工費が低減できる。さらに、横枠3の下面に水抜き孔を形成する必要がなくなることから、パネル本体10に様々な種類があっても、それぞれのパネル本体10に応じて水抜き孔を加工する位置を予め設定し、水抜き孔を加工する必要がなくなり、その結果屋根設置パネル1の加工が容易になる。
本実施形態によれば、屋根面上に、枠組みされた横桟15及び縦桟14を配置し、横枠3を、横桟15上に配置した。また、横枠水抜き孔部33を、縦桟14の上面に形成され且つ縦桟14の延設方向に延びる排水溝140上に配置した。これにより、排水箇所を横枠3の上方に配置することができるので、下方に水抜き孔を形成した場合に冬季に凍結して膨張する懸念もなくなる。よって、横桟15に水抜き孔を加工する必要がなくなり、パネル保持部材5の設置に要する費用を低減することができる。さらに、横枠3内の横枠水抜き孔部33を流通した水が、縦桟14の排水溝140に落下し、排水溝140から屋根の下方へ排水される。パネル保持部材5のために別途排水設備を設けることなく、縦桟14に設けられた排水溝から排水されるので、パネル保持部材5の設置に要する費用を低減することができる。
本実施形態によれば、横枠凹部31の下面に、横枠凹部31の上面との間でパネル本体10の端部を挟持するパッキン4Bを配置した。パネル本体10がパッキン4Bと横枠凹部31の上面との間で挟持され、横枠凹部31の上面とパネル本体10の上面との間にパッキン4Bが介在しない。横枠3とパネル本体10との間にパッキン4Bがないために、パネル本体10を取り付ける際にパネル本体10と横枠凹部31との接触面の汚れや接着性を考慮する必要がなく、容易に取り付けることができ、加工費を低減することができる。また、横枠3とパネル本体10との間に雪や埃等が横枠3に引っ掛かったり詰まったりすることがなく、雪が積もりにくくなるとともに、美観が向上できる。
本実施形態によれば、縦枠2を、パネル本体10側の側面の上部に形成されてパネル本体10の端部が差し込まれる縦枠凹部21を含んで構成した。また、縦枠凹部21を、縦枠2の下端面まで延びて形成された開口により構成される縦枠水抜き孔部23を含んで構成し、且つ、縦枠凹部21の下面に、縦枠凹部21の上面との間でパネル本体10の端部を挟持するパッキン4Aを配置した。パッキン4Bが縦枠凹部21における最外側面まで至らずに配置されることにより、縦枠凹部21が縦枠水抜き孔部23を介して横枠凹部31に連通するように構成した。これにより、横勝ちに組まれている縦枠2と横枠3において、横枠凹部31内のパッキン4Bが縦枠凹部21における最外側面まで至らないことで、縦枠凹部21の縦枠水抜き孔部23が、横枠凹部31と繋がるので、縦枠凹部21内を流通した雨水は、横枠水抜き孔部33の端部から外部へ排出される。これにより、縦枠2内の雨水も横枠3内の雨水と同様に排水することができ、上記と同様の効果を奏する。
本実施形態によれば、パッキン4B及びパッキン4Aを、横枠凹部31又は縦枠凹部21に予め取り付けられるとともに、上方に突出して形成されパネル本体10の差し込み方向に弾性変形可能な弾性部42を含んで構成した。これにより、横枠3及び縦枠2に予めパッキン4B、4Aを取り付けておくことにより、パネル本体10の取り付けが非常に楽になり、加工費を低減することができる。また、パッキン4B及び4Aに弾性部42が設けられているため、パネル本体10を横枠凹部31及び縦枠凹部21に挿入する際に容易に挿入することができ、パネル本体10と横枠凹部31及び縦枠凹部21とのわずかな隙間を弾性部42が塞ぐので、横枠凹部31及び縦枠凹部21の開口側から意図せずに水が漏れることを防止することができる。
本実施形態によれば、横枠3を、パネル本体10側とは反対側の側面の下部に形成された外側凹部35を含んで構成し、縦枠2を、縦枠凹部21の下方に配置され且つその壁に沿って締結孔224が形成された中空部225を含んで構成し、横枠3及び縦枠2を、外側凹部35から中空部225の締結孔224にねじ34を締結することにより固定した。これにより、横枠3では、一重の壁を有するソリッド形状とするため、水抜き孔部を別途形成する必要がなくなり、加工費を低減させることができる。そして、縦枠2は二重の壁により内部が中空のホロー構造を有するので、強度を向上させることができる。また、縦枠2の場合は、下方に向かって水が流通し、横枠3の横枠水抜き孔部33を流通する雨水に合流して排水させることができるので、縦枠水抜き孔部23を形成する加工の必要がなく、上記と同様の効果を奏する。
本実施形態によれば、パネル本体10を、太陽光発電屋根100に配置される太陽光発電パネル110を模造したダミーパネル120とした。これにより、太陽光発電屋根100において太陽光発電パネル110を設置しない部分にダミーパネル120を設置する場合に、必要な強度を確保しつつも、水抜き孔部の加工が不要になるので、加工費を低減することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、上記実施形態では、パネルをダミーパネルとして説明したが、これに限られない。パネルは、太陽光発電パネル110であってもよい。また、ダミーパネルを設置する位置は、必要に応じて、屋根のどの位置に配置してもよい。
また、上記実施形態では、パネル本体10は縦枠凹部21及び横枠凹部31に直接メタルタッチで嵌め込まれているが、これに限られない。パネル本体10の端部をシリコン剤等のクッション材で覆っていても、パネルの端部の外側、すなわち縦枠凹部及び横枠凹部の奥側にそれぞれ縦枠水抜き孔部及び横枠水抜き孔部が形成されていればよい。
1 屋根設置パネル
5 パネル保持部材
2 縦枠
3 横枠
4A パッキン(縦枠シール部材)
4B パッキン(横枠シール部材)
10 パネル本体
14 縦桟
15 横桟
21 縦枠凹部
31 横枠凹部
23 縦枠水抜き孔部
33 横枠水抜き孔部
34 ねじ(締結部材)
35 外側凹部
42 弾性部
110 太陽光発電パネル
120 ダミーパネル(パネル本体)
140 排水溝
224 締結孔
225 中空部

Claims (7)

  1. 屋根面上に敷設されるパネル本体と、
    前記パネル本体の周囲に配置され、該パネル本体を保持する横枠及び縦枠を備えるパネル保持部材と、を備える屋根設置パネルであって、
    前記横枠は、左右方向の両端部における前記パネル本体側の側面に前記縦枠の上下方向の端部が当接するように配置され、且つ、前記パネル本体側の側面の上部に形成されて前記パネル本体の端部が差し込まれる横枠凹部を有し、
    前記横枠凹部は、前記横枠の左右方向の両端面まで延びて形成された開口により構成される横枠水抜き孔部を有し、
    前記横枠凹部には、前記パネル本体の端部を挟持する横枠シール部材が配置され
    前記横枠シール部材における前記横枠凹部の奥側の端部と、前記横枠凹部自体の奥側の端部との間に隙間が形成され、前記隙間が前記横枠水抜き孔となる、屋根設置パネル。
  2. 前記屋根面上には、枠組みされた横桟及び縦桟が配置され、
    前記横枠は、前記横桟上に配置され、
    前記横枠水抜き孔部は、前記縦桟の上面に形成され且つ該縦桟の延設方向に延びる排水溝上に配置される請求項1に記載の屋根設置パネル。
  3. 前記横枠シール部材は、前記横枠凹部の下面と前記横枠凹部の上面との間に配置される請求項1又は2に記載の屋根設置パネル。
  4. 前記縦枠は、前記パネル本体側の側面の上部に形成されて前記パネル本体の端部が差し込まれる縦枠凹部を有し、
    前記縦枠凹部は、前記縦枠の下端面まで延びて形成された開口により構成される縦枠水抜き孔部を有し、且つ、前記縦枠凹部の下面には、前記縦枠凹部の上面との間で前記パネル本体の端部を挟持する縦枠シール部材が配置され、
    前記横枠シール部材が前記縦枠凹部における最外側面まで至らずに配置されることにより、前記縦枠凹部が前記縦枠水抜き孔部を介して前記横枠凹部に連通する請求項3に記載の屋根設置パネル。
  5. 前記横枠シール部材及び前記縦枠シール部材は、前記横枠凹部又は前記縦枠凹部に予め取り付けられるとともに、上方に突出して形成され前記パネル本体の差し込み方向に弾性変形可能な弾性部を有する請求項4に記載の屋根設置パネル。
  6. 前記横枠は、前記パネル本体側とは反対側の側面の下部に形成された外側凹部を有し、
    前記縦枠は、前記縦枠凹部の下方に配置され且つその壁に沿って締結孔が形成された中空部を有し、
    前記横枠及び縦枠は、前記外側凹部から前記中空部の締結孔に締結部材が締結されることにより固定される請求項4又は5に記載の屋根設置パネル。
  7. 前記パネル本体は、太陽光発電屋根に配置される太陽光発電パネルを模造したダミーパネルである請求項1から6のいずれか1項に記載の屋根設置パネル。
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