JP6670100B2 - 樹脂マスク剥離用洗浄剤組成物 - Google Patents

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本開示は、樹脂マスク剥離用洗浄剤組成物、該洗浄剤組成物を用いた樹脂マスクの洗浄方法及び電子部品の製造方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータや各種電子デバイスにおいては、低消費電力化、処理速度の高速化、小型化が進み、これらに搭載されるパッケージ基板などの配線は年々微細化が進んでいる。このような微細配線並びにピラーやバンプといった接続端子形成にはこれまでメタルマスク法が主に用いられてきたが、汎用性が低いことや配線等の微細化への対応が困難になってきたことから、他の新たな方法へと変わりつつある。
新たな方法の一つとして、ドライフィルムレジストをメタルマスクに代えて厚膜樹脂マスクとして使用する方法が知られている。この樹脂マスクは最終的に剥離・除去されるが、その際にアルカリ性の剥離用洗浄剤が使用される。このような剥離用洗浄剤として、例えば、特許文献1には、洗浄剤組成物100質量部中、第四級アンモニウム水酸化物を0.5質量部以上3.0質量部以下含有し、水溶性アミンを3.0質量部以上10.0質量部以下含有し、酸又はそのアンモニウム塩を0.3質量部以上2.5質量部以下含有し、水を50.0質量部以上95.0質量部以下含有する回路基板の製造に用いる樹脂マスク層用洗浄剤組成物が記載されている。
特許文献2には、0.1重量%〜40.0重量%の有機第四級アンモニウム塩基と、0.01重量%〜5重量%のアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩基と、0重量%〜80重量%の溶媒及び/又はアミンと、0重量%〜5重量%の界面活性剤と、0重量%〜10重量%のキレート剤/不動態化剤と、0重量%〜98重量%の水とを含むSARC及びフォトレジストを除去するために有用な洗浄組成物が記載されている。
特許文献3には、組成物の全重量の約2〜55重量%の少なくとも1種類のアルカノールアミン、少なくとも1種類のモルホリン、又はこれらの混合物と、前記組成物の全重量の約20〜94重量%の少なくとも1種類の有機溶媒と、前記組成物の全重量の約0.5〜60重量%の水とを含む、フィルム・レジストを除去するための組成物が記載されている。
特許文献4には、アンモニウム塩、水溶性有機アミン及び水を含有するフォトレジスト除去剤が記載されている。
特許文献5には、プリント配線板、モジュール基板等の電子回路基板及びリードフレーム等の電子部品の製造における配線パターン形成後のレジスト剥離工程に関し、有機アルカリ化合物を含有するレジスト剥離液の劣化抑制方法、レジスト剥離方法及びシステムに関して記載されている。
さらに、レジスト剥離において、微細配線に主に使用される銅やアルミニウム及び半田メッキの防食剤として、特許文献6〜8にはイミダゾール系化合物、糖類、糖アルコール類及びアゾール化合物等が記載されている。
特開2015−79244号公報 特表2007‐526523号公報 特開2014‐78009号公報 台湾公開特許TW200700937号公報 特開2013‐183080号公報 特開昭64‐81295号公報 特開平11−84686号公報 特開2002−62668号公報
プリント基板等に微細配線を形成する上で、ドライフィルムレジスト等の樹脂マスクの残存はもちろんのこと、微細配線やバンプ形成に用いられるはんだやメッキ液等に含まれる助剤等の残存を低減するため、洗浄剤組成物には高い洗浄性が要求される。特に加熱処理された樹脂マスクは剥離しにくいため、洗浄剤組成物には高い樹脂マスク除去性が要求される。さらに、配線や接続端子の多くに使用される銅等の金属の腐食や変色はパッケージ基板の品質及び価値の低下等を招くことから、洗浄剤組成物には高い腐食及び変色防止性能が要求されている。しかし、前記特許文献に記載の方法では、洗浄性と腐食及び変色防止の両立が難しい。
そこで、本開示は、樹脂マスクの除去性に優れ、金属の腐食及び変色を抑制できる樹脂マスク剥離用洗浄剤組成物、該洗浄剤組成物を用いた樹脂マスクの洗浄方法及び基板の製造方法を提供する。
本開示は、下記式(I)で表される化合物(成分A)、下記式(II)で表される化合物(成分B)、炭素数1以上5以下のカルボン酸又はその塩(成分C)、下記式(III)で表される化合物(成分D)、下記式(IV)で表される化合物(成分E)、及び水(成分F)を含有する、樹脂マスク剥離用洗浄剤組成物に関する。
Figure 0006670100
上記式(I)において、R1は、水素原子、メチル基、エチル基及びアミノエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、R2は、水素原子、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、R3は、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種である。
Figure 0006670100
上記式(II)において、R4、R5、R6及びR7は同一又は異なり、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種を示す。
8-O-(CH2CH2O)n-H (III)
上記式(III)において、R8は、炭素数3以上7以下の炭化水素基であり、nは付加モル数であって1以上5以下の整数である。
Figure 0006670100
上記式(IV)において、R9、R10、R11及びR13は同一又は異なり、水素原子、炭素数1以上7以下のアルキル基、及び芳香族置換基から選ばれる少なくとも1種であって、R9及びR10のうち少なくとも一つが芳香族置換基であり、R12は、水素原子及び芳香族置換基から選ばれる少なくとも1種である。
本開示は、樹脂マスクが付着した被洗浄物を本開示に係る洗浄剤組成物で洗浄する工程を含む、樹脂マスクの洗浄方法に関する。
本開示は、プリント基板、ウエハ、及び金属板から選ばれる少なくとも1つの電子部品に対し、樹脂マスクを使用した半田付け及びメッキ処理のいずれか少なくとも1つの処理を行う工程、及び、前記電子部品を本開示に係る洗浄方法により洗浄する工程を含む、電子部品の製造方法に関する。
本開示によれば、樹脂マスクの除去性が優れ、金属の腐食及び変色を抑制できる樹脂マスク剥離用洗浄剤組成物を提供できる。そして、本開示に係る洗浄剤組成物を用いることによって、高い収率で高品質の電子部品が得られうる。
本開示は、上記式(I)で表される化合物(成分A)、上記式(II)で表される化合物(成分B)、炭素数1以上5以下のカルボン酸又はその塩(成分C)、上記式(III)で表される化合物(成分D)、上記式(IV)で表される化合物(成分E)及び水(成分F)を含有する洗浄剤組成物を用いることで、ドライフィルムレジスト等の樹脂マスクを効率よく除去でき、さらに金属の腐食及び変色を抑制できるという知見に基づく。
すなわち、本開示は、上記式(I)で表される化合物(成分A)、上記式(II)で表される化合物(成分B)、炭素数1以上5以下のカルボン酸又はその塩(成分C)、上記式(III)で表される化合物(成分D)、上記式(IV)で表される化合物(成分E)、及び水(成分F)を含有する、樹脂マスク剥離用洗浄剤組成物に関する。
本開示に係る洗浄剤組成物における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。アルカリ性の成分A及び成分Bは、はんだペーストやフラックス成分に含まれる酸成分や加熱により高分子量化した樹脂マスクの樹脂の結合を切断し、低分子量化する。そして、成分A及び水(成分F)が、低分子量化した樹脂マスクに浸透し、樹脂マスクを溶解することで、樹脂マスクを除去できると考えられる。また、はんだ金属の主成分である錫は強アルカリ水溶液に溶解するが、炭素数1以上5以下のカルボン酸又はその塩(成分C)の吸着により表面が保護され、アルカリ性の成分A及びBによる溶解反応が抑制されると推定される。さらに、成分D及び成分Eによって、微細配線等の金属の腐食及び変色を同時に抑制できると推定され、これにより、基板上に微細な回路の形成が可能になると考えられる。但し、本開示はこのメカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
[成分A:アミノアルコール]
本開示に係る洗浄剤組成物における成分Aは、下記式(I)で表される化合物である。
Figure 0006670100
上記式(I)において、R1は、水素原子、メチル基、エチル基及びアミノエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、R2は、水素原子、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、R3は、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種である。
成分Aとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン、並びにこれらのアルキル化物及びアミノアルキル化物等が挙げられる。成分Aの具体例としては、洗浄性向上の観点から、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−メチルモノイソプロパノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、N−エチルモノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−ジメチルモノエタノールアミン、N−ジメチルモノイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルジイソプロパノールアミン、N−ジエチルモノエタノールアミン、N−ジエチルモノイソプロパノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−エチルジイソプロパノールアミン、N−(β−アミノエチル)モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)モノイソプロパノールアミン、N−(β−アミノエチル)ジエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)ジイソプロパノールアミンから選ばれる少なくとも1種が好ましく、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−ジメチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン及びN−(β−アミノエチル)モノエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、モノエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンがさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の使用時における成分Aの含有量は、樹脂マスク除去性向上の観点から、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましく、2.5質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上がよりさらに好ましく、そして、金属腐食抑制の観点から、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示において「洗浄剤組成物の使用時における各成分の含有量」とは、洗浄時、すなわち、洗浄剤組成物を洗浄に使用する時点での各成分の含有量をいう。
[成分B:水酸化テトラアルキルアンモニウム]
本開示に係る洗浄剤組成物における成分Bは、下記式(II)で表される化合物である。
Figure 0006670100
上記式(II)において、R4、R5、R6及びR7は同一又は異なり、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種を示す。
成分Bとしては、例えば、分子中の炭素数が4以上8以下のテトラアルキルアンモニウムカチオンとヒドロキシドとからなる塩等が挙げられる。成分Bの具体例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、及びトリメチルエチルアンモニウムヒドロキシドから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、樹脂マスク除去性向上の観点から、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の使用時における成分Bの含有量は、樹脂マスク除去性向上の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.5質量%以上がさらに好ましく、1質量%以上がよりさらに好ましく、そして、金属腐食抑制の観点から、3質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下がさらに好ましく、1.2質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物中の成分Aの含有量と成分Bの含有量との比A/Bは、樹脂マスク除去性向上の観点から、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましく、2以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、50以下が好ましく、40以下がより好ましく、35以下がさらに好ましい。
[成分C:カルボン酸]
本開示に係る洗浄剤組成物における成分Cは、炭素数1以上5以下のカルボン酸又はその塩である。炭素数は、カルボン酸の全炭素数である。
成分Cのカルボン酸としては、樹脂マスク除去性向上及び金属変色抑制の観点から、モノカルボン酸、ジカルボン酸等が挙げられ、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリシン及びアラニンから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、ギ酸、酢酸、蓚酸及び琥珀酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらカルボン酸の塩としては、上記カルボン酸と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア及び有機アミン化合物から選ばれる少なくとも1種との塩が挙げられる。
本開示に係る洗浄剤組成物の使用時における成分Cの含有量は、金属腐食抑制の観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上がさらに好ましく、0.6質量%以上がよりさらに好ましく、そして、樹脂マスク除去性向上の観点から、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.1質量%以下がよりさらに好ましい。
[成分D:グリコールエーテル]
本開示に係る洗浄剤組成物における成分Dは、下記式(III)で表される化合物である。
8-O-(CH2CH2O)n-H (III)
上記式(III)において、R8は、炭素数3以上7以下の炭化水素基を示し、樹脂マスク除去性向上の観点から、炭素数4以上6以下の炭化水素基が好ましく、4以上6以下のアルキル基がより好ましい。nは付加モル数を示し、1以上5以下の整数であり、洗浄性向上及び安定性向上の観点から、1以上5以上の整数であって、2以上4以下が好ましく、2以上3以下がより好ましい。
成分Dとしては、炭素数3以上7以下の炭化水素基を有するグリコールエーテルが挙げられ、例えば、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、テトラエチレングリコールモノアルキルエーテル、ペンタエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノフェニルエーテル、ペンタエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコールモノベンジルエーテル、テトラエチレングリコールモノベンジルエーテル及びペンタエチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。成分Dの具体例としては、樹脂マスク除去及び金属変色抑制の観点から、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、モノエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテルが好ましく、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、モノエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルがより好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテルがさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の使用時における成分Dの含有量は、樹脂マスク除去性向上及び金属腐食抑制の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.25質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がよりさらに好ましい。
[成分E:イミダゾール系化合物]
本開示に係る洗浄剤組成物における成分Eは、下記式(IV)で表される化合物である。
Figure 0006670100
上記式(IV)において、R9、R10、R11及びR13は同一又は異なり、水素原子、炭素数1以上7以下のアルキル基、及び芳香族置換基から選ばれる少なくとも1種であって、R9及びR10のうち少なくとも一つが芳香族置換基であり、R12は、水素原子及び芳香族置換基から選ばれる少なくとも1種である。前記芳香族置換基としては、例えば、炭素数6以上10以下の芳香族置換基が挙げられ、具体的には、ベンジル基、フェニル基、フェネチル基及びナフチル基から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、ベンジル基及びフェニル基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
成分Eとしては、イミダゾール環の1位または2位に芳香族置換基を有するイミダゾール系化合物が挙げられ、例えば、イミダゾール環の1位または2位に炭素数6以上10以下の芳香族置換基を有するイミダゾール系化合物が挙げられる。成分Eの具体例としては、1−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、1−フェニル−2−アルキルイミダゾール、1−ベンジル−2−アルキルイミダゾール、1−アルキル−2−フェニルイミダゾール、1−アルキル−2−ベンジルイミダゾール、1−フェニル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−ベンジルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール等が挙げられ、金属変色抑制の観点から、1−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、2−ベンジルイミダゾール、1−フェニル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−メチル−2−フェニルイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルイミダゾール、及び2,4,5−トリフェニルイミダゾールから選ばれる少なくとも1種が好ましく、1−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、及び2,4,5−トリフェニルイミダゾールから選ばれる少なくとも1種がより好ましく、金属の腐食抑制及び変色抑制の観点から、1−フェニルイミダゾール、及び2−フェニルイミダゾールから選ばれる少なくとも1種がさらに好ましく、2−フェニルイミダゾールがよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の使用時における成分Eの含有量は、金属の腐食抑制及び変色抑制の観点から、0.05質量%以上が好ましく、0.07質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましく、0.25質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄組成物中の成分Eの含有量と、成分A及び成分Bの合計量との比E/(A+B)は、金属腐食抑制の観点から、0.005以上が好ましく、0.008以上がより好ましく、0.01以上がさらに好ましく、そして、成分Eの析出抑制(洗浄剤組成物の安定性)の観点から、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.1以下がさらに好ましい。
[成分F:水]
本開示に係る洗浄剤組成物における成分Fは、水である。水としては、イオン交換水、RO水、蒸留水、純水、超純水が使用されうる。水の含有量は、本開示に係る洗浄剤組成物の使用態様にあわせて適宜設定すればよい。
本開示に係る洗浄剤組成物の使用時における成分Fの含有量は、樹脂マスク除去性向上及び洗浄剤組成物を安定化する観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、97質量%以下が好ましく、96質量%以下がより好ましく、95.5質量%以下がさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤祖生物の使用時における成分Dの質量と成分Fの質量との比(D/F)が、樹脂マスク除去性向上及び金属腐食抑制の観点から、0.002以上であって、0.0025以上が好ましく、樹脂マスク除去性向上及び金属腐食抑制の観点、並びに洗浄剤組成物の安定性の観点から、0.1以下であって、0.08以下が好ましく、0.06以下がより好ましい。
[洗浄剤組成物のその他の成分]
本開示に係る洗浄剤組成物は、必要に応じてその他の成分を含有することができる。本開示に係る洗浄剤組成物の使用時におけるその他の成分の含有量は、0質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0質量%以上1.3質量%以下がさらに好ましく、0質量%以上1.0質量%以下がさらにより好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物におけるその他の成分としては、発泡性抑制の観点から、例えば、炭素数10〜18の炭化水素が挙げられ、具体的には、ドデセン、テトラデセンが挙げられる。
さらに、本開示に係る洗浄剤組成物は、本開示の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、通常洗浄剤に用いられる、ヒドロキシエチルアミノ酢酸、ヒドロキシエチルイミノ2酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸等のアミノカルボン酸塩等のキレート力を持つ化合物、防腐剤、防錆剤、殺菌剤、抗菌剤、シリコーン系消泡剤、酸化防止剤、ヤシ脂肪酸メチルや酢酸ベンジル等のエステルあるいはアルコール類等を適宜含有することができる。
[洗浄剤組成物の製造方法]
本開示に係る洗浄剤組成物は、前記成分A〜F及び必要に応じてその他の成分を公知の方法で配合することにより製造できる。例えば、本開示に係る洗浄剤組成物は、少なくとも前記成分A〜Fを配合してなる。したがって、本開示は、少なくとも前記成分A〜Fを配合する工程を含む、洗浄剤組成物の製造方法に関する。本開示において「配合する」とは、成分A〜F及び必要に応じてその他の成分を同時に又は任意の順に混合することを含む。本開示に係る洗浄剤組成物の製造方法において、各成分の配合量は、上述した本開示に係る洗浄剤組成物の各成分の含有量と同じとすることができる。
本開示に係る洗浄剤組成物の使用時のpHは、樹脂マスク除去性向上の観点から、10.0以上が好ましく、10.5以上がより好ましく、そして、金属腐食抑制の観点から、14以下が好ましく、13.5以下がより好ましく、12.0以下がさらに好ましい。本開示においてpHは、必要により、硝酸、硫酸等の無機酸、オキシカルボン酸、多価カルボン酸、アミノポリカルボン酸、アミノ酸等の成分C以外の有機酸、及びそれらの金属塩やアンモニウム塩、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミン等の成分A及びB以外の塩基性物質を適宜、所望量で配合することで調整することができる。
本開示に係る洗浄剤組成物は、分離や析出等を起こして保管安定性を損なわない範囲で成分Fの水の量を減らした濃縮物として調製してもよい。洗浄剤組成物の濃縮物は、輸送及び貯蔵の観点から、希釈倍率3倍以上の濃縮物とすることが好ましく、保管安定性の観点から、希釈倍率10倍以下の濃縮物とすることが好ましい。洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に成分A〜Fが上述した含有量(すなわち、洗浄時の含有量)になるよう水で希釈して使用することができる。さらに洗浄剤組成物の濃縮物は、使用時に各成分を別々に添加して使用することもできる。本開示において濃縮液の洗浄剤組成物の「使用時」又は「洗浄時」とは、洗浄剤組成物の濃縮物が希釈された状態をいう。
本開示に係る洗浄剤組成物が濃縮物として製造された場合には、その濃縮分だけ高くなりうる。本開示に係る洗浄剤組成物が濃縮物である場合、洗浄剤組成物の濃縮物中の成分Aの含有量は、樹脂マスク除去性向上の観点から、5質量%以上が好ましく、9質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、18質量%以上がよりさらに好ましく、そして、金属腐食抑制の観点から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物中の成分Bの含有量は、樹脂マスク除去性向上の観点から、0.3質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上がさらに好ましく、3質量%以上がよりさらに好ましく、そして、金属腐食抑制の観点から、10質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましく、6質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物中の成分Cの含有量は、金属腐食抑制の観点から、0.2質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、2質量%以上がよりさらに好ましく、そして、樹脂マスク除去性向上の観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1.5質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物中の成分Dの含有量は、樹脂マスク除去性向上及び金属腐食抑制の観点から、0.5質量%以上が好ましく、0.8質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物中の成分Eの含有量は、金属の腐食抑制及び変色抑制の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましく、0.3質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下がよりさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物中の成分Fの含有量は、樹脂マスク除去性向上及び洗浄剤組成物を安定化する観点から、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、そして、同様の観点から、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましい。
本開示に係る洗浄剤組成物の濃縮物のpHは、希釈後の洗浄性及び樹脂マスク除去性向上の観点から、10.0以上が好ましく、10.5以上がより好ましく、そして、希釈後の洗浄性及び金属腐食抑制の観点から、14以下が好ましく、13.5以下がより好ましく、12.0以下がさらに好ましい。
[被洗浄物]
本開示に係る洗浄剤組成物は、ドライフィルムレジスト等の樹脂マスクが付着した被洗浄物の洗浄に使用される。被洗浄物としては、例えば、電子部品及びその製造中間物が挙げられる。電子部品としては、例えば、プリント基板、ウエハ等の基板、銅板及びアルミニウム板等の金属板が挙げられる。前記製造中間物は、電子部品の製造工程における中間製造物であって、樹脂マスク処理後の中間製造物を含む。樹脂マスクが付着した被洗浄物の具体例としては、例えば、ドライフィルムレジスト等の樹脂マスクを使用した半田付けやメッキ処理(銅メッキ、ニッケルメッキ等)等の処理を行う工程を経ることにより、配線や接続端子等が基板表面に形成された電子部品等が挙げられる。
[樹脂マスク洗浄方法]
本開示は、樹脂マスクが付着した被洗浄物を本開示に係る洗浄剤組成物に接触させることを含む、樹脂マスクの洗浄方法に関する(以下、本開示に係る洗浄方法ともいう)。本開示に係る洗浄方法は、樹脂マスクが付着した被洗浄物を本開示に係る洗浄剤組成物で洗浄する工程を有する。被洗浄物に本開示に係る洗浄剤組成物を接触させる方法、又は、被洗浄物を本開示に係る洗浄剤組成物で洗浄する方法としては、例えば、洗浄剤組成物を入れた洗浄浴槽内へ浸漬することで接触させる方法や、洗浄剤組成物をスプレー状に射出して接触させる方法(シャワー方式)、浸漬中に超音波照射する超音波洗浄方法等が挙げられる。本開示に係る洗浄剤組成物は、希釈することなくそのまま洗浄に使用できる。本開示に係る洗浄方法は、洗浄剤組成物に被洗浄物を接触させた後、水でリンスし、乾燥する工程を含むことが好ましい。本開示に係る洗浄方法であれば、ドライフィルムレジスト等の樹脂マスクを効率よく除去できる。本開示に係る洗浄方法は、本開示に係る洗浄剤組成物の洗浄力が発揮されやすい点から、本開示に係る洗浄剤組成物と被洗浄物との接触時に超音波を照射することが好ましく、その超音波は比較的強いものであることがより好ましい。前記超音波の照射条件は、同様の観点から、例えば、26〜72Hz、80〜1500Wが好ましく、36〜72Hz、80〜1500Wがより好ましい。
[電子部品の製造方法]
本開示に係る電子部品の製造方法は、プリント基板、ウエハ、及び金属板から選ばれる少なくとも1つの電子部品に、樹脂マスクを使用した半田付け及びメッキ処理の少なくとも1つの処理を行う工程、及び、前記樹脂マスクが付着した電子部品を本開示に係る洗浄方法により洗浄する工程を含む。本開示に係る電子部品の製造方法は、本開示に係る洗浄方法を行うことにより、金属の腐食及び変色を抑制しながら、電子部品に付着した樹脂マスクを効果的に除去できるため、信頼性の高い電子部品の製造が可能になる。さらに、本開示に係る洗浄方法を行うことにより、電子部品に付着した樹脂マスクの除去が容易になることから、洗浄時間が短縮化でき、電子部品の製造効率を向上できる。
[キット]
本開示は、本開示に係る洗浄方法及び/又は本開示に係る電子部品の製造方法に使用するためのキットであって、本開示に係る洗浄剤組成物を構成する前記成分A〜Fのうちの少なくとも1成分が他の成分と混合されない状態で保管されている、キットに関する。
本開示に係るキットとしては、例えば、前記成分Aを含有する溶液(第1液)と、成分B〜Fを含有する溶液(第2液)とが、相互に混合されていない状態で保存されており、これらが使用時に混合されるキット(2液型洗浄剤組成物)が挙げられる。前記第1液及び第2液には、各々必要に応じて任意成分が含まれていても良い。該任意成分としては、例えば、増粘剤、分散剤、防錆剤、塩基性物質、界面活性剤、高分子化合物、可溶化剤、酸化防止剤、防腐剤、消泡剤、抗菌剤等が挙げられる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.洗浄剤組成物の調製(実施例1〜16及び比較例1〜13)
500mLガラスビーカーに有効分換算でモノエタノールアミン(成分A)48g、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(成分B)13g、ギ酸(成分C)5.7g、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(成分D)9g、2−フェニルイミダゾール(成分E)1.5g及び水(成分F)223.8gを添加し、それを攪拌して均一に混合することにより、実施例1の洗浄剤組成物の濃縮物を調製した。そして、実施例2〜16及び比較例1〜13の洗浄剤組成物の濃縮物を、実施例1と同様の方法により、表1に示す組成で調製した。各洗浄剤組成物の濃縮物中の各成分の含有量(質量%)を表1に示した。
次に、実施例1〜16及び比較例1〜13の洗浄剤組成物の濃縮物を水で4倍に希釈することにより、下記の各評価に使用する洗浄剤組成物を得た。各洗浄剤組成物(4倍希釈後)のpHを、表1に示した。pHは、25℃における洗浄剤組成物のpHであり、pHメータ(亜電波工業株式会社、HM−30G)を用いて測定し、電極を洗浄剤組成物に浸漬した後40分後の数値である。
洗浄剤組成物の成分として下記のものを使用した。
・モノエタノールアミン(成分A)(株式会社日本触媒製)
・モノイソプロパノールアミン(成分A)(三井化学ファイン株式会社製)
・トリエタノールアミン(非成分A)(株式会社日本触媒製)
・テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(成分B)(昭和電工株式会社製、TMAH(25%))
・ギ酸(成分C)(株式会社朝日化学工業所製、ギ酸88%)
・酢酸(成分C)(関東化学株式会社製、鹿1級)
・蓚酸(成分C)(関東化学株式会社製、しゅう酸(無水)、鹿1級)
・イソフタル酸(非成分C)(和光純薬工業株式会社製、和光一級)
・ジエチレングリコールモノブチルエーテル(成分D)(日本乳化剤株式会社製、ブチルジグリコール(BDG))
・トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(非成分D)(日本乳化剤株式会社製、メチルプロピレントリグリコール(MFTG))
・1−フェニルイミダゾール(成分E)(東京化成工業株式会社製)
・2−フェニルイミダゾール(成分E)(四国化成株式会社製、2PZ)
・2,4,5−トリフェニルイミダゾール(成分E)(東京化成工業株式会社製)
・1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(成分E)(東京化成工業株式会社製)
・4−フェニルイミダゾール(非成分E)(和光純薬工業株式会社製、和光一級)
・2−フェニル−4−メチルイミダゾール(非成分E)(四国化成株式会社製、2E4MZ)
・4,5−ジフェニルイミダゾール(非成分E)(和光純薬工業株式会社製)
・2−メチルイミダゾール(非成分E)(四国化成株式会社製、2MZ−H)
・2−メルカプトベンズイミダゾール(非成分E)(東京化成工業株式会社製)
・水(成分F)(オルガノ株式会社製純水装置G−10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水)
2.洗浄剤組成物の評価
調製した実施例1〜16及び比較例1〜13の洗浄剤組成物(4倍希釈後)の樹脂マスク除去性、金属腐食性を評価した。
[テストピースの作製]
厚膜レジスト形成用感光性フィルム (日立化成株式会社製、フォテック HM−4075、45mm×60mm×15μm)を銅板(太佑機材株式会社製、C1100P、55mm×75mm×1mm)の表面に下記条件でラミネートして、露光処理して硬化したテストピースを作製する。
・ラミネート:クリーンローラー(株式会社レヨーン工業製、RY−505Z)及び真空アプリケータ(ローム&ハース社製、VA7024/HP5)を用いてローラー温度50℃、ローラー圧1.4Bar、処理時間30秒で行った。
・露光処理:プリント基板用直接描画装置(株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ製、Mercurex LI−9500)を用い、露光量150mJ/cm2で露光を行った。
[樹脂マスク除去性評価]
50℃に加温した各洗浄剤組成物を液全体が動く程度に撹拌した状態で、テストピースを浸漬し、樹脂マスクの剥離状態を目視により観察し、樹脂マスクが完全に剥離にするまでに要した時間を剥離時間として計測した。計測結果を表1に示す。剥離時間が短いほど、樹脂マスクの除去性が高いことを示す。
[金属の腐食及び変色の評価]
50℃に加温した各洗浄剤組成物50mLに、銅板(太佑機材株式会社製、C1100P、50mm×20mm×0.8mm)を浸漬し、液全体が動く程度に1時間撹拌し、洗浄剤組成物中に溶出した銅の溶解量を測定する。測定結果を表1に示す。銅の溶解量が高いほど腐食が高いことを示す。さらに、処理後の銅板の表面を目視により観察し、金属の変色の有無を評価し、その結果を表1に示す。
<銅溶解量測定>
洗浄剤組成物中に溶出した銅の溶解量について、次のようにして測定する。先ず、洗浄剤組成物1gを20mL試験管(PP製)に精秤し、6N塩酸0.4gを加えて溶解して純水で10gにメスアップし測定試料を調製した。そして、測定試料中の銅の濃度をICP発光分析装置(パーキンエルマー社製、Optima5300)を用いて測定した。
Figure 0006670100
上記表1に示すとおり、実施例1〜16の洗浄剤組成物は、成分A〜Eのいずれかの成分を含まない比較例1〜13に比べて、樹脂マスク除去性に優れ、かつ、金属の腐食及び変色が抑制されていた。
本開示を用いることにより、金属の腐食及び変色を抑制しながら、樹脂マスクを効率よく除去できる。よって、本開示の洗浄剤組成物は、電子部品の製造工程で用いられる洗浄剤組成物として有用であり、樹脂マスクが付着した電子部品の洗浄工程の短縮化及び製造される電子部品の性能・信頼性の向上が可能となり、半導体装置の生産性を向上できる。

Claims (7)

  1. 下記式(I)で表される化合物(成分A)、下記式(II)で表される化合物(成分B)、炭素数1以上5以下のカルボン酸又はその塩(成分C)、下記式(III)で表される化合物(成分D)、1−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、及び2,4,5−トリフェニルイミダゾールから選ばれる少なくとも1種の化合物(成分E)、及び水(成分F)を含有する、樹脂マスク剥離用洗浄剤組成物。
    Figure 0006670100
    上記式(I)において、R1は、水素原子、メチル基、エチル基及びアミノエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、R2は、水素原子、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種であり、R3は、ヒドロキシエチル基及びヒドロキシプロピル基から選ばれる少なくとも1種である。
    Figure 0006670100
    上記式(II)において、R4、R5、R6及びR7は同一又は異なり、メチル基及びエチル基から選ばれる少なくとも1種を示す。
    8-O-(CH2CH2O)n-H (III)
    上記式(III)において、R8は、炭素数3以上7以下の炭化水素基であり、nは付加モル数であって1以上5以下の整数である。
  2. 使用時における成分Dの質量と成分Fの質量との比(D/F)が0.002以上0.1以下である、請求項1に記載の樹脂マスク剥離用洗浄剤組成物。
  3. 少なくとも、前記化合物(成分A)、前記化合物(成分B)、前記カルボン酸又はその塩(成分C)、前記化合物(成分D)、前記化合物(成分E)、及び前記水(成分F)を配合してなる、請求項1又は2に記載の樹脂マスク剥離用洗浄剤組成物。
  4. 樹脂マスクが付着した被洗浄物を請求項1から3のいずれかに記載の洗浄剤組成物で洗浄する工程を含む、樹脂マスクの洗浄方法。
  5. 被洗浄物が、電子部品の製造中間物である、請求項4に記載の洗浄方法。
  6. プリント基板、ウエハ、及び金属板から選ばれる少なくとも1つの電子部品に対し、樹脂マスクを使用した半田付け及びメッキ処理のいずれか少なくとも1つの処理を行う工程、及び、前記電子部品を請求項4又は5に記載の洗浄方法により洗浄する工程を含む、電子部品の製造方法。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載の洗浄剤組成物の、電子部品の製造への使用。
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