JP6670075B2 - キャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器並びにキャップ用ライナーの製造方法 - Google Patents

キャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器並びにキャップ用ライナーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に液だれ現象を防止可能なキャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器並びにキャップ用ライナーの製造方法に関する。
一般に、飲料用等のキャップ付きボトルのキャップには、ボトルの口部をシールするライナーが設置されている。
近年、このようなキャップの開栓時に、内容液の液だれ等が発生することを防ぐために、種々の提案が行われている。例えば、特許文献1には、キャップ付きボトルのキャップの内面側に設けられるライナーに撥水性物質を含有させ、内容液の接触角を高めてライナーに付着しようとする内容液をはじくことで、液だれを抑制する技術が提案されている。
また、特許文献2には、液体内容物を収納する容器の抽出用開口部を覆うように剥離可能に密封するタブ蓋材において、容器と貼着する下側面に微細な凹凸構造を設けて撥水性を持たせた技術が記載されている。
さらに、特許文献3には、転写法によって一次凹凸と、二次凹凸とが形成され、二次凹凸が微細な繊毛状とされているプラスチック成形体が記載されている。なお、このプラスチック成形体は、ボトルの口部やキャップ本体に適用されている。
特開2005−67616号公報 特開2009−107695号公報 特開2015−80929号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、ライナーの材料自体に撥水性物質を含有させる場合、ライナー全体が撥水性を有することになり、部分的に撥水性を持たせることが難しいと共に、含有させる撥水性物質によって材料の特性(密封性や柔軟性等)が変わるおそれもあった。また、ライナーではなく蓋材の下面に微細な凹凸構造を設ける場合、ライナーを蓋材内に設置すると、ライナー自体に内容液が付着して液だれすることを防止できないという不都合があった。さらに、ライナーに微細な繊毛状の凹凸を形成する場合、表面積が大きくなり過ぎて飲料中の有用成分(例えば香料)が吸着されてフレーバー性を悪くしたり、微細な繊毛状の凸部が飲料中に脱落するおそれもあった。また、針状のものでエンボスを行う場合では、水滴との接触面が平坦になり、性能が十分に発揮されない可能性があり、特にキャップ内側のように弾性変形する軟質材料では、針状のものでエンボスをしても復元してしまい、十分な撥水性を得ることが困難になる可能性もあった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、撥水性物質を用いないと共に、フレーバー性の劣化やライナーの微細な材料の脱落がなく、十分な撥水性を得ることができるキャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器並びにキャップ用ライナーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るキャップ用ライナーは、内容液を入れた容器本体の口部を封じ天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体内に設けられるキャップ用ライナーであって、前記容器本体側に露出する面の少なくとも一部に、前記内容液に対する接触角が平坦面よりも大きいと共に複数の微細な断面円弧状の凸部が配列されて構成された撥水領域を有していることを特徴とする。
本発明のキャップ用ライナーでは、容器本体側に露出する面の少なくとも一部に、内容液に対する接触角が平坦面よりも大きいと共に複数の微細な断面円弧状の凸部が配列されて構成された撥水領域を有しているので、表面が凸曲面で構成された凸部と水滴との接触面積が矩形状凹凸などの平坦面で構成された凹凸よりも小さくなり、いわゆるロータス効果による高い撥水性を得ることができる。すなわち、ライナーに付着した内容液が、撥水領域の凸部で生じる撥水性により略球状となって開栓時に素早く缶内に流れ落ちることで、液だれ等の現象を抑制することができる。また、微細な繊毛状の凹凸のように脱落の心配や香料等の吸着によるフレーバー性の劣化も無い。さらに、型押し成形によって断面円弧状の凸部を容易にライナー表面に形成可能である。
第2の発明に係るキャップ用ライナーは、第1の発明において、前記断面円弧状の凸部が、格子状又は千鳥状に配列された複数のドット状の凸部であることを特徴とする。
すなわち、このキャップ用ライナーでは、断面円弧状の凸部が、格子状又は千鳥状に配列された複数のドット状の凸部であるので、配列された凸部が水滴を少なくとも3点支持又は4点支持することで極めて小さい接触面積となり、高い撥水性が得られる。
第3の発明に係るキャップ用ライナーは、第1又は第2の発明において、前記天板部の内面側に配される摺動層と、前記摺動層に積層され前記摺動層よりも柔軟な密封層とを備え、前記撥水領域が、前記密封層の表面に成形されていることを特徴とする。
すなわち、このキャップ用ライナーでは、柔軟な密封層の表面に撥水領域が形成されているので、凸部の成形が容易であると共に高いシール性が得られる。
第4の発明に係るキャップ用ライナーは、第3の発明のキャップ用ライナーにおいて、前記撥水領域が、少なくとも前記口部が当接する部分に形成されていることを特徴とする。
すなわち、このキャップ用ライナーでは、撥水領域が、少なくとも口部が当接する部分に形成されているので、高いシール性と撥水性とが得られる。なお、口部に当接した凸部は弾性を有して柔軟であることから、潰れると共に口部に密着して高いシール性を維持することができ、開栓後は、潰れた凸部が弾性によってある程度復元することで撥水性が完全に失われてしまうことも防止できる。
第5の発明に係るキャップ用ライナーは、第1から第4の発明のいずれかにおいて、外周縁に沿って環状に形成されている半径方向外側の厚肉部と、前記厚肉部の内側の薄肉部と、前記薄肉部と前記厚肉部との間で前記薄肉部に対して垂直な段差面を有した段差部とを有し、前記撥水領域が、前記薄肉部と前記厚肉部との表面に形成され、前記段差面に形成されていないことを特徴とする。
すなわち、このキャップ用ライナーでは、撥水領域が、薄肉部と厚肉部との表面に形成され、段差面に形成されていないので、撥水性の高い薄肉部と厚肉部との表面で水滴が弾かれて滑るが、撥水性が低い段差部では水滴が捕捉されて垂れ難くなる。このため、ライナーが傾斜しても段差部で水滴が保持されて液だれが生じ難い。
第6の発明に係るキャップ用ライナーは、第1から第5の発明のいずれかにおいて、前記撥水領域が、外周縁に沿った環状の領域に形成され、前記環状の領域の内側に、半径方向外側に向けて放射状に延在する複数の溝パターンが形成されていることを特徴とする。
すなわち、このキャップ用ライナーでは、撥水領域が、外周縁に沿った環状の領域に形成され、環状の領域の内側に、半径方向外側に向けて放射状に延在する複数の溝パターンが形成されているので、複数の溝パターンが水滴を半径方向外側の撥水領域に向けてガイドし、撥水領域まで達した水滴が弾かれることで、液だれをさらに抑制することができる。なお、成形時にパンチを押し当てて放射状の複数の溝パターンを形成することで、溶融したライナー材料の半径方向外側への流れ性を確保することができ、ライナーの外周縁までしっかりと溶融したライナー材料を行き渡らせることができる。
第7の発明に係るキャップ用ライナーの製造方法は、第1から第6の発明のキャップ用ライナーを製造する方法であって、前記天板部の内面側に配される前記摺動層となる硬質シート上に、前記硬質シートよりも柔軟な密封層を積層する密封層形成工程を有し、前記密封層形成工程で、前記密封層となる溶融樹脂を前記硬質シート上に滴下し、パンチで前記溶融樹脂を型押し成形して前記密封層及び前記断面円弧状の凸部を成形することを特徴とする。
すなわち、このキャップ用ライナーの製造方法では、密封層形成工程で、密封層となる溶融樹脂を硬質シート上に滴下し、パンチで溶融樹脂を型押し成形して密封層及び断面円弧状の凸部を成形するので、密封層の形成と同時に微細な複数の凸部を容易に成形することができる。
第8の発明に係るライナー付きキャップは、容器本体の口部を封じるライナー付きキャップであって、天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体と、前記天板部の内面に設けられたライナーとを備え、前記ライナーが、第1から第6の発明のいずれかのキャップ用ライナーであることを特徴とする。
すなわち、ライナー付きキャップでは、ライナーが、第1から第6の発明のいずれかのキャップ用ライナーであるので、開栓時の液だれを抑制することができる。
なお、容器本体に内容液を充填し、口部を封止した後に熱処理をかけても、ライナーの撥水性を得ることができる。特に、レトルト処理(100℃を超える熱処理)を行ってもライナーの撥水性が得られる。さらに、充填品を輸送したり、ベンダー等で横置きにしたりして、繰り返し内容液がライナーに付着しても性能が低下し難い。
第9の発明に係るキャップ付き容器は、容器本体の口部にキャップを装着したキャップ付き容器であって、前記キャップが、第8の発明のライナー付きキャップであることを特徴とする。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るキャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器によれば、容器本体側に露出する面の少なくとも一部に、内容液に対する接触角が平坦面よりも大きいと共に複数の微細な断面円弧状の凸部が配列されて構成された撥水領域を有しているので、高い撥水性が得られて液だれを抑制できると共に、凹凸一部の脱落の心配やフレーバー性の劣化も無い。
また、本発明に係るキャップ用ライナーの製造方法によれば、パンチで溶融樹脂を型押し成形して密封層及び断面円弧状の凸部を成形するので、型押し成形によって断面円弧状の凸部を容易に密封層と同時に形成可能である。
本発明に係るキャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器並びにキャップ用ライナーの製造方法の第1実施形態において、キャップ用ライナーを示す要部の拡大断面図である。 第1実施形態において、キャップ用ライナーを示す要部の断面図である。 第1実施形態において、口部にライナー付きキャップをキャッピングした状態の半分を示す断面図である。 第1実施形態において、撥水領域の一部を示す拡大平面図である。 本発明に係るキャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器並びにキャップ用ライナーの製造方法の第2実施形態において、キャップ用ライナーを示す断面図(a)及び平面図(b)である。 第2実施形態において、キャップ用ライナーを示す要部の拡大断面図である。 本発明に係るキャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器並びにキャップ用ライナーの製造方法の第3実施形態において、キャップ用ライナーを示す平面図である。 本発明に係るキャップ用ライナー及びその製造方法の実施例において、撥水領域の凸部を示すSEM観察画像である。 本発明に係るキャップ用ライナー及びその製造方法の比較例を示すSEM観察画像である。 本発明に係るキャップ用ライナー及びその製造方法の実施例において、水滴の接触角を観察した光学写真である。 本発明に係るキャップ用ライナー及びその製造方法の比較例において、水滴の接触角を観察した光学写真である。
以下、本発明に係るキャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器並びにキャップ用ライナーの製造方法の第1実施形態を、図1から図4を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために一部について縮尺を適宜変更している。
本実施形態のキャップ用ライナー1は、図1から図3に示すように、例えばアルミニウム製ボトル缶(いわゆるアルミ缶)用であって、内容液を入れた容器本体4の口部5を封じ天板部6aと該天板部6aの周縁から垂下した筒状周壁部6bとからなるキャップ本体6内に設けられるものである。
このキャップ用ライナー1は、全体が合成樹脂で円盤状に形成され、キャップ本体6に対して回転自由に設置される。
上記キャップ用ライナー1は、図2及び図3に示すように、天板部6aの内面側に配される摺動層2と、摺動層2に積層され摺動層2よりも柔軟な密封層3とを備えている。
上記密封層3は、円盤状に一定厚さで形成された第1平坦部3aと、第1平坦部3aの半径方向外側であって少なくとも口部5の上端が接触する部分に第1平坦部3aよりも厚く平坦に形成された第2平坦部3bと、第2平坦部3bの半径方向内側に形成され外周に向かって漸次厚くなる傾斜部3cとを有している。第1平坦部3aと第2平坦部3bとの厚さ差は、例えば0.55mmに設定されている。
なお、図1及び図2では、キャップ用ライナー1の容器本体4側の面を上側にして図示している。
また、キャップ用ライナー1は、容器本体4側に露出する面の少なくとも一部に、図1に示すように、内容液に対する接触角が平坦面よりも大きいと共に複数の微細な断面円弧状の凸部3dが配列されて構成された撥水領域WRを有している。なお、図1では、断面円弧状、すなわち断面ドーム状の凸部3dの上に、イメージし易いように内容液の水滴Wを示しているが、実際は水滴Wに比べて凸部3dは非常に微細である。
上記凸部3dは、突起高さが20〜100μm、凸部3dの直径が20〜50μm、凸部3d間のピッチが20〜200μmの範囲に設定されることが好ましい。例えば、上記凸部3dは、突起高さが50μmで、凸部3dの直径が50μm、凸部3d間のピッチが200μmに設定される。
上記撥水領域WRは、少なくとも口部5が当接する部分に形成されており、本実施形態では、撥水領域WRが密封層3の上記露出した表面全体に成形されている。
上記断面円弧状の凸部3dは、図4に示すように、格子状に配列された複数のドット状の凸部である。なお、複数の凸部3dを千鳥状に配列しても構わない。
上記摺動層2は、PP(ポリプロピレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、各種ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PAN(ポリアクリロニトリル)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)等の硬質の合成樹脂で形成される。
上記密封層3としては、エラストマー又は樹脂とエラストマーとのブレンド等が採用され、エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、塩ビ系エラストマー等が採用可能である。
また、本実施形態のライナー付きキャップ10は、図3に示すように、容器本体4の口部5を封じるライナー付きキャップであって、上記の天板部6aと該天板部6aの周縁から垂下した筒状周壁部6bとからなるキャップ本体6と、天板部6aの内面に設けられた上記ライナー1とを備えている。
上記筒状周壁部6bは、ナール(図示略)、ライナー係止突起6c、ミシン目(図示略)、ビード(図示略)及びスカート部6eを備えている。上記ライナー係止突起6cは、筒状周壁部6bの内側に凹んだ断面三角形状または半円形状をなし、周方向に間隔をおいて複数個配され内方に突出形成されたものであり、ライナー1をその下面側から支持する機能と缶内圧力を放出するベント機能と実質上の洗浄口の役目とを有する。
本実施形態のキャップ用ライナー1の製造方法は、天板部6aの内面側に配される摺動層2となる硬質シート上に、硬質シートよりも柔軟な密封層3を積層する密封層形成工程を有している。
上記密封層形成工程では、密封層3となる溶融樹脂を硬質シート上に滴下し、パンチで溶融樹脂を型押し成形して密封層3及び断面円弧状の凸部3dを成形する。
例えば、金型となるパンチの成形面にレーザ加工によって断面円弧状の凹部を複数形成しておく。この際、規則的な模様として、格子状又は千鳥状に配列するようにパンチの成形面に複数のドット状の凹部又は線状の凹部を形成しておく。
インシェルモールド方式でライナー1を設置する場合、インシェルモールド工程で押出機から押し出され溶融されたエラストマー等軟質樹脂の一定量を、摺動層2の硬質シートが挿入されたキャップ本体6に入れ、直ちに冷却された金型であるパンチで、上記第1平坦部3a、第2平坦部3b及び傾斜部3cを有した形状の密封層3を形作ると共に、複数の断面円弧状の凸部3dを形成する。
本実施形態のキャップ付き容器20は、図3に示すように、容器本体4の口部5にキャップ10を装着したアルミニウム製ボトル缶等である。すなわち、このキャップ付き容器20は、上記キャップ10を口金部である口部5にキャッピング加工して巻き締めた状態で備えている。
上記口部5の上端部には、外側に折り返したカール部5aが形成されている。このカール部5aは、口部5の上端部をカールさせるカール加工と、カールした部分をかしめるスロットル加工とで形成される。したがって、カール部5aの外周面は、スロットル加工により平坦面を有している。このカール部5aの外周面に第2平坦部3bが面接触して密着している。
また、上記キャップ10は、天板部6aの周縁をライナー1と共に前記垂下の方向に肩絞り加工で変形させられている。
上記キャッピング加工工程は、プレッシャーブロック、ネジローラー、スカートローラー等からなるキャッピング装置を用いて行われる。
すなわち、口部5に被せたキャップ10の天板部6aを、プレッシャーブロックでボトル底部の方向に押圧し、この状態でプレッシャーブロックによる絞り加工により、キャップ10の肩部にキャップ傾斜部を形成する。さらに、この状態でネジローラーによりネジ部を形成し、スカートローラーで口部5のカブラ部5cにスカート部6eを巻きつけることで、キャッピング加工が行われる。
このようにキャップ10が口部5に巻きつけられることにより、キャップ10は天板部6aの内面側のライナー1が口部5に圧接される状態になる。これによりキャップ付き容器20の内容物が密封された状態になる。なお、内容物の充填は、当然にキャップ10をキャップ付き容器20に被せる直前に行われる。
一方、開栓するときは、キャップ10を回してミシン目から切断し、キャップ10を口部5から外すことにより、口部5が開栓され内容物が取り出されることになる。そして、取り外したキャップ10を口部5に再び取り付けることにより、再閉栓することが可能になっている。
このように本実施形態のキャップ用ライナー1では、容器本体4側に露出する面の少なくとも一部に、内容液に対する接触角が平坦面よりも大きいと共に複数の微細な断面円弧状の凸部3dが配列されて構成された撥水領域WRを有しているので、表面が凸曲面で構成された凸部3dと水滴Wとの接触面積が矩形状凹凸などの平坦面で構成された凹凸よりも小さくなり、いわゆるロータス効果による高い撥水性を得ることができる。すなわち、ライナー1に付着した内容液が、撥水領域WRの凸部3dで生じる撥水性により略球状となって開栓時に素早く容器20内に流れ落ちることで、液だれ等の現象を抑制することができる。また、微細な繊毛状の凹凸のように脱落の心配や香料等の吸着によるフレーバー性の劣化も無い。
また、断面円弧状の凸部3dが、格子状又は千鳥状に配列された複数のドット状の凸部であるので、配列された凸部3dが水滴Wを少なくとも3点支持又は4点支持することで極めて小さい接触面積となり、高い撥水性が得られる。
また、柔軟な密封層3の表面に撥水領域WRが形成されているので、凸部3dの成形が容易であると共に高いシール性が得られる。
特に、撥水領域WRが、少なくとも口部5が当接する部分に形成されているので、高いシール性と撥水性とが得られる。なお、口部5に当接した凸部3dは弾性を有して柔軟であることから、潰れると共に口部5に密着して高いシール性を維持することができ、開栓後は、潰れた凸部3dが弾性によって元に戻ることで高い撥水性が得られる。
さらに、このキャップ用ライナー1の製造方法では、密封層形成工程で、密封層3となる溶融樹脂を硬質シート上に滴下し、パンチで溶融樹脂を型押し成形して密封層3及び断面円弧状の凸部3dを成形するので、密封層3の形成と同時に微細な複数の凸部3dを容易に成形することができる。
また、容器本体4に内容液を充填し、キャップ10で口部5を封止した後に熱処理をかけても、ライナー1の撥水性を得ることができる。特に、レトルト処理(100℃を超える熱処理)を行ってもライナー1の撥水性が得られる。さらに、充填品を輸送したり、ベンダー等で横置きにしたりして、繰り返し内容液がライナー1に付着しても性能が低下し難い。
次に、本発明に係るキャップ用ライナー、ライナー付きキャップ及びキャップ付き容器並びにキャップ用ライナーの製造方法の第2及び第3実施形態について、図5から図7を参照して以下に説明する。なお、以下の各実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、密封層3が傾斜部3cを有し、この傾斜部3cの表面にも撥水領域WRが形成されているのに対し、第2実施形態のキャップ用ライナー21は、図5及び図6に示すように、密封層23に傾斜部が無く、第1平坦部23aと第2平坦部23bとの間に傾斜部が無く、垂直な段差面とされ、この段差面には撥水領域が形成されていない点である。
すなわち、第2実施形態では、外周縁に沿って環状に形成されている半径方向外側の厚肉部である第2平坦部23bと、厚肉部の内側の薄肉部である第1平坦部23aと、薄肉部の第1平坦部23aと厚肉部の第2平坦部23bとの間で薄肉部の第1平坦部23aに対して垂直な段差面を有した段差部23cとを有している。
また、撥水領域WR1が、薄肉部の第1平坦部23aの表面に形成され、撥水領域WR2が、厚肉部の第2平坦部23bの表面に形成され、段差部23cの段差面に撥水領域が形成されていない。
したがって、第2実施形態のキャップ用ライナー21では、撥水領域WR1,WR2が、薄肉部の第1平坦部23aと厚肉部の第2平坦部23bとの表面に形成され、段差面に撥水領域が形成されていないので、図6に示すように、撥水性の高い第1平坦部23aと第2平坦部23bとの表面で水滴Wが弾かれて滑るが、撥水性が低い段差部23cでは水滴Wが捕捉されて垂れ難くなる。このため、ライナー21が傾斜しても段差部23cで水滴Wが保持されて液だれが生じ難い。
次に、第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、密封層3が第1平坦部3aと第2平坦部3bと傾斜部3cとで構成され各表面に撥水領域WRが形成されているのに対し、第3実施形態のキャップ用ライナー31では、図7に示すように、撥水領域が、中央の円形の撥水領域WR3と、外周縁に沿った環状の撥水領域WR4とに分けて形成され、環状の撥水領域WR4の内側に、半径方向外側に向けて放射状に延在する複数の溝パターン33eが形成された環状のガイド領域33cを設けている点である。
第3実施形態では、密封層33が段差構造を有さず、撥水領域WR3と撥水領域WR4との厚さは同じに設定されており、ガイド領域33cの厚さも溝パターン33e以外はこれらと略同じに設定されている。なお、第1実施形態のように、ガイド領域33cを傾斜部として撥水領域WR3よりも撥水領域WR4が厚い段差構造にしても構わない。
上記溝パターン33eは、パンチの成形面の所定環状領域に放射線状に延在する複数の突条部を形成しておき、成形時に密封層33のガイド領域33cに転写することで形成される。
このように第3実施形態のキャップ用ライナー31では、撥水領域WR4が、外周縁に沿った環状の領域に形成され、環状の領域の内側に、半径方向外側に向けて放射状に延在する複数の溝パターン33eが形成されているので、複数の溝パターン33eが水滴Wを半径方向外側(図7の矢印方向)の撥水領域WR4に向けてガイドし、撥水領域WR4まで達した水滴Wが弾かれることで、液だれをさらに抑制することができる。なお、成形時にパンチを押し当てて放射状の複数の溝パターン33eを形成することで、溶融したライナー材料の半径方向外側への流れ性を確保することができ、ライナー31の外周縁までしっかりと溶融したライナー材料を行き渡らせることができる。
本発明に係るキャップ用ライナー及びその製造方法の実施例について、図8から図11を参照して説明する。
本発明の実施例として、密封層の表面に撥水領域の凸部をパンチによる転写で形成したものを作製した。上記パンチとしては、成形面(パンチ面)にレーザ加工によって断面円弧状の溝を格子状に形成したものを使用した。
このパンチでは、レーザ加工で格子状に形成された溝の縦線溝と横線溝とが交差した格子点部分において、二度のレーザ光照射が行われたため、線状の溝部分に比べて深い断面円弧状のドット状凹部が形成されている。このため、このパンチの成形面で転写された密封層の撥水領域では、図8に示すように、格子状の複数の突条部と、これらの格子点部分に形成された断面円弧状の凸部とが形成されている。また、これらドット状の凸部は、線状の突条部よりも高く突出しており、水滴が付着した際に、これらドット状の凸部に水滴が接触する。
この実施例のライナー上に、水滴を滴下した際に、その接触角を光学顕微鏡で観察した結果を、図10に示す。
なお、比較例として、図9に示すように、密封層の表面に撥水領域を形成していない平坦面としたものについても、同様に接触角を観察した。その結果を、図11に示す。
これらの観察結果から分かるように、撥水領域を有さない比較例のライナーでは、水滴に対する接触角が96°であったが、複数の断面円弧状の凸部で構成された撥水領域を有する本発明の実施例のライナーでは、水滴に対する接触角が125°と大きくなり、高い撥水性が得られている。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態及び上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1,21,31…キャップ用ライナー、2…摺動層、3…密封層、3a…第1平坦部(薄肉部)、3b…第2平坦部(厚肉部)、3c…傾斜部、3d…凸部、4…容器本体、5…口部、6…キャップ本体、6a…天板部、6b…筒状周壁部、10…ライナー付きキャップ、20…キャップ付き容器、23c…段差部、33e…溝パターン、WR,WR1,WR2,WR3,WR4…撥水領域

Claims (8)

  1. 内容液を入れた容器本体の口部を封じ天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体内に設けられるキャップ用ライナーであって、
    前記容器本体側に露出する面の少なくとも一部に、前記内容液に対する接触角が平坦面よりも大きいと共に複数の微細な断面円弧状の凸部が配列されて構成された撥水領域を有し
    外周縁に沿って環状に形成されている半径方向外側の厚肉部と、前記厚肉部の内側の薄肉部と、前記薄肉部と前記厚肉部との間で前記薄肉部に対して垂直な段差面を有した段差部とを有し、
    前記撥水領域が、前記薄肉部と前記厚肉部との表面に形成され、前記段差面に形成されていないことを特徴とするキャップ用ライナー。
  2. 内容液を入れた容器本体の口部を封じ天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体内に設けられるキャップ用ライナーであって、
    前記容器本体側に露出する面の少なくとも一部に、前記内容液に対する接触角が平坦面よりも大きいと共に複数の微細な断面円弧状の凸部が配列されて構成された撥水領域を有し、
    前記撥水領域が、外周縁に沿った環状の領域に形成され、
    前記環状の領域の内側に、半径方向外側に向けて放射状に延在する複数の溝パターンが形成されていることを特徴とするキャップ用ライナー。
  3. 請求項1又は2に記載のキャップ用ライナーにおいて、
    前記断面円弧状の凸部が、格子状又は千鳥状に配列された複数のドット状の凸部であることを特徴とするキャップ用ライナー。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のキャップ用ライナーにおいて、
    前記天板部の内面側に配される摺動層と、
    前記摺動層に積層され前記摺動層よりも柔軟な密封層とを備え、
    前記撥水領域が、前記密封層の表面に成形されていることを特徴とするキャップ用ライナー。
  5. 請求項に記載のキャップ用ライナーにおいて、
    前記撥水領域が、少なくとも前記口部が当接する部分に形成されていることを特徴とするキャップ用ライナー。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載のキャップ用ライナーを製造する方法であって、
    前記天板部の内面側に配される摺動層となる硬質シート上に、前記硬質シートよりも柔軟な密封層を積層する密封層形成工程を有し、
    前記密封層形成工程で、前記密封層となる溶融樹脂を前記硬質シート上に滴下し、パンチで前記溶融樹脂を型押し成形して前記密封層及び前記断面円弧状の凸部を成形することを特徴とするキャップ用ライナーの製造方法。
  7. 容器本体の口部を封じるライナー付きキャップであって、
    天板部と該天板部の周縁から垂下した筒状周壁部とからなるキャップ本体と、
    前記天板部の内面に設けられたライナーとを備え、
    前記ライナーが、請求項1からのいずれか一項に記載のキャップ用ライナーであることを特徴とするライナー付きキャップ。
  8. 容器本体の口部にキャップを装着したキャップ付き容器であって、
    前記キャップが、請求項に記載のライナー付きキャップであることを特徴とするキャップ付き容器。
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