JP6668089B2 - 沈下追従可能な補強土壁およびその工法 - Google Patents

沈下追従可能な補強土壁およびその工法 Download PDF

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この発明は、沈下追従可能な補強土壁およびその工法に係り、特に擁壁壁面を形成する壁面材の正面側に補強材(抗張部材)の一端部を突出して配置する沈下追従可能な補強土壁およびその工法に関する。
従来、盛土を使用した壁面材による補強土壁には、擁壁壁面を形成する壁面材を使用し、壁面材の背面に取付具によって補強材(抗張部材)の一端部を取り付け、補強材の他端部を壁面材の背面から離間する方向に展張するとともにアンカープレートに設け、壁面材の背面側に盛土を投入転圧し、補強材及びアンカープレートを盛土で埋設して構築されるものがある。
このような補強土壁としては、例えば、以下のような先行技術文献がある。
特許第5641563号公報
ところが、従来、補強土壁において、壁面材の背面に設けられた取付具に補強材の一端部を取り付けていることから、盛土中の補強材の健全性を確認することができず、このため、補強土壁の維持・管理が困難になるという不都合があった。
そこで、この発明は、補強土壁の維持・管理を容易にするとともに、補強材が損傷するおそれをなくすることができる沈下追従可能な補強土壁およびその工法を提供することを目的とする。
この発明は、擁壁壁面を形成する壁面材に補強材の一端部を設け、前記補強材の他端部を前記壁面材の背面から離間する方向に展張して配設し、前記壁面材の背面側に盛土を投入転圧して前記補強材を埋設する補強土壁において、前記壁面材には前記補強材を挿通するための貫通孔を設け、前記壁面材の前記貫通孔に挿通されて前記壁面材の正面側に突出した前記補強材の一端部には支圧板を設け、前記壁面材には空間部を前記貫通孔に連ねて設け、前記空間部が、前記壁面材の正面側から背面側に向けて直線状又は曲線状に傾斜するテーパー部を有し、前記テーパー部によって、前記壁面材又は前記盛土の沈下に伴う前記補強材の湾曲変形を許容可能に構成したことを特徴とする。
この発明は、補強材の一端部が壁面材の正面側に突出していることから、補強材を引っ張るなどして盛土中の補強材の健全性を確認することができ、補強土壁の維持・管理を容易にするとともに、壁面材又は盛土が沈下した場合に、補強材の動きが空間部によって許容されることから、補強材に過度な応力が作用することがなくなり、補強材が損傷するおそれをなくすることができる。
図1は片面(独立式)の補強土壁の断面図である。(実施例1) 図2はアンカープレートが備えられた補強材を壁面材に取り付けた状態の一部拡大断面図である。(実施例1) 図3は複数の壁面材を並設した状態の一部拡大正面図である。(実施例1) 図4は上下の壁面材を積層する際の斜視図である。(実施例1) 図5は壁面材に補強材を取り付けた状態の断面図である。(実施例1) 図6は壁面材に補強材を取り付けた状態の正面図である。(実施例1) 図7は補強土壁の工法の流れを示す図である。(実施例1) 図8は盛土が沈下した際の補強材の変位・動きを示す断面図である。(実施例1) 図9は壁面材に補強材を取り付けた状態の断面図である。(実施例2) 図10は壁面材に補強材を取り付けた状態の断面図である。(実施例3) 図11は壁面材に補強材を取り付けた状態の断面図である。(実施例4) 図12は両面(独立式)の補強土壁の断面図である。(変形例1) 図13は両面(緊結式)の補強土壁の断面図である。(変形例2) 図14は壁面材に補強材を取り付けた状態の断面図である。(変形例3) 図15は壁面材に補強材を取り付けた状態の断面図である。(変形例4) 図16は壁面材の斜視図である。(変形例5) 図17は壁面材に補強材を取り付けた状態の正面図である。(変形例6) 図18は壁面材に補強材を取り付けた状態の正面図である。(変形例7) 図19は壁面材に補強材を取り付けた状態の断面図である。(変形例8) 図20は壁面材に補強材を取り付けた状態の正面図である。(変形例8)
この発明は、補強土壁の維持・管理を容易にするとともに、補強材が損傷するおそれをなくする目的を、補強材の一端部を壁面材の正面側に突出するとともに、壁面材には補強材を挿通するための貫通孔と貫通孔に連ねて補強材の動きを許容するための空間部とを設けて実現するものである。
図1〜図8は、この発明の実施例1を示すものである。
図1に示すように、補強土壁としての、例えば、多数アンカー式の沈下追従可能な補強土壁(以下単に「補強土壁」という)1は、擁壁壁面2を備える。
擁壁壁面2は、地盤Gを掘った掘削穴H内に下部基礎3を設置し、下部基礎3上に複数の壁面材4として、例えば、下部基礎3の上面に固定された下部壁面材4A上で5段階に壁面材4を上方へ積層するとともに、最上位の壁面材4の上面には上部基礎5に固定された上部壁面材4Bを積層して形成される。なお、各壁面材は、図3に示すように、上下方向のみならず、左右方向においても、複数並設される。下部壁面材4Aに積層された第1段目の壁面材4は、下部位が地盤G内に配置されている。
これにより、擁壁壁面2は、実質的に、上下方向の5段階の壁面材4によって所要の面域に形成される。
図4に示すように、壁面材4は、それぞれ、例えば、長方形状のコンクリートブロックからなり、高さH1、幅W1で、且つ厚さT1に形成される。
図1に示すように、上下方向で、下部壁面材4Aと上部壁面材4Bとの間において、補強材(抗張部材)として、例えば、6段階に補強材6が取り付けられる。
補強材6は、直径D(図5、図6参照)で且つ所定の長さに形成され、柔軟性を有する材質のものや、鉄筋(スチール製)等の棒状体のものからなる。
補強材6は、図1、図2に示すように、一端部6Aが下部壁面材4A・各壁面材4・上部壁面材4Bに取り付けられるとともに、他端部6Bが下部壁面材4A・各壁面材4・上部壁面材4Bの背面から離間する方向に展張して配置される。
図2に示すように、補強材6の他端部6Bは、アンカープレート7に取り付けられる。 アンカープレート7は、例えば、四角形状で所要の面域を備え、補強材6の他端部6Bの先端のねじ部8に螺着される取付具9である一対のナット9A・9B間に挟まれて補強材6の他端部6Bに取り付けられる。
アンカープレート7は、上下方向に指向して取り付けられ、盛土10に埋設された
際には下部壁面材4A・各壁面材4・上部壁面材4Bに対して引抜抵抗力(支持力)を発生する。
壁面材4の背面側には、盛土10を段階的(6段階)に投入転圧して各補強材6を順次に埋設することにより、盛土壁体11が構築される。
盛土壁体11の上部位には、壁面材4側で、上部基礎5を介して盛土留め材(コンクリートブロック)12が設置され、盛土留め部12上に小段(犬走り)13が構築され、また、小段13の周辺で盛土壁体12の法面14が形成される。
壁面材4には、図5、図6に示すように、補強材6を挿通するための貫通孔15が形成される。貫通孔15は、正面視で、例えば、6角形状(図6参照)や、丸形状などの各種形状であって、補強材6の直径Dよりも大きく形成され、壁面材4の正面と背面とを貫通するように水平方向に指向して形成される(図5参照)。
詳述すると、例えば、図3、図4に示すように、上下方向で重なる壁面材4・4において、貫通孔15は、下側の壁面材4の上端面に水平方向に形成した一側溝部15Aと、一側溝部15Aに対向して上側の壁面材4の下端面に水平方向に形成した他側溝部15Bとからなる。つまり、貫通孔15は、上下方向に積層された下部壁面材4Aと各壁面材4と上部壁面材4Bとの間で、6段階に形成される。
なお、貫通孔15は、壁面材4の上端面及び下端面に限らず、壁面材4の中央部位や両側端面などにも形成することが可能である。
壁面材4には、壁面材4又は盛土10の沈下に伴って補強材6の動きを許容するための空間部16が、貫通孔15に連なって形成される。つまり、空間部16は、貫通孔15に連続して壁面材4に切り欠いて形成され、壁面材4又は盛土10が沈下した場合に、壁面材4又は盛土10の沈下に伴って補強材6の動きを追従可能とするものである。
空間部16は、例えば、図5、図6に示すように、下側の壁面材4の上端面に貫通孔15の一側溝部15Aに連なって形成された一側空間部16Aと、上側の壁面材4の下端面に貫通孔15の他側溝部15Bに連なって形成された他側空間部16Bとからなる。
一側空間部16Aは、補強材6の半径よりも大きく形成されるとともに、下側の壁面材4の正面の一側溝部15Aの高い箇所から背面側に向かって角度θで斜め下方へ直線的に傾斜してテーパ状に形成される。他側空間部16Bは、補強材6の半径よりも大きく形成されるとともに、上側の壁面材4の正面の他側溝部15Bの低い箇所から背面側に向かって角度θで斜め上方へ直線的に傾斜してテーパ状に形成される。
従って、空間部16は、図6に示すように、下側の壁面材4と上側の壁面材4とが重なった状態において、正面視で、幅W2が補強材6の直径Dよりも大きく形成されるとともに、壁面材4の背面側では、上下方向で、貫通孔15の上下方向の長さL2よりも大きな長さL3に形成される。
補強材6は、下側の壁面材4と上側の壁面材4とで形成された貫通孔15に挿通され、一端部6Aが壁面材4の正面側に突出して配置される。
壁面材4の正面側に突出した補強材6の一端部6Aには、支圧板17が取り付けられる。このため、支圧板17には、補強材6を挿通させるための挿通孔18が形成される。
壁面材4の正面側に突出した補強材6の一端部6Aの先端には、ねじ部19が形成されている。
図2に示すように、補強材6の一端部6Aのねじ部19には、介在体としての球面ワッシャ20を介して取付具としての取付用ナット21が螺着される。これにより、支圧板17が壁面材4の正面に押し付けられ、補強材6の他端部6Bに引抜抵抗力(支持力)が作用しても、補強材6の一端部6Aが、壁面材4から抜け出ないように、壁面材4に取り付けられる。
取付用ナット21の外周面及び支圧板17の正面には、図2に示すように、補強材6の一端部6Aの先端と球面ワッシャ20と取付用ナット21とを覆うようにして、補強材キャップ22が取り付けられる。
次に、補強土壁1の工法の流れについて、図7に基づいて説明する。
図7に示すように、先ず、地盤Gを掘って掘削穴Hを形成する(ステップS01)。
下部壁面材4Aと第1段目の壁面材4とには、第1段目の補強材6を挿通するための第1段目の貫通孔15を正面と背面とに貫いて形成するとともに、第1段目の貫通孔15に連なって第1段目の補強材6の動きを許容するための第1段目の空間部16を切り欠いて形成する(ステップS02)。
掘削穴H内には、下部壁面材4Aが備えられた下部基礎3を設置する。
第1段目の補強材6は、下部壁面材4Aと第1段目の壁面材4とに形成した第1段目の貫通孔15に挿通される(ステップS03)。
このとき、第1段目の補強材6の一端部6Aは、下部壁面材4A及び第1段目の壁面材4の正面側に突出して配置される(ステップS04)。
下部壁面材4A及び第1段目の壁面材4の正面側に突出した第1段目の補強材6の一端部6Aには、第1段目の支圧板17が取り付けられる(ステップS05)。
下部壁面材4A及び第1段目の壁面材4の正面側に突出した第1段目の補強材6の一端部6Aの先端のねじ部19には、第1段目の球面ワッシャ20を介して第1段目の取付用ナット21を螺着して締め付ける。
これにより、第1段目の支圧板17が下部壁面材4A及び第1段目の壁面材4の正面に押し付けられ、第1段目の補強材6の一端部6Aが下部壁面材4A及び第1段目の壁面材4から抜け出ないように取り付けられる。
また、第1段目の補強材キャップ22は、第1段目の球面ワッシャ20及び第1段目の取付用ナット21を覆うようにして、第1段目の取付用ナット21の外周面及び第1段目の支圧板17の正面に取り付けられる。
そして、第1段目の補強材6の他端部6Bを、下部壁面材4A及び第1段目の壁面材4の背面から離間する方向に展張して配置する(ステップS06)。
第1段目の補強材6の他端部6Bには、第1段目のアンカープレート7を取付具9によって取り付ける(ステップS07)。
下部壁面材4A及び第1段目の壁面材4の背面側には、第1段目の盛土10を上方の第2段目の補強材6の高さ位置まで投入転圧する(ステップS08)。
第1段目の補強材6及び第1段目のアンカープレート7は、盛土10で埋設される(ステップS09)。
その後、上記の第1段目の場合と同様に、第1段目〜第5段目の壁面材4及び上部壁面材4Bに第2段目〜第6段目の補強材6の一端部6Aを順次に上方へ取り付けるとともに、補強材6の他端部6Bを壁面材4の背面から離間する方向に展張してアンカープレート7に取り付け、且つ、各段階毎で順次に盛土10を投入転圧して補強材6及びアンカープレート7を埋設して繰り返すことにより(ステップS10)、補強土壁1が構築される(ステップS11)。
そして、盛土壁体11においては、盛土留め材12を介して小段13が形成されるとともに、小段13の周辺で法面14が形成される。
この実施例1の補強土壁1によれば、補強材6の健全性を確認したい場合には、壁面材4に正面側において、補強材キャップ22を補強材6の一端部6Aの先端から取り外し、補強材6を引っ張るなどする。これにより、補強土壁1の維持・管理を、容易とする。
また、図8に示すように、例えば、盛土壁体11において、例えば、上方からの圧力(矢印Pで示す)が作用して、盛土10が沈下した場合に、補強材6の一端部6Aが下方へ変位して曲がり、補強材6の一端部6Aが下側の壁面材4の一側空間部16Aの内面に接するとともに、壁面材4から正面側に突出した補強材6の一端部6Aの先端が上方に変位する。
従って、補強材6の動きが壁面材4の空間部16によって許容されることから、補強材6に過度な応力が作用することがなくなり、補強材6に応力集中が発生せず、補強材6が損傷するおそれをなくすることができる。
図9は、この発明の実施例2を示すものである。
以下の実施例においては、上記の実施例1に同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
この実施例2の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、壁面材4の空間部31は、下側の壁面材4の上端面を湾曲に切り欠いて形成した一側湾曲空間部31Aと、上側の壁面材4の下端面を湾曲に切り欠いて形成した他側湾曲空間部31Bとからなる。
一側湾曲空間部31Aは、壁面材4の背面側で下方へ半径R1で湾曲状に切り欠いて形成される。他側湾曲空間部31Bは、壁面材4の背面側で上方へ半径R1で湾曲状に切り欠いて形成される。
このような構造により、壁面材4又は盛土10が沈下した場合に、補強材6が一側湾曲空間部31A又は他側湾曲空間部31Bに沿って湾曲可能となり、補強材6に過度な応力が作用することがなく、補強土壁1の維持・管理を容易に行うことができるとともに、補強材6が損傷するおそれをなくすることができる。
図10は、この発明の実施例3を示すものである。
この実施例3の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、壁面材4の空間部41は、壁面材4の側断面の中央部位において、下側の壁面材4の上端面を半径R2で上方へ突出するように切り欠いて形成された一側湾曲空間部41Aと、上側の壁面材4の下端面を半径R2で下方へ突出するように切り欠いて形成された他側湾曲空間部42Bとからなる。
このような構造により、壁面材4又は盛土10が沈下した場合に、補強材6が一側湾曲空間部41A又は他側湾曲空間部41Bに沿って湾曲可能となり、補強材6に過度な応力が作用することがなく、補強土壁1の維持・管理を容易に行うことができるとともに、補強材6が損傷するおそれをなくすることができる。
図11は、この発明の実施例4を示すものである。
この実施例4の特徴とするところは、以下の点にある。即ち、上記の実施例1に係る壁面材4の背面には、他の支圧板51の縁部位を固定具52で取り付ける。この場合、支圧板51には、補強材6の動きを許容するために、例えば、上下方向において空間部16と同じような大きさの孔部53が形成される。
このような構造により、壁面材4が正面の支圧板17と背面の支圧板51とで挟まれていることから、壁面材4又は盛土10が沈下した場合に、下側の壁面材4と上側の壁面材4とを堅固に保持することができ、さらに、補強土壁1の維持・管理を容易に行うことができるとともに、補強材6が損傷するおそれをなくすることができる。
以下に、この発明に係る変形例として、図12〜図20に示すように、第1〜第8変形例について説明する。
第1変形例としては、図12に示すように、両面(独立式)の補強土壁1にも、上記の実施例1と同様な構造を適用することが可能である。この場合、補強土壁1は、上記の実施例1の盛土壁体11が対照的に配置される。
第2変形例としては、図13に示すように、両面(緊結式)の補強土壁1にも、上記の実施例1と同様な構造を適用することが可能である。この場合、対峙する各補強材6の他端部6B同士は、一つのアンカープレート7に取り付けられる。なお、この場合、対峙する各補強材6の他端部6B同士を、直接的に連結することも可能である。
第3変形例としては、図14に示すように、上記の実施例1に係る壁面材4の空間部16として、下側の壁面材4の一側空間部16Aのみ形成することも可能である。つまり、盛土10が沈下した場合に、通常、補強材6が下方へ変位することから、下側の壁面材4の一側空間部16Aのみ形成することにより、製作工程を削減することができる。
第4変形例としては、図15に示すように、上記の実施例2に係る壁面材4の空間部31として、下側の壁面材4の一側湾曲空間部31Aのみ形成することも可能である。つまり、盛土8が沈下した場合に、通常、補強材6が下方へ変位することから、下側の壁面材4の一側湾曲空間部31Aのみ形成することにより、製作工程を削減することができる。
第5変形例としては、図16に示すように、上記の実施例1に係る壁面材4には、中央部位で貫通孔15及び貫通孔15に連なる空間部16を形成することも可能である。
第6変形例としては、図17に示すように、上記の実施例1に係る壁面材4において、下側の壁面材4に、正面視で、下方へ扇形状に広がる空間部81を形成することも可能である。
第7変形例としては、図18に示すように、上記の実施例1に係る壁面材4において、下側の壁面材4には、正面視で、下方へ二股状に広がる左側空間部91A・右側空間部91Bからなる空間部91を形成することも可能である。
第8変形例としては、図19、図20に示すように、上記の実施例1に係る壁面材4において、下側の壁面材4の上端面と上側の壁面材4の下端面とには、補強材6の直径Dよりも大きく且つ壁面材4の正面と背面とを平行に貫通する空間部101を形成する。空間部101は、貫通孔を含む形状のものであって、下側の壁面材4の上端面に形成した一側空間部101Aと上側の壁面材4の下端面に形成した他側空間部101Bとからなり、図20に示すように、正面視で、例えば、上下方向の長さL4、幅方向の長さW4に形成される。この場合、支圧板17には、図19に示すように、空間部101の通路断面積と同じ通路断面積を有する孔部102が形成される。
このような構造によれば、壁面材4又は盛土10が沈下した場合に、補強材6の一端部6Aが壁面材4又は盛土10の沈下に伴って上下方向へスライド移動可能となり(図19、図20の一点鎖線の矢印で示す)、補強材6が損傷するおそれをなくすることができる。
この発明に係る沈下追従可能な補強土壁およびその工法を、多数アンカー式に限られず、各種の補強土壁の構造に適用可能である。
1 補強土壁
2 擁壁壁面
3 下部基礎
4 壁面材
4A 下部壁面材
4B 上部壁面材
5 上部基礎
6 補強材
6A 補強材の一端部
6B 補強材の他端部
7 アンカープレート
8 補強材の他端部のねじ部
9 アンカープレートの取付具
10 盛土
11 盛土壁体
12 盛土留め材
13 小段
14 法面
15 壁面材の貫通孔
15A 一側溝部
15B 他側溝部
16 壁面材の空間部
16A 一側空間部
16B 他側空間部
17 支圧板
18 支圧板の挿通孔
19 補強材の一端部のねじ部
20 球面ワッシャ
21 取付用ナット
22 補強材キャップ

Claims (2)

  1. 擁壁壁面を形成する壁面材に補強材の一端部を設け、前記補強材の他端部を前記壁面材の背面から離間する方向に展張して配設し、前記壁面材の背面側に盛土を投入転圧して前記補強材を埋設する補強土壁において、
    前記壁面材には前記補強材を挿通するための貫通孔を設け、
    前記壁面材の前記貫通孔に挿通されて前記壁面材の正面側に突出した前記補強材の一端部には支圧板を設け、
    前記壁面材には空間部を前記貫通孔に連ねて設け
    前記空間部が、前記壁面材の正面側から背面側に向けて直線状又は曲線状に傾斜するテーパー部を有し、
    前記テーパー部によって、前記壁面材又は前記盛土の沈下に伴う前記補強材の湾曲変形を許容可能に構成したことを特徴とする
    沈下追従可能な補強土壁。
  2. 擁壁壁面を形成する壁面材の背面側に補強材を配置するとともに盛土を投入転圧して構築される補強土壁の工法において、
    前記壁面材には前記補強材を挿通するための貫通孔を形成するとともに前記貫通孔に連なって前記補強材の動きを許容するための空間部を形成し、
    前記貫通孔に前記補強材を挿通するとともに前記補強材の一端部を前記壁面材の正面側に突出させ、
    前記壁面材の正面側に突出した前記補強材の一端部には支圧板を取り付け、
    前記補強材の他端部を前記壁面材の背面から離間する方向に展張し、
    前記壁面材の背面側に前記盛土を投入転圧して前記補強材を埋設し、
    前記空間部が、前記壁面材の正面側から背面側に向けて直線状又は曲線状に傾斜するテーパー部を有し、
    前記壁面材又は前記盛土が沈下した場合に、前記テーパー部によって、前記壁面材又は前記盛土の沈下に伴前記補強材の湾曲変形を許容させることを特徴とする
    沈下追従可能な補強土壁の工法。
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