以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、部品供給テープ2の幅方向をX方向とし、部品供給テープ2の送り方向をY方向とし、部品供給テープ2の厚み方向をZ方向として説明する。また、部品供給テープ2の送り方向の上流側をY1方向側とし、下流側をY2方向側として説明する。
[第1実施形態]
(部品実装装置の構成)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による部品実装装置100の全体構成について説明する。
部品実装装置100は、図1に示すように、リール1に巻き回された部品供給テープ2が供給されるとともに、供給された部品供給テープ2から、部品供給テープ2が保持する部品Eを取得して、基板Pに実装する装置である。なお、部品Eは、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品である。
部品供給テープ2は、樹脂製または紙製である。また、部品供給テープ2は、図2に示すように、部品Eを配置することが可能な複数の凹部2aを有するキャリアテープ2bと、キャリアテープ2b上に配置されるカバーテープ2cとを含んでいる。部品供給テープ2は、カバーテープ2cにより覆うことにより、キャリアテープ2bの凹部2a内に部品Eを封入するように構成されている。また、部品供給テープ2は、カバーテープ2cが剥がされることにより、凹部2a内に封入された部品Eを外部に露出させて、後述する部品実装装置本体40に供給するように構成されている。
部品実装装置100は、図1に示すように、スプライシング装置10と、テープフィーダ20と、通路部材30と、部品実装装置本体(以下、単に「装置本体」という)40とを備えている。リール1、スプライシング装置10および通路部材30は、装置本体40の外部に設けられている。テープフィーダ20は、装置本体40に装着されている。部品実装装置100では、リール1に巻き回された部品供給テープ2は、スプライシング装置10および通路部材30を介してテープフィーダ20に供給される。部品実装装置100では、部品供給テープ2がスプライシング装置10を介してテープフィーダ20に供給されるので、部品供給テープ2の部品切れが生じた場合に、部品供給テープ2のスプライシングを迅速に行うことが可能である。なお、テープフィーダ20は、特許請求の範囲の「テープフィーダ本体」の一例である。
スプライシング装置10は、スプライシングテープ90(図7参照)による部品供給テープ2のスプライシングが行われる装置であって、スプライシングが行われる作業台としての機能を有している。スプライシング装置10では、装置本体40において使用中の部品供給テープ2と、継ぎ足し用の新たな部品供給テープ2とを接続するスプライシング作業が行われる。具体的には、スプライシング装置10では、使用中の部品供給テープ2と新たな部品供給テープ2との端面同士を突き合わせるとともに、端面同士を突き合わせた継ぎ目部分2d(図7参照)を跨ぐようにスプライシングテープ90を貼付することにより、使用中の部品供給テープ2と新たな部品供給テープ2とを接続するスプライシング作業が行われる。第1実施形態では、スプライシング装置10に配置された部品供給テープ2に、作業者(図示せず)によりスプライシングテープ90が貼付される。
テープフィーダ20は、リール1から供給された部品供給テープ2を送り方向の下流側(Y2方向側)に送ることにより、部品供給テープ2が保持する部品Eを装置本体40に供給する装置である。テープフィーダ20は、部品供給テープ2が保持する部品Eが装置本体40への部品Eの供給位置Paに配置されるように、リール1から供給された部品供給テープ2を送り方向の下流側に送るように構成されている。
通路部材30は、スプライシング装置10とテープフィーダ20との間の部品供給テープ2の通路を構成するとともに、スプライシング装置10とテープフィーダ20とを接続する部材である。なお、通路部材30の詳細は、後述する。
装置本体40は、テープフィーダ20により送られた部品供給テープ2から部品Eを取得するとともに、取得された部品Eを基板Pに実装するように構成されている。装置本体40は、基板搬送部41と、実装ヘッド42と、制御部43とを含んでいる。基板搬送部41は、装置本体40の外部から基板Pを搬入し、実装作業位置に搬送し、実装後の基板Pを装置本体40の外部に搬出するように構成されている。実装ヘッド42は、テープフィーダ20の供給位置Paに配置された部品Eを取得するとともに、取得された部品Eを実装作業位置において固定された基板Pに実装するように構成されている。制御部43は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、部品実装装置100の動作を制御する制御回路である。
ここで、図3を参照して、従来のように通路部材30が設けられることなく、部品供給テープ2がスプライシング装置10からテープフィーダ20に送られる場合に生じる不都合について説明する。
部品供給テープ2は、リール1に巻き回されているため、曲げ癖による反りが生じている場合がある。そして、リール1に巻き回された部品供給テープ2に曲げ癖による反りが生じている場合には、スプライシング装置10からテープフィーダ20に送られる間に、図3に示すような状態が生じる可能性がある。
具体的には、スプライシング装置10からテープフィーダ20に送られる間に、図3に示すように、反りに起因してスプライシングテープ90が貼付された部品供給テープ2が継ぎ目部分2dにおいて互いに離れる方向(A1方向およびA2方向)に折れ曲がる可能性がある。
図3では、部品供給テープ2の天面側だけでなく、部品供給テープ2の継ぎ目部分2dにおける折れ曲がりを抑制するために、部品供給テープ2の底面側(キャリアテープ側)にもスプライシングテープ90が貼付されている。しかしながら、部品供給テープ2の反る力が大きい場合には、部品供給テープ2の天面側および底面側の両側からスプライシングテープ90を貼付しても、部品供給テープ2が継ぎ目部分2dにおいて折れ曲がる可能性がある。この場合、図3に示すように、部品供給テープ2が継ぎ目部分2dにおいて折れ曲がることに起因して、スプライシングテープ90の粘着力により部品供給テープ2のカバーテープ2cが剥がれてしまう。あるいは、継ぎ目部分2dに貼付されたスプライシングテープ90が剥がれることも考えられる。
(通路部材の構成)
そこで、第1実施形態では、通路部材30は、図4〜図6に示すように、部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)の両側から部品供給テープ2の反りを規制する規制部31を含んでいる。
規制部31は、部品供給テープ2の幅方向(X方向)の両端部(2eおよび2f)のそれぞれが配置されるとともに、部品供給テープ2の幅方向の両端部(2eおよび2f)のそれぞれにおいて、部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)の両側から部品供給テープ2の反りを規制する一対の溝部31aおよび31bを有している。溝部31a(31b)は、部品供給テープ2の幅方向に凹む凹状に形成されており、部品供給テープ2の厚み方向の両側から部品供給テープ2の幅方向の端部2e(2f)を挟み込むことにより、部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)の両側から部品供給テープ2の反りを規制するように構成されている。
また、溝部31a(31b)は、部品供給テープ2が送り方向(Y方向)に移動可能なように、部品供給テープ2の幅方向の端部2e(2f)を保持するように構成されている。具体的には、溝部31a(31b)は、部品供給テープ2の幅方向の端部2e(2f)を部品供給テープ2の底面側(Z1方向側)から支持するように構成されている。つまり、通路部材30では、部品供給テープ2の幅方向の両端部(2eおよび2f)がそれぞれ一対の溝部31aおよび31bに底面側から支持されながら、部品供給テープ2が送られる。
また、第1実施形態では、通路部材30は、一対の溝部31aおよび31b間を接続するとともに、部品供給テープ2が配置された状態で、部品供給テープ2の天面(Z2方向側の面)を覆う天井部32を含んでいる。また、通路部材30は、天井部32と対向する位置に形成され、部品供給テープ2の底面側(Z1方向側)に開口する開口部33を含んでいる。開口部33は、図5に示すように、樹脂製の部品供給テープ2の凹部2aが通過可能な幅を有するように、部品供給テープ2の底面側に開口するように構成されている。これにより、図5(樹脂製の部品供給テープ2が配置された場合を示す図)および図6(紙製の部品供給テープ2が配置された場合を示す図)に示すように、樹脂製の部品供給テープ2および紙製の部品供給テープ2のいずれの部品供給テープ2にも、単一の通路部材30を用いることが可能である。
通路部材30は、スプライシングテープ90が貼付されていない部品供給テープ2が配置された状態(図示せず)で、通路部材30の天井部32と部品供給テープ2の天面との間に部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)に隙間C1を有している。また、通路部材30は、スプライシングテープ90が貼付された部品供給テープ2が配置された状態(図5および図6参照)で、通路部材30の天井部32と部品供給テープ2に貼付されたスプライシングテープ90の天面(Z2方向側の面)との間に部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)に隙間C1よりも小さい隙間C2を有している。これにより、スプライシングテープ90が貼付されている場合にも、通路部材30の天井部32とスプライシングテープ90の天面との間で摩擦が生じることを抑制することが可能である。また、通路部材30は、部品供給テープ2が配置された状態で、通路部材30の溝部31a(31b)と部品供給テープ2の幅方向(X方向)の端部2e(2f)との間に部品供給テープ2の幅方向に隙間C3を有している。
また、通路部材30は、図4に示すように、単一の部材からなり、薄板状で、かつ、部品供給テープ2の送り方向(Y方向)が長手方向になるように延びる細長状に形成されている。通路部材30では、溝部31a(31b)、天井部32および開口部33は、共に、通路部材30の長手方向(Y方向)の一端34から他端35まで、長手方向に沿って延びるように形成されている。
また、通路部材30は、ポリ塩化ビニールやポリカーボネートなどの樹脂製であり、薄板状に形成されることにより、弾性変形可能に構成されている。通路部材30は、屈曲するように弾性変形させながら、スプライシング装置10の後述する一端側差込口13(図7参照)に一端34を差し込むとともに、テープフィーダ20の後述する他端側差込口22(図10参照)に他端35を差し込むことにより、スプライシング装置10およびテープフィーダ20に取り付けられるように構成されている。また、図1に示すように、通路部材30は、上反りした(上方に凸状に反った)状態で、スプライシング装置10およびテープフィーダ20に取り付けられるように、所定の長さを有している。
(スプライシング装置の構成)
スプライシング装置10は、図7〜図9に示すように、部品供給テープ2が送り方向(Y方向)に移動可能なように、部品供給テープ2の幅方向(X方向)の両端部(2eおよび2f)を保持するスプライシング装置内通路部(以下、単に「装置内通路部」という)11を含んでいる。
装置内通路部11は、通路部材30の規制部31と同様の機能を有している。つまり、装置内通路部11は、部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)の両側から部品供給テープ2の反りを規制しながら部品供給テープ2が送られるように構成されている。具体的には、装置内通路部11は、部品供給テープ2の幅方向の両端部(2eおよび2f)のそれぞれが配置されるとともに、部品供給テープ2の幅方向の両端部(2eおよび2f)のそれぞれにおいて、部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)の両側から部品供給テープ2の反りを規制する一対の溝部11aおよび11bを有している。溝部11a(11b)は、部品供給テープ2の厚み方向の両側から部品供給テープ2の幅方向の端部2e(2f)を挟み込むことにより、部品供給テープ2の厚み方向の両側から部品供給テープ2の反りを規制するように構成されている。
また、溝部11a(11b)は、通路部材30と同様に、部品供給テープ2の天面との間に部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)に隙間を有するとともに、部品供給テープ2の幅方向(X方向)の端部2e(2f)との間に部品供給テープ2の幅方向に隙間を有している。
また、スプライシング装置10は、部品供給テープ2の天面(カバーテープ2cの天面)を外部に露出させる開口部12を含んでいる。第1実施形態では、開口部12を介して、部品供給テープ2の天面側(カバーテープ2c側)から、カバーテープ2cにのみスプライシングテープ90が貼付される。第1実施形態では、部品供給テープ2の底面側(キャリアテープ2b側)には、スプライシングテープ90が貼付されない。
また、スプライシング装置10は、細長状の通路部材30の一端34を差し込む一端側差込口13を含んでいる。一端側差込口13は、通路部材30の一端34の形状に対応する形状を有しており、差し込まれた通路部材30の一端34を固定的に保持するように構成されている。
また、スプライシング装置10は、部品供給テープ2の幅方向(X方向)に移動可能な可動部材14および可動部材15を含んでいる。可動部材14は、部品供給テープ2の配置用の可動部材であって、装置内通路部11のX1方向側の溝部11aの一部および開口部12のX1方向側の一部を含んでいる。可動部材14は、部品供給テープ2の保持位置からX1方向に移動されることによって、装置内通路部11のX方向の幅および開口部12のX方向の幅を大きくするように構成されている。
可動部材15は、通路部材30の配置用の可動部材であって、一端側差込口13のX1方向側の一部と開口部12のX1方向側の一部とを含んでいる。可動部材15は、通路部材30の保持位置からX1方向に移動されることによって、一端側差込口13のX方向の幅および開口部12のX方向の幅を大きくするように構成されている。可動部材14および可動部材15をX1方向に移動しておけば、スプライシング装置10に部品供給テープ2および通路部材30を容易に配置することが可能である。
可動部材14(15)は、それぞれバネからなる複数(2つ)の付勢部14a(15a)により、部品供給テープ2の底面側(Z1方向側)に向かって付勢されている。また、可動部材14(15)には、取っ手部14b(15b)が設けられている。可動部材14(15)は、取っ手部14b(15b)を把持して持ち上げた状態で、部品供給テープ2の幅方向(X方向)に移動されるように構成されている。
また、スプライシング装置10は、部品供給テープ2の終端を検出するテープ検出部16を含んでいる。テープ検出部16は、部品供給テープ2の底面に対向するとともに、通路部材30とは対向しない位置に配置されている。第1実施形態では、装置本体40の制御部43は、テープ検出部16により部品供給テープ2の終端が検出された場合に、終端が検出された部品供給テープ2からの実装ヘッド42による部品Eの取得を停止する制御を行うように構成されている。
(テープフィーダの構成)
テープフィーダ20は、図10〜図12に示すように、部品供給テープ2が送り方向(Y方向)に移動可能なように、部品供給テープ2の幅方向(X方向)の両端部(2eおよび2f)を保持するフィーダ内通路部21を含んでいる。フィーダ内通路部21は、部品供給テープ2の導入口から排出口まで、送り方向(Y方向)に沿って延びるように形成されている。
フィーダ内通路部21は、通路部材30の規制部31と同様の機能を有している。つまり、フィーダ内通路部21は、部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)の両側から部品供給テープ2の反りを規制しながら部品供給テープ2が送られるように構成されている。具体的には、フィーダ内通路部21は、部品供給テープ2の幅方向の両端部(2eおよび2f)のそれぞれが配置されるとともに、部品供給テープ2の幅方向の両端部(2eおよび2f)のそれぞれにおいて、部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)の両側から部品供給テープ2の反りを規制する一対の溝部21aおよび21b(図12参照)を有している。溝部21a(21b)は、部品供給テープ2の厚み方向の両側から部品供給テープ2の幅方向の端部2e(2f)を挟み込むことにより、部品供給テープ2の厚み方向の両側から部品供給テープ2の反りを規制するように構成されている。
また、フィーダ内通路部21は、通路部材30と同様に、スプライシングテープ90が貼付されていない部品供給テープ2が配置された状態で、部品供給テープ2の天面との間に部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)に隙間を有している。また、フィーダ内通路部21は、通路部材30と同様に、スプライシングテープ90が貼付された部品供給テープ2が配置された状態で、部品供給テープ2に貼付されたスプライシングテープ90の天面(Z2方向側の面)との間に部品供給テープ2の厚み方向(Z方向)に隙間を有している。また、フィーダ内通路部21は、通路部材30と同様に、部品供給テープ2が配置された状態で、溝部21a(21b)と部品供給テープ2の幅方向(X方向)の端部2e(2f)との間に部品供給テープ2の幅方向に隙間を有している。
また、テープフィーダ20は、細長状の通路部材30の他端35を差し込む他端側差込口22を含んでいる。他端側差込口22は、通路部材30の他端35の形状に対応する形状を有しており、差し込まれた通路部材30の他端35を固定的に保持するように構成されている。通路部材30の他端35が他端側差込口22に差し込まれた状態で、フィーダ内通路部21の部品供給テープ2の保持面は、通路部材30の部品供給テープ2の保持面よりも下方に配置されている。これにより、通路部材30からフィーダ内通路部21に部品供給テープ2の先端を挿入する際に、部品供給テープ2の先端が引っかかることを抑制することが可能である。
また、図11に示すように、他端側差込口22には、差し込まれた通路部材30の他端35を固定する固定部材23が配置されている。固定部材23は、プランジャからなり、差し込まれた通路部材30の他端35を底面側(Z2方向側)に向かって付勢するように構成されている。これにより、固定部材23と、通路部材30を底面側から保持する他端側差込口22との間で通路部材30の他端35が挟持されるので、テープフィーダ20の他端側差込口22に通路部材30の他端35をより強固に取り付けることが可能である。
また、テープフィーダ20は、部品供給テープ2を送り方向の下流側(Y2方向側)に送る駆動部24を含んでいる。駆動部24は、部品供給テープ2に設けられた送り孔2gと係合するとともに、回転により部品供給テープ2を送るスプロケット24aと、スプロケット24aを駆動する駆動モータ24bとを有している。駆動部24は、部品供給テープ2の送り孔2gとスプロケット24aの歯とが係合した状態で、スプロケット24aを駆動モータ24bにより回転させることにより、部品供給テープ2を送り方向の下流側(Y2方向側)に送るように構成されている。スプロケット24aは、装置本体40への部品Eの供給位置Paの近傍に配置されている。なお、スプロケット24aは、特許請求の範囲の「第1スプロケット」の一例である。
図10に示すように、テープフィーダ20では、部品供給テープ2の送り孔2gとスプロケット24aとの係合位置Pbが、部品供給テープ2のカバーテープ2cが剥離される剥離位置Pcよりも、部品供給テープ2の送り方向の上流側(Y1方向側)に配置されている。第1実施形態では、剥離位置Pcは、固定位置である一方、供給位置Paは、部品供給テープ2の部品Eの配置ピッチに応じて可変する位置である。このため、装置本体40は、部品供給テープ2の部品Eの配置ピッチに応じて可変する供給位置Paの情報を取得するように構成されている。また、装置本体40は、取得された供給位置Paの情報に基づいて実際の供給位置Paを特定するとともに、特定された供給位置Paから部品Eを取得するように構成されている。
(部品供給テープの取り付け作業)
次に、図13を参照して、第1実施形態による部品供給テープ2の取り付け作業(初期段取り作業)をフローチャートに基づいて説明する。部品供給テープ2の取り付け作業は、作業者により行われる。
まず、部品供給テープ2が巻き回されたリール1を準備する。次に、準備されたリール1から所定の量の部品供給テープ2を引き出す。次に、図13に示すように、ステップS1において、リール1から引き出された部品供給テープ2が通路部材30に配置される。ステップS1では、部品供給テープ2の先端が、通路部材30の一端34側の一対の溝部31aおよび31bから挿入されるとともに、通路部材30の他端35側の溝部31aおよび31bから排出される。つまり、ステップS1では、部品供給テープ2が通路部材30の一対の溝部31aおよび31bに通される。
次に、ステップS2では、通路部材30の一対の溝部31aおよび31bに通された部品供給テープ2がテープフィーダ20に配置される。ステップS2では、部品供給テープ2の先端がテープフィーダ20のフィーダ内通路部21に挿入されるとともに、部品供給テープ2の送り孔2gがスプロケット24aの歯に係合される。
次に、ステップS3では、装置本体40に、部品供給テープ2が配置されたテープフィーダ20が装着される。
次に、ステップS4では、装置本体40に装着されたテープフィーダ20の他端側差込口22に通路部材30の他端35が差し込まれる。この際、テープフィーダ20の他端側差込口22では、固定部材23により通路部材30の他端35が固定される。
次に、ステップS5では、スプライシング装置10に通路部材30および部品供給テープ2が配置される。ステップS5では、まず、取っ手部14bを把持して可動部材14を保持位置からX1方向に移動させるとともに、取っ手部15bを把持して可動部材15を保持位置からX1方向に移動させる。この結果、開口部12のX方向の幅が大きくなる。次に、X方向の幅が大きくなった開口部12を介して、部品供給テープ2がX2方向側の溝部11bに配置されるとともに、通路部材30の一端34が一端側差込口13のX2方向側の部分に差し込まれる。次に、取っ手部14bを把持して可動部材14を移動後の位置からX2方向に移動させるとともに、取っ手部15bを把持して可動部材15を移動後の位置からX2方向に移動させる。この結果、部品供給テープ2の幅方向(X方向)の両端部(2eおよび2f)がそれぞれ一対の11aおよび11bに配置されるとともに、通路部材30の一端34が一端側差込口13に配置される。これらの結果、部品供給テープ2の初期段取りが完了し、基板Pの生産を開始できる状態になる。
(部品供給テープのスプライシング作業)
次に、図14を参照して、第1実施形態による部品供給テープ2のスプライシング作業をフローチャートに基づいて説明する。
部品供給テープ2が保持する部品Eの残数が所定の残数になると、まず、ステップS11では、装置本体40の表示部(図示せず)に所定の画面を表示させることなどにより、作業者に対してスプライシング準備の開始が報知される。そして、作業者により、スプライシング準備が行われる。スプライシング準備では、まず、作業者により、スプライシング対象の部品供給テープ2がリール1から取り外される。次に、作業者により、スプライシング対象の部品供給テープ2において部品Eが配置された最後の凹部2aと、この最後の凹部2aと隣接する部品Eが配置されていない空き凹部2aとの間が切断される。これにより、スプライシング対象の部品供給テープ2のスプライシング作業に不要な部分が予め除去される。
次に、ステップS12では、スプライシング装置10のテープ検出部16により部品供給テープ2の終端が検出される。
次に、ステップS13では、装置本体40の制御部43により、終端が検出されたスプライシング対象の部品供給テープ2からの部品Eの取得を停止する制御が行われる。
次に、ステップS14では、装置本体40の表示部(図示せず)に所定の画面を表示させることなどにより、作業者に対してスプライシング作業の開始が報知される。
次に、ステップS15では、作業者により、スプライシング作業が行われる。ステップS15では、まず、取っ手部14bを把持して可動部材14を保持位置からX1方向に移動させる。この結果、開口部12のX方向の幅が大きくなる。次に、X方向の幅が大きくなった開口部12を介して、継ぎ足し用の新たな部品供給テープ2がX2方向側の溝部11bに配置される。継ぎ足し用の新たな部品供給テープ2は、作業者により、部品Eが配置された最初の凹部2aと、この最初の凹部2aと隣接する部品Eが配置されていない空き凹部2aとの間が予め切断されており、スプライシング作業に不要な部分が予め除去されている。次に、共に不要な部分が除去された使用中の部品供給テープ2と新たな部品供給テープ2との端面同士を突き合わせた状態で、取っ手部14bを把持して可動部材14を移動後の位置からX2方向に移動させる。この結果、端面同士が突き合わされた2つの部品供給テープ2が、一対の溝部11aおよび11bに配置される。なお、ステップS15では、可動部材14を保持位置からX1方向に移動させることなく、一対の溝部11aおよび11bに新たな部品供給テープ2を挿入することにより、使用中の部品供給テープ2と新たな部品供給テープ2との端面同士を突き合わせてもよい。次に、部品供給テープ2の継ぎ目部分2dを跨ぐように、部品供給テープ2のカバーテープ2cの天面にスプライシングテープ90が貼付される。スプライシング作業が完了すると、作業者により、スプライシング作業終了ボタン(図示せず)が操作される。
次に、ステップS16では、作業者によるスプライシング作業終了ボタンの操作結果に基づいて、装置本体40の制御部43により、停止されていたスプライシング対象の部品供給テープ2からの部品Eの取得を再開する制御が行われる。これにより、スプライシング作業が終了する。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、部品供給テープ2の厚み方向の両側から部品供給テープ2の反りを規制する規制部31を含み、スプライシング装置10とテープフィーダ20とを接続する通路部材30を設ける。これにより、スプライシング装置10とテープフィーダ20との間では、通路部材30を介してテープフィーダ20に部品供給テープ2を送ることができる。その結果、リール1に巻き回された部品供給テープ2に曲げ癖による反りが生じていたとしても、通路部材30の規制部31により反りを矯正しながらテープフィーダ20に部品供給テープ2を送ることができる。これにより、スプライシング装置10からテープフィーダ20に送られる間に、スプライシングテープ90が貼付された部品供給テープ2が継ぎ目部分2dにおいて互いに離れる方向に折れ曲がることを抑制することができる。その結果、部品供給テープ2が継ぎ目部分2dにおいて折れ曲がることに起因して、継ぎ目部分2dに貼付されたスプライシングテープ90が剥がれることを抑制することができる。また、部品供給テープ2が継ぎ目部分2dにおいて折れ曲がることに起因して、スプライシングテープ90の粘着力により部品供給テープ2のカバーテープが剥がれることを抑制することができる。この場合、カバーテープが剥がれることにより外部に露出した部品Eが、部品供給テープ2から飛び出すことを抑制することができる。
また、本構成では、スプライシングテープ90が貼付された部品供給テープ2の継ぎ目部分2dにおける折れ曲がりを通路部材30の規制部31により抑制することができるので、スプライシングテープ90が貼付された部品供給テープ2の継ぎ目部分2dにおける折れ曲がりを抑制するために、部品供給テープ2の底面側(キャリアテープ側)にスプライシングテープ90を貼付しなくてもよい。この場合、本実施形態のように、部品供給テープ2の天面側(カバーテープ側)にのみスプライシングテープ90を貼付すればよいので、スプライシング作業に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、上記のように、通路部材30の規制部31は、部品供給テープ2の幅方向の両端部(2eおよび2f)のそれぞれが配置されるとともに、部品供給テープ2の幅方向の両端部(2eおよび2f)のそれぞれにおいて、部品供給テープ2の厚み方向の両側から部品供給テープ2の反りを規制する一対の溝部31aおよび31bを有する。これにより、部品供給テープ2の片方の端部(2eまたは2f)のみにおいて部品供給テープ2の反りを規制する場合に比べて、部品供給テープ2の反りをより確実に矯正することができる。また、部品供給テープ2には、紙製の部品供給テープ2(図6参照)と、樹脂製の部品供給テープ2(図5参照)との2種類の部品供給テープ2がある。紙製の部品供給テープ2と樹脂製の部品供給テープ2とは、幅が同じであれば、最大厚みが異なる一方、幅方向の端部2eおよび2fの厚みは同程度である。したがって、上記のように一対の溝部31aおよび31bに部品供給テープ2の幅方向の両端部2eおよび2fのそれぞれを配置することにより、紙製の部品供給テープ2と樹脂製の部品供給テープ2とのいずれの部品供給テープ2にも、単一の通路部材30を用いることができる。その結果、部品供給テープ2の種類毎に通路部材30を設ける必要がないので、通路部材30の汎用性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、通路部材30に、一対の溝部31aおよび31b間を接続するとともに、部品供給テープ2が配置された状態で、部品供給テープ2の天面を覆う天井部32を設ける。これにより、部品供給テープ2の幅方向の両端部(2eおよび2f)において、一対の溝部31aおよび31bにより厚み方向の両側から部品供給テープ2の反りを規制するだけでなく、天井部32により厚み方向の天面側から部品供給テープ2の反りを規制することもできる。その結果、部品供給テープ2の反りをさらに確実に矯正することができる。また、部品供給テープ2が通路部材30を介して送られている間に、天井部32により部品供給テープ2の天面を保護することができる。
また、本実施形態では、上記のように、通路部材30に、部品供給テープ2が配置された状態で、通路部材30の天井部32と部品供給テープ2の天面との間に部品供給テープ2の厚み方向に隙間C1を有するとともに、通路部材30の溝部31aおよび31bと部品供給テープ2の幅方向の端部2eおよび2fとの間に部品供給テープ2の幅方向に隙間C3を設ける。これにより、通路部材30において通路部材30の天井部32と部品供給テープ2の天面とが接触しながら部品供給テープ2が送られる場合に比べて、通路部材30における部品供給テープ2の送り抵抗を低減することができる。同様に、通路部材30において通路部材30の溝部31aおよび31bと部品供給テープ2の幅方向の端部2eおよび2fとが接触しながら部品供給テープ2が送られる場合に比べて、通路部材30における部品供給テープ2の送り抵抗を低減することができる。これらの結果、通路部材30を設ける場合にも、部品供給テープ2の送り抵抗が増加することを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、通路部材30を、細長状に形成する。そして、スプライシング装置10に、細長状の通路部材30の一端34を差し込む一端側差込口13を設ける。そして、テープフィーダ20に、細長状の通路部材30の他端35を差し込む他端側差込口22を設ける。これにより、細長状の通路部材30の一端34をスプライシング装置10の一端側差込口13に差し込むとともに、細長状の通路部材30の他端35をテープフィーダ20の他端側差込口22に差し込むだけで、スプライシング装置10とテープフィーダ20とに通路部材30を取り付けることができる。その結果、作業者は、通路部材30の取り付け作業を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、細長状の通路部材30を、弾性変形可能に構成する。これにより、細長状の通路部材30を屈曲するように変形させることができるので、通路部材30の取り付け作業時に、通路部材30の両端を容易に差込口に差し込むことができる。その結果、通路部材30の取り付け作業の作業性を向上させることができる。また、スプライシング装置10とテープフィーダ20との間で、細長状の通路部材30が上反りする(上方に凸状に反る)ように通路部材30を取り付ける場合には、通路部材30の付勢力により、通路部材30の一端34をスプライシング装置10の一端側差込口13に押し付けるとともに、通路部材30の他端35をテープフィーダ20の他端側差込口22に押し付けることができる。その結果、スプライシング装置10とテープフィーダ20との間で、通路部材30を安定して固定することができる。
また、本実施形態では、上記のように、テープフィーダ20に、部品供給テープ2の厚み方向の両側から部品供給テープ2の反りを規制しながら部品供給テープ2が送られるフィーダ内通路部21を設ける。これにより、通路部材30において規制部31により反りを矯正しながら部品供給テープ2を送ることができるだけでなく、テープフィーダ20内においても、フィーダ内通路部21により反りを矯正しながら部品供給テープ2を送ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、テープフィーダ20に、装置本体40への部品の供給位置Paの近傍に配置され、部品供給テープ2の送り孔2gと係合するとともに、回転により部品供給テープ2を送るスプロケット24aを設ける。そして、テープフィーダ20において、部品供給テープ2の送り孔とスプロケット24aとの係合位置Pbを、部品供給テープ2のカバーテープが剥離される剥離位置Pcよりも、部品供給テープ2の送り方向の上流側に配置する。ここで、部品供給テープ2の天面側(カバーテープ2c側)にだけスプライシングテープ90を貼付する場合には、剥離位置Pcにおいてカバーテープ2cが剥離されると、カバーテープ2cとともにスプライシングテープ90も剥離されるため、剥離位置Pcにおいて部品供給テープ2のスプライシング状態が解除される。この場合、係合位置Pbが剥離位置Pcよりも部品供給テープ2の送り方向の下流側に配置されていると、剥離位置Pcにおいてスプライシング状態が解除されているため、剥離位置Pcよりも上流側に配置された部品供給テープ2には、スプロケット24aの回転による駆動力が伝わらない。このため、剥離位置Pcよりも上流側に配置された部品供給テープ2は、下流側に送られず、部品Eの供給が途絶えてしまう。そこで、上記のように、係合位置Pbが剥離位置Pcよりも部品供給テープ2の送り方向の上流側に配置されるように構成することにより、剥離位置Pcにおいてスプライシング状態が解除された後に、剥離位置Pcよりも上流側に配置された部品供給テープ2をスプロケット24aの回転により下流側に送ることができる。この場合、剥離位置Pcよりも下流側に配置された部品供給テープ2は、剥離位置Pcよりも上流側に配置された部品供給テープ2により上流側から押すことにより下流側に送ることができる。これらの結果、部品供給テープ2の天面側(カバーテープ2c側)にだけスプライシングテープ90を貼付する場合に、部品Eの供給が途絶えてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、スプライシング装置10に、部品供給テープ2の終端を検出するテープ検出部16を設ける。そして、装置本体40に、スプライシング装置10のテープ検出部16により部品供給テープ2の終端が検出された場合に、終端が検出された部品供給テープ2からの部品Eの取得を停止する制御を行う制御部43を設ける。これにより、部品供給テープ2の終端が検出され、部品供給テープ2のスプライシング作業が行われる場合に、スプライシング作業が行われる部品供給テープ2からの部品Eの取得が停止されるので、スプライシング作業中に、部品供給テープ2が送られることがない。その結果、スプライシング作業中に、部品供給テープ2が送られることに起因して、スプライシング作業が失敗することを防止することができる。
(第1実施形態の第1変形例)
次に、図15を参照して、第1実施形態の第1変形例について説明する。第1変形例では、供給位置の近傍に単一のスプロケットが設けられた上記第1実施形態と異なり、供給位置の近傍に2つのスプロケットが設けられる例について説明する。
第1変形例では、図15に示すように、テープフィーダ120は、部品供給テープ2を送り方向の下流側に送る駆動部124を含んでいる。駆動部124は、部品供給テープ2に設けられた送り孔2g(図2参照)と係合するとともに、回転により部品供給テープ2を送るスプロケット124aおよび124bと、スプロケット124aおよび124bをそれぞれ駆動する駆動モータ124cおよび124dとを有している。スプロケット124aおよび124bは、装置本体40(図1参照)への部品Eの供給位置Paの近傍に配置されている。なお、テープフィーダ120は、特許請求の範囲の「テープフィーダ本体」の一例である。また、スプロケット124aおよび124bは、それぞれ、特許請求の範囲の「第1スプロケット」および「第2スプロケット」の一例である。
テープフィーダ120では、部品供給テープ2の送り孔2gとスプロケット124aとの係合位置Pdが、部品供給テープ2のカバーテープ2c(図2参照)が剥離される剥離位置Pcよりも、部品供給テープ2の送り方向の上流側(Y1方向側)に配置されている。また、テープフィーダ120では、部品供給テープ2の送り孔2gとスプロケット124bとの係合位置Peが、剥離位置Pcよりも、部品供給テープ2の送り方向の下流側(Y2方向側)に配置されている。つまり、第1変形例では、係合位置Pdと係合位置Peとの間に、剥離位置Pcが配置されている。
第1変形例では、剥離位置Pcは、部品供給テープ2の部品Eの配置ピッチに応じて係合位置Pdと係合位置Peとの間で可変する位置である。一方、供給位置Paは、2つのスプロケット124aおよび124bにより部品供給テープ2を精度良く位置決めすることができるので、部品供給テープ2の部品Eの配置ピッチによらず固定位置である。
(第1実施形態の第1変形例の効果)
第1変形例では、上記のように、テープフィーダ120に、装置本体40への部品の供給位置Paの近傍に配置され、部品供給テープ2の送り孔2gと係合するとともに、回転により部品供給テープ2を送るスプロケット124aおよび124bを設ける。そして、テープフィーダ120において、部品供給テープ2の送り孔2gとスプロケット124aとの係合位置Pdを、部品供給テープ2のカバーテープが剥離される剥離位置Pcよりも、部品供給テープ2の送り方向の上流側に配置する。そして、テープフィーダ120において、部品供給テープ2の送り孔2gとスプロケット124bとの係合位置Peを、剥離位置Pcよりも、部品供給テープ2の送り方向の下流側に配置する。これにより、剥離位置Pcを挟むように、剥離位置Pcの上流側および下流側にそれぞれ配置されたスプロケット124aとスプロケット124bとの2つのスプロケットにより、部品供給テープ2をより精度良く位置決めすることができる。
なお、第1実施形態の第1変形例のその他の構成および効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第1実施形態の第2変形例)
次に、図16を参照して、第1実施形態の第2変形例について説明する。第2変形例では、カバーテープにのみスプライシングテープが貼付された上記第1実施形態と異なり、カバーテープに加えて、送り孔が形成された端部にもスプライシングテープが貼付される例について説明する。
第2変形例では、図16に示すように、スプライシング装置110は、カバーテープ2cの天面および送り孔2gが形成された端部2eの天面を外部に露出させる開口部112を含んでいる。これにより、第2変形例では、開口部112を介して、カバーテープ2cに加えて、送り孔2gが形成された端部2eにもスプライシングテープ90を貼付することが可能である。
(第1実施形態の第2変形例の効果)
第2変形例では、上記のように構成する。これにより、カバーテープ2cに加えて、送り孔2gが形成された端部2eにもスプライシングテープ90を貼付されるので、部品供給テープ2を強固にスプライシングすることができる。
なお、第1実施形態の第2変形例のその他の構成および効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第2実施形態]
次に、図1、図17および図18を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、通路部材が弾性変形可能に構成された上記第1実施形態と異なり、通路部材が弾性変形しないように構成される例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
(部品実装装置の構成)
本発明の第2実施形態による部品実装装置200は、図1に示すように、スプライシング装置210と、通路部材230とを備える点で、上記第1実施形態の部品実装装置100と相違する。
第2実施形態では、通路部材230は、図17に示すように、屈曲しており、弾性変形しないように構成されている。通路部材230は、一端34を有する第1直線部236と、他端35を有する第2直線部237と、第1直線部236および第2直線部237を接続する屈曲部238とを含んでいる。通路部材230は、第1直線部236、第2直線部237および屈曲部238により、上反りする形状(上方に凸状に反った形状)に形成されている。
また、第2実施形態では、スプライシング装置210には、図18に示すように、スライド移動機構部240および位置決め機構部250が設けられている。スライド移動機構部240は、通路部材230の一端34を固定する固定位置Pfと、通路部材230の一端34を開放する開放位置Pgとの間で、スプライシング装置210を送り方向(Y方向に)に沿ってスライド移動させるように構成されている。位置決め機構部250は、スライド移動機構部240により固定位置Pfまたは開放位置Pgにスライド移動されたスプライシング装置210を、固定位置Pfまたは開放位置Pgに位置決めして固定するように構成されている。
具体的には、スライド移動機構部240は、スプライシング装置210が配置される台座部260に設けられ、送り方向(Y方向)に沿って延びるレール部241と、スプライシング装置210の底部(Z1方向側の部分)に設けられ、レール部241に沿って移動可能にレール部241に係合されるレール係合部242とを含んでいる。スプライシング装置210は、スライド移動機構部240のレール係合部242とともに、スライド移動機構部240のレール部241に沿ってスライド移動される。
位置決め機構部250は、スプライシング装置210の側部に設けられた位置決めピン部251と、台座部260に凹状の孔部として設けられ、位置決めピン部251と係合する2つのピン係合部252および253とを含んでいる。ピン係合部252は、固定位置Pfに対応する位置に設けられている。また、ピン係合部253は、開放位置Pgに対応する位置に設けられている。
位置決め機構部250は、位置決めピン部251の先端部とピン係合部252とが係合することにより、固定位置Pfにスプライシング装置210を位置決めして固定するように構成されている。また、位置決め機構部250は、位置決めピン部251の先端部とピン係合部253とが係合することにより、開放位置Pgにスプライシング装置210を位置決めして固定するように構成されている。
(部品供給テープの取り付け作業)
次に、図13を参照して、第2実施形態による部品供給テープ2の取り付け作業(初期段取り作業)を説明する。ここでは、第1実施形態による部品供給テープ2の取り付け作業と相違する点を説明し、重複する点はその説明を省略する。
まず、第1実施形態と同様に、ステップS1〜S4の作業が行われる。
第2実施形態では、ステップS5において、まず、スライド移動機構部240により開放位置Pgにスプライシング装置210を移動させるとともに、位置決め機構部250により開放位置Pgにスプライシング装置210を位置決めして固定する。次に、開放位置Pgにスプライシング装置210を配置した状態で、取っ手部14bを把持して可動部材14を保持位置からX1方向に移動させるとともに、取っ手部15bを把持して可動部材15を保持位置からX1方向に移動させる。次に、スライド移動機構部240により固定位置Pfにスプライシング装置210を移動させるとともに、位置決め機構部250により固定位置Pfにスプライシング装置210を位置決めして固定する。第2実施形態では、固定位置Pfにスプライシング装置210を移動させる際、弾性変形しない通路部材230の一端34がスプライシング装置210の一端側差込口13に差し込まれる。その後の部品供給テープ2の取り付け作業は、第1実施形態と同様である。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、細長状の通路部材230を、屈曲しており、弾性変形しないように構成する。これにより、細長状の通路部材230が予め屈曲されているので、通路部材230が弾性変形しない場合にも、通路部材230の両端を容易に差込口に差し込むことができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、部品供給テープの天面側にのみスプライシングテープが貼付される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品供給テープの天面側だけでなく、部品供給テープの底面側にもスプライシングテープが貼付されてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、スプライシング装置が、部品供給テープの幅方向(X方向)に移動可能な2つの可動部材を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スプライシング装置が、部品供給テープの幅方向(X方向)に移動可能な可動部材を含んでいなくてもよい。この場合、部品供給テープの取り付け作業(初期段取り作業)では、スプライシング装置の一対の溝部に部品供給テープを通した後、通路部材の一対の溝部に部品供給テープを通せばよい。その後の作業は、上記第1および第2実施形態と同様である。
また、上記第1および第2実施形態では、テープフィーダの他端側差込口に、通路部材の他端を固定する固定部材が配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、通路部材の他端を固定することができれば、テープフィーダの他端側差込口に、通路部材の他端を固定する固定部材が配置されていなくてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、スプライシングテープが作業者により手動で貼付された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スプライシング装置にテープ自動貼付機構部を設けるとともに、スプライシングテープが、スプライシング装置のテープ自動貼付機構部により自動で貼付されてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、通路部材が単一の部材からなる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、通路部材が複数の部材により構成されてもよい。
また、上記第2実施形態では、位置決め機構部が、スプライシング装置の側部に設けられた位置決めピン部を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図19に示す第2実施形態の第1変形例のように構成してもよい。第2実施形態の第1変形例では、図19に示すように、位置決め機構部350は、スプライシング装置210の内部に設けられたプランジャからなる位置決めピン部351と、台座部260に凹状の孔部として設けられ、位置決めピン部351と係合する2つのピン係合部352および353とを含んでいる。ピン係合部352は、固定位置Pfに対応する位置に設けられている。また、ピン係合部353は、開放位置Pgに対応する位置に設けられている。これにより、スプライシング装置210の側部に位置決めピン部が設けられる場合と異なり、スプライシング装置210の幅方向(X方向)の大きさが大きくなることを抑制することができる。その結果、複数のスプライシング装置210を配置する場合に、複数のスプライシング装置210を容易に幅方向に隣接して配置することができる。