JP6666335B2 - 殺菌方法、殺菌システム及び保管方法 - Google Patents

殺菌方法、殺菌システム及び保管方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、殺菌方法、殺菌システム及び保管方法に関する。
近年、各種の食料品等に対する安全への関心が一層高まりつつある。例えば、果物や野菜などの生鮮食品等についても例外ではなく、その生育過程は勿論のこと、収穫、集荷或いは加工から梱包、輸送、貯蔵及び消費者への販売などの各流通過程において安全への対策が望まれている。
このような対策の一つとして、生鮮食品等における菌の増殖或いは付着を防止することが挙げられる。消費者に届く前の生鮮食品等に対して適切な洗浄処理或いは殺菌処理を施すことにより、食の安全を保障するとともに、生鮮食品等の傷みを防ぐことが期待される。
しかしながら、生鮮食品の種類によっては、既存の洗浄処理或いは殺菌処理が不適な場合も存在する。例えば、いちごなどの一部の青果物については、水洗いのような液体を用いた洗浄及び殺菌に不向きである。
また一度梱包された生鮮食品は、消費者に届くまでに殺菌等の処理を施されることが少ない。例えば、出荷から消費者に届くまでに時間として大きなウエイトを占める輸送・貯蔵の過程において、現状では冷却以外の方法で生鮮食品等の菌の増殖を抑制する手段は、ほとんど見られない。
特開2013−99472号公報 特開2003−339312号公報
本発明が解決しようとする課題は、菌の増殖或いは付着の防止が必要な対象物の流通又は保管過程等に適した殺菌方法、殺菌システム及び保管方法を提供することである。
一実施形態に係る殺菌方法は、生育場所で収穫された後に出荷され、輸送手段により輸送され、輸送先にて貯蔵或いは販売される青果物の流通過程において、収穫後かつ出荷前の上記青果物に気化した殺菌水を噴霧することにより、上記青果物の表面を殺菌する第1殺菌ステップと、上記第1殺菌ステップを経た上記青果物を壁部によって囲われた空間に配置して前記輸送手段により輸送する際に、上記空間の空気を吸い込み、吸い込んだ空気とともに気化した殺菌水を上記空間に放出することにより、上記空間を殺菌する第2殺菌ステップと、を含む。さらに、上記第2殺菌ステップにて単位時間あたりに消費される殺菌水の量は、上記第1殺菌ステップにて単位時間あたりに消費される殺菌水の量よりも少ない。
図1は、生鮮食品の生産及び流通の過程の一例を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る殺菌システム及び殺菌方法を概略的に説明するための図である。 図3は、上記殺菌システムに含まれる第1殺菌装置の一構成例を概略的に示す図である。 図4は、上記殺菌システムに含まれる第2殺菌装置の一構成例を概略的に示す図である。 図5は、第1実施形態に係る殺菌処理の一例を示すフローチャートである。 図6は、気化した殺菌水による殺菌作用を検証する実験において菌が培養された培地を撮影した写真である。 図7は、気化した殺菌水による殺菌作用を検証する実験において菌が培養された培地を撮影した写真である。 図8は、気化した殺菌水による殺菌作用を検証する実験において菌が培養された培地を撮影した写真である。 図9は、第2実施形態に係る第1殺菌装置の一構成例を概略的に示す図である。 図10は、第2実施形態に係る第2殺菌装置の一構成例を概略的に示す図である。 図11は、第2実施形態に係る殺菌処理の一例を示すフローチャートである。 図12は、第3実施形態に係る第2殺菌装置の一構成例を概略的に示す図である。 図13は、気化した殺菌水の放出に加え除湿を行う場合の殺菌作用を検証する実験において菌が培養された培地を撮影した写真である。 図14は、第4実施形態に係る第2殺菌装置の一構成例を概略的に示す図である。 図15は、第5実施形態に係る気化装置の一構成例を概略的に示す図である。 図16は、第6実施形態に係る差圧通風の概要を示す図である。 図17は、差圧通風に関する実験の結果を示すグラフである。 図18は、積み上げた梱包容器に対する差圧通風の実験の概要を示すグラフである。 図19は、図18に示す実験の結果を示すグラフである。
いくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。各実施形態を通して、同一或いは類似する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。各図は、実施形態の理解に資することを目的とした模式図であり、各図に示された要素の形状及び寸法などは実際のものと異なる場合があるが、これらは以下の開示と公知技術等を参酌して適宜変更し得る。
各実施形態では、生鮮食品の流通過程において、生鮮食品或いは生鮮食品の周囲の空間などを殺菌する殺菌システム及び殺菌方法を開示する。生鮮食品としては、例えば、果物や野菜などの青果物、肉類、或いは魚介類などが挙げられる。本実施形態では、一例として生鮮食品を対象物として挙げるが、加工食品、加工食品のための原料・中間食品・添加物に加えて、生花などの装飾用途品、さらに医療・介護分野等で取り扱う衛生用品等、その他、菌の増殖或いは付着の防止が必要な全ての対象物の殺菌・輸送・保管方法に、各実施形態の殺菌方法・殺菌システム・保管方法を適宜適用しても良い。
ここでは一例として、青果物の生産及び流通の過程を図1に示す。この図の流れのように、青果物は、種苗が屋外或いはビニールハウス等の屋内の農地や植物プラントなどの生育場所で生育され、適度に生育した際に収穫される。収穫された青果物は集荷場所に集荷され、必要に応じて各種の加工が施される。さらに、青果物は、所定の単位に梱包される。ここでいう梱包には、例えば、所定数或いは所定重量ごとのパック詰めや、段ボール箱或いは専用の梱包ケースなどの梱包容器への収容等が含まれる。梱包後に青果物は出荷され、輸送業者等によって販売先等に輸送される。輸送の態様としては、トラック或いは列車などの車両による輸送、船舶による輸送、及び、航空機による輸送などが想定される。また一般に、この輸送は、梱包後の青果物が荷台、荷室、或いはコンテナなどに収容された状態で行われる。青果物が販売先等に着荷すると、必要に応じて保管場所に貯蔵され、適宜のタイミングで店頭等に陳列して一般消費者に販売されるか、或いは飲食業者などに配送される。
各実施形態においては、生鮮食品が上記のような流通過程で流通する青果物である場合を想定する。但し、同様の殺菌システム及び殺菌方法を他種の生鮮食品の流通過程に適用できることはいうまでもない。
(第1実施形態)
図2は、第1実施形態に係る殺菌システム及び殺菌方法を概略的に説明するための図である。この図の例において、殺菌システムは、第1殺菌装置1と、第2殺菌装置2と、を備えている。
第1殺菌装置1は、例えば青果物Pの生育場所或いは集荷場所などの第1殺菌場所L1に配置されている。
第1殺菌場所L1は、後述する第2殺菌装置2が配置された空間とは相違し、外気に完全に開放された空間であっても良いし、後述する第2殺菌装置2が配置された空間と同様の空間であっても良い。
第1殺菌装置1は、収穫後、集荷後、或いは収穫直前の青果物Pに気化した殺菌水を噴霧して、青果物Pの表面に付着した病害菌などを青果物Pの表面を濡らさずに殺菌する第1殺菌ステップを実行する。第1殺菌装置1が用いる殺菌水としては、例えば、電解水などの次亜塩素酸水を用いることができる。
電解水とは、塩化カリウムや塩化ナトリウムなどの電解質を添加した被電解水を電気分解することで得られた物質を混合した水である。陰極側からはアルカリ性を示すアルカリイオン水(アルカリ性電解水)が作られる。電極の陽極側からは次亜塩素酸を含んだ酸性電解水が作られる。
収穫された後に第1殺菌ステップを経た青果物P、或いは第1殺菌ステップを経た後に収穫された青果物Pは、例えば集荷場所や加工場所において梱包容器3に梱包(収容)される。この梱包容器3としては、例えば、段ボールや発砲スチロールなどで形成された箱や専用の梱包ケースなどを用いることができる。青果物Pは、梱包容器3に収容された状態で出荷され、車両、船舶、或いは航空機などの輸送手段L2によって輸送される。梱包容器3は外部に開放された部分を有し、青果物P周辺の空気と梱包容器3内の空気を循環させることができる。
第1殺菌ステップは青果物Pの表面殺菌を目的としており、梱包後に実施して目的を達成できる場合は、梱包と第1殺菌ステップの順は問わない。また、その梱包形態も問わない。
第2殺菌装置2は、例えば輸送手段L2の荷台や荷室などに配置されている。ここでの第2殺菌装置2の配置場所は、壁部4によって囲われた空間5である。この空間5には、青果物Pが収容された梱包容器3も配置される。壁部4は、荷台や荷室の壁面であっても良いし、荷台や荷室に載せられたコンテナの壁面であっても良い。このような壁部4は、空間5の上方、下方、及び四方を囲っており、通常の荷室やコンテナなどと同程度の密閉性を有している。
ある程度の密閉性を有する空間5を提供するものとしては、車両、船舶、或いは航空機などの輸送に用いられるコンテナやその荷室、低温で保管可能な冷蔵室・冷凍庫、食糧などを保管する食糧庫・倉庫などがある。密閉性は完全に確保されていても、ある程度開放性があっても、本実施形態の効果が得られれば問題はない。
第2殺菌装置2は、気化した殺菌水を空間5に放出することにより、空間5に浮遊する菌(浮遊菌)や壁部4或いは梱包容器3の表面に付着した菌(表面菌)などを殺菌する第2殺菌ステップを実行する。梱包容器3の密閉性が低い場合には、第2殺菌ステップにおいて梱包容器3の内部も併せて殺菌され得る。第2殺菌ステップで、青果物Pの表面を殺菌する第1殺菌ステップの役割も併せて行える場合は、第1殺菌ステップを省略することも可能である。
第2殺菌装置2による殺菌は、例えば輸送手段L2が輸送先に到着するまでの間に実行される。第2殺菌装置2が用いる気化した殺菌水としては、例えば、第1殺菌装置1と同様の電解水などを用いることができる。
このような第1殺菌ステップ及び第2殺菌ステップは、青果物Pの表面或いは梱包容器3などを濡らすことがない。
また、第1殺菌ステップ及び第2殺菌ステップのいずれも気化した殺菌水により青果物Pの表面或いは青果物Pが配置された空間を殺菌するので、青果物Pの表面或いは梱包容器3を傷つけることがない。
また、青果物Pが梱包容器3に収容された状態でも、梱包容器3に設けられた孔や隙間から梱包容器3の内部に気化した殺菌水が入り込めば、第1殺菌ステップ及び第2殺菌ステップにおいて青果物Pの表面を殺菌することができる。
なお、本明細書においては、第1殺菌装置1が気化した殺菌水等を放つことを主として噴霧と言い、第2殺菌装置2が気化した殺菌水等を放つことを主として放出と言う。これら噴霧及び放出との用語は、いずれも気化した殺菌水或いはこの殺菌水とミストとを放つ動作を含み得るものであり、同一の動作を指す場合もある。
続いて、第1殺菌装置1及び第2殺菌装置2に適用可能な構成の一例について説明する。図3は、第1殺菌装置1の一構成例を概略的に示す図である。この図に示す第1殺菌装置1は、タンク10と、配管11と、ポンプ12と、噴霧装置13と、コントローラ14と、を備えている。
タンク10は、殺菌水の一例である次亜塩素酸水を貯水する。この次亜塩素酸水は、タンク10が備える給水口を介して人手により、或いはタンク10に接続された給水管を介してポンプなどの動力源により、適宜に補充される。
配管11は、一端がタンク10の例えば底面に接続されるとともに、他端が噴霧装置13に接続されている。ポンプ12は、タンク10の次亜塩素酸水を噴霧装置13に供給する送液装置として機能するものであり、配管11に設けられている。ポンプ12は、例えば回転数の可変制御により、噴霧装置13に送る次亜塩素酸水の流量を調整することができる。なお、タンク10から噴霧装置13への次亜塩素酸水の送液は、水頭圧等を利用して行われても良い。この場合においては、例えば配管11に開度が可変な電磁弁を設けることにより、噴霧装置13に送る次亜塩素酸水の流量を調整することができる。
噴霧装置13は、吸気口15a及び排気口15bを有する筐体15と、この筐体15に収容された気化器16及びファン17と、を備えている。図3の例において、配管11は筐体15の内部に延び、気化器16に接続されている。
気化器16は、配管11を介して供給される次亜塩素酸水を気化し、殺菌成分を空間に放出する。同時に、気化器16は粒径が比較的小さいミストも発生する。第1殺菌ステップにおいて、このようなミストの発生を主目的としない気化の方式としては、例えば、超音波方式を採用することができる。この場合において、気化器16は、配管11を介して供給される次亜塩素酸水を溜める容器と、超音波によりこの容器に溜められた次亜塩素酸水を振動させ、液面から次亜塩素酸水のミストを発生させる超音波振動子と、を有している。その他にも、気化器16により次亜塩素酸水を気化する方式としては、微細孔を有するノズルから次亜塩素酸水を放出することにより次亜塩素酸水を気化(霧化)する方式などを採用しても良い。さらに気化フィルタにファン等で風を当てる自然気化式がある。ただし、対象物を濡らさずに殺菌することが目的のため、発生するミスト量は少なく、かつ粒径が小さいことが望ましい。なお、後述する第2殺菌装置の気化器も含めて、気化器は、上述した方式の均等物のみならず、サーマル方式など熱による気化方式、その他、気化する機能を有すれば、何でもよい。
ファン17は、気化器16により生成された気化した次亜塩素酸水及びミストを筐体15の外部に送り出す。具体的には、ファン17の回転に伴って吸気口15aから筐体15に空気が取り込まれ、この空気が気化器16により生成された気化した次亜塩素酸水及びミストとともに排気口15bから排出(噴霧)される。ファン17の回転数の可変制御により、筐体15の外部に噴霧する気化した次亜塩素酸水等の量や風量を調整することができる。
コントローラ14は、例えば第1殺菌装置1の制御の中枢を担うプロセッサ、各種の設定条件やプロセッサが実行するコンピュータプログラムを記憶したメモリ、及び、各部に供給する電圧を生成する電源装置などを備えている。このコントローラ14は、ポンプ12、気化器16、及びファン17などを制御する。図3の例において、コントローラ14には、表示灯或いはディスプレイなどの表示装置、ボタン或いはスイッチ等の入力装置、及びスピーカなどの音声出力装置を備える入出力装置18が接続されている。
例えば、コントローラ14は、いちご類、サクランボ類、オクラ類などの青果物Pの表面を濡らすことがない程度に、ファン17の回転数を制御する。
このような気化した殺菌水(次亜塩素酸水)は、青果物Pの表面を濡らさずに殺菌することができ、同時に発生する粒径の小さいミストが付着しても迅速に蒸発するため、青果物Pの表面等を過度に濡らすことがない。したがって、水洗いなどに不向きな青果物P、例えばいちご類、サクランボ類、或いはオクラ類などの殺菌に適している。このように青果物Pの表面を濡らすことがないミスト(液状ミスト)の粒径は、例えば約50μm以下である。
このように、第1殺菌ステップ(或いは後述する噴霧ステップ)は、殺菌水をミスト化した液状粒子を噴霧することを含み、この液状粒子の粒径は液状粒子が青果物Pに付着した際に青果物Pを濡らすことがない程度である。
また、大根やごぼうなどは、上述した気化した殺菌水でなくても、第1殺菌ステップとして殺菌水を掛け流しても構わない。本願では、このように掛け流す場合でも、殺菌水の噴霧の一種として取り扱っている。また、噴霧は微細孔を有するノズルから殺菌水を放出することにより噴霧しても構わない。
図4は、第2殺菌装置2の一構成例を概略的に示す図である。この図に示す第2殺菌装置2は、タンク20と、配管21と、ポンプ22と、気化装置23と、コントローラ24と、を備えている。
タンク20は、殺菌水の一例である次亜塩素酸水を貯水する。この次亜塩素酸水は、タンク20が備える給水口を介して人手により、或いはタンク20に接続された給水管を介してポンプなどの動力源により、適宜に補充される。
配管21は、一端がタンク20の例えば底面に接続されるとともに、他端が気化装置23に接続されている。ポンプ22は、タンク20の次亜塩素酸水を気化装置23に供給する送液装置として機能するものであり、配管21に設けられている。ポンプ22は、例えば回転数の可変制御により、気化装置23に送る次亜塩素酸水の流量を調整することができる。なお、タンク20から気化装置23への次亜塩素酸水の送液は、水頭圧等を利用して行われても良い。この場合においては、例えば配管21に開度が可変な電磁弁を設けることにより、気化装置23に送る次亜塩素酸水の流量を調整することができる。
気化装置23は、吸気口25a及び排気口25bを有する筐体25と、この筐体25に収容された気化器26(気化部材)及びファン27と、を備えている。図4の例において、配管21は筐体25の上壁に接続され、気化器26に次亜塩素酸水を滴下する。
気化器26としては、例えば、配管21から滴下される次亜塩素酸水を吸水する吸水フィルタを用いることができる。この吸水フィルタは、空気との接触面積を増やして次亜塩素酸水を効率良く気化させるべく、微細なハニカム構造などの微細構造を有しても良い。さらに、吸水フィルタは、次亜塩素酸水と反応しにくい材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系材料、又は無機材料にて形成されるか、或いはこれらの材料にて表面がコーティングされたものであっても良い。このような吸水フィルタを用いれば、次亜塩素酸水による吸水フィルタの腐食や次亜塩素酸水の失活を防ぐことができる。なお、気化器26は、次亜塩素酸水を気化させると同時に、粒径が比較的小さいミストも発生し得る。
ファン27は、気化器26により気化された気体を筐体25の外部に放出する。具体的には、ファン27の回転に伴って吸気口25aから筐体25に空気が取り込まれ、この空気が気化器26により気化された気体とともに排気口25bから排出(放出)される。ファン27の回転数の可変制御により、筐体25の外部に放出する気体の量を調整することができる。
コントローラ24は、例えば第2殺菌装置2の制御の中枢を担うプロセッサ、各種の設定条件やプロセッサが実行するコンピュータプログラムを記憶したメモリ、及び、各部に供給する電圧を生成する電源装置を備えている。このコントローラ24は、ポンプ22、気化器26、及びファン27などを制御する。図4の例において、コントローラ24には、表示灯或いはディスプレイなどの表示装置、ボタン或いはスイッチ等の入力装置、及びスピーカなどの音声出力装置を備える入出力装置28が接続されている。
第1殺菌装置1及び第2殺菌装置2を用いた殺菌処理の流れにつき、図5のフローチャートを用いて説明する。
第1殺菌装置1が所在する第1殺菌場所L1の作業者は、青果物Pの表面を殺菌すべく、例えば入出力装置18の操作により、運転開始の指示を入力する(ステップS11)。この指示が入力されたことに応じて、コントローラ14は、次亜塩素酸水の噴霧を開始する(ステップS12)。すなわち、コントローラ14は、ポンプ12、気化器16、及びファン17の運転を開始する。これにより、タンク10の次亜塩素酸水が気化器16により気化されて例えばミストを含む気化した殺菌水となり、排気口15bから噴霧される。青果物Pは、この気化した殺菌水に晒される場所、例えば排気口15bと向い合う位置に配置されており、気化した殺菌水によってその表面が殺菌される。
気化した殺菌水を噴霧している間、コントローラ14は、処理終了のタイミングを待つ(ステップS13)。処理終了のタイミングは、例えば、入出力装置18の操作により処理終了の指示が入力されるタイミングや、噴霧開始から一定時間が経過したタイミングなどとすることができる。処理終了のタイミングが到来したことに応じて(ステップS13のYES)、コントローラ14は、気化した殺菌水の噴霧を停止する。
以上の第1殺菌ステップ(ステップS11〜S13)の後、青果物Pは梱包容器3に収容され、輸送される。この輸送に際して、作業者は、梱包容器3が配置される空間5を殺菌すべく、例えば第2殺菌装置2の入出力装置28の操作により、運転開始の指示を入力する(ステップS14)。この指示が入力されたことに応じて、コントローラ24は、気化した殺菌水及びミストの放出を開始する(ステップS15)。すなわち、コントローラ24は、ポンプ22及びファン27の運転を開始する。これにより、タンク20の次亜塩素酸水が気化器26により気化されて、この気化された気体が排気口25bから放出される。放出された気体(気化物質)は、空間5内に分散し、空間5に浮遊する菌を殺菌する。さらに、放出された気体(気化物質)は、空間5内の壁部4(天井、壁、床など)、或いは空間5内に配置された梱包容器3などの物体の表面に到達し、これら壁、床、或いは物体の表面に存在する菌を殺菌する。なお、気化装置23においては、空間5から取り込まれた空気に含まれる菌が気化器26に接触し、気化器26が吸水した次亜塩素酸水によって殺菌される。
殺菌水を気化及び放出している間、コントローラ24は、処理終了のタイミングを待つ(ステップS16)。処理終了のタイミングは、例えば、輸送手段L2が輸送先に到着したタイミングであって、具体的には梱包容器3を輸送手段L2から降ろす際に作業者が入出力装置28の操作により処理終了の指示を入力するタイミングとすることができる。その他にも、処理終了のタイミングは、気化及び放出開始から一定時間が経過したタイミングなどとすることができる。処理終了のタイミングが到来したことに応じて(ステップS16のYES)、コントローラ24は、殺菌水の気化及び放出を停止する。
以上で当該フローチャートに示す殺菌処理が終了する。このような第1殺菌ステップ(ステップS11〜S13)及び第2殺菌ステップ(ステップS14〜S16)を含む殺菌処理を用いれば、青果物Pの表面及びその包装などを好適に殺菌し、最終消費者等に安全かつ鮮度の良い状態で提供することができる。
また、第1殺菌ステップにおいて気化した殺菌水を噴霧すれば、青果物Pの表面は濡れず、水洗いに不向きな青果物Pの表面も殺菌することができる。さらに、第2殺菌ステップにおいては、気化した殺菌水により殺菌するので、梱包容器3等を濡らすことがない。
また、第2殺菌ステップにおいて空間5に気化した殺菌水とともに放出されるミストには水蒸気が含まれるため、空間5の湿度が高められる。これにより、青果物Pの鮮度維持に適切な湿度が実現され、梱包容器3に収容された青果物Pの乾燥が防がれて、青果物Pの鮮度が保たれる。
このように、本実施形態に係る殺菌処理は、青果物P等の生鮮食品の流通過程に適している。
ここで、第1殺菌ステップにおいて気化した殺菌水を噴霧する時間をT1、第2殺菌ステップにおいて次亜塩素酸水を気化及び放出する時間をT2とする。第1殺菌ステップは青果物Pの出荷前に実行され、第2殺菌ステップは輸送中に実行されることから、多くの場合においてT1<T2となる。
第1殺菌ステップにおいては、青果物Pの表面を短時間で良好に殺菌する必要があることから、有効塩素濃度が比較的高い次亜塩素酸水を用いることが好ましい。一方で、第2殺菌ステップにおいては、空間5を輸送中の長時間に亘って殺菌するために、有効塩素濃度が比較的低い次亜塩素酸水を用いることができる。例えば、第1殺菌ステップにて用いられる次亜塩素酸水の有効塩素濃度をD1、第2殺菌ステップにて用いられる次亜塩素酸水の有効塩素濃度をD2とすると、D1>D2の関係が成立し得る。例えば、D1はD2の約2倍以上とすることができる。
なお、第1殺菌装置1により噴霧されるミストにおける有効塩素濃度は、タンク10の次亜塩素酸水の濃度よりも1/2〜1/3程度に低くなる。そこで、タンク10に溜める次亜塩素酸水の有効塩素濃度は、目標とするミストの有効塩素濃度の少なくとも2倍、或いは3倍以上の有効塩素濃度としても良い。例えば、食品に添加できる有効塩素濃度が80ppm以下であれば、噴霧される次亜塩素酸水の有効塩素濃度を80ppm以下とし、タンク10に貯水される次亜塩素酸水の有効塩素濃度を80〜160ppmとしても良い。
また、第2殺菌ステップにおいて、長時間の輸送に際してタンク20の次亜塩素酸水が欠乏しないように、第2殺菌装置2が消費する次亜塩素酸水の量を比較的少なくしても良い。例えば、第2殺菌装置2にて単位時間あたりに消費される次亜塩素酸水の量は、第1殺菌装置1にて単位時間あたりに消費される次亜塩素酸水の量よりも少なくすることが想定される。次亜塩素酸水の消費量は、第1殺菌装置1のポンプ12やファン17及び第2殺菌装置2のポンプ22やファン27の運転条件を変えることで調整できる。一例として、ファン17の送風量(体積流量)をQ1、ファン27の送風量(体積流量)をQ2とすると、Q1>Q2の関係が成立し得る。例えば、Q1はQ2の約2倍以上とすることができる。
また、第1殺菌ステップでは、ファン17から送風される空気が直接対象物の表面に当るように対象物を配置した方が良く、第2殺菌ステップではファン27から送風される空気が空間5全体に循環するように、一旦天井に向かって空気を送風して、対象物には間接的に空気が当たるようにすると良い。
すなわち、第2殺菌ステップは、殺菌水(電解水、次亜塩素酸水)が気化された気化物質を空間5内に循環させる循環ステップを含み得る。また、この一実施形態では、ファン27は、気化された電解水を空間5内で循環させる循環手段として機能する。循環手段は、ファン27などの強制的に循環させる手段のみならず、空間5内の対流、ブラウン運動などによる殺菌水(電解水、次亜塩素酸水)気化物質の拡散、それらの均等物を含み、さらに、その他、気化物質を空間5内に循環させる機能を有するものであれば何でもよい。気化物質は、殺菌水を気化することにより得られる気体を含む。さらに、この循環ステップは、気化器26などの気化部材に空間5内に浮遊する浮遊菌が接触することによって浮遊菌を殺菌することと、気化物質が空間5内に分散することにより、空間5内の浮遊菌を殺菌することと、空間5内の壁、床、或いは空間5内に配置された梱包容器3などの物体の表面に気化物質を到達させ、壁、床、或いは上記物体の表面に存在する表面菌を殺菌することと、を含む。
第1殺菌ステップによる殺菌は、取れたての収穫物や外気に対して開放された空間に保管された対象物の主に表面に付着している菌を殺菌するため、大量に次亜塩素酸水を供給する必要があるが、第2殺菌ステップによる殺菌は、対象物の表面が殺菌された後に、主に密閉された空間に浮遊している菌を殺菌するため、第1殺菌ステップより少ない次亜塩素酸水を供給すれば十分である。その代わりに、保管期間・輸送期間全般にわたって、長期間、次亜塩素酸水を供給する必要がある。
第2殺菌ステップの空間5内の湿度は50〜100%であれば良く、望ましくは青果物P等の対象物の保存の観点から90〜100%が良い。列車やトラックによるコンテナ輸送では、季節により室内温度が大きく変動し、この温度変動により空間5内に飽和している次亜塩素酸水量も変動する。このため、この変動を予め予想し、湿度を50〜90%とすれば良い。
発明者らは、第1殺菌ステップにて用いるとした気化した殺菌水による殺菌作用を実験により検証した。この実験では、収穫されたオクラを約1mのブース内に配置するとともにこのブース内に気化した次亜塩素酸水を湿度50〜90%で所定時間の間に亘って噴霧した後、オクラの表面から菌を採取し、採取した菌を培地にて約1日に亘り37℃の環境下で培養した。比較のために、次亜塩素酸水にオクラを約2分間に亘って浸漬し、この浸漬後のオクラの表面から菌を採取し、採取した菌を同様の手法で培養した。
図6は、上記の実験を4回(N1〜N4)に亘って実施し、菌が培養された培地を撮影した写真である。ここで用いたタンク10に貯蔵された次亜塩素酸水は、ph6、有効塩素濃度76ppmである。各写真においては円形のシャーレの中に培地が配置されており、白味かかった部分が培養された菌に相当する。次亜塩素酸水に浸漬した場合(図中の「電解水浸漬」)と、気化した次亜塩素酸水を1時間に亘って噴霧した場合(図中の「気化電解水1時間噴霧」)とを比較すると、N1〜N4のいずれにおいても次亜塩素酸水に浸漬した場合の方が培養された菌の量が少なかった。一方で、気化した次亜塩素酸水を24時間に亘って噴霧した場合(図中の「気化電解水24時間噴霧」)においては、1時間の噴霧の場合よりも培養された菌の量が大幅に少なく、浸漬の場合と同程度か或いは良好な結果が得られた。
図7は、タンク10に貯蔵された次亜塩素酸水の濃度を152ppmと図6の検証から濃度を2倍に変更し、且つ噴霧時間をより細かくして上記の実験を4回(N1〜N4)に亘って実施し、菌が培養された培地を撮影した写真である。噴霧時間は、1時間(図中の「気化電解水1時間噴霧」)、3時間(図中の「気化電解水3時間噴霧」)、6時間(図中の「気化電解水6時間噴霧」)、及び24時間(図中の「気化した電解水24時間噴霧」)の4通りとした。図7からは、噴霧時間を長くするほど培養される菌が概ね減ることが判る。さらに図6と図7の24時間噴霧処理後の培地の菌の繁殖量を比較すると次亜塩素酸水の濃度を2倍とした図7の24時間噴霧処理後の方が培養される菌が少ないこと判る。すなわち、青果物の表面の殺菌作用は、噴霧時間と次亜塩素酸水の濃度に関連している。したがって、青果物の生産及び流通過程や青果物の種類などに応じた適切な噴霧時間及び濃度を設定することで、青果物の表面の殺菌作用を高めることができる。
さらに発明者らは、第2殺菌ステップにて用いるとした気化した殺菌水による殺菌作用を実験により検証した。この実験では、灰色カビ病菌の胞子を生理食塩水に溶かした後に、シャーレに小分けしてサンプルを作製し、このサンプルを約1mのブース内に配置し、ブース内に気化した次亜塩素酸水を湿度50〜90%で6時間の間に亘って噴霧した後、サンプルの液を採取して培地にて約6日に亘り20℃の環境下で培養した。図8は、上記の実験を3回(N1〜N3)に亘って実施し、菌が培養された培地を撮影した写真である。比較対象として、水の気化噴霧で処理したサンプルの培養結果は、灰色カビ病菌の胞子を溶かした生理食塩水を処理無しで培養した結果と同様に菌が培地全面に繁殖している。対して、次亜塩素酸水の気化噴霧で処理した後に培養した結果では、菌の繁殖が見られない。したがって、本実施形態は空間除菌として有効であることが示される。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1殺菌装置1と第2殺菌装置2の構成、及び、第1殺菌ステップと第2殺菌ステップの流れにおいて、第1実施形態と相違する。第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。
図9は、本実施形態に係る第1殺菌装置1の一構成例を概略的に示す図である。この図に示す第1殺菌装置1は、図3に示したタンク10、配管11、及びポンプ12に代えて、第1タンク10a、第2タンク10b、第1配管11a、第2配管11b、第1ポンプ12a、及び第2ポンプ12bを備えている。
第1タンク10aは、電解水(或いは殺菌水)の一例である次亜塩素酸水を貯水する。第1配管11aは、一端が第1タンク10aの例えば底面に接続されるとともに、他端が噴霧装置13に接続されている。第1ポンプ12aは、第1タンク10aの次亜塩素酸水を噴霧装置13に供給する送液装置として機能するものであり、第1配管11aに設けられている。第1ポンプ12aは、例えば回転数の可変制御により、噴霧装置13に送る次亜塩素酸水の流量を調整することができる。
第2タンク10bは、電解水の一例であるアルカリ性電解水を貯水する。このアルカリ性電解水としては、例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。第2配管11bは、一端が第2タンク10bの例えば底面に接続されるとともに、他端が噴霧装置13に接続されている。第2ポンプ12bは、第2タンク10bのアルカリ性電解水を噴霧装置13に供給する送液装置として機能するものであり、第2配管11bに設けられている。第2ポンプ12bは、例えば回転数の可変制御により、噴霧装置13に送るアルカリ性電解水の流量を調整することができる。
第1タンク10aの次亜塩素酸水及び第2タンク10bのアルカリ性電解水は、第1タンク10a及び第2タンク10bがそれぞれ備える給水口を介して人手により、或いは第1タンク10a及び第2タンク10bに接続された給水管を介してポンプなどの動力源により、適宜に補充される。第1タンク10a及び第2タンク10bから噴霧装置13への送液は、水頭圧等を利用して行われても良い。この場合においては、例えば第1配管11a及び第2配管11bに開度が可変な電磁弁をそれぞれ設けることにより、噴霧装置13に送る次亜塩素酸水及びアルカリ性電解水の流量を調整することができる。
コントローラ14は、第1ポンプ12a及び第2ポンプ12bをそれぞれ制御する。第2ポンプ12bを停止させた状態で第1ポンプ12aにより第1タンク10aの次亜塩素酸水を気化器16に供給すると、気化器16において次亜塩素酸水を気化することができる。同時に、気化器16は粒径が比較的小さい次亜塩素酸水のミストも発生する。一方で、第1ポンプ12aを停止させた状態で第2ポンプ12bにより第2タンク10bのアルカリ性電解水を気化器16に供給すると、気化器16においてアルカリ性電解水を気化することができる。同時に、気化器16は粒径が比較的小さいアルカリ性電解水のミストも発生する。このように、本実施形態に係る第1殺菌装置1は、第1ポンプ12a及び第2ポンプ12bの選択的な制御により、気化した次亜塩素酸水及び気化したアルカリ性電解水を選択的に噴霧することができる。
図10は、本実施形態に係る第2殺菌装置2の一構成例を概略的に示す図である。この図に示す第2殺菌装置2は、図4に示したタンク20、配管21、及びポンプ22に代えて、第1タンク20a、第2タンク20b、第1配管21a、第2配管21b、第1ポンプ22a、及び第2ポンプ22bを備えている。
第1タンク20aは、電解水(或いは殺菌水)の一例である次亜塩素酸水を貯水する。第1配管21aは、一端が第1タンク20aの例えば底面に接続されるとともに、他端が気化装置23に接続されている。第1ポンプ22aは、第1タンク20aの次亜塩素酸水を気化装置23に供給する送液装置として機能するものであり、第1配管21aに設けられている。第1ポンプ22aは、例えば回転数の可変制御により、気化装置23に送る次亜塩素酸水の流量を調整することができる。気化装置23に送られた次亜塩素酸水は、気化器26に滴下される。
第2タンク20bは、電解水の一例であるアルカリ性電解水を貯水する。このアルカリ性電解水としては、例えば水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。第2配管21bは、一端が第2タンク20bの例えば底面に接続されるとともに、他端が気化装置23に接続されている。第2ポンプ22bは、第2タンク20bのアルカリ性電解水を気化装置23に供給する送液装置として機能するものであり、第2配管21bに設けられている。第2ポンプ22bは、例えば回転数の可変制御により、気化装置23に送るアルカリ性電解水の流量を調整することができる。気化装置23に送られたアルカリ性電解水は、気化器26に滴下される。
第1タンク20aの次亜塩素酸水及び第2タンク20bのアルカリ性電解水は、第1タンク20a及び第2タンク20bがそれぞれ備える給水口を介して人手により、或いは第1タンク20a及び第2タンク20bに接続された給水管を介してポンプなどの動力源により、適宜に補充される。第1タンク20a及び第2タンク20bから気化装置23への送液は、水頭圧等を利用して行われても良い。この場合においては、例えば第1配管21a及び第2配管21bに開度が可変な電磁弁をそれぞれ設けることにより、気化装置23に送る次亜塩素酸水及びアルカリ性電解水の流量を調整することができる。
コントローラ24は、第1ポンプ22a及び第2ポンプ22bをそれぞれ制御する。第2ポンプ22bを停止させた状態で第1ポンプ22aにより第1タンク20aの次亜塩素酸水を気化器26に供給すると、気化器26において次亜塩素酸水を気化させた気体を生成することができる。なお、気化器26は、次亜塩素酸水を気化させると同時に、粒径が比較的小さい次亜塩素酸水のミストも発生する。一方で、第1ポンプ22aを停止させた状態で第2ポンプ22bにより第2タンク20bのアルカリ性電解水を気化器26に供給すると、気化器26においてアルカリ性電解水を気化させた気体を生成することができる。なお、気化器26は、アルカリ性電解水を気化させると同時に、粒径が比較的小さいアルカリ性電解水のミストも発生する。このように、本実施形態に係る第2殺菌装置2は、第1ポンプ22a及び第2ポンプ22bの選択的な制御により、次亜塩素酸水を気化させた気体及びアルカリ性電解水を気化させた気体等を選択的に放出することができる。
第1殺菌装置1及び第2殺菌装置2を用いた本実施形態に係る殺菌処理の流れにつき、図11のフローチャートを用いて説明する。
第1殺菌装置1のコントローラ14は、第1実施形態と同じく運転開始の指示が入力されると(ステップS21)、先ずアルカリ性電解水を所定時間に亘って噴霧する(ステップS22:第1噴霧ステップ)。すなわち、コントローラ14は、第1ポンプ12aを停止させた状態で、第2ポンプ12b、気化器16、及びファン17を所定時間に亘って運転する。これにより、第2タンク10bのアルカリ性電解水が気化器16により気化されて例えばミストを含む気体となり、排気口15bから噴霧される。この噴霧されたアルカリ性電解水によって、青果物Pの表面に付着した有機物などが除去される。
続いて、コントローラ14は、次亜塩素酸水を所定時間に亘って噴霧する(ステップS23:第2噴霧ステップ)。すなわち、コントローラ14は、第2ポンプ12bを停止させた状態で、第1ポンプ12a、気化器16、及びファン17を所定時間に亘って運転する。これにより、第1タンク10aの次亜塩素酸水が気化器16により気化されて例えばミストを含む気化した殺菌水となり、排気口15bから噴霧される。この気化した殺菌水によって、青果物Pの表面が殺菌される。
ステップS22,S23の後、コントローラ14は、処理終了のタイミングが到来したかを判定する(ステップS24)。処理終了のタイミングは、第1実施形態と同様である。処理終了のタイミングが到来していない場合(ステップS24のNO)、コントローラ14は、ステップS22,S23を再度実行する。一方で、処理終了のタイミングが到来したことに応じて(ステップS23のYES)、コントローラ14は、気化したアルカリ性電解水及び気化した次亜塩素酸水の噴霧を停止する。
以上の第1殺菌ステップ(ステップS21〜S24)の後の輸送に際して、作業者は、第1実施形態と同様に、第2殺菌装置2に運転開始の指示を入力する(ステップS25)。この指示が入力されたことに応じて、コントローラ24は、所定時間に亘って気化した殺菌水及びミストを空間5に放出する(ステップS26:第1放出ステップ)。すなわち、コントローラ24は、第2ポンプ22bを停止した状態で、所定時間に亘って第1ポンプ22a及びファン27を運転する。これにより、第1タンク20aの次亜塩素酸水が気化器26により気化されて、この気化された気体が排気口25bから放出される。
続いて、コントローラ24は、所定時間に亘って気化したアルカリ性電解水及びミストを空間5に放出する(ステップS27:第2放出ステップ)。すなわち、コントローラ24は、第1ポンプ22aを停止させた状態で、第2ポンプ22b及びファン27を所定時間に亘って運転する。このとき、第2タンク20bのアルカリ性電解水が気化器26により気化されて、この気化された気体が排気口25bから放出される。これにより、例えば壁部4や空間5に配置された梱包容器3などに付着した次亜塩素酸水が中和され、これらの腐食を防ぐことができる。例えば、ステップS27にて気化及び放出されるアルカリ性電解水の量は、ステップS26にて気化及び放出される次亜塩素酸水の量より少なくしても良い。
ステップS26,S27の後、コントローラ24は、処理終了のタイミングが到来したかを判定する(ステップS28)。処理終了のタイミングは、第1実施形態と同様である。処理終了のタイミングが到来していない場合(ステップS28のNO)、コントローラ24は、ステップS26,S27を再度実行する。一方で、処理終了のタイミングが到来したことに応じて(ステップS28のYES)、コントローラ24は、次亜塩素酸水及びアルカリ性電解水の気化及び放出を停止する。以上で当該フローチャートに示す殺菌処理が終了する。
本実施形態のように、電解水として次亜塩素酸水だけでなく水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性電解水を用いることで、第1殺菌ステップ(ステップS21〜S24)及び第2殺菌ステップ(ステップS25〜S28)のそれぞれにおいて好適な作用を奏する。
すなわち、第1殺菌ステップにおいてはアルカリ性電解水の噴霧により青果物Pの表面に付着した有機物等が除去されるとともに、その後に噴霧される次亜塩素酸水による殺菌の作用を高めることができる。一方で、第2殺菌ステップにおいては、空間5内を中和し、壁部4などの腐食を防ぐことができる。
これらの他にも、本実施形態からは第1実施形態と同様の作用を得ることができる。
第2実施形態では、第1殺菌装置1の第1タンク10a、第2タンク10b、或いは第2殺菌装置2の第1タンク20a、第2タンク20bに電解水を予め保管する方法を用いたが、本出願人が提案した特願2014−191565号に添付された明細書に記載されたような3室型電解水製造装置を、これらタンクの代わりに取り付けて、電解水を電解製造しながら、それを噴霧しても良い。なお3室型電解水製造装置の詳細は特願2014−191565号を引用することにより詳細を省略し、ここにその内容全体を引用して本願の一部とする。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2殺菌装置2の構成、及び、第2殺菌ステップの流れにおいて、第1実施形態と相違する。第1実施形態、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。
図12は、本実施形態に係る第2殺菌装置2の一構成例を概略的に示す図である。この図に示す第2殺菌装置2は、空間5から水分を回収する除湿装置30と、湿度センサ31と、をさらに備える点で、図4及び図10に示したものと相違する。
除湿装置30は、気化装置23とともに空間5に配置され、凝縮器32と、この凝縮器32に送風する除湿ファン33(第2ファン)と、を備えている。除湿ファン33との識別のために、本実施形態ではファン27を気化ファン27(第1ファン)と呼ぶ。
図12の例において、気化装置23及び除湿装置30は、筐体25を共用している。すなわち、筐体25の内部が仕切板34によって2つの空間に仕切られ、これらの一方の空間に気化器26及び気化ファン27が配置され、他方の空間に凝縮器32及び除湿ファン33が配置されている。仕切板34には、これら2つの空間を連通する連通孔34aが設けられている。吸気口25aは凝縮器32及び除湿ファン33が配置された空間と筐体25の外部とを連通し、排気口25bは気化器26及び気化ファン27が配置された空間と筐体25の外部とを連通している。図12の例において、除湿ファン33は、吸気口25aと凝縮器32との間に配置されている。
除湿装置30には、例えば、除湿ファン33により送られる空気を凝縮器32にて冷却する冷却方式を適用し得る。この場合において、除湿装置30は、凝縮器32に接続された循環配管と、この循環配管を流れる冷媒を圧縮するコンプレッサとを備え、除湿ファン33により送られる空気を凝縮器32における冷媒との熱交換により冷却し、この空気に含まれる水蒸気を凝縮(冷媒は蒸発)させる。なお、除湿装置30には、吸気口25aから取り込まれる空気を等温圧縮してこの空気に含まれる水蒸気を凝縮させる圧縮方式などを適用することもできる。凝縮器32における凝縮により生成された水分は、液滴となって筐体25内に落下し、例えば筐体25及び仕切板34により囲われた、凝縮器32を収容する空間の下部に溜められる。
除湿装置30によって除湿された空気は連通孔34aを通って気化器26が配置された空間に至り、排気口25bから筐体25の外部に排気される。
湿度センサ31は、空間5の湿度を検出し、その検出値をコントローラ24に出力する。ここで検出される湿度は、例えば相対湿度である。コントローラ24は、ポンプ22及び気化ファン27に加えて、除湿ファン33を制御する。
除湿装置30による除湿(除湿ステップ)を実行するタイミングは、例えば、湿度センサ31によって検出される湿度が予め定められた飽和蒸気圧未満の閾値に上昇したタイミングとすることができる。この閾値に湿度が達したことにより除湿を実行した後、気化装置23により次亜塩素酸水をさらに気化することで、空間5に放出された次亜塩素酸水の気化物質を入れ替えることができる。このような閾値は、例えば相対湿度が50%以上かつ100%(飽和蒸気圧)未満の範囲内で定められる。さらに、青果物Pの十分な保湿作用を得るとともに空間5にて結露が生じることを防ぐために、上記の閾値は80%程度とすることが好ましい。なお、除湿実行のタイミングは、例えば次亜塩素酸水の気化及び放出を開始してから予め定められた時間が経過したタイミングなど、湿度以外の要素によって定めることもできる。
除湿完了のタイミングは、例えば、湿度センサ31によって検出される湿度が予め定められた閾値まで低下したタイミングとすることができる。このような閾値は、除湿実行のタイミングの判定にて使用する閾値よりも低い値に設定される。除湿完了のタイミングは、例えば除湿を開始してから予め定められた時間が経過したタイミングなど、湿度以外の要素によって定めることもできる。
なお、気化装置23による次亜塩素酸水の気化及び放出は、除湿装置30による除湿実行のタイミングに関わらず定常的に実行されても良いし、除湿装置30による除湿実行のタイミングと同じタイミングで実行されても良い。また、気化装置23による次亜塩素酸水の気化及び放出は、除湿装置30による除湿の非実行時に実行され、除湿の実行時に停止されても良い。
以上説明した本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用を得ることができる。さらに、本実施形態の構成であれば、空間5の湿度をコントロールし、青果物Pの輸送や貯蔵により適した湿度環境を作り出すことができる。青果物Pの輸送等に際して、外気の寒暖差に起因した温度変化が空間5に生じたとしても、空間5の湿度を適切にコントロールすることで、空間5において青果物Pの表面や壁部4に発生し得る結露を抑制することができる。また、空間5に放出されて殺菌作用が薄れた気体を除湿装置30により回収し、フレッシュな気体を放出することで、空間5の殺菌能力を高めることができる。空間5の湿度が高ければ気化装置23において次亜塩素酸水が気化し難くなるが、空間5から水分を回収して湿度を下げることにより、気化装置23における次亜塩素酸水の気化を促進することができる。一般的に、次亜塩素酸は、有機物等と接触することにより、すぐに死活化する。そのため、常に新しい次亜塩素酸を殺菌対象物周辺に供給することが、次亜塩素酸を用いた殺菌管理としては極めて重要である。本実施形態によれば、空間5に放出された気体や水分(水分子)を除湿装置30により回収することにより、新たな気化された次亜塩素酸を供給することができる。また、上述のことは、空間5の湿度管理を行うことにより、容易に実現することができる。
なお、本明細書において、回収との用語には、除湿装置30により空間5から気体や水分(水分子)を取り除くことのみならず、空間5から気体や水分を排出することが含まれる。すなわち、壁部4に設けられた通気口や隙間などから空間5の気体や水分が排出される構成を採用しても良い。
発明者らは、本実施形態のように、気化した殺菌水を放出するとともに空間を除湿した場合の殺菌作用を実験により検証した。この実験では、購入したオクラを約1mのブース内に配置するとともにこのブース内に気化した次亜塩素酸水を所定時間に亘って噴霧した後、オクラの表面から菌を採取し、採取した菌を培地にて約1日に亘り37℃の環境下で培養した。この実験は、ブース内に除湿装置を配置して次亜塩素酸水の噴霧とともにブース内を除湿する場合と、除湿器を配置しない場合とについて行った。比較のために、購入直後のオクラの表面から菌を採取し、採取した菌を同様の手法で培養した。
図13は、上記の実験を4回(N1〜N4)に亘って実施し、菌が培養された培地を撮影した写真である。除湿を行わない場合(図中の「除湿無し」)の実験条件は、ブース内の室温が約12℃、湿度が100%、気化用にタンク10に貯蔵した次亜塩素酸水の有効塩素濃度(ACC)が152ppm、実験時間が24時間である。一方、除湿を行う場合(図中の「除湿有り」)の実験条件は、ブース内の室温が約24℃、湿度が50〜90%、気化用の次亜塩素酸水の有効塩素濃度(ACC)が152ppm、実験時間が24時間である。除湿を行う場合のブース内の室温が高いのは、除湿装置が発生する熱に起因する。
各写真においては円形のシャーレの中に培地が配置されており、白味かかった部分が培養された菌に相当する。気化した次亜塩素酸水の噴霧を行わなかった場合(図中の「処理無し」)と、気化した次亜塩素酸水の噴霧を行った場合とを比較すると、除湿の有無にかかわらず、気化した次亜塩素酸水の噴霧を行った場合の方が培養された菌の量が少なかった。さらに、気化した次亜塩素酸水の噴霧を行う場合においては、除湿を行わない場合(図中の「除湿無し電解水噴霧」)よりも除湿を行う場合(図中の「除湿有り電解水噴霧」)の方が培養された菌の量が少なかった。除湿を行う場合の室温は24℃であり、除湿を行わない場合の12℃と比べて菌が繁殖し易い環境であるにもかかわらず、菌の培養が抑制されたことは注目に値する。
この実験から、第3実施形態のように第2殺菌装置2に除湿装置30を設け、空間5に気化した次亜塩素酸水を放出するとともに空間5を除湿することで、空間5の殺菌作用が向上することが判る。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、第2殺菌装置2の構成において第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態と相違する。上述した各実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。
図14は、本実施形態に係る第2殺菌装置2の一構成例を概略的に示す図である。この図に示す第2殺菌装置2は、除湿装置30の凝縮器32が光触媒によって形成され、かつ除湿装置30が凝縮器32に紫外線を照射する紫外線ランプ35(照射装置)を備える点で、図12に示したものと相違する。
凝縮器32を形成する光触媒としては、例えば酸化チタンを用いることができる。紫外線ランプ35は、コントローラ24の制御により点灯及び消灯される。光触媒で形成された凝縮器32は、紫外線ランプ35からの紫外線が照射されると、その酸化作用により、吸気口25aから取り込まれた空気に含まれるエチレンガス等の有機ガス(成長促進ガス)を分解する。
本実施形態に係る第2殺菌装置2を用いた殺菌処理は、例えば、図5のフローチャートに示すものと同様の手順とすることができる。コントローラ24は、例えば第2殺菌ステップの間、継続して紫外線ランプ35を点灯させる。或いは、コントローラ24は、例えば除湿装置30による除湿運転の実行時など、殺菌処理における所定のタイミングで紫外線ランプ35を点灯させても良い。
青果物Pはエチレンガスにより腐敗し、さらに腐敗した青果物Pがエチレンガスを発生する。本実施形態の構成であれば、このようなエチレンガスを光触媒によって形成された凝縮器32により除去することができるので、青果物Pを一層新鮮に保つことができる。
その他、本実施形態によれば第3実施形態と同様の作用を得ることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、気化装置23の構成において上述した各実施形態と相違する。各実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。
図15は、本実施形態に係る気化装置23の一構成例を概略的に示す図である。この図に示す気化装置23は、冷却フィン40を備える点で、図4、図10、図12、図14に示したものと相違する。
冷却フィン40は、例えば金属材料によって形成され、排気口25bの近傍に複数配置されている。排気口25bから放出された気体はこの冷却フィン40によって冷やされ、この気体に含まれる水蒸気が凝縮する。これにより生じた水分は、例えば液滴となって冷却フィン40に付着或いは落下する。気化装置23は、冷却フィン40から落下する水滴を受ける容器などを更に備えても良い。
本実施形態の構成であれば、冷却フィン40により排気口25bから空間5に放出される気体の水分を取り除き、青果物Pや青果物Pを収容した梱包容器3等の対象物の表面を濡らすことを防ぎ、また湿度を下げ、空間5の湿度の過度な上昇を防ぐことができる。
なお、図3及び図9に示した第1殺菌装置1に対して、本実施形態と同様の冷却フィン40を設けても良い。
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。本実施形態では、差圧通風により梱包容器3の内部に殺菌成分(気化した電解水,気化物質)を注入する方法を開示する。各実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。
図16は、本実施形態に係る差圧通風の概要を示す図である。ここでは、上述の第2殺菌ステップにおいて、壁部4で囲われた空間5に配置された梱包容器3を通風の対象とする場合を例示する。但し、本実施形態に係る差圧通風は、倉庫などにおける対象物の保管時など、その他の種々の場面に応用することができる。
図16の例においては、仕切材6により空間5が2つに区切られている。以下、これら2つの空間の一方を空間5Aと呼び、他方を空間5Bと呼ぶ。仕切板6には多数の通風口が設けられている。したがって、空間5A,5Bは、これら通風孔を介して連通しており、空間5A,5Bは同一の空間でも良い。
空間5Aには第2殺菌装置2が配置され、空間5Bには梱包容器3が配置されている。梱包容器3は、多数の通気口を有しており、この通気口を介して梱包容器3の内部と空間5(空間5B)とが連通している。
図16に示す梱包容器3には、例えば流通に用いる通箱や段ボール箱などがあり、内部に殺菌成分が出入りするための通気口が少なくとも2ヵ所以上あり、梱包容器3の内部から外部に向けた空気の流れを生成させた場合に空間5よりも減圧となる構造であれば良い。
具体的には、図16に示す梱包容器3は、第1側面F1と、第1側面に対向する第2側面F2とを備え、これら第1側面F1及び第2側面F2に1個ないしは多数の通気口が設けられている。同様に、第1側面F1及び第2側面F2を繋ぐ他の2つの側面や上面や底面にも、通気口が設けられても良い。
図16の例は、梱包容器3の上方が開口している場合であり、図16の例においては、梱包容器3の内部に青果物Pが収容され、さらに梱包容器3の開口が蓋材7で閉じられている。蓋材7は、例えば樹脂材料や金属材料にて梱包容器3の開口を覆う形状に形成されたものであっても良いし、柔軟なシート材であっても良い。蓋材7に通気口を設けても良いし、内部の収納物が一種のシートの役割をはたし、通風した場合に蓋7を置いた時と同様の差圧効果を得られる場合は、蓋7は無くても良い。
また通気口が大き過ぎるため、そのままでは通風により内部が減圧しない構造の梱包容器でも、側面や底面や上面の一部ないしは全面を柔軟なシート材で覆うことで、通風した場合に内部を減圧できる場合は、これも梱包容器3とみなして良い。
空間5Bには、梱包容器3の第2側面F2に面して通風ファン8が配置されている。通風ファン8は、梱包容器3の内部から外部に向けた空気の流れを生成する。これにより、梱包容器3の内部が減圧される。
第2殺菌装置2から供給される殺菌成分は、仕切材6の通気口を介して空間5Aから空間5Bに供給される。通風ファン8の動作に伴い、梱包容器3の内部は空間5Aよりも減圧されているので、この殺菌成分は第1側面F1の通気口を通じて梱包容器3の内部に注入される。梱包容器3の他の側面に通気口が設けられている場合には、殺菌成分はこれらの側面の通気口からも注入される。また、梱包容器3の底面に通気口が設けられており、かつこの底面が梱包容器3の載置面から浮いた状態にあるならば、この底面の通気口からも殺菌成分が注入され得る。
梱包容器3の内部の空気は、通風ファン8の作用により、第2側面F2から空間5Bに排出される。これにより、梱包容器3の内部の殺菌成分も、少なくとも一部が排出される。
このような差圧通風の効果を、発明者らは実験により検証した。図17は、この実験の結果を示すグラフである。この実験では、ケースA1,A2,A3の3パターンにおいて、梱包容器3の内部への殺菌(次亜塩素酸)成分注入量を測定した。殺菌(次亜塩素酸)成分注入量の単位は[μg/min*m]と表現し、単位時間に図16の梱包容器3内部の単位面積当たりに到達する殺菌(次亜塩素酸)成分注入量にて定義した。
梱包容器3には、上面が無く、側面、底面の全ての面に通気口がある箱を用意した。空間5Aに設置した第2殺菌装置2から殺菌成分を放出したときの殺菌成分の到達量を、ケースA1では内部に何も収納されていない梱包容器3を空間5Bに配置し、到達量を測定し、ケースA2では内部に青果物Pが充填した状態にて梱包容器3を空間5Bに配置した場合の梱包容器3内部への到達量を測定し、ケースA3では、内部に青果物Pを充填後に側面F1、F2の2面以外の通気口を塞ぎ、かつ蓋材7で上面を塞ぎ、梱包容器3を空間5Bに配置して、かつ通風ファン8による差圧通風を行った場合の到達量を測定した。
この実験の結果、殺菌成分注入量は、ケースA1では約93μg/(min*m)となり、ケースA2では約7μg/(min*m)となり、ケースA3では約97μg/(min*m)となった。
すなわち、青果物Pが充填された梱包容器3において、差圧通風を行わないケースA2の場合は注入量が小さくなるが、差圧通風を行ったケースA3の場合には空の梱包容器3(ケースA1)と同量以上、つまり梱包容器に入れずに空間5に置いた場合と同量以上の注入量を実現できることが判る。
実際には、梱包容器3は、複数段に積み上げた状態で輸送或いは保管されることが想定される。そこで、梱包容器3を複数段に積み上げた状態でも差圧通風の効果を検証した。図18は、この実験の概要を示す図である。梱包容器3には、上面が無く、側面、底面の全ての面に通気口がある箱を用意した。この実験では、ケースB1,B2,B3の3パターンにおいて、積み上げられた各梱包容器3の内部への殺菌成分注入量[μg/min*m]を測定した。
ケースB1では、内部に何も収納されていない梱包容器3を3段積み上げて空間5Bに配置し、通風ファン8による差圧通風を行わなかった。ケースB2では、内部に何も収納されていない梱包容器3の側面の通気口を塞ぎ、3段積み上げて空間5Bに配置し、さらに3段積み上げの上段の上面に通気口がある蓋材7を被せた状態にて通風ファン8による差圧通風を行った。ケースB3では内部に青果物Pが充填された状態にて、ケースB2と同様に梱包容器3の側面の通気口を塞ぎ、3段積み上げて空間5Bに配置し、さらに3段積み上げの上段の上面に通気口がある蓋材7を被せた状態にて、通風ファン8による差圧通風を行なった。ここで使用した梱包容器3は、いずれも底面に通気口が設けられている。したがって、積み上げた状態でも、各梱包容器3の内部が連通しており、上面から注入された殺菌成分が下面から抜け出る。ケースB2,B3においては、下段の梱包容器3に面して通風ファン8を配置した。
図19は、図18に示す実験の結果を示すグラフである。ケースB1では、上段の梱包容器3には多くの殺菌成分を注入できたが、中段の梱包容器3への注入量は上段よりも大幅に少なくなり、下段の梱包容器3への注入量はさらに少なくなった。ケースB2では、上段、中段、下段のいずれにおいても、ケースB1よりも注入量が大幅に増加した。また、中段及び下段の注入量は、上段の注入量と遜色ない程度であった。ケースB3では、ケースB2と同じく、上段、中段、下段とも高い注入量を得ることができた。この実験結果から、複数の梱包容器3を積み上げた場合であり、かつ内部に青果物Pが充填された状態においても本実施形態に係る差圧通風を行うことで、良好な殺菌成分注入量を得られることが判る。
なお、本実施形態に係る差圧通風は、前述した各実施形態のいずれと組み合わせることもできる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、各実施形態にて開示した第2殺菌ステップは、梱包容器3に収容された青果物Pの輸送中だけでなく、その着荷後において貯蔵されている際に実行されても良い。
また、各実施形態にて開示した第1殺菌ステップ及び第2殺菌ステップは、他の工程と適宜に組み合わせることができる。例えば、殺菌対象の生鮮食品が根菜類のように水洗いが可能なものである場合、第1殺菌ステップに代えて、或いは第1殺菌ステップとともに、水洗いの工程を加えても良い。
P…青果物、L1…殺菌場所、L2…輸送手段、1…第1殺菌装置、2…第2殺菌装置、3…梱包容器、4…壁部、5…空間、10,20…タンク、11,21…配管、12,22…ポンプ、13…噴霧装置、14,24…コントローラ、16,26…気化器、17,27…ファン、23…気化装置。

Claims (22)

  1. 生育場所で収穫された後に出荷され、輸送手段により輸送され、輸送先にて貯蔵或いは販売される青果物の流通過程において、収穫後かつ出荷前の前記青果物を気化した殺菌水に晒すことにより、前記青果物の表面を殺菌する第1殺菌ステップと、
    前記第1殺菌ステップを経た前記青果物を壁部によって囲われた空間に配置して前記輸送手段により輸送する際に、前記空間の空気を吸い込み、吸い込んだ空気とともに気化した殺菌水を前記空間に放出することにより、前記空間を殺菌する第2殺菌ステップと、
    を含み、
    前記第2殺菌ステップにて単位時間あたりに消費される殺菌水の量は、前記第1殺菌ステップにて単位時間あたりに消費される殺菌水の量よりも少ないことを特徴とする殺菌方法。
  2. 前記第1殺菌ステップ及び前記第2殺菌ステップにおいては、気化た殺菌水とともに殺菌水の液状ミストが放たれ、前記液状ミストの粒径が、50μm以下である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の殺菌方法。
  3. 前記第1殺菌ステップにおいては、気化した殺菌水を第1ファンにより前記青果物に当て、
    前記第2殺菌ステップにおいては、気化した殺菌水を第2ファンにより前記空間に放出し、
    前記第2ファンの送風量を前記第1ファンの送風量よりも小さくすることにより、前記第2殺菌ステップにて単位時間あたりに消費される殺菌水の量を前記第1殺菌ステップにて単位時間あたりに消費される殺菌水の量よりも少なくする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の殺菌方法。
  4. 前記第1殺菌ステップにて用いられる殺菌水の濃度は、前記第2殺菌ステップにて用いられる殺菌水の濃度よりも高い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の殺菌方法。
  5. 前記第1殺菌ステップは、第1殺菌場所に配置された第1殺菌装置によって行われ、
    前記第2殺菌ステップは、第2殺菌場所に配置された第2殺菌装置によって行われる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の殺菌方法。
  6. 前記第1殺菌場所は、前記青果物の生育場或いは集荷場所であり、
    前記第2殺菌場所は、前記輸送手段の荷台或いは荷室である、
    ことを特徴とする請求項5に記載の殺菌方法。
  7. 前記第2殺菌ステップは、前記空間から水分を回収し、前記空間の湿度を下げる除湿ステップを含むとともに、前記空間の温度低下に伴い前記青果物の表面に発生する結露を抑制する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の殺菌方法。
  8. 前記第1殺菌ステップにおいて用いられる殺菌水は、酸性電解水であり、
    前記第1殺菌ステップは、
    ルカリ性電解水を前記青果物に噴霧する第1噴霧ステップと、
    前記第1噴霧ステップの後に前記酸性電解水を前記青果物に噴霧し、前記青果物の表面を殺菌する第2噴霧ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の殺菌方法。
  9. 前記第2殺菌ステップにおいて用いられる殺菌水は、酸性電解水であり、
    前記第2殺菌ステップは、
    前記酸性電解水を気化させて前記空間に放出し、前記空間を殺菌する第1放出ステップと、
    前記第1放出ステップの後にアルカリ性電解水を気化させて前記空間に放出し、前記空間内を中和する第2放出ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の殺菌方法。
  10. 前記第1殺菌ステップ及び前記第2殺菌ステップの少なくとも一方において吸気口及び排気口を有する筐体と、前記筐体に収容され殺菌水を気化する気化器と、前記吸気口から前記筐体に空気を取り込み、この空気を気化した殺菌水とともに前記排気口から放出するファンと、を備える装置が用いられ、
    前記排気口に、前記排気口から放出される気体を冷却して水蒸気を凝縮させるフィンを設けることで、気化した殺菌水に含まれる水分を取り除く、
    ことを特徴とする請求項1に記載の殺菌方法。
  11. 前記第2殺菌ステップにおいて、前記青果物は、通気性を有する梱包容器に収容され、
    前記第2殺菌ステップは、ファンにより前記梱包容器の内部から外部に向けた空気の流れを生成して前記梱包容器の内部を減圧することにより、前記空間内の気化した殺菌水を前記梱包容器の内部に注入することを含む、
    請求項1に記載の殺菌方法。
  12. 生育場所で収穫された後に出荷され、輸送手段により輸送され、輸送先にて貯蔵或いは販売される青果物であって、菌の増殖或いは付着の防止が必要な青果物の表面を殺菌する殺菌システムにおいて、
    被電解水を電気分解することで生成される酸性電解水を気化する第1気化手段と、
    収穫後かつ出荷前の前記青果物を壁部によって囲われた空間内に保管する前に、前記第1気化手段により気化された酸性電解水を前記青果物の表面に噴霧する噴霧手段と、
    酸性電解水を気化する第2気化手段と、
    前記噴霧手段による酸性電解水の噴霧を経た前記青果物を前記空間に配置して前記輸送手段により輸送する際に、前記第2気化手段により気化された酸性電解水を前記空間内に循環させる循環手段と、を備え、
    前記噴霧手段により、気化された酸性電解水を前記青果物の表面に噴霧し、前記循環手段により、気化された酸性電解水を前記空間内で循環させることで、前記青果物を殺菌し、
    前記第2気化手段及び前記循環手段により単位時間あたりに消費される酸性電解水の量は、前記第1気化手段及び前記噴霧手段により単位時間あたりに消費される酸性電解水の量よりも少ないことを特徴とする殺菌システム。
  13. 生育場所で収穫された後に出荷され、輸送手段により輸送され、輸送先にて貯蔵或いは販売される青果物を壁部によって囲われた空間内で保管する保管方法であって、
    収穫後かつ出荷前の前記青果物を前記空間内に保管する前に、前記青果物に、被電解水を電気分解することで生成された酸性電解水を噴霧する噴霧ステップと、
    前記噴霧ステップによる酸性電解水の噴霧を経た前記青果物を前記空間に配置して前記輸送手段により輸送する際に、酸性電解水を気化し、気化した酸性電解水の気化物質を前記空間内に循環させる循環ステップと、
    を備え、
    前記気化物質が循環することにより、前記空間内が殺菌され、
    前記循環ステップにて単位時間あたりに消費される酸性電解水の量は、前記噴霧ステップにて単位時間あたりに消費される酸性電解水の量よりも少ないことを特徴とする保管方法。
  14. 前記噴霧ステップを前記空間の外で実施し、
    前記噴霧ステップを経た後の前記青果物を前記空間内へ収容し、前記循環ステップを実施する、
    ことを特徴とする請求項13に記載の保管方法。
  15. 前記噴霧ステップにおいては、気化した酸性電解水を第1ファンにより前記青果物に当て、
    前記循環ステップにおいては、気化した酸性電解水を第2ファンにより前記空間に放出し、
    前記第2ファンの送風量を前記第1ファンの送風量よりも小さくすることにより、前記循環ステップにて単位時間あたりに消費される酸性電解水の量を前記噴霧ステップにて単位時間あたりに消費される酸性電解水の量よりも少なくする、
    ことを特徴とする請求項13に記載の保管方法。
  16. 前記噴霧ステップにて用いられる酸性電解水の濃度は、前記循環ステップにて用いられる酸性電解水の濃度よりも高い、
    ことを特徴とする請求項13に記載の保管方法。
  17. 前記循環ステップは、前記空間から水分を回収し、前記空間の湿度を下げることにより、酸性電解水の気化を促進することを含む、
    ことを特徴とする請求項13に記載の保管方法。
  18. 前記循環ステップは、
    酸性電解水を吸水して前記酸性電解水を気化させるための気化部材に、前記空間内に浮遊する浮遊菌を接触させることによって前記浮遊菌を殺菌することと、
    前記気化物質を前記空間内に分散させることにより、前記空間内の前記浮遊菌を殺菌することと、
    前記空間内の壁、床、或いは前記空間内に配置された物体の表面に前記気化物質を到達させ、前記壁、前記床、或いは前記物体の表面に存在する表面菌を殺菌することと、
    を含むことを特徴とする請求項13に記載の保管方法。
  19. 前記噴霧ステップは、貯水された酸性電解水を噴霧することを含み、
    貯水された酸性電解水の有効塩素濃度が160ppm以下であり、噴霧される酸性電解水の有効塩素濃度が80ppm以下であり、貯水された酸性電解水の有効塩素濃度が噴霧される前記酸性電解水の有効塩素濃度よりも高い、
    ことを特徴とする請求項16に記載の保管方法。
  20. 記噴霧ステップは、
    ルカリ性電解水を前記青果物に噴霧することと、
    前記酸性電解水を前記青果物に噴霧し、前記青果物の表面を殺菌することと、
    を含むことを特徴とする請求項13に記載の保管方法。
  21. 記循環ステップは、
    前記酸性電解水を気化して前記空間に放出し、前記空間を殺菌することと、
    ルカリ性電解水を気化して前記空間に放出し、前記空間内を中和することと、
    を含むことを特徴とする請求項20に記載の保管方法。
  22. 前記青果物は、通気性を有する梱包容器に収容された状態で前記空間内に保管され、
    ファンにより前記梱包容器の内部から外部に向けた空気の流れを生成して前記梱包容器の内部を減圧することにより、前記循環ステップにより前記空間内に循環する前記気化物質を前記梱包容器の内部に注入することをさらに含む、
    請求項13に記載の保管方法。
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