JP3892277B2 - 保鮮庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜や果物などの鮮度を保持する保鮮庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の保鮮庫としては、殺菌機能付き高湿冷蔵庫として特開平11−30469号公報に示されているものがある。
【0003】
以下、図面を参照しながら上記従来の保鮮庫を説明する。
【0004】
図7は、従来の保鮮庫の構成図である。図7において、1は殺菌機能付き高湿冷蔵庫であり、冷蔵室2の内部には野菜や果物等の青果物18が収納されている。また、冷蔵室2内の天井付近には冷水を噴出するシャワー部3と、フィリング4と、シャワーした冷水を回収する回収器5と、送風機6が配置されている。
【0005】
7は水槽であり、内部に水が蓄えられている。水槽7は、供給用配管9,冷水ポンプ10を介してシャワー部3に接続されている。回収器5は回収用配管11を介して水槽7に接続されている。
【0006】
また、水槽7内には製氷コイル8が配置されている。14はチラーユニットであり、供給用ブライン配管15,回収用ブライン配管16を介して製氷コイル8と接続されている。また、12はオゾン発生装置であり、オゾン配管13を介して水槽7に接続されている。
【0007】
以上のように構成された保鮮庫について、以下その動作を説明する。
【0008】
製氷コイル8内にはチラーユニット14で冷却されたブラインがブラインポンプ17により循環することにより、水槽7内の水が冷却されて冷水になると共に、製氷コイル8の外周には氷が生成される。また、オゾン発生装置12で生成したオゾンはオゾン配管13を介して水槽7内に送られて、水槽7内の冷水はオゾン冷水となる。
【0009】
水槽7内のオゾン冷水は、冷水ポンプ10,供給用配管9を介して、シャワー部3からフィリング4に向けて噴出される。一方、送風機6により冷蔵室2内の空気がフィリング4に向けて吹き付けられる。フィリング4内において、送風機6で吹き付けられた冷蔵室2内の空気は、シャワー部3から噴出したオゾン冷水と接触することにより冷却・加湿され、冷蔵室2内に供給される。また、フィリング4の下方に設けた回収器5に回収されたオゾン冷水は、回収用配管11を介して水槽7に戻される。
【0010】
このように、オゾン冷水を冷蔵室2内に噴出して冷蔵室2内を冷却・加湿することにより、冷蔵室2内は、青果物18の保存に適した低温高湿状態に保持される。また、オゾンの作用により冷蔵室2内の空気を殺菌できるだけでなく、青果物18から排出されて鮮度低下の原因となるエチレンガスを分解できるので、冷蔵室2内の青果物18の鮮度を保持することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成は、冷蔵室2とは別のスペースに水槽7,チラーユニット14,オゾン発生装置12等が必要であり、設備が大型になるという欠点があった。また、特にオゾンは殺菌作用やエチレンガス分解作用を持つ一方で、気相オゾン濃度上限値が0.1ppmに規制されていることでもわかるように毒性が強い物質である。このオゾン濃度の制御は困難なため、装置の故障など何らかの原因でオゾン濃度が上昇した場合に、人体の健康に悪影響を及ぼす可能性があるという欠点があった。
【0012】
本発明は従来の課題を解決するもので、冷蔵室内空気の冷却・加湿・除塵機能の他、殺菌やエチレンガス除去分解機能をも備えた、野菜や果物などの青果物の鮮度を保持できるコンパクトな保鮮庫を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の発明は、冷蔵室と、前記冷蔵室の下方に設けた貯水槽と、前記貯水槽内の水を所定温度に冷却保持する冷却コイルと、前記貯水槽内の冷水を空気中に噴霧する噴霧装置と、前記冷蔵室内の空気を循環させるファンと、紫外線発生装置と、紫外線照射面に設置された光触媒層と、前記貯水槽の貯水量が不足した場合に、前記貯水槽内の水面から空気中に露出した冷却コイルに前記冷蔵室内の空気を通過せしめる風路調整ダンパとを備えたものであり、前記紫外線発生装置と前記光触媒層とで除菌処理した水を空気中に噴霧して前記冷蔵室内の冷却・加湿・除塵を行うだけでなく、空気中の雑菌やエチレンガスなどを除去分解することにより、前記冷蔵室内の空気を被冷却収納物の保存に最適な状態に保持でき、前記被冷却収納物の鮮度を保持できる。
また、万一、断水や故障等により水が無い場合または水位が低下した場合に、冷却コイルで冷蔵室内の空気を冷却でき、応急運転が可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、さらに、紫外線発生装置から照射された紫外線を反射せしめる反射板を備えたものであり、前記紫外線発生装置から光触媒層または貯水槽内の水面以外に向けて照射された紫外線を反射させて、前記光触媒層または前記貯水槽内の水面に照射することにより、前記光触媒層表面及び前記貯水槽の水面における紫外線照射強度が増大し、前記紫外線発生装置と前記光触媒層による冷蔵室内の除菌性能及びエチレン除去性能が向上し、被冷却収納物の鮮度を保持できる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、光触媒層を貯水槽の水中に設置したものであり、前記光触媒層周囲には常に水が存在するため、紫外線が照射されている場合には、ポンプの運転状態に拘わらず水の除菌処理が行われ、前記貯水槽内の水質を清浄に保持することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、さらに、冷却コイルの表面に光触媒コーティング処理を施したものであり、これにより光触媒層の設置スペースを新たに設けることなく光触媒層の面積を増大することができ、水処理能力の向上が図れる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、さらに、紫外線発生装置を貯水槽の水中に設置したものであり、これにより光触媒層表面における紫外線照射強度が増大し、ポンプの運転状態に拘わらず水の除菌処理が行われるだけでなく、水処理能力の向上が図れる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による保鮮庫の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による保鮮庫の断面図である。
【0021】
図1において、21は保鮮庫の1形態としてのクローズドタイプのショーケースであり、冷蔵室22内の複数の棚23a,23b,23cの上には生野菜や果物の他、サラダなどの被冷却収納物24が保存される。25は貯水槽であり、冷蔵室22の下方に設置されており、貯水量(水位)は給水口29,排水口30の開閉により所定量に保持されている。
【0022】
26は冷却コイルであり、貯水槽25内に配置され、貯水槽25内の水を所定温度(被冷却収納物の種類により約0℃〜10℃程度)に冷却保持する。27は噴霧装置であり、貯水槽25内の冷水をポンプ28を介して空気中に噴霧するもので、主にスプレーノズルが用いられる。
【0023】
31は紫外線発生装置であり、主に殺菌灯と呼ばれる紫外線ランプが用いられ、貯水槽25の水面上方に設けられている。この時、貯水槽25の水面には紫外線が照射されているため、貯水槽25内の水は紫外線により常に除菌処理された状態となっている。
【0024】
また、32は光触媒層であり、ステンレス板などの表面に酸化チタンなどの光触媒材料を固定処理したものが用いられ、紫外線発生装置31から発生した紫外線の照射両側面に設置されている。
【0025】
33はエリミネータであり、噴霧装置27から空気中に噴霧された冷水のなかの余剰水滴をメッシュ状フィルター等で捕捉して貯水槽25に戻し、余剰水滴が冷蔵室22内へ流出するのを防止する働きを持つ。34はファンであり、空気吸込口35から取り入れた空気を空気吹出口36から吹き出して冷蔵室22内の空気を循環させる。
【0026】
以上のように構成された保鮮庫について、以下その動作を説明する。
【0027】
ショーケース21の冷蔵室22内には、生野菜や果物の他、サラダなどの被冷却収納物24が保存に適した温度(一般的には0℃〜10℃程度)にて冷蔵保存されている。
【0028】
空気吸込口35から吸込まれた冷蔵室22内の空気は、貯水槽25の水面上方にて噴霧装置27により冷水を噴霧されて冷却・加湿されると共に、紫外線発生装置31による紫外線照射で除菌処理される。また、この時、空気中の雑菌や塵埃は、噴霧装置27から噴出した微細な水滴に捕捉されて空気が浄化され、低温・高湿の清浄空気が生成される。さらに、光触媒層32の表面近傍においては、光触媒の強力な酸化作用により、冷蔵室22内の野菜や果物の被冷却収納物の鮮度低下の原因となるエチレンガスの分解処理までもが可能となる。
【0029】
一方、空気中の雑菌や塵埃を捕捉した水滴は、光触媒層32の表面近傍において紫外線発生装置31による紫外線照射を受けて、光触媒の強力な酸化作用により除菌・分解処理された後に貯水槽25内に回収される。
【0030】
また、空気中の雑菌や塵埃を捕捉した水滴のうち貯水槽25内に直接回収された水滴は、紫外線発生装置31の紫外線照射を受けて除菌処理される。このように、貯水槽25内の冷水は、紫外線発生装置31により照射される紫外線と光触媒層32とで除菌・分解処理されるため、常に清浄な状態に保たれている。
【0031】
そして、噴霧装置27と紫外線発生装置31と光触媒層32とで冷却・加湿・除塵・除菌及びエチレンガス分解除去処理がなされた低温・高湿の清浄空気は、エリミネータ33で余剰水滴を除去された後に、ファン34により空気吹出口36から冷蔵室22内へと供給される。
【0032】
従って、冷蔵室22内の空気を野菜や果物の被冷却収納物24の保存に最適な状態(温度0〜10℃程度,湿度90%程度以上)に保持できると共に、鮮度低下の原因となるエチレンガスも分解除去できるため、被冷却収納物24の鮮度を保持できる。
【0033】
また、さらに、光触媒の強力な酸化作用により、冷蔵室22内の臭いのもととなる有機物質をも分解することができるため、冷蔵室22内の脱臭及び防臭効果を得ることもできる。
【0034】
以上のように本実施の形態の保鮮庫は、冷蔵室22と、冷蔵室22の下方に設けた貯水槽25と、貯水槽25内の水を所定温度に冷却保持する冷却コイル26と、貯水槽25内の冷水を空気中に噴霧する噴霧装置27と、冷蔵室22内の空気を循環させるファン34と、紫外線発生装置31と、紫外線照射面に設置された光触媒層32とからなる一体構造であり、紫外線発生装置31と光触媒層32とで除菌処理した水を空気中に噴霧して冷蔵室22内の冷却・加湿・除塵を行うだけでなく、空気中の雑菌やエチレンガスなどを除去分解できるため、冷蔵室22内の空気を野菜や果物の被冷却収納物24の保存に最適な状態(温度0〜10℃程度,湿度90%程度以上)に保持でき、被冷却収納物24の鮮度を保持できる。
【0035】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2による保鮮庫の断面図である。
【0036】
図2において、37は反射板であり、紫外線発生装置31の上方に配置され、紫外線発生装置31から上方向に照射された紫外線を反射して、光触媒層32または貯水槽25の水面に照射させるものである。
【0037】
本実施の形態は、実施の形態1による保鮮庫に、さらに反射板37を設けたものである。
【0038】
以上のように構成された保鮮庫について、以下その動作を説明する。
【0039】
反射板37により、紫外線発生装置31から上方向に照射された紫外線は反射して光触媒層32または貯水槽25の水面に照射されるため、光触媒層32表面及び貯水槽25の水面における紫外線照射強度が増大する。
【0040】
その結果、紫外線発生装置31と光触媒層32による冷蔵室22内の除菌性能及びエチレン除去性能が向上し、被冷却収納物の鮮度を保持できる。
【0041】
以上のように本実施の形態の保鮮庫は、紫外線発生装置31から照射された紫外線を反射せしめる反射板37を備え、紫外線発生装置31から上方向に照射された紫外線は反射板37で反射して光触媒層32または貯水槽25の水面に照射されるため、光触媒層32表面及び貯水槽25の水面における紫外線照射強度が増大し、紫外線発生装置31と光触媒層32による冷蔵室22内の除菌性能及びエチレン除去性能が向上し、被冷却収納物の鮮度を保持できる。
【0042】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3による保鮮庫の断面図である。
【0043】
本実施の形態は、実施の形態1または実施の形態2による保鮮庫において、光触媒層32を貯水槽25の水中に設置したものである。
【0044】
以上のように構成された保鮮庫について、以下その動作を説明する。
【0045】
光触媒層32を貯水槽25の水中に配置することにより、光触媒層32周囲には常に水が存在する。従って、紫外線発生装置31で紫外線が照射されている場合には、ポンプ28の運転状態に拘わらず水の除菌処理が行われ、貯水槽25内の水質を清浄に保持することができる。
【0046】
一方、実施の形態1または実施の形態2による保鮮庫では、光触媒層32が貯水槽25の水面上方にあるため、ポンプ28が停止している場合は光触媒層32表面に水が供給されず、水処理が行えない。
【0047】
以上のように本実施の形態の保鮮庫は、光触媒層32を貯水槽25内の水中に設置したため、紫外線発生装置31で紫外線が照射されている場合には、ポンプ28の運転状態に拘わらず水の除菌処理が行われ、貯水槽25内の水質を清浄に保持することができる。
【0048】
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4による保鮮庫の断面図である。
【0049】
図4において、38は光触媒コーティング冷却コイルであり、冷却コイルの配管とフィンの表面に光触媒層をコーティングしたものである。
【0050】
本実施の形態は、実施の形態1から実施の形態3のいずれかによる保鮮庫において、冷却コイルの配管とフィンの表面に光触媒層をコーティングしたものである。
【0051】
以上のように構成された保鮮庫について、以下その動作を説明する。
【0052】
一般的に光触媒により除菌・分解等の水処理を行う場合、紫外線が照射される光触媒層の面積が大きい程、水処理能力も増大する。そこで、貯水槽25内の水の冷却に使用している冷却コイルの表面に光触媒層をコーティング処理することにより、光触媒層の設置スペースを新たに設けることなく光触媒層の面積を増大することができ、水処理能力の向上が図れる。
【0053】
以上のように本実施の形態の保鮮庫は、冷却コイルの表面に光触媒コーティング処理を施したため、光触媒層の設置スペースを新たに設けることなく光触媒層の面積を増大することができ、水処理能力の向上が図れる。
【0054】
(実施の形態5)
図5は、本発明の実施の形態5による保鮮庫の断面図である。
【0055】
図5において、39は風路調整ダンパであり、貯水槽25の貯水量が不足した場合に、貯水槽25内の水面から空気中に露出した冷却コイル26に冷蔵室22内の空気を通過せしめるものである。
【0056】
本実施の形態は、実施の形態1から実施の形態4のいずれかによる保鮮庫に、さらに風路調整ダンパ39を設けたものである。
【0057】
以上のように構成された保鮮庫について、以下その動作を説明する。
【0058】
万一、断水や故障等により貯水槽25内の貯水量が不足して噴霧装置27による冷水噴霧ができない場合には、空気吸込口35から吸込まれた冷蔵室22内の空気は、冷却コイル26を通過することなく、風路抵抗が小さい冷却コイル26上方の紫外線発生装置31付近を通過し、ファン34により空気吹出口36から冷蔵室22内へ供給される。
【0059】
この時、冷蔵室22内の空気は噴霧装置27による加湿がされないだけでなく、冷却もされないため、運転不能になってしまう。そこで、貯水槽25内の貯水量が不足して噴霧装置27による冷水噴霧ができない場合には風路調整ダンパ39が冷却コイル26の上方の風路を閉じることにより、冷蔵室22内の空気が、貯水槽25内の水面から空気中に露出した冷却コイル26を通過するようにする。
【0060】
これにより、噴霧装置27による冷蔵室22内の空気の加湿はできないものの、冷却コイル26による冷蔵室22内の空気の冷却は可能であり、応急運転が可能となる。
【0061】
以上のように本実施の形態の保鮮庫は、貯水槽25の貯水量が不足した場合に、貯水槽25内の水面から空気中に露出した冷却コイル26に冷蔵室22内の空気を通過せしめる風路調整ダンパ39を備えたことにより、貯水槽25内の貯水量が不足して噴霧装置27による冷水噴霧ができない場合には風路調整ダンパ39が冷却コイル26の上方の風路を閉じることにより、冷蔵室22内の空気が、貯水槽25内の水面から空気中に露出した冷却コイル26を通過し、噴霧装置27による冷蔵室22内の空気の加湿はできないものの、冷却コイル26による冷蔵室22内の空気の冷却は可能であり、応急運転が可能となる。
【0062】
(実施の形態6)
図6は、本発明の実施の形態6による保鮮庫の断面図である。
【0063】
本実施の形態は、実施の形態3から実施の形態5のいずれかによる保鮮庫において、紫外線発生装置31を貯水槽25の水中に設置したものである。
【0064】
以上のように構成された保鮮庫について、以下その動作を説明する。
【0065】
貯水槽25内には光触媒層32が配置されているため、光触媒層32の周囲には常に水が存在する。従って、紫外線発生装置31で紫外線が照射されている場合には、ポンプ28の運転状態に拘わらず水の除菌処理が行われ、貯水槽25内の水質を清浄に保持することができる。
【0066】
また、紫外線発生装置31を光触媒層32と同じく貯水槽25の水中に配置することにより、紫外線発生装置31と光触媒層32との距離が小さくなり、光触媒層32表面における紫外線照射強度が増大する。従って、光触媒層32による水処理能力の向上が図れ、貯水槽25内の水質をさらに清浄に保持することができる。
【0067】
尚、本実施の形態では紫外線発生装置31を貯水槽25の水中のみに設置したが、貯水槽25の水面上に別の紫外線発生装置31を設置してもよい。
【0068】
以上のように本実施の形態の保鮮庫は、紫外線発生装置31を光触媒層32と同じく貯水槽25内の水中に設置したため、紫外線発生装置31で紫外線が照射されている場合には、ポンプ28の運転状態に拘わらず水の除菌処理が行われ、貯水槽25内の水質を清浄に保持することができるだけでなく、光触媒層32表面における紫外線照射強度が増大するため水処理能力の向上が図れ、貯水槽25内の水質をさらに清浄に保持することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明は、冷蔵室と、前記冷蔵室の下方に設けた貯水槽と、前記貯水槽内の水を所定温度に冷却保持する冷却コイルと、前記貯水槽内の冷水を空気中に噴霧する噴霧装置と、前記冷蔵室内の空気を循環させるファンと、紫外線発生装置と、紫外線照射面に設置された光触媒層と、前記貯水槽の貯水量が不足した場合に、前記貯水槽内の水面から空気中に露出した冷却コイルに前記冷蔵室内の空気を通過せしめる風路調整ダンパとを備えたものであり、前記紫外線発生装置と前記光触媒層とで除菌処理した水を空気中に噴霧して前記冷蔵室内の冷却・加湿・除塵を行うだけでなく、空気中の雑菌やエチレンガスなどを除去分解でき、前記冷蔵室内の空気を被冷却収納物の保存に最適な状態に保持でき、前記被冷却収納物の鮮度を保持できる。
また、万一、断水や故障等により水が無い場合または水位が低下して噴霧装置による冷水噴霧ができない場合には前記風路調整ダンパが前記冷却コイルの上方の風路を閉じることにより、前記冷蔵室内の空気が、前記貯水槽内の水面から空気中に露出した前記冷却コイルを通過し、前記噴霧装置による前記冷蔵室内の空気の加湿はできないものの、前記冷却コイルによる前記冷蔵室内の空気の冷却は可能であり、応急運転が可能となる。
【0070】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、さらに、紫外線発生装置から照射された紫外線を反射せしめる反射板を備えたものであり、前記紫外線発生装置から光触媒層または貯水槽内の水面以外に向けて照射された紫外線を反射させて、前記光触媒層または前記貯水槽内の水面に照射することで、前記光触媒層表面及び前記貯水槽の水面における紫外線照射強度が増大し、前記紫外線発生装置と前記光触媒層による冷蔵室内の除菌性能及びエチレン除去性能が向上し、被冷却収納物の鮮度を保持できる。
【0071】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、光触媒層を貯水槽の水中に設置したものであり、前記光触媒層周囲には常に水が存在するため、紫外線が照射されている場合には、ポンプの運転状態に拘わらず水の除菌処理が行われ、前記貯水槽内の水質を清浄に保持することができる。
【0072】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、さらに、冷却コイルの表面に光触媒コーティング処理を施したものであり、光触媒層の設置スペースを新たに設けることなく光触媒層の面積を増大することができ、水処理能力の向上が図れる。
【0074】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、さらに、紫外線発生装置を貯水槽の水中に設置したものであり、光触媒層周囲には常に水が存在するため、紫外線が照射されている場合には、ポンプの運転状態に拘わらず水の除菌処理が行われ、前記貯水槽内の水質を清浄に保持することができるだけでなく、前記光触媒層表面における紫外線照射強度が増大するため水処理能力の向上が図れ、前記貯水槽内の水質をさらに清浄に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による保鮮庫の実施の形態1の断面図
【図2】本発明による保鮮庫の実施の形態2の断面図
【図3】本発明による保鮮庫の実施の形態3の断面図
【図4】本発明による保鮮庫の実施の形態4の断面図
【図5】本発明による保鮮庫の実施の形態5の断面図
【図6】本発明による保鮮庫の実施の形態6の断面図
【図7】従来の保鮮庫の構成図
【符号の説明】
21 ショーケース
22 冷蔵室
23a,23b,23c 棚
24 被冷却収納物
25 貯水槽
26 冷却コイル
27 噴霧装置
28 ポンプ
29 給水口
30 排水口
31 紫外線ランプ
32 光触媒層
33 エリミネータ
34 ファン
35 空気吸込口
36 空気吹出口
37 反射板
38 光触媒コーティング冷却コイル
39 風路調整ダンパ
Claims (5)
- 冷蔵室と、前記冷蔵室の下方に設けた貯水槽と、前記貯水槽内の水を所定温度に冷却保持する冷却コイルと、前記貯水槽内の冷水を空気中に噴霧する噴霧装置と、前記冷蔵室内の空気を循環させるファンと、紫外線発生装置と、紫外線照射面に設置された光触媒層と、前記貯水槽の貯水量が不足した場合に、前記貯水槽内の水面から空気中に露出した冷却コイルに前記冷蔵室内の空気を通過せしめる風路調整ダンパとを備えた保鮮庫。
- 紫外線発生装置から照射された紫外線を反射せしめる反射板を備えた請求項1に記載の保鮮庫。
- 光触媒層を貯水槽の水中に設置した請求項1または2に記載の保鮮庫。
- 冷却コイルの表面に光触媒コーティング処理を施した請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の保鮮庫。
- 紫外線発生装置を貯水槽の水中に設置した請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の保鮮庫。
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