WO2022070347A1

WO2022070347A1 - 鮮度保持装置およびパネル取付け構造

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Publication number: WO2022070347A1
Application number: PCT/JP2020/037263
Authority: WO
Inventors: 善晴高橋; 敏也金子
Original assignee: 日栄インテック株式会社
Priority date: 2020-09-30
Filing date: 2020-09-30
Publication date: 2022-04-07

Abstract

収容庫の内部の食品等の鮮度を保持する鮮度保持装置及び鮮度保持装置に電界発生パネルを取り付けられたパネル取付け構造を提供する。生鮮品が収容された収容庫の内部で使用され、筐体２の外側に設けられ、電源から電圧を供給することによって電界を発生させる電極を有する電界発生パネル１１と、筐体２に設けられ、生鮮品から発生するエチレンガス分解フィルタ部６と、筐体２に設けられ、収容庫の内部の空気に加湿する加湿手段と、筐体２に設けられ、収容庫の内部の空気の除菌を行う除菌手段とを備えている。

Description

鮮度保持装置およびパネル取付け構造

　本開示は、収容庫の内部に電界を発生させる鮮度保持装置およびこの鮮度保持装置に取付けられるパネルのパネル取付け構造に関する。

　冷蔵庫や冷蔵機能を備えたコンテナ等（以下、「収容庫」とも記す。）には、生鮮食品等を良好な状態で保存するため、鮮度保持装置を設置する場合が多くなっている。この鮮度保持装置には、収容庫の内部の生鮮食品等の鮮度劣化や腐敗を防止する機能が求められる。

　収容庫の内部壁面に、電界を発生させるパネルを設置し、収容庫の内部に過冷却環境を生じさせて、生鮮食品等の鮮度劣化や腐敗を防止する場合がある（例えば、特許文献１）。特許文献１では、収容庫の内部空間に、適当な電界強度の電界を発生させ、生鮮食品等を凍結させることなく氷点下以下の温度で保存することが可能となる技術が開示されている。

特開２０１３－９６６７５号公報

　電界は、電極間等に高電圧を印加することによって発生し、電界が発生している空間等に金属等の導電部材等が存在すると、電界強度が衰弱する、もしくは、電界が存在しなくなる場合がある。そのため、電界を発生させるパネルは、有効に電界を発生することができるように、金属製の筐体と接触しないように配置する必要がある。即ち、電界を発生させるパネルを、例えば、冷蔵庫に備える場合、他の装置や部材とは別途に、冷蔵庫の内部の適切な位置に設置する作業が必要になり、設置コストを高める要因になっている。

　本開示は上記のような問題を解決するために行われたもので、収容庫の内部の生鮮品の劣化を防ぐと共に安全に保管できる鮮度保持装置及びこの鮮度保持装置に形成されたパネル取付け構造を提供する。

　本開示に係る鮮度保持装置は、生鮮品を収容する収容庫の内部で使用され、筐体の外側に設けられ、電源から電圧を供給することによって電界を発生させる電極を有する電界発生パネルと、筐体に設けられ、生鮮品から発生するエチレンガスを分解する分解手段と、筐体に設けられ、収容庫の内部の空気に加湿する加湿手段と、筐体に設けられ、収容庫の内部の空気の除菌を行う除菌手段とを備えたことを特徴とする。

　本開示に係るパネル取付け構造は、上記の鮮度保持装置において、電界発生パネルを、電界発生パネルの縁辺を支持するフレーム部材を用いて筐体に取付けられ、フレーム部材は絶縁性の素材で形成され、電界発生パネルの縁辺を挟み込む狭持部と、筐体に電界発生パネルを固定させる固定部とを有し、筐体は導電性の素材で形成され、外側に固定部を固定させる支持固定部材を備えることを特徴とする。

　本開示の鮮度保持装置は、生鮮品を過冷却状態とするための電界発生パネルを備え、電界発生パネルにより発生する電界を利用して、生鮮品を過冷却とすることで鮮度を維持することができる。さらに、この鮮度保持装置は、生鮮品から発生するエチレンガスを分解する分解手段と、収容庫の内部の空気に加湿する加湿手段と、収容庫の内部の空気の除菌を行う除菌手段を備えているため、生鮮品から発生するエチレンガスの除去、収容庫の内部の空気の除菌等をすることができる。
　したがって、鮮度保持装置は、収容庫に収容された生鮮品の劣化や腐敗を防止しつつ、生鮮品を安全に維持できる。

　また、本開示のパネル取付け構造は、電界発生パネルを筐体外側に取付けることにより、冷蔵庫等の庫内に電界発生パネル等を設置するコストを抑制し、電界を効率よく発生させることができる。

本開示の実施の形態によるパネル取付け構造の構成を示す説明図である。図１の電界発生部の構成を示す断面図である。図１の電界発生部の構成を示す断面図である。本開示の実施例１によるパネル取付け構造を用いた鮮度保持装置の外観を示す斜視図である。本開示の実施例２によるパネル取付け構造を用いた鮮度保持装置の外観を示す斜視図である。図５の鮮度保持装置の底面部の外観を示す説明図である。本開示の実施例３によるパネル取付け構造を用いた鮮度保持装置の外観を示す正面図である。図７の鮮度保持装置を上方から視た場合の外観を示す説明図である。

　以下、この発明の実施の一形態を説明する。
　図１は、本開示の実施の形態によるパネル取付け構造の構成を示す説明図である。この図１は、本実施の形態に係る鮮度保持装置に備えられる電界発生部１０の構成を示したもので、鮮度保持装置の筐体表面に設置された電界発生部１０を正面視した場合における、各構成の配置を現している。

　本開示の実施の形態に係る鮮度保持装置は、食品、植物、医薬品等を収容する収容庫、例えば、家庭用冷蔵庫、業務用冷蔵庫、プレハブ型冷蔵庫、コンテナの内部に載置され、使用される。

　電界発生部１０は、外部から供給された高電圧（１ｋＶから５ｋＶ）をかけて電界を発生させるように構成された電界発生パネル１１と、電界発生パネル１１の縁辺部分を支持（固定）するパネル支持フレーム部材１２と、パネル固定フレーム部材１３とを備えている。
　電界発生パネル１１は、複数の素材を積層させて、表面形状が矩形となるように形成されており、各縁辺部分には、対向配置された２つのパネル支持フレーム部材１２、および、対向配置された２つのパネル固定フレーム部材１３がそれぞれ接合されている。即ち、パネル支持フレーム部材１２およびパネル固定フレーム部材１３によって、電界発生パネル１１の周囲が囲われている。
　パネル固定フレーム部材１３は、固定ネジ１４を用いて、鮮度保持装置の筐体に当該パネル固定フレーム部材１３（電界発生パネル１１）を固定するようにネジ穴（貫通孔）が設けられている。

　図２は、図１の電界発生部１０の構成を示す断面図である。この図２は、図１に示したＡ－Ａ線における電界発生部１０の断面を示したもので、パネル支持フレーム部材１２と電界発生パネル１１とを接合させ、例えば、鮮度保持装置の筐体２に電界発生部１０を取付け固定させた状態を現している。
　なお、電界発生パネル１１は、パネル支持フレーム部材１２ならびにパネル固定フレーム部材１３が電界発生パネル１１の各縁辺部分に接合された後、筐体２に固定される。

　ここで例示する電界発生パネル１１は、パネル表面が矩形状に形成されており、薄いアルミシート等で形成された電極をポリエステル層で挟み込み、さらに、ポリエステル層に硬質塩化ビニル層を積層させてパネル表面を形成させたものである。
　上記のアルミシート等で形成された電極は、シート状の平面が電界発生パネル１１の表面に対して平行となるように、電界発生パネル１１の内部に備えられている。

　また、電界発生パネル１１は、パネル縁辺部分から電極に電界を発生させる高電圧を供給する配線部材（図示省略）が設置され、例えば、これらの設置部分（パネル端部）にシーリング材を充填して、電気絶縁を図るとともに、積層内部（パネル内部）に結露が生じないように構成されている。
　電界発生パネル１１は、パネル表面を硬質塩化ビニル（絶縁素材）で形成することにより、高電圧が供給されているときに、人体が接触しても感電することが無いように構成されている。

　パネル支持フレーム部材１２は、電界発生パネル１１の縁辺部分の一辺（例えば、鮮度保持装置に取付けたとき水平に配置される縁辺部分）に接合する長さを有する。
　パネル支持フレーム部材１２は、電界発生パネル１１の縁辺部分（例えば、水平に配置される縁辺部分）を挟み込む狭持部２０、鮮度保持装置１の筐体２に備えられた支持固定部材１６に係止され、固定させる固定部２１を備えている。
　パネル支持フレーム部材１２は、例えば、適度な弾性および強度を有する、絶縁性の樹脂素材を用いて形成されている。

　狭持部２０は、電界発生パネル１１の縁辺部分を厚み方向に挟む形状（断面形状が略Ｃ字状）に形成されている。
　固定部２１は、電界発生パネル１１の表面と平行になるように、狭持部２０（略Ｃ字状の背後側の部分から）から延設され、例えば、後述する鮮度保持装置１に備えられた支持固定部材１６の開口部に挿入させて係止され、固定させる突起部位を有している。
　パネル支持フレーム部材１２と電界発生パネル１１との接合部分、即ち、狭持部２０と電界発生パネル１１の縁辺部分との間にはシーリング材１５が充填され、狭持部２０と電界発生パネル１１の縁辺部分との間の隙間（狭持部２０と電界発生パネル１１との接触部分）に結露が発生することを防いでいる。

　図３は、図１の電界発生部１０の構成を示す断面図である。この図３は、図１に示したＢ－Ｂ線における電界発生部１０の断面を示したもので、パネル固定フレーム部材１３と電界発生パネル１１とを接合させ、例えば、鮮度保持装置の筐体に電界発生部１０を取付け固定させた状態を表している。
　パネル固定フレーム部材１３は、電界発生パネル１１の縁辺部分のうち、パネル支持フレーム部材１２と接合する一辺（上記の水平に配置される縁辺部分）とは異なる、他の一辺（例えば、鮮度保持装置に取付けたとき垂直に配置される縁辺部分）に接合する長さを有する。

　パネル固定フレーム部材１３は、電界発生パネル１１の縁辺部分（例えば、垂直に配置される縁辺部分）を挟み込む狭持部３０、鮮度保持装置に備えられた支持固定部材１７に固定させる固定部３１を備えている。
　また、パネル固定フレーム部材１３は、パネル支持フレーム部材１２と同様に、適度な弾性および強度を有する、絶縁性の樹脂素材を用いて形成されている。

　狭持部３０は、弾性を用いて、電界発生パネル１１の縁辺部分を厚み方向に挟む形状（断面形状が略Ｃ字状）に形成されている。
　固定部３１は、電界発生パネル１１の表面と平行になるように、狭持部３０から（略Ｃ字状の背後側部分から）延設され、例えば、鮮度保持装置１に電界発生部１０を設置固定するとき、鮮度保持装置１に備えられた支持固定部材１７に載置されるように形成されている。
　また、固定部３１は、固定ネジ１４を挿通させるネジ穴が設けられており、上記のように支持固定部材１７に載置させ、重ねたとき、支持固定部材１７のタップを形成させた部分等に、ネジ穴が重なるように形成されている。
　換言すると、固定部３１は、ネジ穴に固定ネジ１４が挿入されてネジ締めが行われると、固定ネジ１４が支持固定部材１７のタップを形成させた部分等に螺合され、当該固定部３１が支持固定部材１７に固定されるように構成されている。

　固定部３１は、電界発生パネル１１の大きさ、形状に応じて（１つの固定部３１に）適当な間隔を空けて複数のネジ穴を設けた構成とすることも可能である。
　パネル固定フレーム部材１３と電界発生パネル１１との接合部分、即ち、狭持部３０と電界発生パネル１１の縁辺部分との間にはシーリング材１５が充填され、狭持部３０と電界発生パネル１１の縁辺部分との間の隙間に結露が発生することを防いでいる。
　前述のように、支持固定部材１６に固定部２１が係止されることで固定され、支持固定部材１７に固定ネジ１４を締結させて固定部３１が固定されたとき、固定部２１および固定部３１を備える筐体と、電界発生パネル１１とは、電気的に絶縁された状態になる。

（実施例１）
　図４は、本開示の実施例１によるパネル取付け構造を用いた鮮度保持装置１の外観を示す斜視図である。この鮮度保持装置１は、例えば、金属製（導電性の素材）の筐体２に各部を備えて構成されており、正面部３にエチレンガス分解フィルタ部６（分解手段）および扉部５を備え、側面部４に電界発生部１０を備えている。この電界発生部１０は、図中、背後側となる側面部４にも備えられている。即ち、鮮度保持装置１は、筐体２の対向配置された２つの側面部４にそれぞれ電界発生部１０を備えている。

　鮮度保持装置１は、筐体２の内部にブロアファン（図示省略）を備え、ブロアファンの稼働によって正面部３の下側の外気（鮮度保持装置１の周囲の空気）を吸引し、エチレンガス分解フィルタ部６を透過させて筐体２の内部へ導入する。
　鮮度保持装置１は、エチレンガス分解フィルタ部６を透過させた空気に加湿を行う加湿エレメント（加湿手段）、この空気の除菌等を行う光触媒（除菌手段）、光触媒に所定波長の光を照射するＬＥＤ等の光源等（図示省略）を、筐体２の内部に備えている。

　鮮度保持装置１は、正面部３の上側に扉部５を備え、扉部５を開くことによって筐体２内部の清掃、メンテナンス等を行うことができるように構成されている。
　扉部５は、表面に複数の貫通孔が設けられ、筐体２内部の空気を排出する吹出口５ａが形成されている。
　即ち、鮮度保持装置１は、ブロアファンが稼働することによって、正面部３の下側から空気を吸引し、エチレンガスの分解、加湿、除菌を行って、正面部３の上側から排気するように、筐体２の内部に風路が形成されている。

　鮮度保持装置１の電界発生部１０は、側面部４の外側表面、即ち、筐体２の外部に配置され、電界発生パネル１１が電気的に側面部４から絶縁された状態となるように取付け固定されている。
　側面部４に取付けられた電界発生部１０は、側面部４の上下方向にパネル支持フレーム部材１２が配置され、側面部４の左右方向にパネル固定フレーム部材１３が配置されている。

　側面部４に電界発生部１０を取付けるとき、電界発生パネル１１の上端となる縁辺部分を、例えば、第１のパネル支持フレーム部材１２の狭持部２０で挟み込む。また、電界発生パネル１１の下端となる縁辺部分を、第２のパネル支持フレーム部材１２の狭持部２０で挟み込む。
　また、電界発生パネル１１の左端となる縁辺部分を、第１のパネル固定フレーム部材１３の狭持部３０で挟み込む。また、電界発生パネル１１の右端となる縁辺部分を、第２のパネル固定フレーム部材１３の狭持部３０で挟み込む。

　上記のように、電界発生パネル１１に、第１および第２のパネル支持フレーム部材１２、ならびに、第１および第２のパネル固定フレーム部材１３を取付けておき、第１および第２のパネル支持フレーム部材１２を、側面部４の外側表面において、上下２か所にそれぞれ設置されている支持固定部材１６に係止され、固定させる。
　上記のように各支持固定部材１６に第１および第２のパネル支持フレーム部材１２を係止させ固定させておき、側面部４の左右２か所にそれぞれ設置されている各支持固定部材１７に、第１および第２のパネル固定フレーム部材１３を重ね合わせて固定ネジ１４を締結させる。

　側面部４に取付けられた電界発生部１０は、電界発生パネル１１の表面、もしくは、電界発生パネル１１に含まれている電極の平面部分が側面部４の表面である筐体２の外側部に対して平行（電極と筐体表面との距離が一定）になっており、また、電界発生パネル１１の裏面が側面部４の表面と接触することなく対向している。
　筐体２の内部には、例えば、電界発生パネル１１に数キロボルトの高電圧を供給する電源（図示省略）が備えられている。この電源は、例えば、数十ヘルツの正弦波交流電力を出力するように構成されている。

　次に、鮮度保持装置１が電界を発生させる動作について説明する。

　鮮度保持装置１の筐体２は、金属等を用いて形成され、例えば、電源配線によって接地接続され、接地電位となっている。即ち、電界発生部１０を備えている側面部４等は、接地電位となっている。
　また、側面部４は、筐体２の内部を閉鎖するように形成され、側面部４の表面側である筐体２の外側部で、電界発生部１０によって発生した電界によって、筐体２の内部が強い電界強度とならないように構成されている。
　即ち、側面部４は、筐体２の外側に発生させた電界を遮蔽するため、筐体２の内部には電界が生じない。

　電源から正弦波の高電圧が電界発生部１０に供給されると、この高電圧が印加された電界発生パネル１１に含まれている電極と筐体２との電位差によって、電界発生パネル１１が交流電界を発生する。この電界が、鮮度保持装置１を設置した収容庫の内部に拡がる。
　鮮度保持装置１は、２つの側面部４にそれぞれ電界発生部１０が設置されている。これら２つの電界発生部１０に電源から交流電力が供給されると、反対方向を向いている２つの電界発生パネル１１の各表面から電界が生じる。

　即ち、２つの側面部４からそれぞれ拡がって鮮度保持装置１の周囲に電界が生じ、例えば、一方の側面部４に設置された電界発生パネル１１の表面近傍と、他方の側面部４に設置された電界発生部１０の表面近傍において、最も電界強度が強くなり、これらの位置から遠くなるほど、電界強度が弱くなる。このように電界強度が分布する電界が、鮮度保持装置１を設置した収容庫の内部に拡がる。
　側面部４の表面と電界発生パネル１１の電極との間が一定の距離になっているため、電界発生パネル１１から電界強度が概ね一様に分布する電界が発生する。

　側面部４に設置された電界発生パネル１１は、電源から所定の大きさの交流電力（側面部４に設置された電界発生パネル１１に対応させた大きさの電力）を入力することにより、鮮度保持装置１が設置される収容庫の内部に十分な電界強度の電界を発生させ、この収容庫に収納されている生鮮品の呼吸を抑制させる。この電界は、電源から電界発生パネル１１へ交流電力が供給されている間、発生が継続される。

　次に、鮮度保持装置１の作用効果について説明する。

　鮮度保持装置１は、電界発生パネル１１により、収容庫の内部に所定の強度の電界空間を形成する。この電界空間内に載置された生鮮品は、氷点下以下の温度で、水が非凍結状態となり、過冷却状態となるため、生鮮品が劣化することが防止される。

　鮮度保持装置１は、エチレンガス分解フィルタ部６を備え、このエチレンガス分解フィルタ部６によって、収容庫の内部に収容された生鮮品から発生したエチレンガスを分解する。そのため、収容庫の内部の生鮮品が腐敗することを防止できる。

　また、鮮度保持装置１は、加湿エレメントを備えているため、筐体２の内部を通過する空気に加湿を加えることができる。そうすると、収容庫の内部の乾燥を抑制することができ、生鮮品を良好な状態を維持できる。

　さらに、鮮度保持装置１は、筐体２の内部に除菌手段である光触媒が設けられている。そうすると、光触媒に所定波長の光（例えば、紫外線）を照射することで、筐体２の内部を除菌することができる。また、筐体２の内部を通過する空気に紫外線を照射することによって、空気の除菌をすることもできる。

（実施例２）
　図５は、本開示の実施例２によるパネル取付け構造を用いた鮮度保持装置１ａの外観を示す斜視図である。図６は、図５の鮮度保持装置１ａの底面部７の外観を示す説明図である。
　鮮度保持装置１ａは、図５及び図６に示すように、鮮度保持装置１の各側面部４に備えられていた電界発生部１０を、底面部７に備えたもので、正面部３、筐体２の内部は、鮮度保持装置１と同様に構成されている。
　鮮度保持装置１ａの側面部４は、筐体２の各側方を閉鎖するように形成されており、支持固定部材１６、支持固定部材１７等を備えていない。この側面部４によって、電界は遮蔽される。

　鮮度保持装置１ａの電界発生部１０は、底面部７の外側部において、例えば、正面部３側に第１のパネル支持フレーム部材１２が配置され、正面部３の背後側に第２のパネル支持フレーム部材１２が配置されている。
　また、底面部７の外側部において、鮮度保持装置１ａの各側面部４側に、それぞれ第１のパネル固定フレーム部材１３、第２のパネル固定フレーム部材１３が配置される。
　電界発生パネル１１の各縁辺部分に接合された、第１および第２のパネル支持フレーム部材１２、ならびに、第１および第２のパネル固定フレーム部材１３が上記の配置となるように、電界発生パネル１１が底面部７に取付け固定される。

　底面部７に取付けられる各フレーム部材は、鮮度保持装置１の側面部４に取付けられたものと同様に、底面部７に設置された各支持固定部材１６に、第１および第２のパネル支持フレーム部材１２がそれぞれ係止され、固定されている。
　また、底面部７に設置された各支持固定部材１７に、第１及び第２のパネル固定フレーム部材１３が、それぞれ固定ネジ１４の締結によって固定されている。

　図６に例示した構成は、正面部３等の側にパネル支持フレーム部材１２を配置し、側面部４の側にパネル固定フレーム部材１３を配置したものであるが、正面部３等の側にパネル固定フレーム部材１３を配置し、側面部４の側にパネル支持フレーム部材１２を配置して、電界発生パネル１１を底面部７に取付け固定する構成としてもよい。
　上記のように底面部７に固定された電界発生パネル１１は、電界発生パネル１１に含まれている電極の平面部分が、底面部７の外側表面に対して平行（電極と筐体表面との距離が一定）になっており、また、電界発生パネル１１の裏面が底面部７の表面と接触することなく対向している。

　次に、鮮度保持装置１ａが電界を発生させる動作等について説明する。

　鮮度保持装置１ａの筐体２は、鮮度保持装置１と同様に金属等を用いて形成されている。この筐体２は、電源配線等によって接地接続され、接地電位となっている。即ち、電界発生部１０を備えている底面部７等は、接地電位となっている。
　また、底面部７は、筐体２の内部を閉鎖するように形成されており、底面部７の外側部の電界発生部１０が発生させた電界によって、筐体２の内部が強い電界強度とならないように構成されている。
　即ち、底面部７は、筐体２の外側に発生させた電界を遮蔽するため、筐体２の内部には電界が生じない。

　鮮度保持装置１ａは、鮮度保持装置１と同様な周波数の正弦波交流電力を出力する電源を備えている。この電源から、所定の高電圧が底面部７に設置された電界発生部１０に供給されると、電界発生パネル１１が交流電界を発生させ、この電界が鮮度保持装置１ａを設置した収容庫の内部に拡がる。
　鮮度保持装置１ａの電界発生部１０に、電源から交流電力（底面部７に備えられた電界発生パネル１１に応じた交流電力）が供給されると、下方を向いている電界発生パネル１１の表面から拡がる電界が生じる。

　換言すると、鮮度保持装置１ａの下側から電界が拡がり、底面部７に設置された電界発生部１０の表面近傍において、最も電界強度が強く、この位置から遠くなるほど、電界強度が弱くなる。このように鮮度保持装置１ａの周囲に電界強度が分布し、収容庫の内部に電界が拡がる。
　底面部７の表面と電界発生パネル１１の電極との間が一定の距離になっているため、電界発生パネル１１から電界強度が概ね一様に分布する電界を発生させることができる。

　底面部７に設置された電界発生パネル１１は、電源から所定の交流電力（底面部７に設置された電界発生パネル１１に対応させた大きさの電力）を入力し、鮮度保持装置１ａが設置されている収容庫の内部に十分な電界強度の電界を発生させ、この収容庫に収容されている生鮮品の呼吸を抑制させる。この電界は、鮮度保持装置１と同様に、電源から電界発生パネル１１へ交流電力が供給されている間、発生が継続される。

（実施例３）
　図７は、本開示の実施例３によるパネル取付け構造を用いた鮮度保持装置１ｂの外観を示す正面図である。図８は、図７の鮮度保持装置１ｂを上方から見た場合の外観を示す説明図である。この図は、鮮度保持装置１ｂの上面部８を正面視したものである。
　鮮度保持装置１ｂは、一辺が１メートル以上の大型の電界発生パネル１１を備えており、上記の大きさの電界発生パネル１１が、鮮度保持装置１ｂの両側方の側面部４にそれぞれ設置されている。

　図７及び図８に示すように、鮮度保持装置１ｂは、例えば、２台の鮮度保持装置１の背後側を対向させ、これらの間に接続筐体９を配置して連結させて構成されている。即ち、鮮度保持装置１ｂは、２つの正面部３を備え、これら２つの正面部３の間を繋ぐように側面部４が配置されている。
　また、鮮度保持装置１ｂに備えられた電界発生パネル１１は、側面部４を有する。
　なお、鮮度保持装置１ｂに備える電界発生パネル１１は、鮮度保持装置１の電界発生パネル１１と同様に、電極、ポリエステル層、硬質塩化ビニル層を積層させて構成されたものである。

　鮮度保持装置１ｂは、所望の大きさを有する電界発生パネル１１を備えることができるように、側面部４の大きさ、もしくは、鮮度保持装置１ｂの高さおよび奥行（２つの正面部３の間の長さ）等を設定して構成してもよい。
　図７に示した正面部３は、図４に示した正面部３に比べて、若干、高さ方向を大きく構成し、所望の大きさの電界発生パネル１１を側面部４に設置することができるようにしたものである。

　鮮度保持装置１ｂの電界発生パネル１１は、鮮度保持装置１の電界発生パネル１１と同様に、鮮度保持装置１ｂの電界発生パネル１１の大きさに対応させたパネル支持フレーム部材１２ならびにパネル固定フレーム部材１３を用いて、側面部４に設置された支持固定部材１６ならびに支持固定部材１７（図示省略）に取付け固定されている。
　なお、鮮度保持装置１ｂのパネル固定フレーム部材１３は、当該パネル固定フレーム部材１３の長さに対応させて複数のネジ穴を適度な間隔を空けて備えており、適当な数の固定ネジ１４を用いて、側面部４へ固定するように構成されている。
　側面部４に取付けられた電界発生部１０は、電界発生パネル１１の表面、もしくは、電界発生パネル１１に含まれている電極の平面部分が側面部４の表面（筐体２の外側表面）に対して平行（電極と筐体表面との距離が一定）になっており、また、電界発生パネル１１の裏面が側面部４の表面と接触することなく対向している。

　鮮度保持装置１ｂの各正面部３は、鮮度保持装置１等の正面部３と同様に、エチレンガス分解フィルタ部６および扉部５（吹出口５ａ）を備えて構成されている。
　また、鮮度保持装置１ｂは、各筐体２、もしくは、各正面部３に対応させて、ブロアファン、加湿エレメント、光触媒、ＬＥＤの光源をそれぞれ備えている。
　なお、鮮度保持装置１ｂの筐体２は、鮮度保持装置１等の筐体２と同様に、例えば、金属等の導電性の素材を用いて形成されており、接地電位となるように配線接続されている。
　また、鮮度保持装置１ｂの側面部４に設置された電界発生パネル１１は、例えば、鮮度保持装置１と同様な周波数の正弦波交流電力を出力する電源（図示省略）から所定の大きさの交流電力（側面部４に設置された電界発生パネル１１に対応させた大きさの電力）を入力するように接続構成されている。
　電源から交流電源が供給された鮮度保持装置１ｂの電界発生パネル１１は、鮮度保持装置１ｂが設置される冷蔵庫等の庫内に十分な電界強度の電界を発生させ、この冷蔵庫等に収納されている生鮮品の呼吸を抑制させる。この電界は、電源から電界発生パネル１１へ交流電力が供給されている間、発生が継続される。

　鮮度保持装置１ｂは、広い庫内に十分な電界強度の電界を発生させることができる大きさの電界発生パネル１１を備えることができるように構成されたものである。
　即ち、鮮度保持装置１ｂは、大きな電界発生パネル１１を備えたことにより、広い庫内に電界を生じさせることができる。
　また、鮮度保持装置１ｂは、鮮度保持装置１と同様に、パネル支持フレーム部材１２、パネル固定フレーム部材１３、固定部２１、固定部３１によって、電界発生パネル１１が側面部４に取付け固定されている。
　そのため、側面部４の表面と電界発生パネル１１の電極との間が一定の距離になっており、電界発生パネル１１から電界強度が概ね一様に分布する電界を発生させることができる。

　以上、本実施形態について説明したが、これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、本実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
　例えば、電界発生パネル１１の取り付ける位置や個数は、適宜変更することができる。また、エチレンガス分解フィルタ部６は、収容庫の内部のエチレンガスを除去できればよいため、設ける位置や個数は適宜変更することができる。さらに、本実施の形態では、２台の筐体２を連結させる例を示したが、２台に限定されず、２台以上（複数）の筐体２を連結させ、鮮度保持装置を構成してもよい。

　１，１ａ，１ｂ　鮮度保持装置
　２　　筐体
　３　　正面部
　４　　側面部
　５　　扉部
　５ａ　吹出口
　６　　エチレンガス分解フィルタ部
　７　　底面部
　８　　上面部
　９　　接続筐体
　１０　電界発生部
　１１　電界発生パネル
　１２　パネル支持フレーム部材
　１３　パネル固定フレーム部材
　１４　固定ネジ
　１５　シーリング材
　１６　支持固定部材
　１７　支持固定部材
　２０　狭持部
　２１　固定部
　３０　狭持部
　３１　固定部

Claims

　生鮮品が収容された収容庫の内部で使用される鮮度保持装置であって、
　筐体の外側に設けられ、電源から電圧を供給することによって電界を発生させる電極を有する電界発生パネルと、
　前記筐体に設けられ、前記生鮮品から発生するエチレンガスを分解する分解手段と、
　前記筐体に設けられ、前記収容庫の内部の空気に加湿する加湿手段と、
　前記筐体に設けられ、前記収容庫の内部の空気の除菌を行う除菌手段と、
　を備えた、
　ことを特徴とする鮮度保持装置。
　請求項１に記載の鮮度保持装置において、前記電界発生パネルを、前記電界発生パネルの縁辺を支持するフレーム部材を用いて前記筐体に取付けられたパネル取付け構造であって、
　前記フレーム部材は、絶縁性の素材で形成され、前記電界発生パネルの縁辺を挟み込む狭持部と、前記筐体に前記電界発生パネルを固定させる固定部と、を有し、
　前記筐体は、導電性の素材で形成され、外側に、前記固定部を固定させる支持固定部材を備える、
　ことを特徴とするパネル取付け構造。
　前記筐体は、接地電位となるように配線接続されており、
　前記固定部および前記支持固定部材は、前記電界発生パネルと前記筐体とを電気的に絶縁させ、前記電界発生パネルを前記筐体に取付け固定されている、
　ことを特徴とする請求項２に記載のパネル取付け構造。
　前記電界発生パネルが、前記筐体の側面部にそれぞれ固定されている、
　ことを特徴とする請求項２または請求項３に記載のパネル取付け構造。
　前記電界発生パネルが、前記筐体の底面部に固定されている、
　ことを特徴とする請求項２から請求項４の何れか一項に記載のパネル取付け構造。
　複数の前記筐体を連結させ、連結された前記筐体の側面部に、前記電界発生パネルが取付けられた、
　ことを特徴とする請求項２から請求項５の何れか一項に記載のパネル取付け構造。