JP6664518B2 - ロープ、及びそれを用いたエレベータ - Google Patents

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Description

この発明は、例えばエレベータ又はクレーン装置に用いられるロープ、及びそれを用いたエレベータに関するものである。
近年の建物の高層化に伴い、高揚程のエレベータが望まれている。しかし、エレベータが高揚程になると、ロープの自重が増大し、ロープの安全性を確保することが難しくなるため、軽量なロープが必要とされている。即ち、主として荷重を受ける荷重支持部材が鋼材である従来のロープでは、軽量化に限界があり、荷重支持部材に鋼材よりも重量比強度の高い材料を用いたロープの開発が行われている。
例えば、荷重支持部材として炭素繊維又はガラス繊維などの強化繊維を長手方向に平行に配置した複合材料を用いたロープがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第5713682号公報
一般に、エレベータのかごは、ロープにより吊り下げられており、ロープが巻き掛けられている駆動シーブが回転することで昇降する。これに対して、上記のような従来の複合材料を用いたロープでは、荷重支持部材の曲げ剛性が高いため、駆動シーブに対してロープを巻き掛けにくく、施工作業性が低い。また、ロープが駆動シーブに沿って曲げられる際に、強化繊維が収縮及び伸展しにくい構造であるため、荷重支持部材の表面の強化繊維に生じる応力が大きくなり、ロープの強度信頼性が懸念される。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、高強度化及び軽量化を図りつつ、曲げ剛性を低減することができるロープ、及びそれを用いたエレベータを得ることを目的とする。
この発明に係るロープは、含浸材と、含浸材に埋め込まれており、長手方向に作用する荷重を支持する長手方向に連続した強化繊維体とを有している荷重支持部材、及び荷重支持部材の外周を覆っている被覆材を備え、強化繊維体は、少なくとも一部が長手方向に平行な断面において波状の形状を有している波状強化繊維体を含んでおり、波状強化繊維体を直線状に伸ばしたときの全長が、荷重支持部材の全長の1.1倍以上である。
また、この発明に係るロープは、含浸材と、含浸材に埋め込まれており、長手方向に作用する荷重を支持する長手方向に連続した強化繊維体とを有している荷重支持部材、及び荷重支持部材の外周を覆っている被覆材を備え、荷重支持部材は、荷重支持部材の長手方向に互いに間隔をおいて含浸材に埋め込まれている複数の横材をさらに有しており、横材は、荷重支持部材の長手方向に対して直角の方向に延在する長尺状であり、横材の弾性率は、含浸材の弾性率よりも大きくなっており、強化繊維体は、少なくとも一部が横材に掛けられて波状に形成された波状強化繊維体を含んでおり、波状強化繊維体を直線状に伸ばしたときの全長が、荷重支持部材の全長よりも長くなっている。
この発明のロープは、高強度化及び軽量化を図りつつ、曲げ剛性を低減することができる。
この発明の実施の形態1によるエレベータを示す構成図である。 実施の形態1によるロープの一部を示す斜視図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 図2のロープから波状強化繊維束のみを取り出して示す斜視図である。 図3の荷重支持部材の一部を拡大して示す断面図である。 この発明の実施の形態2によるロープのA−A断面図である。 図7のロープのB−B断面図である。 図7のロープから波状強化繊維束及び横材のみを取り出して示す斜視図である。 横材の変形例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態3によるロープのA−A断面図である。 図11のロープのB−B断面図である。 図11のロープから波状強化繊維束及び横材のみを取り出して示す斜視図である。 この発明の実施の形態4によるロープのA−A断面図である。 図14のロープのB−B断面図である。 図14のロープから波状強化繊維束及び横材のみを取り出して示す斜視図である。 実施の形態4によるロープの第1の変形例を示すA−A断面図である。 図17のロープのB−B断面図である。 実施の形態4によるロープの第2の変形例を示すB−B断面図である。 この発明の実施の形態5によるロープのA−A断面図である。 図20のロープのB−B断面図である。 図20のロープから波状強化繊維束、平行強化繊維束及び横材のみを取り出して示す斜視図である。 この発明の実施の形態6によるロープ20のB−B断面図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータを示す構成図である。図において、昇降路1の上部には、機械室2が設けられている。機械室2には、巻上機3及びそらせ車4が設置されている。巻上機3は、駆動シーブ5及び巻上機本体6を有している。巻上機本体6には、駆動シーブ5を回転させる巻上機モータ(図示せず)と、駆動シーブ5の回転を制動する巻上機ブレーキ(図示せず)とが設けられている。
駆動シーブ5及びそらせ車4には、複数本(図1では1本のみ示す)のロープ20が巻き掛けられている。ロープ20の長手方向の第1の端部には、かご7が接続されている。ロープ20の長手方向の第2の端部には、釣合おもり8が接続されている。かご7及び釣合おもり8は、ロープ20により吊り下げられており、駆動シーブ5を回転させることにより、昇降路1内を昇降する。
昇降路1内には、かご7の昇降を案内する一対(図1では一方のみ示す)のかごガイドレール9と、釣合おもり8の昇降を案内する一対(図1では一方のみ示す)の釣合おもりガイドレール10とが設置されている。かご7の下部には、一対のかごガイドレール9を把持してかご7を非常停止させる非常止め装置11が搭載されている。
ロープ20と駆動シーブ5との間に作用する摩擦力、即ち巻き上げ力は、トラクションと呼ばれている。釣合おもり8の重量は、かご7の重量とほぼ釣り合っており、ロープ20に必要なトラクションと、巻き上げに必要な巻上機3の能力とを小さくする役割を担っている。
このようなエレベータにおいて、ロープ20を軽量化することは、ロープ20の安全性を確保するだけでなく、エレベータの総重量を軽量化することにも繋がる。また、エレベータの構成部品、例えば巻上機3及び非常止め装置11の小型化及び低コスト化に繋がる。つまり、ロープ20を軽量化することには、エレベータのシステム全体として省スペース化及び低コスト化できるなどの利点がある。
図2は実施の形態1によるロープ20の一部を示す斜視図、図3は図2のA−A断面図、図4は図2のB−B断面図である。なお、図2のX軸方向はロープ20の長手方向、Y軸方向はロープ20の幅方向、Z軸方向はロープ20の厚さ方向、Lはロープ20のX軸方向の長さであり、以降の図及び説明においても同様の符号を用いる。
また、図2のA−A線に沿ったYZ平面でのロープ20の切断面をA−A断面、B−B線に沿ったZX平面でのロープ20の切断面をB−B断面とし、以降の図においても同様の切断面を、A−A断面、B−B断面と称する。
ロープ20には、かご7等の重量による荷重がX軸方向に作用する。また、ロープ20は、駆動シーブ5及びそらせ車4を通過する際に、Y軸まわりの方向に曲げられる。
実施の形態1のロープ20は、主要部材である荷重支持部材21と、荷重支持部材21の外周を覆っている被覆材22とを有している。図3に示すように、ロープ20のA−A断面の形状は、厚さ方向寸法よりも幅方向寸法が大きい矩形である。同様に、荷重支持部材21のA−A断面の形状は、厚さ方向寸法よりも幅方向寸法が大きい矩形である。
被覆材22は、荷重支持部材21の周囲を覆い、熱及び湿度などの外部からの環境負荷と、駆動シーブ5及びそらせ車4等との接触による物理的負荷とから、荷重支持部材21を保護している。また、被覆材22は、ロープ20に必要なトラクションを安定して提供する役割を担っている。
さらに、被覆材22は、耐熱性及び耐摩耗性が高いことが望ましい。被覆材22の材料としては、例えば、ポリウレタン、エポキシ、ポリエステル又はビニルエステルを用いることができる。被覆材22の材料を変更することで、駆動シーブ5に対するロープ20の摩擦係数を調整することができる。
荷重支持部材21は、波状強化繊維体としての複数の波状強化繊維束23と、含浸材24とを有している。波状強化繊維束23は、含浸材24に埋め込まれている。また、波状強化繊維束23は、荷重支持部材21の長手方向の全体に渡って連続して配置されている。ロープ20の長手方向に作用する荷重は、主として波状強化繊維束23が支持する。
波状強化繊維束23は、長手方向に平行な断面において波状の形状を有している。即ち、波状強化繊維束23は、ロープ20のB−B断面において波状となっている。また、波状強化繊維束23は、荷重支持部材21の厚さ方向の一側と他側とに交互に凸となるように、荷重支持部材21の長手方向に沿って周期的に湾曲している。
図5は図2のロープ20から波状強化繊維束23のみを取り出して示す斜視図である。実施の形態1では、強化繊維体として波状強化繊維束23のみが用いられている。また、全ての波状強化繊維束23は、同位相の波状となっている。そして、各波状強化繊維束23を直線状に伸ばしたときの全長は、荷重支持部材21の全長、即ちX軸方向の長さの1.1倍以上となっている。
図4に示すように、1本の波状強化繊維束23を見たとき、荷重支持部材21の厚さ方向について、一側に凸な山の頂点と他側に凸な山の頂点とのZ軸方向の高さの差はaである。また、隣り合う同方向へ凸な山の頂点間のX軸方向の距離はbである。即ち、bは波状強化繊維束23の波の周期を表わしている。以降の説明においても、波の高さをa、波の周期をbとする。
図6は図3の荷重支持部材21の一部を拡大して示す断面図である。各波状強化繊維束23は、互いに束ねられている軽量で高強度な連続した複数の強化繊維25により構成されている。強化繊維25としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維又はPBO繊維、あるいはこれらの繊維を組み合わせた複合繊維が用いられている。
各波状強化繊維束23における強化繊維25は、含浸材24により互いに接着されている。また、波状強化繊維束23は、含浸材24により互いに接着されている。
含浸材24は、ロープ20の使用時にロープ20の内部で強化繊維25の位置がずれないようにするとともに、強化繊維25同士の接触及び摩耗を抑制し、ロープ20の寿命を向上させる。
ここで、強化繊維25の弾性率は、含浸材24及び被覆材22の弾性率よりも大きく、かご7の重量及びロープ20の自重などによりロープ20に作用するX軸方向の荷重は、荷重支持部材21、その中でも強化繊維25が大部分、即ち90%以上を負担する。
また、ロープ20は、例えば駆動シーブ5の外周に沿って曲げられる際、駆動シーブ5側でX軸方向に収縮、反対側でX軸方向に伸展される。このときの収縮量及び伸展量は、駆動シーブ5の外周の曲率半径とロープ20の厚さとで決まり、ロープ20のZ軸方向の表面に近い箇所ほど大きい。
ロープ20を曲げやすくするためには、曲げ剛性EIを小さくする必要がある。曲げ剛性EIは、等価弾性率Eと、A−A断面におけるロープ20の断面二次モーメントIとを掛けた値である。等価弾性率Eは、ロープ20を均質体と見なした際の弾性率である。そして、曲げ剛性EIを低減する方法として、等価弾性率Eを小さくする方法がある。
ロープ20の構成材料のうち、弾性率が最も大きいのは強化繊維25である。強化繊維25は、収縮及び伸展しにくいため、ロープ20の等価弾性率Eの大きさは主に強化繊維25に依存する。そのため、負荷に対する強化繊維25の収縮量及び伸展量を大きくすれば、等価弾性率Eを小さくし、曲げ剛性を低減できる。
また、ロープ20が駆動シーブ5に沿って曲げられた際に大きな収縮量及び伸展量が必要となるロープ20の厚み方向の表面に近い箇所の弾性率を、厚み方向の中央の曲げ剛性よりも小さくできれば、曲げ剛性を効果的に低減できる。
また、強化繊維25を収縮及び伸展し易くし、等価弾性率Eを低下させる他に、断面二次モーメントIを小さくしても、曲げ剛性EIを低減できる。
均質体の矩形断面の場合、ロープ20の断面二次モーメントIは、ロープ20の幅wと厚さtとを用いて、以下の式(1)で表わされる。
I=wt3/12 ・・・(1)
断面二次モーメントIは、幅wに比例し、厚さtの3乗に比例するため、厚さtを小さくすることで断面二次モーメントを効果的に低減し、曲げ剛性EIを小さくできる。
実施の形態1のロープ20は、図4及び図5に示すように、波状強化繊維束23、つまりは波状強化繊維束23を構成する強化繊維25をB−B断面において波状とすることで、強化繊維25をロープ20のX軸方向に平行に配向するよりも、強化繊維25を長くした構造である。
強化繊維25を長くすることで、負荷は同じでも強化繊維25の収縮量及び伸展量は増加するため、ロープ20の等価弾性率Eが低減できる。また、ロープ20のXY断面において、ロープ20の厚み方向の表面に近い箇所では、ロープ20の厚み方向の中央よりも強化繊維25の割合が減少する。このため、表面に近い箇所の弾性率をさらに低下させることができる。そのため、曲げ剛性EIが低減でき、ロープ20を曲げやすくできる。
このように、ロープ20が曲げやすくなるため、駆動シーブ5及びそらせ車4等のシーブへのロープの巻き掛けが容易となり、ロープ施工時の作業性が良い。
また、強化繊維25を長くすることで、強化繊維25の収縮量及び伸展量が同じであっても、ロープ20がシーブに巻き掛けられる際の強化繊維25に生じる歪みが低下する。
さらに、強化繊維25に生じる応力が小さくなるため、強化繊維25が破壊しにくく、ロープ20の強度信頼性が向上する。
さらにまた、ロープ20の施工作業性及び強度信頼性が向上するため、強化繊維25をX軸方向と平行に配置するよりも、ロープ20を巻き掛けるシーブの外周の曲率半径を小さくでき、エレベータの省スペース化に繋がる。
なお、横糸を有する一般的な織物構造においても、繊維はわずかに波状となるが、波の高さaが小さく、ロープ20の長さLに対し強化繊維25をほとんど長くならないため、本発明における効果は得られない。
ロープ20の長さLに対して、強化繊維25の長さを大きくするほど、ロープ20の等価弾性率Eを小さくでき、曲げ剛性EIを低減できる。実用上は、強化繊維25をロープ20のX軸方向に平行に配向したロープに対して、本発明のロープ20の曲げ剛性を少なくとも0.9倍以下に低減できることが望ましい。また、強化繊維25の長さの増大による等価弾性率Eの低減効果のみを考えた場合、強化繊維25は、ロープ20の長さLよりも約1.1倍以上長いことが望ましい。
波状の形状で強化繊維25の長さを大きくするには、波の周期bに対して、波の高さaを大きくする必要がある。例えば、波の高さaを、荷重支持部材21の厚さの1/4倍以上、かつ波の周期bの1/6倍以上とすれば、強化繊維25をロープ20の長さLよりも1.1倍以上に長くできる。
また、強化繊維25の長さがロープ20の長さLよりも1.1倍以上に長くなるような波の高さaが大きい構造では、ロープ20のXY断面において、ロープ20の厚み方向の表面に近い箇所で、ロープ20の厚み方向の中央よりも強化繊維25の割合が減少するため、等価弾性率Eをさらに低下でき、ロープ20の曲げ剛性を効果的に低減できる。
また、ロープ20及び荷重支持部材21の断面形状は矩形に限定されないが、厚さ方向寸法よりも幅方向寸法が大きい矩形とすることにより、円形などの場合よりも、シーブとの接触面積を増加させ、安定したトラクションを得ることができる。
さらに、シーブとの接触面積の増加により、接触応力が小さくなるため、ロープ20及びシーブの局所的な変形、損傷、摩耗などを低減できる。
さらにまた、断面積が同じ場合、矩形の断面形状では、円形などよりも、ロープの厚さ寸法を小さくできるため、曲げ剛性を効果的に低減できる。
また、ロープ20の厚さを小さくすることで、ロープ20の構成部材に生じる応力を低減し、ロープ20の強度信頼性が向上する。
さらに、波状強化繊維束23を用いる場合、波の周期及び振幅を変えることで、曲げ剛性を調整できる。例えば、波の周期を小さくするか、又は振幅を大きくすれば、波状強化繊維束23の長さが増加するため、曲げ剛性を小さくできる。
なお、波状強化繊維束23の波状の形状は、例えば、含浸材24と同じ材料で作製された複数の丸棒に強化繊維束を波状に巻き掛け、その状態で含浸材24を浸透させることで実現できる。
また、実施の形態1では、全ての強化繊維体を波状強化繊維束23としたが、波状強化繊維束23以外の強化繊維体が混在してもよい。
さらに、含浸材24の材料としては、例えば、ポリウレタン、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステル又はフェノール樹脂を用いることができ、強化繊維25との接着性が良い材料が望ましい。また、含浸材24の材料として、弾性率の小さい材料を用いれば、ロープ20の曲げ剛性を小さくできる。一方、含浸材24の材料として、弾性率の大きい材料を用いれば、強化繊維25に加わる荷重が均等となり、ロープ20の強度のばらつきを低減できる。
実施の形態2.
次に、図7はこの発明の実施の形態2によるロープ20のA−A断面図、図8は図7のロープ20のB−B断面図である。実施の形態2の荷重支持部材21は、複数の棒状の横材26をさらに有している。横材26は、荷重支持部材21の長手方向に互いに間隔をおいて含浸材24に埋め込まれている。
また、横材26は、互いに平行、かつY軸方向に平行に配置されている。さらに、各横材26は、荷重支持部材21の長手方向に対して直角の方向に延在する長尺状である。さらにまた、各横材26の断面形状は円形である。各横材26の弾性率は、含浸材24の弾性率よりも大きい。また、横材26は、ロープ20にX軸方向の荷重が作用した際の波状強化繊維束23から横材26に加わるZ軸方向の荷重で、塑性変形しないことが望ましい。
横材26の材料としては、例えば、鉄系材料、非鉄系金属材料、ガラス、又はセラミックが挙げられる。鉄系材料としては、炭素鋼、高張力鋼、圧延鋼、ステンレス鋼、及び構造用合金鋼などが挙げられる。また、非鉄系金属材料としては、アルミニウム、マグネシウム、チタン、黄銅、及び銅などの材料、並びに合金材料などが挙げられる。
図9は図7のロープ20から波状強化繊維束23及び横材26のみを取り出して示す斜視図である。波状強化繊維束23は、荷重支持部材21の厚さ方向の横材26の一側と他側とに交互に掛けられて波状となっている。これにより、波状強化繊維束23を直線状に伸ばしたときの全長が、荷重支持部材21の全長よりも長くなっている。
また、各横材26の長手方向寸法は、荷重支持部材21の幅方向寸法と一致している。さらに、この例では、全ての横材26が、荷重支持部材21の厚さ方向の同じ位置に配置されている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
荷重支持部材21は、波状強化繊維束23を横材26に巻き掛けた状態で、強化繊維25間、波状強化繊維束23間、及び波状強化繊維束23と横材26との間にそれぞれ含浸材24を浸透させることで作製される。このとき、横材26は、含浸材24により波状強化繊維束23に接着される。
このような構成によっても、実施の形態1と同様に、高強度化及び軽量化を図りつつ、曲げ剛性を低減することができる。
また、ロープ20にX軸方向の荷重が作用した際に、波状強化繊維束23に生じるZ軸方向への力を横材26が受けるため、ロープ20のX軸方向の伸びを小さくできる。
さらに、荷重支持部材21の作製時に、波状強化繊維束23の位置がずれるのが抑制され、ロープ20の機械的特性を安定させることができる。ここで、荷重支持部材21を作製する際、波状強化繊維束23にX軸方向の荷重をかけておけば、波状強化繊維束23の位置ずれをさらに抑制でき、かつロープ20の状態でX軸方向の荷重が作用した際の伸びを低減できる。
なお、横材26の形状は特に限定されないが、B−B断面において波状強化繊維束23が掛けられる箇所の横材26の断面積がA−A断面における各波状強化繊維束23の断面積よりも大きければ、波状強化繊維束23の長さを効果的に長くできる。
また、B−B断面における横材26の断面積、即ち横材26の長手方向に直角な断面の断面積を変更することで、ロープ20に対する強化繊維25の長さを調整することができる。
さらに、B−B断面における横材26の断面形状を円形とすれば、波状強化繊維束23との局所的な接触を避けることができ、過度な応力集中による波状強化繊維束23の損傷を防ぐことができる。
図10は横材26の変形例を示す斜視図である。この例では、横材26は、丸棒状の横材本体26aと、横材本体26aの長手方向の第1の端部に設けられている第1のフランジ部26bと、横材本体26aの長手方向の第2の端部に設けられている第2のフランジ部26cとを有している。第1及び第2のフランジ部26b,26cの径は、横材本体26aの径よりも大きい。
このような横材26を用いることにより、製造時の波状強化繊維束23のY軸方向への広がり及びはみ出しを抑制できる。
また、横材26の外周面に波状強化繊維束23が挿入される溝を設けてもよく、製造時の波状強化繊維束23の位置ずれを抑制することができる。
さらに、横材26の外周に、含浸材24と同じ材料又は異なる材料により予め被覆を施してもよい。これにより、波状強化繊維束23と横材26との間に被覆が介在することになり、波状強化繊維束23が横材26に直接接触することを確実に防止できる。
さらにまた、X軸方向の横材26の間隔は、等間隔であっても、一定でなくてもよい。例えば、ロープ20のシーブを通過する部分にのみ横材26を配置してもよい。そして、ロープ20のシーブを通過しない部分には、横材26を配置せず、強化繊維束をX軸方向に平行に配置してもよい。これにより、ロープ20にX軸方向の荷重が作用した際のロープ20のX軸方向の伸びを小さくできる。
また、横材26は、必ずしも荷重支持部材21の厚さ方向の同じ位置に配置しなくてもよい。
さらに、横材26の向きは、Y軸方向に限定せず、例えばZ軸方向に平行に配置してもよい。この場合、波状強化繊維束23は、XY平面に平行な断面を見たときに波状の形状となる。但し、図6〜図9に示すように、横材26をY軸方向に平行に配置し、波状強化繊維束23をB−B断面において波状になるように掛けた方が、ロープ20のZ軸方向の表面に近い強化繊維25ほど収縮及び伸展しやすい構造となるため、ロープ20の曲げ剛性を効果的に小さくできる。
さらにまた、波状強化繊維束23を直線状に伸ばしたときの全長は、荷重支持部材21の全長の1倍よりも大きく1.1倍よりも小さくてもよいが、実施の形態1と同様に、荷重支持部材21の全長の1.1倍以上とするのが特に好適であり、ロープ20の曲げ剛性を効果的に低減できる。
実施の形態3.
次に、図11はこの発明の実施の形態3によるロープ20のA−A断面図、図12は図11のロープ20のB−B断面図、図13は図11のロープ20から波状強化繊維束23及び横材26のみを取り出して示す斜視図である。
実施の形態3では、波状強化繊維束23が、荷重支持部材21の幅方向に並んだ複数のグループに分けられている。そして、荷重支持部材21の幅方向に隣り合うグループの波状強化繊維束23は、荷重支持部材21の長手方向の位相が互いに180°ずらされて横材26に掛けられている。
この例では、波状強化繊維束23は、1本ずつ異なるグループに分けられている。このため、荷重支持部材21の幅方向に隣り合う波状強化繊維束23は、荷重支持部材21の長手方向の位相が互いに180°ずれた波状となっている。
即ち、図6〜図9に示すロープ20では、波状強化繊維束23は全てX軸方向に同位相である。これに対して、図11〜図13に示すロープ20では、Y軸方向の隣り合う波状強化繊維束23aと波状強化繊維束23bとが、X軸方向の位相を180°ずらした状態で、B−B断面において波状になるように、横材26に巻き掛けられている。他の構成は、実施の形態2と同様である。
このような構成によっても、実施の形態2と同様に、高強度化及び軽量化を図りつつ、曲げ剛性を低減することができる。
また、隣り合う波状強化繊維束23a,23bの位相を180°ずらすことにより、ロープ20にX軸方向の荷重が作用した際、波状強化繊維束23aから横材26に作用するZ軸方向の力と、波状強化繊維束23bから横材26に作用するZ軸方向の力とを逆向きにすることができる。
これにより、全体として横材26に作用するZ軸方向の力を釣り合わせることができ、ロープ20に荷重が作用した際の波状強化繊維束23のZ軸方向への移動を抑制することができる。また、荷重による波状強化繊維束23のX軸方向への伸展、つまり荷重に対するロープ20のX軸方向の伸びを小さくできる。
なお、図6〜図9、図11〜図13では、Z軸方向に3層の波状強化繊維束23が重ねられているが、波状強化繊維束23の層数はこれに限定されず、1層又は2層だけであっても、4層以上であってもよい。波状強化繊維束23をZ軸方向へ2層以上重ねることにより、横材26に掛ける波状強化繊維束23の箇所をA−A断面においてZ軸方向に大きくすれば、横材26の径が小さくても、強化繊維25の長さを稼ぐことができるため、効果的に曲げ剛性を低減できる。
また、実施の形態3では、波状強化繊維束23を1本ずつ異なるグループに分けたが、各グループに波状強化繊維束23を2本以上含ませてもよい。
実施の形態4.
次に、図14はこの発明の実施の形態4によるロープ20のA−A断面図、図15は図14のロープ20のB−B断面図、図16は図14のロープ20から波状強化繊維束23及び横材26のみを取り出して示す斜視図である。
実施の形態4では、それぞれ複数の波状強化繊維束23と複数の横材26とからなる複数の複合層27が、荷重支持部材21の厚さ方向に並べて配置されている。この例では、3層の複合層27が荷重支持部材21の厚さ方向に重ねられている。
各複合層27において、波状強化繊維束23は、Z軸方向に1層だけ配置されている。また、各複合層27において、波状強化繊維束23は、荷重支持部材21の幅方向に複数のグループに分けられている。
さらに、各複合層27において、荷重支持部材21の幅方向に隣り合うグループの波状強化繊維束23は、荷重支持部材21の長手方向の位相を互いに180°ずらした波状になるように横材26に掛けられている。複合層27は、含浸材24により互いに接着されている。他の構成は、実施の形態3と同様である。
このような構成によっても、実施の形態3と同様に、高強度化及び軽量化を図りつつ、曲げ剛性を低減することができる。
また、実施の形態4のロープ20は、X軸方向の単位長さに対し、横材26の本数が多いため、ロープ20製造時に生じる波状強化繊維束23の位置ずれを抑制する効果が大きい。そのため、機械特性が安定したロープ20を得ることができる。
さらに、各複合層27において、隣り合う波状強化繊維束23の位相を180°ずらすことにより、実施の形態3と同様に、ロープ20に荷重が作用した際の波状強化繊維束23のZ軸方向への移動を抑制することができる。
なお、Z軸方向に隣り合う複合層27の層間距離、X軸方向の位相、及び複合層27の層数は特に限定されない。
また、図17は実施の形態4によるロープ20の第1の変形例を示すA−A断面図、図18は図17のロープ20のB−B断面図である。この例では、複合層27の層間距離が小さくされており、Y軸方向に隣り合う波状強化繊維束23の間に、Z軸方向に隣り合う複合層27の波状強化繊維束23が入り込んでいる。
このような構成により、波状強化繊維束23の本数を減らすことなく、ロープ20のZ軸方向の寸法、即ち厚さ寸法を小さくすることができる。つまり、ロープ20のA−A断面積に対する比強度を増加できる。
さらに、図19は実施の形態4によるロープ20の第2の変形例を示すB−B断面図である。この例では、Z軸方向に積層された3層の複合層27のうち、中間の複合層27の波状強化繊維束23のみが、他の複合層27の波状強化繊維束23に対して、X軸方向の位相を90°ずらされている。また、隣り合う複合層27の波状強化繊維束23同士をZ軸方向にできる限り近接させることで、複合層27の層間距離を小さくしている。
このような構成では、層間距離をさらに小さくできるため、ロープ20のZ軸方向の厚さ寸法をさらに小さくして、ロープ20のA−A断面積に対する比強度をさらに増加できる。
実施の形態5.
次に、図20はこの発明の実施の形態5によるロープ20のA−A断面図、図21は図20のロープ20のB−B断面図である。実施の形態5では、荷重支持部材21の厚さ方向の中央に、平行強化繊維体である複数の平行強化繊維束28が配置されている。各平行強化繊維束28は、荷重支持部材21の長手方向に平行に配置された強化繊維25の束である。
また、平行強化繊維束28は、荷重支持部材21の長手方向の全体に渡って連続して配置されている。即ち、実施の形態5の強化繊維体は、波状強化繊維束23と平行強化繊維束28とを含んでいる。
さらに、平行強化繊維束28は、A−A断面を見たとき、Y軸方向及びZ軸方向に隙間無く配置されている。図20では、Z軸方向に4層の平行強化繊維束28が配置されている。
荷重支持部材21の厚さ方向の平行強化繊維束28の層の両側に、複合層27がそれぞれ配置されている。即ち、Z軸方向について、平行強化繊維束28の層は、複合層27間に挟まれている。
図22は図20のロープ20から波状強化繊維束23、平行強化繊維束28及び横材26のみを取り出して示す斜視図である。実施の形態5は、実施の形態4のZ軸方向の中間の複合層27を平行強化繊維束28の層に置き換えた構成であり、他の構成は実施の形態4と同様である。
このような構成によっても、実施の形態2と同様に、高強度化及び軽量化を図りつつ、曲げ剛性を低減することができる。即ち、ロープ20を曲げた際、収縮量及び伸展量が必要となるZ軸方向の表面近くに、波状強化繊維束23が配置されているため、ロープ20の曲げ剛性を小さくできる。
一方、ロープ20を曲げた際に収縮量及び伸展量をあまり必要としないZ軸方向の中間付近には、平行強化繊維束28が配置されているので、ロープ20においてX軸方向の荷重を受け持つ強化繊維25の含有率を増加させることができる。そのため、A−A断面積に対する比強度を増加できる。
なお、実施の形態5において、Z軸方向の平行強化繊維束28の層数は特に限定されない。
実施の形態6.
次に、図23はこの発明の実施の形態6によるロープ20のB−B断面図である。実施の形態6では、Z軸方向に4層の複合層27が並べて配置されている。また、Z軸方向の中間には、Z軸方向に1層の平行強化繊維束28の層が配置されている。
複合層27のうち、荷重支持部材21のZ軸方向の表面に近い2層の複合層27の横材26の径が、表面から遠い2層の複合層27の横材26の径よりも大きい。逆に言うと、表面から遠い複合層27の横材26の径が、表面に近い複合層27の横材26の径よりも小さい。
これにより、表面に近い複合層27の波状強化繊維束23の波の高さ、即ち振幅が、表面から遠い複合層27の波状強化繊維束23の波の振幅よりも大きい。これにより、荷重支持部材21の厚さ方向の表面に近い複合層27ほど、波状強化繊維束23を直線状に伸ばしたときの全長が長い。他の構成は、実施の形態5と同様である。
このような構成によっても、実施の形態5と同様に、高強度化及び軽量化を図りつつ、曲げ剛性を低減することができる。また、ロープ20のX軸方向の強度に対して、ロープ20の曲げ剛性を効果的に低減できる。
また、実施の形態1〜6のロープ20を適用したエレベータでは、高揚程化に対応しつつ、ロープ20の信頼性を十分に確保することができる。さらに、駆動シーブ5等のシーブに対するロープ20の据付性を向上させることができる。
なお、実施の形態4、5のロープ20において、Z軸方向の中央に近い複合層27の波状強化繊維束23又は平行強化繊維束28よりも、表面に近い複合層27の波状強化繊維束23の弾性率を小さくしてもよい。これにより、波状強化繊維束23が収縮及び伸展しやすくなるため、ロープ20の曲げ剛性を低減できる。
波状強化繊維束23の弾性率の低減は、例えば、波状強化繊維束23における強化繊維25の繊維密度を小さくするか、又は弾性率の小さい強化繊維25を用いることで実現できる。また、波状強化繊維束23における強化繊維25の繊維密度は、例えば、波状強化繊維束23に用いる強化繊維25の本数を少なくするか、又は本数を変えずに細い繊維を用いることで小さくできる。
なお、実施の形態1〜6では、ロープ20の表面が平坦であるが、例えば、ロープ20とシーブとの接触面に溝又は突起などの凹凸を設け、ロープ20とシーブとの接触面積を増加させてもよい。
また、ロープ20及びシーブにY軸方向に沿う凹凸を設け、互いに噛み合うようにすれば、シーブに対するロープ20の滑りをより確実に抑制できる。
さらに、波状強化繊維束23の配置方法、構成及び本数は、実施の形態1〜6の例に限定されない。
さらにまた、実施の形態1〜6において、波状強化繊維束23は、一定周期の波状でなく、不定周期の波状であってもよい。例えば、ロープ20の長手方向の位置によって、波の振幅及び周期の少なくともいずれか一方を変化させてもよい。また、使用時にシーブを通過する部分のみで強化繊維束を波状とし、シーブを通過しない部分では強化繊維束をX軸方向と平行に配置してもよい。この場合、ロープ20にX軸方向の荷重が作用した際に、強化繊維束のX軸方向と平行に配置された部分の伸びが、強化繊維束の波状に形成された部分の伸びよりも小さくなるため、全体としてのロープ20の伸びを小さくできる。
また、実施の形態1〜6では、強化繊維25が互いに平行に束ねられているが、複数の強化繊維25をらせん状等に撚った構成であってもよい。強化繊維25をらせん状に撚ることで、平行に配置するよりも強化繊維25の長さをロープ20のX軸方向の長さLに対して長くできる。また、強化繊維25をらせん状に撚った強化繊維束をX軸方向と平行になるように配置してもよいが、強化繊維25をらせん状に撚った強化繊維束をB−B断面において波状の形状とすれば、ロープ20のX軸方向の長さLに対して、強化繊維25の長さをより長くでき、曲げ剛性をさらに低減できる。
さらに、実施の形態1〜6では、A−A断面における各波状強化繊維束23の断面形状を円形としたが(例えば図3)、波状強化繊維束23の断面形状は円形に限定されない。例えば、A−A断面における各波状強化繊維束23の形状が矩形になるように強化繊維25を束にしてもよい。波状強化繊維束23の断面形状を矩形とすれば、波状強化繊維束23を隙間なく整列させ、円形断面の場合よりもロープ20における強化繊維25の含有率を大きくできる。そのため、A−A断面積に対して、高強度なロープ20が提供できる。
さらにまた、強化繊維25の繊維径及び本数も特に限定されるものではない。
また、実施の形態1〜6では、強化繊維体として、強化繊維25の束である波状強化繊維束23及び平行強化繊維束28を示したが、強化繊維体はこれに限定されるものではない。例えば、強化繊維体として、強化繊維からなる波状のシート、又はそのシートをZ軸方向に積層したシート積層体を用いてもよい。
さらに、ロープ及び荷重支持部材の長手方向に直角な断面の形状は、矩形に限定されるものではなく、例えば楕円形又は円形であってもよい。
さらにまた、実施の形態2〜6において、横材26を省略した構成とすることも可能である。
また、この発明のロープを適用するエレベータの構成は、図1に限定されるものではない。
さらに、この発明のロープは、エレベータのかごを吊るロープ以外のロープにも適用できる。例えば、エレベータのコンペンロープ、クレーン装置に使用されるロープにも適用できる。
3 巻上機、5 駆動シーブ、7 かご、20 ロープ、21 荷重支持部材、22 被覆材、23 波状強化繊維束(強化繊維体)、24 含浸材、25 強化繊維、26 横材、27 複合層、28 平行強化繊維束(強化繊維体)。

Claims (9)

  1. 含浸材と、前記含浸材に埋め込まれており、長手方向に作用する荷重を支持する長手方向に連続した強化繊維体とを有している荷重支持部材、及び
    前記荷重支持部材の外周を覆っている被覆材
    を備え、
    前記強化繊維体は、少なくとも一部が長手方向に平行な断面において波状の形状を有している波状強化繊維体を含んでおり、
    前記波状強化繊維体を直線状に伸ばしたときの全長が、前記荷重支持部材の全長の1.1倍以上であるロープ。
  2. 含浸材と、前記含浸材に埋め込まれており、長手方向に作用する荷重を支持する長手方向に連続した強化繊維体とを有している荷重支持部材、及び
    前記荷重支持部材の外周を覆っている被覆材
    を備え、
    前記荷重支持部材は、前記荷重支持部材の長手方向に互いに間隔をおいて前記含浸材に埋め込まれている複数の横材をさらに有しており、
    前記横材は、前記荷重支持部材の長手方向に対して直角の方向に延在する長尺状であり、
    前記横材の弾性率は、前記含浸材の弾性率よりも大きくなっており、
    前記強化繊維体は、少なくとも一部が前記横材に掛けられて波状に形成された波状強化繊維体を含んでおり、
    前記波状強化繊維体を直線状に伸ばしたときの全長が、前記荷重支持部材の全長よりも長くなっているロープ。
  3. それぞれ前記波状強化繊維体と前記横材とからなる複数の複合層が前記荷重支持部材の厚さ方向に並べて配置されている請求項2に記載のロープ。
  4. 前記強化繊維体は、前記荷重支持部材の長手方向に平行に配置された強化繊維の束である平行強化繊維体を含んでおり、
    前記平行強化繊維体は、前記荷重支持部材の厚さ方向の中央に配置されており、
    前記荷重支持部材の厚さ方向の前記平行強化繊維体の両側に前記複合層が配置されている請求項3記載のロープ。
  5. 前記荷重支持部材の厚さ方向の表面に近い前記複合層ほど、前記波状強化繊維体の全長が長い請求項3又は請求項4に記載のロープ。
  6. 前記荷重支持部材の厚さ方向の表面に近い前記複合層ほど、前記波状強化繊維体の弾性率が小さい請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載のロープ。
  7. 前記横材の長手方向寸法が、前記荷重支持部材の幅方向寸法と一致している請求項2から請求項6までのいずれか1項に記載のロープ。
  8. 前記波状強化繊維体は、前記荷重支持部材の幅方向に並んだ複数のグループに分けられており、
    前記荷重支持部材の幅方向に隣り合う前記グループの前記波状強化繊維体は、前記荷重支持部材の長手方向の位相が互いに180°ずらされている請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のロープ。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のロープ、
    前記ロープが巻き掛けられている駆動シーブを有している巻上機、及び
    前記ロープにより吊り下げられており、前記駆動シーブの回転により昇降するかご
    を備えているエレベータ。
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