JP6663735B2 - 整髪用組成物 - Google Patents
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整髪用組成物に配合することで、熱を利用してヘアスタイルを形成および持続させることができる成分として、γ-ドコサラクトン等のラクトン誘導体が知られている(特許文献1)。しかしながら、γ-ドコサラクトン等のラクトン誘導体を含む組成物は、髪に塗布した際の指通りが悪い、髪が固くなる、髪がまとまらない、均一に塗布しにくく髪なじみが悪い、髪が乾燥した質感になるという欠点を有していた。
本発明は、例えば以下の[1]〜[7]である。
25℃での粘度が350万〜3,300万cpsである高重合ジメチコン(B)を2〜15質量%と、
植物油(C)を0.01〜10質量%と、揮発性油(D)を45質量%以上とを含む整髪用組成物。
[2] ラクトン誘導体(A)がγ-ドコサラクトンである、[1]に記載の整髪用組成物。
25℃での粘度が1,800万cps以上3,300万cps以下である高重合ジメチコン(B−1)が0〜100質量部、
25℃での粘度が350万cps以上1,800万cps未満である高重合ジメチコン(B−2)が0〜100質量部である、[1]または[2]に記載の整髪用組成物。
25℃での粘度が1,800万cps以上3,300万cps以下である高重合ジメチコン(B−1)が40〜50質量部であり、
25℃での粘度が350万cps以上1,800万cps未満である高重合ジメチコン(B−2)が50〜60質量部である、[1]または[2]に記載の整髪用組成物。
25℃での粘度が1,800万cps以上3,300万cps以下である高重合ジメチコン(B−1)が55〜100質量部であり、
25℃での粘度が350万cps以上1,800万cps未満である高重合ジメチコン(B−2)が0〜45質量部である、[1]または[2]に記載の整髪用組成物。
25℃での粘度が1,800万cps以上3,300万cps以下である高重合ジメチコン(B−1)が0〜35質量部であり、
25℃での粘度が350万cps以上1,800万cps未満である高重合ジメチコン(B−2)が65〜100質量部である、[1]または[2]に記載の整髪用組成物。
〔整髪用組成物〕
本発明の組成物は、以下に説明する、ラクトン誘導体(A)と、高重合ジメチコン(B)と、植物油(C)と、揮発性油(D)とを含む。前記組成物は、さらに、ジメチコノール(E)を含むことが好ましい。また、前記組成物は、必要に応じてその他の成分(F)を含有してもよい。
本発明の組成物は、下記式(I)で表されるラクトン誘導体(A)を含む。本発明の組成物は、ラクトン誘導体(A)を含むことにより、熱を加えた際のヘアスタイルの形成力および持続力に優れる。
組成物100質量%中のラクトン誘導体(A)の配合量は、0.005〜0.25質量%であり、好ましくは0.025〜0.2質量%であり、より好ましくは0.05〜0.15質量%である。ラクトン誘導体(A)の配合量が前記下限値以上であると、熱を加えた際のヘアスタイルの形成力および持続力に優れ、前記上限値以下であると、良好な指通りを有しつつ、髪をまとめることができ、髪を柔らかくすることができる。
高重合ジメチコン(B)は、25℃での粘度が、350万〜3,300万cpsである。本発明の組成物は、高重合ジメチコン(B)を含むことにより、良好な指通りを有し、髪に均一に塗布しやすくなる。粘度は、例えば、B型粘度計(BROOK FIELD社製)で測定することができる。
組成物100質量%中の高重合ジメチコン(B)の配合量は、2〜15質量%であり、好ましくは5〜12.5質量%であり、より好ましくは7.5〜10質量%である。高重合ジメチコン(B)の配合量が前記下限値以上であると、良好な指通りを有し、髪に均一に塗布しやすくなり、前記上限値以下であると、熱を加えた際のヘアスタイルの形成力および持続力、髪の柔らかさおよび乾かしやすさが良好である。
本発明の組成物は、高重合ジメチコン(B)100質量部中、高重合ジメチコン(B−1)が0〜100質量部であり、(B−2)が0〜100質量部であることが好ましい。
本発明の組成物は、植物油(C)を含む。本発明の組成物は、植物油(C)を含むことにより、まとまりと柔らかさとを髪に付与することができ、また、熱を加えた際のヘアスタイルの形成力および持続力を高めることができる。
組成物100質量%中の植物油(C)の配合量は、0.01〜10質量%であり、好ましくは0.05〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。植物油(C)の配合量が前記範囲内であると、べたつきを生じさせずに、まとまりと柔らかさとを髪に付与することができ、また、熱を加えた際のヘアスタイルの形成力および持続力を高めることができる。
本発明の組成物は、揮発性油(D)を含む。本発明の組成物は、揮発性油(D)を含むことにより、べたつかず、良好な指通りを得ることができ、乾かしやすくなる。
組成物100質量%中の揮発性油(D)の配合量は、45質量%以上であり、好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。揮発性油(D)の配合量が前記範囲内であると、熱を加えた際のへアルタイルの持続力、指通り、均一塗布のしやすさ、乾かしやすさが良好な組成物が得られる。揮発性油(D)は、組成物中に(A)〜(C)等を配合した後の残部とすることができ、上限は特に制限されないが、組成物100質量%中の配合量は、97.985質量%以下、好ましくは97.885質量%以下、より好ましくは96質量%以下、最も好ましくは92質量%以下である。
本発明の組成物は、ジメチコノール(E)を含むことが好ましい。ジメチコノール(E)を含むことにより、髪に潤いと柔らかさとを付与することができる。
ジメチコノール(E)の25℃での粘度の下限値は、好ましくは100万cpsであり、上限値は、好ましくは6000万cps、より好ましくは4000万cps、特に好ましくは2000万cpsである。粘度は、例えば、B型粘度計(BROOK FIELD社製)で測定することができる。
本発明の組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外に、植物油(C)および揮発性油(D)以外の油剤、保湿剤、増粘剤、生薬類、乳化剤、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、清涼剤、ビタミン類、蛋白質、香料、抗菌剤、酸化防止剤、抗炎症剤および色素等の添加剤を含有することができる。
本発明の組成物は、上述した各成分を、公知の方法で、撹拌、混合、加熱、溶解、分散等することによって製造することができ、製造方法は特に限定されない。
本発明の組成物は、毛髪に塗布して使用することができる。
本発明の組成物は、良好な指通りを有しつつ、髪をまとめることができ、さらに、熱を加えることで、ヘアスタイルの形成力および持続力に優れる。さらに、本発明の組成物は、均一に髪に塗布しやすく、髪の柔らかさ、乾かしやすさ、髪の潤い、髪の艶が良好である。
[実施例1〜42および比較例1〜10]
表1〜7に示す処方で各成分を混合することにより、整髪用組成物を製造し、以下の方法で評価した。
なお、表1〜7に記載の各成分は以下の市販品を用いた。
ラクトン誘導体(A)であるγ−ドコサラクトンおよび揮発性油(D)であるシクロペンタシロキサンの一部として、エルカラクトンSIL(商品名)(日本精化社製)を使用した。
高重合ジメチコン(約3000万cps):KF−9008(信越化学工業株式会社製;高重合ジメチコン20質量%、シクロペンタシロキサン80質量%)に含まれる高重合ジメチコン(高重合ジメチコンの25℃での粘度は約3,000万cpsである。)
高重合ジメチコン(約2000万cps):XF49−601(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製;高重合ジメチコン15質量%、シクロペンタシロキサン85質量%)に含まれる高重合ジメチコン(高重合ジメチコンの25℃での粘度は約2,000万cpsである。)
高重合ジメチコン(約400万cps):BY11−040(東レ・ダウコーニング株式会社製;高重合ジメチコン15質量%、シクロペンタシロキサン85質量%)に含まれる高重合ジメチコン(高重合ジメチコンの25℃での粘度は約400万cpsである。)
高重合ジメチコン(約1500万cps):XF49−A3818(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製;高重合ジメチコン15質量%、シクロペンタシロキサン85質量%)に含まれる高重合ジメチコン(高重合ジメチコンの25℃での粘度は約1,500万cpsである。)
オリーブ油:オリーブ油リファインド(DPS五協フード&ケミカル社製)
マカデミアナッツ油:CROPURE MACADAMIA−LQ−(JP)(クローダジャパン社製)
<揮発性油(D)>
イソドデカン:ISODODECANE(カネダ株式会社製)
<ジメチコノール(E)>
ジメチコノール:XF49−C2499(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社社製;ジメチコノール30質量%、シクロペンタシロキサン70質量%)に含まれるジメチコノール
<その他の成分>
流動イソパラフィン:パームリーム6(日油株式会社製)
エチルヘキサン酸セチル:NS−CIO(日本精化株式会社製)
ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール:Neosolue−DE(日本精化株式会社製)
ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール:Neosolue−MP(日本精化株式会社製)
フェニルトリメチコン:SH556 Fluid(東レ・ダウコーニング株式会社製)
カプリリルメチコン:SS−3408(東レ・ダウコーニング株式会社製)
ステアリルジメチコン:2503 Cosmetic Wax(東レ・ダウコーニング株式会社製)
(ジビニルジメチコン/ジメチコン)コポリマー:HMW 2220(東レ・ダウコーニング株式会社製;(ジビニルジメチコン/ジメチコン)コポリマー約60質量%)に含まれる(ジビニルジメチコン/ジメチコン)コポリマー
ジメチコン(2cs):KF−96L−2cs(信越化学工業株式会社製、25℃での動粘度は2mm2/sであり、25℃での比重は0.873である。)
専門パネラー(美容師)10名が1人ずつ、各項目に記載した評価基準に従って官能評価を行った。各項目につき10名の評価点の平均を算出し、以下のとおり評価した。なお、評価では、PAMS社製の人毛ウィッグUN(トップ40cm、ネープ25cm)を用いた。
◎◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が3.5点以上である。
◎:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が2.5点以上3.5点未満である。
○:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点以上2.5点未満である。
×:10人の専門パネラー(美容師)の評価点の平均が1.5点未満である。
(1)熱を加えた際のヘアスタイルの形成力
室温(25℃)の条件下で、試料1gを手に取って、髪に万遍なく塗布し、その後、180℃のヘアアイロンを用いてカールスタイルを作る。そのカールの形成力がどの程度なのかを下記の基準で目視で評価した。
4点:とてもしっかりとカールが出ている
3点:しっかりとカールが出ている
2点:カールが出ている
1点:カールがそれほど出ていない
室温(25℃)の条件下で、試料1gを手に取って、髪に万遍なく塗布し、その後、180℃のヘアアイロンを用いてカールスタイルを作る。その作ったカールスタイルが、12時間後、どの程度維持されているかを目視で評価した。
4点:形成されたカールスタイルがしっかり持続する
3点:形成されたカールスタイルが持続する
2点:形成されたカールスタイルがやや持続する
1点:形成されたカールスタイルが全く持続しない
室温(25℃)の条件下で、試料1gを手に取って、髪に万遍なく塗布し、その後、直ちに毛流れを(ヘアスタイル)を作る。その作った毛流れ(ヘアスタイル)に沿って、手櫛を通しての風合いを触感で評価した。
4点:とてもさらさらとして指通りが良い
3点:指通りが良い
2点:やや指通りが良い
1点:指通りが悪い
室温(25℃)の条件下で、試料1gを髪に塗布した際に、一ヶ所にベタっと付いてしまうことなく、根元から毛先までムラにならず均一に塗布できるかどうかを評価した。
4点:非常に均一に塗布できる
3点:綺麗に均一に塗布できる
2点:均一に塗布できる
1点:均一に塗布できない
室温(25℃)の条件下で、試料1gを手に取って、髪に万遍なく塗布し、その後直ちに毛流れ(ヘアスタイル)を作る。その作った毛流れ(ヘアスタイル)に沿って、手櫛を通しての風合いを触感で評価した。
4点:髪に硬さがなく、とても柔らかい
3点:柔らかい
2点:やや柔らかい
1点:柔らかくない、もしくは、硬い
室温(25℃)の条件下で、試料1gを手に取って、髪に万遍なく塗布し、その後、直ちに毛流れを(ヘアスタイル)を作る。その作った毛流れ(ヘアスタイル)の毛先が、どの程度まとまっているかを目視で評価した。
4点:とても綺麗にまとまっている
3点:綺麗にまとまっている
2点:やや綺麗にまとまっている
1点:まとまっていない、もしくは、べたっと束になっている
室温(25℃)の条件下で、試料1gを手に取って、髪に万遍なく塗布し、その後ドライヤーで5分間乾かした際の、乾きやすさを評価した。
4点:とても良く乾く
3点:良く乾く
2点:やや乾く
1点:乾きにくい
室温(25℃)の条件下で、試料1gを手に取って、髪に万遍なく塗布し、その後直ちに毛流れを(ヘアスタイル)を作る。その後、髪がどの程度潤っているかを触感で評価した。
4点:とてもしっとりとしており、良く潤っている
3点:しっとりとしており、適度に潤っている
2点:やや潤っている
1点:潤っていない
室温(25℃)の条件下で、試料1gを手に取って、髪に万遍なく塗布し、その後直ちに毛流れを(ヘアスタイル)を作る。その作った毛流れ(ヘアスタイル)の艶を目視で評価した。
4点:とても艶が出ている
3点:艶が出ている
2点:少し艶が出ている、または、少しギラギラした艶が出ている
1点:艶が出ていない、または、ギラギラした不自然な艶が出ている
実施例40および41で製造した組成物は、ラクトン誘導体(A)と、高重合ジメチコン(B)と、植物油(C)と、揮発性油(D)とに加え、さらにジメチコノール(E)を含む。このため、実施例40および41で製造した組成物は、髪の潤いおよび柔らかさが特に優れている。
Claims (3)
- 下記式(I)で表されるラクトン誘導体(A)を0.005〜0.25質量%と、
25℃での粘度が350万〜3,300万cpsである高重合ジメチコン(B)を2〜15質量%と、
植物油(C)を0.01〜10質量%と、
揮発性油(D)を45質量%以上とを含み、
前記高重合ジメチコン(B)100質量部中、
25℃での粘度が1,800万cps以上3,300万cps以下である高重合ジメチコン(B−1)が40〜50質量部であり、
25℃での粘度が350万cps以上1,800万cps未満である高重合ジメチコン(B−2)が50〜60質量部である、整髪用組成物。
- ラクトン誘導体(A)がγ-ドコサラクトンである、請求項1に記載の整髪用組成物。
- さらにジメチコノール(E)を含む、請求項1または2に記載の整髪用組成物。
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