JP7382193B2 - 乳化整髪剤組成物 - Google Patents

乳化整髪剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7382193B2
JP7382193B2 JP2019179706A JP2019179706A JP7382193B2 JP 7382193 B2 JP7382193 B2 JP 7382193B2 JP 2019179706 A JP2019179706 A JP 2019179706A JP 2019179706 A JP2019179706 A JP 2019179706A JP 7382193 B2 JP7382193 B2 JP 7382193B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
component
hair styling
wax
styling composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019179706A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021054747A (ja
Inventor
範子 藤田
真衣 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mandom Corp
Original Assignee
Mandom Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mandom Corp filed Critical Mandom Corp
Priority to JP2019179706A priority Critical patent/JP7382193B2/ja
Publication of JP2021054747A publication Critical patent/JP2021054747A/ja
Priority to JP2023127237A priority patent/JP2023133568A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7382193B2 publication Critical patent/JP7382193B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Description

本発明は、乳化整髪剤組成物に関する。
様々な剤型の整髪剤の中でも、毛髪を立ち上げたり、くせ付けたりして髪型を作る特性に優れたものとしてヘアワックス(ヘアスタイリングワックス)が広く使用されている。ヘアワックスには、一般に、水、固形ロウ類などに加えて、揮発性シリコーンが用いられる。上記揮発性シリコーンとしては、主に環状シリコーンが用いられている(例えば、特許文献1等)。環状シリコーンを用いることで、塗布時および整髪時の指通りを向上させ、整髪後には揮発して整髪特性に影響を与えにくいため、使用性を優位に向上させていた。
しかし、近年、環状シリコーンは、安定性が高く、生物濃縮を生じ、環境に悪影響を与えることが指摘され、代替が検討されており、環状シリコーンを使用しないことに伴う使用性の低下を補う処方検討を行う必要が生じている。
特開2007-1887号公報
しかしながら、上記環状シリコーンは、上記指通りの向上効果と揮発性のバランスが極めて優れており、他の成分による代替によって同等の効果を得ることは困難であるのが実情である。
本発明は、アレンジ力(毛髪を所望の方向に曲げて形作る特性)に優れながら、かつ、塗布性(塗布時の指通り)および操作性(整髪時の指通り)に優れる乳化整髪剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、25℃における動粘度が0.5~2.0mm2/sの直鎖シリコーンと、25℃における動粘度が5.0~10.0mm2/sの直鎖シリコーンを併用してそれぞれ特定の含有量で配合し、さらに、25℃で液状のエステル油と、25℃で固形のロウと、水とを配合した乳化整髪剤組成物とすることにより、アレンジ力に優れながら、かつ、塗布性および操作性に優れる乳化整髪剤組成物が得られることを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、下記成分(D)および下記成分(E)を含有し、
前記成分(A)の含有量が1.0~20.0質量%であり、
前記成分(B)の含有量が0.05~10.0質量%である、乳化整髪剤組成物、
成分(A):25℃における動粘度が0.5~2.0mm2/sの直鎖シリコーン
成分(B):25℃における動粘度が5.0~10.0mm2/sの直鎖シリコーン
成分(C):25℃で液状のエステル油
成分(D):25℃で固形のロウ
成分(E):水
[2]前記成分(A)および前記成分(B)の合計含有量が3.0質量%以上である、上記[1]記載の乳化整髪剤組成物、
[3]さらに、無機粉体を3.0~15.0質量%含有する、上記[1]または[2]記載の乳化整髪剤組成物、
[4]前記成分(D)が、動植物ロウを、前記成分(D)中に20.0質量%以上含有する、上記[1]~[3]のいずれかに記載の乳化整髪剤組成物、
[5]環状シリコーンを含有しないか、または、1.0質量%以下含有する上記[1]~[4]のいずれかに記載の乳化整髪剤組成物、
に関する。
本発明によれば、アレンジ力に優れながら、かつ、塗布性および操作性に優れる乳化整髪剤組成物を提供することができる。
本発明の乳化整髪剤組成物は、25℃における動粘度が0.5~2.0mm2/sの直鎖シリコーン(成分(A))、25℃における動粘度が5.0~10.0mm2/sの直鎖シリコーン(成分(B))、25℃で液状のエステル油(成分(C))、25℃で固形のロウ(成分(D))、および水(成分(E))を含有する。本発明の乳化整髪剤組成物は、成分(A)~(E)以外の成分を含有していてもよい。
本発明の乳化整髪剤組成物は、成分(A)と成分(B)を併用して、それぞれ特定の含有量で配合することにより、アレンジ力に優れながら、かつ、塗布性および操作性に優れるという効果を発揮する。揮発性の高い成分(A)のみが単に配合された乳化整髪剤組成物では、均一塗布は可能であるが、すぐに揮発するため、アレンジができないという操作性の問題がある。一方、成分(B)のみが単に配合された乳化整髪剤組成物では、塗布性は有するが、比較的揮発が遅いため、成分(B)が毛髪に残り、毛束の硬さが低下してアレンジができないというアレンジ力の問題がある。本発明では、揮発性の高い成分(A)と、比較的揮発の遅い成分(B)とを併用して、それぞれ特定の含有量とすることで、適度な揮発性を有するため、塗布性および所望の髪型のアレンジまでの操作性が良好で、なおかつ、整髪力(アレンジ力)にも優れるため、所望の髪型を形成することができる。
なお、本明細書においては、25℃における動粘度が0.5~2.0mm2/sの直鎖シリコーンを「成分(A)」;25℃における動粘度が5.0~10.0mm2/sの直鎖シリコーンを「成分(B)」;25℃で液状のエステル油を「成分(C)」;25℃で固形のロウを「成分(D)」;水を「成分(E)」と称する場合がある。
本発明の乳化整髪剤組成物に含有される成分、すなわち、成分(A)~(E)やその他の成分の含有量は、それぞれ、乳化整髪剤組成物の合計の含有量が100質量%以下となるように、記載の範囲内から適宜選択することができる。なお、本明細書において、「~」を用いて数値範囲を示す場合、その両端の数値を含むものとする。また、成分(A)~(E)やその他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
<成分(A)>
成分(A)は、25℃における動粘度が0.5~2.0mm2/s(0.5~2.0cSt)の直鎖シリコーンである。成分(A)を用いることにより、塗布初期の指通りを向上させることができる。なおかつ、成分(A)は揮発性が高いため、毛髪に残らず、毛束の硬さを低下させない。これにより、優れたアレンジ力を維持しうる。成分(A)は、特に限定されず、例えば、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジメチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられ、25℃における動粘度が0.5~2.0mm2/sのものを任意に選択して用いることができる。なかでも、塗布性を高める観点から、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ジメチルポリシロキサンが好ましい。成分(A)は、側鎖または末端に有機基を導入することにより変性されていてもよく、変性されていなくてもよい。成分(A)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(A)の25℃における動粘度は、0.5~2.0mm2/sである。成分(A)は、25℃における動粘度が0.5~2.0mm2/sであることで、揮発性が高いため、毛髪に残らず、毛束の硬さを低下させない。成分(A)の25℃における動粘度が2.0mm2/sを超えると、直鎖シリコーンの揮発性が低下することがある。
成分(A)の25℃における動粘度は、塗布性をより一層高める観点からは、好ましくは0.8mm2/s以上、より好ましくは1.3mm2/s以上、好ましくは1.7mm2/s以下である。なお、本明細書における直鎖シリコーンの25℃における動粘度は、例えば、毛細管粘度計法により測定される。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(A)の含有量は、1.0~20.0質量%である。成分(A)の含有量が上記範囲内であることにより、塗布性をより一層高めることができる。成分(A)の含有量が1.0質量%未満であると、優れたアレンジ力を維持しながら塗布性を高めることが困難となる傾向がある。また、成分(A)の含有量が20.0質量%を超えると、製剤安定性を損ねる傾向がある。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(A)の含有量は、優れたアレンジ力を維持しながら塗布性をより一層高める観点からは、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは3.5質量%以上である。製剤安定性の観点からは、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下である。成分(A)の含有量は、本発明の乳化整髪剤組成物中の全ての成分(A)の含有量の合計である。
<成分(B)>
成分(B)は、25℃における動粘度が5.0~10.0mm2/s(5.0~10.0cSt)の直鎖シリコーンである。成分(B)を用いることにより、塗布開始からある程度時間が経った後も指通りのよさを維持することができ、操作性を向上させることができる。成分(B)は、特に限定されず、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジメチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられ、25℃における動粘度が5.0~10.0mm2/sのものを任意に選択して用いることができる。なかでも、操作性を高める観点から、ジメチルポリシロキサンが好ましい。成分(B)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
成分(B)の25℃における動粘度は、5.0~10.0mm2/sである。成分(B)は、25℃における動粘度が5.0~10.0mm2/sであることで、揮発性が成分(A)に比べて遅いため、塗布開始からある程度時間が経った後も指通りのよさを維持することができるため、アレンジの時間を確保することができるので、特にアレンジのしやすさ(すなわち、操作性)が向上する。成分(B)の25℃における動粘度が5.0mm2/s未満であると直鎖シリコーンの揮発性が高くなり操作性が劣ることがある。一方、該動粘度が10.0mm2/sを超えると直鎖シリコーンの揮発性が低下し、毛髪に残りやすく、毛束の硬さを低下させて、アレンジ力が劣ることがある。
成分(B)の25℃における動粘度は、アレンジ力をより一層高める観点からは、好ましくは7.0mm2/s以下である。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(B)の含有量は、0.05~10.0質量%である。成分(B)の含有量が上記範囲内であることにより、操作性をより一層高めることができる。成分(B)の含有量が0.05質量%未満であると、操作性が得られにくくなる傾向がある。また、成分(B)の含有量が10.0質量%を超えると、アレンジ力や、形成した髪型を長時間持続する整髪保持力(固定)が劣ることがある。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(B)の含有量は、操作性(アレンジのしやすさ)をより向上させる観点からは、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上である。アレンジ力をより一層高める観点からは、好ましくは4.5質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下である。成分(B)の含有量は、本発明の乳化整髪剤組成物中の全ての成分(B)の含有量の合計である。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(A)および成分(B)の合計含有量は、求める整髪性能(アレンジ、毛束形成、立ち上げ等)に応じて、上記範囲内で適宜調整することができ、特に限定されないが、成分(A)および成分(B)含有することによる効果をより発揮させる観点からは、3.0質量%以上が好ましい。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(A)および成分(B)の合計含有量は、アレンジ力と操作性をより一層高いレベルで両立させる観点からは、好ましくは4.0質量%以上、より好ましくは5.0質量%以上、好ましくは25.0質量%以下、より好ましくは13.0質量%以下、さらに好ましくは10.0質量%以下である。成分(A)および成分(B)の合計含有量は、本発明の乳化整髪剤組成物中の全ての成分(A)および成分(B)の含有量の合計である。
<成分(C)>
成分(C)は、25℃で液状のエステル油である。成分(C)は、25℃で流動性を有する。成分(C)は、乳化整髪剤組成物の基材として用いられる。特に、成分(C)は、成分(D)(25℃で固形のロウ)に対する適度な可塑化効果を有するため、乳化整髪剤組成物のアレンジ力を向上することができる。また、適度な硬さ(特にヘアワックスとして好ましい硬さ)を有する乳化整髪剤組成物を形成することができる。
成分(C)としては、特に限定されないが、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、イソステアリン酸セチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキシル酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、アジピン酸ジイソプロピル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、リンゴ酸ジイソステアリル、トリエチルヘキサン酸エリスリチル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、ヘキサ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ジペンタエリスリチル等が挙げられる。上記の中でも、アレンジ力を特に向上させる観点から、成分(C)は、ミリスチン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、イソステアリン酸セチル、パルミチン酸2-エチルヘキシルおよび2-エチルヘキシル酸セチルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらに、毛髪を立ち上げる整髪力を向上させる観点や粉体を配合して艶消し(マット)効果を付与する観点からは、ミリスチン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシルおよびイソステアリン酸セチルからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが特に好ましい。最も好ましくは、成分(C)は、ミリスチン酸イソプロピルである。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(C)の含有量は、特に限定されないが、塗布時の指通りを向上させる観点からは、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上である。製剤安定性の観点からは、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下である。さらに、粉体を配合して艶消し(マット)効果を付与する観点からは、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下である。成分(C)の含有量は、本発明の乳化整髪剤組成物中の全ての成分(C)の含有量の合計である。
<成分(D)>
成分(D)は、25℃で固形のロウである。成分(D)を用いることにより、整髪力(アレンジ、毛束形成、立ち上げ、固定)が向上する。成分(D)は、25℃で固形のロウであれば特に限定されず、例えば、動植物ロウ、炭化水素ロウ、モンタンワックス等が挙げられる。なかでも、動植物ロウおよび炭化水素ロウを併用することが好ましい。成分(D)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
上記動植物ロウは、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ヒマワリ種子ロウ、コメヌカロウ、モクロウ、サトウキビロウ、ミツロウ、セラックロウ、鯨ロウおよびラノリンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むものであることが好ましく、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ヒマワリ種子ロウ、コメヌカロウ、モクロウ、サトウキビロウ、ミツロウ、セラックロウ、鯨ロウおよびラノリンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。上記動植物ロウは、粘着性があるため、毛髪間の粘着力を高めることができ、毛束形成力、アレンジ力を向上する。なかでも、本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ヒマワリ種子ロウ、ミツロウからなる群から選ばれる少なくとも1種がより好ましい。また、毛髪を立ち上げる整髪力をより一層向上する観点からは、カルナウバロウを含むことが好ましい。
上記カルナウバロウは、INCI名:Copernicia Cerifera (Carnauba) Waxで表記される化合物である。上記カルナウバロウの市販品としては、商品名「TOWAX-1F8」(東亜化成(株)製)、商品名「カルナバワックス1号」((株)加藤洋行製)、および商品名「カルナバワックス精製No.1」((株)セラリカNODA製)等が挙げられる。
上記キャンデリラロウは、INCI名:Euphorbia Cerifera (Candelilla) Waxで表記される化合物である。
上記ヒマワリ種子ロウは、INCI名:Helianthus Annuus (Sunflower) Seed Waxで表記される化合物である。上記ヒマワリ種子ロウの市販品としては、「精製ヒマワリワックス」(横関油脂工業(株)製)、および商品名「VGB 5ST」(エー・ディー・エム・ジャパン(株)製)等が挙げられる。
上記ミツロウの市販品としては、商品名「コウサンダッシュウミツロウ」(三木化学工業(株)製)、および商品名「精製ミツロウCY-100」(横関油脂工業(株)製)等が挙げられる。
炭化水素ロウは毛髪の硬さを付与する効果があり、上記動植物ロウと併用することにより、アレンジ力をより向上させることができる。上記炭化水素ロウは、特に限定されず、例えば、マイクロクスタリンワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、セレシン、ワセリン等が挙げられる。なかでも、本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、マイクロクスタリンワックスおよびパラフィンワックスの少なくとも1つを含むものであることが好ましく、マイクロクスタリンワックスおよびパラフィンワックスを併用することがさらに好ましい。
上記マイクロクリスタリンワックスは、JIS K 2235に規定されたマイクロクリスタリンワックスである。上記マイクロクリスタリンワックスの市販品としては、商品名「HI-MIC-2065」、商品名「HI-MIC-1090」、商品名「HI-MIC-2095」、商品名「HI-MIC-1045」(以上いずれも日本精蝋(株)製)、および商品名「MULTIWAX W-835」、商品名「MULTIWAX X145AH」、商品名「MULTIWAX X123AH」(以上いずれもSonneborn Inc社製)等が挙げられる。
上記パラフィンワックスは、JIS K 2235に規定されたパラフィンワックスである。上記パラフィンワックスの市販品としては、商品名「SP-0165」、商品名「HNP-9」(以上いずれも日本精蝋(株)製)等が挙げられる。
上記ポリエチレンワックスは、エチレンの重合物である。上記ポリエチレンワックスの製造方法としては、エチレンを重合する方法、および一般成型用ポリエチレンを分解する方法等が挙げられる。本発明の効果を効果的に発揮する観点から、上記ポリエチレンワックスは、融点が120℃以下のポリエチレンワックスであることが好ましい。上記ポリエチレンワックスの市販品としては、商品名「PERFORMALENE PL POLYETHYLENE」(New Phase Technologies社製、融点88℃)等が挙げられる。
上記フィッシャー・トロプシュワックスは、フィッシャー・トロプシュ法により製造されるワックスである。上記フィッシャー・トロプシュワックスは、表示名称が「合成ワックス」と表記されることがあるワックスである。上記フィッシャー・トロプシュ法とは、一酸化炭素と水素と触媒とを用いてワックスを合成する製法である。上記触媒としては、鉄、コバルト、およびニッケル等が挙げられる。上記フィッシャー・トロプシュワックスの市販品としては、商品名「CIREBELLE 108」(CIREBELLE社製)等が挙げられる。
上記セレシンの市販品としては、商品名「CERESIN #810」、商品名「CERESIN #820」、および商品名「精製セレシンN」(以上いずれも日興リカ(株)製)等が挙げられる。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(D)の含有量は、特に限定されないが、整髪力を向上させる観点からは、好ましくは5.0質量%以上、より好ましくは12.0質量%以上である。毛髪を立ち上げる整髪力をより一層向上する観点からは、好ましくは15.0質量%以上、さらに好ましくは20.0質量%以上である。乳化整髪剤組成物自体が硬くなりすぎないという観点、塗布性、洗い落ちを向上させる観点からは、好ましくは30.0質量%以下、より好ましくは28.0質量%以下である。成分(D)の含有量は、本発明の乳化整髪剤組成物中の全ての成分(D)の含有量の合計である。
成分(D)100質量%中、上記動植物ロウの含有量は、特に限定されないが、毛束形成力、アレンジ力を向上させる観点からは、好ましくは20.0質量%以上、より好ましくは50.0質量%以上、さらに好ましくは60.0質量%以上である。成分(D)100質量%中、上記動植物ロウの含有量は、100質量%であってもよく、好ましくは90.0質量%以下、より好ましくは85.0質量%以下である。また、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ヒマワリ種子ロウ、コメヌカロウ、モクロウ、サトウキビロウ、ミツロウ、セラックロウ、鯨ロウおよびラノリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量が、上記範囲を満たすことが好ましい。また、硬さによる立ち上げやボリューム感を付与する効果をより一層向上する観点からは、成分(D)100質量%中、上記カルナウバロウの含有量が、好ましくは5.0~30.0質量%、より好ましくは、7.0~25.0質量%、さらに好ましくは10.0~20.0質量%である。
成分(D)100質量%中、上記炭化水素ロウ(好ましくはマイクロクスタリンワックスおよびパラフィンワックスの少なくとも1つ)の含有量は、0質量%であってもよく、特に限定されないが、好ましくは10.0質量%以上、より好ましくは15.0質量%以上、好ましくは80.0質量%以下、より好ましくは50.0質量%以下、さらに好ましくは40.0質量%以下である。
<成分(E):水>
成分(E)は、水である。成分(E)は、乳化系を形成する分散媒として作用する。成分(E)は、特に限定されないが、精製水が好ましい。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(E)の含有量は、成分(A)~(D)およびその他の成分を除いた残部を、その含有量とすることができる。本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(E)の含有量は、好ましくは10.0質量%以上、より好ましくは15.0質量%以上、好ましくは70.0質量%以下、より好ましくは50.0質量%以下である。
<その他の成分>
本発明の乳化整髪剤組成物は、成分(A)~(E)以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、特に限定されず、例えば、無機粉体、有機粉体、成分(A)および成分(B)以外のシリコーン、多価アルコール、高級アルコール、皮膜形成ポリマー、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、炭化水素油、植物油、高級脂肪酸、金属イオン封鎖剤、酸化防止剤、植物抽出エキス、染料、顔料、pH調整剤、香料、防腐剤、増粘剤等が挙げられる。上記その他の成分は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。なお、上記その他の成分からは、成分(A)~(E)に含まれるものは除かれるものとする。
(無機粉体)
本発明の乳化整髪剤組成物は、整髪後の毛髪に艶消し効果を付与し、マットな質感(マット感)を付与する観点から、無機粉体を含有することができる。上記無機粉体としては、例えば、タルク、シリカ、クレー、マイカ、カオリン、ケイソウ土、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。なかでも、タルク、シリカおよびケイソウ土からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、タルクおよびシリカを併用することがより好ましい。また、上記無機粉体は、天然物、造粒物、複合粉体等いずれの由来であってもよい。上記無機粉体の形状は、特に限定されず、例えば、球状、燐片状、板状、粉末状等が挙げられる。なお、上記無機粉体としては市販品を用いることができる。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、上記無機粉体の含有量は、特に限定されないが、マット感を付与する観点からは、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは3.0質量%以上である。フレーキングの発生を防止するという観点からは、好ましくは15.0質量%以下、より好ましくは10.0質量%以下である。上記無機粉体の含有量は、本発明の乳化整髪剤組成物中の全ての無機粉体の含有量の合計である。
(有機粉体)
上記有機粉体としては、例えば、ナイロン、ポリスチレン、ポリウレタン、シリコーン、セルロース、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、シルセスキオキサン等が挙げられる。
(成分(A)および成分(B)以外のシリコーン)
アレンジ力をより一層向上する観点からは、成分(A)および成分(B)以外のシリコーンは、含有しないか、または、含有する場合であっても比較的少量であることが好ましい。本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、成分(A)および成分(B)以外のシリコーンの含有量は、好ましくは2.0質量%以下(0~2.0質量%)、より好ましくは1.0質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下である。成分(A)および成分(B)以外のシリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジメチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン;アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等のアミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の変性シリコーン;ジメチコノール等のうち、25℃における動粘度が15~1000mm2/sのものが挙げられる。
(環状シリコーン)
本発明の乳化整髪剤組成物は、環境への影響の観点から、環状シリコーンを含まないか、または環状シリコーンを1.0質量%以下含有することが好ましい。本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、環状シリコーンの含有量は、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下、最も好ましくは0質量%である。環状シリコーンとしては、例えば、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。
(多価アルコール)
本発明の乳化整髪剤組成物は、乳化整髪剤組成物の保湿性を向上させる観点から、多価アルコールを含有することが好ましい。上記多価アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、グリコール、グリセリン類、糖アルコール等が挙げられる。上記グリコールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオール、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレンソルビット等が挙げられ、1,3-ブチレングリコールが好ましい。上記グリセリン類としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げられる。上記糖アルコールとしては、特に限定されないが、例えば、ソルビトール、マルチトール、トレハロース等が挙げられる。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、上記多価アルコールの含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5~15.0質量%、より好ましくは1.0~10.0質量%である。
(高級アルコール)
本発明の乳化整髪剤組成物は、乳化安定性を向上させる観点から、高級アルコールを含有することが好ましい。上記高級アルコールとしては、炭素数が10~22の脂肪族アルコールが好ましく、12~22の脂肪族アルコールがより好ましい。上記高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられ、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましい。
本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、上記高級アルコールの含有量は、特に限定されないが、乳化安定性のより一層の向上の観点から、好ましくは0.1~5.0質量%、より好ましくは0.5~3.0質量%である。
(ノニオン性界面活性剤)
本発明の乳化整髪剤組成物は、乳化系を形成する観点から、ノニオン性界面活性剤を含有することが好ましい。上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン等が挙げられる。上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノミリスチン酸ポリエチレングリコール、モノベヘン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノベヘン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ソルビタン等が挙げられる。本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、上記ノニオン性界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは1.0~10.0質量%、より好ましくは2.0~8.0質量%である。
(アニオン性界面活性剤)
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N-アシル-N-メチル-β-アラニン塩、N-アシルグリシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸およびその塩、N-アシルサルコシンおよびその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩等が挙げられる。
(カチオン性界面活性剤)
上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有3級アミン塩等のアミン塩;モノアルキル型4級アンモニウム塩、ジアルキル型4級アンモニウム塩、トリアルキル型4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型4級アンモニウム塩等のアルキル4級アンモニウム塩;アルキルピリジニウム塩等の環式4級アンモニウム塩;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
(両性界面活性剤)
上記両性界面活性剤としては、例えば、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N-アシルアミノエチル-N-2-ヒドロキシエチルグリシン塩等のグリシン型両性界面活性剤;アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤;アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
(皮膜形成ポリマー)
上記皮膜形成ポリマーとしては、例えば、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体、N-メタクリロイルオキシエチルN,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体等が挙げられる。
(炭化水素油)
上記炭化水素油としては、ミネラルオイル、スクワレン、スクワラン、α-オレフィンオリゴマー、ワセリン、水添ポリイソブテン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、流動パラフィン等が挙げられる。本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、上記炭化水素油の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5~25.0質量%、より好ましくは5.0~15.0質量%である。上記炭化水素油の含有量は、0質量%であってもよい。
(植物油)
上記植物油としては、例えば、マカデミアナッツ油、ユーカリ油、ヤシ油、アボカド油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ククイナッツ油、カカオバター、アーモンド油、ヒマワリ油、ローズヒップ油、オリーブスクワラン、カメリアオイル、キウイフルーツシード油、ツバキ油、杏仁油、ゴマ油、大豆油、ホホバ油、ヒマシ油、ヘーゼルナッツ油、メドホーム油、ハッカ油、カロットオイル、ラベンダー油、シュガースクワラン、クランベアビシニカ種子油およびこれらの水素添加物(例えば、水素添加ヒマシ油、水素添加ホホバ油、水素添加パーム油、水素添加アボカド油、水素添加大豆油等)等が挙げられる。
(高級脂肪酸)
上記高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。なかでも、ステアリン酸が好ましい。
(防腐剤)
上記防腐剤としては、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、フェノキシエタノール等が挙げられる。
(増粘剤)
上記増粘剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。なかでも、カルボキシビニルポリマーが好ましい。本発明の乳化整髪剤組成物100質量%中、上記増粘剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01~5.0質量%、より好ましくは0.05~3.0質量%である。
なお、上記増粘剤としてカルボキシビニルポリマーやアクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体を用いる場合は、通常、塩基性物質で中和して用いられる。上記塩基性物質としては、例えば、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン類;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基;アルギニン等の塩基性アミ酸等が挙げられる。また、上記塩基性物質の添加量は、カルボキシビニルポリマーやアクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体を中和するのに充分な量であり、これら成分の種類や使用量に応じて適宜配合すればよい。
<乳化整髪剤組成物の他の詳細>
本発明の乳化整髪剤組成物の性状は、特に限定されない。本発明の乳化整髪剤組成物の性状は、液状であってもよく、ジェル状であってもよく、クリーム状であってもよく、グリース状であってもよく、ワックス状であってもよい。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、本発明の乳化整髪剤組成物の性状は、クリーム状またはワックス状であることが好ましく、ワックス状であることがより好ましい。本発明の乳化整髪剤組成物は、クリーム状整髪剤組成物またはワックス状整髪剤組成物であることが好ましく、ワックス状整髪剤組成物であることがより好ましい。
本発明の乳化整髪剤組成物の製造方法としては、公知の乳化整髪剤組成物の製造方法を採用することができる。本発明の整髪剤組成物の製造方法としては、例えば、各成分を混合した後、ホモミキサー等を用いて、転相乳化する方法(転相乳化法)等が挙げられる。なお、上記各成分の混合と上記転相乳化とは、同時に行われてもよい。
本発明の乳化整髪剤組成物は、特に限定されないが、例えば、容器に充填された形態で用いることができる。本発明の乳化整髪剤組成物の性状がワックス状である場合には、上記容器は、ジャー容器が好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。本発明は、これら実施例に限定されない。なお、配合量は、特記しない限り、有効成分の配合量であり、「質量%」で表す。
以下、実施例および比較例において用いた各種材料をまとめて示す。
(成分(A))
直鎖シリコーン1:商品名「XIAMETER PMX-200 SILICONE FLUID 1CS」(オクタメチルトリシロキサン、動粘度(25℃):1.0mm2/s、東レ・ダウコーニング(株)製)
直鎖シリコーン2:商品名「XIAMETER PMX-200 SILICONE FLUID 1.5CS」(デカメチルテトラシロキサン、動粘度(25℃):1.5mm2/s、東レ・ダウコーニング(株)製)
直鎖シリコーン3:商品名「XIAMETER PMX-200 SILICONE FLUID 2CS」(ジメチルポリシロキサン、動粘度(25℃):2.0mm2/s、東レ・ダウコーニング(株)製)
(成分(B))
直鎖シリコーン4:商品名「XIAMETER PMX-200 SILICONE FLUID 5CS」(ジメチルポリシロキサン、動粘度(25℃):5.0mm2/s、東レ・ダウコーニング(株)製)
直鎖シリコーン5:商品名「XIAMETER PMX-200 SILICONE FLUID 6CS」(ジメチルポリシロキサン、動粘度(25℃):6.0mm2/s、東レ・ダウコーニング(株)製)
直鎖シリコーン6:商品名「DOW CORNING TORAYSH200 C FLUID 10CS」(ジメチルポリシロキサン、動粘度(25℃):10.0mm2/s、東レ・ダウコーニング(株)製)
(成分(A)および成分(B)以外のシリコーン)
シリコーン1:商品名「XIAMETER PMX-200 SILICONE FLUID 20CS」(ジメチルポリシロキサン、動粘度(25℃):20mm2/s、東レ・ダウコーニング(株)製)
シリコーン2:商品名「XIAMETER PMX-200 SILICONE FLUID 350CS」(ジメチルポリシロキサン、動粘度(25℃):350mm2/s、東レ・ダウコーニング(株)製)
無機粉体1:タルク、商品名「タルクMS」(日本タルク(株)製)
無機粉体2:シリカ、商品名「サンスフェア H‐51」(AGCエスアイテック(株)製)
(実施例1~21および比較例1~5)
表1に示した組成(配合量)に従い各成分を混合し、乳化整髪剤組成物(ヘアワックス)を調製した。得られた各乳化整髪剤組成物について、下記(1)、(2)の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)アレンジ力、毛束の硬さ
得られた各乳化整髪剤組成物1.5gを掌に取り、掌上でのばした後、ショートヘアのヘアウィッグ(レッスンマネキン:(株)ユーカリジャパン製)の毛髪上に均一に塗布し、毛髪の根元から上向きに髪を立ち上げて整髪を施した。整髪直後に、頭頂部付近の毛髪の立ち上がりの角度を目視観察し、毛髪のアレンジ力を下記評価基準に従い評価した。なお、上記角度は水平方向を0°、垂直方向を90°とする。
また、整髪直後の毛髪を手で押すように触り、毛束の硬さを下記評価基準に従い評価した。

[アレンジ力の評価基準]
3(良好):毛髪が立ち上がる(45°以上の角度である)
2(使用可能):毛髪があまり立ち上がらない(20°以上45°未満の角度である)
1(不良):毛髪がほぼ立ち上がらない(20°未満の角度である)

[毛束の硬さの評価基準]
3(良好):手を押し返す弾力を明らかに感じる
2(使用可能):手を押し返す弾力が弱い
1(不良):手を押し返す弾力がほとんどまたは全く感じない
(2)操作性
上記(1)の評価において、整髪を施した際の、整髪開始から整髪終了まで(約1分間)の指通りのよさ(すなわち、整髪の間操作できるか否か)より、操作性を下記評価基準に従い評価した。なお、整髪を施した際の、塗布時の指通り(塗布性)はいずれも良好であった。
[操作性の評価基準]
3(良好):整髪中、指が引っ掛かるような抵抗感がなく、指通りがよい
2(使用可能):整髪の後半において、指が引っ掛かるような抵抗感があるものの、整髪を施す上で実用上許容できる指通りである
1(不良):整髪が終了する前に、指が引っ掛かるような抵抗感が強くなり、整髪しにくい
Figure 0007382193000001
実施例1~8、12、14、15、17、18で得られた各乳化整髪剤組成物については、上記評価に加えて、マット感の評価を行った。上記(1)の評価における整髪10分後の毛髪の外観を目視観察した。その結果、実施例4はわずかに艶が強いものの、その他の実施例には不自然な艶がなく、良好なマット感を有していた。
表1の結果より、本発明の乳化整髪剤組成物は、アレンジ力に優れながら、かつ、塗布性および操作性に優れることがわかる。
さらに、以下に、本発明の乳化整髪剤組成物の処方例を示す。
処方例1(ヘアワックス)
ジメチコン(動粘度(25℃):1.0mm2/s) 1.0質量%
ジメチコン(動粘度(25℃):1.5mm2/s) 5.0質量%
ジメチコン(動粘度(25℃):5.0mm2/s) 2.0質量%
ミリスチン酸イソプロピル 4.0質量%
ネオペンタン酸イソデシル 1.0質量%
ミツロウ 2.0質量%
カルナウバロウ 2.0質量%
キャンデリラロウ 6.0質量%
ヒマワリ種子ロウ 1.0質量%
マイクロクスタリンワックス 4.0質量%
パラフィンワックス 3.0質量%
ワセリン 2.0質量%
水(精製水) 残 部
1,3-ブチレングリコール 6.0質量%
モノステアリン酸ソルビタン 2.0質量%
モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 3.0質量%
セチルアルコール 1.0質量%
ステアリン酸 2.0質量%
ミネラルオイル 4.0質量%
軽質イソパラフィン 9.0質量%
カルボキシビニルポリマー 0.1質量%
無機粉体1(タルク) 5.0質量%
無機粉体2(ケイソウ土) 3.0質量%
ヒマシ油 1.0質量%
トリエタノールアミン 適 量
D-パントテニルアルコール 1.0質量%
ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液 0.3質量%
香料 適 量
合計 100.0質量%
処方例2(ヘアワックス)
ジメチコン(動粘度(25℃):1.0mm2/s) 2.0質量%
ジメチコン(動粘度(25℃):1.5mm2/s) 2.0質量%
ジメチコン(動粘度(25℃):10.0mm2/s) 1.0質量%
ミリスチン酸イソプロピル 5.0質量%
イソノナン酸イソノニル 6.0質量%
ミツロウ 2.0質量%
キャンデリラロウ 15.0質量%
ヒマワリ種子ロウ 1.0質量%
マイクロクスタリンワックス 3.0質量%
パラフィンワックス 3.0質量%
ワセリン 4.0質量%
水(精製水) 残 部
1,3-ブチレングリコール 5.0質量%
モノステアリン酸ソルビタン 3.0質量%
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 3.0質量%
セチルアルコール 1.0質量%
ステアリン酸 2.0質量%
ミネラルオイル 3.0質量%
カルボキシビニルポリマー 0.2質量%
トリエタノールアミン 適 量
D-パントテニルアルコール 1.0質量%
ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩液 0.3質量%
香料 適 量
合計 100.0質量%
処方例3(ヘアクリーム)
ジメチコン(動粘度(25℃):1.0mm2/s) 1.0質量%
ジメチコン(動粘度(25℃):1.5mm2/s) 5.0質量%
ジメチコン(動粘度(25℃):5.0mm2/s) 1.0質量%
ジメチコン(動粘度(25℃):6.0mm2/s) 1.0質量%
ジメチコン(動粘度(25℃):20mm2/s) 0.5質量%
パルミチン酸2-エチルヘキシル 6.0質量%
イソステアリン酸セチル 2.0質量%
コメヌカロウ 1.0質量%
ミツロウ 2.0質量%
ワセリン 3.0質量%
水(精製水) 残 部
1,3-ブチレングリコール 2.0質量%
グリセリン 3.0質量%
モノステアリン酸ソルビタン 1.0質量%
ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル 1.0質量%
セチルアルコール 1.5質量%
ミネラルオイル 5.0質量%
水溶性コラーゲン 0.1質量%
香料 適 量
合計 100.0質量%

Claims (5)

  1. 下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、下記成分(D)および下記成分(E)を含有し、
    前記成分(A)の含有量が1.0~10.0質量%であり、
    前記成分(B)の含有量が0.05~10.0質量%であ
    前記成分(C)の含有量が3.0~15.0質量%であり、
    前記成分(D)の含有量が15.0~30.0質量%であり、
    環状シリコーンを含有しないか、または、1.0質量%以下含有する乳化整髪剤組成物。
    成分(A):25℃における動粘度が0.5~2.0mm2/sの直鎖シリコーン
    成分(B):25℃における動粘度が5.0~10.0mm2/sの直鎖シリコーン
    成分(C):25℃で液状のエステル油
    成分(D):25℃で固形のロウ
    成分(E):水
  2. 前記成分(A)および前記成分(B)の合計含有量が3.0質量%以上である、請求項1記載の乳化整髪剤組成物。
  3. さらに、無機粉体を3.0~15.0質量%含有する、請求項1または2記載の乳化整髪剤組成物。
  4. 前記成分(D)が、動植物ロウを、前記成分(D)中に20.0質量%以上含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の乳化整髪剤組成物。
  5. さらに、増粘剤を0.01~5.0質量%、ノニオン性界面活性剤を1.0~10.0質量%含有する請求項1~4のいずれか1項に記載の乳化整髪剤組成物。
JP2019179706A 2019-09-30 2019-09-30 乳化整髪剤組成物 Active JP7382193B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019179706A JP7382193B2 (ja) 2019-09-30 2019-09-30 乳化整髪剤組成物
JP2023127237A JP2023133568A (ja) 2019-09-30 2023-08-03 乳化整髪剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019179706A JP7382193B2 (ja) 2019-09-30 2019-09-30 乳化整髪剤組成物

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023127237A Division JP2023133568A (ja) 2019-09-30 2023-08-03 乳化整髪剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021054747A JP2021054747A (ja) 2021-04-08
JP7382193B2 true JP7382193B2 (ja) 2023-11-16

Family

ID=75269795

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019179706A Active JP7382193B2 (ja) 2019-09-30 2019-09-30 乳化整髪剤組成物
JP2023127237A Pending JP2023133568A (ja) 2019-09-30 2023-08-03 乳化整髪剤組成物

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023127237A Pending JP2023133568A (ja) 2019-09-30 2023-08-03 乳化整髪剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7382193B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004091399A (ja) 2002-08-30 2004-03-25 Hoyu Co Ltd 整髪剤組成物
JP2005239677A (ja) 2004-02-27 2005-09-08 Takara Belmont Co Ltd 整髪料
JP2009286750A (ja) 2008-05-30 2009-12-10 Nakano Seiyaku Kk 毛髪化粧料
JP2011251930A (ja) 2010-06-01 2011-12-15 Nakano Seiyaku Kk スタイリング化粧料
WO2014157562A1 (ja) 2013-03-29 2014-10-02 株式会社マンダム 整髪剤組成物
JP2016216403A (ja) 2015-05-22 2016-12-22 株式会社マンダム 整髪剤組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004091399A (ja) 2002-08-30 2004-03-25 Hoyu Co Ltd 整髪剤組成物
JP2005239677A (ja) 2004-02-27 2005-09-08 Takara Belmont Co Ltd 整髪料
JP2009286750A (ja) 2008-05-30 2009-12-10 Nakano Seiyaku Kk 毛髪化粧料
JP2011251930A (ja) 2010-06-01 2011-12-15 Nakano Seiyaku Kk スタイリング化粧料
WO2014157562A1 (ja) 2013-03-29 2014-10-02 株式会社マンダム 整髪剤組成物
JP2016216403A (ja) 2015-05-22 2016-12-22 株式会社マンダム 整髪剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021054747A (ja) 2021-04-08
JP2023133568A (ja) 2023-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6134998B1 (ja) 目元用化粧料組成物
JP5121316B2 (ja) 整髪用油性化粧料
CN104703578B (zh) 用于涂覆角蛋白纤维的化妆品组合物
CN104703579A (zh) 包含硬蜡颗粒的用于涂覆角蛋白纤维的化妆品组合物
JP6793531B2 (ja) 乳化整髪剤
JP5021275B2 (ja) アイメイクアップ化粧料
JP6530236B2 (ja) 皮膚用クリーム
JP5318430B2 (ja) 化粧品油剤用ゲル化剤及びこれを配合する化粧料
JP5784932B2 (ja) 油性固形化粧料
JP2008007438A (ja) 整髪用乳化化粧料
JP2023506109A (ja) 油中水型エマルションの形態の固体組成物
JP6868588B2 (ja) 毛髪化粧料
JP7382193B2 (ja) 乳化整髪剤組成物
WO2019188119A1 (ja) 毛髪化粧料
JP5964560B2 (ja) 乳化型整髪料
JP5394648B2 (ja) 弾性ゲル状油性化粧料
JP6909179B2 (ja) 油性化粧料
US9980895B2 (en) Cosmetic composition for coating keratin fibres
JP7128355B2 (ja) 乳化型整髪剤組成物
JP2018052849A (ja) 皮膚用乳化組成物
JP2010229071A (ja) 油性固形状毛髪化粧料
JP2021080205A (ja) スクラブ剤含有皮膚洗浄剤組成物
JP2020172481A (ja) 水中油型クレンジング化粧料
CN111107835B (zh) 乳化整发剂组合物
JP5021274B2 (ja) アイメイクアップ化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230210

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230803

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230815

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231031

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7382193

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150