JP6663271B2 - コンクリートの中性化環境評価用組成物、当該組成物を用いたセンサ、およびコンクリートの中性化状況評価方法 - Google Patents

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本発明は、コンクリートが設置される環境において使用される中性化環境評価用組成物と、これを用いたコンクリートの中性化環境評価センサ、およびコンクリートの中性化状況評価方法に関する。なお、本発明においてコンクリートは、コンクリートのみならずモルタルなどのセメント硬化体を含む。
通常、コンクリート中の鉄筋は、セメントの水和により生成した水酸化カルシウム等のアルカリ性物質により保護され腐食を免れている。しかし、空気中の炭酸ガスや亜硫酸ガス等の酸性物質がコンクリート内に侵入して、前記アルカリ性物質と反応し鉄筋周辺の中性化が進むと、鉄筋の防錆機能は失われる。その結果、鉄筋の腐食により生じる錆の膨張によって、コンクリートにひび割れが生じコンクリートの耐久性は著しく低下する。したがって、中性化の評価は、コンクリートの耐久性を維持管理するための指標として極めて重要である。とくに、酸性物質が比較的多く存在する温泉地帯や化学工業地帯等では、コンクリートの耐久性を確保するため、鉄筋のかぶり厚さ等を十分に検討する必要があり、中性化環境の事前評価が求められている。
ところで、中性化の評価方法は、コンクリートから採取したコアの割裂面にフェノールフタレイン溶液(赤紫色)を噴霧し、無色に退色した中性化部分の深さを測定する方法が一般的である。また、コンクリートの中性化を評価する方法は、他にもいくつか提案されている。
例えば、特許文献1には、コンクリートを穿孔する際に排出されるコンクリート粉のアルカリ性を検知してコンクリートの中性化深さを測定する方法が提案されている。また、特許文献2には、鉄筋が埋設されたコンクリート中にセンサを設置し、任意の間隔でモニタリングを行い収集した情報を用いて、鉄筋の腐食を予測する方法が提案されている。
また、特許文献3および特許文献4には、コンクリートの中性化環境を評価するために組成の異なるモルタル組成物を作成し、その中性化深さを測定する方法が提案されている。
特開2002−40013号公報 特開2007−240481号公報 特開2014−199237号公報 特開2015−68771号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、コアの採取や穿孔はコンクリートの損傷を伴うため、耐久性面の低下が懸念される。特許文献2の方法では、コアの採取や穿孔は行われないが、コンクリートの中性化を事後的に、または同時に把握するものであり、コンクリート構造物の新規建設場所における中性化環境の事前評価には向かない。
特許文献3および特許文献4の方法では、センサであるモルタルの中性化が生じたか否かの測定であり、中性化の進行過程や度合いを数値的に評価できない。また、モルタルで製造されるので、センサが大きくなり設置場所の確保が必要となる。
したがって、本発明は、コンクリートが置かれた中性化環境を簡易かつ高精度に評価できる中性化環境評価用組成物と、これを用いたセンサと、コンクリートの中性化状況評価方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的にかなうセンサを検討したところ、珪酸金属リチウムが炭酸ガスと反応して電気特性が変化することを見い出し本発明を完成させた。具体的には、本発明は以下の構成を有するものである。
[1]Li2MSiO4(式中、MはFe、Ni、Co又はMnから選ばれる1種又は2種以上を示す)で表されるオリビン型シリケート化合物、導電助剤、及び成型剤からなるコンクリートの中性化環境評価用組成物。
[2]前記[1]に記載のコンクリートの中性化環境評価用組成物からなる固形状の検知部と、
前記検知部の端部に接続された第1の通電部と、
前記検知部の端部と対向するもう一方の端部に接続された第2の通電部と、を備えることを特徴とするコンクリートの中性化環境評価用センサ。
[3]前記[2]に記載のセンサを評価の対象となる場所に設置し、センサの曝露開始から前記中性化検知部材が中性化を検知するまでの期間を求め、該期間を比較してコンクリートの中性化環境の評価を行う、コンクリートの中性化環境評価方法。
[4]前記[2]に記載のセンサをコンクリート構造物中に設置し、前記センサの検知部の電気特性値の変化に基づいて、コンクリートの中性化状況の評価を行う、コンクリートの中性化状況評価方法。
本発明の中性化環境評価用組成物と中性化環境評価用センサ、中性化環境評価方法によれば、コンクリートの中性化環境、およびコンクリートの中性化進行状況を簡易かつ高精度に評価することができる。
ブロック状の中性化環境評価用センサ(一例)の斜視図である。 ブロック状の中性化環境評価用センサ(一例)の断面図(a)と平面図(b)である。 ブロック状の中性化環境評価用センサ(一例)の断面図である。 センサの曝露開始時間からのセンサの電気抵抗の推移を示す図である。 中性化環境評価用組成物の炭酸化処理前のXRDパターンと炭酸化後のXRDパターンである。
以下、本発明の中性化環境評価用組成物、中性化環境評価用センサ、コンクリートの中性化環境評価方法、および中性化状況評価方法について説明する。
1.中性化環境評価用組成物
本発明の中性化環境評価用組成物は、粒子表面に導電性が付与された珪酸金属リチウムであり、珪酸金属リチウムが炭酸ガスなどの酸性ガスと反応することにより、導電性が変化するものである。
中性化環境評価用組成物の原料である珪酸金属リチウムは、Li2MSiO4(式中、MはFe、Ni、Co又はMnから選ばれる1種又は2種以上を示す)で表されるオリビン型シリケート化合物型の鉱物である。オリビン型シリケート化合物の具体例としては、Li2FeSiO4、Li2NiSiO4、Li2CoSiO4、Li2MnSiO4、Li2(Fe)m(Mn)1-mSiO4(0<m<1である)等が挙げられる。このうち、製造性や原料コストの点からLi2FeSiO4、Li2MnSiO4、Li2(Fe)m(Mn)1-mSiO4が好ましい。
珪酸金属リチウムは、低温噴霧熱分解法、水熱合成法など、公知の方法で製造できる。
粒度は、材料の合成、ペーストの成形性の点から、1〜20μm、好ましくは3〜15μmとする。
中性化環境評価用組成物の原料である導電助剤は、珪酸金属リチウムの電子伝導面積(電子伝導パス)を増加させて、十分な電子伝導性を確保することができる物質であればよく、例えばカーボンブラック系導電助剤、鱗片状黒鉛、繊維状炭素、活性炭が挙げられる。このうち、カーボンブラック系導電助剤が好ましく、具体的にはファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられる。導電助剤の比表面積は、導電性の低下防止、塗工性の点から50〜2000m2/gが好ましい。
導電助剤は、珪酸金属リチウム100質量部に対し、導電性を確保する点から、珪酸金属リチウム100質量部に対し、炭素原子換算量で0.1〜20質量部が好ましく、さらに1〜10質量部が好ましい。
成型剤は、中性化環境評価用組成物を固形状に保持するために添加され、例えば樹脂系結着剤、ゴム系結着剤、セルロース系結着剤が挙げられる。樹脂系結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。ゴム系結着剤としては、エチレン−プロピレン−ジエン共重合樹脂、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエン、フッ素ゴム等が挙げられる。セルロース系結着剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。これらの結着剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、PVDFが特に好ましい。
成型剤は、珪酸金属リチウムや導電助剤との接着性の観点から、珪酸金属リチウムと導電助剤の合計量100質量部に対し、0.1〜20質量部、好ましくは1〜15質量部とする。
2.中性化環境評価用センサ
本発明の中性化環境評価用センサは、前記の珪酸金属リチウムと導電助剤、さらに必要に応じて成型剤を、板状またはブロック状に成形してなる固形物を検知部とし、該検知部の少なくとも1面は大気、またはコンクリートなど炭酸ガスなど酸性ガスに曝露される曝露面であり、一方の端部と、その端部と対向するもう一方の端部に通電部が設けられ、珪酸金属リチウムが酸性ガスと反応して検知部の電気特性が変化することを利用して中性化環境を評価する。
以下に、(1)センサの形態、および(2)センサの製造方法に分けて詳細に説明する。
(1)センサの形態
センサ10は、図1に示すように前記中性化環境評価用組成物からなる検知部11と、検知部の中性化により変化する電気特性を計測器で測定するための2本のリード線12からなる。また、図2に示すように検知部11の保護のためや酸性ガスとの暴露面を限定するために、必要に応じて任意の部材として検知部11の少なくとも1面を除く面を覆う外装部13を含む。
センサ10の形状は問わないが、成形の容易性から、好ましくは、円柱状、板状またはブロック状である。
検知部11の形状は問わないが、コンクリート中で使用され場合は、検出部11のコンクリートへの曝露面を骨材の最大寸法より大きいものとする。
外装部13は、フィルム、シート、塗膜、モルタル、セラミックス、樹脂等からなる。コンクリート中に埋設して使用する場合は、打設時の衝撃による破損を防止するために、またコンクリート構造物の強度面における弱点とならないように、コンクリートと同等かそれ以上の強度を有する材料を用いる。検知部11の保護が必要なく、炭酸ガスの曝露面を限定したい場合は、外装材13は、フィルム、シート、塗膜、および板等を貼り付けてもよい。
リード線12は、検知部11に電気的に接続されるように2本埋め込まれ、検知部の電気抵抗、電位の変化、電流密度などの電気特性をテスター等の計測器で測定できるようにする。
さらに、図3に示すようにコンクリート打設時の衝撃など検知部11の曝露面も破損する可能性がある場合は、当該曝露面に任意の部材として被覆部14を設けてもよい。被服部14は、アルカリ性であり固化後に多孔質となるセメントペーストまたはモルタルを使用することができる。セメントペーストまたはモルタルの水セメント比は、なるべく周囲と同じ環境であるように、またコンクリート表面から鉄筋への腐食因子の通過を妨げることがないように鉄筋コンクリート構造物のコンクリートと同等かコンクリートよりも高い水セメント比とすることが好ましい。被覆部14は、破損することがないよう、2〜15mmの厚さが好ましい。
(2)センサの製造方法
本発明のセンサの製造方法の1例を、下記(A)〜(F)に示す。
(A)水酸化リチウム、および珪酸ナトリウムをグリセリン等の有機溶媒を含む水に混合する。この溶液に硫酸鉄等の硫酸金属塩を添加し、混合する。当該混合液をオートクレーブに投入し、120〜200℃で水熱反応を行い、反応液はろ過後、乾燥する。当該乾燥物にグルコース等の有機溶媒と水を加え、還元雰囲気下で500〜800℃で焼成することで珪酸金属リチウムが得られる。
(B)次いで、得られた珪酸金属リチウムに、導電助剤、成型剤を混合し、これに有機溶媒を加える。当該有機溶媒の量は、スラリー中における珪酸金属リチウムおよび導電助剤の含有量(スラリー濃度)として、30〜60質量%が好ましく、さらに45〜55質量%が好ましい。
混合手段は、プラネタリーミキサー、二軸押出機、一軸押出機、遠心ディスクミキサー、双腕式練合機、ボールミル、遊星ミル、ヘンシェルミキサーにより行うことができるが、プラネタリーミキサーがより好ましい。
(C)円筒状のプラスチック容器を準備し、一方の端部に底板としてアルミホイルなどを接着する。予めリード線をアルミホイルに通し、挿通箇所は接着剤などで塞ぎ、プラスチック容器に作成したスラリーを充填する。もう一方の端部(上部)よりスラリー中にもう一方のリード線を差し込む。外装材を用いる場合は、プラスチック容器に代えてモルタルで製作された外装材に充填してもよい。
(D)スラリーを乾燥して、検知部を固形状とする。乾燥方法は、真空乾燥、高温乾燥など有機溶媒を揮発除去できる方法であれば問わない。乾燥された検知部は、必要に応じてプラスチック容器やアルミホイルを除去する。
なお、(B)(C)(D)に代えて、(A)で得られた珪酸金属リチウムを加圧して成型し、検知部とすることもできる。
(E)外装材を設ける場合は、前述のプラスチック容器やアルミホイル、あるいはモルタルなどをそのまま利用すればよい。ただし、前述のプラスチック容器やアルミホイルでは、炭酸ガスが接合部などから侵入する場合があるので、新たにエポキシ樹脂等を塗布したり、外装材を準備して検知部をはめ込んでもよい。
(F)被覆部を設ける場合は、検知部の暴露面に練り混ぜたモルタルやペースト等を塗布し、養生を行う。
完成したセンサは、密封したり、酸性ガスを含まないガス中に使用するまで保管する。
なお、本センサが目的とする機能の範囲内で、例えば、珪酸金属リチウムを加圧して成型、リード線は後で接着するなど、製造方法や製造順序を変えてもよい。
3.コンクリートの中性化環境評価方法
コンクリートの中性化環境評価方法は、本発明のセンサを評価の対象となる場所に一定の期間設置し、その電気特性を計測する。対象となる場所に設置したセンサの電気特性値を比較することでコンクリートの中性化環境を評価する。1箇所に設置するセンサの個数は、評価精度の観点から、好ましくは3個以上とする。
評価の対象となる場所は、コンクリートの設置を予定している場所、または評価の対象であるコンクリートと同一の中性化環境を有する範囲に設置することをいい、可能な限りコンクリートの近くに設置するのが好ましい。
また、中性化環境の標準地点を定め、その中性化環境を標準環境として設定し、電気特性値の推移を求めておけば、次回以降の評価において、評価対象場所の評価を標準環境の電気特性の推移との比較で行うことができる。たとえば、標準環境としてコンクリートの一般的な乾燥環境である20℃、相対湿度60%を設定してもよい。
4.コンクリートの中性化状況評価方法
コンクリートの中性化状況評価方法は、本発明のセンサをコンクリート中に埋設し、炭酸ガスなど酸性ガスの浸透深さと酸性ガスの浸透による中性化の進行度を測定する。コンクリート構造物は、横方向や縦方向に鉄筋を備えており。これら鉄筋よりも表面に近い位置にセンサを埋設する。コンクリート中の中性化の領域は、鉄筋よりも先にセンサに到達するので、中性化が鉄筋に到達するのよりも先にセンサが中性化を早期に検知し、必要に応じて対策を講じることができる。さらに、センサは、酸性ガスが到達した後も酸性ガスと反応し続けて電気特性が変化するので、コンクリートの中性化の進行度も評価することができる。
また、コンクリートの表面から異なる深さに複数のセンサを設置することで、コンクリート中への酸性ガスの到達深さやコンクリートの中性化進行度を評価することができる。このときセンサ自身が酸性ガスの浸透を阻害しないよう、それぞれのセンサはコンクリート表面に対して重なることのないように設置する。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
珪酸金属リチウムは、珪酸鉄マンガンリチウム(Li2FeMnSiO4)を用いた。LiOH・HO 4.20g(100mol)、NaSiO・nHO 13.98( 50mmol)に、超純水27.5cmとグリセリン10.0cmとを含有する溶媒( 溶媒中におけるグリセリンの含有量:27質量%)を加えて混合した(この時のpHは約13)。この混合液にFeSO・7HO 3.92g(14.1mmol)、MnSO ・5HO 7.93g(32.9mmol)及びZrSO・4HO0.53g(1.5mmol)を添加し、混合した。得られた混合液をオートクレーブに投入し、150℃で12時間水熱反応を行った。反応液をろ過後、12時間凍結乾燥した。凍結乾燥して得られた粉末8.4gにグルコース(炭素濃度として10%)及び超純水10cmを加え、還元雰囲気下で650℃1時間焼成して珪酸鉄マンガンリチウムを得た。
次いで、得られた珪酸鉄マンガンリチウムに、導電助剤としてアセチレンブラック(デンカ社製)、成型剤としてポリフッ化ビニリデン(クレハ社製、KF9305)を質量比98:1:1の配合割合で混合し、これにN−メチル−2−ピロリドンを加えて充分混練し、中性化環境評価用組成物を含むペーストを得た。
外装材は、ゴム製とし、図2に示すφ5mm、長さ30mmの半円柱状のものを用いた。両端にリード線を接続し、中性化環境評価用組成物含むペーストを流し込んだ。このペーストを80℃12時間真空乾燥し、中性化環境評価用センサを得た。
2.中性化試験
製造したセンサを、炭酸ガス濃度5%、温度20℃、湿度60%下に曝露し、製造直後から一定の期間テスターで電気抵抗を測定した。
図4にセンサの曝露開始時間からの、センサの電気抵抗の推移を示す。また、図5に示すように中性化開始前の検知部と8日経過時点における検知部を採取し、XRDでその組成を確認した。中性化開始前では珪酸鉄マンガンリチウムとカーボンの回折ピークしか認められなかったが、8日経過時点では珪酸鉄マンガンリチウムの回折ピークが低下し、新たに炭酸リチウムの回折ピークが確認され、一部の珪酸鉄リチウムが炭酸化により分解していた。したがって、本発明のセンサは、炭酸化等で珪酸金属リチウムが分解すると抵抗値が上昇することがわかる。
このように、本発明のセンサは、炭酸ガスの存在の有無を検知し、その炭酸化ガスを吸収することで微弱なコンクリートの中性化環境の相違を評価することができる。また、コンクリート中においても、炭酸ガスや酸性ガスの侵入による中性化の開始、また中性化の進行程度を評価することができる。
10 センサ
11 検知部
12 リード線
13 外装部
14 被服部

Claims (4)

  1. LiMSiO(式中、MはFe、Ni、Co又はMnから選ばれる1種又は2種以上を示す)で表されるオリビン型シリケート化合物、導電助剤、及び成型剤からなるコンクリートの中性化環境評価用組成物。
  2. 請求項1に記載のコンクリートの中性化環境評価用組成物からなる固形状の検知部と、
    前記検知部の端部に接続された第1の通電部と、
    前記検知部の端部と対向するもう一方の端部に接続された第2の通電部と、を備えることを特徴とするコンクリートの中性化環境評価用センサ。
  3. 請求項2に記載のセンサを評価の対象となる場所に設置し、センサの曝露開始から前記センサが中性化を検知するまでの期間を求め、該期間を比較してコンクリートの中性化環境の評価を行う、コンクリートの中性化環境評価方法。
  4. 請求項2に記載のセンサをコンクリート構造物中に設置し、前記センサの検知部の電気特性値の変化に基づいて、コンクリートの中性化状況の評価を行う、コンクリートの中性化状況評価方法。
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