JP6662811B2 - 精穀プラントおよび精穀プラントの制御方法 - Google Patents
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Description
すなわち、精穀された製品は、精穀された日(製造された日)が精穀日付(製造日)となることから、このようなコンタミが発生してしまうと、最も古い精穀日付を記載しなければなってしまうのである。特に、米においては「JAS法」および「穀物及び精米品質表示基準」において最も古い精穀日付を記載しなければないことが定められていることから、このような古い白米が後日精穀した白米に混合してしまうと精穀日付(製造日)が遡ってしまうことになり、その結果、精穀日付(製造日)の古い製品として消費者に敬遠されてしまうことになるのである。
従って、精穀初期や終了時の精穀装置においては、精穀室内に穀物(穀粒)が全く無いか、若しくは十分に充填されないことから精穀部内の内圧が低く、その結果、精穀装置から排出される精穀初期や終了時の穀物は無処理や不完全な精穀状態となって排出されてしまうという問題があるのである。
その結果、例えば米の場合では、精白度にムラがある状態の米が再度精穀装置に供給されてしまうことから、一部の米については二度搗きや三度搗きなどの過剰に精穀が進んだ状態に精穀しないと未精白の米が製品の中に混じってしまうという問題が発生してしまうのである。
また、このような過剰に精穀が進んだ状態の穀物が混在してしまうと、歩留率が低くなるだけでなく、少ロットの場合には品質が一定ではなくなってしまうことから消費者に敬遠されてしまう恐れもあるのである。
なお、係る技術的効果は大型設備において極めて少ロットの生産を行わなければならない場合に特に有用なものとなる。
また、空気輸送をすることによって、精穀装置から排出される各段階の穀物が切替装置内や回収経路の途中において順不同となって混合したり、残ったりすることなく、排出される順により効率よく貯留容器に貯留することができる。
さらに、空気輸送をすることによって、バケットコンベアやスクリューコンベアなどの従前の輸送手段(昇降機)に比べて、精穀装置から排出される各段階の穀物が輸送手段内に残ったり、溜まったりすることを防止することができ、排出される順により効率よく貯留容器に貯留することができる。
また、貯留容器を筒状の容器とすれば、送り込まれた順(先入れ先出しの順)に精穀装置に供給することができる。
従って、一旦貯留容器に貯留した精穀初期の穀物を精穀作業の最後に精穀装置に再供給する際、最初に再供給される原料は精穀装置内に存在する最後の原料と同じ状態の穀物(全く精穀されていない状態の穀物)であることになり、その後グラデーションのように徐々に精穀が進んだ穀物が再供給され、最後に完全に精穀がなされた状態の穀物が再供給されることになる。そして完全に精穀がなされた状態の穀物が再供給された時点で精穀装置の排出口(より具体的には精穀室の排出口)を開放し、さらに精穀室内の残留穀物の排出手段(送風など)を稼動することによって、完全に精穀がなされた状態の穀物が全て精穀装置から排出されることになり、その結果極めて少ロットの生産を行わなければならない場合でも、原料を無駄なく、またムラを極力少なくした状態で精穀することができることになる。なお、係る技術的効果は大型設備において多品種少量生産を行わなければならない場合に特に有用なものとなる。
まず、図1、2を例にして、本発明に係る精穀プラントの基本構成を説明する。
本発明に係る精穀プラント1は、穀物を貯蔵しておく原料タンク2、穀物の精穀を行う精穀装置3(精穀装置3の供給口にはシャッターS1とそれと連動して作動する定量送穀装置Qが設けられている)、精穀装置3から排出される精穀初期段階の穀物を一時的に貯留する貯留容器4(貯留容器4の底部(排出口)にはシャッターS2が設けられている)、精穀装置3から排出される穀物を次工程に搬送する搬送経路5、搬送経路5の途中に設けた切替装置6、切替装置6から分岐して貯留容器4に接続される回収経路7、原料タンク2に原料を搬送するため、または搬送経路5を通過した精穀処理後(精穀完了後)の穀物を次工程(図示せず)に搬送するための搬送装置8を主要部品として構成されている。
なお、図1、2に示す精穀プラント1においては、搬送装置8は昇降機となっており、原料タンク2に原料を搬送するための搬送装置(昇降機)8aと、精穀処理後(精穀完了後)の穀物を次工程(図示せず)に搬送するための搬送装置(昇降機)8bによって構成されている構造となっている。
また、原料タンク2の排出口および貯留容器4の排出口は、精穀装置3の供給口に配管T1、T2を介して接続(連結)されている構造となっている。なお、図1、2に示す精穀プラント1においては、配管T1と精穀装置3の供給口との間にさらに定量送穀装置Qが設けられている構造となっている。
本発明に係る精穀プラント1に用いられる原料タンク2は、上記のとおり、原料である穀物を貯蔵しておくものである。
なお、図1、2に示す精穀プラント1においては原料タンク2は1つとなっているが、複数にすることもできるし、更に原料タンク2に原料を供給する大型タンクを複数設けることもできる。
本発明に係る精穀プラント1に用いられる精穀装置3は、穀物を精穀にするためのものであり、摩擦式、研削式など各種の構造の精穀装置を採用することができる。また、原料タンク2の排出口と精穀装置3の供給口とを繋ぐ配管T1には貯留容器4の排出口からの配管T2が接続されている構造となっている。なお、図1、2に示す精穀装置3は1台単機であるが数台からなる連座式にすることもできる。
本発明に係る精穀プラント1に用いられる貯留容器4は、上記のとおり、精穀装置3から排出される精穀初期段階の穀物([0009]に記載の穀物)を一時的に貯留するためのものである。
なお、本発明に係る精穀プラント1に用いられる貯留容器4は、排出口(底部)にシャッターS2が設けられているとともに、係る排出口に配管T2がそのまま接続されている(直結されている)構造となっている。そして、配管T2はさらに配管T1に接続(連結)されている構造となっている。
つまり、本発明に係る精穀プラント1は、穀物が精穀装置から排出した順に貯留容器4に貯留し、それを貯留された順番の状態のまま、つまり先入れ先出し方式にて直接、精穀装置3に供給することができる構造となっているのである。
従って、従前の精穀プラントのように貯留した精穀初期段階の穀物の前後が混合することなく、排出された順番のままで再び精穀装置3に供給することができるのである。
また、貯留容器4を筒状の容器とすれば、後記するように、精穀作業の最終段階、すなわち原料タンク2から最後の穀物(原料)を精穀装置3に供給してさらに貯留容器4内の穀物を精穀装置3に再供給する段階において、貯留容器4内の穀物を貯留容器4内に積層されている順番に精穀装置3によりスムースに供給することができるので好適である。
従って、精穀装置3から排出される精穀初期段階の穀物を貯留容器4内に排出される順により効果的に貯留することができることになるのである。
本発明に係る精穀プラント1に用いられる搬送経路5は、精穀装置3から排出される穀物を選別装置(図示せず)などの次工程に送るための配管である。より具体的には、精穀装置3から排出される穀物を次工程の装置に搬送するための搬送装置8(8b)に送るための配管である。
つまり、精穀の初期段階においては、切替装置6を制御して精穀装置3から搬送装置8(8b)への通路を確保することによって、精穀装置3から排出される精穀初期段階の穀物を搬送装置8(8b)への通路に通過させることなく、回収経路7を通じて貯蔵容器4に回収することができることになるのである。また、精穀装置3から排出される穀物の精白度が所定の精白度に達した際には、切替装置6を制御して搬送経路5から分岐する回収経路7への通路を確保することによって、精穀が完了した穀物を回収経路7への通路に通過させることなく、搬送装置8(8b)を通じて次工程の装置に搬送することができることになるのである。
本発明に係る精穀プラント1に用いられる空気輸送手段12は、精穀終了時に精穀室内に残留した穀物を搬送経路5に漏れなく排出するための空気を送るためのものである。また、精穀装置3から回収経路7に排出される精穀初期段階の穀物を貯留容器4に搬送(回収)するための空気を送るためのものであり、2つの目的に活用される。
具体的には、図1、2に示す精穀プラント1においては、送風装置(ブロワー)9を設けると共に、送風装置(ブロワー)9の排出口に設けた切替装置11を切り替えることによって、送風装置(ブロワー)9で発生させた空気を、精穀装置3の精穀室に送るための送風ダクト10a、または回収経路7に送るための送風ダクト10bのいずれかに送風する構造となっている。そして、空気が送風ダクト10aに送られた場合には精穀装置3内に残存する穀物を除去するため(精穀装置3内に残存する穀物を全て搬送経路5に排出するため)に用いられることになる。一方、空気が送風ダクト10bに送られた場合には精穀装置3から排出される精穀初期段階の穀物を全て回収経路7を通じて排出順に貯留容器4に搬送するために用いられることになる。
本発明に係る精穀プラント1は、精穀装置3から排出される精穀初期段階の穀物、すなわち精穀開始直後の全く精穀されていない状態の穀物から所定の精白度に達した精穀までの穀物を、回収経路7を通じて貯留容器4に順序よく貯留することになるが、精穀装置3から排出される穀物が所定の精白度に達したかどうかは目測や精白度計などによって判断することになる。
ここで、精穀装置3から排出される穀物を目視によって判定して、精穀装置3から排出される穀物が所定の精白度に達したと判断したときには、切替装置6を操作して精穀が完了した穀物を搬送装置8(8b)を通じて次工程の装置に供給するようにすることになるが、精白度を測定する精白度センサ(図示せず、精白度計を内蔵している)を精穀装置3の排出口に設けて、係るセンサによる測定結果に基づいて自動的に切替装置6を操作することもできる。
このように精白度センサ(図示せず)を精穀装置3の排出口に設けて、係る精白度センサの測定結果に基づいて、すなわち精白度センサの測定値が所定の精白度に達したときに、制御手段(図示せず)が切替装置6を操作するようにすれば、無人運転が可能なだけでなく、より正確な精穀作業を行うことができるので好適である。
本発明に係る精穀プラントの制御方法は、制御手段(図示せず)によって、例えば米の場合では以下の制御および動作を行うものである。なお、穀物の精白度については目視によって判定してもよいし、上記の精白度センサ(図示せず)によって判定してもよい。
ここで、精穀装置3内の精穀室が穀物で充満されるまでは、精穀室内に圧力がかからないことになるが、やがて精穀室内に穀物が充満されると、排出口に設けた圧迫機構(図示せず)によって精穀室内の圧力が上昇して精穀作業が開始され、排出口(図示せず)より穀物が排出されることになる。そして、精穀装置3から排出され始める精穀初期段階の穀物は、搬送経路5から分岐する回収経路7に送られることになり、送風ダクト10bによって送られてくる空気に乗って搬送されることになる。
従って、精穀初期段階の穀物は空気によって圧送されることになることから、穀物は精穀装置3から排出される順に回収経路7内を流れていくことになるのである。
そして、目視または精白度センサによって、精穀装置3から排出される穀物が所定の精白度に達したときに、切替装置6を制御して回収経路7への通路を遮断すると共に、精穀装置3から搬送装置8(8b)への通路を確保して、精穀装置3から排出される穀物が搬送経路5を通じて搬送装置8(8b)に送るようにすることで、貯留容器4への穀物の供給を停止する一方、精穀装置3から排出される精穀処理後(精穀完了後)の穀物を次工程の装置に搬送する。
またこの段階で、精穀装置3から排出される穀物を貯留容器4に空気輸送する必要がなくなることから、送風装置9の運転を停止する。
ここで、貯留容器4内の穀物が供給される際における精穀装置(精穀室)内の状態は、供給口附近の穀物は未処理の穀物であり、排出口に近づくほど精白度が高い穀物が充填され、排出口附近は所定の精白度の穀物が充填されている状態となっている。
そうすると、貯留容器4から再供給される穀物の最初の部分は、精穀装置3内の供給口附近の穀物と同じ状態の穀物(全く精穀されていない未処理の状態の穀物)となっており、そしてその後、グラデーションのように徐々に精穀が進んだ穀物が再供給されることになり、最後に所定の精白度の穀物が精穀装置3に再供給されることになる。
そして、所定の精白度の穀物が精穀装置3に再供給される段階では、そのあとに精穀装置3(精穀室)内に供給される穀物がなくなることから、精穀室内の圧力は低下することになる。すなわち、所定の精白度の穀物が精穀装置3に再供給される段階においては、精穀室内における精穀作用は進行しなくなり、2度搗きや3度搗きという過剰精穀の発生を防止することができるのである。
そして、その負荷の低下を制御手段が検知することによって、以下の動作を行うことで一連の作業を終了する。
まず、精穀装置3の排出口に設けている圧迫機構を解除して排出口を開放する。
次に、シャッターS1およびシャッターS2を閉じて、切替装置11を制御し、送風装置(ブロワー)9を再稼働して空気が送風ダクト10bに流れないように遮断すると共に、空気を送風ダクト10aに送り、精穀装置3内に残存している穀物を全て搬送経路5に送り出す。
最後に、精穀装置3および送風装置(ブロワー)9の運転を停止して、一連の作業を終了する。
2 原料タンク
3 精穀装置
4 貯留容器
5 搬送経路
6 切替装置
7 回収経路
8 搬送装置
8a 搬送装置(昇降機)
8b 搬送装置(昇降機)
9 送風装置(ブロワー)
10 送風ダクト
10a 送風ダクト
10b 送風ダクト
11 切替装置
12 空気輸送手段
13 サイクロン
M モーター
Q 定量送穀装置
S1 シャッター
S2 シャッター
T1 配管
T2 配管
Claims (5)
- 原料タンクと、
貯留容器と、
前記原料タンクの排出口と前記貯留容器の排出口に接続される精穀装置と、
前記精穀装置の排出口から排出される穀物を次工程に搬送する搬送経路と、
前記搬送経路の途中に設けた切替装置と、
前記切替装置から分岐して排出される穀物を前記精穀装置から排出した順に前記貯留容器に回収する回収経路とを備え、
前記貯留容器は、
前記精穀装置から排出される穀物を、精穀開始から穀物の精白度が所定の精白度に達するまでの間、前記精穀装置から排出される順に貯留し、且つ先入れ先出し方式で前記精穀装置に供給するものであることを特徴とする精穀プラント。
- 前記貯留容器の排出口は、
前記精穀装置の供給口に連結されているものであることを特徴とする請求項1に記載の精穀プラント。
- さらに空気輸送手段を備え、
前記精穀装置から排出される穀物が、
前記空気輸送手段によって輸送されて前記貯留容器に貯留されるものであることを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の精穀プラント。
- 前記貯留容器が、
筒状の容器であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の精穀プラント。
- 原料タンクと、
貯留容器と、
前記原料タンクの排出口と前記貯留容器の排出口に接続される精穀装置と、
前記精穀装置の排出口から排出される穀物を次工程に搬送する搬送経路と、
前記搬送経路の途中に設けた切替装置と、
前記切替装置から分岐して排出される穀物を前記精穀装置から排出した順に前記貯留容器に回収する回収経路とを備え、
精穀開始時は、
前記精穀装置から排出される穀物が前記回収経路に送られるように前記切替装置を制御し
て、前記精穀装置から排出される穀物を排出される順に前記貯留容器内に貯留し、
前記精穀装置から排出される穀物の精白度が所定の精白度に達した場合には、
前記切替装置を制御して、精穀処理後の穀物を前記次工程に搬送し、
前記原料タンク内の原料が全て前記精穀装置に供給された後には、
前記貯留容器内に貯留されている穀物を先入れ先出しの順に前記精穀装置に供給すること
を特徴とする精穀プラントの制御方法。
Priority Applications (1)
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JP2017110507A JP6662811B2 (ja) | 2017-06-04 | 2017-06-04 | 精穀プラントおよび精穀プラントの制御方法 |
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Family Applications (1)
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JP2017110507A Active JP6662811B2 (ja) | 2017-06-04 | 2017-06-04 | 精穀プラントおよび精穀プラントの制御方法 |
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2017
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