JP6662700B2 - 車両用サイドバイザ - Google Patents

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Description

本発明は、車両用サイドバイザに関する。
従来、車両(自動車)におけるフロントサイドドアのドアサッシュには、雨除けとしてサイドバイザが設けられる場合があり、特許文献1にはサイドバイザの取付構造の一例が開示されている。
特許文献1に記載のサイドバイザは、ドアサッシュの上縁部(ドアサッシュにおいて、車体のAピラーからルーフサイドに亘る部分に対応する部分)に沿って配置されるものであり、ドアサッシュの上縁部に取り付けられたガラスランの車外側の側面に両面テープにより固定されている。
詳しく説明すると、上記サイドバイザは、上記ドアサッシュの上縁部に沿って形成されて当該上縁部の車外側の側面に固定される固定用基部と、この固定用基部から車外側に向かって斜め下向きに延出するサイドバイザ本体と、上記固定用基部の車内側の側面に設けられる両面テープとを備えている。
上記ガラスランは、車体のAピラーおよびルーフサイド(以下、「Aピラー等」と称する)とドアサッシュとの間をシールするウェザストリップ部(トリム部)と、このウェザストリップ部と一体的に構成されて、ドアガラスとドアサッシュとの間をシールするガラスラン部とを備えており、上記ウェザストリップ部および上記ガラスラン部の各々の車外側の側面に、上記両面テープを介して上記固定用基部が固定されている。
特開2015−67126号公報
特許文献1に記載のサイドバイザにおいては、以下の問題が生じる虞がある。すなわち、サイドバイザの上記固定用基部の上側端部(Aピラー等の長さ方向および車幅方向と直交する方向における上側の端部)が、Aピラー等の側面よりも車外側に迫り出しているため(以下、この迫り出し部分を「迫り出し部」と称する)、フロントガラスに付着している水滴が、ワイパによりフロントガラスからAピラーの車外側に押し出されて上記迫り出し部に載り移り、この迫り出し部を伝ってサイドミラーの高さまで流下し、さらに、走行風に押されてサイドバイザを乗り越えて車両後側に飛散して、ドアガラスに付着することがある。上記の水滴が、寒冷地の凍結防止剤や沿岸地域における海水の塩分などの不純物を含んでいる場合には、その水滴が乾燥して上記の不純物がドアガラスの表面に白く残り、その結果、ドアガラスの光の透過性が低下して、サイドミラーの視認性が低下する虞がある。
上述した問題は、Aピラーの傾斜等にも起因するが、ワイパによる払拭面積が大きい等、フロントガラスに付着した水滴をワイパで多量に押し出す際に顕著に生じることが分かった。つまり、ワイパによって多量に押し出され、迫り出し部に載り移る水量自体の増加と水滴が連なる事による自重の増加とにより、走行風を受けて迫り出し部から水滴が離間する前に下方まで流下してしまう量が増加し、これに伴い、ドアガラスに付着する水滴の量も増加して、上記したサイドミラーの視認性の問題がより顕著に生じる虞がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、凍結防止剤などの不純物を含む水滴がドアガラスに付着してサイドミラーの視認性が低下するのを防止することができる車両用サイドバイザを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ドアサッシュを有するドアフレームと、当該ドアフレームに固定されたサイドミラーとを備えるフロントサイドドアの前記ドアサッシュの車外側の側面に固定される車両用サイドバイザであって、前記ドアサッシュの車外側の側面に固定されるサイドバイザ固定用基部を含み、かつ、当該サイドバイザ固定用基部から車外側に向かって斜め下向きに延出するサイドバイザ本体と、前記サイドバイザ固定用基部のうち、Aピラーに沿った部分の所定の高さ位置であって前記サイドミラーより上側の所定高さ位置に設けられて、前記サイドバイザ固定用基部の上側端部と前記Aピラーとの間の空間を塞ぐ止水堰とを備え、前記止水堰は、フロントガラスの表面に沿って車両後側に傾斜した状態で車幅方向に揺動するワイパの可動領域の後端と、車両前後方向における前記サイドミラーの後端との間に設けられていることを特徴とする車両用サイドバイザを提供する。
本発明によれば、上記止水堰が、サイドバイザ固定用基部のうち、Aピラーに沿った部分の所定の高さ位置であってサイドミラーより上側の所定高さ位置に設けられて、サイドバイザ固定用基部の上側端部とAピラーとの間の空間を塞ぐので、止水堰よりも上側の位置でフロントガラスに付着した水滴がワイパによりAピラーの車幅方向車外側に押し出されてサイドバイザ固定用基部の上側端部に載り移り、この上側端部を伝って流下しても、その水滴はサイドミラーより上側の所定高さ位置で上記止水堰により堰き止められ、これにより、水滴が上記上側端部を伝って止水堰よりも下側に流下することが防止される。そして、止水堰によって堰き止められた水滴は、走行風に押されてサイドバイザ本体を乗り越え、車両後側へ飛散する。つまり、上記止水堰が、サイドミラーよりも上側の所定高さ位置で水滴を堰き止めることにより、その水滴がサイドミラーより上側の所定高さ位置で車両後側に飛散し、これにより、ドアガラスにおけるサイドミラーの視認性に影響する領域に凍結防止剤などの不純物を含む水滴が付着することが抑制され、その結果、サイドミラーの視認性が低下するのを防止することができる。
さらに、本発明によれば、上記止水堰は、前記ワイパの可動領域の後端と、車両前後方向におけるサイドミラーの後端との間、つまり、ワイパの可動領域の後端より前側で、かつ、サイドミラーの後端より後側に設けられているので、ワイパによりフロントガラスからAピラーの車幅方向車外側に押し出されてサイドバイザの上側端部に載り移った水滴を、止水堰により効果的に止水して、サイドミラーの視認性が低下するのを一層効果的に防止することができる。
詳しく説明すると、フロントガラスに付着した水滴は、ワイパの作動により、ワイパの可動領域の後端よりも前側の位置でサイドバイザの上側端部に載り移り、当該上側端部を伝って流下するので、仮に、止水堰がワイパの可動領域の後端より後側に配置されている場合には、ワイパの作動によってフロントガラスからサイドバイザの上側端部に載り移って流下する水滴を止水堰で止水することが困難であるが、本発明のように、止水堰がワイパの可動領域の後端より前側に配置されることで、サイドバイザの上側端部に載り移って流下する水滴を効果的に止水することができる。しかも、本発明のように、止水堰がサイドミラーの後端より後側に配置されている場合には、止水堰がサイドミラーの後端より前側に配置されている場合と比べて、止水堰で堰き止められて走行風に押されて車両後側に飛散した水滴がドアガラスにおけるサイドミラーの視認性に影響する領域に付着することが抑制されるため、サイドミラーの視認性が低下するのをより効果的に防止することができる。
本発明においては、前記止水堰は、前記ワイパの可動領域の上端よりも下側の高さ位置に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、ワイパによりフロントガラスからAピラーの車幅方向車外側に押し出されてサイドバイザの上側端部に載り移った水滴を、止水堰で効果的に止水して、サイドミラーの視認性が低下するのをさらに効果的に防止することができる。つまり、フロントガラスに付着した水滴は、ワイパの作動により、ワイパの可動領域(揺動領域)の上端よりも下側の高さ位置でサイドバイザの上側端部に載り移り、当該上側端部を伝って流下するので、止水堰の高さ位置を、ワイパの可動領域の上端よりも下側に設定することで、フロントガラスからサイドバイザの上側端部に載り移って流下する水滴を、止水堰で効果的に止水することができる。
本発明においては、前記止水堰は、フロントガラスの表面に沿って車幅方向に揺動するワイパの可動領域の上端と、前記サイドミラーの鏡面全体とを結ぶ三次元領域内に設けられることが好ましい。
この構成によれば、ワイパの作動によりフロントガラスからAピラーの車幅方向車外側に押し出されてサイドバイザの上側端部に載り移った水滴を、止水堰で効果的に止水して、サイドミラーの視認性が低下するのをさらに効果的に防止することができる。つまり、フロントガラスに付着している水滴は、ワイパの作動により、ワイパの可動領域の上端よりも下側の位置でサイドバイザの上側端部に載り移り、そして、その水滴はサイドミラーに近づくようにサイドバイザの上側端部を伝って流下するので、止水堰が、ワイパの可動領域の上端とサイドミラーの鏡面全体とを結ぶ三次元領域内に設けられることで、フロントガラスからサイドバイザの上側端部に載り移った水滴を、サイドミラーよりも上側かつ後側の位置で効果的に止水して、これにより、サイドミラーの視認性が低下するのをさらに効果的に防止することができる。
本発明においては、前記止水堰は、可撓性材料により構成されていることが好ましい。
この構成によれば、止水堰をAピラーに密着させることができるので、止水効果をさらに高めることができる。しかも、止水堰がAピラーに接触したときにAピラーの表面が傷付くのを防止することができる。
本発明においては、前記止水堰は、前記サイドバイザ固定用基部の車内側の側面に固定される止水堰固定用基部と、当該止水堰固定用基部に連設されて前記サイドバイザ固定用基部の上側端部と前記Aピラーとの間の空間を塞ぐ止水堰本体と、前記止水堰固定用基部を前記サイドバイザ固定用基部に固定するための部材であって、軸部および当該軸部の両端に設けられたかしめ部を有するリベットとを備えることが好ましい。
この構成によれば、止水堰がリベットによりサイドバイザ本体に固定されるので、止水堰をサイドバイザ本体に強固に固定することができ、止水堰の脱落や位置ずれを防止することができる。
本発明においては、前記ワイパは、車幅方向中心よりも外側に回動支点を有する第1ワイパと、車幅方向中心寄りの位置に回動支点を有する第2ワイパとを有し、前記車両用サイドバイザは、前記第1ワイパ側のフロントサイドドアに設けられていることが好ましい。
この構成によれば、ワイパの作動によってフロントガラスからサイドバイザの上側端部に載り移った水滴を効果的に止水して、ドアガラスに水滴が付着するのを効果的に抑制することができる。詳しく説明すると、ワイパの作動により、フロントガラス上の水滴が、上記第1ワイパ側のAピラーを車幅方向に乗り越えるので、上記第1ワイパ側のフロントサイドドアに本発明の車両用サイドバイザを設けることにより、ワイパの作動によってサイドバイザの上側端部に載り移った水滴がドアガラスに付着するのを効果的に抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、凍結防止剤などの不純物を含む水滴がドアガラスに付着してサイドミラーの視認性が低下するのを防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る車両用サイドバイザを備えた車両のフロントドア付近を、水滴の流れとともに示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用サイドバイザを備えた車両のフロントガラス付近を車両前側から見た図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用サイドバイザを備えた車両のフロントガラスおよびフロントサイドドア付近を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用サイドバイザを備えた車両のフロントガラスおよびフロントサイドドア付近を車両左側から見た図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用サイドバイザをフロントサイドドアのドアフレームに取り付けた状態で、その車両用サイドバイザの要部を車両左側から見た図である。 図4のC−C線断面図および図5のD−D線断面である。 本発明の第1実施形態に係るサイドバイザにおける止水堰を示す斜視図である。 図5のF−F線断面図である。 図8の要部を拡大して示す断面図である。 図5のE−E線断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る車両用サイドバイザをフロントサイドドアのドアフレームに取り付けた状態で、その車両用サイドバイザの要部を車両左側から見た図である。 本発明の第1実施形態の変形例における止水堰を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る車両用サイドバイザをフロントサイドドアのドアフレームに取り付けた状態で、その車両用サイドバイザの要部を車両左側から見た図である。 本発明の第2実施形態に係るサイドバイザにおける止水堰を示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について詳述する。
なお、以下の説明では、「右」、「左」、「前」、「後」という文言を、車両を基準として使用し、「車外側」および「車内側」という文言を、車幅方向を基準として使用する。また、以下の説明では、車両の左側に運転席が配置された車両を例に挙げて説明する。
<第1実施形態>
図1に示されるように、本実施形態に係るサイドバイザ7を備える車両(自動車)1は、サイドバイザ7と、当該サイドバイザ7が固定されるフロントサイドドア10と、このフロントサイドドア10により開閉されるドア開口部を有して車室を形成する車体29と、この車体29における車室前面の開口部を塞ぐように当該開口部に設けられるフロントガラス3と、このフロントガラス3の外面に付着した水滴を払拭するワイパ15(図2参照)とを備えている。
以下、これら車両構成部材について詳細に説明する。
図1に示されるように、上記車体29は、車両前後方向に延びてルーフパネル2の左右両端部を支持する左右一対のルーフサイドレール25と、これらルーフサイドレール25の前端部から前側に向かって斜め下向きに延びてフロントガラス3の左右両縁部を支持する左右一対のAピラー(フロントピラー)6と、車幅方向に延びるとともに両端部がそれぞれ左右のAピラー6の下側端部に連結されてフロントガラス3の下縁部を支持するカウルトップパネル43(図2参照)と、車幅方向に延びるとともに両端部がそれぞれ左右のAピラー6の上側端部に連結されてフロントガラス3の上縁部を支持するフロントヘッダ44と、上記Aピラー6およびルーフサイドレール25と後述のドアサッシュ9との間をシールする車内側ウェザストリップ22(図6,8参照)と、を備えている。
Aピラー6(図8参照)およびルーフサイドレール25(図6参照)は、各々、ボディインナパネル18と、当該ボディインナパネル18に対して車外側に配置されたボディアウタパネル45とを互いに向い合せて組み合わせる(接合する)ことにより構成されており、これらボディインナパネル18とボディアウタパネル45とにより、中空状の、すなわち閉断面を有するAピラー6およびルーフサイドレール25が構成されている。
図6,8に示されるように、上記ボディインナパネル18は、その下側端部に、車内側ウェザストリップ22を支持するフランジ部46を有している。上記ボディアウタパネル45は、上記ボディインナパネル18のフランジ部46に接合されて当該フランジ部46とともに車内側ウェザストリップ22を支持するフランジ部38と、このフランジ部38の上端から車外側に延出する第1延出部49と、この第1延出部49から上側に立ち上がる立ち上がり部50と、この立ち上がり部50の上端から車外側に延出する第2延出部51と、この第2延出部51の車外側端部から上側に湾曲しつつ車内側(車幅方向内側)に向かって斜め上向きに延出する外面部52とを備えている。なお、図6,8に符号19で示される部材は、Aピラー6およびルーフサイドレール25を補強するための補強用パネルである。
上記車内側ウェザストリップ22は、ゴム等の可撓性(弾性)材料により構成されており、上記フランジ部38,46に固定される固定部54と、この固定部54の車外側に連設される中空状のシール部55とを備えている。固定部54は、上記フランジ部38,46を両側から弾性的に挟み込むように構成されており、その挟み込む弾性力で車内側ウェザストリップ22を上記フランジ部38,46に固定する。
図1に示されるように、上記フロントサイドドア10(以下、「サイドドア10」と称する)は、当該サイドドア10における窓肩より下側の部分を構成するドア本体12と、このドア本体12に固定されるサイドミラー(ドアミラー)4と、ドア本体12の上部に当該上部から立ち上がるように設けられる枠状のドアサッシュ(窓枠部)9と、このドアサッシュ9によって画定される領域内を上下方向に移動可能に設けられたドアガラス11と、このドアガラス11と上記ドアサッシュ9との間をシールするガラスラン20(図6,8参照)と、Aピラー6およびルーフサイドレール25と上記ドアサッシュ9との間をシールする車外側ウェザストリップ33と、を備えている。ドアサッシュ9は、本発明の「ドアフレーム」に相当する。
ドア本体12は、ドアインナパネル(図示略)と、当該ドアインナパネルに対して車外側に配置されたドアアウタパネル53とを互いに向い合せて組み合わせることにより中空状に構成されている。ドアインナパネルおよびドアアウタパネル53は、本発明の「ドアフレーム」に相当する。なお、ドア本体12は、その内部に、図外のドアガラス昇降装置およびドアロック装置等の各種装置を内蔵している。
図1に示されるように、サイドミラー4は、鏡面4aを有するミラー本体4bと、このミラー本体4bを支持するブラケット部5とを備えており、このブラケット部5がドア本体12の窓肩の前部に取り付けられている。図4に示されるように、サイドドア10が閉止された状態で、ミラー本体4bは、Aピラー6の下側端部と略同じ高さで、かつ、Aピラー6の前端部より若干後側に位置している。また、ドアガラス11が閉められた状態では、ドライバは、ドアガラス11の前側下部における四角形状の領域R(図4参照)を介して(通じて)サイドミラー4の鏡面4aを見ることができる。つまり、ドライバの眼の位置EPとサイドミラー4の鏡面4aとの間には、ドアガラス11の前側下部における四角形状の領域Rが介在する。なお、図2,4における2点鎖線の矢印SIは、運転席に座っているドライバが運転席側のサイドミラー4を見るときの視線を示しており、この視線SIは、上記領域Rを通過している。
図1に示されるように、ドアサッシュ9は、ドア本体12の窓肩の後端部から上側に延びる後縁部9aと、この後縁部9aの上端からドア本体12の窓肩の前端部までルーフサイドレール25およびAピラー6に沿うように前側に延びる上縁部9bとを備えている。つまり、上縁部9bは、ルーフサイドレール25に沿った後側部分と、Aピラー6に沿った前側部分とで構成されている。図6,8に示されるように、ドアサッシュ9の上縁部9bは、ドアインナサッシュ21と、このドアインナサッシュ21に対して車外側に設けられたドアアウタサッシュ32とを互いに向い合せて組み合わせ(接合し)、さらにドアアウタサッシュ32の車外側の側面にモール部(ドアサッシュモール)23を固定し、このモール部23にモール側リップシール62を固定することにより構成されている。
上記ドアインナサッシュ21は、車外側ウェザストリップ33が取り付けられる取付面部34と、この取付面部34の車外側端部から立ち上がる起立部35と、上記取付面部34の車内側端部に連設され、車内側に凸の円弧状をなす湾曲部36と、この湾曲部36の下端から垂下するフランジ部37とを備えている。そして、サイドドア10の閉止時に、Aピラー6およびルーフサイドレール25のフランジ部38,46に取り付けられた車内側ウェザストリップ22が、上記湾曲部36に当接することにより、上記湾曲部36と上記フランジ部38との間がシールされる。
上記ドアアウタサッシュ32は、ドアインナサッシュ21の取付面部34の下面に沿って配置される平板部39と、この平板部39の車外側端部から下側に延びる内壁部40と、この内壁部40の下端から車外側に折り返されて上側に延びる外壁部41と、この外壁部41の上端から車内側に折り返されて下側に延びるヘム部42と、上記平板部39の車内側端部から垂下して上記ドアインナサッシュ21のフランジ部37に対して車外側で向い合せに配置されて接合されるフランジ部68と、を備えている。上記ヘム部42と上記外壁部41とにより、ドアインナサッシュ21の起立部35が挟持されている。
上記ガラスラン20は、ゴム等の可撓性(弾性)材料により構成されており、上記ドアインナサッシュ21のフランジ部37および上記ドアアウタサッシュ32のフランジ部68に固定される固定部69と、この固定部69の車外側に連設されるチャネル部70とを備えている。
上記固定部69は、上記フランジ部37,68を両側から弾性的に挟み込むように構成されており、その挟み込む弾性力でガラスラン20を上記フランジ部37,68に固定する。
上記チャネル部70は、ドアガラス11の周縁部に弾性的に当接するシールリップ71を有しており、このシールリップ71により、ドアガラス11とドアサッシュ9との間がシールされている。
上記車外側ウェザストリップ33は、ゴム等の可撓性(弾性)材料により構成されており、上記ドアインナサッシュ21の取付面部34にクリップ(図示略)により固定される固定部57と、この固定部57の車内側に連設される中空状のシール部48と、上記固定部57の車外側に連設された車外側リップシール59および当該車外側リップシール59の車内側に並ぶ車内側リップシール60と、を備えている。サイドドア10が閉止された状態で、上記中空状のシール部48がAピラー6およびルーフサイドレール25の上記立ち上がり部50の車外側の側面に弾性的に当接するとともに、車内側リップシール60がAピラー6およびルーフサイドレール25の上記第2延出部51の下面に弾性的に当接し、さらに、車外側リップシール59が上記モール側リップシール62における後述の固定用基部72の車内側の側面に弾性的に当接する。
上記モール部23は、ドアアウタサッシュ32の外壁部41を装飾するために設けられた部材である。このモール部23は、芯金(図示略)を合成樹脂により被覆することによりプレート状(板状)に構成されたモール本体64と、このモール本体64の上側端部および下側端部からそれぞれ車内側に突設されてドアアウタサッシュ32の上記外壁部41を抱持する上側鉤状部65および下側鉤状部66と、上記上側鉤状部65の車内側の側面に固定されて車外側に向かって斜め上側に突出するモール側リップシール62と、を備えている。
モール側リップシール62は、ゴム等の可撓性(弾性)材料から構成されており、上側鉤状部65の車内側の側面に固定される固定用基部72と、この固定用基部72の上端から車外側に向かって斜め上側に突出するリップ本体73とを有している。
サイドドア10が閉止された状態で、上記モール側リップシール62の先端部が、Aピラー6およびルーフサイドレール25の車外側端部、具体的には上記第2延出部51と上記外面部52との境界部分(湾曲部)に弾性的に当接し、これにより、Aピラー6およびルーフサイドレール25の車外側端部と、モール部23との間がシールされる。
上記フロントガラス3は、車室前面に設けられており、前側から見た形状が実質的に矩形状をなして、車幅方向における中央部が両端部よりも前側に迫り出すように湾曲して形成されている。また、フロントガラス3は、その左右の端部がそれぞれ左右のAピラー6に固定されており、フロントガラス3の上側端部が下側端部よりも後側に位置するように、Aピラー6の傾斜角度に合わせて後側に傾斜している。
図2,3に示されるように、本実施形態におけるワイパ15は、車幅方向に並んで配置され、同一方向に揺動する2つのワイパ13,14からなるデュアルタイプのワイパである。左側のワイパ13(本発明の「第1ワイパ」に相当する)は、基端部(下側端部)に回動支点13dを有しており、この回動支点13dを中心として車幅方向に揺動するワイパアーム13aと、このワイパアーム13aの先端部に設けられたワイパブレード13bと、上記ワイパアーム13aの上記基端部に連結され、上記ワイパアーム13aを車幅方向に揺動させる駆動装置(図示略)とを備えている。ワイパアーム13aの基端部13dは、車両1の車幅方向中央よりも外側、具体的には、カウルトップパネル43における車幅方向中央よりも外側(左側)の位置に配置されている。上記駆動装置は、上記カウルトップパネル43に取り付けられている。右側のワイパ14(本発明の「第2ワイパ」に相当する)は、左側のワイパ13と同様に、ワイパアーム14aと、ワイパブレード14bと、駆動装置(図示略)とを備えている。なお、右側のワイパ14におけるワイパアーム14bの基端部は、車両1の車幅方向中央寄り、具体的には、カウルトップパネル43における車幅方向中央寄りの位置(ワイパアーム13aの基端部13dよりも右側の位置)に配置されている。左側のワイパ13のワイパブレード13bは、フロントガラス3の下縁部と左側のAピラー6との間の所定の領域13cで車幅方向に揺動して、この領域13cに付着している水滴を払拭する。左側のワイパ13の揺動動作(払拭動作)により、領域13c(以下、「可動領域13c」と称する)に付着している水滴は、ワイパ13の揺動によって左側(運転席側)のAピラー6に向かって移動して、当該Aピラー6を車外側に乗り越え、さらに、サイドバイザ7の上側端部(Aピラー6の長さ方向および車幅方向と直交する方向Dにおける上側の端部)に載り移る。
上記サイドバイザ7は、運転席側(左側)のサイドドア10(図1参照)に設けられており、上記ワイパ15との関係で言うと、ワイパ13,14のうち、ワイパ13側のサイドドア10に設けられている。図8に示されるように、このサイドバイザ7は、固定用基部7a、庇部7e、および凸部7cを有するサイドバイザ本体7bと、第1接着部7dと、サイドバイザ用モール部8と、第2接着部7fと、止水堰170とを備えている。
上記サイドバイザ本体7bは、十分な強度を確保するために硬質の合成樹脂により構成され、上記止水堰170は、ゴム等の可撓性(弾性)を有する材料により構成されている。
上記固定用基部7aは、ドアサッシュ9の上縁部9bに沿って延びるプレート状部分であり、当該上縁部9bにおける車外側の側面、具体的にはドアサッシュ9(上縁部9b)のモール本体64の車外側の側面に、上記第1接着部7dを介して固定されている。図6,8に示されるように、固定用基部7aの上側端部(固定用基部7aの長さ方向および車幅方向と直交する方向Dにおける上側の端部)は、Aピラー6およびルーフサイドレール25の側面よりも車外側に迫り出している。
図8〜10に示されるように、固定用基部7a(以下、「サイドバイザ固定用基部7a」と称する)は、後述の止水堰固定用基部170bが固定される部分の厚さが薄くなっており(以下、この薄くなっている部分を「薄肉部7a1」と称する)、その薄肉部7a1の周囲の部分(以下、この部分を「厚肉部7a2」と称する)との間に段差が形成されている。そして、このような段差により、止水堰固定用基部170bが嵌め込まれて固定される長方形状の凹部が形成されている。この凹部の大きさは、止水堰固定用基部170bと略同じ大きさに設定されている。具体的には、上記厚肉部7a2の厚さと上記薄肉部7a1の厚さの差(段差の大きさ)は、止水堰固定用基部170bの厚さと同じに設定されている。つまり、上記薄肉部7a1の車内側の側面に止水堰固定用基部170bが固定された状態で、上記厚肉部7a2の車内側の側面と、止水堰固定用基部170bの車内側の側面とが互いに面一となるように、上記段差の大きさが設定されている。そして、上記厚肉部7a2の車内側の側面と、止水堰固定用基部170bの車内側の側面とが、ドアサッシュ9のモール本体64の車外側の側面に、上記第1接着部7dを介して固定される。
また、図9に示されるように、サイドバイザ固定用基部7aの中央部には、後述のリベット170eが挿通されるリベット挿通孔70が形成されている。図9に示されるように、上記リベット挿通孔70は、リベット170eの軸部80よりも若干大きな径を有する軸挿通部と、この軸挿通部の車外側の端部に設けられて当該軸挿通部よりも径が大きいリベット係止部とを有している。
上記リベット挿通孔70の長さは、リベット170eの長さよりも短い長さに設定されている。また、上記リベット係止部は、リベット170eにおける後述の車外側のかしめ部82を収容可能な大きさに設定されており、このリベット係止部にリベット170eの上記かしめ部82が係止される。
上記庇部7eは、サイドバイザ固定用基部7aからその長さ方向全体に亘り車外側に向かって斜め下向きに延出しており、水滴S(図1参照)をドアガラス11から遠ざけながら後側へ飛散させる役割を果たす。
上記凸部7cは、庇部7eにおける車外側の側面から車外側に突出する部分であり、庇部7eの長さ方向全体に亘り、サイドバイザ用モール部8の直下、つまりサイドバイザ固定用基部7aの直下に配置されている。
上記第1接着部7dは、上記サイドバイザ固定用基部7aとドアサッシュ9のモール本体64の車外側の側面との間に設けられ、サイドバイザ固定用基部7aをドアサッシュ9のモール本体64に固定するための部分である。この第1接着部7dは、サイドバイザ固定用基部7aの長さ方向全体に亘り配置されている。本実施形態では、第1接着部7dは両面テープとされている。この第1接着部7dの上側端部も、サイドバイザ固定用基部7aと同様に、Aピラー6およびルーフサイドレール25の側面よりも車外側に迫り出している。
上記サイドバイザ用モール部8は、上記サイドバイザ固定用基部7aに沿って延びて当該サイドバイザ固定用基部7aにおける車外側の側面に固定されるプレート状の加飾部であり、サイドバイザ固定用基部7aの長さ方向全体に亘り配置され、当該サイドバイザ固定用基部7aの車外側の側面に、上記第2接着部7fを介して固定されている。このサイドバイザ用モール部8は、本実施形態では、ドアサッシュ9のモール本体64と同じ装飾(色、模様、光沢など)が施されている。このサイドバイザ用モール部8の上側端部も、サイドバイザ固定用基部7aと同様に、Aピラー6およびルーフサイドレール25の側面よりも車外側に迫り出している。
上記第2接着部7fは、上記サイドバイザ固定用基部7aと上記サイドバイザ用モール部8との間に設けられ、サイドバイザ用モール部8をサイドバイザ固定用基部7aに固定するための部分である。この第2接着部7fは、サイドバイザ固定用基部7aの長さ方向全体に亘り配置されている。本実施形態では、第2接着部7fは両面テープとされている。この第2接着部7fの上側端部も、サイドバイザ固定用基部7aと同様に、Aピラー6およびルーフサイドレール25の側面よりも車外側に迫り出している。
上記止水堰170は、上記サイドバイザ固定用基部7aのうち、Aピラー6に沿った部分の所定の高さ位置であってサイドミラー4より上側の所定高さ位置に設けられて、上記第1接着部7d、上記サイドバイザ固定用基部7a、上記第2接着部7f、およびサイドバイザ用モール部8の上側端部U(以下、これらの上側端部を総称して「サイドバイザ7の上側端部U」と称する)とAピラー6との間の空間K(図6参照)を、上記所定高さ位置で塞ぐものである。
上記所定高さ位置は、具体的には、左側のワイパ13の可動領域13cの上端TP(図2参照)よりも下側の高さ位置に設定されている。また、止水堰170の前後方向位置は、左側のワイパ13の可動領域13cの後端BP(図3参照)と、サイドミラー4の後端4cとの間の位置に設定されている。
上記止水堰170は、ゴム等の可撓性(弾性)を有する材料により構成されており、図7,9に示されるように、上記サイドバイザ固定用基部7aの車内側の側面、具体的には、上記薄肉部7a1の車内側の側面に固定される止水堰固定用基部170fと、この止水堰固定用基部170fに連設されてサイドバイザ7の上側端部UとAピラー6との間の空間Kを塞ぐ止水堰本体170aと、上記止水堰固定用基部170fを上記サイドバイザ固定用基部7aに固定するためのリベット170eとを備えている。
上記止水堰固定用基部170fは、サイドバイザ固定用基部7aの長さ方向に沿って延びる長方形状のプレート部170bと、このプレート部170bの上端に設けられた台座部170cとを備えている。
図9に示されるように、プレート部170bの短辺(長方形の短辺)の長さは、サイドバイザ固定用基部7aの上下方向の長さ(サイドバイザ固定用基部7aの長さ方向および厚み方向と直交する方向の長さ)よりも短い長さに設定されている。また、プレート部170bの長辺(長方形の長辺)の長さは、図7に示される例では、上記短辺の略2倍の長さに設定されている。また、プレート部170bの厚さは、サイドバイザ固定用基部7aの上記厚肉部7a2の厚さよりも薄い厚さに設定されており、サイドバイザ固定用基部7aの上記段差の大きさと等しい厚さに設定されている。
さらに、プレート部170bの中央部には、上記リベット170eが挿通されるリベット挿通孔170dが形成されている。このリベット挿通孔170dは、上記サイドバイザ固定用基部7aのリベット挿通孔70と対応する位置に形成されている。
図7に示されるように、上記台座部170cは、上記プレート部170bの長さ方向全体に亘って設けられており、プレート部170bの厚さよりも大きい厚さを有している。具体的には、台座部170cは、全体として、上辺が下辺よりも長い断面台形状に形成されており、プレート部170bの車内側の側面よりも車内側に断面三角形状に迫り出すとともに、プレート部170bの車外側の側面よりも車外側に四角形状に迫り出している。台座部170bは、このような形状を有することにより、上記止水堰本体170aを安定した状態で支持することができる。
上記止水堰本体170aは、上記台座部170cの車内側端部よりも車内側に迫り出すとともに、上記台座部170cの車外側端部よりも車外側に迫り出す異形断面形状を有している。止水堰本体170aは、台座部170cの長さ方向に沿って延びている。止水堰本体170aの長さは、特に限定されるものではないが、図7に示される例では、台座部170cの長さよりも短い長さに設定されており、例えば10mm程度に設定されている。図8に示される例では、止水堰本体170aにおける上記の車外側に迫り出す部分が、サイドバイザ用モール部8の上側端部に弾性的に当接し、上記の車内側に迫り出す部分に、モール側リップシール62の車外側の側面が弾性的に当接する。
図9に示されるように、上記リベット170eは、円筒状の軸部80と、当該軸部80の車内側端部に設けられたリング状の車内側かしめ部81と、軸部80の車外側端部に設けられたリング状の車外側かしめ部82とを有する。リベット170eは、軸部80がプレート部170bのリベット挿通孔170dおよびサイドバイザ固定用基部70aのリベット挿通孔70に挿通された状態で、車内側かしめ部81がプレート部170bにおけるリベット挿通孔170dの周縁部に係止され、車外側かしめ部82がサイドバイザ固定用基部7aにおける上記リベット係止部に係止されることにより、止水堰170がサイドバイザ固定用基部7aに固定(リベット留め)される。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
すなわち、本実施形態によれば、サイドバイザ7の止水堰170が、サイドバイザ7の固定用基部7aのうち、Aピラー6に沿った部分の所定の高さ位置であってサイドミラー4より上側の所定高さ位置に設けられて、サイドバイザ7の上側端部UとAピラー6との間の空間Kを塞ぐので、止水堰170よりも上側の位置でフロントガラス3に付着した水滴S(図1参照)がワイパ13によりAピラー6の車外側に押し出されてサイドバイザ7の上側端部Uに載り移り、この上側端部Uを伝って流下しても、その水滴Sはサイドミラー4より上側の所定高さ位置で上記止水堰170により堰き止められ(図1,5参照)、これにより、水滴Sが上記上側端部Uを伝って止水堰170よりも下側に流下することが防止される。そして、止水堰170によって堰き止められた水滴Sは、走行風に押されてサイドバイザ本体7bを乗り越え、車両後側へ飛散する。つまり、止水堰17が、サイドミラー4よりも上側の所定高さ位置で水滴Sを堰き止めることにより、その水滴Sがサイドミラー4より上側の所定高さ位置で車両後側に飛散し、これにより、ドアガラス11におけるサイドミラー4の視認性に影響する領域R(図4参照)に凍結防止剤などの不純物を含む水滴が付着することが抑制され、これにより、サイドミラー4の視認性が低下するのを防止することができる。
さらに、本実施形態によれば、上記止水堰170は、ワイパ13の可動領域13cの後端BPと、車両前後方向におけるサイドミラー4の後端4cとの間、つまり、ワイパ13の可動領域13cの後端より前側で、かつ、サイドミラー4の後端より後側に設けられているので、ワイパ13によりフロントガラス3からAピラー6の車幅方向車外側に押し出されてサイドバイザ7の上側端部Uに載り移った水滴Sを、止水堰170により効果的に止水して、サイドミラー4の視認性が低下するのを一層効果的に防止することができる。
詳しく説明すると、フロントガラス3に付着した水滴Sは、ワイパ13の作動により、ワイパ13の可動領域13cの後端BPよりも前側の位置でサイドバイザ7の上側端部Uに載り移り、当該上側端部Uを伝って流下するので、仮に、止水堰170がワイパ13の可動領域13cの後端BPより後側に配置されている場合には、ワイパ13の作動によってフロントガラス3からサイドバイザ7の上側端部Uに載り移って流下する水滴Sを止水堰170で止水することが困難であるが、本実施形態のように、止水堰170がワイパ13の可動領域13cの後端BPより前側に配置されることで、サイドバイザ7の上側端部Uに載り移って流下する水滴Sを効果的に止水することができる。しかも、本実施形態のように、止水堰170がサイドミラー4の後端4cより後側に配置されている場合には、止水堰170がサイドミラー4の後端4cより前側に配置されている場合と比べて、止水堰170で堰き止められて走行風に押されて車両後側に飛散した水滴Sがドアガラス11におけるサイドミラー4の視認性に影響する領域Rに付着することが抑制されるため、サイドミラー4の視認性が低下するのをより効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、上記止水堰170は、ワイパ13の可動領域13cの上端TPよりも下側の高さ位置に設けられているので、ワイパ13によりフロントガラス3からAピラー6の車幅方向車外側に押し出されてサイドバイザ7の上側端部Uに載り移った水滴Sを、止水堰170で効果的に止水して、サイドミラー4の視認性が低下するのをさらに効果的に防止することができる。つまり、フロントガラス3に付着した水滴Sは、ワイパ13の作動により、ワイパ13の可動領域13cの上端TPよりも下側の高さ位置でサイドバイザ7の上側端部Uに載り移り、当該上側端部Uを伝って流下するので、止水堰170の高さ位置を、ワイパ13の可動領域13cの上端TPよりも下側に設定することで、フロントガラス3からサイドバイザ7の上側端部に載り移った水滴Sを、止水堰170で効果的に止水することができる。
また、本実施形態によれば、サイドバイザ7が第1接着部7dおよび第2接着部7fを有することにより水滴Sがサイドバイザ7の上側端部Uから落下しにくい状態になっている場合や、モール側リップシール62が設けられることによってサイドバイザ7の上側端部Uに水滴Sが載り易くなっている場合でも、サイドミラー4の視認性低下を効果的に防止することができる。
また、本実施形態によれば、ワイパ13の作動により、フロントガラス3からAピラー6を乗り越えてサイドバイザ7の上側端部Uに載り移った水滴Sが、さらに固定用基部7aを乗り越えた場合でも、その水滴Sはサイドバイザ7の凸部7cにより堰き止められるので、水滴Sがサイドバイザ本体7bを乗り越えることが抑制され、これにより、サイドバイザ7を乗り越えて車両後側へ飛散する水滴Sの量が低減される。その結果、ドアガラス11におけるサイドミラー4の視認性に影響する領域Rに不純物を含む水滴Sが付着するのをさらに抑制することができる。
また、本実施形態によれば、止水堰170が可撓性材料(弾性材料)で構成されているので、止水堰170をモール側リップシール62に確実に密着させることができ、止水効果をさらに高めることができる。
また、本実施形態によれば、止水堰170がリベット170eによりサイドバイザ本体7bに固定されるので、止水堰170をサイドバイザ本体7bに強固に固定することができ、止水堰170の脱落や位置ずれを防止することができる。
なお、図8に示される例では、止水堰170をモール側リップシール62に当接させているが、止水堰170をAピラー6に直接当接させてもよい。具体的には、止水堰本体170aの車内側部分を、Aピラー6の上記車外側端部付近に弾性的に当接させてもよい。この場合には、止水堰170を可撓性材料(弾性材料)で構成することにより、止水堰本体170aをAピラー6に確実に密着させて止水効果を高めることができるとともに、Aピラー6の表面が傷つくのを防止することができる。
また、図5,7に示される例では、止水堰本体170aの長さを10mm程度としたが、図11,12に示されるように、止水堰本体171aの剛性が確保される範囲で、止水堰本体171aを上記止水堰本体170aよりも短く形成してもよい。図11,12に示される止水堰171では、止水堰本体171aの長さは、1〜2mm程度に設定されている。
また、止水堰170の位置は、左側のワイパ13の可動領域13cの上端TPと、サイドミラー4の鏡面4a全体とを結ぶ三次元領域J(図2,3参照)内に設けられてもよい。本実施形態では、鏡面4aは長方形状に形成されているので、上記三次元領域Jは、四角錐状の領域とされる。この場合においても、フロントガラス3からサイドバイザ7の上側端部Uに載り移った水滴を、サイドミラーよりも上側かつ後側の位置で効果的に止水して、サイドミラー4の視認性低下を効果的に防止することができる。
すなわち、フロントガラス3に付着している水滴Sは、ワイパ13の作動により、ワイパ13の可動領域13cの上端TPよりも下側の位置でサイドバイザ7の上側端部Uに載り移り、そして、その水滴Sはサイドミラー4に近づくようにサイドバイザ7の上側端部Uを伝って流下するので、止水堰170が、ワイパ13の可動領域13cの上端TPとサイドミラー4の鏡面4a全体とを結ぶ三次元領域J内に設けられることで、フロントガラス3からサイドバイザ7の上側端部Uに載り移った水滴Sを、サイドミラー4よりも上側かつ後側の位置で効果的に止水して、これにより、サイドミラー4の視認性が低下するのを効果的に防止することができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について、図13,14を参照しつつ説明する。なお、上記第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態に係るサイドバイザ7(図13参照)は、第1実施形態とは止水堰172の形状が異なっている。図14に示されるように、本実施形態における止水堰172では、止水堰本体172aは、4つの頂点P1、P2、P3、P4を有する略三角錐状に形成されている。
具体的には、図14に示されるように、止水堰本体172aは、止水堰固定用基部170fにおける台座部170cの車内側端部に位置する頂点P1と、この頂点P1よりも後側で、かつ、台座部170cの車内側端部に位置する頂点P4と、頂点P1よりも後側で、かつ、頂点P4および台座部170cの車外側端部よりも車外側に位置する頂点P3と、頂点P1よりも後側で、かつ、頂点P4よりも上側に位置する頂点P2とを有している。そして、3つの頂点P1,P2,P3を結ぶ側面a1が車外側に凸の曲面を構成し、3つの頂点P1,P2,P4を結ぶ側面a4が平面を構成し、3つの頂点P1,P3,P4を結ぶ側面a3が平面を構成し、3つの頂点P2,P3,P4を結ぶ側面a2が前側に凹の曲面を構成している。
また、上記側面a3がサイドバイザ用モール部8の上側端部に弾性的に当接し、上記側面a4にモール側リップシール62の車外側の側面が弾性的に当接する。
本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
すなわち、図13に示されるように、サイドバイザ7の上側端部Uに沿って流下する水滴S1は、図14に示される上記側面a2(凹面)によって反対側に跳ね返される。また、車両の走行速度が比較的高い場合には、図13に示されるように、サイドバイザ7の上側端部Uのうち止水堰172よりも下側に位置する水滴S2が、走行風に押されてサイドバイザ7の上側端部Uに沿って上昇することがあるが、この場合には、その水滴S2は、側面a1に沿って後側かつ車外側へ流れ、そして、当該側面a1を乗り越えて車両後側へ飛散する。このように、止水堰172を三角錐状に形成することにより、当該止水堰172に対して後側から接近する水滴S1および前側から接近する水滴S2の双方を、止水堰172よりも後側へ効果的に流すことができ、その結果、ドアガラス11におけるサイドミラー4の視認性に影響する領域Rに水滴Sが付着するのを効果的に抑制することができる。
なお、上記第1、第2実施形態では、可撓性材料から構成される止水堰170,171,172が、硬質の合成樹脂から構成されるサイドバイザ本体7bとは別体に構成されているが、これらが一体に構成されていてもよく、その場合には、これらが例えば二色成形により構成されてもよい。
なお、上記各実施形態は、運転席が車両の左側に配置されている場合を例に挙げているが、本発明は、運転席が車両の右側に配置されている場合にも適用可能である。
1 車両
3 フロントガラス
4 サイドミラー
4a 鏡面
4c サイドミラーの後端
6 Aピラー
7 サイドバイザ
7a 固定用基部(サイドバイザ固定用基部)
7b サイドバイザ本体
7d 第1接着部
9 ドアサッシュ
10 フロントサイドドア
13 左側のワイパ
13c 左側のワイパの可動領域
BP 可動領域の後端
TP 可動領域の上端
170,171,172 止水堰
S,S1,S2 水滴
U サイドバイザの上側端部

Claims (6)

  1. ドアサッシュを有するドアフレームと、当該ドアフレームに固定されたサイドミラーとを備えるフロントサイドドアの前記ドアサッシュの車外側の側面に固定される車両用サイドバイザであって、
    前記ドアサッシュの車外側の側面に固定されるサイドバイザ固定用基部を含み、かつ、当該サイドバイザ固定用基部から車外側に向かって斜め下向きに延出するサイドバイザ本体と、
    前記サイドバイザ固定用基部のうち、Aピラーに沿った部分の所定の高さ位置であって前記サイドミラーより上側の所定高さ位置に設けられて、前記サイドバイザ固定用基部の上側端部と前記Aピラーとの間の空間を塞ぐ止水堰とを備え、
    前記止水堰は、フロントガラスの表面に沿って車両後側に傾斜した状態で車幅方向に揺動するワイパの可動領域の後端と、車両前後方向における前記サイドミラーの後端との間に設けられていることを特徴とする車両用サイドバイザ。
  2. 前記止水堰は、前記ワイパの可動領域の上端よりも下側の高さ位置に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用サイドバイザ。
  3. 前記止水堰は、前記ワイパの可動領域の上端と、前記サイドミラーの鏡面全体とを結ぶ三次元領域内に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用サイドバイザ。
  4. 前記止水堰は、可撓性材料により構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車両用サイドバイザ。
  5. 前記止水堰は、前記サイドバイザ固定用基部の車内側の側面に固定される止水堰固定用基部と、当該止水堰固定用基部に連設されて前記サイドバイザ固定用基部の上側端部と前記Aピラーとの間の空間を塞ぐ止水堰本体と、前記止水堰固定用基部を前記サイドバイザ固定用基部に固定するための部材であって、軸部および当該軸部の両端に設けられたかしめ部を有するリベットとを備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用サイドバイザ。
  6. 前記ワイパは、車幅方向中心よりも外側に回動支点を有する第1ワイパと、車幅方向中心寄りの位置に回動支点を有する第2ワイパとを有し、
    前記車両用サイドバイザは、前記第1ワイパ側のフロントサイドドアに設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両用サイドバイザ。
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