JP6662643B2 - 抗酸化剤 - Google Patents

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本開示は、抗酸化剤に関する。
活性酸素(ROS:Reactive Oxygen Species)は、体内で酸素を利用し代謝が行われる過程で発生する。発生した活性酸素は抗酸化物質や抗酸化酵素の働きにより大半が消去されるが、過剰に発生した活性酸素はDNA、脂質、酵素、タンパク質といった重要な生体成分を酸化する。こうした生体成分の酸化は老化の促進に関与し、皮膚のしわ、シミ、くすみ等を誘発することが知られている。さらに、生体成分の酸化は、糖尿病、高血圧、動脈硬化等の疾患の発症にも関与していることが知られている。このため、体内の活性酸素を取り除く抗酸化剤は、美容及び健康の維持にとって大変有用である。
抗酸化剤の有効成分としてレスベラトロールが注目されている。レスベラトロールは、美容や健康機能の改善を目的とする機能性食品等に多く用いられている(特許文献1参照)。
特開2012−100589号公報
このような背景のもと、本件発明者らは、レスベラトロールの抗酸化作用を従来以上に増強する手法について検討を重ねた。その結果、レスベラトロールと特定の成分を併用することにより、レスベラトロールの抗酸化作用が著しく増強されることを見出すに至った。
本開示は、レスベラトロールの抗酸化作用を増強可能な技術を提供するものである。
本開示は、(A)6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(以下、6−MSITCという)、及び(B)レスベラトロールを主成分として含有し、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、前記(A)成分1モルに対して、前記(B)成分が0.06モル以上16モル未満とされている、抗酸化剤を提供するものである。
本発明者らの研究結果によれば、前記(A)成分と前記(B)成分を上述のような特定の配合比で配合すると、両成分による相乗的な効果が発現することにより、レスベラトロール単独では期待できないような高い抗酸化作用を発揮する。このような作用があることは、後述する実施例から明らかである。本開示の抗酸化剤を利用する場合と、レスベラトロールを単独で利用する場合とを比較すれば、同程度の抗酸化作用を発現させるために必要となるレスベラトロールの量は、本開示の抗酸化剤の方が少なくても済む。
したがって、本開示の抗酸化剤によれば、抗酸化作用を低下させることなくレスベラトロールの配合量を低減することができる。あるいは、本開示の抗酸化剤によれば、レスベラトロールの配合量を増大させることなく、抗酸化作用を増強することができる。
レスベラトロール単独処理区及び6−MSITC単独処理区における活性酸素の産生阻害率を示す図である。 6−MSITC単独処理区、レスベラトロールと6−MSITCとの混合処理区における活性酸素の産生阻害率を示す図である。 レスベラトロール単独処理区、レスベラトロールと6−MSITCとの混合処理区における活性酸素の産生阻害率を示す図である。 レスベラトロールと6−MSITCとの混合処理による相乗効果を示す図である。
[抗酸化剤の概要]
本開示の「抗酸化剤」とは、抗酸化作用を有する剤である。活性酸素が多く産生されることは酸化作用が高いことを示し、活性酸素の産生を抑えることは抗酸化作用があることを示す。
本開示の抗酸化剤中の主な成分である主成分は、6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6−Methylsulfinyhexyl isothiocyanate)(略称:6−MSITC)、及びレスベラトロール(Resveratrol)[別名:trans−1,2−(3,4’,5−トリヒドロキシジフェニル)エチレン]である。
本開示に用いられるレスベラトロールは、有機化学的又は微生物を用いて合成した高純度のレスベラトロールの他、植物からの抽出物を用いることができる。前記植物としては、例えば、ブドウ、落花生、ピーナッツ及びイタドリ等のタデ科植物等が挙げられる。また、レスベラトロールは市販品を用いてもよい。
本開示に用いられる6−MSITCは、化学的な合成法により得ることができるが、植物から抽出・精製したものでもよい。前記植物としては、例えば、バティス科(Bataceae)、アブラナ科(Brassicaceae)、ブレッシュネイデラ科(Bretschneideraceae)、フウチョウソウ科(Capparaceae)、パパイア科(Caricaceae)、トウダイグサ科(Euphorbiaceae)、ギロステモン科(Gyrostemonaceae)、リムナンテス科(Limnanthaceae)、ワサビノキ科(Moringaceae)、ペンタディプランドラ科(Pentadiplandraceae)、ヤマゴボウ科(Phytolaccaceae)、トベラ科(Pittosporaceae)、モクセイソウ科(Resedaceae)、サルウァドラ科(Salvadoraceae)、トウァリア科(Tovariaceae)、ノウゼンハレン科(Tropaeolaceae)、の植物等を挙げることができる。具体的には、例えば、わさび(Wasabia japonica)[別名:本わさび]、西洋わさび(Armoracia rusticana)[別名:山わさび]、Batis maritima(和名不詳)、からし(Brassica juncea)、ブロッコリー(Brassica oleracea var.italica)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、ナズナ(Capsella bursa―pastoris)、クレソン(Nasturtium officinale)、Bretschneidera sinensis(和名不詳)、ケッパー(Capparis spinosa)、パパイア(Carica papaya)、Drypetes roxburghii(別名);Putranjiva roxburghii(和名不詳)、Tersonia brevipes(和名不詳)、Limnanthes douglasii(和名不詳)、ワサビノキ(Moringa oleifera)、Pentadiplandra brazzeana(和名不詳)、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolacca americana)、Bursaris spinosa var.incana(和名不詳)、シノブモクセイソウ(Reseda alba)、Salvadora persica(和名不詳)、Tovaria pendula(和名不詳)、キンレンカ(Tropaeolum majus)等が挙げられる。ただし、本開示で用いることができる6−MSITCは、上記の植物から得られるものに限定されるものではなく、6−MSITCを含有するすべての天然資源を原料として用いることができる。
前記植物の抽出・精製方法としては、例えば、アブラナ科植物であるわさびや西洋わさびから6−MSITCを抽出する方法等を挙げることができる。その抽出方法の詳細は特許3919489号公報によって公開されている。
本開示の抗酸化剤中の前記(A)成分と前記(B)成分との配合比は、好ましくは、前記(A)成分1モルに対して、前記(B)成分が0.06モル以上16モル未満であり、より好ましくは、前記(A)成分1モルに対して、前記(B)成分が0.06モル以上8モル以下である。このような配合比で(A)成分と(B)成分を併用することにより、各成分を単独で使用する場合よりも、高い抗酸化作用を示す抗酸化剤を得ることができる。しかも、そのような高い抗酸化作用は、同量の(A)成分を単独で使用した場合に得られる抗酸化作用と、同量の(B)成分を単独で使用した場合に得られる抗酸化作用を、単に足し合わせた程度を超えるものとなる。このことから、(A)成分と(B)成分は、相乗的に互いの抗酸化作用を高め合うものと考えられる。
本開示の抗酸化剤は、食品、化粧品及び医薬部外品に含有されてもよい。
本開示の食品、化粧品及び医薬部外品は、本開示の抗酸化剤を含有する。そのため、本開示の食品、化粧品及び医薬部外品は、レスベラトロール単独では期待できない相乗的な抗酸化作用を発揮する。
本開示の抗酸化剤を含有する食品の形態は任意であり、限定されるものではない。具体的な食品の形態としては、例えば、一般食品、一般飲料、サプリメント、健康食品、機能性表示食品、特定保健用食品などの保健機能食品及び特定用途食品、清涼飲料水、茶飲料、ドリンク剤、ワイン等のアルコール飲料、菓子、米飯類、パン類、麺類、惣菜類、調味料等が挙げられる。
本開示の抗酸化剤を含有する化粧品及び医薬部外品の形態は任意であり、限定されるものではない。具体的な化粧品及び医薬部外品としては、例えば、内用・外用剤、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、パック、皮膚洗浄剤、シャンプー、リンス、入浴剤等が挙げられる。
また、本開示の抗酸化剤を含有する化粧品及び医薬部外品の剤形は限定されるものではない。具体的な化粧品及び医薬部外品の剤形としては、例えば、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤、液剤、乳液、クリーム、ゲル、軟膏、シート、ムース等が挙げられる。
本開示の抗酸化剤は、主成分である6−MSITCとレスベラトロールに加え、本開示の効果を損なわない範囲において、副成分として、一般に、食品、化粧品及び医薬部外品に用いられる各種任意成分を必要に応じて適宜配合してもよい。
以下に本開示をより詳細に説明するために実施例を挙げるが、本開示はこれらによってなんら限定されるものではない。
[実施例1:活性酸素の産生抑制効果]
(1−1)細胞の培養条件
HL−60細胞(細胞番号:RCB3683、入手先:理化学研究所バイオリソースセンター)を、二酸化炭素インキュベータ(5%CO2、37℃)内で対数増殖期に達するまで試験培地中にて培養した。当該試験培地は、RPMI−1640培地(カタログ番号:R8758、販売元:シグマアルドリッチジャパン株式会社)を用い、10%FBS(牛胎児血清、カタログ番号:171012、販売元:Cell Culture Bioscience社)を含み、抗生物質無添加である。
(1−2)被験物質の調製
6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6−MSITC)(原液濃度5.235mol/L)を用いて100mmol/Lとなるようにエタノールに溶解しストック溶液とした。レスベラトロール(カタログ番号:R0071、販売元:東京化成工業株式会社)を用いて20mmol/L、2mmol/Lとなるようにエタノールに溶解しストック溶液とした。刺激誘導剤であるホルボール12−ミリスタート13−アセタート(PMA)(カタログ番号:162−23591、販売元:和光株式会社)を用いて400μmol/Lとなるようにジメチルスルホキシド(DMSO)(カタログ番号:13445−74、販売元:ナカライテスク株式会社)に溶解しストック溶液とした。後述する試験では、好中球に分化したHL−60細胞にPMA刺激を加えることによって、活性酸素を産生させた。分化誘導剤であるレチノイン酸(カタログ番号:R2625、販売元:シグマアルドリッチジャパン株式会社)を用いて100mmol/Lとなるようにエタノールに溶解しストック溶液とした。溶媒濃度を均一にするため、被験物質の希釈系列はエタノール溶媒(1000倍液)で各希釈系列を作成し、試験培地に添加して使用した。
(1−3)細胞毒性試験
6−MSITC及びレスベラトロールをサンプルとし、好中球に分化したHL−60細胞に対する毒性の有無を評価した。
好中球に分化したHL−60細胞浮遊液を遠心分離し、培養上澄み液を除去した後、RPMI−1640培地(無血清培地)に細胞数が1×10個/mLとなるように懸濁した。90μLの当該細胞懸濁液を96ウェルプレートのウェルに添加した後、10μLのサンプル含有培地(RPMI−1640培地(無血清培地)にて調製)を添加した。添加後、撹拌し、プレートを二酸化炭素インキュベータ(5%CO2、37℃)内で10分間培養した。その後、100μLの100nmol/L PMAを含む20%FBS/PBS(ダルベッコ リン酸緩衝生理食塩水、カタログ番号:05913、販売元:日水製薬株式会社)を添加した。添加後、撹拌し、プレートを二酸化炭素インキュベータ(5%CO2、37℃)内で、30分間培養した。その後、各ウェルに生細胞測定試薬SF(カタログ番号:07553−44、販売元:ナカライテスク株式会社)を終濃度が10%となるように添加した。細胞の増殖性を生細胞数測定試薬SF(WST−8)で吸光度を測定した。試験数3にて実施した。
その結果、6−MSITCでは20μmol/Lで細胞毒性を示さなかった。レスベラトロールでは250μmol/L以下で細胞毒性を示さず、1250μmol/L以上で細胞毒性を示した。したがって、後述する(1−4)項の試験においては、20μmol/Lの6−MSITC試験濃度、1.25μmol/L、20μmol/L、40μmol/L、80μmol/L、160μmol/Lのレスベラトロール試験濃度を用いた。また、レスベラトロールに対する活性酸素の産生抑制効果試験について予備試験を行ったところ、活性酸素の産生阻害率がおよそ50%となる濃度は320μmol/Lであった。そこで、当該320μmol/Lのレスベラトロール試験濃度も後述する(1−4)項の試験において用いた。
(1−4)活性酸素の産生抑制効果試験
6−MSITC単独、レスベラトロール単独、及び、レスベラトロールと6−MSITCとの混合液をサンプルとして、好中球に分化したHL−60細胞に対する活性酸素の産生抑制効果試験を行った。レスベラトロールと6−MSITCとの混合液は、1.25μmol/L、20μmol/L、40μmol/L、80μmol/L、160μmol/L、320μmol/Lの各レスベラトロールと、20μmol/Lの6−MSITCとの混合液である。
HL−60細胞を1×10個/mLの濃度で3mLを6ウェルプレートの各ウェルに播種した。播種と同時に、終濃度が1μmol/Lとなるようにレチノイン酸と終濃度1.25%となるようにDMSOとを添加した。プレートを二酸化炭素インキュベータ(5%CO2、37℃)内で9日間培養し、HL−60細胞を好中球に分化させた。
細胞培養液を遠心分離により回収し、培養上澄み液を除去後、RPMI−1640培地(無血清培地)に細胞数が1×10個/mLとなるように懸濁した。90μLの当該細胞懸濁液を発光測定用の96ウェルプレートのウェルに添加した後、10μLのサンプル含有培地(RPMI−1640培地(無血清培地)にて調製)を添加した(サンプル試験区)。なお、サンプルのコントロールとして、当該サンプル含有培地を添加しなかった場合(無添加対照区)を用いた。また、溶媒のコントロールとして、エタノールの終濃度が0.2%となるように試験培地に添加した場合(Vehicle対照区)を用いた。その後、撹拌し、プレートを二酸化炭素インキュベータ(5%CO2、37℃)内で10分間培養した。培養後、100μLの100nmol/L PMA及び1mmol/Lのルシゲニンを含む20%FBS/PBSを添加した。添加後、撹拌し、プレートを二酸化炭素インキュベータ(5%CO2、37℃)内で、5分間培養した。その後、プレートリーダーにて各ウェルの発光を測定することによって、活性酸素産生量を測定した。試験数5にて実施した。
活性酸素産生量から活性酸素の産生阻害率を算出した結果を図1、図2、図3に示した。各サンプル試験区における活性酸素の産生阻害率(百分率)の算出は、無添加対照区の活性酸素産生量から各サンプル試験区の活性酸素産生量を引いた値を無添加対照区の活性酸素産生量で除することにより算出した。同様に、Vehicle対照区における活性酸素の産生阻害率(百分率)の算出は、無添加対照区の活性酸素産生量からVehicle対照区の活性酸素産生量を引いた値を無添加対照区の活性酸素産生量で除することにより算出した。
図1は、サンプル単独処理区、つまり6−MSITC単独処理区、及び、レスベラトロール単独処理区における活性酸素の産生阻害率を示す。サンプル単独処理区は、比較群をVehicle対照区とし、有意差検定を行った。検定はStudent T−testとして行い、P<0.05(帰無仮説が5%未満)のものを有意性ありと判断し、図中に記載した。
その結果、20μmol/Lの6−MSITC単独処理区では、好中球に分化したHL−60細胞に対して、Vehicle対照区よりも有意に活性酸素の産生を抑え、抗酸化作用が認められた。また、80μmol/L、160μmol/L、320μmol/Lの各レスベラトロール単独処理区では、好中球に分化したHL−60細胞に対して、Vehicle対照区よりも有意な抗酸化作用が認められた。
図2は、レスベラトロールと6−MSITCとの混合処理区(以下、混合処理区と称す)、6−MSITC単独処理区における活性酸素の産生阻害率を示す。混合処理区は、比較群を6−MSITC単独処理区とし、上記の検定と同様に有意差検定を行った。
その結果、混合処理区では、好中球に分化したHL−60細胞に対して、6−MSITC単独処理区よりも有意な抗酸化作用が認められた。
図3は、混合処理区、レスベラトロール単独処理区における活性酸素の産生阻害率を示す。混合処理区は、比較群をレスベラトロール単独処理区とし、上記の検定と同様に有意差検定を行った。
その結果、混合処理区では、好中球に分化したHL−60細胞に対して、レスベラトロール単独処理区よりも有意な抗酸化作用が認められた。
以上の結果から、レスベラトロールと6−MSITCとの混合処理により、それぞれ単独処理した場合より、有意に活性酸素の産生阻害が促進していることから相乗的に阻害したと考えられた。しかし、混合処理により相乗的というより合算的に効果を示したとも考えられる。そこで、レスベラトロール単独処理区での活性酸素の産生阻害率(Δ1)と、混合処理区でのレスベラトロールの活性酸素の産生阻害率(Δ2)とを比較した。
具体的には、Δ1の算出は、レスベラトロール単独処理区における活性酸素の産生阻害率からVehicle対照区における活性酸素の産生阻害率を引いて算出した。Δ2の算出は、混合処理区における活性酸素の産生阻害率からVehicle対照区における活性酸素の産生阻害率を引いた値から、6−MSITC単独処理区における活性酸素の産生阻害率からVehicle対照区における活性酸素の産生阻害率を引いた値を引いて算出した。
Δ2/Δ1の値が「1」を超える場合、相乗効果があると定義した。つまり、Δ2/Δ1の値が「1」を超える場合、単独処理の合算ではなく、両物質の相乗効果により互いの機能がそれぞれ単独より高まったと定義した。その結果を図4に示す。
その結果、1.25μmol/L、20μmol/L、40μmol/L、80μmol/L、160μmol/Lの各レスベラトロールと20μmol/Lの6−MSITCとの混合処理により、相乗的な抗酸化作用を発揮した。特に、1.25μmol/Lのレスベラトロールと20μmol/Lの6−MSITCとの混合処理において、最も相乗効果が発揮された。
したがって、6−MSITCとレスベラトロールとの配合比が、6−MSITC 1モル(20μmol/L)に対して、レスベラトロールが0.06モル(1.25μmol/L)以上である場合、レスベラトロール単独では期待できない相乗的な抗酸化作用を発揮できることが分かった。また、6−MSITCとレスベラトロールとの配合比が、6−MSITC 1モル(20μmol/L)に対して、レスベラトロールが16モル(320μmol/L)未満である場合、レスベラトロール単独では期待できない相乗的な抗酸化作用を発揮できることが分かった。
[実施例2:サプリメントの製造]
本わさびの根茎を100kgすりおろして37℃で1.5時間酵素反応させ、6−MSITCを生成した。300kgの50%エタノールを加えて1.5時間撹拌し、圧搾して抽出エキスを300kg得た。得られた抽出エキスを加熱・濃縮してアルコールを揮発させ、デキストリンを2.0kg加えてスプレードライした。得られた粉末は1.0%の6−MSITCを含有する。
この粉末100mgとレスベラトロールの粉末(レスベラトロール含有量5%)100mgをハードカプセル(3号)に混合して充填し、サプリメントを製造した。当該サプリメント中の6−MSITC及びレスベラトロールの含有量は、それぞれ1.0mgと5.0mgである。
したがって、6−MSITCを少量配合することで、高価なレスベラトロールの配合量を半分程度に減少させても、体感効果が変わらないものが作れるようになった。
[変形例]
上記実施例2では、サプリメント中の6−MSITC及びレスベラトロールの含有量がそれぞれ1.0mgと5.0mgである例を示したが、これに限定されるものではない。サプリメント中の6−MSITC及びレスベラトロールの配合比が、6−MSITC 1モルに対して、レスベラトロールが0.06モル以上16モル未満であればよく、特に6−MSITC 1モルに対して、レスベラトロールが0.06モル以上8モル以下が好ましい。
上記実施例2では、サプリメントの剤形がハードカプセルである例を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、ソフトカプセル、タブレット(打錠品)等であってもよい。
上記実施例2では、本わさびの根茎を原料として6−MSITCを製造する例を示したが、本わさびの葉を原料にしても良く、これらを併用しても良い。また、上記実施例では本わさびを利用したが、これに限定されるものではなく、例えば、西洋わさび(山わさび)の根茎、葉等を原料にしても良く、本わさびと西洋わさびを併用しても良い。
以上、本開示の実施例について説明した。ただし、本開示は上述したような実施例に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施し得る。また、異なる実施例を適宜組み合わせて得られる構成についても、本開示の範疇に含まれる。

Claims (6)

  1. (A)6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート、及び(B)レスベラトロールを主成分として含有し、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、前記(A)成分1モルに対して、前記(B)成分が0.06モル以上16モル未満とされている、抗酸化剤。
  2. (A)6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート、及び(B)レスベラトロールを主成分として含有し、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、前記(A)成分1モルに対して、前記(B)成分が0.06モル以上8モル以下とされている、抗酸化剤。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の抗酸化剤であって、
    前記(A)成分はわさび及び西洋わさびのうち少なくとも一方から抽出された成分である、抗酸化剤。
  4. 抗酸化剤を含有する食品であって、
    前記抗酸化剤は、(A)6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート、及び(B)レスベラトロールを主成分として含有し、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、前記(A)成分1モルに対して、前記(B)成分が0.06モル以上16モル未満とされている、食品。
  5. 抗酸化剤を含有する化粧品であって、
    前記抗酸化剤は、(A)6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート、及び(B)レスベラトロールを主成分として含有し、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、前記(A)成分1モルに対して、前記(B)成分が0.06モル以上16モル未満とされている、化粧品。
  6. 抗酸化剤を含有する医薬部外品であって、
    前記抗酸化剤は、(A)6−メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート、及び(B)レスベラトロールを主成分として含有し、前記(A)成分と前記(B)成分との配合比が、前記(A)成分1モルに対して、前記(B)成分が0.06モル以上16モル未満とされている、医薬部外品。
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